JP2007230327A - 走行制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車両を目標位置に対して安全側に確実に停止させることが可能な走行制御装置を提供することを課題とする。
【解決手段】自車両を目標位置に停止させる走行制御装置1であって、自車両を目標位置で停止させるための制動制御量を設定する設定手段5dと、設定手段5dで設定した制動制御量と所定の制動制御量との最大値に基づいて、自車両の制動制御を行う制御手段5eとを備えている。この走行制御装置1によれば、設定された制動制御量が所定の制動制御量より大きい場合には、設定された制動制御量にて自車両の制動制御が行われ、設定された制動制御量が所定の制動制御量より小さい場合には、所定の制動制御量にて自車両の制動制御が行われので、自車両を目標位置に対して安全側に確実に停止させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両を制動制御する走行制御装置に関するものである。
車両を運転するドライバの操作負担を軽減するための走行制御装置が知られている。走行制御装置には、カメラやレーダなどのセンサによって自車両の前方または後方の障害物(例えば、他車両、人、物体)を検出し、自車両を制動制御することによって障害物との衝突を防止する衝突防止装置がある。特許文献1には、検出された他車両との距離および相対速度から衝突回避のために必要な衝突回避要求減速度を算出し、この衝突回避要求減速度を制動制御開始の判断および制動制御開始後の制動制御目標値に用いる衝突防止装置が記載されている。
特開2004−259151号公報
しかしながら、特許文献1に記載の衝突防止装置は、算出した衝突回避要求減速度を制動制御目標値としてそのまま用いているので、自車両を他車両に接近させてしまう可能性がある。例えば、自車両が上り勾配を登っているとき、自車両には重力加速度が走行方向とは反対方向に作用することによって制動力に余裕ができ、算出される衝突回避要求減速度が小さくなり、制御制動力が小さくなる。一方、下り勾配では、自車両には重力加速度が走行方向に作用する。そのために、自車両が下り勾配を下り始めたときには、小さい制御制動力と走行方向に作用する重力加速度とによって、自車両が他車両に急激に接近してしまう可能性がある。
そこで、本発明は、自車両を目標位置に対して安全側に確実に停止させることが可能な走行制御装置を提供することを目的としている。
本発明の走行制御装置は、自車両を目標位置で停止させるための制動制御量を設定する設定手段と、設定手段で設定した制動制御量と所定の制動制御量との最大値に基づいて、自車両の制動制御を行う制御手段とを備えている。
この走行制御装置では、制御手段により、設定手段によって設定された制動制御量が所定の制動制御量より大きい場合には、設定された制動制御量にて自車両の制動制御が行われ、設定された制動制御量が所定の制動制御量より小さい場合には、所定の制動制御量にて自車両の制動制御が行われる。所定の制動制御量とは、自車両を目標位置に停止させるために最低限必要な制動制御量である。したがって、この走行制御装置では、大きな制動力が必要になった場合(例えば、自車両の走行方向に加速度が作用した場合)でも、設定した制動制御量を用いて目標位置より手前に自車両を停止させることができる。また、この走行制御装置では、設定した制動制御量が小さくなった場合(例えば、自車両の走行方向と反対方向に重力加速度が作用した場合)でも、所定の制動制御量を用いて少なくとも目標位置に自車両を停止させることができる。故に、この走行制御装置では、自車両を目標位置に対して安全側に確実に停止させることができる。
本発明の上記走行制御装置では、設定手段は、自車両を一定減速度で減速させるための制動制御量を設定することが好ましい。この走行制御装置では、制動制御量として一定減速度を求めればよいので、演算処理が簡易となる。
本発明の上記走行制御装置は、障害物を検出する障害物検出手段を備え、目標位置は、障害物検出手段で検出した障害物より自車両側の位置としてもよい。この走行制御装置では、自車両を停止させる目標位置を障害物より自車両側としているので、自車両を障害物に対して安全側に確実に停止させることができる。
本発明によれば、自車両を目標位置に対して安全側に確実に停止させることができる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本実施形態では、後退走行時に、自車両後方における障害物との衝突を防止するための衝突防止装置(走行制御装置に相当)について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る衝突防止装置の構成を示す図である。図1に示す衝突防止装置1は、レーダセンサ2、舵角センサ3、車速センサ4、ECU(Electronic Control Unit)5、およびブレーキアクチュエータ6を備えている。
レーダセンサ2は、自車両後方における障害物の有無、自車両に対する障害物の方向、および自車両と障害物との距離を検出するセンサである。例えば、レーダセンサ2は、ミリ波信号を送受信するミリ波レーダセンサである。レーダセンサ2は、自車両後方における所定の範囲にミリ波信号を送信し、このミリ波信号が障害物によって反射された反射波信号を受信して、自車両後方における障害物の有無、および自車両に対する障害物の方向を検出する。また、レーダセンサ2は、ミリ波信号送信時間と反射波信号受信時間とから、障害物までの距離を算出する。レーダセンサ2は、障害物の有無情報、障害物の方向情報および障害物までの距離情報を含むレーダ信号をECU5へ送信する。なお、本実施形態では、レーダセンサ2が、特許請求の範囲に記載の障害物検出手段に相当する。
舵角センサ3は、自車両の舵角を検出するセンサである。例えば、舵角センサ3は、ステアリングシャフトの回転角(操舵角)を検出することによって自車両の舵角を検出する。舵角センサ3は、検出した舵角を舵角信号としてECU5へ送信する。
車速センサ4は、自車両の速度を検出するセンサである。例えば、車速センサ4は、車輪の回転速度を検出することによって自車両の速度を検出する。車速センサ4は、検出した自車両の速度を車速信号としてECU5へ送信する。
ECU5は、演算を行うCPU(Central Processing Unit)、CPUに各処理を実行させるためのプログラム等を記憶するROM(Read Only Memory)、演算結果などの各種データを記憶するRAM(Random Access Memory)などから構成されている。このような構成により、ECU5には、障害物有無判定部5a、制動開始距離算出部5b、制動制御開始判定部5c、目標減速度算出部5dおよび制動制御部5eが構築されている。なお、本実施形態では、目標減速度算出部5dが特許請求の範囲に記載の設定手段に相当し、制動制御部5eが特許請求の範囲に記載の制御手段に相当する。
障害物有無判定部5aでは、自車両後方に障害物があるか否かを判定する。具体的には、障害物有無判定部5aでは、レーダセンサ2からの障害物の有無情報および方向情報、並びに舵角センサ3からの自車両の舵角(自車両の進行方向)に基づいて、自車両の後退方向に障害物が存在するか否かを判定する。
制動開始距離算出部5bでは、車速センサ4からの現在車速V0、予め記憶されている制動開始距離用減速度A0および余裕距離L0に基づく下式(1)によって、制動開始距離LTを算出する。
Figure 2007230327

制動開始距離用減速度A0とは、制動制御において最低限必要な減速度であり、実験やシミュレーションによって予め設定される。この制動開始距離用減速度A0の値は、例えば−0.6G程度であればよい。ここで、Gは重力加速度を表しており、1Gは約9.8m/sである。
また、余裕距離L0とは、自車両を停止させる目標位置と障害物との距離である。すなわち、余裕距離L0が大きいほど、自車両を障害物から離れた手前の位置で停止させることができる。余裕距離L0は、例えば数十cm以下であればよく、障害物が壁などの物体の場合には0cmでもよい。
制動制御開始判定部5cでは、制動開始距離算出部5bで算出された制動開始距離LTおよびレーダセンサ2からの障害物までの距離情報に基づいて、制動開始距離LTと障害物までの現在距離Lとを比較して、L≦LTであるか否かを判定する。制動制御開始判定部5cでは、L≦LTと判定した場合に制動制御を開始する。
目標減速度算出部5dでは、レーダセンサ2からの障害物までの現在距離L、車速センサ4からの自車両の現在車速V、および予め記憶されている余裕距離L0に基づく下式(2)によって、目標減速度GTを算出する。
Figure 2007230327

上記(2)式から明らかなように、目標減速度GTは、自車両を一定減速度で減速させることによって、自車両を目標位置で停止させるための制動制御量である。
制動制御部5eでは、目標減速度GTと予め記憶されている初期減速度G0とを比較して、GT<G0であるか否かを判定する。GT≧G0と判定した場合には、制動制御部5eは、目標減速度GTを制動減速度として、制動減速度に応じてブレーキ油圧を算出し、このブレーキ油圧を示す制御信号をブレーキアクチュエータ6へ送信する。また、GT<G0と判定した場合には、制動制御部5eは、初期減速度G0を制動減速度として、上記同様、制御信号をブレーキアクチュエータ6へ送信する。
初期減速度G0とは、平坦かつ一般的な路面摩擦係数を有する道路において、自車両を目標位置で停止させるために必要な減速度であり、例えば−0.6G程度であればよい。
ブレーキアクチュエータ6は、ECU5から制御信号を受信し、この制御信号に示されるブレーキ油圧を発生させる。この発生したブレーキ油圧によって、自車両に制動力が発生する。
次に、図1を参照し、走行制御装置1の動作を説明する。特に、ECU5における動作については、図2のフローチャートに沿って説明する。図2は、図1に示すECUの処理の流れを示すフローチャートである。
レーダセンサ2では、自車両後方における障害物の有無、自車両に対する障害物の方向および障害物までの距離を検出し、レーダ信号をECU5へ送信する。舵角センサ3では、舵角を検出して舵角信号をECU5へ送信する。車速センサ4では、車速を検出して車速信号をECU5へ送信する。
ECU5では、障害物の有無情報および方向情報、並びに舵角に基づいて、自車両の後退方向に障害物が存在するか否かを判定する(ステップS1)。
次いで、ステップS1において自車両の後退方向に障害物が存在すると判定した場合、ECU5では、現在車速V0、制動開始距離用減速度A0および余裕距離L0を用いて上記(1)式から、制動開始距離LTを算出する(ステップS2)。
次いで、ECU5では、制動開始距離LTと障害物までの現在距離Lとを比較して、L≦LTであるか否かを判定する(ステップS3)。
次いで、ステップS3においてL≦LTであると判定した場合、ECU5では、障害物までの現在距離L、現在車速Vおよび余裕距離L0を用いて上記(2)式から、目標減速度GTを算出する(ステップS4)。
次いで、ECU5では、目標減速度GTと初期減速度G0とを比較し、GT<G0であるか否かを判定する(ステップS5)。
次いで、ステップS5においてGT<G0であると判定した場合、ECU5では、初期減速度G0を制動減速度として設定する(ステップS6)。一方、ステップS5においてGT≧G0であると判定した場合、ECU5では、目標減速度GTを制動減速度として設定する(ステップS7)。
次いで、ECU5では、制動減速度に応じたブレーキ油圧を制御信号としてブレーキアクチュエータ6へ送信する。(ステップS8)。ブレーキアクチュエータ6では、制御信号に示されるブレーキ油圧を発生させる。すると、そのブレーキ油圧に応じた制動力が自車両に発生し、自車両が制動減速度にて減速する。この制動制御によって、自車両は障害物に対して余裕距離L0より手前に停止する。
なお、ステップS1において自車両の後退方向に障害物がないと判定した場合には、ECU5は処理を終了する。また、ステップS3においてL≦LTでないと判定した場合には、ECU5は処理を終了する。
このように、衝突防止装置1では、算出した目標減速度GTが初期減速度G0より大きい場合には目標減速度GTにて自車両の制動制御を行い、目標減速度GTが初期減速度G0より小さい場合には初期減速度G0にて自車両の制動制御を行う。これによって、衝突防止装置1では、自車両の後退方向に重力加速度が作用するなどして大きな制動力が必要になった場合でも、算出した目標減速度GTを用いて目標位置より手前に自車両を停止させることができる。また、衝突防止装置1では、自車両の後退方向と反対方向に重力加速度が作用するなどして算出した目標減速度GTが小さくなった場合でも、初期減速度G0を用いて少なくとも目標位置に自車両を停止させることができる。故に、この衝突防止装置1によれば、自車両を目標位置に対して安全側に確実に停止させることができる。
また、衝突防止装置1によれば、障害物を検出し、障害物に対して余裕距離L0を考慮した目標位置を設定しているので、障害物に対して安全側に確実に停止させることができる。
また、衝突防止装置1によれば、簡易な算出式により一定減速度の目標減速度GTを算出しているので、演算負荷を低減することができる。
例えば、この衝突防止装置1は、上り勾配や下り勾配を有する道路、あるいは水溜り、凍結および積雪などに起因する低路面摩擦係数の道路などの制動に対して悪条件である道路において、大きな効果を有する。上り勾配を有する道路において、自車両の後退方向と反対方向に重力加速度が作用して目標減速度GTが小さくなった場合でも、衝突防止装置1では、自車両に発生する制動力を初期減速度G0以下に低下することがない。また、下り勾配を有する道路や低路面摩擦係数の道路において、大きな制動力が必要になった場合でも、衝突防止装置1では、大きな制動力を付与するように設定した目標減速度GTを用いて、自車両に大きな制動力を付与することができる。したがって、衝突防止装置1によれば、上り勾配の道路走行後に下り勾配の道路や低路面摩擦係数の道路に差し掛かっても、上り勾配の道路において充分に減速することができ、下り勾配の道路や低路面摩擦係数の道路であっても自車両を目標位置に対して安全側に確実に停止させることができる。
なお、本発明は上記した本実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
例えば、障害物(物体、人、車両など)を識別する手段を有していてもよい。障害物を識別する手段としては、例えばカメラなどの画像に基づく画像認識が適用可能である。上述したように、障害物が物である場合、余裕距離は0cmであってもよいが、障害物が人である場合には、余裕距離は例えば20cm程度であることが好ましい。これによって、自車両を人より手前の余裕のある位置で停止することができ、より安全性を確保することができる。
また、駐車スペースを領域分けするライン、交差点や踏み切りなどの停止線を目標位置とすることができる。この場合、目標位置の有無、目標位置の方向、自車両と目標位置との距離を検出する手段として、カメラによる画像認識を用いればよい。
また、本実施形態では、後退時の衝突防止制御について例示したが、前進時の衝突防止制御や車間距離制御にも適用可能である。車間距離制御の場合には、現在速度の代わりに障害物との相対速度を用いればよい。障害物との相対速度は、例えば、レーダセンサにおいて障害物までの距離の時間変化を検出することによって求めることができる。また、衝突防止装置の場合にも、障害物が移動しているときには障害物との相対速度を用いればよい。
また、本実施形態では、設定手段として、簡易な演算処理によって一定の目標減速度を算出したが、非線形に変化するような目標減速度を求める演算処理を行ってもよい。また、設定手段としては、予め設定されたマップを用いて目標減速度を設定してもよい。
本発明の実施形態に係る衝突防止装置の構成を示す図である。 図1に示すECUの処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1…衝突防止装置、2…レーダセンサ、3…舵角センサ、4…車速センサ、5…ECU、5a…障害物有無判定部、5b…制動開始距離算出部、5c…制動制御開始判定部、5d…目標減速度算出部、5e…制動制御部、6…ブレーキアクチュエータ。

Claims (3)

  1. 自車両を目標位置で停止させるための制動制御量を設定する設定手段と、
    前記設定手段で設定した制動制御量と所定の制動制御量との最大値に基づいて、前記自車両の制動制御を行う制御手段と
    を備える走行制御装置。
  2. 前記設定手段は、前記自車両を一定減速度で減速させるための制動制御量を設定することを特徴とする請求項1に記載の走行制御装置。
  3. 障害物を検出する障害物検出手段を備え、
    目標位置は、前記障害物検出手段で検出した障害物より自車両側の位置であることを特徴とする請求項1または2に記載の走行制御装置。

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