JP3455534B2 - X線ct装置 - Google Patents
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Description
し特にヘリカルスキャンを行うことにより得られる画像
のアーチファクトを減少させることができるX線CT装
置に関するものである。
状のX線ビーム(ファンビーム)を発生するX線焦点1
01と、ファン状あるいは直線状にMチャンネル、例え
ば1000チャンネルの検出素子を1列に並べた検出器
103とを有するシングルスライスCTが主流である。
このX線焦点101と検出器103を図45(b)に示
すように被検体の周囲に回転させ、被検体を通過したX
線強度のデータ(投影データと称する)を収集する。1
回転で例えば1000回投影データを収集し、このデー
タを基に後述の方法で画像再構成する。尚、1回のデー
タ収集を1ビュー、1ビューにおける1検出素子のデー
タを1ビーム、1ビューにおける全ビーム(全検出素子
のデータ)をまとめて実データと称する。
第1のスキャン方式は、コンベンショナルスキャンであ
る。図46(a)に示すように目的とする断面、例えば
断面Aの周囲を1回転させるスキャン方式である。複数
の断面、例えば断面Aと断面Bの画像を得たい場合は、
図46(a)に示すように、まず断面Aの周囲を1回転
しながらデータを収集し、その後、被検体を載せた寝
台、あるいはX線焦点101と検出器103を移動して
断面Bと回転面を合わせる。その後、断面Aと同様に被
検体の周囲を1回転しながらデータを収集する。従っ
て、撮影範囲が被検体の体軸方向(Z軸方向)に広い場
合、目的とする断面が多い場合には撮影時間が長くな
る。
である。図46(b)に示すように、X線焦点と検出器
を連続的に回転させながらその回転と同期させて寝台を
被検体の体軸方向に移動させてデータを収集するスキャ
ン方式である。X線焦点101の軌跡が被検体周囲をら
せん状にスキャンする。このスキャン方式によると広範
囲を高速にスキャンできる。
定義する。XY面がコンベンショナルスキャンでスキャ
ンする断面A,Bに相当し、Z軸方向は被検体の体軸方
向であり、シングルスライスCTではスライス方向と称
される方向である。
構成 X線CT装置の画像再構成を簡単に説明する。コンベン
ショナルスキャンの場合は以下の3ステップから成る。
尚、ここでは図47の左上に示すように回転中心に矢印
の信号だけが存在する被検体を想定する。
90°しか図示しないが、通常360°、180°+フ
ァン角等である。投影データは図47右上のようになっ
ている。この投影データを検出器103の感度、X線強
度等、種々の要因を考慮して補正し、生データを得る。
ン演算 それぞれの角度の生データと再構成関数をコンボリュー
ションする。コンボリューションデータは図47右下の
ようになり、元々存在した信号の周囲が窪んでいる。
のX線の通過パス上の全画素(ピクセル)に加算する。
図47左下はある角度での逆投影演算を示す。これを必
要な角度だけ繰り返すと、元の信号だけが残る。
スキャンとヘリカルスキャンの状態を横から見たのが図
48である。横軸をスライス(Z軸)方向、横軸を回転
位相(角度)とし、各データのサンプリング位置を矢印
で結んで表している。以下、このような図をスキャン図
と称する。
では、前述の[1]に相当する、目的とするスライス面
で必要な360°のデータが収集されており、前述のよ
うに[1]〜[3]のステップによる画像再構成ができ
る。
ャンでは、らせん状スキャンであるために目的とするス
ライス面においては1ビューしか収集されていない。そ
こで前述の[1]の代わりに、収集した投影データを補
正した生データをZ軸方向に補間して必要なデータを得
た後、前述の[2]〜[3]を行う。シングルスライス
CTにおける代表的な補間方法は下記(a),(b)の
2種類である。
ライス位置を挟み、かつ最も近い同位相の2ビューの実
データをスライス面とサンプリング位置との距離の逆比
で線形補間する方法である。
面のZ座標)をZ=Z0とすると、このスライス位置で
収集されたデータは位相0°における1ビューだけであ
る。そこで、例えば位相θのデータを得る場合にはスラ
イス位置の上側の実データ1と、下側の実データ2を選
択し、それぞれのデータをサンプリングしたZ座標と目
的のスライス位置Z0の距離(Z座標)の逆比で線形補
間し、補間データを得る。これを必要な全位相分繰り返
す。
49(c)のように焦点が黒丸の位置にあるときに収集
した実データの各々の検出素子へのビームは実線矢印の
ようになっている。このとき、左側のビーム1と、X線
焦点が白丸の位置にあるときの点線のビームは、同じパ
スを通過するビームである。この白丸からのビームを対
向ビームと称する。同様にビーム2と薄灰色からの点線
のビーム、ビーム3と濃灰色からの点線のビームは同じ
パスを通過するビーム、対向ビームである。このよう
に、黒丸における全てのビームは対向するビームをもっ
ている。そこで各ビーム毎に対応する対向ビームを白
丸、薄灰色、濃灰色の焦点位置のデータから抜き出して
仮想的なデータ(対向データと称する)を形成し、この
実データと対向データで線形補間する方法が対向ビーム
補間法である。
のサンプリング位置は図49(d)のように、ビーム毎
(チャンネル毎)に異なるが、以下では中心チャンネル
のサンプリング位置で代表させ、図49(b)のように
点線で表示する。尚、ヘリカルスキャンの補間方法に
は、この他にも補間に非線形な関数を用いたもの等、幾
つか提案されている。
ロファイルと画質である。スライスプロファイルは、Z
軸方向(スライス方向)のレスポンスを示すものであ
る。一例を図50に示すが、矩形に近く、実効スライス
厚(半値幅)が薄いほど良いものである。即ち、プロフ
ァイル1とプロファイル2は実効スライス厚は同じであ
るが、プロファイル1の方が矩形に近いので優れ、プロ
ファイル2とプロファイル3では、プロファイル2の方
が実効スライス厚が薄いので優れている。
ータのサンプリング位置の距離を補間間隔と称するが、
補間間隔は、360°補間法ではヘリカルピッチ相当、
対向ビーム補間法ではヘリカルピッチの1/2になり、
対向ビーム補間法の方が狭くなっている。ヘリカルスキ
ャンにおける実効スライス厚は、補間間隔が狭いほど薄
くなるので、対向ビーム補間法の方が薄くなる。
51(a),(b),(c)のように検出器列を2列、
4列、8列というように複数列備えるマルチスライスC
Tが提案されている。図52(a)は、それらをZ軸方
向から見たもので、図中の円が有効視野FOV(Fie
ld of View)である。図52(b)は4列マ
ルチスライスCTをZ軸に垂直な方向からZ軸を含めて
観察したもので、X線焦点から検出器素子へ入射するX
線が回転中心を通過するときの(X線焦点から距離FC
Dの)Z軸方向のビームの厚みを基本スライス厚Tとす
る。
ルスキャン マルチスライスCTにおけるヘリカルスキャンについて
は、特開平4−224736号公報に記載されている。
マルチスライスCTにおけるヘリカルピッチPは、前述
のシングルスライスCTにおける基本ピッチの概念を拡
張し、以下の式(1)に示すように検出器列数Nと基本
スライス厚Tの積、即ち、回転中心におけるトータルス
ライス厚と同じとされている。
リカルピッチを表現する。式(1)では、ピッチ4のヘ
リカルスキャンとなる。
イスCTでピッチNでヘリカルスキャンしたときの補間
方法の1つは、シングルスライスCTの360°補間法
を拡張したものである。
法を行った場合を示すスキャン図である。図49(a)
の360°補間法と同様に、目的とするスライス位置を
挟む2つの実データで補間する方法である。これを隣接
補間法と仮称する。補間間隔が360°補間法と同じく
基本スライス厚相当なので、実効スライス厚は360°
補間法と同程度であることがわかる。
(7)の補間方法では、実効スライス厚が厚い。このた
め、実効スライス厚を薄くするために対向ビームを使う
ことが考えられる。
カルスキャンでの対向ビームを表したものである。対向
ビームは斜線で示してあり、1回転目が左傾斜線、2回
転目が縦線で示してあるが、その大半が実データのサン
プリング位置と重なっていることが分かる。シングルス
ライスCTの考え方を拡張して対向ビームを集めて対向
データを形成すると、黒丸の実データの対向データは黒
の矩形で示される範囲になる。しかし、対向データの大
半が目的とするスライス位置から見て実データと同じ側
に存在することから、大半が外挿になること、しかも対
向ビームを一続きになるようにすると、ビーム(チャン
ネル)によってはスライス位置に最も近いビームではな
くなることが分かる。従って、外挿のため誤差が大きく
なり、最も近いビームでないために実効スライス厚も厚
くなる。
データとは反対側の対向ビームを集めて対向データを形
成した例である。必ず内挿になるので誤差は小さいが、
サンプリング位置と重み付け補間の重みが隣合うビーム
同士で不連続部分が発生するので、この部分に対応する
方向に画質劣化が生じる。
で、高画質な画像を再構成できるX線CT装置を提供す
ることを目的とする。
め、本発明は、X線ビームを被検体に向けて曝射するX
線ビーム発生源と、このX線ビームを検出する少なくと
も2つの検出器列を有し、この検出器列の出力に基づい
て投影データを得る検出手段と、前記被検体が載置され
る寝台をこの被検体の体軸方向に移動させる寝台移動手
段と、前記X線ビーム発生源を回転させながらX線ビー
ムを発生させると共に前記寝台移動手段により被検体を
スライス方向に移動させてヘリカルスキャンを実行させ
る制御部と、前記ヘリカルスキャンにおいて前記検出手
段により得られた3つ以上の投影データをスライス方向
に補間し、目的とするスライス位置の投影データを得る
補間処理部と、この補間処理部により得られた投影デー
タに基づいて、前記目的とするスライス位置の画像を再
構成する画像再構成部と、を備えたことを特徴とするも
のである。本発明によれば、補間ペアの切替えなどに伴
うギャップが抑制され、高画質な再構成画像が得られ
る。
図面を参照して説明する。図1は本発明に係るX線CT
装置の第1実施形態を示したブロック図である。
とするスライス位置で隣接補間法を用いてX線ビーム
(検出データ)を補間すると共に、このスライス位置を
中心にして前後にずらした少なくとも2つのスライス位
置で隣接補間法を用いてX線ビームを補間し、これらの
X線ビームを重み付け加算することによって目的とする
スライスのX線ビームとしている。
に示すように、システム制御部11と、架台、寝台制御
部13と、寝台移動部15と、X線制御装置17と、高
電圧発生装置19と、X線ビーム発生源21と、検出器
23と、回転架台25と、データ収集部27と、補間処
理部29と、画像再構成部31と、表示部33とを有し
ている。
力装置を用いて入力されたスライス厚、回転速度等のヘ
リカルスキャン条件の内、回転速度とスライス厚とファ
ン角等を架台、寝台制御信号として架台、寝台制御部1
3に対して出力する。また、システム制御部11は、X
線ビーム発生を制御するX線ビーム発生制御信号をX線
制御装置17に対して出力する。さらに、システム制御
部11は、X線ビームの検出のタイミングを示す検出制
御信号をデータ収集部27に対して出力する。さらに、
システム制御部11は、データ収集のためのデータ収集
制御信号をデータ収集部27に対して出力する。さら
に、システム制御部11は、補間方法を示す補間制御信
号を補間処理部29に対して出力する。
11により出力された架台、寝台制御信号を基に回転架
台25を回転させると共に、寝台移動信号を寝台移動部
15に対して出力する。
により出力された寝台移動信号を基に、回転架台25の
1回転当たりの寝台15aの移動量を求め、この移動量
で寝台15aを移動させる。
により出力されたX線ビーム発生制御信号を基に、高電
圧発生装置19による高電圧発生のタイミングを制御す
る。
21からX線ビームを曝射させるための高電圧をX線制
御部17からの制御信号に従ってX線ビーム発生源21
に供給する。
19から供給された高電圧によってX線ビームを曝射す
る。
曝射され、被検体を透過したX線ビームを検出する。
検出器23とを保持する。また、回転架台25は、図示
しない架台回転機構により、X線ビーム発生源21と検
出器23との中間点を通る回転軸を中心にして回転され
る。
出されたX線ビーム(実際には検出信号)を、システム
制御部11により出力されたデータ収集制御信号に対応
させて収集する。
って収集されたX線ビームを基に、目的のスライス位置
のX線ビームを補間する。尚、補間処理部29は、CP
Uとメモリ等から構成される。
り補間されたX線ビームを基に、画像を再構成する。
構成された画像を図示しないモニタ上に表示する。
動作を説明する。まず、操作者は図示しない入力装置を
用いてヘリカルスキャン条件を入力する。例えば以下に
示すようなヘリカルスキャン条件とする。
1は、このヘリカルスキャン条件の内、回転速度とスラ
イス厚とファン角等を架台、寝台制御信号として架台、
寝台制御部13に対して出力する。そして、架台、寝台
制御部13は、この架台、寝台制御信号を基にして寝台
移動信号を寝台移動部15に対して出力する。
記入力装置から入力されると、システム制御部11は、
架台、寝台制御部13に対して診断開始を指示すると共
に、X線ビーム発生を制御するX線ビーム発生制御信号
をX線制御装置17に対して出力する。そして、前記X
線ビーム発生制御信号に対応させて、X線制御装置17
は、高電圧発生装置19から高電圧を発生させる。
線ビームが曝射されると共に、寝台15aが寝台移動部
15により移動され、ヘリカルスキャンによる診断が開
始される。
御部11により出力されると、データ収集部27は、こ
のデータ収集制御信号に対応させて検出器23からX線
ビームを検出し、この検出したX線ビーム(実際には検
出データ)を補間処理部29に供給する。
9は、このX線ビームを基に、目的のスライス位置のX
線ビームを補間する。このときの補間処理部29による
データ補間の例を図2(a)に示す。また、位相0°か
ら位相360°の間の各位相のデータを補間する場合
に、補間する位相と各データの重みの関係を図2(b)
に示す。
(a)の位相0°)では、2回転目の第2列のビーム
と、2回転目第1列のビームで補間し、上から下(図2
(a)の位相0°から位相360°)に補間点を動かす
につれて2回転目第1列のビーム重みが増加し、2回転
目第2列のビームの重みが減少する。位相Aでは完全に
2回転目第1列のビームだけになり、その後、2回転目
第1列のビームの重みが減少するにつれて、1回転目第
2列のビームの重みが増加し、位相Bでは、完全に1回
転目第2列のビームだけになる。その後、1回転目第2
列の重みが減少し、1回転目第1列の重みが増加する。
ータ補間の例を図3(a)に示す。また、シングルスラ
イスCTにおけ同様の重みの変化を図3(b)に示す。
シングルスライスCTとマルチスライスCTとの差は3
点ある。第1に、マルチスライスCTでは、図2(b)
に示すように補間に用いるビームの切り換えがN回発生
し、しかもその位相がθとθ+180°のように対向す
る位相になっている。第2に、重みの変化率(隣接する
ビュー間の重みの変化量)が高くなっている。第3に、
複数の検出器列間で出力特性が異なるため、切り換えに
伴うデータ特性の差異がシングルスライスCTの時より
も大きい。この3点に起因して、マルチスライスCTの
ヘリカルスキャンにおけるデータ補間による画質劣化は
深刻である。
ップ)の影響は切り換える幅に比例するため、切り換え
る幅が小さい方が良い。そこで、この切り換えの影響を
抑制する必要がある。このため、第1実施形態のX線C
T装置10では、切り換えの影響が位相Aと位相Bに集
中することを避ける方法を取る。
+ΔZにおける補間の重みを図4(b)に示す。同様
に、スライス位置Z=Z0−ΔZにおける補間の重みを
図4(c)に示す。図4(b),(c)に示すように、
スライス位置を前後に微妙にずらすと、切り換えの発生
する位相が、位相Aから位相A±δ、位相Bから位相B
±δになり少しずれる。
からZ=Z0+n・Δまで、Δずつずらした2n+1枚
のスライス位置の補間データData(θ,Z0+i・
Δ)(i=−n,n)を得、それを以下に示す式(2)
のようにW(i)で重み付け加算して目的とする位相の
データData(θ,Z0)とする。
み付け加算するので実効スライス厚は厚くなるが、図4
(d)に示すように、補間の重みの変化が緩やかにな
る。
部分(図4(d)の位相Aの部分)を拡大して示す。図
4(e)に示すように、補間の重みの変化部分(図4
(d)の位相Aの部分)では、上から2回転目第1列の
重みが増加していき、2回転目第2列のビームの重みが
減少すると共に1回転目第2列のビームの重みが増加し
ていく。その後、2回転目第1列の重みが減少してい
き、2回転目第2列のビームの重みが無くなっていき、
変わって1回転目第2列のビームの重みが増加してい
く。このため、補間の重みの変化が緩やかになり、補間
に用いるビームの切り換えの影響が減少するので、画質
は改善される。
とするスライス位置Z=Z0のデータの前後でn枚ずつ
のデータを加算することになるが、各Z座標位置を何回
カウント(サンプリング)しているかを考えると、図5
の下側に示したようなフィルタ処理を行ったことと類似
である。また、従来、1つの位相では2つのビームを用
いて補間していたのに対し、2つ以上のビームを用いた
補間になっている。このビーム数は、補間に用いるビー
ムの間隔、その位相と切り換えが発生する位相との関係
に依存する。以下、この補間方法をフィルタ補間法と称
する。尚、前記の重み付けは、任意の重みで良い。ま
た、図5は、均等加算平均の例である。
ように、サンプリング密度が密なほど効果を発揮する補
間方法である。ここでは、説明の都合上、2n+1回デ
ータを補間して重み付け加算を行ったが、実際には、ス
ライス方向に同様な効果を持つフィルタを用いて補間す
るようにしても良い。
したデータDn(θ),Dn+1(θ)…を考えると、
図6に示すようにスライス方向に複数のサンプリング点
があることになる。そこで、このスライス方向にフィル
タ処理を行い、目的のスライス位置の補間データを得る
ための各データに対する重み係数を計算する。
み係数を重みフィルタ関数から求める。例えば位相θの
n+3番目のデータDn+3(θ)に対する重みは、目
的のスライス位置と重みフィルタ関数とデータDn+3
(θ)のZ座標の関係から図6のようにW(Z,Dn+
3(θ))となる。そして各データの重みを正規化する
ために以下に示す式(3)のように全データの重みの総
計で割っておく。
(4)によって補間データを計算するようにしても良
い。
(検出データ)は、画像再構成部31に供給される。そ
して、画像再構成部31により画像が再構成され、表示
部33のモニタ上に表示される。
10では、目的とするスライス位置で隣接補間法を用い
てX線ビームを補間すると共に、このスライス位置を中
心にして前後にずらした少なくとも2つのスライス位置
で隣接補間法を用いてX線ビームを補間し、これらのX
線ビームを重み付け加算することによって目的とするス
ライスのX線ビームとしているので、補間に使うビーム
の切り換えによる画質の劣化を減少させることができ
る。
する。従来の対向ビーム補間法が、スライス位置に最も
近い元ビームと対向ビームで内挿補間(目的とするスラ
イス位置が、補間に用いられるビームに対して内側)ま
たは外挿補間するのに対し、第2実施形態のX線CT装
置では、対向ビーム同士をも積極的に利用して内挿補間
を行うというものである。
2つ有する検出器23が4回転した場合、位相θの元ビ
ームと対向ビームを合わせると、2列×4回転×2(元
ビームと対向ビーム)=16ビーム存在するが、これら
全ビームの中から、スライス位置を挟みスライス位置に
最も近い2つのビームで内挿補間するというものであ
る。即ち、対向ビーム同士の補間も積極的に行う。以
下、これを新対向ビーム補間法と称する。
に示した第1実施形態のX線CT装置10と装置構成は
変わらないので、同一部材には同一の符号を用いて詳細
な説明は省略した。
を図を参照して説明する。尚、補間処理部29以外の動
作は第1実施形態のX線CT装置10と同一であるの
で、説明を省略する。
出器23と同一の検出器23(検出器列数 Nseg=
2,検出器チャンネル数 Nch=1000)を用いた
場合、1000のチャンネル任意の位相の対向ビーム
は、図7に示すように1チャンネルから1000チャン
ネルまで実線の四角で示すようになっている。即ち、点
線の四角で示すようにチャンネルに依存してスライス位
置の異なる対向ビームが存在する。ここで、1000チ
ャンネルを注目すると、図8(a)に点線で示す位置に
対向ビームが存在するので、実線で示した元ビーム2回
転×2列=4ビームと、点線で示した対向ビーム2回転
×2列=4ビームの計8ビームの中からスライス位置を
挟み最も近い2つのビームを用い、この2つのビームの
ビーム位置とスライス位置の距離の逆比で線形または非
線形補間して1000チャンネルについての目的の位相
のデータとする。尚、1チャンネルについても図8
(b)に示すように1000チャンネルの場合と同様に
して補間する。これらの動作を繰り返して全位相360
°についてデータを得る。
では、新対向ビーム補間法を用いてデータ補間するよう
にしているので、補間に使うビームの切り換えが発生す
る位相がチャンネルによって異なるため、ビュー単位で
一度に切り換わることが少なくなり(ヘリカルピッチに
よっては存在するが回数は減少する)、画質も向上す
る。さらに、図2に示した隣接補間法と比較すると、補
間に使うビームの間隔も平均して狭くなるので実効スラ
イス厚も薄くなる。
する。第3実施形態のX線CT装置は、第1実施形態の
X線CT装置でのフィルタ補間法と、第2実施形態での
新対向ビーム補間法を組み合わせたものである。
に示した第1実施形態のX線CT装置10と装置構成は
変わらないので、同一部材には同一の符号を用いて詳細
な説明は省略した。
を図を参照して説明する。尚、補間処理部29以外の動
作は第1実施形態のX線CT装置10と同一であるの
で、説明を省略する。
29は、まず、例えば図2に示すスライス位置Z=Z0
での任意の位相θのデータData(Z0)を前述の新
対向ビーム補間法により得る。次いで、Z=Z0+i・
Δ(i=−n,n)における位相θのデータData
(Z0+i・Δ)を前述の新対向ビーム補間法により得
る。そして、これら得られたデータData(Z0)と
データData(Z0+i・Δ)を基に、前述のフィル
タ補間法と同様、式(2)のように重み付け加算して目
的とする位相のデータData(θ,Z0)を得る。こ
れらの動作を繰り返して全位相360°についてデータ
を得る。
では、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法を組み合わ
せてデータ補間するようにしているので、補間に使うビ
ームの切り換えによる画質の劣化を減少させることがで
きる。さらに、補間に使うビームの間隔も平均して狭く
なるので実効スライス厚も薄くなる。
する。第4実施形態のX線CT装置は、マルチスライス
CTにおける補間誤差が極端に大きくならないように、
即ち、元ビームのスライス位置と対向ビームのスライス
位置が近くならないように、ヘリカルピッチとビーム厚
を等しくせず、対向ビームの位置をずらし、フィルタ補
間法と新対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間す
るようにしたものである。
に示した第1実施形態のX線CT装置10と装置構成は
変わらないので、同一部材には同一の符号を用いて詳細
な説明は省略した。
を図を参照して説明する。
ピッチPを式(1)に示した基本ピッチ以下、かつ、以
下の式(5)に示すようにする。
重ならないように、以下に示す式(6)に従ってヘリカ
ルピッチPを決定する。
ではサイズMとサイズLLのみ示す)が最大(図9中の
LLサイズ)でも2つのビームのスライス位置が近くな
らないように、X線ビーム発生源21から曝射されるX
線ビームのファン角以上の数(例えば、ファン角φ=5
0°の場合、α=55)とする。
にして決められたヘリカルピッチPでヘリカルスキャン
を行う。
図10に示すスライス位置Z=Z0での任意の位相θの
データData(Z0)を前述の新対向ビーム補間法に
より得る。尚、図10中、実線は元ビーム、点線は対向
ビームを示している。次いで、Z=Z0+i・Δ(i=
−n,n)における位相θのデータData(Z0+i
・Δ)を前述の新対向ビーム補間法により得る。そし
て、これら得られたデータData(Z0)とデータD
ata(Z0+i・Δ)を基に、前述のフィルタ補間法
と同様、式(2)のように重み付け加算して目的とする
位相のデータData(θ,Z0)を得る。これらの動
作を繰り返して全位相360°についてデータを得る。
50°(LLサイズ),α=55とすると、ヘリカルピ
ッチPは、P<3.06あるいはP>5.76となる。
ここでP=3(mm)の場合のスキャン図を図10に示
す。図10中、実線が元ビーム、点線が対向ビームであ
る。ここでは、対向ビーム同士の補間も積極的に行って
いる。
た場合と、図11(a)に示した隣接補間法を用いた場
合と比較すると、図10に示したデータ補間を用いた場
合の方が補間に使うビームの間隔が狭く、実効スライス
厚が薄いことが分かる。例えば、図11(a)中に実線
の丸で示した元ビームの位相では、目的のスライス位置
について、隣接補間法を用いた場合、2回転目第2列の
元ビームと2回転目第1列の元ビームを用いて補間する
が、図10に示したデータ補間の場合、目的のスライス
位置についてこの実線の丸で示した元ビームと点線の丸
で示した対向ビームを用いており、補間に使うビームの
間隔が狭くなっている。
場合と、図11(b)に示したシングルスライスCTに
おける360°補間法を用いた場合、図11(c)に示
したシングルスライスCTにおける対向ビーム補間法を
用いた場合とを比較すると、図10に示したデータ補間
を用いた場合は、補間に使うビームの間隔は対向ビーム
補間法を用いた場合と同等か、位相によってはそれより
狭い間隔であることが分かる。例えば、図11(b)中
に実線の丸で示した元ビームの位相では、目的のスライ
ス位置について、360°補間法を用いた場合、2回転
目の元ビームと1回転目の元ビームを用いて補間する
が、図10に示したデータ補間の場合、目的のスライス
位置についてこの実線の丸で示した元ビームと点線の丸
で示した対向ビームを用いており、補間に使うビームの
間隔が狭くなっている。
間法を組み合わせた補間法を用いても充分薄い実効スラ
イス厚が得られる。
(6)から、ヘリカルピッチPは、P<6.12あるい
はP>11.52となる。ここで、P=5(mm)のと
きスキャン図を図12、P=6(mm)のときスキャン
図を図13、P=7(mm)のときスキャン図を図14
に示す。尚、図12に示したヘリカルピッチP=5(m
m)のときの方が、図14に示したヘリカルピッチP=
7(mm)ときに比べ、ヘリカルピッチPが狭い分、画
質は良くなるが、スキャン時間が長くなり、被曝線量が
増える。
間を用いた場合と、図15に示す従来の補間法を用いた
場合とを比較すると、図12〜図14に示したデータ補
間の方がヘリカルピッチPは、図12では1列分、図1
3では1.5列分、図14では2列分それぞれ大きい
が、サンプリング密度は同等となっている。従って、こ
れらのヘリカルピッチPでヘリカルスキャンした場合、
サンプリング密度が密になり、前述したようにフィルタ
補間法の効果がより高くなる。
向ビームとのスライス位置を互いにずらすことを目的と
して選択するが、検出器列N=2のときは、1.5列分
(P=1.5T),検出器列N=4のときは、2.5列
分(P=2.5T)にすると、サンプリング密度が高
く、さらに偏りの無いほぼ等間隔の理想的なサンプリン
グが達成できる。
では、ヘリカルピッチPとビーム厚を等しくせず、対向
ビームの位置をずらし、フィルタ補間法と新対向ビーム
補間法を組み合わせてデータ補間するようにしたので、
サンプリング密度が密になり、画像を再構成したときの
ノイズを減少させることができる。
ィルタ補間法と新対向ビーム補間法を組み合わせてデー
タ補間するようにしているが、本発明はこれに限定され
ること無く、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法のい
ずれかによってデータ補間するようにしても良い。
施形態(Pitch=2.5(3.5,4.5))+
(隣接補間法)を用いたもの)を説明する。第5実施形
態のX線CT装置は、図1に示す第1実施形態のX線C
T装置10と同様、システム制御部11と、架台、寝台
制御部13と、寝台移動部15と、X線制御装置17
と、高電圧発生装置19と、X線ビーム発生源あるいは
X線焦点を有するX線管21と、検出器23と、回転架
台25と、データ収集部27と、補間処理部29と、画
像再構成部31と、表示部33とを有している。
置を用いて入力されたX線照射量、基本スライス厚T、
ヘリカルピッチP、回転速度などの撮影条件の内、スラ
イス厚TとヘリカルピッチPと回転速度など必要な情報
を架台、寝台制御信号として架台、寝台制御部13に対
して出力する。また、システム制御部11は、X線ビー
ム発生を制御するX線ビーム発生制御信号をX線制御装
置17に対して出力し、X線ビームの検出タイミングを
示す検出制御信号をデータ収集部27に対して出力し、
データ収集のためのデータ収集制御信号をデータ収集部
27に対して出力し、さらに、補間方法を示す補間制御
信号を補間処理部29に対して出力する。
11により出力された架台、寝台制御信号を基に、回転
架台25を回転させると共に、寝台移動信号を寝台移動
部15に対して出力する。
より出力された寝台移動信号を基に、回転架台25の1
回転あたりの寝台15aの移動量を求め、この移動量で
寝台15aを移動させる。
により出力されたX線ビーム発生制御信号を基に、高電
圧発生装置19による高電圧発生のタイミングを制御す
る。
21からX線ビームを曝射させるための高電圧をX線制
御部17からの制御信号に従ってX線ビーム発生源21
に供給する。
19から供給された高電圧によってX線ビームを曝射す
る。
発生源21から曝射され、被検体を通過したX線ビーム
を検出する。
検出器23とを保持する。また、回転架台25は、図示
しない架台回転機構により、X線ビーム発生源21と検
出器23との間の回転軸を中心にして回転される。
出されたX線制御信号をシステム制御部11により検出
されたデータ収集制御信号に対応させて収集する。ま
た、X線強度補正、検出器感度補正など種々の補正を行
い、生データを得る。
って収集補正された生データ基に、目的のスライス位置
のデータを補間する。尚、補間処理部29は、CPUと
メモリ等から構成される。
り補間されたデータを基、画像を再構成する。
構成された画像を図示しないモニタ上に表示する。
を説明する。ここではまず、検出器23として図51
(b)に示すように4列マルチスライス検出器を用いた
場合を説明する。
て撮影条件を入力する。例えば以下に示す条件とする。 撮影モード ヘリカルスキャン ピッチ Pitch=2.5 補間方法 隣接補間法 基本スライス厚 T 収集データ数 4
1は、この条件に従って前記のように指示し、準備がで
きるとその旨を操作者に伝える。操作者は撮影開始命令
を入力する。操作者により撮影開始命令が前記入力装置
から入力されると、システム制御部11は、前記の撮影
条件に従ってヘリカルスキャンを行いながらX線を曝射
し、データ収集および補正を行い、生データを得る。こ
の生データを基に、下記に従って目的とするスライス位
置のデータを補間し、その後、良く知られた手順に従っ
て画像再構成が行われる。
カルスキャンのピッチおよび補間方法について説明す
る。Pitch=2.5としたときのスキャン図を図1
6に示す。補間方法は最も単純な隣接補間法とし、実デ
ータのみを用いて補間している。Pitch=4のとき
のスキャン図、図53と比較すると360度の内、半分
以上の位相で補間間隔が1/2に狭くなっている。即
ち、実効スライス厚が薄くなる。
3.5にしたときのスキャン図を図17,Pitch=
4.5にしたときのスキャン図を図18に示す。Pit
ch=3.5でもPitch=4.5に比べると補間間
隔が狭くなり、実効スライス厚が薄くなることが分か
る。図18のように、Pitch=4.5のときはPi
tch=4のときよりも補間間隔が広くなってしまう
が、図19に示すように基本スライス厚を半分にしたと
きには、Pitch=2.5のときよりも補間間隔は狭
くなる。
ス検出器を用いた場合を説明する。図20は、Pitc
h=2のときのスキャン図であり、図21は、高密度サ
ンプリング・スキャン法の一例であるPitch=1.
5のときのスキャン図である。4列マルチスライスCT
と同様、補間間隔が狭くなり、実効スライス厚も薄くな
ることが分かる。
では、マルチスライスCTのヘリカルスキャンにおい
て、補間間隔が狭くなり、Z軸方向のサンプリング密度
が高くなるように基本スライス厚とヘリカルピッチを選
択するようにしているので、高密度でサンプリングする
ことができ、高画質な画像を再構成できる。
施形態(新対向ビーム補間法を用いたもの)を説明す
る。尚、第6実施形態のX線CT装置の構成については
第5実施形態と同じとする。
のヘリカルスキャンにおいて、実データ同士が重ならな
いような軌跡になり、実データのサンプリング密度が高
くなるように基本スライス厚とヘリカルピッチを選択す
ること」について説明したが、第6実施形態では、補間
に対向ビームを使う新対向ビーム補間法について説明
し、合わせて、新対向ビーム補間法における「高密度サ
ンプリング・スキャン法」である「マルチスライスCT
のヘリカルスキャンにおいて、実データ同士および対向
ビーム同士が(出来るだけ)重ならないような軌跡にな
り、実データと対向ビームを合わせたトータルのサンプ
リング密度が高くなるような軌跡(サンプリング)にな
るように基本スライス厚とヘリカルピッチを選択するこ
と」について説明する。
は2列あるいは4列に限定されない。他の列数でも良
い。また、ヘリカルピッチもここに挙げた例に限定され
ない。基本思想を逸脱しない範囲で適宜、変形、応用が
可能である。
カルスキャンの補間方法について説明する。新対向ビー
ム補間法とは、「目的とするスライス位置を挟み、最も
近い2つのビーム(データ)を、実データと対向ビーム
の中からチャンネル毎に独立に選択し、重み付け補間す
る」という補間法である。重み付け補間は距離の逆比に
よる線形補間でも良いし、非線形補間でも良い。前記デ
ータの選択は、複数の検出器列で収集した空間的に異な
るサンプリング位置およびタイミングで収集したデータ
の中から選択する。従来の対向ビーム補間法との差異
は、従来法が「目的とするスライス位置に最も近い実デ
ータと、それに対向する対向データで補間する」のに対
し、「チャンネル毎に実データを変えられる」点と、
「対向データ」同士の補間、あるいは実データ同士の補
間も行う」という点である。
形態では、中心チャンネルの対向ビームは実データとサ
ンプリング位置が重なってしまう。しかしここで、中心
チャンネルでないビームの対向ビームを考える。図22
下図は、黒丸で示すの焦点位置からの第1チャンネル,
…,第N1チャンネル,…,中心チャンネル,…,第N
2チャンネル,…,第1000チャンネルへの実データ
のビームを示したものである。第N1チャンネルおよび
第N2チャンネルへの実データのビームは、中心チャン
ネルからファン角方向に角度θずれている。
タの対向データを形成するときには、図22上図のよう
な焦点位置におけるデータからチャンネル毎に対向ビー
ムを抜き出し集める。さて、Pitch=2のときの第
N1チャンネルの実データを実線で、対向ビームを点線
でスキャン図上に表すと、図23(a)のようになる。
これに対し、第N2チャンネルの実データおよび対向ビ
ームは、図23(b)のようになる。第N1チャンネル
では対向データのサンプリング位置が実データの左側
(Z軸負方向)にシフトしているのに対し、第N2チャ
ンネルでは右側(Z軸正方向)にシフトしている。この
ように、実データのサンプリング位置は全チャンネル同
じ位置であるが、対向ビームのサンプリング位置はチャ
ンネルによって異なることが分かる。
N1チャンネルは図23(a)、第N2チャンネルは図
23(b)のように補間に使うデータが選択され、内挿
補間される。例えば位相θのデータに注目すると、第N
1チャンネルは、1回転目の第2列の実データと1回転
目の第2列の対向ビームで補間することになり、チャン
ネルによってデータ選択と補間の重みが異なることが分
かる。この方法でも課題で記載した2つの問題点の片方
「ビームサンプリング位置が隣接するチャンネル同士で
不連続になる」は解決されないが、より重要な問題点
「補間の重みが隣接するチャンネル同士で不連続にな
る」は解決され、しかも安定な内挿補間であるために、
画質は向上する。また、補間に使う2つのビームの距
離、補間距離が図20の場合より狭くなっており、実効
スライス厚も薄くなることが分かる。この状況でN列マ
ルチスライスCTでPitch=Nでヘリカルスキャン
した場合に一般化できる。即ち、4列マルチスライスC
TでPitch=4でヘリカルスキャンしたときにも適
用可能である。
h=1.5の高密度サンプリング・スキャンをしたとき
を説明する。図24は2列マルチスライスCTでPit
ch=1.5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリ
カルスキャンした場合のスキャン図である。図24中、
中心チャンネルの対向ビームの軌跡を点線で示す。
チを2で割った値が整数でない(Pitch/2≠整
数、つまりPitch≠偶数)ために、中心チャンネル
の対向ビームのサンプリング位置は実データのサンプリ
ング位置からずれた位置になる。従って、対向ビームと
実データのサンプリング位置が重ならないために、実デ
ータと対向データを合わせたトータルのサンプリング密
度が高くなり、補間間隔はシングルスライスCTの対向
ビーム補間法(図49(b))と同等あるいはその半分
になっている。従って画像の実効スライス厚は薄くな
る。また位相θのあたりでは、対向ビーム同士の補間に
なっていること、360°近くの位相では実データ同士
の補間になっていることが分かる。
以外のチャンネル、例えば第N1チャンネルや第N2チ
ャンネルの対向ビームは前述のように中心チャンネルか
らZ軸正負方向にずれたサンプリング位置になるので、
より重要な部分のサンプリング密度が高まるように重要
なチャンネルにおいて重ならないようにしてヘリカルピ
ッチを選択する。また有効視野FOVは撮影対象によっ
て変わる。例えば頭部撮影の際には中心付近のチャンネ
ルしか有効なデータがないため、中心以外の部分のサン
プリング密度は画質に影響しない。これらを考慮するべ
きである。図24は、通常重要とされる画像中央部、つ
まり中心チャンネルのサンプリング密度が高くなるよう
に設定した高密度サンプリング・スキャン法である。
h=2.5の高密度サンプリング・スキャン法によるヘ
リカルスキャンにおいて新対向ビーム補間法を適用した
例を説明する。
ch=2.5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリ
カルスキャンした場合のスキャン図である。図24と同
様に、対向ビーム同士の補間や実データ同士の補間も組
み合わせることで、補間間隔が最小になり、実効スライ
ス厚の薄い画像が得られる。
itch=3.5の高密度サンプリング・スキャン法で
ヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。Pit
ch=2.5のときほどではないものの、図53に示す
Pitch=4の隣接補間法に比べると補間間隔は狭く
なり、実効スライス厚も薄くなる。
itch=4.5の高密度サンプリング・スキャン法で
ヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。新対向
ビーム補間法を適用すると、図18に示す隣接補間法に
よる場合よりも補間間隔は狭くなっている。また、図5
3に示すPitch=4の隣接補間法に比べるとヘリカ
ルピッチが大きいにも拘らず補間間隔は狭くなっている
ことが分かる。さらに、4列マルチスライスCTでPi
tch=4.5の高密度サンプリング・スキャン法、か
つ、図19に示すように基本スライス厚を薄くした場合
には補間間隔はさらに狭くなる。
対向ビーム補間法を高密度サンプリング・スキャン法と
組み合わせた方法について説明した。前述のように、新
対向ビーム補間法を使って補間する場合には、高密度サ
ンプリング・スキャン法は、「マルチスライスCTのヘ
リカルスキャンにおいて、実データ同士が重ならないよ
うな軌跡になり、実データのサンプリング密度が高くな
るように基本スライス厚とヘリカルピッチを選択するこ
と」、即ち、実データのサンプリング密度のみに注目し
たスキャン法ではなく、トータルのサンプリング密度を
考慮した「マルチスライスCTのヘリカルスキャンにお
いて、実データ同士および対向データ同士が(出来るだ
け)重ならないような軌跡になり、実データと対向デー
タを合わせたトータルのサンプリング密度が高くなるよ
うな軌跡(サンプリング)になるように基本スライス厚
とヘリカルピッチを選択すること」という方法になる。
ここで、「(出来るだけ)」というのは、今までの説明
で明らかなように、対向ビームのサンプリング位置はチ
ャンネル依存であるため、チャンネルによっては対向ビ
ームのサンプリング位置が実データと重なってしまうこ
ともあることを考慮したものである。サンプリング位置
の重なりが発生するときには、中心チャンネルなど、目
的とする画像の画質に影響の大きいデータのサンプリン
グ密度を高めるようにヘリカルピッチを決定する。
チが小さくなるほど高くなる。例えば4列マルチスライ
スCTにおいて最高密度になるのはPitch=1.5
の高密度サンプリング・スキャン法である。サンプリン
グ密度を高めるとヘリカルピッチが小さくなり、一定範
囲の撮影時間が長くなるため、撮影目的に応じて選択す
る。
列あるいは4列に限定されず、他の列数でも良い。ま
た、ヘリカルピッチもここに挙げた例に限定されない。
基本思想を逸脱しない範囲で適宜、変形、応用が可能で
ある。
では、マルチスライスCTのヘリカルスキャンにおい
て、目的とするスライス位置を挟み、最も近い2つのビ
ーム(データ)を、実データと対向ビームの中からチャ
ンネル毎に独立に選択し、重み付け補間するようにして
いるので、高画質な画像を再構成できる。
施形態(直接フィルタ処理による補間法を用いたもの)
を説明する。尚、第7実施形態のX線CT装置の構成に
ついては第6実施形態と同じである。以下、第6実施形
態と異なる点であるヘリカルスキャンの補間方法につい
て説明する。
は、「目的とするスライス位置近傍に想定したある範囲
内の同位相同方向の複数のビームのデータをスライス方
向にフィルタ処理することで、目的とするスライス位置
の該当する位相、該当する方向のビームのデータとす
る」という処理方法である(概念的には「補間」という
より「Z軸方向のフィルタ処理」に近い)。
ング・スキャン法でヘリカルスキャンし、第6実施形態
記載の新対向ビーム補間法の応用で対向ビームも考慮し
てサンプリングし、フィルタ補間法を使って目的とする
スライス位置のデータを得る場合を説明する。
Pitch=2.5のヘリカルスキャンのスキャン図で
ある。目的とするスライス位置Z=Z0近傍に示す矩形
の範囲を想定する。さて、位相θのサンプリングデータ
d(i)を目的のスライス位置Z0近傍だけ抜き出す
と、図28下図のようにサンプリングされている。ここ
でフィルタ補間法のポイントであるスライス方向フィル
タ関数ZFC(ΔZ)を考え、フィルタ処理を行う。位
相θのデータ数は例えばN個とする。
てスライス方向フィルタ関数ZFC(ΔZ)から位相θ
のサンプリングデータd(i)をの重みW(i)を求め
る。図28では、d(4)の重みW(4),d(5)の
重みW(5)の求め方を図示している。
ングデータd(i)の重みW(i)を正規化し、重みW
U(i)を得る。
位置Z0における位相θのデータdate(θ)を決定
する。
用いて作成後、通常のファンビーム再構成を行う。
ータを求め、画像再構成することができる。再度記載す
るが、対向ビームのサンプリング位置はチャンネルに依
存するため、想定した範囲内に存在し処理に使われるデ
ータ(何回転目の何列目の実データあるいは対向デー
タ)の選択結果、データの重みなどはチャンネルによっ
て独立である。しかも、後述のようにフィルタ関数ZF
Cの形状(幅および重み)が複数ある場合にはそのフィ
ルタ関数ZFCにも依存する。
るPitch=2.5の高密度サンプリング・スキャン
法における例を説明したが、他のピッチ、例えば4列マ
ルチスライスCTにおけるPitch=3.5あるいは
Pitch=4.5の高密度サンプリング・スキャン法
にも適用可能であるし、他の列数、例えば2列マルチス
ライスCTにおける高密度サンプリング・スキャン法に
も適用可能である。
示したが、これに限定されず、例えば図29(a)〜
(f)に示したように、得たい画像の特性に応じて、さ
まざまなフィルタ関数を持ち、選択して使い分けても良
い。これによって、画像の実効スライス厚をフィルタ形
状によって変えられるという効果がある。また、対向ビ
ーム補間法や隣接補間法と比較すると、画像に貢献する
データ量が増加することで、1つのデータの影響が小さ
くなり、検出器23の特性等の影響が抑制され、画質が
向上する。更に、図50において説明したように、ヘリ
カルスキャンにおけるスライスプロファイルは理想的な
矩形ではなく単峰形になってしまうが、図29(f)に
示すようなフィルタを用いれば、最終的なスライスプロ
ファイルを矩形あるいは矩形に近い形にすることができ
る。また、このことを更に発展させれば、最終的なスラ
イスプロファイルを矩形にすることのみならず、任意の
形状のスライスプロファイルを得ることができることに
なる。つまり、目的のスライスプロファイルを設定すれ
ば、それが得られるようなフィルタは逆算で得られる。
この逆算で得られたフィルタを用いてフィルタ処理を行
えば、目的のスライスプロファイルが得られることにな
る。
うな仮のフィルタF1(ΔZ)でフィルタ処理したとき
に得られる図30(b)に示すようなスライスプロファ
イルSP2(Z)を求めるか、もしくは予想する。目的
のスライスプロファイルSP3(Z)を図30(c)に
示されたものとした場合、次に、そのスライスプロファ
イルSP3(Z)に変更するための、図30(d)に示
すような関数SP4(Z)を求める。これは、例えば、
スライスプロファイルSP3(Z)をスライスプロファ
イルSP2(Z)で割る、すなわちSP4(Z)=SP
3(Z)/SP2(Z)で求められる。但し、プロファ
イルの両端についての計算で発散が生じてしまわないよ
う、図30(c)に示すように、目的のスライスプロフ
ァイルSP3(Z)を真の矩形から少しなまらせた形状
に設定するか、あるいは割り算の結果を少し変更する
(例えば、プロファイルに上限を設定する)という操作
が必要である。次に、図30(d)に示すスライスプロ
ファイルSP4(Z)を得るための、図30(e)に示
すようなフィルタF5(ΔZ)を計算する。そして、最
後に、フィルタF5(ΔZ)を最初の仮のフィルタF1
(ΔZ)で割ることにより、図30(f)に示すような
最終的なフィルタF5’(ΔZ)を得る。なお、最初の
仮のフィルタF1(ΔZ)を図30(a)に示すような
矩形に設定すれば、最後のフィルタF5(ΔZ)からフ
ィルタF5’(ΔZ)への変換は、単なる正規化の操作
となる。
める設計は周波数軸上でも行うことができる。
用い、対向データを用いずにフィルタ補間する方法につ
いて簡単に説明する。この場合には、図28においてス
キャン図から対向データを示す点線とデータd(2),
d(5),d(7),d(8),d(10)を除いて考
えるだけで良く、基本思想は同様である。また、詳細な
説明は省略するが、2列など他の検出器列数のCT、あ
るいはシングルスライスCTにも適用可能である。
用いず、対向データは利用してフィルタ補間する方法に
ついて説明する。図31は4列マルチスライスCTにお
けるPitch=4の普通のヘリカルスキャンのスキャ
ン図である。点線は中心チャンネルの対向ビームではな
く、図22に示す第N1チャンネルの対向ビームを示
す。
列マルチスライスCTでのPitch=1.5の対向ビ
ームの様子を示した図32(a)と比較すると、元々実
データの軌跡がZ軸方向に斜めになっており、第N1チ
ャンネルの対向ビームのサンプリング位置は中心チャン
ネルの対向ビームのサンプリング位置即ち実データのサ
ンプリング位置からZ軸負方向に大きくずれていること
が分かる。図31で分かるように、Z軸方向に比較的均
等なサンプリングが得られている。前述のように、第N
2チャンネルの対向ビームのサンプリング位置のずれ方
は実データの正方向である。
Z=Z0 近傍でサンプリングされたデータd(i)
は、図31下図のようにサンプリングされている。以
下、これに対し図28および前記説明と同様にしてスラ
イス方向フィルタ関数ZFC(ΔZ)でフィルタ処理を
行い、目的とするスライス位置における位相θの第N1
チャンネルのデータとする。同様な処理を全チャンネル
に対して行い、目的とするスライス位置における位相θ
の全チャンネルのデータを得る。それを必要な位相36
0°あるいは180°+ファン角度分繰り返し、ファン
ビーム逆投影して画像再構成する。
4 で通常のヘリカルスキャンをし、対向ビームを使わ
ないでフィルタ補間法で目的のスライス位置のデータを
得て、画像再構成する場合には、図31のスキャン図で
第N1チャンネルの対向ビームの軌跡を示す点線を除
き、d(1),d(3),d(5),d(7),…を除
いてフィルタ処理する。
では、目的とするスライス位置近傍に想定したある範囲
内の同位相同方向の複数のビームのデータをスライス方
向にフィルタ処理することで、目的とするスライス位置
の該当する位相、該当する方向のビームのデータとして
いるので、高画質な画像を再構成できる。
施形態((Pitch=2.5)+(新対向ビーム補間
法)+(リサンプリング処理によるフィルタ補間法)を
用いたもの)を説明する。第8実施形態のX線CT装置
の構成については第7実施形態と同じである。以下、第
7実施形態と異なる点であるヘリカルスキャンの補間方
法について説明する。
とは、直接フィルタ処理によるフィルタ補間法が「目的
とするスライス位置近傍に想定したある範囲内の同位相
同方向の複数のビームのデータをスライス方向にフィル
タ処理することで、目的とするスライス位置の該当する
位相、該当する方向のビームのデータとする」という処
理方法であるのに対し、「目的とするスライス位置近傍
に、細かい間隔で等間隔の複数のスライス位置を想定
し、各スライス位置におけるデータを新対向ビーム補間
法あるいは隣接補間法など任意の方法で補間して複数の
補間データ(リサンプリングデータ)を得て、その複数
の補間データ(リサンプリングデータ)を重み付け加算
あるいはフィルタ処理して、目的とするスライス位置の
データとする」という方法である。概念的には第7実施
形態の場合に似ている。
・スキャン法でヘリカルスキャンし、第6実施形態記載
の新対向ビーム補間法で仮想的データであるリサンプリ
ングデータV−data(i)を得て、仮想データの重
み付き加算というフィルタ補間法を使って目的とするス
ライス位置のデータを得る場合を説明する。
tch=2.5のヘリカルスキャンのスキャン図であ
る。図31と同様に位相θにおける目的とするスライス
位置Z=Z0近傍に想定したある範囲のデータd
(1),d(2),…を抜き出し、サンプリング位置通
りに示したものである。リサンプリング点数Nはここで
はN=10とする。
のスライス位置Z0近傍の一定の範囲にN個のリサンプ
リング点を考え、各リサンプリング点におけるリサンプ
リングデータV−data(i)を、新対向ビーム補間
法を用いて各リサンプリング点を挟む2つのデータd
(j)とd(j+1)の線形内挿補間で得る。
データV−data(i)を、正規化された重みWU
(i)で重み付け加算し、目的のスライス位置Z0にお
ける位相θのデータdata(θ)を決定する。
間計算の回数が多くなる代わりに、目的とするスライス
位置とリサンプリングデータのサンプリング位置の相対
的位置が固定化されているので、予め重みを正規化する
ことが可能である。また、図32下図あるいは図29
(a)〜(f)や図30のような形の重みにしてスライ
ス方向の空間分解能を自由に変えることができる。
データを得る補間手段は、新対向ビーム補間法に限定さ
れず、隣接補間法あるいは非線形補間法など他の補間法
でも良い。また、第6実施形態の場合と同様に、ヘリカ
ルピッチおよび検出器列数には限定されず、シングルス
ライスCTにも適用可能である。
補間法と、直接フィルタ処理によるフィルタ補間法数学
的に良く知られているように、線形処理においては処理
の順序を入れ替えても良い。 A×B×C=(A×B)×C=A×(B×C) さて、図34左図に示すように、リサンプリング法は原
データをリサンプリングしてリサンプリングデータを得
て、リサンプリングデータをフィルタ処理する2段階処
理法である。すなわち、上式の中間式に相当する。そこ
で、図34右図に示すように、位置依存のある2点補間
によるリサンプリング処理と、位置依存のない重み付け
加算によるフィルタ処理を、原データを基にまとめ、一
度で行えるような位置依存のある変動フィルタとして原
データに対して処理することも可能である。第7実施形
態と第8実施形態との中間に位置する方法である。
では、目的とするスライス位置近傍に、細かい間隔で等
間隔の複数のスライス位置を想定し、各スライス位置に
置けるデータを新対向ビーム補間法あるいは隣接補間法
など任意の方法で補間して複数の補間データ(リサンプ
リングデータ)を得て、その複数の補間データ(リサン
プリングデータ)を重み付け加算あるいはフィルタ処理
して、目的とするスライス位置のデータとしているの
で、高画質な画像を再構成できる。
施形態((Pitch=2.5)+(新対向ビーム補間
法)+(高密度の補間データ処理によるフィルタ補間
法)を用いたもの)を説明する。
ンベンショナルスキャンの生データを作成し、これを基
にフィルタ処理あるいは重み付け加算する方法である。
ように、システム制御部11と、架台、寝台制御部13
と、寝台移動部15と、X線制御装置17と、高電圧発
生装置19と、X線ビーム発生源あるいはX線焦点を有
するX線管21と、検出器23と、回転架台25と、デ
ータ収集部27と、補間処理部29と、画像再構成部3
1と、表示部33とを有している。検出器23は、図5
1(b)に示すように4列マルチスライス検出器であ
る。
置を用いて入力されたX線照射量、基本スライス厚T、
ヘリカルピッチP、回転速度などの撮影条件の内、スラ
イス厚TとヘリカルピッチPと回転速度など必要な情報
を架台、寝台制御信号として架台、寝台制御部13に対
して出力する。また、システム制御部11は、X線ビー
ム発生を制御するX線ビーム発生制御信号をX線制御装
置17に対して出力し、X線ビームの検出タイミングを
示す検出制御信号をデータ収集部27に対して出力し、
データ収集のためのデータ収集制御信号をデータ収集部
27に対して出力し、さらに、補間方法を示す補間制御
信号を補間処理部29に対して出力する。架台、寝台制
御部13は、システム制御部11により出力された架
台、寝台制御信号を基に、回転架台25を回転させると
共に、寝台移動信号を寝台移動部15に対して出力す
る。X線制御装置17は、システム制御部11により出
力されたX線ビーム発生制御信号を基に、高電圧発生装
置19による高電圧発生のタイミングを制御する。高電
圧発生装置19は、X線ビーム発生源21からX線ビー
ムを曝射させるための高電圧をX線制御部17からの制
御信号に従ってX線ビーム発生源21に供給する。X線
ビーム発生源21は、高電圧発生装置19から供給され
た高電圧によってX線ビームを曝射する。検出器23
は、検出器23は、X線ビーム発生源21から曝射さ
れ、被検体を通過したX線ビームを検出する。回転架台
25は、X線ビーム発生源21と検出器23とを保持す
る。また、回転架台25は、図示しない架台回転機構に
より、X線ビーム発生源21と検出器23との間の回転
軸を中心にして回転される。
出されたX線制御信号をシステム制御部11により検出
されたデータ収集制御信号に対応させて収集する。ま
た、X線強度補正、検出器感度補正など種々の補正を行
い、生データを得る。
対向ビーム補間法、隣接補間法あるいは他の非線形補間
法など様々な補間処理手段を記憶する補間手段記憶部2
9A、設定された補間方法でヘリカルスキャンの生デー
タを基に細かいピッチの仮想的コンベンショナルスキャ
ンの生データ(仮想的スキャン生データと称する)を補
間して作成する補間手段29B、細かい間隔で補間され
た仮想的スキャン生データを記憶する仮想的スキャン生
データ記憶部29C、その仮想的スキャン生データをフ
ィルタ処理するフィルタ処理部29Dで構成されてい
る。
られた目的とするスライス位置のデータを基に、設定さ
れた画像再構成条件で画像再構成する。
構成された画像を図示しないモニタ上に表示する。
を説明する。ここでは第9実施形態のX線CT装置の特
徴的な動作部分のみを図36と図37を用いて説明す
る。
は、予め設定された補間方法を読み出して補間手段29
Bに渡し、補間手段29Bはデータ収集部27によって
図36上図に示すように収集補正されたヘリカルスキャ
ンの生データを基に、図36下図に示すように、予め細
かい間隔で設定されたスライス位置の仮想的コンベンシ
ョナルスキャンの生データである仮想的スキャン生デー
タを、設定された補間方法で補間して求める(図37、
ステップS1)。この仮想的スキャン生データは、仮想
的スキャン生データ記憶部29Cに、そのスライス位置
と対応付けて記憶される。ここで、システム制御部11
は、不要になった生データを消去あるいは上書きし、メ
モリ容量を節約する。
た画像再構成スライス位置に対応する仮想的スキャン生
データを補間処理部29に要求する。補間処理部29の
フィルタ処理部29Dは仮想的スキャン生データ記憶部
29Cから、入力された画像再構成スライス位置に対応
する1つあるいは複数の仮想的スキャン生データを読み
出し、フィルタ処理して、目的とするスライス位置のデ
ータを得て、画像再構成部31に渡す(ステップS
3)。目的とするスライス位置のデータが得られると画
像再構成部31は、通常のファンビーム再構成を行っ
て、画像を再構成する(ステップS5)。
に生データを読み出し、複数のサンプリングデータをフ
ィルタ処理して目的とするスライス位置のデータを得
(ステップS11)、そして通常のファンビーム再構成
を行う方法である(ステップS13)。また、第8実施
形態は図39に示すようにヘリカル生データを読み出し
て目的とするスライス位置近傍の仮想的スライス位置の
データを、新対向ビーム補間法などで補間し、仮想的デ
ータ得(ステップS21)、仮想的データをフィルタ処
理あるいは重み付け加算処理して目的とするスライス位
置のデータ得(ステップS23)、そして通常のファン
ビーム再構成を行う方法である(ステップS25)。言
うなれば両者とも記憶保存しておいたヘリカルスキャン
の生データを基に画像再構成する方法である。
キャンの生データから細かい間隔でコンベンショナルス
キャンしたように仮想的コンベンショナルスキャンの生
データを予め高密度に作成しておき、これを基に目的に
応じて必要ならば重み付け加算あるいはフィルタ処理後
に画像再構成する方法である。
の生データを得る補間手段は新対向ビーム補間法、隣接
補間法あるいは他の非線形補間法など任意である。ま
た、検出器列数、ヘリカルピッチなども任意である。
した図が第40図である。ヘリカル生データ201は、
新対向ビーム補間等の補間処理202が行われ、一旦仮
想的スキャン生データ203として高密度に格納され
る。その後、その仮想的スキャン生データ203は、バ
ス200を介して他のハードウェアに高速に転送され、
そこでフィルタ処理204が行われる。フィルタ処理2
04されたデータはファンビーム再構成により画像とし
て再構成される。
では、ヘリカルスキャンの生データから細かい間隔でコ
ンベンショナルスキャンしたように仮想的コンベンショ
ナルスキャンの生データを予め高密度に作成しておき、
これを基に画像再構成するようにしているので、高画質
な画像を再構成できると共に高速処理が可能となる。
によるフィルタ補間法について説明する。第9実施形態
では、図36に示す実施形態と同じ趣旨だが、仮想的コ
ンベンショナルスキャンの生データの間隔を広げて描画
したものの方法を説明したが、変形として図41のよう
にしても良い。図41は仮想的シングルスライスCTで
ヘリカルスキャンした仮想的生データを生成する方法で
ある。再編成時には、この仮想的シングルスライスの生
データをフィルタ幅に応じて複数回転分読み込み、複数
回転分のデータを用いた重み付け加算の補間処理によっ
て、フィルタ処理と補間処理を同時に行えるような演算
を施し、通常の画像再構成を行う。
実施形態((Pitch=2.5)+(新対向ビーム補
間法)+(ボクセル・フィルタ処理によるフィルタ補間
法)を用いたもの)を説明する。尚、第10実施形態の
X線CT装置の構成については第9実施形態と同じであ
る。以下、第10実施形態の特徴的な部分を説明する。
施形態〜第9実施形態で説明したフィルタ処理あるいは
重み付け加算処理を、細かい間隔で画像再構成した後に
画像(ボクセル)に対して処理する方法である。図42
に第10実施形態の概念図、図43に第10実施形態の
特徴的なフローチャートを示す。
隣接補間法あるいは新対向ビーム補間法などを用いて補
間し、従来の場合と同様、再構成関数とのコンボリュー
ション演算、逆投影演算をして、第1回目の画像再構成
をする。
4)に従い、目的とするスライス位置Z=Z0を中心に
してZ軸方向にδZ(i)ずらしたスライス位置Z=Z
(i)=Z0+δZ(i)でも同様に画像再構成し、n
枚の画像を第1回目の再構成をする(図43、ステップ
S31)。これにより、図42(a)に示すようなボク
セルデータを得ることが可能となる。
E(x,y,z)あるいは仮の再構成ボクセルデータ
を、以下に示す式(15)あるいは式(16)などに従
い、同一の(x,y)座標のものをZ軸方向に1次元の
重み付き加算処理あるいは図42(b)に示すようにフ
ィルタ処理などして、目的とするスライス位置Z=Z0
の画像データとする(ステップS33,S35)。
上記の例に限らず、適宜変更可能である。
置では、フィルタ処理あるいは重み付け加算処理を、細
かい間隔で画像再構成した後に画像(ボクセル)に対し
て行うようにしているので、高画質な画像を再構成でき
る。
て、図44(a)に示すような標準的なフィルタ幅でフ
ィルタ処理するハードウェアもしくはソフトウェアを持
ち、図44(b)のようにZ軸方向に幅の大きいフィル
タでフィルタ処理する場合には、そのフィルタを複数に
分割して処理するようにしても良い。この場合、分割後
の合成は画像加算のときに行っても良いし、補間データ
など途中の段階で行っても良い。また、図44ではフィ
ルタ2つに分割した例を示したが、これに限らず、フィ
ルタを3つ以上に分割しても良い。
ィルタ処理は、シングルスライスCTにも適用可能であ
る。
間ペアの切替えなどに伴うギャップが抑制され、高画質
な再構成画像が得られる。
したブロック図である。
ータ補間例を説明するための図である。
を説明するための図である。
の位置から±ΔZずらしたスライス位置での補間の重み
と、これらを加算した補間の重みを示した図である。
前後でn 枚ずつのデータを加算する場合を説明するた
めの図である。
重みフィルタ関数を示した図である。
ル数 Nch=1000の検出器を用いた場合の基ビー
ムと対抗ビームを説明するための図である。
ーム補間法を説明するための図である。
の検出器を用い、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法
を組み合わせてデータ補間する場合を説明するための図
である。
間法を説明するための図である。
の検出器を用い、ヘリカルピッチP=2.5Tでフィル
タ補間法と対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間
する場合を説明するための図である。
の検出器を用い、ヘリカルピッチP=3.0Tでフィル
タ補間法と対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間
する場合を説明するための図である。
の検出器を用い、ヘリカルピッチP=3.5Tでフィル
タ補間法と対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間
する場合を説明するための図である。
に従って得た従来の補間法を示す図である。
5としたときのスキャン図である。
5としたときのスキャン図である。
5としたときのスキャン図である。
5とし、かつ、基本スライス厚を図18に示す場合の半
分にしたときのスキャン図である。
したときのスキャン図である。
るPitch=1.5のときのスキャン図である。
ャンネル,第N2チャンネル,第1000チャンネルの
実データのビームと、第1チャンネル,第N1チャンネ
ル,中心チャンネル,第N2チャンネル,第1000チ
ャンネルの対向ビームを示した図である。
ときの第N1チャンネルの実データを実線、第N1チャ
ンネル及び第N2チャンネルの対向ビームを点線でスキ
ャン図上に示した図である。
5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャ
ンした場合のスキャン図である。
5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャ
ンした場合のスキャン図である。
5の高密度サンプリング法でヘリカルスキャンした場合
のスキャン図である。
5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャ
ンした場合のスキャン図である。
5の高密度サンプリング・スキャンしたときの対向ビー
ムを用いたフィルタ補間法を説明するための図である。
る。
るためのフィルタの設計の方法を説明するための図であ
る。
の第N1チャンネルの対向ビームを用いたフィルタ補間
法を説明するための図である。
5での対向ビームと、2列マルチスライスCTのPit
ch=4での対向ビームを示した図である。
る。
れと等価な結果を得る処理の概念を説明するための図で
ある。
5で収集補正されたヘリカルスキャンの生データと、こ
れを基に、得られた仮想的コンベンショナルスキャンの
生データを示した図である。
ャートである。
ャートである。
ャートである。
的に示した図である。
ャンした仮想的生データを生成する方法を説明するため
の図である。
法を用いる第10実施形態の概念図である。
チャートである。
割して処理するようにした場合を説明するための図であ
る。
ンを説明するための図である。
図である。
ンのスキャン図である。
(b)と、対向ビーム(c)と、対向ビームのサンプリ
ング位置を説明するための図である。
イスCTと、8列マルチスライスCTを示す図である。
スCT、8列マルチスライスCTをZ軸方向から見た図
と、4列マルチスライスCTをZ軸に垂直な方向からZ
軸を含めて観察した図である。
た場合を示すスキャン図である。
のヘリカルスキャンにおける対向ビームをスキャン図上
に表した図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 X線ビームを被検体に向けて曝射するX
線ビーム発生源と、 このX線ビームを検出する少なくとも2つの検出器列を
有し、この検出器列の出力に基づいて投影データを得る
検出手段と、 前記被検体が載置される寝台をこの被検体の体軸方向に
移動させる寝台移動手段と、 前記X線ビーム発生源を回転させながらX線ビームを発
生させると共に前記寝台移動手段により被検体をスライ
ス方向に移動させてヘリカルスキャンを実行させる制御
部と、 前記ヘリカルスキャンにおいて前記検出手段により得ら
れた3つ以上の投影データをスライス方向に補間し、目
的とするスライス位置の投影データを得る補間処理部
と、 この補間処理部により得られた投影データに基づいて、
前記目的とするスライス位置の画像を再構成する画像再
構成部と、 を備えたことを特徴とするX線CT装置。 - 【請求項2】 前記補間処理部による補間対象の投影デ
ータは、実データ群及び実データ群に対向する対向デー
タ群の少なくとも一方であることを特徴とする請求項1
記載のX線CT装置。 - 【請求項3】 前記補間処理部は、前記目的とするスラ
イス位置を中心に前後にずらした少なくとも2つのスラ
イス位置で補間し、これら目的とするスライス位置近傍
における複数のスライス位置の補間データに基づいて前
記目的とするスライス位置のデータを得ることを特徴と
する請求項1又は請求項2記載のX線CT装置。 - 【請求項4】 前記寝台は、前記検出手段により前記投
影データを得る列数より小さい数のヘリカルピッチで前
記被検体を前記スライス方向に移動させることを特徴と
する請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載のX線C
T装置。 - 【請求項5】 前記寝台は、前記投影データを得る列数
が2のとき、前記ヘリカルピッチを1.5として前記被
検体を前記スライス方向に移動させることを特徴とする
請求項4記載のX線CT装置。 - 【請求項6】 前記補間処理部は、前記検出手段により
得られた投影データから前記目的とするスライス位置近
傍に想定したある範囲内の複数のスライス位置における
リサンプリングデータを補間により得て、これらリサン
プリングデータに基づいて前記目的とするスライス位置
のデータを得ることを特徴とする請求項1乃至請求項5
のいずれか1項記載のX線CT装置。 - 【請求項7】 前記リサンプリングデータは、前記スラ
イス方向に等間隔の複数のスライス位置の補間データで
あることを特徴とする請求項6記載のX線CT装置。 - 【請求項8】 前記制御部は、前記検出器列により得ら
れる実データ群とこの実データ群に対向する対向データ
群の軌跡とが非同一になるようなヘリカルスキャン実行
させることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれ
か1項記載のX線CT装置。
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2003
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