JP3453061B2 - 植物を枯死させない作動油 - Google Patents

植物を枯死させない作動油

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JP3453061B2 JP14094798A JP14094798A JP3453061B2 JP 3453061 B2 JP3453061 B2 JP 3453061B2 JP 14094798 A JP14094798 A JP 14094798A JP 14094798 A JP14094798 A JP 14094798A JP 3453061 B2 JP3453061 B2 JP 3453061B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は生物分解性が良好
で、かかっても植物を枯死させない自然環境重視の油圧
作動油に関する。
【0002】
【従来の技術】圧力伝達手段として広く使用されている
作動油は、ブレーキ、油圧プレス、油圧ショベル等の建
設機械、農業機械や芝刈り機等の汎用機械、ダンプカー
等の自動車関係、等の多くの機械に不可欠なものであ
る。その用途上、作動油には使用時高い圧力がかけられ
るため、作動油は機械の狭い間隙からわずかずつながら
漏洩して周辺を汚すことがある。油圧プレス等のように
工場などの屋内に設置された機械の場合は、ある程度の
漏洩油は比較的容易に管理でき、また建設現場や土石運
搬場で使用される建設機械やダンプカーの場合は漏れた
油はそれほど問題とされない。
【0003】しかし、農業機械や芝刈り機、建設機械の
ように自然環境で使用する機械の場合は、漏洩した作動
油を無視することができない。作動油が芝生や草花、雑
草等の植物にかかると、油がかかった植物は枯死し、自
然を破壊し、緑の美しい美観を損なう弊害を引き起こ
す。最近は殊にアミューズメントパークや河川敷での草
刈り機による作動油漏洩事故による芝生の枯死変色が問
題となっている。作動油が非生物分解性である場合は勿
論のこと、植物油、合成油を主成分とした生物分解性で
あっても、植物にかかった場合はその植物はほとんどの
場合枯死を免れない。
【0004】この問題に対して、作動油そのものを改良
する次のようないくつかの試みがなされてきている。特
開平9−279176号公報は、(a)分子中にエステ
ル結合を有する有機化合物、(b)低粘度ポリ-α-オレ
フィン、(c)流動パラフィン、(d)高度精製炭化水
素油および(e)植物油の少なくとも1種を基油とする
水可溶性油組成物に特定の種類の界面活性剤を用いて水
分散させた、生分解性および廃液処理性に優れたW/O
型水可溶化油組成物を開示している。しかしこの発明は
水系の油組成物に関するものであり、また植物の枯死を
防ぐことについては記載されていない。
【0005】特開平7−316580号公報は、合成エ
ステル油および/または天然油脂を基油とし生分解性に
優れた界面活性剤が配合された水道用ねじ切り油剤を開
示している。この発明は本発明が関係する作動油に関す
るものではない。また植物枯死については何ら記載がな
い。特開平6−57279号公報は、(A)窒素を含有
しない界面活性剤、(B)炭酸アルカリ土類金属塩、炭
酸亜鉛(II)および水酸化アルカリ土類金属塩から選ば
れる1種または2種以上、および鉱物油を含有し、その
廃液が地球環境に悪影響を与えない水可溶性潤滑油組成
物を開示している。この発明は河川や海の富栄養化の防
止、焼却時のNOxの発生の防止を狙いとしており、植
物枯死は考慮されていない。
【0006】特許公報第2694106号公報および特
許公報第2694107号公報は鉱物油と特定の界面活
性剤(炭素数4〜6の直鎖状飽和ジカルボン酸のジイソ
プロピルエステル)とからなる切削オイルを開示してい
る。この発明は有害な洗浄剤を使用する必要がなく水を
用いるだけで容易に被洗浄物から除去でき、環境や人体
への影響が少ない切削オイルに関するものであるが、植
物枯死は考慮されていない。また作動油でなく切削オイ
ルに関する。特開平8−311466号公報は、トリグ
リセリド構成脂肪酸中の孤立トランス異性体含量が40
重量%以上であり、ヨウ素価が50〜90の生分解性の
良好な動植物性潤滑油を開示している。これは潤滑油と
して必要な低融点性と高い粘度を持つようにしたもので
あって、作動油を対象にしたものではなく、植物の枯死
に対する考慮は記載されていない。このように植物にか
かった場合の植物の枯死を防止することを考慮した作動
油は知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、植物
にかかった場合や草地に多量こぼれた場合でも植物を枯
死させず、且つ自然環境に影響を及ぼさない生物分解性
の良好な油圧作動油を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、生物分解性良
好な脂肪族ポリオールエステルを基油として、これに界
面活性剤を配合してなる非水系油圧作動油に関する。本
発明の油圧作動油は、生物分解性作動油を基油とし、こ
れに界面活性剤を配合することにより、もし漏洩して植
物にかかった場合でも水をかけることにより植物の葉か
ら洗い落とすことが容易となり、気孔をふさぐことな
く、光合成に支障をきたさず、枯死を防ぐことができ、
しかも生分解性を有する特徴がある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の油圧作動油は、生物分解
性良好な脂肪族ポリオールエステルを基油として含み、
これに界面活性剤を配合した非水系の油圧作動油であ
り、配合される界面活性剤の量は、基油100重量部に
対して、0.5〜50重量部、好ましくは1.0〜30.
0重量部、より好ましくは5.0〜10.0重量部であ
る。界面活性剤の量が0.5重量部より少ないと、植物
にかかった作動油は水をかけても洗浄されにくく、植物
を枯死から十分に防ぐことができない。また、界面活性
剤の量が50重量部より多くなると作動油の機能に支障
をきたすことになって好ましくない。本明細書におい
て、生物分解性の程度を表す生分解率とは、CEC(欧
州規格諮問委員会)規格L-33-T-82に規定されて
いる方法に基づいて測定した値である。
【0010】本発明で使用できる生物分解性の脂肪族ポ
リオールエステルには、代表的なものとして合成エステ
ルおよび天然油脂が含まれる。合成エステルと天然油脂
とは両者を併用して使用することもできる。本発明で使
用可能な合成エステルとしては、例えば、メチルオレエ
ート(生分解率約95%)、ブチルステアレート(同約
95%)、オクチルパルミテート(同約95%)などの
脂肪酸モノエステル類;ジオクチルアジペート(同80
〜90%)、ジオクチルセバケート(同80〜90
%)、ジイソオクチルアゼレート(同97%)、ジトリ
デシルアジペート(同84%)、ジイソデシルアジペー
ト(同90%)、ジオクチルパルミテート(同80〜9
0%)、ジオクチル牛脂脂肪酸エステル(80〜90
%)などの脂肪酸のジエステル類;トリメチロールプロ
パントリヘプタネート(同100%)、トリメチロール
プロパントリオレエート(同95%)、トリメチロール
プロパントリカプレート(同90%以上)、ペンタエリ
スリトールテトラヘプタノエート(同99%)、トリメ
チロールプロパンヤシ脂肪酸エステル(同90%以
上)、トリメチロールプロパン米ぬか脂肪酸エステル
(90%以上)などの脂肪酸のポリオールエステル類な
どの1種または2種以上の組み合わせが挙げられる。な
お、脂肪酸中に芳香族環を有するジトリデシルフタレー
トは生分解率が18%と低いため、本発明には不適当で
ある。これらの合成エステル類のうち、トリメチロール
プロパントリオレエート、ネオペンチルグリコールジオ
レエート、ペンタエリスリトールテトラオレエートが特
に好ましい。
【0011】天然油脂は一般に生分解率が高く、ほとん
ど90%以上であり大部分の物が本発明に使用できる。
具体的には、例えば、ラードオイル、牛脂、鳥類油、魚
油などの動物油脂;菜種油、綿実油、ひまし油、米ぬか
油、大豆油、ピーナツ油、ヒマワリ油、ホホバ油、パー
ム核油、ヤシ油、オリーブ油などの植物油脂などが挙げ
られる。これらは1種または2種以上を組み合わせて、
あるいは前記合成エステルの1種または2種以上と組み
合わせて使用することができる。上記天然油脂のうち、
菜種油、ピーナツ油が特に好ましい。
【0012】本発明の界面活性剤としては、アニオン界
面活性剤、カチオン界面活性剤および非イオン界面活性
剤をいずれも使用できる。アニオン界面活性剤としては
炭素数2〜60の脂肪族飽和モノカルボン酸、炭素数4
〜60の脂肪族不飽和モノカルボン酸、炭素数6〜60
の芳香族モノカルボン酸等のモノカルボン酸のアルカリ
金属塩;炭素数2〜25の脂肪族飽和ジカルボン酸、炭
素数4〜25の脂肪族不飽和ジカルボン酸、炭素数8〜
25の飽和ジカルボン酸等のジカルボン酸のアルカリ金
属塩類;長鎖脂肪族アルコール、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル、脂肪族モノグリセリド、脂肪族多価ア
ルコール等と硫酸との硫酸モノエステルのアルカリ金属
塩類;アリカンスルホン酸アルカリ金属塩、石油スルホ
ン酸塩等のスルホン酸塩類;リン酸エステル類等が挙げ
られる。
【0013】カルボン酸のアルカリ金属塩を構成するカ
ルボン酸の具体例としては、例えば、プロピオン酸、酪
酸、バレリアン酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル
酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリ
ン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、
パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ノナデシ
ル酸、アラキジン酸、ヘンイコサン酸、ベヘン酸、トリ
オサン酸、リグノセリン酸、ヘプタコサン酸等の飽和脂
肪族モノカルボン酸類;ウンデシレン酸、オレイン酸、
セラコレイン酸等の不飽和モノカルボン酸類;安息香
酸、トルイル酸等およびこれらの異性体等の芳香族モノ
カルボン酸類;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタ
ル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライ
ン酸、セバシン酸、1,9-ノナメチレンジカルボン酸、
1,10-デカメチレンジカルボン酸、1,11-ウンデカ
ンメチレンジカルボン酸、1,12-ドデカメチレンジカ
ルボン酸、1,13-トリデカメチレンジカルボン酸、
1,14-テトラデカメチレンジカルボン酸、1,15-ペ
ンタデカメチレンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカメ
チレンジカルボン酸、1,17-ヘプタデカメチレンジカ
ルボン酸、1,18-オクタデカメチレンジカルボン酸お
よびこれらの異性体等の脂肪族飽和ジカルボン酸類;マ
レイン酸、フマル酸、1-ノネン-1,9-ジカルボン酸、
2-ノネン-1,9-ジカルボン酸1-デカン-1,10-ジカ
ルボン酸、1-トリデセン-1,13-ジカルボン酸等の脂
肪族不飽和ジカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、
テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸類等のジカルボン
酸類が挙げられる。
【0014】硫酸エステルアルカリ塩としては疎水性基
として、高級アルコール残基、飽和および不飽和のオキ
シ脂肪酸残基、高級脂肪酸エステル残基、多価アルコー
ル脂肪酸部分エステル残基、アルキルフェノールのPO
E(ポリオキシエチレン)付加物残基を有するものが含
まれる。硫酸エステルアルカリ金属塩界面活性剤の具体
例としては、ヘプチル硫酸エステルナトリウム、デシル
硫酸エステルナトリウム、ドデシル硫酸エステルナトリ
ウム、テトラデシル硫酸エステルナトリウム、ヘキサデ
シル硫酸エステルナトリウム、オクタデシル硫酸エステ
ルナトリウム、POE(1)ドデシルエーテル硫酸エス
テルナトリウム、POE(3)ドデシルエーテル硫酸エ
ステルナトリウム、POE(5)ドデシルエーテル硫酸
エステルナトリウム、POE(10)ドデシルエーテル
硫酸エステルナトリウム、ポリオキシプロピレン(1)
POE(1)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウ
ム、ポリオキシプロピレン(3)ドデシルエーテル硫酸
エステルナトリウム、ポリオキシプロピレン(3)PO
E(5)ドデシルエーテル硫酸エステルナトリウム、P
OE(1)ヘキサデシルエーテル硫酸エステルナトリウ
ム、POE(3)ヘキサデシルエーテル硫酸エステルナ
トリウム、POE(2)オクタデシルエーテル硫酸エス
テルナトリウム、POE(4)オクタデシルエーテル硫
酸エステルナトリウム、2-(N-カプリノイルアミノ)
エチル硫酸エステルナトリウム、2-(N-ラウロイルア
ミノ)エチル硫酸エステルナトリウム等を挙げることが
できる。好ましくは、ドデシル硫酸エステルナトリウ
ム、POE(3〜5)ドデシルエーテル硫酸エステルナ
トリウムである。
【0015】スルホン酸アルカリ塩としては疎水性基と
して、アルキル基、アルキルベンゼン基、アルキルナフ
タリン基、高級脂肪酸残基、アルキルアミド基、を有す
るものが含まれる。スルホン酸アルカリ塩界面活性剤の
具体例としては、p-n-デシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム、p-n-ウンデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、p-n-ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、p
-n-テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-
(n-ウンデシルオキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、p-(n-ウンデシルアミノ)ベンゼンスルホン酸ナ
トリウム、p-(n-デシルオキシカルボニル)ベンゼン
スルホン酸ナトリウム、p-(n-ウンデカノイルオキ
シ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム、p-(n-ノニルオ
キシカルボニルメチル)ベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、n-ヘキシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、i-オ
クチルベンゼンスルホン酸ナトリウム、n-ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナト
リウム、デシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホ
ン酸ナトリウムを挙げることができる。特に好ましくは
ドデシルスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスル
ホン酸ナトリウムである。
【0016】リン酸エステル塩型アニオン界面活性剤と
しては、例えば高級アルコール残基、アルキルフェノー
ルのPOE付加物、多価アルコールの脂肪酸部分エステ
ルが含まれる。具体例としては、POEアルキルアルコ
ールリン酸エステル類、アルキルリン酸エステル類を挙
げることができる。特に好ましくはPOE(3〜10)
オクチルアルコールリン酸エステルである。
【0017】カチオン界面活性剤には第4級アンモニウ
ム塩型、アミン塩型、等が含まれ、具体例として、トリ
エタノールアミンモノアルキレート塩類、アルキルアミ
ドアルキルアミン塩類、POEアルキルアミン塩類を挙
げることがである。特に好ましくはPOE(3〜10)
ラウリルアミンである。
【0018】ノニオン界面活性剤にはポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ノール等の酸化エチレンまたは酸化プロピレンエーテル
タイプ、ポリエチレングリコールと高級脂肪酸のエステ
ルタイプ、グリセリン、ソルビトール、蔗糖等の多価ア
ルコールと高級脂肪酸のエルテル類が含まれる。ノニオ
ン界面活性剤の具体例としては、POE(6)n-ヘキ
シルエーテル、POE(9)デシルエーテル、POE
(9)2-ブチルヘキシルエーテル、POE(6)ドデ
シルエーテル、POE(12)ドデシルエーテル、PO
E(18)ドデシルエーテル、POE(10)オクタデ
シルエーテル、POE(20)オクタデシルエーテル、
POE(100)オクタデシルエーテル、POE(1
2)オレイルエーテル、POE(10)イソオクチルフ
ェニルエーテル、POE(12)ノニルフェニルエーテ
ル、POE(15)ノニルフェニルエーテル、ポリオキ
シブチレン(2.5)POE(5.3)ブチルエーテル、
ポリオキシスチレン(2.6)POE(13.7)オクチ
ルエーテル、蔗糖モノラウリン酸エステル、蔗糖モノミ
リスチン酸エステル、蔗糖パルミチン酸エステル、ソル
ビタンモノラウリン酸エステル、POE(20)ソルビ
タンモノラウリン酸エステル、POE(20)ソルビタ
ンモノオレイン酸エステルを挙げることができる。特に
好ましいものは、POE(3〜20)ソルビタンアルキ
ルエーテル類、POE(3〜20)アルキルエーテル
類、アルキルジエタノールアミド類、ポリオキシエチレ
ナルキルエステル類である。
【0019】また本発明の油圧作動油には、前記成分の
ほかに必要に応じて他の添加剤、例えば防錆剤、消泡
剤、極圧剤、金属不活性剤、摩耗防止剤、摩耗調整剤、
粘度調整剤を添加することができる。好ましくは基油1
00重量部に対して、防錆剤を0.1〜5.0重量部、酸
化防止剤を0.1〜2.0重量部、消泡剤を0.1〜1.0
重量部および極圧剤を0.1〜2.0重量部配合する。
【0020】本発明の油圧作動油を調製するに当たって
は何ら特別の方法は必要とせず、作動油組成物を調製す
る一般的なミキサーを用いて常套の方法で撹拌混合すれ
ばよい。代表的なミキサーとしては例えば、サタケ式撹
拌機を挙げることができる。
【0021】本発明の油圧作動油は、植物にかかった場
合や草地に多量こぼれた場合でも水をかけることにより
植物の葉から洗い落とすことが容易となり、気孔をふさ
ぐことなく、光合成に支障をきたさず、枯死を防ぐこと
ができるが、単に水をかけるだけでなく更にブラシをか
けることにより植物からの作動油の除去を一層効果的に
することができる。
【0022】作動油はその本質的な特性として、優れた
潤滑性、熱安定性および消泡剤が必要とされるが、本発
明の作動油はこれらの作動油としての特性を十分保持し
ており、併せて、耐摩耗性作動油としての性能も保持し
ている。
【0023】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。実施例 1〜5 表1に記載した配合比率で基油、界面活性剤および各種
添加剤を配合し、非水系油圧作動油を調製した。成分の
混合は基油を60℃に加温し、各添加剤を撹拌しながら
溶解し、透明になるまで行った。得られた油圧作動油
を、芝生上に、芝生1m2あたり2リットル散布し、1
0分後、水を散布してその後の芝生の成長を観察し、油
圧作動油の芝生への影響を試験した。水の散布は、芝生
1m2あたり30リットルの水を散布する方法(表1の
(A))と、これに加えて同時に刷毛によるブラッシン
グを加える方法(表1の(B))とを採用した。芝生に
及ぼした影響を表1に示した。防錆剤はベンゾトリアゾ
ール、酸化防止剤は4,4-メチレンビス(2,6-ジター
シャリブチル)フェノールを使用した。
【0024】
【表1】
【0025】 表中に於ける判定基準は次のことを表す: ○:芝生の成育に変化なし、 △:やや変色(一部枯死) ×:ほぼ全部が枯死。
【0026】実施例 6、7 トリメチロールプロパントリオレエート88重量部、酸
化防止剤1重量部および防錆剤1重量部からなる市販作
動油A、またはネオペンチルグリコールジオレエート8
8重量部、酸化防止剤1重量部および防錆剤1重量部か
らなる市販作動油Bに表1に示すように界面活性剤を配
合して本発明の油圧作動油を調製した。これを実施例1
と同様にして芝生に散布し、芝生への影響を調べた。そ
の結果を表1に示した。
【0027】比較例 1、2 上記の市販作動油AおよびBをそのまま芝生に散布し、
芝生への影響を試験した。結果を表2に示した。
【0028】
【表2】
【0029】生分解性の評価 実施例1の本発明油圧作動油について、生分解性を、C
EC L-33-T-82L「Biodegradability of Two-St
roke Cycle Outoboard Engine Oil in Water」に基づい
て、(財)日本食品分析センター多摩研究所にて評価し
た。結果を表3に示した。なお、エコマーク認定基準は
生分解率66.7%以上である。
【0030】
【表3】 この結果より本発明の油圧作動油は生分解性にも優れて
いることが確認された。
【0031】潤滑性の評価 実施例3の油圧作動油および比較例1の作動油につい
て、潤滑性を試験した。潤滑性試験はASTM D 28
82にしたがってベーンポンプで行った。試験条件は次
のとおりである。 〔試験条件〕 使用ポンプ:Vickers V-104C ベーンポン
プ、 回転数:1,500rpm、 圧力:140kg/cm2、 油温:50℃、 タンク容量:45リットル、 流量:34.5リットル/分、 試験時間:100時間。 試験結果を表4に示した。潤滑性はベーン摩耗量および
カムリング摩耗量で表した。
【0032】
【表4】
【0033】
【発明の効果】本発明の油圧作動油は、植物に接触して
も水またはより好ましくは更に刷毛でブラッシングする
ことにより、芝生等の植物の枯死を防止するに至らな
い。したがって、芝生や草花の生えている施設内で使用
する芝刈り機等に安心して使用することができる。また
本発明の作動油は潤滑性等の作動油としての他の必要性
能を低下させることもない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C10M 145:36) C10M 145:36 C10N 30:00 C10N 30:00 Z 40:08 40:08 (72)発明者 時武 哲也 大阪府八尾市渋川町二丁目1番3号 日 本クエーカー・ケミカル株式会社内 (72)発明者 山本 福晃 大阪府八尾市渋川町二丁目1番3号 日 本クエーカー・ケミカル株式会社内 (72)発明者 小山 雅弘 大阪府八尾市渋川町二丁目1番3号 日 本クエーカー・ケミカル株式会社内 (56)参考文献 特開 平8−209181(JP,A) 特開 平7−150161(JP,A) 特開 平8−311466(JP,A) 特開 平6−179885(JP,A) 特開 平6−57279(JP,A) 特開 平8−209171(JP,A) 国際公開97/33954(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C10M 169/04 C10M 105/38 C10M 129/16 C10M 129/86 C10M 133/16 C10M 133/56 C10M 145/36 C10N 30:00 C10N 40:08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トリメチロールプロパントリオレエート
    またはネオペンチルグリコールジオレエートの合成エス
    テルを1種以上を基油とし、これにPOE(3〜20)
    アルキルエーテルまたはアルキルジエタノールアミドの
    ノニオン界面活性剤1種以上を配合してなり、基油10
    0重量部に対して界面活性剤が0.5〜50重量部配合
    されている非水系油圧作動油であって、該作動油を芝生
    上に、芝生1mあたり2リットル散布し、10分後、
    水を散布しても、その後の芝生の育成に変化がないこと
    を特徴とする非水系油圧作動油。
  2. 【請求項2】 さらに酸化防止剤と防錆剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の非水系油圧作動油。
JP14094798A 1998-05-22 1998-05-22 植物を枯死させない作動油 Expired - Lifetime JP3453061B2 (ja)

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