JP3455646B2 - 潜在ストレッチ性ミシン糸 - Google Patents

潜在ストレッチ性ミシン糸

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JP3455646B2 JP6068497A JP6068497A JP3455646B2 JP 3455646 B2 JP3455646 B2 JP 3455646B2 JP 6068497 A JP6068497 A JP 6068497A JP 6068497 A JP6068497 A JP 6068497A JP 3455646 B2 JP3455646 B2 JP 3455646B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複合糸条の一方を
溶解除去することにより、捲縮糸条のストレッチ性が顕
在化する潜在ストレッチ性ミシン糸に関し、特にストレ
ッチエンブロイダリーレースに適した潜在ストレッチ性
ミシン糸に関する。
【0002】
【従来の技術】易溶解性基布に、エンブロイダリーレー
ス機を用いて非易溶解性のミシン糸で刺しゅう縫製を施
した後、該基布を溶解除去して刺しゅう柄のみを残すケ
ミカルレースは、多様な柄作りが可能で立体感に優れて
いるので、高級レースとして従来から愛用されてきた。
【0003】しかし、上記ケミカルレースは、刺しゅう
縫製を施すので縫目の形成が困難な伸縮性ミシン糸は使
用出来ず、従って伸縮性に富んだ刺しゅう柄のケミカル
レースを得ることは出来なかった。
【0004】このような問題を解消する方法として、例
えば、特開昭54−106673号公報には、ポリウレ
タン、合成ゴムなどの伸縮性に富んだ弾性糸条を水溶性
の非伸縮性糸条でインナーカバリングし、さらに水不溶
性糸条でアウターカバリングして、弾性糸条の伸縮性を
非伸縮性糸条で一時的に止めて縫目形成を可能とし、刺
しゅう縫製を施した後、該水溶性の非伸縮性糸条を溶解
除去して伸縮性を発現させるケミカルレースの製造方法
が提案されている。
【0005】ところが、上記方法で用いられるミシン糸
は、ミシン糸製造時(インナーカバリング時)に不可避
的に弾性糸条が大きく伸長され、その伸長歪を内在する
結果、水溶性の非伸縮性糸条を溶解除去して伸縮性を発
現させた時に、伸長歪みが回復して刺しゅう柄が大きく
収縮する(上記公報2頁(4)欄第4行には、45%収
縮することが記載されている)と言う欠点を有してい
る。
【0006】上記欠点は、刺しゅう柄の設計時に大き目
の柄に調整し、相似形で収縮させることにより解消出来
る旨が上記公報に記載されているが、通常、刺しゅう柄
の縫い密度には疎密があるため、縫い糸が受ける拘束力
が異なり、一様に収縮させることは極めて困難である。
【0007】従って、上記方法によって得られる刺しゅ
う柄は収縮の際に歪みが生じたり、表面に不規則な凹凸
が発生したりして、品位の良いケミカルレースを得るこ
とが出来ないのが実情である。
【0008】更に、上記縫い糸は伸縮性糸条として、ポ
リウレタン、合成ゴム等の極めて高価な弾性糸条を用い
るために、縫い糸もまた極めて高価なものとなり、汎用
品に用いるには適当でないという問題がある。
【0009】このような欠点を改良するため、先に本発
明者らは、溶剤に対し易溶解性の非捲縮性糸条と、該非
捲縮性糸条よりも難溶解性の捲縮性糸条とをインターレ
ース等で複合させた後、非捲縮性糸条を溶解除去して伸
縮性縫糸を得る方法を開示した。
【0010】しかしながら、上記方法においては、得ら
れる縫糸の伸縮性が不充分である上、縫糸の表面に、イ
ンターレースによるループ、たるみが散在するので、可
縫性が劣るという欠点があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来技術の有する欠点を解消し、充分な伸縮性を有しな
がら、可縫性に優れた潜在ストレッチ性ミシン糸を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく種々検討を重ねた結果、ミシン糸の撚構造や
カバリング構造を巧みに利用するとき、良好な縫目形成
性を維持しつつ、非捲縮性糸条を溶解除去した際に捲縮
性糸条(本発明では安価な仮撚捲縮加工糸を用いる)に
ゆるみが発生し、捲縮発現によるストレッチが付与でき
ることを着想し、本発明を完成するに至った。
【0013】すなわち、本発明によれば、溶剤に対し易
溶解性の非捲縮性糸条(a)と、該非捲縮性糸条(a)
よりも難溶解性の捲縮性糸条(b)とが合撚されている
か又は溶剤に対し易溶解性の非捲縮性糸条(a)の周り
に、該非捲縮性糸条(a)よりも難溶解性の捲縮性糸条
(b)がカバリングされてなり、該非捲縮性糸条(a)
を溶解除去した際に、捲縮性糸条(b)の捲縮発現によ
るストレッチ顕在能を有し、かつ非捲縮性糸条を溶解除
去する前と後のミシン糸の糸長差が10〜80%であ
り、かつ下記(1)〜(6)の要件のうち、いずれか
要件を満足することを特徴とする潜在ストレッチ性ミシ
ン糸が提供される。 (1)非捲縮性糸条(a)と捲縮性糸条(b)が、各々
撚係数3500〜35000の下撚が施された後、下撚
と逆方向に下撚数の50〜95%の上撚数で合撚されて
いる。 (2)捲縮性糸条(b)が撚係数3500〜35000
の下撚が施された後、無撚状態の非捲縮性糸条(a)
と、下撚と逆方向に下撚数の50〜95%の上撚数で合
撚されている。 (3)捲縮性糸条(b)が、撚係数3500〜3500
0の下撚が施された後、下撚と逆方向に下撚数の50〜
95%のカバリング数で非捲縮性糸条(a)をカバリン
グしている。 (4)カバリングがダブルカバリングであり、撚係数3
500〜35000の下撚が施された捲縮性糸条(b)
が下撚と逆方向に下撚数の50〜95%のカバリング数
で非捲縮性糸条(a)を下カバリングしており、さら
に、下カバリング糸条とは逆方向に撚係数3500〜3
5000の下撚が施された捲縮性糸条(b)が、下カバ
リングと逆方向に下カバリング数の50〜95%のカバ
リング数で上カバリングしている。 (5)無撚状態の捲縮性糸条(b)が、6000〜50
000のカバリング係数で非捲縮性糸条(a)をカバリ
ングしている。 (6)カバリングがダブルカバリングであり、撚係数3
500〜35000の下撚が施された捲縮性糸条(b)
が下撚と逆方向に下撚数の50〜95%のカバリング数
で非捲縮性糸条(a)を下カバリングしているか、無撚
状態の捲縮性糸条(b)が6000〜50000のカバ
リング係数で非捲縮性糸条(a)を下カバリングしてお
り、さらに、無撚状態の捲縮性糸条(b)が下カバリン
グと逆方向に下カバリング数の50〜95%のカバリン
グ数で上カバリングしている。
【0014】本発明のミシン糸に用いる非捲縮性糸条と
は、水又はアルカリ水溶液等の溶剤によって容易に分
解、溶解し得る、実質的に捲縮を有さない非伸縮性糸条
のことである。
【0015】このような糸条の好ましい例としては、水
溶性のポリビニルアルコールフラットヤーンや、アルカ
リ水溶液により容易に分解、溶解するポリエステルフラ
ットヤーンを挙げることが出来る。
【0016】かかるポリエステルとしては、例えば、ス
ルホイソフタル酸金属塩などの第3成分を共重合したポ
リエステルや、ポリエーテルエステルを添加含有させた
ポリエステルなどを挙げることができ、なかでも、ポリ
オキシアルキレングリコール及び/又はジカルボン酸と
ポリオキシアルキレングリコール成分とからなるポリエ
ーテルエステルを少なくとも2重量%以上含有したポリ
エステルが好適に例示される。
【0017】なお、水又はアルカリ水溶液は、分解或い
は溶解速度を高めるうえで60℃以上に加熱して使用す
るのが好ましい。
【0018】また、本発明のミシン糸に用いられる捲縮
性糸条とは、上記非捲縮性糸条よりも相対的に水やアル
カリ水溶液で分解、溶解し難い捲縮性糸条のことであ
り、一般の合成繊維は、通常難溶解性である。
【0019】また、捲縮性糸条とは、曲がり(捲縮)を
有する糸条のことであって、例えば、仮撚捲縮加工糸、
流体噴射捲縮加工糸、機械捲縮加工糸、コンジュゲート
捲縮糸、などが挙げられるが、なかでも、仮撚捲縮加工
糸が最も好適に例示される。
【0020】該捲縮性糸条は10〜80%の捲縮度を有
することが好ましい。
【0021】本発明のミシン糸は撚構造やカバリング構
造を巧みに利用したものであり、以下その実施態様につ
き詳細に説明する。
【0022】尚、本発明で言う撚係数は、施撚される糸
条の繊度(デニール)の平方根と撚数(T/m)の積で
求められる値を言う。
【0023】また、本発明で言うカバリング係数は、カ
バリングされる糸条(芯成分、鞘成分両者の和)の繊度
(デニール)の平方根とカバリング数(T/m)の積で
求められる値を言う。
【0024】本発明の一実施態様(1)は、下撚が施さ
れた非捲縮性糸条(a)と下撚が施された捲縮性糸条
(b)とが、下撚と逆方向の上撚で合撚された構造を有
するミシン糸である。
【0025】このミシン糸において、非捲縮性糸条
(a)は元々伸縮性を有しておらず、又、捲縮性糸条
(b)は撚糸時の張力で伸ばされて、捲縮が少ない状態
で合撚されており伸縮性は少ない。
【0026】よって両者が合撚されたミシン糸はストレ
ッチ性が内在化されたノンストレッチミシン糸であっ
て、縫目形成性が良好である。
【0027】そして、該合撚ミシン糸から非捲縮性糸条
(a)を溶解除去すると、残った捲縮性糸条(b)に
は、除去された非捲縮性糸条(a)の分だけ除去ゆるみ
が生じる上、捲縮性糸条(b)の下撚は非捲縮性糸条
(a)の拘束が外れるので上撚で解撚された状態とな
り、解撚ゆるみも発現する(糸は加撚により縮み、解撚
により伸びる特性がある)。
【0028】従って、上記ミシン糸には、撚糸時の張力
で伸ばされた捲縮の内、ゆるみ分に相当するだけの捲縮
が再度発現し、ストレッチ性能が顕在化する。
【0029】さらに、溶解除去後の糸条は下撚が上撚で
解撚されるために残る撚が少なくソフトな縫目が得られ
るという利点もある。
【0030】上記ミシン糸において、下撚の撚係数は3
500〜35000の範囲にある必要がある。さらに好
ましくは8000〜25000の範囲が好適である。撚
係数が3500未満の場合は、ゆるみの発生が少なくて
ストレッチ性の発現が少なくなる場合がある。一方、撚
係数が35000を越える場合は撚歪みが大き過ぎて繊
維の損傷が生じ強度低下等が発生することがある。
【0031】また、上撚数は下撚数の50〜95%の範
囲にある必要があり、さらに好ましくは70〜90%の
範囲が好適である。上撚数が下撚数の50%未満の場合
は、下撚の解撚が少なく(溶解性糸条を除去した際に下
撚の50%以上が残る)、ストレッチ性能が充分に発現
しない場合がある。一方、該比率が95%を越える場合
は上撚の解撚力が勝りトルクが生じるし、溶解性糸条を
除去して残った捲縮性糸条は、略無撚状態となり、摩耗
等に弱くなる傾向がある。
【0032】上記ミシン糸において、顕在化するストレ
ッチ性能は、除去ゆるみと解撚ゆるみの発生量に依存
し、これは非捲縮性糸条を溶解除去する前と後のミシン
糸の糸長差で表すことができる。上記ミシン糸において
は、この値は10〜80%である必要があり、40を越
え、80%以下であることがさらに好ましい。
【0033】尚、上記糸長差は、非捲縮性糸条を溶解除
去する前(l0)と後(l1)のミシン糸の糸長を0.2
g/デニールの初荷重下で測定し、下記の式より算出す
る。
【0034】
【数1】糸長差(%)=(l1~0)/l0×100
【0035】本発明の他の実施態様(2)は、無撚の非
捲縮性糸条(a)と下撚が施された捲縮性糸条(b)と
が、下撚と逆方向の上撚で合撚された構造を有するミシ
ン糸である。
【0036】このミシン糸において、合撚時に、無撚の
非捲縮性糸条(a)は加撚されて縮み、他方、捲縮性糸
条(b)は下撚が上撚で解撚されて伸びるので、非捲縮
性糸条(a)がミシン糸の芯部に、また、捲縮性糸条
(b)が鞘部に配された芯鞘構造となる。
【0037】このミシン糸は前記(1)と同様、ストレ
ッチ性が内在化されたノンストレッチミシン糸であっ
て、縫目形成性が良好である。
【0038】さらに、該ミシン糸から非捲縮性糸条
(a)を溶解除去すると、前記(1)と同様に、残った
捲縮性糸条(b)には除去ゆるみと解撚ゆるみが発現し
てストレッチ性能が顕在化し、また、ソフトな縫目を得
ることも可能となる。
【0039】この際、本実施態様のミシン糸は、非捲縮
性糸条(a)がミシン糸の芯部に配された構造であるた
め、(1)に比べて除去ゆるみを大きくでき、ストレッ
チ性能をさらに高めることができるという利点がある。
【0040】上記ミシン糸においては、非捲縮性糸条を
溶解除去する前と後のミシン糸の糸長差は、10〜80
%である必要があり、40を越え、80%以下であるこ
とがさらに好ましい。
【0041】尚、上記ミシン糸における、捲縮性糸条
(b)の下撚の撚係数や上撚数の必要な範囲は(1)と
同様である。また、無撚とは積極的に撚を付与しないこ
とであって解舒撚等自然に入る撚りは含まない。これは
以下の実施態様においても同様である。
【0042】本発明の他の実施態様(3)は、非捲縮性
糸条(a)に、下撚が施された捲縮性糸条(b)が、下
撚と逆方向にカバリングされた構造を有するミシン糸で
ある。
【0043】このミシン糸は、上記(2)のミシン糸と
同様の芯鞘構造を有しているので、縫目形成性が良好で
あり、該ミシン糸から非捲縮性糸条(a)を溶解除去す
ると、大きな除去ゆるみが生じる上、捲縮性糸条(b)
の下撚は非捲縮性糸条(a)の拘束が外れるのでカバリ
ングで解撚された状態となり、解撚ゆるみも発現して、
良好なストレッチ性能を付与することができる。また、
上記(2)のミシンと同様、ソフトな縫目を得ることも
可能となる。
【0044】上記ミシン糸においては、非捲縮性糸条を
溶解除去する前と後のミシン糸の糸長差は、10〜80
%である必要があり、40を越え、80%以下であるこ
とがさらに好ましい。
【0045】尚、上記ミシン糸における、捲縮性糸条
(b)の下撚の撚係数の必要な範囲は(1)と同様であ
る。
【0046】また、カバリング数は下撚数の50〜95
%の範囲にある必要があり、さらに好ましくは70〜9
0%の範囲が好適である。カバリング数が下撚数の50
%未満の場合は下撚の解撚が少なく(溶解性糸条を除去
した際に下撚の50%以上が残る)、ストレッチ性能が
充分に発現しない場合がある。一方、該比率が95%を
越える場合はカバリングトルクが生じる上、溶解性糸条
を除去して残った捲縮性糸条は、略無撚状態となり、摩
耗等に弱くなる傾向がある。
【0047】上記の実施態様(1)〜(3)は、できる
だけ大きな除去ゆるみと解撚ゆるみを発生させ、捲縮の
顕在化によるストレッチ性能の向上を主眼に置いた態様
であるが、本発明においては、ストレッチ性は上記
(1)〜(3)に比べてやや低いものの、可縫性や縫目
の耐摩耗性を重視した態様を採用することもできる。以
下にその態様を示す。
【0048】本発明の他の実施態様(4)は、非捲縮性
糸条(a)に、下撚が施された捲縮性糸条(b)が下カ
バリングされた上に重ねて、下カバリングと同方向に下
撚が施された捲縮性糸条(b)で下カバリングと逆方向
に上カバリングした構造を有するミシン糸である。
【0049】このミシン糸は前記(1)と同様、ストレ
ッチ性が内在化されたノンストレッチミシン糸であっ
て、ダブルカバリングされているため、縫目形成性は極
めて良好である。
【0050】さらに、該ミシン糸から非捲縮性糸条
(a)を溶解除去すると、除去ゆるみが生じて捲縮が顕
在化し、ストレッチ性能が発現する。
【0051】また、非捲縮性糸条(a)を溶解除去した
後のミシン糸は、非捲縮性糸条(a)の拘束が外れ、下
カバリング糸と上カバリング糸が上カバリング数で合撚
されたような構造となっているので、前記(1)〜
(3)のミシン糸に比べ、ストレッチ性能はやや低いも
のの、糸の外観がフラットで耐摩耗性に優れている。
【0052】上記ミシン糸においては、非捲縮性糸条を
溶解除去する前と後のミシン糸の糸長差は、10〜80
%である必要があり、40を越え、80%以下であるこ
とがさらに好ましい。
【0053】尚、上記ミシン糸における、捲縮性糸条
(b)の下撚の撚係数の必要な範囲は(1)と同じであ
り、また、下カバリングのカバリング数の必要な範囲は
(3)と同じである。
【0054】また、上カバリングのカバリング数は下カ
バリング数の50〜95%の範囲にある必要があり、さ
らに好ましくは70〜90%の範囲が好適である。該カ
バリング数が下カバリング数の50%未満の場合は下撚
の解撚が少なく(溶解性糸条を除去した際に下撚の50
%以上が残る)、ストレッチ性能が充分に発現しない場
合がある。一方、該比率が95%を越える場合はカバリ
ングトルクが生じる。
【0055】本発明の他の実施態様(5)は、非捲縮性
糸条(a)に、無撚の捲縮性糸条(b)が、カバリング
された構造を有するミシン糸である。
【0056】このミシン糸は前記(1)と同様、ストレ
ッチ性が内在化されたノンストレッチミシン糸であっ
て、縫目形成性が良好である。
【0057】さらに、該ミシン糸から非捲縮性糸条
(a)を溶解除去すると、除去ゆるみが生じて捲縮が顕
在化し、ストレッチ性能が発現する。
【0058】そして、上記ミシン糸の場合は、非捲縮性
糸条(a)を溶解除去した後の捲縮性糸条(b)にはカ
バリング数に相当する撚りが残るので糸外観が(4)よ
りもさらにフラットであり、可縫性や耐摩耗性が極めて
良好である。
【0059】上記ミシン糸においては、非捲縮性糸条を
溶解除去する前と後のミシン糸の糸長差は、10〜80
%である必要があり、40を越え、80%以下であるこ
とがさらに好ましい。
【0060】
【0061】また、カバリング係数は6000〜500
00の範囲にある必要があり、さらに好ましくは110
00〜36000の範囲が好適である。該カバリング係
数が6000未満の場合は、解撚ゆるみが少なくてスト
レッチ性能が充分に発現しない場合がある。一方、該係
数が50000を越える場合はカバリング歪みが大き過
ぎて繊維の損傷が生じ強度低下等が発生する場合があ
る。
【0062】本発明の他の実施態様(6)は、非捲縮性
糸条(a)に、捲縮性糸条(b)が下カバリングされた
上に重ねて、下カバリングと逆方向に無撚の捲縮性糸条
(b)で上カバリングした構造を有するミシン糸であ
る。
【0063】このミシン糸は前記(1)と同様、ストレ
ッチ性が内在化されたノンストレッチミシン糸であっ
て、ダブルカバリングされているため、縫目形成性は極
めて良好である。
【0064】さらに、該ミシン糸から非捲縮性糸条
(a)を溶解除去すると、除去ゆるみが生じて捲縮が顕
在化し、ストレッチ性能が発現する。
【0065】そして、上記ミシン糸の場合、非捲縮性糸
条(a)を溶解除去した後の、上カバリングした捲縮性
糸条(b)には上カバリング数に相当する撚りが残るの
で糸外観がフラットであるが、その程度は、下カバリン
グする捲縮性糸条(b)を無撚状態でカバリングさせる
か、或いは下撚を施した後カバリングさせるかで任意に
調節することができる。
【0066】即ち、下カバリングする捲縮性糸条(b)
を無撚状態でカバリングさせた場合は、該捲縮性糸条
(b)には下カバリング数に相当する撚りが残り、極め
てフラットな外観を有するミシン糸が得られるし、一
方、下カバリングする捲縮性糸条(b)に下カバリング
と逆方向に下撚を施した場合は、下カバリングによる解
撚ゆるみが生じ、ストレッチ性能に富んだミシン糸とす
ることができる。
【0067】上記ミシン糸においては、非捲縮性糸条を
溶解除去する前と後のミシン糸の糸長差は、10〜80
%である必要があり、40を越え、80%以下であるこ
とがさらに好ましい。
【0068】尚、上記ミシン糸における、捲縮性糸条
(b)の下撚の撚係数の好ましい範囲は(1)と同じで
ある。
【0069】また、下カバリングのカバリング数は、下
カバリングする捲縮性糸条(b)が無撚状であるとき
は、カバリング係数が6000〜50000の範囲にあ
必要があり、さらに好ましくは11000〜3600
0の範囲が好適である。一方、下カバリングする捲縮性
糸条(b)に下カバリングと逆方向に下撚が施されてい
る場合は、下カバリングのカバリング数は、下撚数の5
0〜95%の範囲にある必要があり、さらに好ましくは
70〜90%の範囲が好適である。
【0070】さらに、上カバリングのカバリング数は下
カバリング数の50〜95%の範囲にある必要があり
さらに好ましくは70〜90%の範囲が好適である。
【0071】上記(1)〜(6)の実施態様において、
撚数を限定していない場合は、無撚であってもよいし、
トルク防止等のために施撚してもよい。また、撚の方向
はS撚、Z撚のいずれでも構わない。
【0072】
【発明の作用】捲縮性糸条は伸縮し易いため、それ単独
では縫目形成が困難で、刺しゅう縫製を施すことが出来
ないが、本発明のミシン糸においては、非捲縮性糸条を
複合しているから、捲縮性糸条の伸縮性が抑制され刺し
ゅう縫製が容易に行える。しかも、本発明のミシン糸で
は、縫製後に非捲縮性糸条を溶解除去することによっ
て、前記の抑制は排除されて捲縮性糸条の伸縮性が発現
する。さらに、本発明のミシン糸では、非捲縮性糸条の
溶解除去で、捲縮性糸条に除去ゆるみや解撚を生じる構
造であるために、溶解処理による収縮がなく、刺しゅう
柄の収縮や歪みの発生もない。
【0073】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明する。尚、実施例中のミシン糸の各物性は下記の方法
により測定した。
【0074】(1)糸長差 非捲縮性糸条を溶解除去する前(l0)と後(l1)のミ
シン糸の糸長を0.2g/デニールの初荷重下で測定
し、下記の式より算出した。尚、溶解処理は90℃の熱
水にて60分間実施した。
【0075】
【数2】糸長差(%)=(l1~0)/l0×100
【0076】(2)ストレッチ性 非捲縮性糸条を溶解除去した後のミシン糸のストレッチ
性を、◎(極めて良好)、○(良好)、△(やや不
良)、×(不良)の4段階で評価した。
【0077】(3)可縫性 JUKI(株)製の千鳥縫ミシン糸を用い、縫製速度10
00spm、針の振り幅5mm、縫目ピッチ15s/3
cmの条件で、縫製布にはサージを用い、試験ミシン糸
を上糸(針糸)と下糸(ボビン糸)に使用して1分間の
縫製を実施した際の可縫性を◎(極めて良好)、○(良
好)、△(やや不良)、×(不良)の4段階で評価し
た。
【0078】[実施例1]非捲縮性糸条として、市販の
水溶性ポリビニルアルコール繊維(株式会社ニチビ製
「ソルブロン」)75デニール、また、捲縮性糸条とし
て、常法によって得られた75デニールのポリエステル
仮撚加工糸(捲縮度48%)を用い、非捲縮性糸条と捲
縮性糸条に,それぞれS2000T/M(撚係数173
21)の下撚を施し、両者を引き揃えて、Z1800T
/M(下撚数の90%)の上撚数で合撚した後、ミシン
糸用油剤を付与してミシン糸を得た。
【0079】[実施例2]無撚の非捲縮性糸条と、S2
000T/M(撚係数17321)の下撚を施した捲縮
性糸条を引き揃えて、Z1600T/M(下撚数の80
%)の上撚数で合撚した後、ミシン糸用油剤を付与して
ミシン糸を得た。
【0080】[実施例3]中空式カバリング撚糸機を用
いて、無撚の非捲縮性糸条(中空部を通す)に、S20
00T/M(撚係数17321)の下撚を施した捲縮性
糸条を1800T/M(下撚数の90%)でカバリング
した後、ミシン糸用油剤を付与してミシン糸を得た。
【0081】[実施例4]中空式カバリング撚糸機を用
いて、無撚の非捲縮性糸条(中空部を通す)に、Z20
00T/M(撚係数17321)の下撚を施した捲縮性
糸条をS1800T/M(下撚数の90%)で下カバリ
ングした後、その上に重ねて、S1800T/M(撚係
数15588)の下撚を施した捲縮性糸条をZ1600
T/M(下カバリングの89%)でカバリングして得た
糸条にシン糸用油剤を付与してミシン糸を得た。
【0082】[実施例5]中空式カバリング撚糸機を用
いて、無撚の非捲縮性糸条(中空部を通す)に、無撚の
捲縮性糸条を1800T/M(カバリング係数2204
5)でカバリングした後、ミシン糸用油剤を付与してミ
シン糸を得た。
【0083】[実施例6]中空式カバリング撚糸機を用
いて、無撚の非捲縮性糸条(中空部を通す)に、Z20
00T/M(撚係数17321)の下撚を施した捲縮性
糸条をS1800T/M(下撚数の90%)で下カバリ
ングした後、その上に重ねて、無撚の捲縮性糸条をZ1
600T/M(下カバリング数の89%)でカバリング
して得た糸条にシン糸用油剤を付与してミシン糸を得
た。
【0084】[実施例7]中空式カバリング撚糸機を用
いて、無撚の非捲縮性糸条(中空部を通す)に、無撚の
捲縮性糸条をS1800T/M(カバリング係数220
45)でカバリングした後、その上に重ねて、無撚の捲
縮性糸条をZ1600T/M(下カバリング数の89
%)でカバリングして得た糸条にミシン糸用油剤を付与
してミシン糸を得た。
【0085】[比較例1]中空式カバリング撚糸機を用
いて、市販のポリエステル系弾性糸条(帝人株式会社製
「レクセ」、70デニール)に無撚の非捲縮性糸条をS
1800T/M(カバリング係数21675)でカバリ
ングした後、その上に重ねて、無撚の捲縮性糸条をZ1
600T/M(下カバリング数の89%)でカバリング
して得た糸条にミシン糸用油剤を付与してミシン糸を得
た。
【0086】[比較例2]非捲縮性糸条に13%の常温
伸長処理を施して得た、150℃における乾熱収縮率が
20%の高収縮性非捲縮性糸条と、捲縮性糸条とを引き
揃えて、103m/分の周速度で回転する第一ローラと
100m/分の周速度で回転する第2ローラとの間に設
けたインターレースノズル(空気圧2kg/cm2)に
通し、引き続き、上記第2ローラと80m/分の周速度
で回転する第3ローラとの間に設けた1mのスリットヒ
ーター(温度150℃、有効長1m)に通して収縮処理
を施した後、ミシン糸用油剤を付与してミシン糸を得
た。
【0087】[比較例3]S2000T/M(撚係数1
7321)の下撚を施した捲縮性糸条2本を引き揃え、
該糸条をZ1800T/M(下撚数の90%)の上撚数
で合撚した後、ミシン糸用油剤を付与してミシン糸を得
た。得られたミシン糸の物性を表1に示す。
【0088】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−41236(JP,A) 特開 平8−109534(JP,A) 特開 昭57−139569(JP,A) 特開 平7−11535(JP,A) 特開 平5−186925(JP,A) 特開 平10−88475(JP,A) 特開 平9−49137(JP,A) 特開 平4−316623(JP,A) 実開 昭60−67378(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶剤に対し易溶解性の非捲縮性糸条
    (a)と、該非捲縮性糸条(a)よりも難溶解性の捲縮
    性糸条(b)とが合撚されているか又は溶剤に対し易溶
    解性の非捲縮性糸条(a)の周りに、該非捲縮性糸条
    (a)よりも難溶解性の捲縮性糸条(b)がカバリング
    されてなり、該非捲縮性糸条(a)を溶解除去した際
    に、捲縮性糸条(b)の捲縮発現によるストレッチ顕在
    能を有し、かつ非捲縮性糸条を溶解除去する前と後のミ
    シン糸の糸長差が10〜80%であり、かつ下記(1)
    〜(6)の要件のうち、いずれか1要件を満足すること
    を特徴とする潜在ストレッチ性ミシン糸。 (1)非捲縮性糸条(a)と捲縮性糸条(b)が、各々
    撚係数3500〜35000の下撚が施された後、下撚
    と逆方向に下撚数の50〜95%の上撚数で合撚されて
    いる。 (2)捲縮性糸条(b)が撚係数3500〜35000
    の下撚が施された後、無撚状態の非捲縮性糸条(a)
    と、下撚と逆方向に下撚数の50〜95%の上撚数で合
    撚されている。 (3)捲縮性糸条(b)が、撚係数3500〜3500
    0の下撚が施された後、下撚と逆方向に下撚数の50〜
    95%のカバリング数で非捲縮性糸条(a)をカバリン
    グしている。 (4)カバリングがダブルカバリングであり、撚係数3
    500〜35000の下撚が施された捲縮性糸条(b)
    が下撚と逆方向に下撚数の50〜95%のカバリング数
    で非捲縮性糸条(a)を下カバリングしており、さら
    に、下カバリング糸条とは逆方向に撚係数3500〜3
    5000の下撚が施された捲縮性糸条(b)が、下カバ
    リングと逆方向に下カバリング数の50〜95%のカバ
    リング数で上カバリングしている。 (5)無撚状態の捲縮性糸条(b)が、6000〜50
    000のカバリング係数で非捲縮性糸条(a)をカバリ
    ングしている。 (6)カバリングがダブルカバリングであり、撚係数3
    500〜35000の下撚が施された捲縮性糸条(b)
    が下撚と逆方向に下撚数の50〜95%のカバリング数
    で非捲縮性糸条(a)を下カバリングしているか、無撚
    状態の捲縮性糸条(b)が6000〜50000のカバ
    リング係数で非捲縮性糸条(a)を下カバリングしてお
    り、さらに、無撚状態の捲縮性糸条(b)が下カバリン
    グと逆方向に下カバリング数の50〜95%のカバリン
    グ数で上カバリングしている。
  2. 【請求項2】 捲縮性糸条(b)が仮撚捲縮加工糸であ
    る請求項1に記載の潜在ストレッチ性ミシン糸。
  3. 【請求項3】 非捲縮性糸条(a)がポリビニールアル
    コール繊維からなる糸条である請求項1に記載の潜在ス
    トレッチ性ミシン糸。
  4. 【請求項4】 非捲縮性糸条(a)がアルカリ易溶解性
    ポリエステル繊維からなる糸条である請求項1に記載の
    潜在ストレッチ性ミシン糸。
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