JP3452083B2 - セメント用分散剤 - Google Patents

セメント用分散剤

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JP3452083B2 JP7935894A JP7935894A JP3452083B2 JP 3452083 B2 JP3452083 B2 JP 3452083B2 JP 7935894 A JP7935894 A JP 7935894A JP 7935894 A JP7935894 A JP 7935894A JP 3452083 B2 JP3452083 B2 JP 3452083B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はセメント、モルタル、コ
ンクリート等のセメント組成物用の分散剤に係わるもの
で、詳しくは流動性に優れ、スランプロスが少なく、且
つ低粘性のセメント組成物を提供できるセメント用分散
に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、セメントペースト、モルタル、コ
ンクリート等のセメント組成物は、これらの各種用途と
して施工する場合の施工性(作業性、充填性等)の観点
から、高い流動性を持たせる目的で、そのセメント組成
物中の水量を充分確保していた。しかしながら、この様
な配合では、これらセメント組成物の硬化後の強度や、
乾燥収縮等の耐久性に問題がある。そこで近年、施工性
の改善と、耐久性の改善の両目的にセメント組成物中の
水量を低減し、然も流動性を持たせる為に各種のセメン
ト用分散剤が開発されている。例えば、特開昭58−7
4552号公報で下記(a)成分が、特開昭63−28
5140号公報で下記(b)成分が、さらに特開平2−
163108号公報で下記(c)成分が提示されてい
る。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】一般にセメント組成物
に要求される諸物性としては、硬化前のフレッシュの状
態での施工上の問題に対し要求される物性が多く、高い
流動性と優れたスランプ保持、適当な凝結時間などであ
る。しかし、近年、セメント組成物の硬化後の耐久性
や、高強度といった要求性能が特に重要になってきてお
り、セメント組成物中の単位水量を低減し、水/セメン
トの比率を低減する傾向にある。この様なセメント組成
物も、上記と同様のフレッシュの状態での施工上の諸物
性が要求されるが、特に、高い流動性に加えてそのセメ
ント組成物の粘性が低いことが、この様な水/セメント
の比率の小さい組成物では重要になっている。粘性が高
いと、混練時間の増加や、ポンプ圧送での骨材分離、閉
塞、充填性の不備といった様々な問題が生じ、実際に施
工できなくなるからである。 【0004】前記(a)成分はセメント用分散性に非常
に優れており、セメント組成物の初期の流動性を高める
性能を有しているが、スランプ保持性能には乏しい。ま
たセメント組成物の粘性が非常に高いことやチクソトロ
ピー性があり、単独使用では、上記の要求性能を満たす
ことはできない。前記(b)成分のセメント分散性は
(a)成分ほど優れてはおらず、特に初期の流動性を高
めるのに時間がかかる。従って、添加量を増加させて、
初期の所要の流動性を高めても、その後経時的にさらに
流動性が増し、セメント組成物が分離を起すなどの問題
が生じる。特に水/セメントの比率の小さいセメント組
成物に対してはこの現象が顕著であり、(b)成分単独
では、上記の要求性能を満たすことはできない。しか
し、(b)成分を添加したセメント組成物は(a)成分
を添加したものよりも粘性は低い。前記(c)成分は
(b)成分よりもさらにセメント分散性が劣り、特に水
/セメントの比率の小さいセメント組成物に対しては、
添加量を増しても初期の所要の流動性が得られない。
(b)成分の場合と同様に、経時的に流動性が増し、セ
メント組成物が分離を起すなどの問題が生じる。従って
(c)成分単独でも、上記の要求性能を満たすことはで
きない。 【0005】そこで、本発明者等は、鋭意研究を進めて
いたところ、(a)成分、(b)成分、および(c)成
分の三成分を特定比率で混合使用したとき、特異な効果
を発見することを見出し、本発明を完成するに至った。 【0006】 【問題点を解決するための手段】本発明は、下記の
(a)成分、(b)成分、および(c)成分を必須成分
とし、(a)成分、(b)成分、および(c)成分の配
合比が固形分で(a)成分5 〜 40 重量%、
(b)成分 30 〜 70 重量%、(c)成分 5
〜 40 重量%(但し(a)、(b)、および(c)
成分の合計は100重量%である。)であるセメント用
分散剤である。 (a)成分;下記一般式(1)で示されるポリアルキレ
ングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物
と下記一般式(2)で示される(メタ)アクリル酸系化
合物との共重合体および/又はその塩。 (b)成分;下記一般式(3)で示されるポリアルキレ
ングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無
水マレイン酸との共重合体、および/又はその加水分解
物および/又はその塩。 (c)成分;上記一般式(3)で示されるポリアルキレ
ングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と下
記一般式(4)で示されるポリアルキレングリコール系
化合物のマレイン酸エステルとの共重合体および/又は
その塩。 【0007】一般式(1)のR2で示されるアルキレン
基は、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等があ
る。好ましくはエチレン基、プロピレン基であり、更に
好ましくはエチレン基である。R2Oの付加モル数nは
1〜100の範囲の如何なる整数でもよい。好ましくは
n= 1 〜 50 の範囲がよく、更に好ましくは
n= 1 〜30 の範囲がよい。一般式(1)のR3
は水素または炭素数1〜5のアルキル基で、アルキル基
としてはメチル基、エチル基、プロピル基等がある。好
ましくは水素、メチル基、エチル基であり、更に好まし
くは水素、メチル基である。前記(a)成分の一般式
(1)で示される成分と一般式(2)で示される成分と
のの重合比は、一般式(1)で示される成分 10 〜
95 重量%、一般式(2)で示される成分 5 〜
90 重量%、の範囲の如何なる比率でもよい。好ま
しくは一般式(1)で示される成分 50 〜 90
重量%、一般式(2)で示される成分 10 〜 50
重量%の範囲がよく、更に好ましくは一般式(1)で
示される成分 60 〜 90 重量%、一般式(2)
で示される成分 10 〜 40 重量%の範囲がよ
い。(但し、両者の合計は100重量%である。)又、
(a)成分の重量平均分子量は2000〜10万の範囲
がよい。好ましくは5000〜7万の範囲がよく、更に
好ましくは1万〜5万の範囲がよい。 【0008】前記(b)成分の一般式(3)のR6で示
されるアルキレン基は、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基等がある。好ましくはエチレン基、プロピレン
基であり、更に好ましくはエチレン基である。R6Oの
付加モル数mは1〜100の範囲の如何なる整数でもよ
い。好ましくは m = 2 〜 50 の範囲がよ
く、更に好ましくは m = 5 〜 50 の範囲が
よい。一般式(3)のR7は水素又は炭素数1〜5のア
ルキル基で、アルキル基としてはメチル基、エチル基、
プロピル基等がある。好ましくは水素、メチル基、エチ
ル基であり、更に好ましくはメチル基である。前記
(b)成分の一般式(3)で示される成分と無水マレイ
ン酸との重合比は、一般式(3)で示される成分 30
〜 99 重量%、無水マレイン酸 1〜 70 重
量%の範囲の如何なる比率でもよい。好ましくは一般式
(3)で示される成分 50 〜 98 重量%、無水
マレイン酸 2 〜 50 重量%の範囲がよく、更に
好ましくは一般式(3)で示される成分 80 〜 9
8重量%、無水マレイン酸 2 〜 20 重量%の範
囲がよい。(但し、両者の合計は100重量%であ
る。)又、(b)成分の重量平均分子量は2000〜1
0万の範囲がよい。好ましくは3000〜6万の範囲が
よく、更に好ましくは5000〜4万の範囲がよい。 【0009】前記(c)成分の一般式(3)のR6 で示
されるアルキレン基は、エチレン基、プロピレン基、ブ
チレン基等がある。好ましくはエチレン基、プロピレン
基であり、更に好ましくはエチレン基である。R6Oの
付加モル数mは1〜100の範囲の如何なる整数でもよ
い。好ましくはm = 2 〜 50 の範囲がよく、
更に好ましくは m = 5 〜 50 の範囲がよ
い。一般式(3)のR7は水素又は炭素数1〜5のアル
キル基で、アルキル基としてはメチル基、エチル基、プ
ロピル基等がある。好ましくは、水素、メチル基、エチ
ル基であり、更に好ましくはメチル基である。前記
(c)成分の一般式(4)のR8は水素又は炭素数1〜
5のアルキル基で、アルキル基としてはメチル基、エチ
ル基、プロピル基等がある。好ましくは水素、メチル
基、エチル基であり、更に好ましくは水素およびメチル
基である。一般式(4)のR9で示されるアルキレン基
は、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等がある。
好ましくはエチレン基、プロピレン基であり、更に好ま
しくはエチレン基である。R9Oの付加モル数pは1〜
100の範囲の如何なる整数でもよい。好ましくはp
= 1 〜 50 の範囲がよく、更に好ましくは p
= 1 〜 30 の範囲がよい。前記(c)成分の
一般式(3)で示される成分と一般式(4)で示される
化合物のマレイン酸エステルとの重合比は、一般式
(3)で示される成分 1 〜99 重量%、一般式
(4)で示される化合物のマレイン酸エステル 1 〜
99 重量%の範囲の如何なる比率でもよい。好ましく
は一般式(3)で示される成分 3 〜 97 重量
%、一般式(4)で示される化合物のマレイン酸エステ
ル3 〜97重量%がよく、更に好ましくは一般式
(3)で示される成分40〜95重量%、一般式(4)
で示される化合物のマレイン酸エステル5〜60重量%
がよい。(但し、両者の合計は100重量%である。)
又、(c)成分の重量平均分子量は2000〜10万の
範囲がよい。好ましくは5000〜7万の範囲がよく、
更に好ましくは1万〜5万の範囲がよい。 【0010】上記各重合体の塩としては、アンモニウム
塩、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)、
アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩
等)が挙げられる。本発明のセメント用分散剤はそれを
構成する(a)、(b)、(c)各成分を、特定の混合
比率でセメント組成物中へ適宜配合したり、また予め三
成分の混合物として形成することができる。配合比率は
使用するセメント組成物の配合、混和材料、使用時の温
度等の条件により異なるので一義的には決定出来ない
が、各成分の固形分重量で、(a)成分 5 〜 40
重量% 、(b)成分 30〜 70 重量% 、
(c)成分5 〜 40 重量%の範囲である。好まし
くは、(a)成分 5 〜 35重量% 、(b)成分
40 〜 65 重量% 、(c)成分 5 〜 3
0 重量%の範囲である。(但し、(a)、(b)およ
び(c)成分の合計は100重量%である。)更に
(a)成分と(b)成分の配合比率が固形分重量で2
: 8 〜 4 : 6 の範囲が好ましい。配合比
率の上記範囲外においては、充分な分散性が得られな
い、粘性が高く施工性に優れない、凝結時間が長くな
る、安定的な流動性の保持が出来ず材料分離が生じた
り、大きなスランプロスを起す等の問題が生じる危険性
があり分散剤として不適合である。 【0011】各成分のセメントへの作用機構が異なる理
由は、各成分の分子構造に起因するものであると推察さ
れる。初期流動性を高める効果が異なるのは(a)成分
の様な(メタ)アクリル酸系の官能基を有する高分子の
方が、(b)成分、(c)成分の様なマレイン酸系の官
能基を有する高分子に比べ、セメント粒子への吸着速度
が早いためと考えられる。逆に吸着速度が早いものは、
その後の流動性保持能力が乏しく、(b)、(c)成分
の方が、経時的には流動性保持能力を有している。セメ
ント組成物の粘性は、分散剤のセメント粒子への吸着の
立体的形態によるものと推察されるが、詳細は明らかで
ない。(a)成分使用に比べ(b)または(c)成分を
使用した場合、セメント組成物の粘性が低いのは、
(b)、(c)成分の分子中のポリオキシアルキレン基
が非常に親和性に優れているため、分散剤の吸着後のセ
メント粒子間に分散剤と共に水分子が分散剤と親和して
誘導され、結果的にセメント粒子間の間隔を広げ、セメ
ント粒子の動的摩擦を低減しているものと推察できる。
(a)、(b)、(c)成分をそれぞれ添加したセメン
ト組成物の粘性は、通常の水/セメントの比率の大きい
場合は顕著にその差は出ないが、比率の小さい場合は、
単位セメント量が多いためセメント粒子の間隔が小さ
く、上記の理由から、その差が顕著に現れるものと思わ
れる。 【0012】本発明は、上記三成分の混用系の特定混合
比において、各成分の特徴が、相乗的に顕著に発現する
ことの予期しがたい成果に基づくものであり、特に水/
セメント比の小さいセメント組成物に有効である。 【0013】本発明のセメント用分散剤の通常のセメン
トに対する配合量は、セメント重量に対して、構造成分
の固形分合計で0.1 〜 1.0 重量%の範囲が好
ましく、0.2 〜0.5 重量%が更に好ましい。
0.1 重量%未満では、この分散剤の性能が十分発揮
されず、また 0.5 重量%以上では、骨材の分離、
硬化不良等の原因になる場合があるので、好ましくな
い。 【0014】本発明のセメント用分散剤は、セメントペ
ースト、モルタル、コンクリート等のセメント組成物の
分散剤として用いられ、その添加方法は、注水と同時に
添加してもよく、注水直後から混練直後までの間に添加
することもでき、また一旦練り上がったセメント組成物
への添加も可能である。また、本発明によるセメント用
分散剤は、公知のセメント用分散剤と併用してもよく、
この場合には予め混合して用いても、別々に使用しても
よく、特に限定されない。更に、本発明によるセメント
用分散剤は、他の公知のセメント混和剤、例えばAE
剤、起泡剤、消泡剤、遅延剤、早強剤、促進剤、増粘
剤、保水剤、防水剤、防錆剤、乾燥収縮低減剤、着色
剤、防腐剤等との併用もできる。また、公知のセメント
用混和材、例えば高炉スラグ、シリカフューム、フライ
アッシュ、水溶性高分子、膨張材との併用もできる。 【0015】 【発明の効果】本発明のセメント用分散剤は、従来の
(a)、(b)、(c)各成分単独または、二成分併用
或いは、三成分併用でも特定の範囲以外のものに比べ
て、特に低水/セメント領域のセメント組成物に対し
て、優れた減水(分散)効果とスランプロス防止効果を
顕著に示す。また、本発明のセメント混和剤を使用した
セメント組成物は、その粘性が極めて低く、分離を起さ
ない、ポンプ圧送性が良い等の施工面で、総合的に極め
て優れたセメント組成物を提供できる効果を有してい
る。 【0016】以下、本発明のセメント用分散剤につい
て、製造例、試験例を示す。 【0017】製造例1 成分(a)の製造(化合物 a−1 製造) 滴下ロート、冷却管、窒素ガス吹込み管、温度計および
攪拌器を備えた四つ口フラスコに水1380gを入れ、
窒素ガス気流下で95℃に昇温した後、下記の成分から
なる溶液を、1時間で添加した。 CH2=C(CH3)COO(CH2CH2O)9CH3 193 .6 g CH2=C(CH3)COOH 52.5 g 過硫酸アンモニウム 5.0 g 水 750.0 g 添加終了後、3時間、95℃に温度を保持して重合反応
を完了させた。その後、カセイソーダ水溶液にて完全中
和し、メタクリル酸エステル・メタクリル酸ソーダ共重
合体の水溶液を得た。(重量平均分子量1) 3.3万)1) 重量平均分子量; ゲル濾過クロマトグラフィー(G
PC)を使用し、ポリスチレンスルホン酸ナトリウム標
準品の溶出時間の較正線より、重量平均分子量を求め
た。(以下の成分についても同様) 【0018】製造例2 成分(b)の製造(化合物 b−1 製造) 13 下記の成分を、冷却管、窒素ガス吹込み管、温度
計および攪拌器を備えた四つ口フラスコに入れ、窒素ガ
ス気流下で80℃〜90℃に昇温し、7時間攪拌して共
重合反応を行った。 CH2=CHCH2O(CH2CH2O)3 3CH3 762. 0 g 無水マレイン酸 51.5 g ベンゾイルパーオキシド 4.6 g トルエン 254.0 g 反応終了後、約10mmHgの減圧下に110℃でトル
エンを留去して、無水マレイン酸・アリルエーテル共重
合体を得た。(重量平均分子量 2.0万) 【0019】製造例3 成分(c)の製造(化合物 c−1 製造) 下記の成分を、冷却管、窒素ガス吹込み管、温度計およ
び攪拌器を備えた四つ口フラスコに入れ、窒素ガス気流
下で80℃〜90℃に昇温し、7時間攪拌して共重合反
応を行った。 CH2=CHCH2O(CH2CH2O)4 5CH3 1026. 0 g 無水マレイン酸 51.5 g ベンゾイルパーオキシド 4.6 g トルエン 254.0 g 反応終了後、約10mmHgの減圧下に110℃でトル
エンを留去して、無水マレイン酸・アリルエーテル共重
合体を得た。続いてこの共重合体に下記の成分を加えて
から110℃〜120℃で4時間還流した。 HO(CH2CH2O)1 2CH3 280.0 g ピリジン 280.0 g 続いて110℃〜120℃で10mmHg以下の減圧下
にピリジンを留去して、マレイン酸エステル・アリルエ
ーテル共重合体を得た。(重量平均分子量 3.0万) 【0020】試験例(1) 本発明のセメント用分散剤の有用性を示すために、製造
例で示した化合物a−1、b−1、c−1の各共重合物
の三成分からなる本発明の分散剤の評価をコンクリート
により実施した。 【0021】コンクリートの配合、使用材料、混練方
法、各試験の測定方法を下記に示す。 ・コンクリートの配合 W/C(水/セメント比)=27.0%、s/a=4
3.3%、単位重量(Kg/m3):W(水)=16
5, C(セメント)=611,S(細骨材)=69
8, G(粗骨材)=958 ・使用材料 セメント:普通ポルトランドセメント(比重3.16) 水:市水 細骨材:木更津産陸砂(比重 2.59、 F.M.
2.63) 粗骨材:青梅産砕石 (比重 2.72、 F.M.
6.72、Gmax=20mm、実績率 58.7%) ・供試フレッシュコンクリートの調製方法 本発明の分散剤を、予め混練水にまぜ(容量は混練水の
内割とする)、50リットルの強制パン型ミキサにより
コンクリートを調製した。投入順として 先ずセメント
および細骨材を投入し、60秒空練り後混練水(分散剤
を含む)を投入する。モルタルが充分均一になるまで混
練(90秒〜360秒)し、直ちに粗骨材を投入し、さ
らに90秒混練して供試フレッシュコンクリートとし
た。 【0022】・各試験の測定方法 コンクリートの混練直後、30分後、60分後にスラン
プおよびスランプフロー、0−ロート(下図1)に詰め
たコンクリートの排出時間を測定した。コンクリートは
練り板に静置し、測定時に1.5往復スコップで切返し
てから測定した。また混練直後のコンクリートを採取
し、凝結時間を測定した。スランプ(フロー)および凝
結時間はJIS A 6204 の方法に準拠して実施
した。結果を表1. に示す。0−ロートによる試験 【0023】比較例 試験例と同様に、比較用の分散剤を使用したコンクリー
トを調製し、同様の試験を実施した。結果を表1. に
示す。 【表1】【0024】試練例および比較例からも明らかな様に、
本発明のセメント用分散剤は、従来のセメント用分散剤
に比べ、特に水/セメント比の小さい領域のセメント組
成物に対し、非常に粘性を低減する効果を有している。
また、この分散剤を使用することにより、優れた流動性
を発揮し、しかもその維持効果に優れ、凝結時間の大き
な遅れもなく、総合的に優れたセメント組成物を提供で
きる効果を有している。 【0025】試練例(2) 通常のコンクリートに比べて、コンクリート中の粉体量
(セメント他)を増やしかつ粗骨材量を減らし、適度の
流動性を与えれば、締め固めをしなくても充填性の良い
コンクリートが製造できる事が知られている。一般に知
られている配合の中から下記配合について、本発明の分
散剤(化合物a−1、b−1、c−1)を添加したコン
クリートの充填性を調べた。 ・コンクリートの配合 W/C(水/セメント比)=31.2%、s/a=4
8.3%、 単位重量(Kg/m3):W(水)=177, C(高
炉B種セメント)=567, S(細骨材)=786,
G(粗骨材)=884 ・使用材料 セメント:高炉B種セメント(比重3.04) 水、細骨材、粗骨材は試験例(1)と同じ。 ・フレッシュコンクリートの調整方法 試験例(1)と同様。充填性は土木学会規準、振動式コ
ンシステンシーメータによるコンクリートの流動性試験
方法に示されている試験器を用いて調べた。同試験方法
に示されているシリンダーにコンクリートを充填し、シ
リンダーを回転させると、シリンダー開口部からコンク
リートが流出し、シリンダーに充填したコンクリートの
高さが低くなる。この時の低くなった高さが15cm以
上であれば充填性の良いコンクリートとして評価されて
いる。添加量はいずれも固形分で0.28%でスランプ
フローは600±50mmの範囲であった。充填性の試
験結果はいずれも18cmから22cmの値を示した。 【0026】この結果から、本発明の分散剤は充填性の
良い、いわゆる締固め不要コンクリートを造るのにも好
適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−74552(JP,A) 特開 昭63−285140(JP,A) 特開 平2−163108(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 24/26 C04B 24/32

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下記の(a)成分、(b)成分、および
    (c)成分を必須成分とし、(a)成分、(b)成分、
    および(c)成分の配合比が固形分で(a)成分 5
    〜 40 重量%、(b)成分 30 〜 70 重量
    %、(c)成分 5 〜 40 重量%である(但し、
    (a)、(b)、および(c)成分の合計は100重量
    %である。)ことを特徴とするセメント用分散剤。 (a)成分;下記一般式(1)で示されるポリアルキレ
    ングリコールモノ(メタ)アクリル酸エステル系化合物
    と下記一般式(2)で示される(メタ)アクリル酸系化
    合物との共重合体および/又はその塩。 (b)成分;下記一般式(3)で示されるポリアルキレ
    ングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と無
    水マレイン酸との共重合体、および/又はその加水分解
    物および/又はその塩。 (c)成分;上記一般式(3)で示されるポリアルキレ
    ングリコールモノ(メタ)アリルエーテル系化合物と下
    記一般式(4)で示されるポリアルキレングリコール系
    化合物のマレイン酸エステルとの共重合体および/又は
    その塩。。
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