JP3451321B2 - 車の衝突防止制御方法 - Google Patents

車の衝突防止制御方法

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JP3451321B2
JP3451321B2 JP2000354109A JP2000354109A JP3451321B2 JP 3451321 B2 JP3451321 B2 JP 3451321B2 JP 2000354109 A JP2000354109 A JP 2000354109A JP 2000354109 A JP2000354109 A JP 2000354109A JP 3451321 B2 JP3451321 B2 JP 3451321B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】この発明は、車の衝突防止制
御方法に関し、道路上で車の衝突を防止することを目的
とした車の制御運転分野、特に,複数の車線がある高速
道路などの自動車専用道路での玉突き衝突の被害を減少
させる技術分野に利用されるものである。 【0002】 【従来の技術】道路特に高速道路では,時々,玉突き事
故と呼ばれる大事故が発生するのは周知である。これ
は,速度の出しすぎ,速度に見合った車間距離をとって
ない,視界,豪雨などの天候に見合った車間距離をとっ
てない,ドライバの冷静な判断不足,前方で何が発生し
ているかの情報が車から把握できない,人間の個人差に
応じた反応時間がかかるなど様々な要因が重なり,玉突
き事故の大事故に結びつくのは周知である。 【0003】図7は,玉突き事故を説明する図で,符号
の1は道路,2は道路1を走行する車,3は事故あるい
は障害物をあらわしている。図7は,車C1の前方で事故
が発生あるいは障害物が発生した場合の例である。この
場合,車C1は急ブレーキをかけたとしても間に合わず,
前方の事故車あるいは障害物に衝突する例とする。車C2
は,車C1がブレーキをかけたブレーキ灯を見て,急ブレ
ーキをかける。この場合,十分な車間距離をとってない
と車C2は車C1に衝突する。ここで,更に,後続車の車C3
に着目する。 (1)車C3は,車C2がブレーキをかけたブレーキ灯を見
て,急ブレーキをかける。車C3と車C2の車間距離が十分
でないと車C3は車C2に衝突する事故になる。 (2)仮に,車C3が車C2に衝突しないでギリギリ停止で
きたとしても,車C3の後続車C4に追突される事故にな
る。(この場合,後続車C4の車間距離が十分でない場合
に発生する。) (3)車C3のドライバは,車C2が急ブレーキをかけたブ
レーキ灯を見て,車C2との衝突を回避するため,あわて
て,とっさの判断で,ハンドルをきり,隣の車線に車線
変更する。この場合,ハンドルをきらずに,急ブレーキ
で衝突せずに停止できたにもかかわらず,隣の車線を走
行する車C7を確認せず,急にハンドルをきり,隣の車線
を走行する車C7と衝突する事故にもなる。これは,とっ
さの人間の判断ミスでもあり,さらに,大惨事に結びつ
く。 【0004】このように,車C4以降も次々と玉突き衝突
し,大事故になる。玉突き事故は基本的に十分な車間距
離をとってないのが大きな要因である。また人間のとっ
さの判断ミスも要因の1つである。さらに,ドライバは
前の車のブレーキ灯を見てブレーキを操作すると人間の
反応時間がかかり,ブレーキをかけるわづかの時間がこ
ういう状況では問題になる。この反応時間は0.5秒とか
1秒とか言われており,人間の運動神経など個人差があ
る。車C5を見ると,最初の事故から5台目であり,もし
反応時間を1秒とした場合,5倍の5秒後に急ブレーキ
をかけることになる。現状の道路では,事故が発生した
場合,瞬時に,走行している車に,事故を伝達する装置
が装備されてない。したがって,現状では,十分な車間
距離をとってない場合,玉突き事故は避けられない状況
にあると言える。 【0005】最近,ITS(高度道路交通システムIntellig
ent Transport Systems)という名称で道路システムの
高度化が国内外で話題になっている。このITSの研究
は,高度に発展した情報・通信技術,計算機技術,制御
システム技術,画像処理技術などを駆使し,車の安全向
上とともに道路の効率向上などを目指すことを目的にし
ている。 【0006】このITSの1つに,車の運転支援技術に関
する研究が行われている。この研究は,各種インフラ設
備を道路に設置し,路側と情報交換可能な車(以後,単
にAHS車と呼ぶ)に各種の情報制御データを送り,この
指示に従ってAHS車を走行させるという研究である。こ
のITSの研究では,運転支援するために必要なセンサ,
路側と情報交換できる車の開発,路側と車との通信など
伝送システムなどの要素技術の開発が進められている。
例えば,画像処理技術を使い,車の車種,速度,位置,
道路上の障害物や事故とその位置を検出する道路状況把
握装置の開発が進められている。これらの要素技術が開
発されても,具体的な応用装置は実現しておらず,今後
の課題で,どういうシステム構成でどう応用するかの技
術はまだ確立していない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】高速道路などで,時
々,玉突き事故と呼ばれる大事故が発生すること及びそ
の原因を上で述べた。その中で,この発明は ドライバが,前方で何が発生しているかの情報を車か
ら把握できない。前の車のブレーキ灯を見て,人間の個
人差に応じた反応時間がかかる, 先行車との車間距離,および,後続車との車間距離が
短く,車間距離が十分でないため事故が発生する, とっさの判断で,隣の車線の車の位置などを確認せず
に,急に車線変更し,事故となる, などの課題を解決するものである。 【0008】すなわち、この発明のポイントは,事故あ
るいは障害物を直ちに検出し,AHS車とその周辺の車の
状況を判断し,その情報をもとに,AHS車に安全な情報
を提供し,玉突き事故の被害を少しでも減少させること
である。具体的なポイントは,図7で,もし,車線2を
走行している車C3の衝突が車線2で避けられない場合,
しかも,隣の車線があいている場合,この車C3を車線1
に車線変更させれば,車C4と車C2との車間距離が大きく
なり,車C4は車C2に衝突することなく停止でき可能性が
あることに着目している点である。すなわち車C3を車線
1に車線変更させ安全に減速停止でき,更に,車C4は車
C2に衝突することなく停止できれば,車C4以降の玉突き
が避けられるという点に着目している。 【0009】また,逆に車C3のドライバが,あわててと
っさの判断で急に車線変更すると危険な場合では,現状
走行している車線で減速停止させる情報を指示する点で
ある。また,どうしても,衝突が避けられない場合は,
衝突時の衝撃が小さい車線を選択する点である。すなわ
ち,この発明では,周囲の車の位置,速度,車種を把握
し,衝突の危険があるかどうかの車の走行予測演算を行
い,現在走行している車線で減速停止させるべきか,車
線変更して減速停止させるべきか,より安全な施策をと
るのがポイントである。 【0010】そこでこの発明は、前記に鑑み,道路上に
事故などを検知する装置を設置し,上記(1)から
(3)を考慮し,路側からAHS車に情報提供し,玉突き
する車の台数(玉突き事故の被害)を少しでも減少させ
る車の衝突防止制御方法を提供することを目的とする。 【0011】 【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に,この発明の車の衝突防止制御方法は,道路を走行し
ている車の車種,速度,位置,道路上の障害物や事故と
その位置を検出する道路状況把握手段と,該道路状況把
握手段で検出した信号を入力し,記憶するデータ入力処
理手段と,該データ入力処理手段で記憶されたデータを
もとに,事故あるいは障害物が発生すると,路側と情報
交換可能な車の車種,速度,位置および該車の周辺車の
車種,速度,位置とから車の走行予測演算を行い,路側
と情報交換可能な車を衝突回避させる車線を決定する機
能,および衝突回避できないと予測された場合は,衝突
時の被害が最小となる車線を決定する機能をそなえた衝
突回避演算手段と,該衝突回避演算手段で決定した結果
をもとに,路側と情報交換可能な車へ提供するため,障
害物や事故が発生したことと走行させるべき車線と減速
停止の情報とを作成するデータ出力処理手段と,データ
出力処理手段で作成した情報を路側と情報交換可能な車
へ伝送するデータ伝送手段とを具備したことを特徴とす
る。 【0012】 【作用】この発明において,道路状況把握手段は,セン
サ等を使用し,道路を走行している車の車種,速度,位
置,道路上の障害物や事故とその位置を検出する。道路
状況把握手段で検出された情報は,データ入力処理手段
において,メモリ等に記憶される。データ入力処理手段
で記憶された情報をもとに,事故あるいは障害物が発生
した場合に,衝突回避演算手段にて,対象となるAHS車
の車種,速度,位置および周辺車の車種,速度,位置と
を用いて対象となるAHS車を減速停止させるのに最も安
全な車線を決定する。つぎに,衝突回避演算手段で決定
した車線をもとに,データ出力処理手段では,最も安全
に減速停止させるための指示を,対象となるAHS車に対
し伝送するための提供情報を作成する。最後に,データ
出力処理手段で作成された提供情報を,データ伝送手段
にて対象となるAHS車に対し伝送する。情報提供されたA
HS車のドライバは,情報の指示に従い走行し,衝突回避
する。 【0013】 【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図面を参
照して説明する。実施の形態は,請求項1に記載の発明
に対応するものである。 【0014】(実施の形態の構成)図1は実施の形態の
システム構成を表している。図1に示すように,この実
施の形態は,道路1と,道路を走行する車2と,事故あ
るいは障害物3と,道路状況把握手段4と,データ入力
処理手段5と,衝突回避演算手段6と,データ出力処理
手段7と,データ伝送手段8により構成されている。 【0015】(実施の形態の作用)実施の形態の各手段
の作用について説明する。ここでは,図1に示すような
二車線の道路1において,対象とするAHS車Caが走行し
ている場合を想定する。図1において,車C1の前方にて
障害物が発生した場合を考える。事故の場合も一種の障
害物と考えれば同様に取り扱える。このままでは玉突き
事故が発生する可能性が高い例を示す。ここで想定して
いる状況において,玉突き事故を回避するには,障害物
の発生を道路状況把握手段4で検知後,車Caの前後の車
間が十分広い場合,いち早く障害物発生を車Caに通知
し,現在走行している車線2ですみやかに減速停止させ
れば良い。また,車線2のCaの前後の車間距離が短く
て,隣の車線1の前後の車間が十分広い場合,車Caを車
線1に車線変更させ減速停止することで回避可能であ
る。 【0016】すなわち,ここでポイントとなるのは,衝
突を回避する最も安全と考えられる車線の選択である。
また,前後の車間距離が十分広くなく,現在走行してい
る車線2にて減速停止してもどうしても衝突が避けられ
ない場合で,しかも隣の車線の前後の車との車間も十分
に広くないため,車線変更しても隣の車線1の車と衝突
する場合,交通事故の被害が最小となる車線を選択する
ことがポイントである。これに対しては,衝突の可能性
のある車を洗い出し,車種,速度,位置から最も被害が
少ないと考えられる車線を選択する。 【0017】以上をふまえ,この実施の形態の作用につ
いて説明する。道路状況把握手段4では,センサ等によ
り,障害物の発生位置等の障害物発生に関する情報(以
下障害物発生情報と略す)を検知する。また,道路状況
把握手段4では,センサ等により,道路走行中の全車の
車種,位置,速度等(以下車両情報と略す)が検出可能
とする。最近では画像処理装置の発展によってこれらが
計測可能となっている。データ入力処理手段5では,道
路状況把握手段4にて検知された障害物発生情報や車両
情報を,メモリ等に記憶する。これらは現在の計算機に
て容易に実現可能である。つぎに,衝突回避演算手段6
では,データ入力処理手段5にて記憶された障害物発生
情報や車両情報をもとに,車Caが玉突き衝突事故を回避
出来るような車線,または衝突回避が不可能な場合は被
害を最小にするような車線を決定する手段である。 【0018】この発明では障害物が発生した場合,以下
の2ケースを考える。 (ケース1)衝突を回避し,減速停止させる。(対象車
Caの前後の車間が十分広い場合で,車線1で減速停止さ
せる場合。また対象車Caの前後の車間が広くなく隣の車
線2の前後の車の車間が十分広い場合,車線2に車線変
更し減速停止させる場合。) (ケース2)車線2で減速停止すると追突されると予測
された場合,また,車線1に車線変更しても衝突するで
あろうと予測された場合において,被害が最小になる車
線で減速停止させる。(対象車の前後の車間が十分広く
ない場合で,かつ隣の車線の前後の車間も十分広くない
場合。) 【0019】このケース1,ケース2のアルゴリズムを
説明する。衝突回避演算手段6の基本的な考え方を図2
に示す。図2では,まず,車Caおよび車Ca付近の車の走
行を予測する。走行予測は,例えば,車Caの走行予測を
行うとすると,道路状況把握手段4で検知した車Caの現
在の位置,速度を初期値とし,車Caの減速率を使用し,
車Caの将来の位置,速度を以下の式で求める。 【0020】 【数1】 Ya(t):時刻tの車Caの位置(初期値は現在時刻の現在位
置) Ya(t+Δt):時刻t+Δtの車Caの位置 Va(t):時刻tの車Caの速度(初期値は現在時刻の現在速
度) Va(t+Δt):時刻t+Δtの車Caの速度 βa:車Caの減速率(常に負) Δt:走行予測を演算する時間刻み幅 【0021】上式は車Caのみを対象としているが,上式
を車Caおよび車Ca周辺の車(C4,C5,C7,C8)に適用
し,Ca,C4,C5,C7,C8の位置,速度を,現時点から
Ca,C4,C5,C7,C8の全てが停車するまで予測する。予
測した位置,速度からCa,C4,C5,C7,C8の位置−時間
曲線,位置−速度曲線が作成可能である。この位置−時
間曲線,位置−速度曲線を走行予測の結果とする。つぎ
に,走行予測の結果から,車Caが衝突回避可能か,衝突
回避不可能かをチェックする。 【0022】衝突回避可能であれば,図2のケース1に
示すように衝突回避可能な場合の中で最も最適な車線を
選択する。例えば,車Caの場合で車Caの前後の車との車
間が十分広くない場合で,隣の車線の前後の車間が十分
に広い場合は,車線変更して減速停止させればよい。し
かしながら,車Caの場合で車Caの前後の車との車間が十
分広い場合は,現在走行している車線で減速停止するほ
うが,ハンドル操作がない分,安全であり,最適な車線
と考えられる。衝突回避不可能なケース2の場合は,各
車の走行予測結果より,衝突時の速度がわかるため,こ
れをもとに衝突時の衝撃(運動エネルギー)を導き出
し,最も衝撃が少ない車線(最も被害が少ない車線)を
最適な車線とする。 【0023】考え方は以上であるが,以下に具体的な演
算処理を図3のフローに従って説明する。STEP1 パターン1:現在走行している車線で減速
停止する場合の演算 まず,STEP1では,現在走行している車線で減速停
止するパターン1の場合の車Caおよびその周辺の車の走
行予測を行う。この走行予測の例を図4で説明する。図
4の上部に走行している車の位置関係を示す。また,図
4の下部に現在走行している車線で玉突き事故が発生す
る例の位置−時間曲線を示す。図4では現時点Tから時
刻T+Taまでの位置−時間曲線を式(1)に従って計算し
た結果を示している。図4の位置−時間曲線は,車C
5が,車Caのブレーキ灯が点灯したことを確認した後,
反応遅れ時間後にブレーキをかけ減速することにより,
車C5が車Caに時刻T+Taで追突する例の位置−時間曲線で
ある。 【0024】STEP2 パターン1の場合に衝突回避
可能かのチェック STEP1の走行予測結果をもとにパターン1の場合の
衝突回避可能かのチェックを行う。チェックは対象車Ca
と対象車周辺の車の位置−時間曲線を比較することによ
り実施する。ここで,衝突回避可能であれば,STEP
3へ進む。図4の様に,衝突回避不可能であればSTE
P4へ進む。 【0025】STEP3 パターン1が最適とする。 STEP2にて衝突回避可能となった場合,パターン
1:現在走行している車線で減速停止する場合が最適で
あり,これに対応する車線が最適な車線とし演算を終了
する。 【0026】STEP4 パターン2:車線変更して減
速停止する場合の演算 STEP2にてパターン1の場合に衝突回避不可能であ
るという結果になった場合,STEP4にてパターン2
の車線1に車線変更した場合の車Caおよびその周辺の車
の走行予測を行う。図4の場合にパターン2の走行をさ
せた時の走行予測(位置−時間曲線)を図5に示す。 【0027】STEP5 パターン2の場合に衝突回避
可能かのチェック STEP4の走行予測結果をもとにパターン2の場合に
衝突回避可能かのチェックを行う。チェックは対象車Ca
と対象車周辺の車の位置−時間曲線を比較することによ
り実施する。ここで,衝突回避可能であれば,STEP
6へ進む。衝突回避不可能であればSTEP7へ進む。
図5の上部に車の位置関係を示す。この場合,図5の下
部の位置−時間曲線からわかるように,車Caが車線変更
し減速停止することで,後続車C5からの追突を回避して
いる。よって,図5の場合はパターン2で衝突回避可能
ということになる。 【0028】STEP6 パターン2が最適とする。 STEP5にて衝突回避可能となった場合,パターン2
の車線変更して減速停止する場合が最適であり,これに
対応する車線1が最適な車線とし演算を終了する。 【0029】STEP7 運動エネルギーの計算 STEP5にてパターン2の場合も衝突回避不可能であ
るという結果になった場合,パターン1でもパターン2
でも衝突回避不可能ということになる。つまり,どのよ
うな動作をとっても衝突が避けられないという場合であ
る。この場合,被害が最小になるパターンの動作を取る
ことにする。ここで,被害の大小は,衝突する車の運動
エネルギーの合計の大小として考える(運動エネルギー
の合計が大きいと被害が大きく,小さいと被害が小さい
と考える)。よって,STEP7ではSTEP8にて使
用するパターン1とパターン2の場合の各車の衝突直前
の運動エネルギーを演算する。ここで,2台の車Cjと車
Ckが衝突する場合のそれぞれの運動エネルギーの演算方
法の最も簡単な例を示す。車Cjと車Ckを質点と考える
と,車Cj,車Ckの運動エネルギーKj,Kkは以下の式で求
めることが可能である。 【0030】 【数2】 Kj:車Cjの衝突直前の運動エネルギー Kk:車Ckの衝突直前の運動エネルギー Mj:車Cjの質量 Mk:車Ckの質量 Vj:車Cjの衝突直前の速度 Vk:車Cjの衝突直前の速度 【0031】各車の質量は,車種から判断する。車種は
道路状況把握手段4で検出されているので,あらかじめ
車種と質量の関係を表すテーブルを用意しておくと車種
から容易に質量を求めることができる。また,各車の速
度は,式(1)にもとづいた走行予測結果の位置−時間
曲線と速度−位置曲線から衝突直前の速度を求めること
が可能である。以上により,式(2)にてパターン1と
パターン2の場合の各車の衝突直前の運動エネルギーを
演算後,STEP8へ進む。 【0032】STEP8 運動エネルギーの合計が小さ
い方を最適とする STEP8ではSTEP7にて演算されたパターン1と
パターン2の場合の各車の運動エネルギーをもとに,パ
ターン1とパターン2の各車の運動エネルギーを合計
し,被害が最小となるパターンを決定する。この被害が
最小となるパターンを最適なパターンとし,最適なパタ
ーンから最適な車線を決定し,演算を終了する。 【0033】衝突が避けられない例を図6に示す。図6
では,車Caは,パターン1:現在走行している車線で減
速停止を実施しても車C5に追突され,パターン2:車線
変更して減速停止を実施しても車C8に追突される例であ
る。よって,STEP7,STEP8の演算を行い,被
害が最小となるパターンを決定する必要がある。図6で
は,簡単のため,車C5,車C8は速度が同じで,車C5は大
型車で,車C8は普通車であり,質量に関しては車C5が車
C8より大幅に大きいとする。よって,運動エネルギー
は,質量が大幅に大きい大型車C5との衝突の場合が大き
く,普通車C8と衝突した方が被害が少ないと考えれられ
る。よって,図6での最適なパターン(被害が最小なパ
ターン)はパターン2となり,最適な車線は車線1とな
る。図3に示すSTEP1〜STEP8の演算は,現在
の計算機にて容易に実現可能である。以上が衝突回避演
算手段6の説明である。 【0034】衝突回避演算手段6にて決定した車線をも
とに,データ出力処理手段7では,車Caへの指示情報を
作成する。指示情報として最も簡単なものは,「前方に
事故発生。現状車線で減速停止して下さい。」とか「前
方に事故発生。車線1に車線変更し減速停止して下さ
い。」の指示に対する信号を作成することである。これ
らの信号作成も,現在の計算機にて容易に実現可能であ
る。 【0035】最後に,データ伝送手段8では,データ出
力処理手段7にて作成された信号を車Caへ伝送する。伝
送の方法としては,路側インフラとの通信を利用するも
のとする。これらの伝送は,例えば,路車間通信技術を
使用することで実現可能である。 【0036】(実施の形態の効果)この実施の形態で
は,道路上に事故や障害物が発生した場合,事故または
障害物を検知し,対象とするAHS車の周辺の車の走行予
測を,現在走行している車線で減速停止する場合と車線
変更して減速停止する場合に関して実施し,安全な車線
を決定し,これをもとに指示情報を作成し,対象とする
AHS車に通信によりいちはやく伝送することで,玉突き
事故を回避するという効果を持つ。また,どうしても衝
突が避けられない場合も,最も衝突の被害が少なくなる
ような指示情報を伝送することにより,事故の規模を最
小限におさえることができる。 【0037】(他の実施の形態)ここでは,路側インフ
ラとの通信が可能な場合に関する実施の形態を説明した
が,路側に電光掲示板がある場合,この電光掲示板にも
指示を同時に出す方法もある。また,車Caに路側から強
制操作ができるような装置が搭載されている場合,指示
情報を提供するのではなく,強制的に停止させたり,強
制的に車線変更させる方法もある。また,実施の形態で
は2車線の例で説明したが,3車線の場合も,同様の方
法が適用できる。 【0038】 【発明の効果】以上の説明のように,この発明は,道路
上に事故や障害物が発生した場合,事故または障害物を
検知し,対象とするAHS車の周辺の車の走行予測を実施
することで,安全な車線を決定し,これをもとに指示情
報を作成し対象とするAHS車にいちはやく伝送すること
で,玉突き事故を回避するという効果を持つ。また,ど
うしても衝突が避けられない場合も,最も衝突の被害が
少なくなるような指示情報を伝送することにより,事故
の規模を最小限におさえることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の実施の形態の図である。 【図2】衝突回避演算手段の基本的な考え方を示すフロ
ー図である。 【図3】衝突回避演算手段の演算フロー図である。 【図4】現状走行車線で玉突き事故になる場合の車の位
置関係および位置−時間曲線をあらわす図である。 【図5】車線変更して減速停止することにより衝突回避
可能な場合の車の位置関係および位置−時間曲線をあら
わす図である。 【図6】衝突回避不可能な場合の車の位置関係をあらわ
す図である。 【図7】道路上で事故または障害物が発生した場合の概
要図である。 【符号の説明】 1 道路 2 車 3 事故あるいは障害物 4 道路状況把握手段 5 データ入力処理手段 6 衝突回避演算手段 7 データ出力処理手段 8 データ伝送手段
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI G08G 1/09 G08G 1/09 F (72)発明者 田中 俊明 神奈川県川崎市幸区堀川町72番地 株式 会社東芝内 (56)参考文献 特開2000−306194(JP,A) 特開2000−276696(JP,A) 特開 平3−118698(JP,A) 特開 平9−188234(JP,A) 特開 平11−345396(JP,A) 特開 平11−53694(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08G 1/00 - 1/16 B60R 21/00 624 B60R 21/00 626

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 路側システムと車との情報交換が可能な
    インフラ設備を具備した道路で,交通事故が発生したと
    き,あるいは障害物が発生したとき,車の衝突防止を実
    現するための制御方法であって,道路を走行している車
    の車種,速度,位置,道路上の障害物や事故とその位置
    を検出する道路状況把握手段と,該道路状況把握手段で
    検出した信号を入力し,記憶するデータ入力処理手段
    と,該データ入力処理手段で記憶されたデータをもと
    に,事故あるいは障害物が発生すると,路側と情報交換
    可能な車の車種,速度,位置および該車の周辺車の車
    種,速度,位置とから車の走行予測演算を行い,路側と
    情報交換可能な車を衝突回避させる車線を決定する機
    能,および衝突回避できないと予測された場合は,衝突
    時の被害が最小となる車線を決定する機能をそなえた衝
    突回避演算手段と,該衝突回避演算手段で決定した結果
    をもとに,路側と情報交換可能な車へ提供するため,障
    害物や事故が発生したことと走行させるべき車線と減速
    停止の情報とを作成するデータ出力処理手段と,データ
    出力処理手段で作成した情報を路側と情報交換可能な車
    へ伝送するデータ伝送手段とを具備したことを特徴とす
    る車の衝突防止制御方法。
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