JP3868912B2 - X線ct装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線CT装置に関し特にヘリカルスキャンを行うことにより得られる画像のアーチファクトを減少させることができるX線CT装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
(1)シングルスライスCT
近年、X線CT装置は、図45(a)に示すように、扇状のX線ビーム(ファンビーム)を発生するX線焦点101と、ファン状あるいは直線状にMチャンネル、例えば1000チャンネルの検出素子を1列に並べた検出器103とを有するシングルスライスCTが主流である。このX線焦点101と検出器103を図45(b)に示すように被検体の周囲に回転させ、被検体を通過したX線強度のデータ(投影データと称する)を収集する。1回転で例えば1000回投影データを収集し、このデータを基に後述の方法で画像再構成する。尚、1回のデータ収集を1ビュー、1ビューにおける1検出素子のデータを1ビーム、1ビューにおける全ビーム(全検出素子のデータ)をまとめて実データと称する。
【0003】
(2)2つのスキャン方式
X線CT装置の2つのスキャン方式について説明する。
第1のスキャン方式は、コンベンショナルスキャンである。図46(a)に示すように目的とする断面、例えば断面Aの周囲を1回転させるスキャン方式である。複数の断面、例えば断面Aと断面Bの画像を得たい場合は、図46(a)に示すように、まず断面Aの周囲を1回転しながらデータを収集し、その後、被検体を載せた寝台、あるいはX線焦点101と検出器103を移動して断面Bと回転面を合わせる。その後、断面Aと同様に被検体の周囲を1回転しながらデータを収集する。従って、撮影範囲が被検体の体軸方向(Z軸方向)に広い場合、目的とする断面が多い場合には撮影時間が長くなる。
【0004】
第2のスキャン方式は、ヘリカルスキャンである。図46(b)に示すように、X線焦点と検出器を連続的に回転させながらその回転と同期させて寝台を被検体の体軸方向に移動させてデータを収集するスキャン方式である。X線焦点101の軌跡が被検体周囲をらせん状にスキャンする。このスキャン方式によると広範囲を高速にスキャンできる。
【0005】
尚、座標系は図51(c)の左図のように定義する。XY面がコンベンショナルスキャンでスキャンする断面A,Bに相当し、Z軸方向は被検体の体軸方向であり、シングルスライスCTではスライス方向と称される方向である。
【0006】
(3)コンベンショナルスキャンの画像再構成
X線CT装置の画像再構成を簡単に説明する。コンベンショナルスキャンの場合は以下の3ステップから成る。尚、ここでは図47の左上に示すように回転中心に矢印の信号だけが存在する被検体を想定する。
【0007】
[1] データ収集と補正
コンベンショナルスキャンでデータ収集する。回転角は90°しか図示しないが、通常360°、180°+ファン角等である。投影データは図47右上のようになっている。この投影データを検出器103の感度、X線強度等、種々の要因を考慮して補正し、生データを得る。
【0008】
[2] 再構成関数とのコンボリューション演算
それぞれの角度の生データと再構成関数をコンボリューションする。コンボリューションデータは図47右下のようになり、元々存在した信号の周囲が窪んでいる。
【0009】
[3] 逆投影演算
コンボリューションデータをそのデータを収集したときのX線の通過パス上の全画素(ピクセル)に加算する。図47左下はある角度での逆投影演算を示す。これを必要な角度だけ繰り返すと、元の信号だけが残る。
【0010】
(4)ヘリカルスキャンの画像再構成
図46に示した2つのスキャン方式、コンベンショナルスキャンとヘリカルスキャンの状態を横から見たのが図48である。横軸をスライス(Z軸)方向、横軸を回転位相(角度)とし、各データのサンプリング位置を矢印で結んで表している。以下、このような図をスキャン図と称する。
【0011】
図48(a)のコンベンショナルスキャンでは、前述の[1]に相当する、目的とするスライス面で必要な360°のデータが収集されており、前述のように[1]〜[3]のステップによる画像再構成ができる。
【0012】
これに対して図48(b)のヘリカルスキャンでは、らせん状スキャンであるために目的とするスライス面においては1ビューしか収集されていない。そこで前述の[1]の代わりに、収集した投影データを補正した生データをZ軸方向に補間して必要なデータを得た後、前述の[2]〜[3]を行う。シングルスライスCTにおける代表的な補間方法は下記(a),(b)の2種類である。
【0013】
(a)360°補間法
360°補間法とは、図49(a)のように、目的のスライス位置を挟み、かつ最も近い同位相の2ビューの実データをスライス面とサンプリング位置との距離の逆比で線形補間する方法である。
【0014】
例えば目的とするスライス位置(スライス面のZ座標)をZ=Z0とすると、このスライス位置で収集されたデータは位相0°における1ビューだけである。そこで、例えば位相θのデータを得る場合にはスライス位置の上側の実データ1と、下側の実データ2を選択し、それぞれのデータをサンプリングしたZ座標と目的のスライス位置Z0の距離(Z座標)の逆比で線形補間し、補間データを得る。これを必要な全位相分繰り返す。
【0015】
(b)対向ビーム補間法
仮想的なデータである対向ビームを使う方法である。図49(c)のように焦点が黒丸の位置にあるときに収集した実データの各々の検出素子へのビームは実線矢印のようになっている。このとき、左側のビーム1と、X線焦点が白丸の位置にあるときの点線のビームは、同じパスを通過するビームである。この白丸からのビームを対向ビームと称する。同様にビーム2と薄灰色からの点線のビーム、ビーム3と濃灰色からの点線のビームは同じパスを通過するビーム、対向ビームである。このように、黒丸における全てのビームは対向するビームをもっている。そこで各ビーム毎に対応する対向ビームを白丸、薄灰色、濃灰色の焦点位置のデータから抜き出して仮想的なデータ(対向データと称する)を形成し、この実データと対向データで線形補間する方法が対向ビーム補間法である。
【0016】
ヘリカルスキャンの場合には、対向データのサンプリング位置は図49(d)のように、ビーム毎(チャンネル毎)に異なるが、以下では中心チャンネルのサンプリング位置で代表させ、図49(b)のように点線で表示する。尚、ヘリカルスキャンの補間方法には、この他にも補間に非線形な関数を用いたもの等、幾つか提案されている。
【0017】
(5)スライスプロファイルと画質
システムの性能を表す指標の代表的なものがスライスプロファイルと画質である。スライスプロファイルは、Z軸方向(スライス方向)のレスポンスを示すものである。一例を図50に示すが、矩形に近く、実効スライス厚(半値幅)が薄いほど良いものである。即ち、プロファイル1とプロファイル2は実効スライス厚は同じであるが、プロファイル1の方が矩形に近いので優れ、プロファイル2とプロファイル3では、プロファイル2の方が実効スライス厚が薄いので優れている。
【0018】
図49に示すように、補間に使う2つのデータのサンプリング位置の距離を補間間隔と称するが、補間間隔は、360°補間法ではヘリカルピッチ相当、対向ビーム補間法ではヘリカルピッチの1/2になり、対向ビーム補間法の方が狭くなっている。ヘリカルスキャンにおける実効スライス厚は、補間間隔が狭いほど薄くなるので、対向ビーム補間法の方が薄くなる。
【0019】
(6)マルチスライスCT
高精細に広範囲を高速に撮影したいという要求から、図51(a),(b),(c)のように検出器列を2列、4列、8列というように複数列備えるマルチスライスCTが提案されている。図52(a)は、それらをZ軸方向から見たもので、図中の円が有効視野FOV(Field of View)である。図52(b)は4列マルチスライスCTをZ軸に垂直な方向からZ軸を含めて観察したもので、X線焦点から検出器素子へ入射するX線が回転中心を通過するときの(X線焦点から距離FCDの)Z軸方向のビームの厚みを基本スライス厚Tとする。
【0020】
(7)マルチスライスCTにおけるヘリカルスキャン
マルチスライスCTにおけるヘリカルスキャンについては、特開平4−224736号公報に記載されている。マルチスライスCTにおけるヘリカルピッチPは、前述のシングルスライスCTにおける基本ピッチの概念を拡張し、以下の式(1)に示すように検出器列数Nと基本スライス厚Tの積、即ち、回転中心におけるトータルスライス厚と同じとされている。
【0021】
P=N×T…(1)
以下、ヘリカルピッチを基本スライス厚で割った値でヘリカルピッチを表現する。式(1)では、ピッチ4のヘリカルスキャンとなる。
【0022】
前記公報で提案されているN列マルチスライスCTでピッチNでヘリカルスキャンしたときの補間方法の1つは、シングルスライスCTの360°補間法を拡張したものである。
【0023】
図53は4列マルチスライスCTで上の方法を行った場合を示すスキャン図である。図49(a)の360°補間法と同様に、目的とするスライス位置を挟む2つの実データで補間する方法である。これを隣接補間法と仮称する。補間間隔が360°補間法と同じく基本スライス厚相当なので、実効スライス厚は360°補間法と同程度であることがわかる。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前述の(7)の補間方法では、実効スライス厚が厚い。このため、実効スライス厚を薄くするために対向ビームを使うことが考えられる。
【0025】
図54(a)は、Pitch=4でのヘリカルスキャンでの対向ビームを表したものである。対向ビームは斜線で示してあり、1回転目が左傾斜線、2回転目が縦線で示してあるが、その大半が実データのサンプリング位置と重なっていることが分かる。シングルスライスCTの考え方を拡張して対向ビームを集めて対向データを形成すると、黒丸の実データの対向データは黒の矩形で示される範囲になる。しかし、対向データの大半が目的とするスライス位置から見て実データと同じ側に存在することから、大半が外挿になること、しかも対向ビームを一続きになるようにすると、ビーム(チャンネル)によってはスライス位置に最も近いビームではなくなることが分かる。従って、外挿のため誤差が大きくなり、最も近いビームでないために実効スライス厚も厚くなる。
【0026】
図54(b)は上の問題を解決すべく、実データとは反対側の対向ビームを集めて対向データを形成した例である。必ず内挿になるので誤差は小さいが、サンプリング位置と重み付け補間の重みが隣合うビーム同士で不連続部分が発生するので、この部分に対応する方向に画質劣化が生じる。
【0027】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、高画質な画像を再構成できるX線CT装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、X線ビームを被検体に向けて曝射するX線ビーム発生源と、このX線ビームを検出して実データを得る少なくとも2つの検出器列を有する検出手段と、前記被検体が載置される寝台をこの被検体の体軸方向に移動させる寝台移動手段と、を有するX線CT装置において、前記X線ビーム発生源を回転させながらX線ビームを発生させると共に、前記寝台移動手段により寝台を移動させて、被検体をらせん状にスキャンし、前記検出手段により得られた実データ群と実データ群に対向する対向データ群の中から、目的とするスライス位置を挟む2つのデータを選択し、この選択した2つのデータを使ってスライス位置のデータを得るための重み付けを行うものであって、前記2つのデータの選択をチャンネルごとに独立に行うことを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、最も距離の小さい2つのデータをチャンネルごとに独立して選択して重み付けを行うので、実効スライス厚の薄い画像が得られる。また、内挿補間なので、発散の危険性が小さい。前記2つのデータの選択をチャンネルごとに独立に行うようにしてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係るX線CT装置の第1実施形態を示したブロック図である。
【0030】
第1実施形態のX線CT装置10は、目的とするスライス位置で隣接補間法を用いてX線ビーム(検出データ)を補間すると共に、このスライス位置を中心にして前後にずらした少なくとも2つのスライス位置で隣接補間法を用いてX線ビームを補間し、これらのX線ビームを重み付け加算することによって目的とするスライスのX線ビームとしている。
【0031】
第1実施形態のX線CT装置10は、図1に示すように、システム制御部11と、架台、寝台制御部13と、寝台移動部15と、X線制御装置17と、高電圧発生装置19と、X線ビーム発生源21と、検出器23と、回転架台25と、データ収集部27と、補間処理部29と、画像再構成部31と、表示部33とを有している。
【0032】
システム制御部11は、図示していない入力装置を用いて入力されたスライス厚、回転速度等のヘリカルスキャン条件の内、回転速度とスライス厚とファン角等を架台、寝台制御信号として架台、寝台制御部13に対して出力する。また、システム制御部11は、X線ビーム発生を制御するX線ビーム発生制御信号をX線制御装置17に対して出力する。さらに、システム制御部11は、X線ビームの検出のタイミングを示す検出制御信号をデータ収集部27に対して出力する。さらに、システム制御部11は、データ収集のためのデータ収集制御信号をデータ収集部27に対して出力する。さらに、システム制御部11は、補間方法を示す補間制御信号を補間処理部29に対して出力する。
【0033】
架台、寝台制御部13は、システム制御部11により出力された架台、寝台制御信号を基に回転架台25を回転させると共に、寝台移動信号を寝台移動部15に対して出力する。
【0034】
寝台移動部15は、架台、寝台制御部13により出力された寝台移動信号を基に、回転架台25の1回転当たりの寝台15aの移動量を求め、この移動量で寝台15aを移動させる。
【0035】
X線制御装置17は、システム制御部11により出力されたX線ビーム発生制御信号を基に、高電圧発生装置19による高電圧発生のタイミングを制御する。
【0036】
高電圧発生装置19は、X線ビーム発生源21からX線ビームを曝射させるための高電圧をX線制御部17からの制御信号に従ってX線ビーム発生源21に供給する。
【0037】
X線ビーム発生源21は、高電圧発生装置19から供給された高電圧によってX線ビームを曝射する。
【0038】
検出器23は、X線ビーム発生源21から曝射され、被検体を透過したX線ビームを検出する。
【0039】
回転架台25は、X線ビーム発生源21と検出器23とを保持する。また、回転架台25は、図示しない架台回転機構により、X線ビーム発生源21と検出器23との中間点を通る回転軸を中心にして回転される。
【0040】
データ収集部27は、検出器23により検出されたX線ビーム(実際には検出信号)を、システム制御部11により出力されたデータ収集制御信号に対応させて収集する。
【0041】
補間処理部29は、データ収集部27によって収集されたX線ビームを基に、目的のスライス位置のX線ビームを補間する。尚、補間処理部29は、CPUとメモリ等から構成される。
【0042】
画像再構成部31は、補間処理部29により補間されたX線ビームを基に、画像を再構成する。
【0043】
表示部33は、画像再構成部31により再構成された画像を図示しないモニタ上に表示する。
【0044】
次に、第1実施形態のX線CT装置10の動作を説明する。まず、操作者は図示しない入力装置を用いてヘリカルスキャン条件を入力する。例えば以下に示すようなヘリカルスキャン条件とする。
【0045】
検出器列数 Nseg=2
検出器チャンネル数 Nch=1000
各列のZ軸方向の回転中心での厚み Dseg=20(mm)
回転中心でのビームの厚み Nseg×Dseg=40(mm)
焦点−回転中心間距離 FCD=600(mm)(Focus−Center−Distance)
焦点−検出器間距離 FDD=1200(mm)(Focus−Detector−Distance)
有効視野直径 FOV=500(mm)(Field of View)
有効視野角(ファン角)φ=50°
ヘリカルスキャン条件が入力されるとシステム制御部11は、このヘリカルスキャン条件の内、回転速度とスライス厚とファン角等を架台、寝台制御信号として架台、寝台制御部13に対して出力する。そして、架台、寝台制御部13は、この架台、寝台制御信号を基にして寝台移動信号を寝台移動部15に対して出力する。
【0046】
この状態で操作者により診断開始命令が前記入力装置から入力されると、システム制御部11は、架台、寝台制御部13に対して診断開始を指示すると共に、X線ビーム発生を制御するX線ビーム発生制御信号をX線制御装置17に対して出力する。そして、前記X線ビーム発生制御信号に対応させて、X線制御装置17は、高電圧発生装置19から高電圧を発生させる。
【0047】
これにより、X線ビーム発生源21からX線ビームが曝射されると共に、寝台15aが寝台移動部15により移動され、ヘリカルスキャンによる診断が開始される。
【0048】
そして、データ収集制御信号がシステム制御部11により出力されると、データ収集部27は、このデータ収集制御信号に対応させて検出器23からX線ビームを検出し、この検出したX線ビーム(実際には検出データ)を補間処理部29に供給する。
【0049】
X線ビームが供給されると、補間処理部29は、このX線ビームを基に、目的のスライス位置のX線ビームを補間する。このときの補間処理部29によるデータ補間の例を図2(a)に示す。また、位相0°から位相360°の間の各位相のデータを補間する場合に、補間する位相と各データの重みの関係を図2(b)に示す。
【0050】
図2(b)に示すように、最上端(図2(a)の位相0°)では、2回転目の第2列のビームと、2回転目第1列のビームで補間し、上から下(図2(a)の位相0°から位相360°)に補間点を動かすにつれて2回転目第1列のビーム重みが増加し、2回転目第2列のビームの重みが減少する。位相Aでは完全に2回転目第1列のビームだけになり、その後、2回転目第1列のビームの重みが減少するにつれて、1回転目第2列のビームの重みが増加し、位相Bでは、完全に1回転目第2列のビームだけになる。その後、1回転目第2列の重みが減少し、1回転目第1列の重みが増加する。
【0051】
ここで、シングルスライスCTにおけるデータ補間の例を図3(a)に示す。また、シングルスライスCTにおけ同様の重みの変化を図3(b)に示す。シングルスライスCTとマルチスライスCTとの差は3点ある。第1に、マルチスライスCTでは、図2(b)に示すように補間に用いるビームの切り換えがN回発生し、しかもその位相がθとθ+180°のように対向する位相になっている。第2に、重みの変化率(隣接するビュー間の重みの変化量)が高くなっている。第3に、複数の検出器列間で出力特性が異なるため、切り換えに伴うデータ特性の差異がシングルスライスCTの時よりも大きい。この3点に起因して、マルチスライスCTのヘリカルスキャンにおけるデータ補間による画質劣化は深刻である。
【0052】
また、補間に使うビームの切り換え(ギャップ)の影響は切り換える幅に比例するため、切り換える幅が小さい方が良い。そこで、この切り換えの影響を抑制する必要がある。このため、第1実施形態のX線CT装置10では、切り換えの影響が位相Aと位相Bに集中することを避ける方法を取る。
【0053】
例えば、図2に示すスライス位置Z=Z0+ΔZにおける補間の重みを図4(b)に示す。同様に、スライス位置Z=Z0−ΔZにおける補間の重みを図4(c)に示す。図4(b),(c)に示すように、スライス位置を前後に微妙にずらすと、切り換えの発生する位相が、位相Aから位相A±δ、位相Bから位相B±δになり少しずれる。
【0054】
そこで、スライス位置をZ=Z0−n・ΔからZ=Z0+n・Δまで、Δずつずらした2n+1枚のスライス位置の補間データData(θ,Z0+i・Δ)(i=−n,n)を得、それを以下に示す式(2)のようにW(i)で重み付け加算して目的とする位相のデータData(θ,Z0)とする。
【0055】
【数1】
この場合、スライス位置をずらして補間したデータを重み付け加算するので実効スライス厚は厚くなるが、図4(d)に示すように、補間の重みの変化が緩やかになる。
【0056】
ここで、図4(e)に、補間の重みの変化部分(図4(d)の位相Aの部分)を拡大して示す。図4(e)に示すように、補間の重みの変化部分(図4(d)の位相Aの部分)では、上から2回転目第1列の重みが増加していき、2回転目第2列のビームの重みが減少すると共に1回転目第2列のビームの重みが増加していく。その後、2回転目第1列の重みが減少していき、2回転目第2列のビームの重みが無くなっていき、変わって1回転目第2列のビームの重みが増加していく。このため、補間の重みの変化が緩やかになり、補間に用いるビームの切り換えの影響が減少するので、画質は改善される。
【0057】
また、この場合、図5に示すように、目的とするスライス位置Z=Z0のデータの前後でn枚ずつのデータを加算することになるが、各Z座標位置を何回カウント(サンプリング)しているかを考えると、図5の下側に示したようなフィルタ処理を行ったことと類似である。また、従来、1つの位相では2つのビームを用いて補間していたのに対し、2つ以上のビームを用いた補間になっている。このビーム数は、補間に用いるビームの間隔、その位相と切り換えが発生する位相との関係に依存する。以下、この補間方法をフィルタ補間法と称する。尚、前記の重み付けは、任意の重みで良い。また、図5は、均等加算平均の例である。
【0058】
フィルタ補間法では、原理からも明らかなように、サンプリング密度が密なほど効果を発揮する補間方法である。ここでは、説明の都合上、2n+1回データを補間して重み付け加算を行ったが、実際には、スライス方向に同様な効果を持つフィルタを用いて補間するようにしても良い。
【0059】
例えば、位相を固定してその位相θで収集したデータDn(θ),Dn+1(θ)…を考えると、図6に示すようにスライス方向に複数のサンプリング点があることになる。そこで、このスライス方向にフィルタ処理を行い、目的のスライス位置の補間データを得るための各データに対する重み係数を計算する。
【0060】
図6に示すように補間に使う各データの重み係数を重みフィルタ関数から求める。例えば位相θのn+3番目のデータDn+3(θ)に対する重みは、目的のスライス位置と重みフィルタ関数とデータDn+3(θ)のZ座標の関係から図6のようにW(Z,Dn+3(θ))となる。そして各データの重みを正規化するために以下に示す式(3)のように全データの重みの総計で割っておく。
【0061】
【数2】
このようにして各データの重みを計算し、以下に示す式(4)によって補間データを計算するようにしても良い。
【0062】
【数3】
こうして、補間処理部29により補間されたX線ビーム(検出データ)は、画像再構成部31に供給される。そして、画像再構成部31により画像が再構成され、表示部33のモニタ上に表示される。
【0063】
このように、第1実施形態のX線CT装置10では、目的とするスライス位置で隣接補間法を用いてX線ビームを補間すると共に、このスライス位置を中心にして前後にずらした少なくとも2つのスライス位置で隣接補間法を用いてX線ビームを補間し、これらのX線ビームを重み付け加算することによって目的とするスライスのX線ビームとしているので、補間に使うビームの切り換えによる画質の劣化を減少させることができる。
【0064】
次に、第2実施形態のX線CT装置を説明する。従来の対向ビーム補間法が、スライス位置に最も近い元ビームと対向ビームで内挿補間(目的とするスライス位置が、補間に用いられるビームに対して内側)または外挿補間するのに対し、第2実施形態のX線CT装置では、対向ビーム同士をも積極的に利用して内挿補間を行うというものである。
【0065】
この内挿補間法とは、例えば、検出器列を2つ有する検出器23が4回転した場合、位相θの元ビームと対向ビームを合わせると、2列×4回転×2(元ビームと対向ビーム)=16ビーム存在するが、これら全ビームの中から、スライス位置を挟みスライス位置に最も近い2つのビームで内挿補間するというものである。即ち、対向ビーム同士の補間も積極的に行う。以下、これを新対向ビーム補間法と称する。
【0066】
尚、第2実施形態のX線CT装置は、図1に示した第1実施形態のX線CT装置10と装置構成は変わらないので、同一部材には同一の符号を用いて詳細な説明は省略した。
【0067】
次に、第2実施形態のX線CT装置の動作を図を参照して説明する。尚、補間処理部29以外の動作は第1実施形態のX線CT装置10と同一であるので、説明を省略する。
【0068】
例えば、第1実施形態のX線CT装置の検出器23と同一の検出器23(検出器列数 Nseg=2,検出器チャンネル数 Nch=1000)を用いた場合、1000のチャンネル任意の位相の対向ビームは、図7に示すように1チャンネルから1000チャンネルまで実線の四角で示すようになっている。即ち、点線の四角で示すようにチャンネルに依存してスライス位置の異なる対向ビームが存在する。ここで、1000チャンネルを注目すると、図8(a)に点線で示す位置に対向ビームが存在するので、実線で示した元ビーム2回転×2列=4ビームと、点線で示した対向ビーム2回転×2列=4ビームの計8ビームの中からスライス位置を挟み最も近い2つのビームを用い、この2つのビームのビーム位置とスライス位置の距離の逆比で線形または非線形補間して1000チャンネルについての目的の位相のデータとする。尚、1チャンネルについても図8(b)に示すように1000チャンネルの場合と同様にして補間する。これらの動作を繰り返して全位相360°についてデータを得る。
【0069】
このように、第2実施形態のX線CT装置では、新対向ビーム補間法を用いてデータ補間するようにしているので、補間に使うビームの切り換えが発生する位相がチャンネルによって異なるため、ビュー単位で一度に切り換わることが少なくなり(ヘリカルピッチによっては存在するが回数は減少する)、画質も向上する。さらに、図2に示した隣接補間法と比較すると、補間に使うビームの間隔も平均して狭くなるので実効スライス厚も薄くなる。
【0070】
次に、第3実施形態のX線CT装置を説明する。第3実施形態のX線CT装置は、第1実施形態のX線CT装置でのフィルタ補間法と、第2実施形態での新対向ビーム補間法を組み合わせたものである。
【0071】
尚、第3実施形態のX線CT装置は、図1に示した第1実施形態のX線CT装置10と装置構成は変わらないので、同一部材には同一の符号を用いて詳細な説明は省略した。
【0072】
次に、第3実施形態のX線CT装置の動作を図を参照して説明する。尚、補間処理部29以外の動作は第1実施形態のX線CT装置10と同一であるので、説明を省略する。
【0073】
第3実施形態のX線CT装置の補間処理部29は、まず、例えば図2に示すスライス位置Z=Z0での任意の位相θのデータData(Z0)を前述の新対向ビーム補間法により得る。次いで、Z=Z0+i・Δ(i=−n,n)における位相θのデータData(Z0+i・Δ)を前述の新対向ビーム補間法により得る。そして、これら得られたデータData(Z0)とデータData(Z0+i・Δ)を基に、前述のフィルタ補間法と同様、式(2)のように重み付け加算して目的とする位相のデータData(θ,Z0)を得る。これらの動作を繰り返して全位相360°についてデータを得る。
【0074】
このように、第3実施形態のX線CT装置では、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間するようにしているので、補間に使うビームの切り換えによる画質の劣化を減少させることができる。さらに、補間に使うビームの間隔も平均して狭くなるので実効スライス厚も薄くなる。
【0075】
次に、第4実施形態のX線CT装置を説明する。第4実施形態のX線CT装置は、マルチスライスCTにおける補間誤差が極端に大きくならないように、即ち、元ビームのスライス位置と対向ビームのスライス位置が近くならないように、ヘリカルピッチとビーム厚を等しくせず、対向ビームの位置をずらし、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間するようにしたものである。
【0076】
尚、第4実施形態のX線CT装置は、図1に示した第1実施形態のX線CT装置10と装置構成は変わらないので、同一部材には同一の符号を用いて詳細な説明は省略した。
【0077】
次に、第4実施形態のX線CT装置の動作を図を参照して説明する。
【0078】
第4施形態のX線CT装置では、ヘリカルピッチPを式(1)に示した基本ピッチ以下、かつ、以下の式(5)に示すようにする。
【0079】
(N/2−0.5)×T<P<NT…(5)
なおかつ、対向ビームのビーム位置が元ビームの位置と重ならないように、以下に示す式(6)に従ってヘリカルピッチPを決定する。
【0080】
【数4】
ここでαは、図9に示すいくつかのFOVサイズ(図9ではサイズMとサイズLLのみ示す)が最大(図9中のLLサイズ)でも2つのビームのスライス位置が近くならないように、X線ビーム発生源21から曝射されるX線ビームのファン角以上の数(例えば、ファン角φ=50°の場合、α=55)とする。
【0081】
第4施形態のX線CT装置では、このようにして決められたヘリカルピッチPでヘリカルスキャンを行う。
【0082】
そして、補間処理部29は、まず、例えば図10に示すスライス位置Z=Z0での任意の位相θのデータData(Z0)を前述の新対向ビーム補間法により得る。尚、図10中、実線は元ビーム、点線は対向ビームを示している。次いで、Z=Z0+i・Δ(i=−n,n)における位相θのデータData(Z0+i・Δ)を前述の新対向ビーム補間法により得る。そして、これら得られたデータData(Z0)とデータData(Z0+i・Δ)を基に、前述のフィルタ補間法と同様、式(2)のように重み付け加算して目的とする位相のデータData(θ,Z0)を得る。これらの動作を繰り返して全位相360°についてデータを得る。
【0083】
例えば、検出器列数N=2,ファン角φ=50°(LLサイズ),α=55とすると、ヘリカルピッチPは、P<3.06あるいはP>5.76となる。ここでP=3(mm)の場合のスキャン図を図10に示す。図10中、実線が元ビーム、点線が対向ビームである。ここでは、対向ビーム同士の補間も積極的に行っている。
【0084】
ここで、図10に示したデータ補間を用いた場合と、図11(a)に示した隣接補間法を用いた場合と比較すると、図10に示したデータ補間を用いた場合の方が補間に使うビームの間隔が狭く、実効スライス厚が薄いことが分かる。例えば、図11(a)中に実線の丸で示した元ビームの位相では、目的のスライス位置について、隣接補間法を用いた場合、2回転目第2列の元ビームと2回転目第1列の元ビームを用いて補間するが、図10に示したデータ補間の場合、目的のスライス位置についてこの実線の丸で示した元ビームと点線の丸で示した対向ビームを用いており、補間に使うビームの間隔が狭くなっている。
【0085】
また、図10に示したデータ補間を用いた場合と、図11(b)に示したシングルスライスCTにおける360°補間法を用いた場合、図11(c)に示したシングルスライスCTにおける対向ビーム補間法を用いた場合とを比較すると、図10に示したデータ補間を用いた場合は、補間に使うビームの間隔は対向ビーム補間法を用いた場合と同等か、位相によってはそれより狭い間隔であることが分かる。例えば、図11(b)中に実線の丸で示した元ビームの位相では、目的のスライス位置について、360°補間法を用いた場合、2回転目の元ビームと1回転目の元ビームを用いて補間するが、図10に示したデータ補間の場合、目的のスライス位置についてこの実線の丸で示した元ビームと点線の丸で示した対向ビームを用いており、補間に使うビームの間隔が狭くなっている。
【0086】
従って、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法を組み合わせた補間法を用いても充分薄い実効スライス厚が得られる。
【0087】
また、検出器列数N=4の場合は、式(6)から、ヘリカルピッチPは、P<6.12あるいはP>11.52となる。ここで、P=5(mm)のときスキャン図を図12、P=6(mm)のときスキャン図を図13、P=7(mm)のときスキャン図を図14に示す。尚、図12に示したヘリカルピッチP=5(mm)のときの方が、図14に示したヘリカルピッチP=7(mm)ときに比べ、ヘリカルピッチPが狭い分、画質は良くなるが、スキャン時間が長くなり、被曝線量が増える。
【0088】
ここで、図12〜図14に示したデータ補間を用いた場合と、図15に示す従来の補間法を用いた場合とを比較すると、図12〜図14に示したデータ補間の方がヘリカルピッチPは、図12では1列分、図13では1.5列分、図14では2列分それぞれ大きいが、サンプリング密度は同等となっている。従って、これらのヘリカルピッチPでヘリカルスキャンした場合、サンプリング密度が密になり、前述したようにフィルタ補間法の効果がより高くなる。
【0089】
また、ヘリカルピッチPは、元ビームと対向ビームとのスライス位置を互いにずらすことを目的として選択するが、検出器列N=2のときは、1.5列分(P=1.5T),検出器列N=4のときは、2.5列分(P=2.5T)にすると、サンプリング密度が高く、さらに偏りの無いほぼ等間隔の理想的なサンプリングが達成できる。
【0090】
このように、第4実施形態のX線CT装置では、ヘリカルピッチPとビーム厚を等しくせず、対向ビームの位置をずらし、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間するようにしたので、サンプリング密度が密になり、画像を再構成したときのノイズを減少させることができる。
【0091】
尚、第4実施形態のX線CT装置では、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間するようにしているが、本発明はこれに限定されること無く、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法のいずれかによってデータ補間するようにしても良い。
【0092】
次に、本発明に係るX線CT装置の第5実施形態(Pitch=2.5(3.5,4.5))+(隣接補間法)を用いたもの)を説明する。
第5実施形態のX線CT装置は、図1に示す第1実施形態のX線CT装置10と同様、システム制御部11と、架台、寝台制御部13と、寝台移動部15と、X線制御装置17と、高電圧発生装置19と、X線ビーム発生源あるいはX線焦点を有するX線管21と、検出器23と、回転架台25と、データ収集部27と、補間処理部29と、画像再構成部31と、表示部33とを有している。
【0093】
システム制御部11は、図示しない入力装置を用いて入力されたX線照射量、基本スライス厚T、ヘリカルピッチP、回転速度などの撮影条件の内、スライス厚TとヘリカルピッチPと回転速度など必要な情報を架台、寝台制御信号として架台、寝台制御部13に対して出力する。また、システム制御部11は、X線ビーム発生を制御するX線ビーム発生制御信号をX線制御装置17に対して出力し、X線ビームの検出タイミングを示す検出制御信号をデータ収集部27に対して出力し、データ収集のためのデータ収集制御信号をデータ収集部27に対して出力し、さらに、補間方法を示す補間制御信号を補間処理部29に対して出力する。
【0094】
架台、寝台制御部13は、システム制御部11により出力された架台、寝台制御信号を基に、回転架台25を回転させると共に、寝台移動信号を寝台移動部15に対して出力する。
【0095】
寝台移動部15は、架台、寝台制御信号により出力された寝台移動信号を基に、回転架台25の1回転あたりの寝台15aの移動量を求め、この移動量で寝台15aを移動させる。
【0096】
X線制御装置17は、システム制御部11により出力されたX線ビーム発生制御信号を基に、高電圧発生装置19による高電圧発生のタイミングを制御する。
【0097】
高電圧発生装置19は、X線ビーム発生源21からX線ビームを曝射させるための高電圧をX線制御部17からの制御信号に従ってX線ビーム発生源21に供給する。
【0098】
X線ビーム発生源21は、高電圧発生装置19から供給された高電圧によってX線ビームを曝射する。
【0099】
検出器23は、検出器23は、X線ビーム発生源21から曝射され、被検体を通過したX線ビームを検出する。
【0100】
回転架台25は、X線ビーム発生源21と検出器23とを保持する。また、回転架台25は、図示しない架台回転機構により、X線ビーム発生源21と検出器23との間の回転軸を中心にして回転される。
【0101】
データ収集部27は、検出器23により検出されたX線制御信号をシステム制御部11により検出されたデータ収集制御信号に対応させて収集する。また、X線強度補正、検出器感度補正など種々の補正を行い、生データを得る。
【0102】
補間処理部29は、データ収集部27によって収集補正された生データ基に、目的のスライス位置のデータを補間する。尚、補間処理部29は、CPUとメモリ等から構成される。
【0103】
画像再構成部31は、補間処理部29により補間されたデータを基、画像を再構成する。
【0104】
表示部33は、画像再構成部31により再構成された画像を図示しないモニタ上に表示する。
【0105】
次に、第5実施形態のX線CT装置の動作を説明する。ここではまず、検出器23として図51(b)に示すように4列マルチスライス検出器を用いた場合を説明する。
【0106】
まず、操作者は図示しない入力装置を用いて撮影条件を入力する。例えば以下に示す条件とする。
撮影モード ヘリカルスキャン
ピッチ Pitch=2.5
補間方法 隣接補間法
基本スライス厚 T
収集データ数 4
【0107】
撮影条件が入力されるとシステム制御部11は、この条件に従って前記のように指示し、準備ができるとその旨を操作者に伝える。操作者は撮影開始命令を入力する。操作者により撮影開始命令が前記入力装置から入力されると、システム制御部11は、前記の撮影条件に従ってヘリカルスキャンを行いながらX線を曝射し、データ収集および補正を行い、生データを得る。この生データを基に、下記に従って目的とするスライス位置のデータを補間し、その後、良く知られた手順に従って画像再構成が行われる。
【0108】
以下、第5実施形態の特徴部分であるヘリカルスキャンのピッチおよび補間方法について説明する。
Pitch=2.5としたときのスキャン図を図16に示す。補間方法は最も単純な隣接補間法とし、実データのみを用いて補間している。Pitch=4のときのスキャン図、図53と比較すると360度の内、半分以上の位相で補間間隔が1/2に狭くなっている。即ち、実効スライス厚が薄くなる。
【0109】
ヘリカルスキャンのピッチをPitch=3.5にしたときのスキャン図を図17,Pitch=4.5にしたときのスキャン図を図18に示す。Pitch=3.5でもPitch=4.5に比べると補間間隔が狭くなり、実効スライス厚が薄くなることが分かる。図18のように、Pitch=4.5のときはPitch=4のときよりも補間間隔が広くなってしまうが、図19に示すように基本スライス厚を半分にしたときには、Pitch=2.5のときよりも補間間隔は狭くなる。
【0110】
次に、検出器23として2列マルチスライス検出器を用いた場合を説明する。図20は、Pitch=2のときのスキャン図であり、図21は、高密度サンプリング・スキャン法の一例であるPitch=1.5のときのスキャン図である。4列マルチスライスCTと同様、補間間隔が狭くなり、実効スライス厚も薄くなることが分かる。
【0111】
このように、第5実施形態のX線CT装置では、マルチスライスCTのヘリカルスキャンにおいて、補間間隔が狭くなり、Z軸方向のサンプリング密度が高くなるように基本スライス厚とヘリカルピッチを選択するようにしているので、高密度でサンプリングすることができ、高画質な画像を再構成できる。
【0112】
次に、本発明に係るX線CT装置の第6実施形態(新対向ビーム補間法を用いたもの)を説明する。尚、第6実施形態のX線CT装置の構成については第5実施形態と同じとする。
【0113】
第5実施形態では、「マルチスライスCTのヘリカルスキャンにおいて、実データ同士が重ならないような軌跡になり、実データのサンプリング密度が高くなるように基本スライス厚とヘリカルピッチを選択すること」について説明したが、第6実施形態では、補間に対向ビームを使う新対向ビーム補間法について説明し、合わせて、新対向ビーム補間法における「高密度サンプリング・スキャン法」である「マルチスライスCTのヘリカルスキャンにおいて、実データ同士および対向ビーム同士が(出来るだけ)重ならないような軌跡になり、実データと対向ビームを合わせたトータルのサンプリング密度が高くなるような軌跡(サンプリング)になるように基本スライス厚とヘリカルピッチを選択すること」について説明する。
【0114】
ここで、マルチスライスCTの検出器列数は2列あるいは4列に限定されない。他の列数でも良い。また、ヘリカルピッチもここに挙げた例に限定されない。基本思想を逸脱しない範囲で適宜、変形、応用が可能である。
【0115】
以下、第5実施形態と異なる点であるヘリカルスキャンの補間方法について説明する。
新対向ビーム補間法とは、「目的とするスライス位置を挟み、最も近い2つのビーム(データ)を、実データと対向ビームの中からチャンネル毎に独立に選択し、重み付け補間する」という補間法である。重み付け補間は距離の逆比による線形補間でも良いし、非線形補間でも良い。前記データの選択は、複数の検出器列で収集した空間的に異なるサンプリング位置およびタイミングで収集したデータの中から選択する。従来の対向ビーム補間法との差異は、従来法が「目的とするスライス位置に最も近い実データと、それに対向する対向データで補間する」のに対し、「チャンネル毎に実データを変えられる」点と、「対向データ」同士の補間、あるいは実データ同士の補間も行う」という点である。
【0116】
図20のスキャン図に示すように第5実施形態では、中心チャンネルの対向ビームは実データとサンプリング位置が重なってしまう。しかしここで、中心チャンネルでないビームの対向ビームを考える。図22下図は、黒丸で示すの焦点位置からの第1チャンネル,…,第N1チャンネル,…,中心チャンネル,…,第N2チャンネル,…,第1000チャンネルへの実データのビームを示したものである。第N1チャンネルおよび第N2チャンネルへの実データのビームは、中心チャンネルからファン角方向に角度θずれている。
【0117】
図49(d)を参考にすると、この実データの対向データを形成するときには、図22上図のような焦点位置におけるデータからチャンネル毎に対向ビームを抜き出し集める。さて、Pitch=2のときの第N1チャンネルの実データを実線で、対向ビームを点線でスキャン図上に表すと、図23(a)のようになる。これに対し、第N2チャンネルの実データおよび対向ビームは、図23(b)のようになる。第N1チャンネルでは対向データのサンプリング位置が実データの左側(Z軸負方向)にシフトしているのに対し、第N2チャンネルでは右側(Z軸正方向)にシフトしている。このように、実データのサンプリング位置は全チャンネル同じ位置であるが、対向ビームのサンプリング位置はチャンネルによって異なることが分かる。
【0118】
前述した新対向ビーム補間法によって、第N1チャンネルは図23(a)、第N2チャンネルは図23(b)のように補間に使うデータが選択され、内挿補間される。例えば位相θのデータに注目すると、第N1チャンネルは、1回転目の第2列の実データと1回転目の第2列の対向ビームで補間することになり、チャンネルによってデータ選択と補間の重みが異なることが分かる。この方法でも課題で記載した2つの問題点の片方「ビームサンプリング位置が隣接するチャンネル同士で不連続になる」は解決されないが、より重要な問題点「補間の重みが隣接するチャンネル同士で不連続になる」は解決され、しかも安定な内挿補間であるために、画質は向上する。また、補間に使う2つのビームの距離、補間距離が図20の場合より狭くなっており、実効スライス厚も薄くなることが分かる。この状況でN列マルチスライスCTでPitch=Nでヘリカルスキャンした場合に一般化できる。即ち、4列マルチスライスCTでPitch=4でヘリカルスキャンしたときにも適用可能である。
【0119】
次に、2列マルチスライスCTでPitch=1.5の高密度サンプリング・スキャンをしたときを説明する。
図24は2列マルチスライスCTでPitch=1.5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。図24中、中心チャンネルの対向ビームの軌跡を点線で示す。
【0120】
高密度サンプリング・スキャンでは、ピッチを2で割った値が整数でない(Pitch/2≠整数、つまりPitch≠偶数)ために、中心チャンネルの対向ビームのサンプリング位置は実データのサンプリング位置からずれた位置になる。従って、対向ビームと実データのサンプリング位置が重ならないために、実データと対向データを合わせたトータルのサンプリング密度が高くなり、補間間隔はシングルスライスCTの対向ビーム補間法(図49(b))と同等あるいはその半分になっている。従って画像の実効スライス厚は薄くなる。また位相θのあたりでは、対向ビーム同士の補間になっていること、360°近くの位相では実データ同士の補間になっていることが分かる。
【0121】
容易に予想できるように、中心チャンネル以外のチャンネル、例えば第N1チャンネルや第N2チャンネルの対向ビームは前述のように中心チャンネルからZ軸正負方向にずれたサンプリング位置になるので、より重要な部分のサンプリング密度が高まるように重要なチャンネルにおいて重ならないようにしてヘリカルピッチを選択する。また有効視野FOVは撮影対象によって変わる。例えば頭部撮影の際には中心付近のチャンネルしか有効なデータがないため、中心以外の部分のサンプリング密度は画質に影響しない。これらを考慮するべきである。図24は、通常重要とされる画像中央部、つまり中心チャンネルのサンプリング密度が高くなるように設定した高密度サンプリング・スキャン法である。
【0122】
次に、4列マルチスライスCTでPitch=2.5の高密度サンプリング・スキャン法によるヘリカルスキャンにおいて新対向ビーム補間法を適用した例を説明する。
【0123】
図25は4列マルチスライスCTでPitch=2.5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。図24と同様に、対向ビーム同士の補間や実データ同士の補間も組み合わせることで、補間間隔が最小になり、実効スライス厚の薄い画像が得られる。
【0124】
図26は同じ4列マルチスライスCTでPitch=3.5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。Pitch=2.5のときほどではないものの、図53に示すPitch=4の隣接補間法に比べると補間間隔は狭くなり、実効スライス厚も薄くなる。
【0125】
図27は同じ4列マルチスライスCTでPitch=4.5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。新対向ビーム補間法を適用すると、図18に示す隣接補間法による場合よりも補間間隔は狭くなっている。また、図53に示すPitch=4の隣接補間法に比べるとヘリカルピッチが大きいにも拘らず補間間隔は狭くなっていることが分かる。さらに、4列マルチスライスCTでPitch=4.5の高密度サンプリング・スキャン法、かつ、図19に示すように基本スライス厚を薄くした場合には補間間隔はさらに狭くなる。
【0126】
以上、新対向ビーム補間法に関してと、新対向ビーム補間法を高密度サンプリング・スキャン法と組み合わせた方法について説明した。前述のように、新対向ビーム補間法を使って補間する場合には、高密度サンプリング・スキャン法は、「マルチスライスCTのヘリカルスキャンにおいて、実データ同士が重ならないような軌跡になり、実データのサンプリング密度が高くなるように基本スライス厚とヘリカルピッチを選択すること」、即ち、実データのサンプリング密度のみに注目したスキャン法ではなく、トータルのサンプリング密度を考慮した「マルチスライスCTのヘリカルスキャンにおいて、実データ同士および対向データ同士が(出来るだけ)重ならないような軌跡になり、実データと対向データを合わせたトータルのサンプリング密度が高くなるような軌跡(サンプリング)になるように基本スライス厚とヘリカルピッチを選択すること」という方法になる。ここで、「(出来るだけ)」というのは、今までの説明で明らかなように、対向ビームのサンプリング位置はチャンネル依存であるため、チャンネルによっては対向ビームのサンプリング位置が実データと重なってしまうこともあることを考慮したものである。サンプリング位置の重なりが発生するときには、中心チャンネルなど、目的とする画像の画質に影響の大きいデータのサンプリング密度を高めるようにヘリカルピッチを決定する。
【0127】
また、サンプリング密度は、ヘリカルピッチが小さくなるほど高くなる。例えば4列マルチスライスCTにおいて最高密度になるのはPitch=1.5の高密度サンプリング・スキャン法である。サンプリング密度を高めるとヘリカルピッチが小さくなり、一定範囲の撮影時間が長くなるため、撮影目的に応じて選択する。
【0128】
尚、マルチスライスCTの検出器列数は2列あるいは4列に限定されず、他の列数でも良い。また、ヘリカルピッチもここに挙げた例に限定されない。基本思想を逸脱しない範囲で適宜、変形、応用が可能である。
【0129】
このように、第6実施形態のX線CT装置では、マルチスライスCTのヘリカルスキャンにおいて、目的とするスライス位置を挟み、最も近い2つのビーム(データ)を、実データと対向ビームの中からチャンネル毎に独立に選択し、重み付け補間するようにしているので、高画質な画像を再構成できる。
【0130】
次に、本発明に係るX線CT装置の第7実施形態(直接フィルタ処理による補間法を用いたもの)を説明する。尚、第7実施形態のX線CT装置の構成については第6実施形態と同じである。以下、第6実施形態と異なる点であるヘリカルスキャンの補間方法について説明する。
【0131】
直接フィルタ処理によるフィルタ補間法とは、「目的とするスライス位置近傍に想定したある範囲内の同位相同方向の複数のビームのデータをスライス方向にフィルタ処理することで、目的とするスライス位置の該当する位相、該当する方向のビームのデータとする」という処理方法である(概念的には「補間」というより「Z軸方向のフィルタ処理」に近い)。
【0132】
まず、第5実施形態記載の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャンし、第6実施形態記載の新対向ビーム補間法の応用で対向ビームも考慮してサンプリングし、フィルタ補間法を使って目的とするスライス位置のデータを得る場合を説明する。
【0133】
図28上図は4列マルチスライスCTでのPitch=2.5のヘリカルスキャンのスキャン図である。目的とするスライス位置Z=Z0近傍に示す矩形の範囲を想定する。
さて、位相θのサンプリングデータd(i)を目的のスライス位置Z0近傍だけ抜き出すと、図28下図のようにサンプリングされている。ここでフィルタ補間法のポイントであるスライス方向フィルタ関数ZFC(ΔZ)を考え、フィルタ処理を行う。位相θのデータ数は例えばN個とする。
【0134】
まず、以下に示す式(7),(8)に従ってスライス方向フィルタ関数ZFC(ΔZ)から位相θのサンプリングデータd(i)をの重みW(i)を求める。図28では、d(4)の重みW(4),d(5)の重みW(5)の求め方を図示している。
【0135】
【数5】
次いで、以下に示す式(9)に従って位相θのサンプリングデータd(i)の重みW(i)を正規化し、重みWU(i)を得る。
【0136】
【数6】
次いで、以下に示す式(10)に従って目的のスライス位置Z0における位相θのデータdate(θ)を決定する。
【0137】
【数7】
次いで、必要な位相のデータを式(7)〜式(10)を用いて作成後、通常のファンビーム再構成を行う。
【0138】
以上により、目的とするスライス位置のデータを求め、画像再構成することができる。再度記載するが、対向ビームのサンプリング位置はチャンネルに依存するため、想定した範囲内に存在し処理に使われるデータ(何回転目の何列目の実データあるいは対向データ)の選択結果、データの重みなどはチャンネルによって独立である。しかも、後述のようにフィルタ関数ZFCの形状(幅および重み)が複数ある場合にはそのフィルタ関数ZFCにも依存する。
【0139】
ここでは、4列マルチスライスCTにおけるPitch=2.5の高密度サンプリング・スキャン法における例を説明したが、他のピッチ、例えば4列マルチスライスCTにおけるPitch=3.5あるいはPitch=4.5の高密度サンプリング・スキャン法にも適用可能であるし、他の列数、例えば2列マルチスライスCTにおける高密度サンプリング・スキャン法にも適用可能である。
【0140】
また、ここではフィルタ関数ZFCを1例示したが、これに限定されず、例えば図29(a)〜(f)に示したように、得たい画像の特性に応じて、さまざまなフィルタ関数を持ち、選択して使い分けても良い。これによって、画像の実効スライス厚をフィルタ形状によって変えられるという効果がある。また、対向ビーム補間法や隣接補間法と比較すると、画像に貢献するデータ量が増加することで、1つのデータの影響が小さくなり、検出器23の特性等の影響が抑制され、画質が向上する。更に、図50において説明したように、ヘリカルスキャンにおけるスライスプロファイルは理想的な矩形ではなく単峰形になってしまうが、図29(f)に示すようなフィルタを用いれば、最終的なスライスプロファイルを矩形あるいは矩形に近い形にすることができる。また、このことを更に発展させれば、最終的なスライスプロファイルを矩形にすることのみならず、任意の形状のスライスプロファイルを得ることができることになる。つまり、目的のスライスプロファイルを設定すれば、それが得られるようなフィルタは逆算で得られる。
この逆算で得られたフィルタを用いてフィルタ処理を行えば、目的のスライスプロファイルが得られることになる。
【0141】
具体的には、まず、図30(a)に示すような仮のフィルタF1(ΔZ)でフィルタ処理したときに得られる図30(b)に示すようなスライスプロファイルSP2(Z)を求めるか、もしくは予想する。目的のスライスプロファイルSP3(Z)を図30(c)に示されたものとした場合、次に、そのスライスプロファイルSP3(Z)に変更するための、図30(d)に示すような関数SP4(Z)を求める。これは、例えば、スライスプロファイルSP3(Z)をスライスプロファイルSP2(Z)で割る、すなわちSP4(Z)=SP3(Z)/SP2(Z)で求められる。但し、プロファイルの両端についての計算で発散が生じてしまわないよう、図30(c)に示すように、目的のスライスプロファイルSP3(Z)を真の矩形から少しなまらせた形状に設定するか、あるいは割り算の結果を少し変更する(例えば、プロファイルに上限を設定する)という操作が必要である。次に、図30(d)に示すスライスプロファイルSP4(Z)を得るための、図30(e)に示すようなフィルタF5(ΔZ)を計算する。そして、最後に、フィルタF5(ΔZ)を最初の仮のフィルタF1(ΔZ)で割ることにより、図30(f)に示すような最終的なフィルタF5’(ΔZ)を得る。なお、最初の仮のフィルタF1(ΔZ)を図30(a)に示すような矩形に設定すれば、最後のフィルタF5(ΔZ)からフィルタF5’(ΔZ)への変換は、単なる正規化の操作となる。
【0142】
上述した任意のスライスプロファイルを求める設計は周波数軸上でも行うことができる。
【0143】
次に、高密度サンプリング・スキャン法を用い、対向データを用いずにフィルタ補間する方法について簡単に説明する。この場合には、図28においてスキャン図から対向データを示す点線とデータd(2),d(5),d(7),d(8),d(10)を除いて考えるだけで良く、基本思想は同様である。また、詳細な説明は省略するが、2列など他の検出器列数のCT、あるいはシングルスライスCTにも適用可能である。
【0144】
次に、高密度サンプリング・スキャン法を用いず、対向データは利用してフィルタ補間する方法について説明する。図31は4列マルチスライスCTにおけるPitch=4の普通のヘリカルスキャンのスキャン図である。点線は中心チャンネルの対向ビームではなく、図22に示す第N1チャンネルの対向ビームを示す。
【0145】
図32(b)に示す対向ビームの様子を2列マルチスライスCTでのPitch=1.5の対向ビームの様子を示した図32(a)と比較すると、元々実データの軌跡がZ軸方向に斜めになっており、第N1チャンネルの対向ビームのサンプリング位置は中心チャンネルの対向ビームのサンプリング位置即ち実データのサンプリング位置からZ軸負方向に大きくずれていることが分かる。図31で分かるように、Z軸方向に比較的均等なサンプリングが得られている。前述のように、第N2チャンネルの対向ビームのサンプリング位置のずれ方は実データの正方向である。
【0146】
図28と同様に、目的とするスライス位置Z=Z0 近傍でサンプリングされたデータd(i)は、図31下図のようにサンプリングされている。以下、これに対し図28および前記説明と同様にしてスライス方向フィルタ関数ZFC(ΔZ)でフィルタ処理を行い、目的とするスライス位置における位相θの第N1チャンネルのデータとする。同様な処理を全チャンネルに対して行い、目的とするスライス位置における位相θの全チャンネルのデータを得る。それを必要な位相360°あるいは180°+ファン角度分繰り返し、ファンビーム逆投影して画像再構成する。
【0147】
4列マルチスライスCTで、Pitch=4 で通常のヘリカルスキャンをし、対向ビームを使わないでフィルタ補間法で目的のスライス位置のデータを得て、画像再構成する場合には、図31のスキャン図で第N1チャンネルの対向ビームの軌跡を示す点線を除き、d(1),d(3),d(5),d(7),…を除いてフィルタ処理する。
【0148】
このように、第7実施形態のX線CT装置では、目的とするスライス位置近傍に想定したある範囲内の同位相同方向の複数のビームのデータをスライス方向にフィルタ処理することで、目的とするスライス位置の該当する位相、該当する方向のビームのデータとしているので、高画質な画像を再構成できる。
【0149】
次に、本発明に係るX線CT装置の第8実施形態((Pitch=2.5)+(新対向ビーム補間法)+(リサンプリング処理によるフィルタ補間法)を用いたもの)を説明する。第8実施形態のX線CT装置の構成については第7実施形態と同じである。以下、第7実施形態と異なる点であるヘリカルスキャンの補間方法について説明する。
【0150】
リサンプリング処理によるフィルタ補間法とは、直接フィルタ処理によるフィルタ補間法が「目的とするスライス位置近傍に想定したある範囲内の同位相同方向の複数のビームのデータをスライス方向にフィルタ処理することで、目的とするスライス位置の該当する位相、該当する方向のビームのデータとする」という処理方法であるのに対し、「目的とするスライス位置近傍に、細かい間隔で等間隔の複数のスライス位置を想定し、各スライス位置におけるデータを新対向ビーム補間法あるいは隣接補間法など任意の方法で補間して複数の補間データ(リサンプリングデータ)を得て、その複数の補間データ(リサンプリングデータ)を重み付け加算あるいはフィルタ処理して、目的とするスライス位置のデータとする」という方法である。概念的には第7実施形態の場合に似ている。
【0151】
まず、第5実施形態の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャンし、第6実施形態記載の新対向ビーム補間法で仮想的データであるリサンプリングデータV−data(i)を得て、仮想データの重み付き加算というフィルタ補間法を使って目的とするスライス位置のデータを得る場合を説明する。
【0152】
図33は4列マルチスライスCTでのPitch=2.5のヘリカルスキャンのスキャン図である。図31と同様に位相θにおける目的とするスライス位置Z=Z0近傍に想定したある範囲のデータd(1),d(2),…を抜き出し、サンプリング位置通りに示したものである。リサンプリング点数NはここではN=10とする。
【0153】
まず、以下に示す式(11)に従い、目的のスライス位置Z0近傍の一定の範囲にN個のリサンプリング点を考え、各リサンプリング点におけるリサンプリングデータV−data(i)を、新対向ビーム補間法を用いて各リサンプリング点を挟む2つのデータd(j)とd(j+1)の線形内挿補間で得る。
【0154】
【数8】
次いで、以下に示す式(12)に従い、リサンプリングデータV−data(i)を、正規化された重みWU(i)で重み付け加算し、目的のスライス位置Z0における位相θのデータdata(θ)を決定する。
【0155】
【数9】
この方法では、リサンプリングデータを求めるための補間計算の回数が多くなる代わりに、目的とするスライス位置とリサンプリングデータのサンプリング位置の相対的位置が固定化されているので、予め重みを正規化することが可能である。また、図32下図あるいは図29(a)〜(f)や図30のような形の重みにしてスライス方向の空間分解能を自由に変えることができる。
【0156】
リサンプリング点におけるリサンプリングデータを得る補間手段は、新対向ビーム補間法に限定されず、隣接補間法あるいは非線形補間法など他の補間法でも良い。また、第6実施形態の場合と同様に、ヘリカルピッチおよび検出器列数には限定されず、シングルスライスCTにも適用可能である。
【0157】
また、リサンプリング処理によるフィルタ補間法と、直接フィルタ処理によるフィルタ補間法数学的に良く知られているように、線形処理においては処理の順序を入れ替えても良い。
A×B×C=(A×B)×C=A×(B×C)
さて、図34左図に示すように、リサンプリング法は原データをリサンプリングしてリサンプリングデータを得て、リサンプリングデータをフィルタ処理する2段階処理法である。すなわち、上式の中間式に相当する。
そこで、図34右図に示すように、位置依存のある2点補間によるリサンプリング処理と、位置依存のない重み付け加算によるフィルタ処理を、原データを基にまとめ、一度で行えるような位置依存のある変動フィルタとして原データに対して処理することも可能である。第7実施形態と第8実施形態との中間に位置する方法である。
【0158】
このように、第8実施形態のX線CT装置では、目的とするスライス位置近傍に、細かい間隔で等間隔の複数のスライス位置を想定し、各スライス位置に置けるデータを新対向ビーム補間法あるいは隣接補間法など任意の方法で補間して複数の補間データ(リサンプリングデータ)を得て、その複数の補間データ(リサンプリングデータ)を重み付け加算あるいはフィルタ処理して、目的とするスライス位置のデータとしているので、高画質な画像を再構成できる。
【0159】
次に、本発明に係るX線CT装置の第9実施形態((Pitch=2.5)+(新対向ビーム補間法)+(高密度の補間データ処理によるフィルタ補間法)を用いたもの)を説明する。
【0160】
第9実施形態のX線CT装置は、仮想的コンベンショナルスキャンの生データを作成し、これを基にフィルタ処理あるいは重み付け加算する方法である。
【0161】
第9実施形態のX線CT装置も図1に示すように、システム制御部11と、架台、寝台制御部13と、寝台移動部15と、X線制御装置17と、高電圧発生装置19と、X線ビーム発生源あるいはX線焦点を有するX線管21と、検出器23と、回転架台25と、データ収集部27と、補間処理部29と、画像再構成部31と、表示部33とを有している。検出器23は、図51(b)に示すように4列マルチスライス検出器である。
【0162】
システム制御部11は、図示しない入力装置を用いて入力されたX線照射量、基本スライス厚T、ヘリカルピッチP、回転速度などの撮影条件の内、スライス厚TとヘリカルピッチPと回転速度など必要な情報を架台、寝台制御信号として架台、寝台制御部13に対して出力する。また、システム制御部11は、X線ビーム発生を制御するX線ビーム発生制御信号をX線制御装置17に対して出力し、X線ビームの検出タイミングを示す検出制御信号をデータ収集部27に対して出力し、データ収集のためのデータ収集制御信号をデータ収集部27に対して出力し、さらに、補間方法を示す補間制御信号を補間処理部29に対して出力する。
架台、寝台制御部13は、システム制御部11により出力された架台、寝台制御信号を基に、回転架台25を回転させると共に、寝台移動信号を寝台移動部15に対して出力する。
X線制御装置17は、システム制御部11により出力されたX線ビーム発生制御信号を基に、高電圧発生装置19による高電圧発生のタイミングを制御する。高電圧発生装置19は、X線ビーム発生源21からX線ビームを曝射させるための高電圧をX線制御部17からの制御信号に従ってX線ビーム発生源21に供給する。
X線ビーム発生源21は、高電圧発生装置19から供給された高電圧によってX線ビームを曝射する。
検出器23は、検出器23は、X線ビーム発生源21から曝射され、被検体を通過したX線ビームを検出する。
回転架台25は、X線ビーム発生源21と検出器23とを保持する。また、回転架台25は、図示しない架台回転機構により、X線ビーム発生源21と検出器23との間の回転軸を中心にして回転される。
【0163】
データ収集部27は、検出器23により検出されたX線制御信号をシステム制御部11により検出されたデータ収集制御信号に対応させて収集する。また、X線強度補正、検出器感度補正など種々の補正を行い、生データを得る。
【0164】
補間処理部29は、図35に示すように新対向ビーム補間法、隣接補間法あるいは他の非線形補間法など様々な補間処理手段を記憶する補間手段記憶部29A、設定された補間方法でヘリカルスキャンの生データを基に細かいピッチの仮想的コンベンショナルスキャンの生データ(仮想的スキャン生データと称する)を補間して作成する補間手段29B、細かい間隔で補間された仮想的スキャン生データを記憶する仮想的スキャン生データ記憶部29C、その仮想的スキャン生データをフィルタ処理するフィルタ処理部29Dで構成されている。
【0165】
画像再構成部31は、フィルタ処理して得られた目的とするスライス位置のデータを基に、設定された画像再構成条件で画像再構成する。
【0166】
表示部33は、画像再構成部31により再構成された画像を図示しないモニタ上に表示する。
【0167】
次に、第9実施形態のX線CT装置の動作を説明する。ここでは第9実施形態のX線CT装置の特徴的な動作部分のみを図36と図37を用いて説明する。
【0168】
補間処理部29の補間手段記憶部29Aは、予め設定された補間方法を読み出して補間手段29Bに渡し、補間手段29Bはデータ収集部27によって図36上図に示すように収集補正されたヘリカルスキャンの生データを基に、図36下図に示すように、予め細かい間隔で設定されたスライス位置の仮想的コンベンショナルスキャンの生データである仮想的スキャン生データを、設定された補間方法で補間して求める(図37、ステップS1)。この仮想的スキャン生データは、仮想的スキャン生データ記憶部29Cに、そのスライス位置と対応付けて記憶される。ここで、システム制御部11は、不要になった生データを消去あるいは上書きし、メモリ容量を節約する。
【0169】
この状態で画像再構成部31は、入力された画像再構成スライス位置に対応する仮想的スキャン生データを補間処理部29に要求する。補間処理部29のフィルタ処理部29Dは仮想的スキャン生データ記憶部29Cから、入力された画像再構成スライス位置に対応する1つあるいは複数の仮想的スキャン生データを読み出し、フィルタ処理して、目的とするスライス位置のデータを得て、画像再構成部31に渡す(ステップS3)。目的とするスライス位置のデータが得られると画像再構成部31は、通常のファンビーム再構成を行って、画像を再構成する(ステップS5)。
【0170】
ここで、第7実施形態は図38に示すように生データを読み出し、複数のサンプリングデータをフィルタ処理して目的とするスライス位置のデータを得(ステップS11)、そして通常のファンビーム再構成を行う方法である(ステップS13)。また、第8実施形態は図39に示すようにヘリカル生データを読み出して目的とするスライス位置近傍の仮想的スライス位置のデータを、新対向ビーム補間法などで補間し、仮想的データ得(ステップS21)、仮想的データをフィルタ処理あるいは重み付け加算処理して目的とするスライス位置のデータ得(ステップS23)、そして通常のファンビーム再構成を行う方法である(ステップS25)。言うなれば両者とも記憶保存しておいたヘリカルスキャンの生データを基に画像再構成する方法である。
【0171】
これに対し、第9実施形態は、ヘリカルスキャンの生データから細かい間隔でコンベンショナルスキャンしたように仮想的コンベンショナルスキャンの生データを予め高密度に作成しておき、これを基に目的に応じて必要ならば重み付け加算あるいはフィルタ処理後に画像再構成する方法である。
【0172】
ここで、仮想的コンベンショナルスキャンの生データを得る補間手段は新対向ビーム補間法、隣接補間法あるいは他の非線形補間法など任意である。また、検出器列数、ヘリカルピッチなども任意である。
【0173】
この第9実施形態をハードウェア的に説明した図が第40図である。ヘリカル生データ201は、新対向ビーム補間等の補間処理202が行われ、一旦仮想的スキャン生データ203として高密度に格納される。その後、その仮想的スキャン生データ203は、バス200を介して他のハードウェアに高速に転送され、そこでフィルタ処理204が行われる。フィルタ処理204されたデータはファンビーム再構成により画像として再構成される。
【0174】
このように、第9実施形態のX線CT装置では、ヘリカルスキャンの生データから細かい間隔でコンベンショナルスキャンしたように仮想的コンベンショナルスキャンの生データを予め高密度に作成しておき、これを基に画像再構成するようにしているので、高画質な画像を再構成できると共に高速処理が可能となる。
【0175】
ここで仮想的ヘリカルスキャン生データ法によるフィルタ補間法について説明する。第9実施形態では、図36に示す実施形態と同じ趣旨だが、仮想的コンベンショナルスキャンの生データの間隔を広げて描画したものの方法を説明したが、変形として図41のようにしても良い。図41は仮想的シングルスライスCTでヘリカルスキャンした仮想的生データを生成する方法である。
再編成時には、この仮想的シングルスライスの生データをフィルタ幅に応じて複数回転分読み込み、複数回転分のデータを用いた重み付け加算の補間処理によって、フィルタ処理と補間処理を同時に行えるような演算を施し、通常の画像再構成を行う。
【0176】
次に、本発明に係るX線CT装置の第10実施形態((Pitch=2.5)+(新対向ビーム補間法)+(ボクセル・フィルタ処理によるフィルタ補間法)を用いたもの)を説明する。尚、第10実施形態のX線CT装置の構成については第9実施形態と同じである。以下、第10実施形態の特徴的な部分を説明する。
【0177】
第10実施形態のX線CT装置は、第7実施形態〜第9実施形態で説明したフィルタ処理あるいは重み付け加算処理を、細かい間隔で画像再構成した後に画像(ボクセル)に対して処理する方法である。図42に第10実施形態の概念図、図43に第10実施形態の特徴的なフローチャートを示す。
【0178】
まず、目的とするスライス位置Z=Z0で隣接補間法あるいは新対向ビーム補間法などを用いて補間し、従来の場合と同様、再構成関数とのコンボリューション演算、逆投影演算をして、第1回目の画像再構成をする。
【0179】
同様に、以下に示す式(13),式(14)に従い、目的とするスライス位置Z=Z0を中心にしてZ軸方向にδZ(i)ずらしたスライス位置Z=Z(i)=Z0+δZ(i)でも同様に画像再構成し、n枚の画像を第1回目の再構成をする(図43、ステップS31)。これにより、図42(a)に示すようなボクセルデータを得ることが可能となる。
【0180】
【数10】
次いで、再構成して得たn枚の仮の再構成画像IMAGE(x,y,z)あるいは仮の再構成ボクセルデータを、以下に示す式(15)あるいは式(16)などに従い、同一の(x,y)座標のものをZ軸方向に1次元の重み付き加算処理あるいは図42(b)に示すようにフィルタ処理などして、目的とするスライス位置Z=Z0の画像データとする(ステップS33,S35)。
【0181】
【数11】
尚、フィルタ形状、検出器列数、ヘリカルピッチなどは上記の例に限らず、適宜変更可能である。
【0182】
このように、第10実施形態のX線CT装置では、フィルタ処理あるいは重み付け加算処理を、細かい間隔で画像再構成した後に画像(ボクセル)に対して行うようにしているので、高画質な画像を再構成できる。
【0183】
尚、第7実施形態〜第10実施形態において、図44(a)に示すような標準的なフィルタ幅でフィルタ処理するハードウェアもしくはソフトウェアを持ち、図44(b)のようにZ軸方向に幅の大きいフィルタでフィルタ処理する場合には、そのフィルタを複数に分割して処理するようにしても良い。この場合、分割後の合成は画像加算のときに行っても良いし、補間データなど途中の段階で行っても良い。また、図44ではフィルタ2つに分割した例を示したが、これに限らず、フィルタを3つ以上に分割しても良い。
【0184】
また、第7乃至第10実施形態におけるフィルタ処理は、シングルスライスCTにも適用可能である。
【0185】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、スライス方向における重み付け補間に用いる投影データの間隔が狭くなり、実効スライス厚の薄い画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るX線CT装置の第1実施形態を示したブロック図である。
【図2】図1に示した第1実施形態のX線CT装置のデータ補間例を説明するための図である。
【図3】シングルスライスCTにおけるデータ補間の例を説明するための図である。
【図4】目的とするスライス位置での補間の重みと、この位置から±ΔZずらしたスライス位置での補間の重みと、これらを加算した補間の重みを示した図である。
【図5】目的とするスライス位置Z=Z0 のデータの前後でn 枚ずつのデータを加算する場合を説明するための図である。
【図6】位相を固定してその位相θで収集したデータと重みフィルタ関数を示した図である。
【図7】検出器列数 Nseg =2,検出器チャンネル数 Nch=1000の検出器を用いた場合の基ビームと対抗ビームを説明するための図である。
【図8】第2実施形態のX線CT装置における新対向ビーム補間法を説明するための図である。
【図9】FOVサイズを示した図である。
【図10】第4実施形態のX線CT装置において、2列の検出器を用い、フィルタ補間法と新対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間する場合を説明するための図である。
【図11】隣接補間法と360°補間法と対向ビーム補間法を説明するための図である。
【図12】第4実施形態のX線CT装置において、4列の検出器を用い、ヘリカルピッチP=2.5Tでフィルタ補間法と対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間する場合を説明するための図である。
【図13】第4実施形態のX線CT装置において、4列の検出器を用い、ヘリカルピッチP=3.0Tでフィルタ補間法と対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間する場合を説明するための図である。
【図14】第4実施形態のX線CT装置において、4列の検出器を用い、ヘリカルピッチP=3.5Tでフィルタ補間法と対向ビーム補間法を組み合わせてデータ補間する場合を説明するための図である。
【図15】ヘリカルピッチP=(N/2−0.5)×Tに従って得た従来の補間法を示す図である。
【図16】4列マルチスライスCTでPitch=2.5としたときのスキャン図である。
【図17】4列マルチスライスCTでPitch=3.5としたときのスキャン図である。
【図18】4列マルチスライスCTでPitch=4.5としたときのスキャン図である。
【図19】4列マルチスライスCTでPitch=4.5とし、かつ、基本スライス厚を図18に示す場合の半分にしたときのスキャン図である。
【図20】2列マルチスライスCTでPitch=2としたときのスキャン図である。
【図21】高密度サンプリング・スキャン法の一例であるPitch=1.5のときのスキャン図である。
【図22】第1チャンネル,第N1チャンネル,中心チャンネル,第N2チャンネル,第1000チャンネルの実データのビームと、第1チャンネル,第N1チャンネル,中心チャンネル,第N2チャンネル,第1000チャンネルの対向ビームを示した図である。
【図23】2列マルチスライスCTでPitch=2のときの第N1チャンネルの実データを実線、第N1チャンネル及び第N2チャンネルの対向ビームを点線でスキャン図上に示した図である。
【図24】2列マルチスライスCTでPitch=1.5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。
【図25】4列マルチスライスCTでPitch=2.5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。
【図26】4列マルチスライスCTでPitch=3.5の高密度サンプリング法でヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。
【図27】4列マルチスライスCTでPitch=4.5の高密度サンプリング・スキャン法でヘリカルスキャンした場合のスキャン図である。
【図28】4列マルチスライスCTでPitch=2.5の高密度サンプリング・スキャンしたときの対向ビームを用いたフィルタ補間法を説明するための図である。
【図29】フィルタ関数ZFCの他の例を示した図である。
【図30】任意の形状のスライスプロファイルを形成するためのフィルタの設計の方法を説明するための図である。
【図31】4列マルチスライスCTでPitch=4での第N1チャンネルの対向ビームを用いたフィルタ補間法を説明するための図である。
【図32】2列マルチスライスCTのPitch=1.5での対向ビームと、2列マルチスライスCTのPitch=4での対向ビームを示した図である。
【図33】リサンプリング処理を説明するための図である。
【図34】リサンプリング処理と、直接フィルタ法でこれと等価な結果を得る処理の概念を説明するための図である。
【図35】補間処理部の構成を示すブロック図である。
【図36】4列マルチスライスCTでPitch=2.5で収集補正されたヘリカルスキャンの生データと、これを基に、得られた仮想的コンベンショナルスキャンの生データを示した図である。
【図37】第9実施形態の特徴的な動作を示すフローチャートである。
【図38】第7実施形態の特徴的な動作を示すフローチャートである。
【図39】第8実施形態の特徴的な動作を示すフローチャートである。
【図40】第9実施形態の特徴的な動作をハードウェア的に示した図である。
【図41】仮想的シングルスライスCTでヘリカルスキャンした仮想的生データを生成する方法を説明するための図である。
【図42】ボクセル・フィルタ処理によるフィルタ補間法を用いる第10実施形態の概念図である。
【図43】第10実施形態の特徴的な動作を示すフローチャートである。
【図44】フィルタ処理する際に、フィルタを複数に分割して処理するようにした場合を説明するための図である。
【図45】シングルスライスCTを示した図である。
【図46】コンベンショナルスキャンとヘリカルスキャンを説明するための図である。
【図47】X線CT装置の画像再構成を説明するための図である。
【図48】コンベンショナルスキャンとヘリカルスキャンのスキャン図である。
【図49】360°補間法(a)と、対向ビーム補間法(b)と、対向ビーム(c)と、対向ビームのサンプリング位置を説明するための図である。
【図50】スライスプロファイルを示した図である。
【図51】2列マルチスライスCTと、4列マルチスライスCTと、8列マルチスライスCTを示す図である。
【図52】2列マルチスライスCT、4列マルチスライスCT、8列マルチスライスCTをZ軸方向から見た図と、4列マルチスライスCTをZ軸に垂直な方向からZ軸を含めて観察した図である。
【図53】4列マルチスライスCTで隣接補間法を行った場合を示すスキャン図である。
【図54】4列マルチスライスCTでPitch=4でのヘリカルスキャンにおける対向ビームをスキャン図上に表した図である。
【符号の説明】
10 X線CT装置
11 システム制御部
13 架台、寝台制御部
15 寝台移動部
15a 寝台
17 X線制御装置
19 高電圧発生装置
21 X線ビーム発生源
23 検出器
25 回転架台
27 データ収集部
29 補間処理部
29A 補間手段記憶部
29B 補間手段
29C 仮想的スキャン生データ記憶部
29D フィルタ処理部
31 画像再構成部
33 表示部
201 ヘリカル生データ
202 補間処理
203 仮想的スキャンデータ
204 フィルタ処理
205 ファンビーム再構成
Claims (2)
- X線ビームを被検体に向けて曝射するX線ビーム発生源と、
このX線ビームを検出して実データを得る少なくとも2つの検出器列を有する検出手段と、
前記被検体が載置される寝台をこの被検体の体軸方向に移動させる寝台移動手段と、を有するX線CT装置において、
前記X線ビーム発生源を回転させながらX線ビームを発生させると共に、前記寝台移動手段により寝台を移動させて、被検体をらせん状にスキャンし、前記検出手段により得られた実データ群と実データ群に対向する対向データ群の中から、目的とするスライス位置を挟む2つのデータを選択し、この選択した2つのデータを使ってスライス位置のデータを得るための重み付けを行うものであって、前記2つのデータの選択をチャンネルごとに独立に行うことを特徴とするX線CT装置。 - 前記被検体をらせん状にスキャンするときに、前記実データ群と前記対向データ群の軌跡とが非同一になるようにスキャンすることを請求項1記載のX線CT装置。
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-
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