JP3451678B2 - 酸化亜鉛粉末の製造方法および磁性酸化物粉末の製造方法 - Google Patents

酸化亜鉛粉末の製造方法および磁性酸化物粉末の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明は、磁性酸化物に用いる
酸化亜鉛粉末の製造方法、および酸化亜鉛粉末を構成成
分の一部とする磁性酸化物粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性酸化物粉末は、たとえば、以
下の方法で製造されている。即ち、磁性酸化物を構成す
る元素である鉄、ニッケル、マンガン、亜鉛等の個々の
酸化物あるいは炭酸塩等の粉末を所定の組成比で混合し
た後、800〜1000℃の温度で仮焼して粉砕する方
法。あるいは、磁性酸化物を構成する元素である鉄、ニ
ッケル、マンガン、亜鉛等の個々の化合物すべてを溶解
した水溶液を噴霧して熱分解する方法である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
磁性酸化物粉末の製造方法においては、それぞれ以下に
示す問題点を有していた。まず、磁性酸化物を構成する
元素の酸化物あるいは炭酸塩の粉末を混合分散して得た
磁性酸化物粉末においては、粉末同志を混合する製造方
法のため、得られた磁性酸化物粉末内での均一分散性が
劣り、特性にばらつきが生じるという問題点を有してい
た。また、磁性酸化物粉末の粒径は、良好な特性を得る
ために1μm以下であることが要求されているが、仮焼
後の磁性酸化物粉末は粒径が10μm程度の粒子に成長
しているため、仮焼後に粉砕工程が必要となる。しかし
ながら、1μm以下に粉砕するには高剪断エネルギーの
大型粉砕装置を用いて粉砕しなければならず、また、こ
の粉砕工程において、粉砕装置の内壁の磨耗等により不
純物が混入して、磁気特性が劣化するという問題点を有
していた。
【0004】さらに、800〜1000℃という高温で
仮焼して磁性酸化物粉末を得る関係上、得られた磁性酸
化物粉末は表面活性が低くなり焼結性が低下しているの
で、焼成温度を一段と高くしなければならないという問
題点があった。この問題点を解決するために、焼結助剤
を添加して焼成温度を低下させる方法が提唱されている
が、焼結助剤は磁性酸化物粉末の焼成温度を低下させる
ことはできるものの、一方で磁気特性を悪化させるとい
う欠点があり、焼成温度を下げるための根本的な解決策
とはなっていないのが実状であった。
【0005】次に、磁性酸化物を構成する元素の水溶液
を噴霧し熱分解して得た磁性酸化物粉末は、上記磁性酸
化物粉末の問題点を解決するために提唱された方法によ
るものである。この方法によれば、粒径が1μm以下で
表面活性が高く、かつ磁性酸化物を構成する元素の分散
性が良い磁性酸化物粉末が得られる。
【0006】しかしながら、製造過程において亜鉛成分
が蒸発揮散して、磁性酸化物の組成にずれが生じるとい
う問題点を有していた。即ち、磁性酸化物を構成する元
素の水溶性化合物のうち、例えば塩化亜鉛等はかなり高
い蒸気圧を有している。一例として、亜鉛化合物と他の
元素の化合物について、その蒸気圧が100mmHgに
なる温度を比較すると、塩化亜鉛では610℃、塩化ニ
ッケルでは860℃、塩化鉄(II)では842℃、塩化
マンガン(II)では960℃、塩化マグネシウムでは1
142℃である。したがって、亜鉛化合物の蒸気圧が1
00mmHgになる温度は他の元素の化合物に比べて2
32〜532℃も低くなっており、Zn化合物は磁性酸
化物を構成する他の元素の化合物よりも高い蒸気圧を有
していることが明白である。このことから、磁性酸化物
を構成する水溶性化合物の混合溶液を噴霧して熱分解す
ると、塩化亜鉛の一部分が熱分解中に蒸発揮散していく
という現象が生じるため、得られた磁性酸化物粉末は、
最初に計算し溶解して磁性酸化物組成の構成比率になる
ようにした混合溶液との間に組成ずれが生じるという基
本的な問題点を有していた。
【0007】 そこで本発明の目的は、磁性酸化物粉末
用原料として用いたときに、蒸発揮散損失による磁性酸
化物粉末の組成ずれが生じない酸化亜鉛粉末の製造方
法、および磁性酸化物を構成する元素の酸化物の分散性
がよく表面活性が高い磁性酸化物粉末の製造方法を提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するた
め、本発明の酸化亜鉛粉末の製造方法は、亜鉛化合物を
有機溶剤または水に溶解した溶液を400℃以下の温度
で噴霧し熱分解して酸化亜鉛粉末を作り、該酸化亜鉛粉
末を磁性酸化物を構成する元素で被覆することを特徴と
する。
【0009】 また、亜鉛化合物を有機溶剤または水に
溶解した溶液を噴霧し乾燥した後、該粉末を400℃以
下の温度で仮焼して酸化亜鉛粉末を作り、該酸化亜鉛粉
末を磁性酸化物を構成する元素で被覆することを特徴と
する。
【0010】さらに、鉄、ニッケル、マンガン、マグネ
シウムの内の少なくとも一種類以上の元素を含有する有
機脂肪酸金属塩化合物を酸化亜鉛粉末の表面に形成して
熱処理を行ない、該酸化亜鉛粉末の表面に前記元素の酸
化物を形成することを特徴とする。
【0011】
【0012】 また、本発明の磁性酸化物粉末の製造方
は、鉄、ニッケル、マンガン、マグネシウムの内の少
なくとも一種類以上の元素を含有する有機脂肪酸金属塩
化合物を酸化亜鉛粉末の表面に形成して熱処理を行な
い、該酸化亜鉛粉末の表面に前記元素の酸化物を形成し
た後、該酸化亜鉛粉末を、鉄、ニッケル、マンガン、マ
グネシウムの内の少なくとも一種類以上の元素の水溶性
化合物の溶液中に分散させた後、この懸濁溶液を熱分解
するか、あるいは噴霧して得た粉末を仮焼することによ
り得る。
【0013】そして、有機脂肪酸金属塩化合物として
は、一般式(Cn 2n+1COO)m Meで表され(但
し、MeはFe,Ni,Mn,Mgの内の少なくとも一
種類以上、mはMeイオンの原子価数を示す。)、nが
5〜19の炭素数の飽和有機脂肪酸金属塩化合物または
シクロ系有機脂肪酸金属塩化合物の内の少なくとも一種
類以上を用いることができる。
【0014】
【作用】磁性酸化物の構成元素の一つである酸化亜鉛粉
末の表面に、酸化亜鉛よりも蒸気圧の低い磁性酸化物を
構成する元素の酸化物を被覆形成することにより、磁性
酸化物粉末の製造時に、前駆体溶液に亜鉛が溶解して蒸
気圧の高い亜鉛化合物となって蒸発揮散することがなく
なる。
【0015】
【実施例】まず、磁性酸化物を構成する元素を含む混合
溶液中に亜鉛イオンが存在しないようにしてその混合溶
液を噴霧して熱分解すれば、あるいは、噴霧して乾燥さ
せた粉末中に塩化亜鉛のような蒸気圧の高い形態の亜鉛
化合物が存在しないようにしてその粉末を仮焼すれば、
Znの蒸発揮散損失による組成ずれのない磁性酸化物を
製造できると考え、基礎実験をおこなった。その結果を
以下に示す。
【0016】(基礎実験)硝酸亜鉛0.2モルを1リッ
トルの純水に溶解して亜鉛水溶液を調整し、この水溶液
を250℃に調整した縦形分解炉内に噴霧して分解さ
せ、微細な酸化亜鉛粉末を得た。次に、得られた酸化亜
鉛粉末20g、オクチル酸鉄20g、エタノール100
cc、直径5mmの部分安定化ジルコニア玉石(以下、
PSZ玉石と称す)100gをポリエチレン製ポットに
いれて16時間混合分散を行なった。その後、得られた
スラリーを400℃に調整した縦形分解炉内に噴霧して
熱分解させ、酸化鉄を被覆形成した酸化亜鉛粉末を得
た。
【0017】得られた酸化亜鉛粉末は、表面が赤色を呈
し、X線回折分析によって定性分析を実施したところ、
酸化亜鉛と弱い酸化鉄の回折ピークが検出された。この
ことより、酸化亜鉛粉末表面に酸化鉄の被膜が形成され
ていることが確認できた。次に、被膜処理済み酸化亜鉛
粉末および未処理の酸化亜鉛粉末を60℃の2N−塩酸
溶液に分散して、経過時間と溶解亜鉛量の関係を調べ
た。その結果、未処理酸化亜鉛粉末は30秒以内で完全
に溶解してしまったのに対して、被膜処理済み酸化亜鉛
粉末については3分経過した後でも酸化亜鉛粉末は溶解
せず、また濾液中には亜鉛イオンが検出されなかった。
このことは、被膜処理した酸化亜鉛粉末を弱酸性の溶液
中に懸濁させても溶解せず、蒸気圧の高い亜鉛化合物に
なることがないので、噴霧熱分解するときに蒸発揮散に
よる亜鉛の損失が生じないことを示す。
【0018】以上の基礎実験の結果より、酸化亜鉛より
も蒸気圧の低い元素の酸化物を被覆形成した酸化亜鉛粉
末は、弱酸性溶液に溶解せず均一に分散させることが可
能である。したがって、他の磁性酸化物を構成する元素
の水溶性金属塩化合物の水溶液に、上記被膜形成した酸
化亜鉛粉末を分散させた懸濁溶液から組成ずれのない磁
性酸化物を合成することが可能であることが明確になっ
た。
【0019】以下、本発明の実施例を比較例とともに説
明する。 (実施例1)0.5モルの塩化亜鉛を純水1リットルに
溶解し前駆体溶液とした。この前駆体溶液を350℃に
調整した縦型熱分解炉内に噴霧して熱分解を行ない微細
な酸化亜鉛粉末を得た。次に、亜鉛元素:鉄元素の比率
がモル比で1:0.10の割合になる量の得られた酸化
亜鉛粉末とオクチル酸鉄、酸化亜鉛粉末の重量に対して
10倍量の有機溶剤としてのトルエン、および酸化亜鉛
粉末の重量に対して5倍量の直径5mmのPSZ玉石を
ポリエチレン性ポットに入れて、16時間混合分散を行
なった。その後、得られたスラリーを噴霧乾燥して、酸
化亜鉛粉末表面にオクチル酸鉄を被覆した酸化亜鉛の乾
燥粉末を得た。この乾燥粉末を350℃で仮焼して、酸
化亜鉛粉末表面に酸化鉄を被覆形成した微細な酸化亜鉛
粉末を得た。
【0020】この被覆形成済みの酸化亜鉛粉末を、磁性
酸化物粉末を製造するための亜鉛の出発原料として用い
た。即ち、塩化鉄(II)0.6984モルおよび塩化ニ
ッケル0.1541モルを純水1.5リットルに溶解し
た後、表面に酸化鉄を被覆形成した酸化亜鉛粉末18.
357gを前記鉄、ニッケルを溶解した混合溶液に混合
分散して、Fe:Ni:Znの原子モル比率が0.66
66:0.1429:0.1905の懸濁液を調整し
た。その後、得られた懸濁液を700℃に調製した縦型
分解炉内に噴霧して熱分解を行ない、磁性酸化物粉末を
得た。
【0021】(実施例2)0.5モルの塩化亜鉛を純水
1リットルに溶解し前駆体溶液とした。この前駆体溶液
を350℃に調製した縦型熱分解炉内に噴霧して熱分解
を行ない微細な酸化亜鉛粉末を得た。次に、亜鉛元素:
ニッケル元素の比率がモル比で1:0.05の割合にな
る量の得られた酸化亜鉛粉末とナフテン酸ニッケル、酸
化亜鉛粉末の重量に対して10倍量の有機溶剤としての
トルエン、および酸化亜鉛粉末の重量に対して5倍量の
直径5mmのPSZ玉石をポリエチレン製ポットに入れ
て、16時間混合分散を行なった。その後、得られたス
ラリーを噴霧乾燥して、酸化亜鉛粉末表面にナフテン酸
ニッケルを被覆した酸化亜鉛の乾燥粉末を得た。この乾
燥粉末を350℃で仮焼して、酸化亜鉛粉末表面に酸化
ニッケルを被覆形成した微細な酸化亜鉛粉末を得た。
【0022】この被覆形成済みの酸化亜鉛粉末を、磁性
酸化物粉末を製造するための亜鉛の出発原料として用い
た。即ち、塩化鉄(II)0.6984モルおよび塩化ニ
ッケル0.1438モルを純水1.5リットルに溶解し
た後、表面に酸化ニッケルを被覆形成した酸化亜鉛粉末
17.484gを前記鉄、ニッケルを溶解した混合溶液
に混合分散して、Fe:Ni:Znの原子モル比率が
0.6666:0.1429:0.1905の懸濁液を
調整した。その後、得られた懸濁液を700℃に調製し
た縦型熱分解炉内に噴霧して熱分解を行ない、磁性酸化
物粉末を得た。
【0023】(比較例)実施例1と同じ組成、即ちF
e:Ni:Znの原子モル比率が0.6666:0.1
429:0.1905となるように塩化鉄(II)、塩化
亜鉛、塩化ニッケルを純水1.5リットルに溶解し、前
駆体混合溶液を調製した。この前駆体混合溶液を700
℃に調製した縦型分解炉内に噴霧して熱分解を行ない、
磁性酸化物粉末を得た。
【0024】以上、実施例1、実施例2および比較例で
得た磁性酸化物粉末のX線回折分析および組成分析を実
施した。それらの分析結果を表1に示す。なお、同表に
おいて、組成分析結果は原子モル比率で表し、全体で
1.0000になるようにしてある。
【0025】
【表1】
【0026】表1に示す通り、実施例1、実施例2およ
び比較例において、X線回折分析では共にスピネルフェ
ライトという結果であって差が見られていない。しか
し、組成分析の結果によると、実施例1および実施例2
の磁性酸化物粉末は、酸化鉄を表面に被覆した酸化亜鉛
粉末を鉄およびニッケルの溶液に分散した懸濁液、即ち
ほば仕込み通りの組成比になっているのに対して、比較
例の磁性酸化物粉末の組成は、亜鉛が仕込み組成の約1
/2に減少して、その分だけ鉄およびニッケルの比率が
増加している。
【0027】このことは、酸化亜鉛よりも蒸気圧の低い
元素の酸化物で被覆形成した酸化亜鉛粉末は、亜鉛元素
以外の元素の化合物、例えば塩化物を溶解した混合溶液
に溶解しないので亜鉛は蒸気圧の低い塩化亜鉛とはなら
ず、熱分解時に蒸発揮散しないことを示している。また
一方、従来の亜鉛、鉄およびニッケルの塩化物を溶解し
た混合溶液を用いる場合、即ち比較例の場合では、亜鉛
が塩化物の状態で高温で熱分解されるので塩化亜鉛が蒸
発揮散し、得られた磁性酸化物粉末中の酸化亜鉛が仕込
み組成よりも不足した状態になることを示している。
【0028】なお、上記実施例および基礎実験におい
て、塩化亜鉛もしくは硝酸亜鉛の水溶液を熱分解して得
た酸化亜鉛に、酸化亜鉛よりも低い蒸気圧を有する元素
の酸化物を被覆しているが、これに限定されることはな
く、他の水溶性亜鉛化合物もしくは有機脂肪酸亜鉛化合
物等の熱分解、または乾燥後の仮焼で得た酸化亜鉛に被
覆してもよい。
【0029】また、上記実施例においては、酸化亜鉛に
酸化鉄もしくは酸化ニッケルを被覆形成しているが、こ
れに限定されることはなく、磁性酸化物を構成する元素
であってしかも酸化亜鉛よりも低い蒸気圧を有する元素
の酸化物、例えば酸化マンガン、酸化マグネシウム等を
適宜被覆形成することができる。そして、被覆形成する
ときの出発原料として、オクチル酸金属塩もしくはナフ
テン酸金属塩を用いているが、その他、炭素数5〜19
の飽和有機脂肪酸金属塩化合物またはシクロ系有機脂肪
酸金属塩化合物を用いることができる。
【0030】
【発明の効果】 以上の説明で明らかなように、本発明
の酸化亜鉛粉末の製造方法によれば、その表面に酸化亜
鉛よりも蒸気圧の低い磁性酸化物を構成する元素の酸化
物が被覆形成されたものを得ることができる。したがっ
て、磁性酸化物粉末の製造時に、亜鉛が前駆体溶液に溶
解して蒸気圧の高い亜鉛化合物となって蒸発揮散するこ
とがなく、狙い通りの組成ずれのない磁性酸化物粉末を
得ることができる。
【0031】また、本発明の磁性酸化物粉末の製造方法
は、表面を被覆した酸化亜鉛粉末を磁性酸化物の構成元
素の水溶性化合物の溶液中に分散させた後、その懸濁溶
液を、噴霧して分解させるか、あるいは噴霧して乾燥後
に仮焼するものである。したがって、磁性酸化物を構成
する元素の分散性が良く表面活性の高い磁性酸化物粉末
を得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 1/00 - 57/00 H01F 1/34

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 亜鉛化合物を有機溶剤または水に溶解し
    た溶液を400℃以下の温度で噴霧し熱分解して酸化亜
    鉛粉末を作り、該酸化亜鉛粉末を磁性酸化物を構成する
    元素で被覆することを特徴とする酸化亜鉛粉末の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 亜鉛化合物を有機溶剤または水に溶解し
    た溶液を噴霧し乾燥した後、該粉末を400℃以下の温
    度で仮焼して酸化亜鉛粉末を作り、該酸化亜鉛粉末を磁
    性酸化物を構成する元素で被覆することを特徴とする酸
    化亜鉛粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 鉄、ニッケル、マンガン、マグネシウム
    の内の少なくとも一種類以上の元素を含有する有機脂肪
    酸金属塩化合物を酸化亜鉛粉末の表面に形成して熱処理
    を行ない、該酸化亜鉛粉末の表面に前記元素の酸化物を
    形成することを特徴とする被覆した酸化亜鉛粉末の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 有機脂肪酸金属塩化合物は、一般式(C
    n 2n+1COO)mMeで表され(但し、MeはFe,
    Ni,Mn,Mgの内の少なくとも一種類以上、mはM
    eイオンの原子価数を示す。)、nが5〜19の炭素数
    の飽和有機脂肪酸金属塩化合物またはシクロ系有機脂肪
    酸金属塩化合物の内の少なくとも一種類以上であること
    を特徴とする請求項記載の酸化亜鉛粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 鉄、ニッケル、マンガン、マグネシウム
    の内の少なくとも一種類以上の元素を含有する有機脂肪
    酸金属塩化合物を酸化亜鉛粉末の表面に形成して熱処理
    を行ない、該酸化亜鉛粉末の表面に前記元素の酸化物を
    形成した後、該酸化亜鉛粉末を、鉄、ニッケル、マンガ
    ン、マグネシウムの内の少なくとも一種類以上の元素の
    水溶性化合物の溶液中に分散させた懸濁溶液を熱分解す
    ることを特徴とする磁性酸化物粉末の製造方法。
  6. 【請求項6】 鉄、ニッケル、マンガン、マグネシウム
    の内の少なくとも一種類以上の元素を含有する有機脂肪
    酸金属塩化合物を酸化亜鉛粉末の表面に形成して熱処理
    を行ない、該酸化亜鉛粉末の表面に前記元素の酸化物を
    形成した後、該酸化亜鉛粉末を、鉄、ニッケル、マンガ
    ン、マグネシウムの内の少なくとも一種類以上の元素の
    水溶性化合物の溶液中に分散させた懸濁溶液を噴霧して
    得た粉末を仮焼することを特徴とする磁性酸化物粉末の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 有機脂肪酸金属塩化合物は、一般式(C
    n 2n+1COO)mMeで表され(但し、MeはFe,
    Ni,Mn,Mgの内の少なくとも一種類以上、mはM
    eイオンの原子価数を示す。)、nが5〜19の炭素数
    の飽和有機脂肪酸金属塩化合物またはシクロ系有機脂肪
    酸金属塩化合物の内の少なくとも一種類以上であること
    を特徴とする請求項または請求項記載の磁性酸化物
    粉末の製造方法。
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