JP3454620B2

JP3454620B2 - 歯科治療における汚水処理装置

Info

Publication number: JP3454620B2
Application number: JP26549395A
Authority: JP
Inventors: 隆秀山口
Original assignee: 株式会社長田中央研究所
Priority date: 1995-10-13
Filing date: 1995-10-13
Publication date: 2003-10-06
Anticipated expiration: 2015-10-13
Also published as: JPH09103439A

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、歯科治療における
汚水処理装置、より詳細には、歯科治療ユニットにおけ
るうがい水排水管路、バキューム管路に設けられるフィ
ルタの取り付け構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は、本発明が適用される歯科治療ユ
ニットの一例を示す全体構成図で、図中、１０は歯科治
療ユニットで、該ユニット１０は、治療椅子１，ワーク
テーブル２，スピットン３，無影灯４，インスツルメン
トホルダー５，フットスイッチ６，アシスタント用イン
スツルメントホルダー７等から成り、インスツルメント
ホルダー５には、歯科治療において使用する種々のイン
スツルメント８が収納されており、周知のように、歯科
治療に当り、患者は椅子１に座り、頭を安頭台９に固定
して治療を受ける。治療中、術者は治療椅子１を上下
動，倒起動，傾斜動等させて、患者を治療しやすい姿勢
にして治療を行なう。

【０００３】アシスタント用ホルダー７には、バキュー
ム管，排唾管１１等が準備されており、治療時、患者の
口腔内に生じる汚物或いは汚液，唾液等を吸引・排出す
るようにしている。このアシスタント用ホルダー７は、
例えば、図に示すように、アーム１２を通して固定部
材、例えば、給排水ボックス１３に固定されている。

【０００４】図５は、従来の歯科治療ユニットにおける
給排水系統の一例を説明するための要部概略構成図で、
図中、３はスピットン、１１は排唾管及びバキューム
管、１４はうがい水供給管、１５は鉢洗い水供給管、１
６はスピットン排水管、１７はバキューム管及び排唾管
用のバキュームホース、１８は電磁弁、１９は電磁弁、
手動弁等のバルブ、２０はベンチュリー式サイフォン
で、周知のように、排唾管は歯科治療中、患者の口腔内
に入れられ、口腔内の唾液、歯科治療によって生じた血
液、その他の汚水を吸引排出するもの、バキューム管は
口腔内の汚物（例えば、脱脂綿，歯牙の破片等）を吸引
排出して口腔内を清掃するものであり、これらはバキュ
ームホース１７を通してバキュームポンプに連通されて
いる。また、歯科治療中、又は治療後に、患者はうがい
水供給管１４から噴出される水（噴水式）、或いは、う
がい水供給管１４からの水をコップに受けて（コップ
式）、口腔内をうがいし、うがいした水をスピットン３
内に吐き捨てる。上述のごとき、うがい等によって汚れ
たスピットン３は、スピットン（鉢）洗い水供給管１５
から供給される水で洗われ、うがい水と共に吐き出され
た血液、その他の汚物とともに排水管１６を通して排出
される。

【０００５】バキュームホース１７は、例えば、ベンチ
ュリー式サイフォン管２０を通して排水管１６に連結さ
れており、この排水管１６は気液分離器２１を介してバ
キュームポンプ２２に連結されている。従って、歯科ユ
ニットから排出される全ての汚水が単一の排水管１６を
通して強制的に排水され、排水系が単一化、単純化さ
れ、更には、排水が確実に行われる。また、同一フロア
内に複数台の歯科治療ユニットが設置されている場合で
も、図中に、１６′，１６″にて示すように排水管１６
と同様の作用をする他の歯科ユニットからの排水管１
６′，１６″をも単一の配水管に連結することができ
る。

【０００６】上述のようにして、排水管１６内の汚水は
バキュームポンプ２２により吸引されて、気液分離装置
２１に導かれ、ここで、気体と液体に分離される。分離
された汚染気体は、殺菌灯等によって滅菌され、フィル
ター２３等によって脱臭、除塵されて排出される。ま
た、分離された汚染液体は、排水口Ａより排出され、例
えば、汚水処理装置に導かれ、該汚水処理装置にて清浄
にされた後、外部へ排出される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
歯科治療装置は、スピットン３からの汚水は排水管１６
を通して排出され、排唾管、バキューム管１１等からの
汚液は、バキュームホース１７を通して排出されるが、
特に、スピットン及びバキューム管からの汚液中には比
較的大きな汚物が混入されていることがあり、これらが
排水管路を詰まらせ、これがトラブルの一因ともなって
いた。

【０００８】本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなさ
れたもので、特に、スピットンやバキューム管の排水管
経路にフィルタを設け、該フィルタによって大きな塵が
排水管路に流れ込むのを防止するようにするとともに、
前記フィルタの交換等のメンテナンスを容易に行い得る
ようにすることを目的としてなされたものである。

【０００９】

【課題を解決するための手段】請求項１の発明は、スピ
ットンへうがい水を供給し、該スピットンからの汚水を
排出する給排水ボックスの側壁の一部が開閉自在の扉に
構成され、該扉の内側壁に着脱自在に装着され、前記ス
ピットンからの汚水を通すスピットン用フィルタが具備
されていることを特徴としたものである。

【００１０】請求項２の発明は、請求項１の発明におい
て、前記扉は、前記給排水ボックスの側面に面一に形成
され、かつ、一端を中心に回動して他端側が開閉され、
開時、該他端側を押すことによって、該他端側が給排水
ボックスの側面より突出するようにしたことを特徴とし
たものである。

【００１１】請求項３の発明は、請求項１又は２の発明
において、前記扉の内側には、下部が連通している２重
筒を有し、該２重筒の内筒に前記スピットン用フィルタ
が挿脱可能に装着され、かつ、前記２重筒の外筒の前記
下部連通部より上方に排水口を有し、前記２重筒にて防
臭トラップを構成するようにしたことを特徴としたもの
である。

【００１２】請求項４の発明は、請求項１又は２又３の
発明において、前記扉の内側に前記スピットン用フィル
タに並設してバキューム管からの汚水を通すバキューム
用フィルタを有することを特徴としたものである。

【００１３】請求項５の発明は、請求項４の発明におい
て、前記スピットン用フィルタ及びバキューム用フィル
タの上端部が単一の上板に着脱自在に装着され、前記上
板が前記扉の内側上部に着脱自在に装着するようにした
ことを特徴としたものである。

【００１４】請求項６の発明は、請求項５の発明におい
て、前記扉は下端部を中心に回動して上端部が開閉さ
れ、該扉の内側上部に前記上板が落とし込み式に着脱自
在に装着されるようにしたことを特徴としたものであ
る。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の概要を説明する
ための要部概略図で、図中、１３は、図４に示した給排
水ボックス１３に相当する給排水ボックスで、該給排水
ボックス１３の側面、好ましくは、図４において、椅子
１と反対側の接近しやすい位置に、開閉扉３０が設けら
れている。この開閉扉３０は、好ましくは、下部に設け
られた水平軸を中心に回動して、図１（Ａ）に示すよう
に、上部が開閉され該上部より後述するフィルタが挿脱
自在に装着できるようになっている。また、この開閉扉
３０は、例えば、周知の２段式スイッチ機構及び永久磁
石により、閉時、図１（Ｂ）に示すように、該開閉扉３
０の表面が給排水ボックス１３の外表面と面一となるよ
うに取り付けられ、開時、該開閉扉３０の上部を押すこ
とにより該扉が少し開き、それによって、該扉３０を開
けるようにするとともに、閉時、永久磁石の吸引力によ
って該扉が簡単に開かないようになっている。

【００１６】図２は、図１に示した開閉扉３０の詳細を
説明するための側面図で、図中、３０Ａは、開状態、３
０Ｂは、閉状態を示すが、この開閉は、扉３０の下部に
設けられた軸３１を中心にして該扉３０を回動すること
によって行われ、閉時は、３０Ｂにて示すように、扉３
０の表面が給排水ボックス１３の表面と面一となるよう
に形成されている。また、給排水ボックス１３内の上方
には、弾性ローラ３２が設けられており、閉時、この弾
性ローラ３２に扉３０の上部傾斜面３３が当接し、扉３
０がガタつかないようになっている。なお、閉状態にお
いては、扉３０の表面と給排水ボックス１３の表面が面
一となっているので、このままでは、取っ掛りがなく、
扉３０を開けることができないので、周知の２段スイッ
チ機構により（図示せず）、閉時、扉３０を矢印Ａ方向
に押すと、扉３０の上部が少し開き、この開いた箇所に
指を差し込んで扉３０を開くことができる。また、３４
はフィルタへの給水口、３５はフィルタからの排水口
で、これら給排水口３４，３５は、扉３０が閉じられた
時に、給排水ボックス１３内の給排水口（図示せず）と
連結され、スピットン或いはバキューム管からの排水が
供給口３４より、扉３０の内壁面側に着脱自在に装着さ
れているフィルタに供給され、該フィルタを通した排水
が、排水口３５を通して排水される。

【００１７】図３は、前記扉３０の内面側を示す正面図
（図３（Ａ））、及び、側面図（図３（Ｂ））で、３６
は、バキューム管からの排水がフィルタに供給される排
水供給口、３７はフィルタを通した排水が排水される排
出口で、給排水口３４と３５の間には、スピットンから
排出された排水が通過するスピットン用フィルタ４０が
着脱自在に設けられ、３６と３７との間には、バキュー
ム管からの排水が通過するバキューム用フィルタが着脱
自在に設けられている。

【００１８】フィルタの取り付け構造は、スピットン用
とバキューム用とで必ずしも同じにする必要はないが、
ここでは、バキューム管用もスピットン用と同じものと
して、以下、図３（Ｂ）を用いて，スピットン用のフィ
ルタ４０の取り付け構造について説明する。図３（Ｂ）
において、４１は内筒、４２は外筒で、内筒４１は下端
が開放されて該下端部で外筒４２と連通しており、該内
筒４１内に前記スピットン用フィルタ４０が挿脱自在に
装着されている。従って、給水口３４（３６）からの排
水は、矢印Ｆにて示すように、スピットン用フィルタ４
０（バキューム用フィルタ）を通過した後、内筒４１と
外筒４２の間の隙間を通って上昇し、排出口３５（３
７）より排出され、内筒及び外筒の排出口３５（３７）
より下方の部分には常に水が残っており、周知のＵ字型
トラップと同様、排出口３５（３７）から臭気等が逆流
することのないようになっている。

【００１９】スピットン用フィルタ４０（バキューム用
フィルタ）は、好ましくは、布等の柔軟性のあるもので
構成され、使用時、枠体４５に被着して使用し、使用
後、該枠体４５から取り外して、使い捨て式に使用す
る。このようにすると、フィルタの交換時の作業が非常
に楽になり、交換時、手を汚すようなこともなく、未使
用フィルタの保管にも、スペースをあまり必要としな
い。４６は前記枠体４５を上板４７に着脱自在に取り付
けるためのフックで、上板４７は、該上板４７に設けら
れた孔４７ａ，４７ｂ（図１参照）に指を差し込んで持
ち上げることによって、扉３０から取り出せるようにな
っている。

【００２０】この上板４７には、前述のようにして、ス
ピットン用のフィルタ及びバキューム用のフィルタが取
り付けられており、従って、この上板４７を取り出す
と、２つのフィルタが同時に取り出され、従って、一度
に、両方のフィルタを交換することができる。なお、当
然のことながら、排出口３５，３７の管路には、それぞ
れ電磁弁（図示せず）が設けられており、非使用時は、
これら電磁弁が閉じられ、その間、吸気（排水）動作は
行われない。

【００２１】

【発明の効果】請求項１の発明によると、スピットンへ
うがい水を供給し、該スピットンからの汚水を排出する
給排水ボックスの側壁の一部が開閉自在の扉に構成さ
れ、該扉の内側壁に前記スピットンからの汚水を通すス
ピットン用フィルタを着脱自在に設けたので、スピット
ンからの排水中に含まれている汚物が排水管路に流れ込
むのを防止することができ、従って、排水管路が詰まる
ようなトラブルはなくなる。また、フィルタを給排水ボ
ックスの側面にて取り替えられるようにしたので、フィ
ルタ交換時の作業が楽である。

【００２２】請求項２の発明によると、前記扉が、前記
給排水ボックスの側面に面一に形成され、かつ、一端を
中心に回動して他端側が開閉され、開時、該他端側を押
すことによって、該他端側が給排水ボックスの側面より
突出するようにしたので、外観上、歯科ユニットのデザ
インにほとんど変更を加える必要がなく、また、フィル
タ交換時のフィルタの取り出し作業が非常に楽である。

【００２３】請求項３の発明によると、前記扉の内側に
は、下部が連通している２重筒を有し、該２重筒の内筒
に前記スピットン用フィルタが挿脱可能に装着され、か
つ、前記２重筒の外筒の前記下部連通部より上方に排水
口を有し、前記２重筒にて防臭トラップを構成したの
で、防臭用トラップを前記スピットン用フィルタと一体
的に簡単に構成することができる。

【００２４】請求項４の発明によると、前記扉の内側に
前記スピットン用フィルタに並設してバキューム管から
の汚水を通すバキューム用フィルタを設けたので、バキ
ューム用のフィルタも同時に管理することができる。

【００２５】請求項５の発明によると、前記スピットン
用フィルタ及びバキューム用フィルタの上端部が単一の
上板に着脱自在に装着され、前記上板を前記扉の内側上
部に着脱自在に装着するようにしたので、スピットン用
フィルタとバキューム用フィルタと同時に取り出して、
同時に、交換できるので、フィルタの交換作業が非常に
楽になる。

【００２６】請求項６の発明によると、前記扉は下端部
を中心に回動して上端部が開閉され、該扉の内側上部に
前記上板が落とし込み式に着脱自在に装着するようにし
たので、フィルタの装脱が非常に楽である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による汚水処理装置の概略を説明する
ための要部概略構成図である。

【図２】本発明による汚水処理装置の概略を説明する
ための要部側面図である。

【図３】本発明による汚水処理装置の概略を説明する
ための要部平面図及び側面図である。

【図４】本発明が適用される歯科ユニットの一例を説
明するための全体構成図である。

【図５】図４に示した歯科ユニットの排水管路の一部
を説明するための図である。

【符号の説明】

３…スピットン、１３…給排水ボックス、３０…開閉
扉、４０…スピットン用フィルタ、４５…フィルタ取り
付け枠、４７…フィルタ装脱用上板。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】スピットンへうがい水を供給し、該スピ
ットンからの汚水を排出する給排水ボックスの側壁の一
部が開閉自在の扉に構成され、該扉の内側壁に着脱自在
に装着され、前記スピットンからの汚水を通すスピット
ン用フィルタが具備されていることを特徴とする歯科治
療における汚水処理装置。
【請求項２】前記扉は、前記給排水ボックスの側面に
面一に形成され、かつ、一端を中心に回動して他端側が
開閉され、開時、該他端側を押すことによって、該他端
側が給排水ボックスの側面より突出することを特徴とす
る請求項１に記載の歯科治療における汚水処理装置。
【請求項３】前記扉の内側には、下部が連通している
２重筒を有し、該２重筒の内筒に前記スピットン用フィ
ルタが挿脱可能に装着され、かつ、前記２重筒の外筒の
前記下部連通部より上方に排水口を有し、前記２重筒に
て防臭トラップを構成していることを特徴とする請求項
１又は２に記載の歯科治療における汚水処理装置。
【請求項４】前記扉の内側に前記スピットン用フィル
タに並設してバキューム管からの汚水を通すバキューム
用フィルタを有することを特徴とする請求項１乃至３の
いずれかに記載の歯科治療における汚水処理装置。
【請求項５】前記スピットン用フィルタ及びバキュー
ム用フィルタの上端部が単一の上板に着脱自在に装着さ
れ、前記上板が前記扉の内側上部に着脱自在に装着され
ていることを特徴とする請求項４に記載の歯科治療にお
ける汚水処理装置。
【請求項６】前記扉は下端部を中心に回動して上端部
が開閉され、該扉の内側上部に前記上板が落とし込み式
に着脱自在に装着されていることを特徴とする請求項５
に記載の歯科治療における汚水処理装置。