JP3451742B2 - 電機ブラシ及びその製造方法 - Google Patents

電機ブラシ及びその製造方法

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JP3451742B2
JP3451742B2 JP23173494A JP23173494A JP3451742B2 JP 3451742 B2 JP3451742 B2 JP 3451742B2 JP 23173494 A JP23173494 A JP 23173494A JP 23173494 A JP23173494 A JP 23173494A JP 3451742 B2 JP3451742 B2 JP 3451742B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転機のブラシに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、回転機の電機子コイル給電用のブ
ラシとこのブラシに給電するピグテールとの接続、固定
方法として、ブラシの基端部側面に開口された穴にピグ
テールの先端部を入れ、銅粉などにより固める方法(粉
止め法)が知られている。特開昭52−124107号
公報は、ブラシを構成するための圧粉体の基端面にリー
ド(ピグテール)を当接させ、更にリード及び圧粉体の
基端面に導電性の支持部材を当接させ、この状態でこの
組立体を焼結用の電極で挟んで加熱、加圧して圧粉体の
焼結及び各部材の結合を行うことを開示している。支持
部材は、ピグテールを圧粉体(以下、ブラシとも呼ぶ)
の基端面に固定するとともにピグテールとブラシとの間
の電気抵抗を低減する。
【0003】特開昭62−171434号公報は、上記
粉止め法によりピグテールをブラシに固定した後、ブラ
シの表面に導電性ペイントを塗布してピグテールとブラ
シとの間の接触抵抗を低減することを開示している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たブラシの基端部側面の穴にピグテールの先端部を入
れ、銅粉などにより固める方法及び上記後者の公報にお
いては、穴の強度特に確保にためにピグテールをブラシ
の基端面から充分に離して配設する必要があるので、ブ
ラシの全長が長くなってしまい、その結果、ブラシ収容
空間及び資材の増加を招き、小型化を阻害するという不
具合があった。
【0005】一方、前者の公報によれば、比較的高抵抗
の圧粉体(ブラシ)の基端面と低抵抗の支持部材により
ピグテールを狭圧するので、圧粉体(ブラシ)の基端面
に接合する筈の低抵抗の支持部材の接合面の一部がピグ
テールの存在によりブラシに接触できなくなり、支持部
材とブラシとの接合強度が低下するという不具合があっ
た。また、前者の公報によれば、圧粉体(ブラシ)、ピ
グテール及び支持部材の三者を同時に加圧しなければな
らず、ピグテールの後付けができず、型構造が複雑とな
り、製造工程の自由度が乏しいという問題もあった。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、各部の機械強度の低下を回避しつつブラシ全長
(磨耗方向)を短縮することが可能な電機ブラシ及びそ
の製造方法を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の構成は、
良導電性金属を主成分として基端部を構成する頭部が黒
鉛を主成分として先端部及び中央部を構成する胴体部に
一体化されてなるブラシと、前記胴体部に接することな
く前記頭部の外端面又は内部に接合されるピグテール
と、を備える電機ブラシにおいて、前記胴体部は、金属
が3次元に連なった多孔質金属体である発泡金属の空隙
部に前記黒鉛を含有してなり、前記頭部は、前記多孔質
金属体である発泡金属を圧縮、成形してなることを特徴
とする電機ブラシである。
【0008】本発明の第2の構成は、上記第1の構成に
おいて更に、前記ピグテールが、前記ブラシの前記頭部
の外端面に固定されることを特徴としている。本発明の
第3の構成は、上記第1の構成において更に、前記ピグ
テールが、前記ブラシの前記頭部の穴に挿入されること
を特徴としている。本発明の第4の構成は、上記第1〜
第3のいずれかの構成において更に、前記ピグテール
が、前記ブラシ押圧用のばねを兼ねることを特徴として
いる。
【0009】本発明の第5の構成は、良導電性金属を主
成分として基端部を構成する頭部が黒鉛を主成分として
先端部及び中央部を構成する胴体部に一体化されてなる
ブラシを準備し、給電用のピグテールの先端部を前記胴
体部に接することなく前記頭部の外端面又は内部に、溶
接又はかしめ又は圧入又は粉止め又は一体成形により固
定することを特徴とする電機ブラシの製造方法である。
【0010】本発明の第6の構成は、上記第5の構成に
おいて更に、前記ピグテールを前記頭部とともに前記胴
体部と一体に成形することを特徴としている。本発明の
第7の構成は、上記第5の構成において更に、前記胴体
部と一体化された前記頭部の外端面又は側面に形成され
た凹部又は孔部に前記ピグテールの前記先端部を嵌めた
後、溶接又はかしめ又は粉止めにより両者を接合するこ
とを特徴としている。
【0011】本発明の第8の構成は、黒鉛を主成分とす
るブラシと、前記ブラシの頭部の側面から内部に挿入、
固定されるピグテールとを備える電機ブラシにおいて、
前記ピグテールの長手方向と直角方向における前記ピグ
テールの断面が前記ブラシの磨耗方向の幅が圧縮された
偏平形状を有することを特徴としている。
【0012】
【作用及び発明の効果】本発明の第1の構成によれば、
良導電性金属を主成分とする頭部と黒鉛を主成分とする
胴体部からなるブラシにおいて、胴体部に接することな
く頭部の外端面又は内部にピグテールを固定する。この
ようにすれば、例えば銅と黒鉛というように互いに異種
材料からなり熱膨張率なども異なる胴体部と頭部との間
にピグテールが介在することが無いので、胴体部と頭部
との接合強度を向上することができ、また、両者の接合
界面における接触抵抗及びそれによる発熱や電力損失も
低減できる。
【0013】更に、ブラシの頭部が発泡金属を圧縮、成
形してなり、胴体部が発泡金属の空隙部に前記黒鉛を含
有してなるので、従来のブラシの頭部を磨耗方向に長大
化しなくても良導電性金属からなるピグテールとこの頭
部とは各種方法により容易かつ強力に接合することがで
き、両者間の接触抵抗も充分に低減することができる。
本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成において
更に、ピグテールが、ブラシの頭部の外端面に固定され
るので、頭部と胴体部とを接合した後、ピグテールを容
易に後付けでき、頭部と胴体部との接合工程を簡素化で
きるにもかかわらず、頭部の磨耗方向長を短縮でき、ま
た、ピグテールが直接に胴体部(主成分が黒鉛である部
分)に接触するのではなく、低抵抗の頭部を介して胴体
部に大接合面積にて接触するので、総合的なブラシの内
部抵抗を削減することもできる。
【0014】本発明の第3の構成は、上記第1の構成に
おいて更に、ピグテールが、ブラシの頭部の穴に挿入さ
れるので、低抵抗の頭部を介して胴体部に大接合面積に
て接触することができ、総合的なブラシの内部抵抗を削
減することもできる。更に、頭部は金属を主成分として
胴体部より高強度に形成されるので、ピグテールと頭部
の基端面との間の距離を圧縮することができ、ブラシの
磨耗方向長を短縮することができ、ブラシの小型化を図
ることができる。
【0015】本発明の第4の構成は、上記第1〜第3の
いずれかの構成において更に、ピグテールが、ブラシ押
圧用のばねを兼ねるので、電圧降下の増大を抑止しつつ
部品点数を削減することができる。すなわち、従来のブ
ラシ押圧用のばね兼用のピグテールは、ブラシの成形
後、その基端面に本質的に分離可能に押圧接触されるだ
けであり、両者の間に無視できない接触抵抗が残存し
て、電圧降下、発熱を引き起こす。
【0016】これに対し、本構成では、ブラシの頭部が
金属を主成分とするために金属−金属特有の強固かつ簡
単な結合方法、例えば、かしめなどを採用することがで
き、その結果、ピグテールがばねを兼ねるにもかかわら
ず、ピグテールとブラシとの間の接触抵抗を良好に低減
することができる。本発明の第5の構成は、上記第1の
構成を実現するために、ピグテールと頭部とを溶接又は
かしめ又は圧入又は粉止め又は一体成形により接合す
る。
【0017】このようにすれば、上記第1の構成の利点
を、簡単な工程で実現することができる。本発明の第6
の構成は、上記第5の構成において更に、ピグテールを
頭部とともに胴体部と一体に成形する。このようにすれ
ば、接合工程が一回で済み、簡単である。
【0018】本発明の第7の構成は、上記第5の構成に
おいて更に、胴体部と一体化された頭部の外端面に形成
された凹部又は側面に形成された孔部(穴)にピグテー
ルの先端部を嵌めた後、溶接又はかしめ又は粉止めによ
り両者を接合するので、胴体部と頭部とを一体化した
後、ピグテールを簡単に後付けすることができ、胴体部
と頭部とを加熱、加圧する場合にピグテールが邪魔にな
らず、加圧装置、特にその金型構造を簡単化することが
でき、ピグテールの取り付け姿勢、取り付け位置の自由
度も向上する。
【0019】本発明の第8の構成は、黒鉛を主成分とす
るブラシの頭部の側面から内部にピグテールを挿入、固
定するに際し、ピグテールの長手方向と直角方向におけ
る断面が、ブラシの磨耗方向の幅が圧縮された偏平形状
となっているので、ブラシの有効部分(可磨耗部分)の
割合を増大することができ、ブラシの小型化を図ること
ができる。なお、ピグテールはその先端部のみを偏平
(例えば長方形断面)とすることができる他、全体にわ
たって偏平とすることもでき、また板状ばねとしてもよ
い。
【0020】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明を具体的な実施例を記した図
でもって説明する。図1は、本発明の一実施例である電
機ブラシ1を電動機に組付けた状態を示す斜視図であ
る。図1において、電機ブラシ1は直方体形状であり、
図示されていないスプリングによってコンミュテータ5
に対して押しつけられて配置される。
【0021】電機ブラシ1は、胴体部2と、このブラシ
2の一端面に一体に形成された頭部3と、頭部3の側面
からその内部に嵌め込まれて固定されるピグテール4と
からなり、胴体部2と頭部3とは本発明でいうブラシを
構成している。胴体部2は、金属が3次元に連なった多
孔質金属体21である発泡金属(例えば、住友電工
(株)製セルメット)の空隙部23に後述の処理黒鉛2
2を含有しており、また頭部3も多孔質金属体31であ
る発泡金属(例えば、住友電工(株)製セルメット)を
圧縮、成形してなる。銅線からなるピグテール4は頭部
5のピグテール取り付け穴5に嵌めこまれて固定された
状態となっている。
【0022】次に電機ブラシ1の製造方法について説明
する。黒鉛粉末(日本黒鉛製:CB150)95重量%
と結合剤(住友デュレス(株)製フェノールPR217
K) 5重量%からなる混合物100重量%に対して、エ
タノール15重量%を加えて混合し、エタノールを揮発
させて混合物を乾燥した後、この混合物を粉砕し、又、
篩分級することによって整粒し、顆粒状物とした処理黒
鉛を作製した。次いで、この処理黒鉛に対してエタノー
ル60重量%を加えて混練することによってペースト状
黒鉛を作製した。そして、このペースト状黒鉛をエアー
スプレーガン(Iwata製:アジテータスプレーガン
W−88A−13H2g)により住友電工製のCu発泡
金属(商品名:セルメット)に吹き付け、気孔部へ黒鉛
を充填し、再度アルコ−ルを揮発させた後、成形を行っ
た。成形は、ピグテールを接合する部分(ブラシの頭
部)には黒鉛充填しない発泡金属のみを、その他は処理
黒鉛を充填した発泡金属をそれぞれ複数枚重ねて型内に
配置し、成形圧3.5Ton/cm2で圧縮成形行い、ブラシ
形状とする。
【0023】図2は、本実施例の前記電機ブラシ1の成
形工程を記したものである。前記の如くペースト状黒鉛
を充填しない頭部3用の発泡金属3aを複数枚重ねてダ
イ8内の下パンチ7a上に配置し、更にその横に前記の
如きペースト状黒鉛を充填した胴体部2用の発泡金属2
aを複数枚重ねて配置した(図2(ア))。次いで、成
形圧0.5Ton/cm2でもって仮成形をおこない((図2
(イ)) 、上パンチ7bを取り除いて、仮成形した頭
部3用発泡金属3bにピグテール4を備えるためのピグ
テール取り付け穴5を設け、穴5にピグテール4を差し
込み((図2(ウ))、ピグテール4を外部に取り出す
ための穴を備えた上パンチ7cの穴からピグテール4を
引き出して設置して、成形圧3.5Ton/cm2でもって本
成形し((図2(エ))、ダイ8から、一体化した胴体
部2c及び頭部3cをもつピグテール4付の組立半製品
を取り出した。更に最後に、それを750℃にて焼成を
行い、上述の電機ブラシ1とした。尚、胴体部2の銅含
有量を32重量%とした。
【0024】このようにすれば、銅からなるピグテール
4が銅からなる頭部3の内部にて金属結合することにな
り、良好な接合強度及び低接触抵抗を実現することがで
きる。また、互いに組成が異なる胴体部2と頭部3との
間にピグテール4が介在しないので、胴体部2と頭部3
との間の接合強度を向上することができる。また、頭部
3の機械強度が大きいので、ピグテール4と頭部3の基
端面3dとの間の距離を短縮することができ、ブラシを
小型化することができる。
【0025】なお、この実施例では、頭部3用に発泡多
孔性銅体を採用したが、頭部3用として密実な銅ブロッ
クを用いることもできる。その他、発泡金属2a、3a
を兼ねるそれらを合わせた形状の発泡金属を用い、その
胴体部となるべき部分にだけ黒鉛粉を充填してもよい。
このようにすれば、胴体部2と頭部3との機械的接合強
度が向上する。また、銅繊維集合体に黒鉛粉を充填して
成形してもよい。
【0026】(実施例2)他の実施例を図3を参照して
説明する。この実施例では、上記実施例1において穴5
を省略するとともに、純銅からなる頭部3の基端面3d
上に純銅からなるピグテール4の先端部を載せ、この状
態で、ピグテールの上方より炭酸ガスレーザを照射し
て、頭部3とピグテール4の先端分をレーザー溶接によ
り接合するものである。
【0027】この実施例では、頭部3が金属(銅)から
なり、溶接性に優れていることを利用して、銅からなる
ピグテール4を頭部3の基端面3dにレーザー溶接する
ので、胴体部2と頭部3とを強固に接合できる他、頭部
3を実施例1よりも更に薄肉化することができ、ブラシ
長を一層短縮することができる。なお、この実施例で
は、ピグテール4の上記先端部は他の部分より薄肉化し
ており、接合面積を増加して接合力を増大している。
【0028】なお、レーザー溶接の代わりに、ピグテー
ル4と胴体部2とを電極対で挟んでピグテール4と頭部
3との間に通電して両者を抵抗溶接しても同様の効果が
得られる。また、この実施例によれば、頭部3と胴体部
2とを一体成形した後、ピグテール4を後付けする工程
を採用するにもかかわらず、上記作用効果を奏すること
ができ、機種毎に異なる断面積を有する各種ピグテール
4の取り付けなどが容易となる。
【0029】(実施例3)他の実施例を図4を参照して
説明する。この実施例では、頭部3をかしめて塑性変形
させることにより、頭部3の基端面にピグテール4を固
定するものであり、高温加熱を要することなく簡単敏速
な工程を採用できるにもかかわらず、実施例2の作用効
果を奏することができる。
【0030】すなわち、頭部3の基端面の中央部に一方
向に延びる背が高い突条35が形成されており、一方、
ピグテール4の先端部にはこの突条35と嵌合する溝部
が形成されている。そして、この溝部に突条35を嵌め
た状態(図4(a)参照)で、ピグテール4よりも突出
する突条35の頂部をつぶして(図4(b)参照)、ピ
グテール4を頭部3に固定する。
【0031】すなわち、本実施例は、導電性及び延性に
優れた銅からなる頭部3の基端面にかしめ接合用の構造
を付与しておき、また、ピグテール4の先端部にも頭部
3の上記かしめ接合用の構造と嵌合する構造を付与して
おき、これにより、あらかじめ胴体部2と接合された頭
部3にピグテール4を非加熱方式により後付けするもの
であり、工程が極めて簡単となる。
【0032】(実施例4)他の実施例を図5を参照して
説明する。この実施例は、実施例1において、ピグテー
ル4を磨耗方向の辺が短辺である長方形としたものであ
り、このようにすれば、ピグテール4の断面積を減らす
ことなく、頭部3の磨耗方向の幅を圧縮することができ
る。
【0033】なお、この実施例の技術思想は、頭部3も
黒鉛を主体とする従来の電機ブラシにも適用できるもの
である。また、この実施例の上記技術思想及び作用効果
は、ピグテール4の少なくとも先端部だけを偏平化すれ
ば実現することができる。図7(a)はかしめ前の状態
を示し、図7(b)は成形された電機ブラシを示す。上
記した各種方法で接合して有効摩耗長6mmの電機ブラ
シを形成したところ、従来の側面の穴にピグテール4の
先端を挿入し粉止めする方法では全長が10.5mm必
要であるが、上記各実施例の電機ブラシは全長をいずれ
も8.2〜8.6mmの範囲内に押さえることができ、
電機ブラシの小型化を実現できることを確認した。
【0034】(実施例5)他の実施例を図6を参照して
説明する。この実施例は、図3においてピグテール4を
弾性導電性金属(例えばベリリウム銅)を素材とする板
ばねにより構成し、実施例2と同様にピグテール4の先
端部を頭部3の基端面にレーザー溶接したものである。
【0035】すなわち、この実施例では、頭部3がピグ
テール4と溶接可能でしかも胴体部2と良好に一体接合
する銅板形状を有する点に着目したものであり、溶接に
よりばね兼用のピグテール4とブラシとの接触抵抗を従
来の弾性押圧方式に比較して格段に低減することができ
る。もちろん、上記レーザー溶接の代わりに抵抗溶接を
行っても同じ効果を奏することができる。
【0036】(実施例6)他の実施例を図7を参照して
説明する。この実施例は、実施例3(図6参照)と同様
にピグテール4の先端部を頭部3の基端面にかしめ固定
する実施例において、ピグテール4を弾性導電性金属
(例えばベリリウム銅)を素材とする板ばねとしたもの
である。詳細に説明すれば、頭部3の基端面の中央部に
立設されたかしめ突起36は板状のピグテール4の穴に
嵌入されており(図9(a)参照)、このかしめ突起3
7を潰してピグテール4が頭部3の基端面に圧着される
(図9(b)参照)。なお、かしめ突起36の形状及び
かしめの方法については適宜選択可能である。
【0037】このようにすれば、実施例3及び実施例5
の作用効果を奏することができる。 (実施例7)他の実施例を図8を参照して説明する。こ
の実施例は、弾性導電性金属(例えばベリリウム銅)を
素材として板ばねを構成するピグテール4の先端部の主
面に設けた圧入突起45を頭部3の基端面に設けた穴3
5に圧入したものであり、このようにすれば実施例6と
同様の簡単な工程で接触抵抗を低減することができる。
【0038】(実施例8)他の実施例を図9を参照して
説明する。この実施例は、ばねを構成する板状のピグテ
ール4の先端部48を、頭部3の側面に形成された穴に
圧入(粉止め又は一体成形でもよい)したものであり、
ばね式ピグテール4において接触抵抗を従来より低減で
きる。また、頭部3を銅製としているので、その磨耗方
向長を短縮することができる。更に、ピグテール4が板
ばね形状を有し、その厚さ方向が磨耗方向と一致するの
で頭部3の必要厚を低減することができる。
【0039】なお、頭部3の基端面とピグテール4との
間の頭部3の寸法を増大すれば、頭部3を従来と同じ黒
粉主体のものとしてもよい。また、この実施例では、ピ
グテール4は圧入により頭部3に固定したが、粉止めに
より固定してもよく、また、頭部3の側面に設けた偏平
な(磨耗方向に圧縮された)角穴にピグテール4を入れ
た後、ピグテール4付の頭部3と胴体部2とを実施例1
のように加圧して一体成形してもよい。
【0040】以下、板ばね式ピグテール4をブラシの頭
部3の基端面に押圧した従来のばね兼用ピグテール式の
電機ブラシと、上記した溶接式(実施例5)、かしめ式
(実施例6)、圧入式(実施例7)、嵌入式(実施例
8)の各実施例の電機ブラシにおけるピグテール4と頭
部3との間の接触抵抗を以下に示す。ただし電流は1A
とし、測定は、ピグテール4とブラシ1との間の電圧降
下ΔVにに基づいて測定した。なお、ピグテール4や頭
部3などの内部抵抗損失はピグテール4と頭部3との間
の接触抵抗に比較して十分に小さいために無視すること
ができる。
【0041】 上記結果から、接触抵抗の大幅な低減が可能であること
がわかる。これは、頭部3が銅からなり、溶接、かし
め、圧入、一体成形などの手法によりピグテール4との
一体化が容易に実現できるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の電機ブラシを説明するため
の側面図である。
【図2】図1の電機ブラシの成形工程を説明するための
図である。
【図3】実施例2の電機ブラシを示す模式側面図であ
る。
【図4】実施例3の電機ブラシを示す模式斜視図であ
り、(a)はかしめ前、(b)はかしめ後を示す。
【図5】(a)は実施例4の電機ブラシの成形工程を説
明するための斜視図であり、(b)は成形され電機ブラ
シの斜視図である。
【図6】実施例5の電機ブラシを示す模式斜視図であ
る。
【図7】実施例6の電機ブラシを示す模式側面図であ
り、(a)はかしめ前、(b)はかしめ後を示す。
【図8】実施例7の電機ブラシを示す模式側面図であ
る。
【図9】実施例8の電機ブラシを示す模式側面図であ
る。
【符号の説明】
1 電機ブラシ 2 胴体部 3 頭部 4 ピグテール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮田 義雄 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (72)発明者 林 信行 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−219438(JP,A) 特開 平5−260700(JP,A) 特開 昭61−171076(JP,A) 特開 昭62−260545(JP,A) 実開 昭59−9758(JP,U) 実開 昭59−135080(JP,U) 実公 昭11−13206(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01R 39/36 H01R 43/12 H02K 13/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】良導電性金属を主成分として基端部を構成
    する頭部が黒鉛を主成分として先端部及び中央部を構成
    する胴体部に一体化されてなるブラシと、 前記胴体部に接することなく前記頭部の外端面又は内部
    に接合されるピグテールと、 を備える電機ブラシにおいて、 前記胴体部は、金属が3次元に連なった多孔質金属体で
    ある発泡金属の空隙部に前記黒鉛を含有してなり、 前記頭部は、前記多孔質金属体である発泡金属を圧縮、
    成形してなる ことを特徴とする電機ブラシ。
  2. 【請求項2】前記ピグテールは、前記ブラシの前記頭部
    の外端面に固定される請求項1記載の電機ブラシ。
  3. 【請求項3】前記ピグテールは、前記ブラシの前記頭部
    の穴に挿入される請求項1記載の電機ブラシ。
  4. 【請求項4】前記ピグテールは、前記ブラシ押圧用のば
    ねを兼ねる請求項1〜3のいずれか記載の電機ブラシ。
  5. 【請求項5】良導電性金属を主成分として基端部を構成
    する頭部が黒鉛を主成分として先端部及び中央部を構成
    する胴体部に一体化されてなるブラシを準備し、 給電用のピグテールの先端部を前記胴体部に接すること
    なく前記頭部の外端面又は内部に、溶接又はかしめ又は
    圧入又は粉止め又は一体成形により固定することを特徴
    とする電機ブラシの製造方法。
  6. 【請求項6】前記ピグテールは前記頭部とともに前記胴
    体部と一体に成形される請求項5記載の電機ブラシの製
    造方法。
  7. 【請求項7】前記胴体部と一体化された前記頭部の外端
    面又は側面に形成された凹部又は孔部に前記ピグテール
    の前記先端部を嵌めた後、溶接又はかしめ又は粉止めに
    より両者を接合する請求項5記載の電機ブラシの製造方
    法。
  8. 【請求項8】黒鉛を主成分とするブラシと、前記ブラシ
    の頭部の側面から内部に挿入、固定されるピグテールと
    を備える電機ブラシにおいて、 前記ピグテールの長手方向と直角方向における前記ピグ
    テールの断面は前記ブラシの磨耗方向の幅が圧縮された
    偏平形状を有することを特徴とする電機ブラシ。
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