JP3672550B2 - 歯科用スピットンのゴミ除け装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯科用スピットンの排水口に着脱自在に配設され、該歯科用スピットン内に廃棄されるゴミ（例えば、歯科治療中の患者が口腔内をうがいした時に該うがい水と同時に排出される汚物等）をトラップするためのゴミ除け装置、より詳細には、該ゴミ除け装置に固型洗浄剤を収容する固型洗浄剤収容室を設け、歯科用スピットンより排出される水を該固型洗浄剤収容室を通して排水することにより、下流側の排水管内面を洗浄し、該排水管に細菌等が付着しにくくするようにしたものである。
【０００２】
【従来の技術】
図３は、本発明が適用されるスピットンを備えた歯科治療ユニットの一例を説明するための概略構成図で、図中、１０は歯科治療ユニットで、該ユニット１０は、治療椅子１，ワークテーブル２，スピットン３，給排ボックス４，インスツルメントホルダ５，フットスイッチ６，アシスタントインスツルメントホルダ７等から成り、インスツルメントホルダ５には、歯科治療において使用する種々のインスツルメント８が収納されており、周知のように、歯科治療に当り、患者は治療椅子１に座り、頭を安頭台９に固定して治療を受ける。治療中、術者は治療椅子１を上下動，倒起動，傾斜動等させて、患者を治療しやすい姿勢にして治療を行う。
【０００３】
図４は、従来の歯科治療ユニットにおける給排水系統の一例を説明するための要部概略構成図で、図中、３はスピットン、１１は鉢洗い水供給管、１２は電磁弁、１３はうがい水供給管、１４は電磁弁、１５はスピットン排水管で、周知のように、歯科治療中、又は治療後に、患者はうがい水供給管１３から噴出される水（噴水式）、或いは、うがい水供給管１３からの水をコップに受けて（コップ式）、口腔内をうがいし、うがいした水をスピットン３内に吐き捨てる。上述のごとき、吐き捨てられたうがい水等によって汚れたスピットン３は、スピットン（鉢）洗い水供給管１１から供給される水で洗われ、うがい水と共に吐き出された血液、唾液等の汚液は排水管１５を通して排出される。
【０００４】
一方、うがい水と共に吐き出された汚物、例えば、歯牙の破片、歯牙修復のための充填材の破片等は、ゴミ除け装置、例えば、フィルタ１６によりトラップされ、トラップされたゴミはアシスタント等により、時々、取り除かれる。
【０００５】
図５は、上述のごときゴミ除け装置の一例を示す要部構成図で、図中、３はスピットン（鉢），１６はゴミ除け装置の容器本体（フィルタ），１７は蓋部材で、該ゴミ除け容器本体１６は底部及び／又は側壁に液体を通し、ゴミ等をトラップする小さな孔を多数有し、中央には、蓋部材１７を着脱自在に支持する支持柱１６ａが設けられており、この支持柱１６ａの上に蓋部材１７が着脱自在に配設されており、ゴミ除け容器本体１６に溜ったゴミ等が外部から見えないようにしている。
【０００６】
一方、排水管１５に細菌等が付着しにくくするために、排水管１５の洗浄を行っているが、この排水管１５の洗浄は、現在、スピットン（鉢）３に水を溜め、そこにボールクリーナを入れ、その一部をアシスタント用インスツルメントホルダー７に装備されているバキューム管７ａや排唾管７ｂに吸わせ、残りを排水管１５に排水して除菌し、翌朝、スピットンに水を留め、バキューム管７ａや排唾管７ｂに水を吸わせて水洗いするとともに、スピットン１に水を流して水洗いし、その水を排水管１５に流して、該排水管１５を洗浄し、該排水管１５に細菌等が付着しにくくしている。この作業を、毎日行う等している。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、歯科治療においては、排水管のクリーニングを毎日行わなければならず、その作業が大変であり、しかも、１日に１回（必ずしも、１回に限定されるものではないが）の洗浄であるので、排水中における洗浄剤の濃度が高く、環境にあまりよくなかった。
【０００８】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたもので、特に、歯科治療において、患者が口腔内をうがいしたうがい水を排出するスピットンの排水口に設けたゴミ除けに、下流側の排水管内面を浄化するための固型洗浄剤を配設して該排水管内面を常時洗浄可能とし、該洗浄剤の頻繁にわたる補給を不要とし、洗浄剤補給に伴う作業を軽減し、しかも、排水管の洗浄を効果的に行うことができるようにすることを目的としてなされたものである。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
本発明は、歯科用スピットンの排水口に配設されて該スピットン内に廃棄されるゴミをトラップするゴミ除け装置であって、該ゴミ除け装置は、底部周辺部に排水孔を有する固型洗浄剤収容室部を有し、該固型洗浄剤収容室の上部に底部に水を通過させかつゴミをトラップするための多数の細孔を有する皿部材を着脱自在に配設可能に有し、かつ、前記皿部材は該皿部材の中心から上方に延長する支柱を有し、該支柱の上端に蓋部材が枢着支持されることを特徴としたものである。
【００１４】
【発明の実施の形態】
図１は、ゴミ除け装置の一例を説明するための図で、図１（Ａ）はゴミ除け装置の斜視図、（Ｂ）は、図１（Ａ）に示したゴミ除け装置の分解図で、ゴミ除け容器本体１６の下部には、固形クリーナを入れるためのケース２０がカートリッジ式に着脱自在に挿脱されるカートリッジ装着部１８が設けられている。ケース２０の周辺部には、ゴミ除け容器本体１６から流れてきた水を流出するための小さな孔が多数設けられており、ゴミ除け容器本体１６から流れてきた水は、該ケース２０内に流れ込み、次いで、該ケース２０から排水管１５に排出される。
【００１５】
ケース２０内には、固形クリーナが入れられており、該ケース２０内に流れ落ちてきた水は、該固形クリーナを溶かし、溶けたクリーナが排水と一緒に下流に流れ、下流側の排水管１５内を洗浄し、該排水管１５を除菌し、また、該排水管１５に付着している付着物を剥離して洗い流す。しかし、このゴミ除け装置は、ゴミ除け容器本体１６を取り出してゴミ除け容器本体１６内に溜ったゴミを取り除き、更には、固形クリーナ収納時、ゴミ除け容器本体１６を取り出されなければならず、その作業が面倒であった。
【００１６】
図２は、本発明の実施例を説明するための図で、図２（Ａ）は斜視図、図２（Ｂ）は断面図で、この実施例は、ゴミ除け容器本体１６の内にゴミ除け皿２１を装着自在に設け、該ゴミ除け皿２１とゴミ除け容器本体１６との間の空隙２２に固形洗浄剤を置くようにしたもので、ゴミ除け皿２１に溜ったゴミは、該ゴミ除け皿２１の中央部から上方に延長する蓋部材支持柱２１ａを持って、該ゴミ除け皿２１を取り出して廃棄するようにするとともに、該ゴミ除け皿２１の下部の空隙２２に固形洗浄剤が置かれており、該固形洗浄剤がなくなる毎に、例えば、１週間に１回位、該ゴミ除け皿２１を取り出して、固形洗浄剤を補給する。なお、蓋部材支持柱２１ａの上端には、蓋部材が枢着支持される。
【００１７】
【発明の効果】
ゴミ除け皿２１内に溜ったゴミは、従来と同様、アシスタントが時々取り除くが固形クリーナは、例えば、週単位くらいで補給すればよく、従来のように、毎日クリーニングする必要はなく、日常の業務が非常に楽になる。しかも、常時洗浄ということで、洗浄液の濃度を低くすることができ、環境にやさしい等の利点もある。特に、ゴミ除け皿のみを取り出すことによって該ゴミ除け皿に溜ったゴミを取り除き、更には、ゴミ除け皿のみを取り外すことによって固形クリーナを補給することができるので、その作業が非常に楽になった。
【図面の簡単な説明】
【図１】 ゴミ除け装置の一例を説明するための図である。
【図２】 本発明によるゴミ除け装置の一実施例を説明するための図である。
【図３】 本発明が適用されるスピットンを備えた歯科治療ユニットの一例を説明するための概略構成図である。
【図４】 従来の歯科治療ユニットにおける給排水系統の一例を説明するための要部概略構成図である。
【図５】 上述のごときゴミ除け装置の一例を示す要部構成図である。
【符号の説明】
１…治療椅子、２…ワークテーブル、３…スピットン、４……給排ボックス、５…インスツルメントホルダ、６…フットスイッチ、７…アシスタントインスツルメントホルダ、７ａ…バキューム管、７ｂ…排唾管、８…インスツルメント、９…安頭台、１０…歯科治療ユニット、１１…鉢洗い水供給管、１２，１４…電磁弁、１３…うがい水供給管、１５…スピットン排水管、１６…ゴミ除け装置の容器本体（フィルタ）、１６ａ…支持柱、１７…蓋部材、１８…カートリッジ装着部、２０…ケース、２１…ゴミ除け皿、２１ａ…蓋部材支持柱、２２…空隙。

Claims (1)

1. 歯科用スピットンの排水口に配設されて該スピットン内に廃棄されるゴミをトラップするゴミ除け装置であって、該ゴミ除け装置は、底部周辺部に排水孔を有する固型洗浄剤収容室部を有し、該固型洗浄剤収容室の上部に底部に水を通過させかつゴミをトラップするための多数の細孔を有する皿部材を着脱自在に配設可能に有し、かつ、前記皿部材は該皿部材の中心から上方に延長する支柱を有し、該支柱の上端に蓋部材が枢着支持されることを特徴とする歯科用スピットンのゴミ除け装置。

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