JP3450479B2 - エチレン系重合体 - Google Patents

エチレン系重合体

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JP3450479B2 JP32600394A JP32600394A JP3450479B2 JP 3450479 B2 JP3450479 B2 JP 3450479B2 JP 32600394 A JP32600394 A JP 32600394A JP 32600394 A JP32600394 A JP 32600394A JP 3450479 B2 JP3450479 B2 JP 3450479B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なエチレン系重合体
に関する。さらに詳しくは溶融張力、成形性に優れるエ
チレン系重合体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
エチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンは、軽
量で経済性に優れ、かつ溶融成形性に優れていることか
ら、押出成形、ブロー成形、射出成形などの溶融成形に
よって容易に成形され、広く利用されている。しかし、
これらポリオレフィンのうちでエチレン系重合体、特に
チーグラー型重合触媒によって重合したエチレン系重合
体は溶融成形性に優れているものの、ブロー成形の分野
においては溶融張力および溶融弾性が不足し、その結果
成形時にドローダウンの現象が起り易い等の欠点があ
り、それらの改善が強く要望されている。従来、ポリオ
レフィンのかかる物性を改善しようとする試みが提案さ
れている。例えば、ポリオレフィンの製造時における触
媒や重合処方を改良してその分子量分布を広げることに
より目的を達成しようとする方法、あるいはポリオレフ
ィンを部分的に架橋させて同様の目的を達成しようとす
る方法などが試みられている。
【0003】また近年、メタロセン化合物とアルミノキ
サンを必須とする触媒系を用いることによる非常に高い
活性でエチレン系重合体を製造する方法が特開昭58−
19309号公報、特開昭60−35007号公報等に
提案されている。しかし、この方法により製造されるエ
チレン系重合体は分子量分布が狭く、種々の成形方法に
より成形する場合、溶融張力が低い等の理由により成形
しにくいという問題があった。一方、前記成形性の改良
を目的としたオレフィンの重合方法が特開平4−213
306号公報等に提案されているが、その改良効果は未
だ十分とは言えなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな現状に鑑み、鋭意検討した結果、溶融張力、成形性
に優れるエチレン系重合体を見い出し、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は下記(a)〜(e)の各条件を
満足することを特徴とするエチレン系重合体に関する。
【0005】(a)190℃における2.16kg荷重
でのメルトインデックス(MI)が0.001〜100
g/10分の範囲にあり、(b)密度が0.860〜
0.975g/cm3 の範囲であり、(c)190℃に
おける溶融張力(MT)とMIとが、式
【0006】
【数3】 logMT>−0.8logMI+0.53 …(A)
【0007】なる関係式を満たし、かつ
【0008】
【数4】
【0009】なる関係を満たすことを特徴とするエチレ
ン系重合体。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おけるエチレン系重合体は、エチレン単独重合体または
エチレンと炭素数4ないし20、好ましくは炭素数
いしのα−オレフィンとのランダム共重合体である。
炭素数ないし20のα−オレフィンとしては、ブテン
−1、ペンテン−1、3−メチルブテン−1、ヘキセン
−1、4−メチルペンテン−1、3−メチルペンテン−
1、オクテン−1、デセン−1、テトラデセン−1、ヘ
キサデセン−1、オクタデセン−1、エイコセン−1な
どが使用される。更にスチレン及びその誘導体、好まし
くはビニルシクロヘキセンなどのビニル化合物も使用す
ることができる。また、必要に応じて1,5−ヘキサジ
エン、1,7−オクタジエンなどの非共役ポリエン又は
環状オレフィンを少量、例えば10重量%以下、好まし
くは5重量%以下含有する3元ランダム共重合体であっ
てもよい。このようにして得られたエチレン系重合体の
メルトインデックス(MI)は0.001〜100g/
10分、好ましくは0.005〜80g/10分の範囲
である。
【0011】MIはASTMD1238に準拠し、19
0℃、2.16kg荷重で測定した。次にこのエチレン
系重合体の密度は0.860g/cm3 〜0.975g
/cm3 である。密度はメルトインデックス測定時に得
られるストランドを100℃で1時間熱処理し、さらに
室温で1時間放冷した後に密度勾配管法で測定した。こ
のようなエチレン系重合体はエチレン単位を55〜10
0重量%含有し、炭素数3〜20のα−オレフィン単位
を0〜45重量%含有する。また、MIの測定と同一装
置を用い、190℃で11.1kg荷重及び1.1kg
荷重の条件下における流出量比で表わされるFR、即
ち、
【0012】
【数5】
【0013】が10〜300、好ましくは11〜280
の範囲である。FRが小さいと成形時の押出性が低下
し、成形しにくいという問題が生じる。さらに、本発明
のエチレン系重合体の溶融張力(MT)とMIは次式の
関係を満たす。
【0014】
【数6】 logMT>−0.8logMI+0.53 …(A)
【0015】好ましくは
【0016】
【数7】 logMT>−0.8logMI+0.71 …(A′)
【0017】さらに好ましくは
【0018】
【数8】 logMT>−0.8logMI+0.93 …(A″)
【0019】MTが低い時、例えば中空成形に用いた場
合、ドローダウンが発生して成形品の肉厚が不均一であ
ったり、あるいは吹きやぶれるといった問題が生じる。
また、インフレーションフィルムを高速で成形する場
合、バブルのちぎれ、あるいはゆれが生じるといった問
題がある。MTの測定はインテスコ社製のメルトテンシ
ョンテスターを使用し、ノズル径2.095mmφ、ノ
ズル長8mm、流入角90°、190℃の温度で、押出
速度0.716cc/分、引取り速度10m/分、エア
ギャップ40cmの条件で行なった。なお、上述したM
Iの測定、FRの測定及びMTの測定に際しては予めエ
チレン系重合体に2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾー
ルを0.1重量%配合した。また、さらに本発明のエチ
レン系重合体は、式
【0020】
【数9】
【0021】
【数10】
【0022】
【数11】
【0023】又は分子構造として長鎖分岐構造を含有
し、伸長流動を伴う成形加工に際して均一延伸性が優れ
ているため、ブロー成形、インフレーション成形、ラミ
ネート成形などに適している。一方、n値は分子量分
布、あるいは分岐密度に関係するパラメータであり、こ
の値の小さなものは成形品の物性(耐衝撃性、引裂き強
度、アンチブロッキング性等)に対して悪影響を与える
低分子量成分の含有量が少なく、好ましい。本発明によ
り得られるエチレン系重合体は、従来のものでは併せ持
つことが困難であった、優れた成形性と物性を同時に有
するものであり、実用上極めて有用な重合体である。
【0024】定常剪断粘度の測定にはレオメトリクス社
製RSR−M、RMS−800、及びインテスコ社製I
NTESCO2020型キャピラリー式粘度計を用い
た。RSR−Mには測定治具として直径25mm、円錐
角0.1radの円錐−円板型治具を用いた。またRM
S−800の測定治具には直径25mmあるいは7.9
mm、円錐角0.1radの円錐−円板型治具を用い
た。INTESCO2020型キャピラリー式粘度計に
は直径1.0mm、管長50mm、流入角90°のノズ
ルを用い、剪断速度の補正としてラビノビッチ(Rab
inowitch)補正を行なった。RSR−Mはクリ
ープ測定型の回転式粘度計であり、剪断応力σ=20〜
1500dyne/cm2 の範囲での測定に用いた。
【0025】
【数12】
【0026】測定は全て190℃で行なった。RSR−
M、RMS−800の測定に用いた試料は、熱安定剤と
して2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾールを0.1重
量%添加した後、190℃の熱プレスにて直径25m
m、厚さ1mmのディスク状試験片として測定に供し
た。INTESCO2020型キャピラリー式粘度計の
測定に用いた試料は、190℃の熱プレスにて作成され
た脱泡試料をペレット化し、測定に供した。
【0027】本発明におけるエチレン系重合体は、例え
ば後述するような酸処理及び/又は塩類処理による化学
処理及び加熱脱水処理を行って得られた粘土、粘土鉱物
またはイオン交換性層状化合物、有機アルミニウム及び
メタロセン系遷移金属化合物との接触生成物を含有する
特定の触媒の存在下、前記オレフィンを重合させること
により製造できる。以下、その触媒について説明する。
メタロセン系遷移金属化合物として好ましいものは、下
記一般式〔I〕もしくは〔2〕で表わされる化合物であ
る。
【0028】
【化1】 (CpR1 a 5-a p (CpR2 b 5-b q MR3 r …〔1〕 [(CpR1 a 5-a p (CpR2 b 5-b q MR3 r m n+[R4 ] …〔2〕
【0029】ここで、CpR1 a 5-a およびCpR2
b 5-b は、シクロペンタジエニル(Cp)基の誘導体
を示す。〔1〕、〔2〕式中R1 、R2 は炭素数1から
20の置換されていてもよい炭化水素基、ケイ素含有置
換基、リン含有置換基、窒素含有置換基、酸素含有置換
基であり各々同一でも異なっていてもよい。
【0030】具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアル
キル基、フェニル基、p−トリル基、o−トリル基、m
−トリル基等のアリール基、フルオロメチル基、フルオ
ロエチル基、フルオロフェニル基、クロロメチル基、ク
ロロエチル基、クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブ
ロモエチル基、ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨ
ードエチル基、ヨードフェニル基等のハロ置換炭化水素
基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフ
ェニルシリル基等のケイ素含有置換基、メトキシ基、エ
トキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ
基、イソブトキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ
基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ペンタメチル
フェノキシ基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ
基、o−トリルオキシ基等のアリールオキシ基等があげ
られる。これらのうち好ましくはメチル基、エチル基、
プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、トリメチルシリル基、メトキシ基、
フェノキシ基等である。
【0031】また、R1 とR2 は、互いに結合して架橋
基を形成してもよい。具体的には、メチレン基、エチレ
ン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデ
ン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジ
フェニルメチリデン基のようなアルキリデン基、ジメチ
ルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレ
ン基、ジイソプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン
基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン
基、メチルイソプロピルシリレン基、メチル−t−ブチ
ルシリレン基のようなケイ素含有架橋基、ジメチルゲル
ミレン基、ジエチルゲルミレン基、ジプロピルゲルミレ
ン基、ジイソプロピルゲルミレン基、ジフェニルゲルミ
レン基、メチルエチルゲルミレン基、メチルフェニルゲ
ルミレン基、メチルイソプロピルゲルミレン基、メチル
−t−ブチルゲルミレン基のようなゲルマニウム含有架
橋基等、アミノ基等、ホスフィニル基等があげられる。
【0032】さらに、R1 どうし、またはR2 どうしで
互いに結合して環を形成してもよい。具体的には、イン
デニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル
基、オクタヒドロフルオレニル基等が好ましくあげら
れ、これらは炭化水素基等で置換されていてもよい。R
3 は炭素数1から20の置換されてもよい炭化水素基、
水素、ハロゲン、ケイ素含有置換基、アルコキシ基、ア
リールオキシ基、アミド基、またはチオアルコキシ基、
S(O)s 5 、OR5 、NR5 t 、SiR5 、P
(O)u 5 3 であり、sは0、1、2または3であ
り、tは0、1、2または3であり、uは0、1、2ま
たは3であり、R5 は同一または異なっていてもよい水
素、ハロゲン、ケイ素含有基、ハロゲン置換基を有して
いてもよい炭素数が1ないし20の炭化水素基である。
【0033】具体的には、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−
ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、
ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等のアル
キル基、フェニル基、p−トリル基、o−トリル基、m
−トリル基等のアリール基、フルオロメチル基、フルオ
ロエチル基、フルオロフェニル基、クロロメチル基、ク
ロロエチル基、クロロフェニル基、ブロモメチル基、ブ
ロモエチル基、ブロモフェニル基、ヨードメチル基、ヨ
ードエチル基、ヨードフェニル基等のハロ置換炭化水素
基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン、トリメ
チルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリ
ル基等のケイ素含有置換基、メトキシ基、エトキシ基、
プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブ
トキシ基、t−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキ
シ基、メチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ
基、p−トリルオキシ基、m−トリルオキシ基、o−ト
リルオキシ基等のアリールオキシ基、ジメチルアミド
基、ジエチルアミド基、ジプロピルアミド基、ジイソプ
ロピルアミド基、エチル−t−ブチルアミド基、ビス
(トリメチルシリル)アミド基等のアミド基、メチルチ
オアルコキシ基、エチルチオアルコキシ基、プロピルチ
オアルコキシ基、ブチルチオアルコキシ基、t−ブチル
チオアルコキシ基、フェニルチオアルコキシ基等のチオ
アルコキシ基があげられる。これらのうち好ましくは水
素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、ブチル基、フェニル基、塩素等のハロゲン、メトキ
シ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、
ジメチルアミド基、メチルチオアルコキシ基があげら
れ、水素、メチル基、塩素が特に好ましい。
【0034】またR3 は、R1 もしくはR2 もしくはC
pと結合していてもよく、このような配位子の具体例と
して、CpH4 (CH2 n O−(1≦n≦5)、Cp
Me 4 (CH2 n O−(1≦n≦5)、CpH4 (M
2 Si)(t−Bu)N−、CpMe4 (Me2
i)(t−Bu)N−等(Cpはシクロペンタジエニル
基、Meはメチル、Buはブチル基を示す)があげられ
る。
【0035】さらに、R3 が相互に結合して二座配位子
を形成してもよい。このようなR3の具体例としては、
−OCH2 O−、−OCH2 CH2 O−、−O(o−C
6 4 )O−等があげられる。Mは周期律表第 IIIb、
IVb、Vb、VIb族の原子であり、具体的には、スカン
ジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオ
ジム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニ
ウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エル
ビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、アク
チニウム、トリウム、プロトアクチニウム、ラウン、チ
タニウム、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニ
オブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステンが
あげられる。これらのうち、IVb族のチタニウム、ジル
コニウム、ハムニウムが好ましく用いられる。また、こ
れらは混合して用いてもよい。
【0036】Lは電気的に中性な配位子、mはその個数
で通常0〜4の整数を示し、具体的にはジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、ジオキサンのようなエーテル
類、アセトニトリルのようなニトリル類、ジメチルホル
ムアミドのようなアミド類、トリメチルホスフィンのよ
うなホスフィン類、トリメチルアミンのようなアミン類
をあげることができる。好ましくはテトラヒドロフラ
ン、トリメチルホスフィン、トリメチルアミンである。
【0037】〔R4 〕はカチオンを中和する1個または
2個以上のアニオンであり、具体的には、テトラフェニ
ルボレート、テトラ(p−トリル)ボレート、カルバド
デカボレート、ジカルバウンデカボレート、テトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラフルオロ
ボレート、ヘキサフルオロフォスフェート等をあげるこ
とができる。好ましくは、テトラフェニルボレート、テ
トラ(p−トリル)ボレート、テトラフルオロボレー
ト、ヘキサフルオロフォスフェートである。a、bは0
〜5の整数である。また、p、q、rは、Mの価数をV
とした時に、メタロセン系遷移金属化合物が式〔1〕の
場合には、p+q+r=Vを満たす負でない整数であ
り、メタロセン系遷移金属化合物が式〔2〕の場合に
は、p+q+r=V−nを満たす負でない整数である。
通常p、qは0〜3の整数で、好ましくは0又は1であ
る。rは0〜3の整数で好ましくは1又は2である。
【0038】上述のメタロセン系遷移金属化合物のう
ち、特に好ましくはジルコニウムを例にとれば、式
〔1〕に相当するものとしては、ビス(シクロペンタジ
エニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペン
タジエニル)ジルコニウム二水素化物、ビス(メチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス
(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジ
クロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニ
ル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、エチ
レン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、
ジメチルシリル−ビス(インデニル)ジルコニウムジク
ロライド等である。
【0039】また、一般式〔2〕に相当するものとして
は、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(クロ
ライド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラ
ン錯体、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)
(フルオレニル)ジルコニウム(クロライド)(テトラ
フェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、エチレン
−ビス(インデニル)ジルコニウム(クロライド)(テ
トラフェニルボレート)テトラヒドロフラン錯体、ジメ
チルシリル−ビス(インデニル)ジルコニウム(クロラ
イド)(テトラフェニルボレート)テトラヒドロフラン
錯体等である。
【0040】また、チタニウム化合物、ハフニウム化合
物等の他の第IVb、Vb、VIb族金属化合物について
も、上記と同様の化合物があげられる。更に、これら化
合物の混合物を用いても良い。有機アルミニウム化合物
としては、通常、公知の有機アルミニウム化合物が用い
られる。具体的には、トリメチルアルミニウム、トリエ
チルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、
ジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミ
ニウムメトキシド等のハロゲンあるいはアルコキシ含有
アルキルアルミニウム、メチルアルミノキサン等のアル
ミノキサン等であり、このうち特にトリアルキルアルミ
ニウムが好ましい。
【0041】粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化
合物としては、通常公知のものが用いられる。粘土は、
通常、粘土鉱物を主成分として構成される。また、イオ
ン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成され
る面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造
をとる化合物であり、含有するイオンが交換可能なもの
をいう。大部分の粘土はイオン交換性層状化合物であ
る。また、これら粘土、粘土鉱物、イオン交換性層状化
合物は天然産のものに限らず、人工合成物であってもよ
い。
【0042】粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフ
ェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カ
オリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロ
イサイト、ハイロサイト等のハロイサイト族、クリソタ
イル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モ
ンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノント
ロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイ
ト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イラ
イト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャ
イト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイ
ト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフ
ィライト、リョクデイ石群等があげられる。これらは混
合層を形成していてもよい。これらのうち好ましくはデ
ィッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイ
ト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等
のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アン
チゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナ
イト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘ
クトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバ
ーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等
の雲母鉱物があげられ、特に好ましくはモンモリロナイ
ト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サ
ポナイト、ヘクトライト等のスメクタイトがあげられ
る。
【0043】イオン交換性層状化合物の具体例として
は、α−Zr(HAsO4 2 ・H2O、α−Zr(H
PO4 2 、α−Zr(KPO4 2 ・3H2 O、α−
Ti(HPO4 2 、α−Ti(HAsO4 2 ・H2
O、α−Sn(HPO4 2 ・H2 O、γ−Zr(HP
4 2 、γ−Ti(HPO4 2 、γ−Ti(NH4
PO4 2 ・H2 O等の多価金属の結晶性酸性塩があげ
られる。
【0044】これら、粘土、粘土鉱物またはイオン交換
性層状化合物は酸処理又は塩類処理あるいはこの両方の
処理といった化学処理を施した後、使用される。本発明
では、これら粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化
合物は加熱処理をしたものが使用される。これら粘土、
粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物には、通常吸着
水および層間水が含まれる。ここで、吸着水とは、粘
土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化合物粒子の表面
あるいは結晶破面に吸着された水で、層間水は結晶の層
間に存在する水である。本発明では、加熱処理によりこ
れらの吸着水及び/又は層間水を除去したものが用いら
れることになり、望ましい。粘土、粘土鉱物および層間
水の吸着水および層間水の加熱処理方法は特に制限され
ないが、加熱脱水、気体流通下の加熱脱水、減圧下の加
熱脱水および有機溶媒との共沸脱水等の方法が用いられ
る。加熱の際の温度は、層間水が残存しないように、1
00℃以上、好ましくは150℃以上であるが、構造破
壊を生じるような高温条件は好ましくない。加熱時間は
0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。
【0045】粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化
合物としては、酸処理又は塩類処理あるいはこの両方の
処理を行なって得られる化学処理されたものが好適に用
いられる。酸処理で用いられる酸は、好ましくは塩酸、
硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、リン酸から選択される。
塩類処理で用いられる塩類は、陽イオンは周期律表第II
b、 IIIb、IVa、IVb、Va、Vb、VIa、VIb、 V
IIb、VIII族の元素であり、これらとハロゲン原子、酸
素原子、無機酸及び有機酸の陰イオンから成る化合物か
ら選択される。
【0046】具体的にはジルコニウムの場合を例にとれ
ば、Zr(OOCCH3 4 、Zr(CH3 COCHC
OCH3 4 、Zr(CO3 2 、Zr(NO3 4
Zr(SO4 2 、ZrOCl2 、ZrO(N
3 2 、ZrO(ClO4 2 、ZrO(SO4 )等
である。また、他の例としてはCr(NO3 3 、Fe
(NO 3 3 、Sn(SO4 2 、Ni(NO3 2
があげられ、好ましくはZr(SO4 2 及びCr(N
3 3 である。
【0047】また、処理に用いる酸および塩類は、それ
ぞれ2種以上であってもよい。酸処理と塩類処理の組合
せ方法については、塩類処理を行った後、酸処理を行う
方法、酸処理を行った後、塩類処理を行う方法、および
塩類処理と酸処理を同時に行う方法がある。好ましくは
酸処理を行った後、塩類処理を行う方法があげられる。
また、本発明の酸および塩類処理を施す前に該粘土、粘
土鉱物またはイオン交換性層状化合物は何らかの化学処
理を施されていてもよい。
【0048】塩類および酸による処理条件は、特には制
限されないが、塩類および酸濃度、処理温度、処理時間
を選択して、粘土、粘土鉱物またはイオン交換性層状化
合物を構成している物質の少くとも一部を溶出する条件
で行うことが好ましい。また、塩類および酸は、一般的
には水溶液で用いられる。ここで、塩類及び/又は酸に
よる化学処理前、処理間、処理後に粉砕、造粒、ふるい
わけ等の各種の物理的処理を施してもよい。
【0049】また、新たに水を添加、吸着させたり、あ
るいは加熱等により脱水処理を施した後に用いてもよ
い。さらに、上記固体を単独で用いても、2種以上を混
合して用いてもよい。上記触媒成分の接触方法について
は、メタロセン系遷移金属化合物中の遷移金属と、粘土
もしくは粘土鉱物等中の水酸基および有機アルミニウム
化合物中のアルミニウムのmol比が、1:0.1〜1
00000:0.1〜10000000、好ましくは
1:0.1〜10000:0.1〜1000000、更
に好ましくは1:0.1〜10000:0.1〜100
00の範囲となるように接触させる。接触順序に特に制
限はなく、触媒二成分を接触させた後に残りの一成分を
添加してもよいし、三成分を同時に接触させてもよい。
また触媒各成分を2回以上に分割して添加してもよい。
とりわけ有機アルミニウム化合物は、一部を重合前ある
いは重合中に、分割添加するのが好ましい。接触は窒素
等の不活性ガス中、通常、ペンタン、ヘキサン、ヘプタ
ン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行
うのが好ましい。接触温度は、−20℃〜溶媒の沸点の
間で行い、特に室温から溶媒の沸点の間で行うのが好ま
しい。
【0050】触媒各成分の接触に際し、または接触の後
にポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、
アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させ、あるいは接
触させてもよい。かくして得られた接触生成物の存在下
に、エチレン単独重合、あるいはエチレンと炭素数3〜
20のα−オレフィンとを共重合させるわけであるが、
この重合に先立ち、少量のα−オレフィンを前重合させ
てもよい。前重合温度は−50〜100℃であり、前重
合時間は0.1〜100時間、好ましくは0.1〜50
時間程度である。
【0051】前重合によって生成させる重合体量は、接
触生成物である固体触媒1gあたり0.001〜100
0g、好ましくは0.1〜300gの範囲である。前重
合時に用いられる溶媒は、ブタン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン、
キシレン等、あるいは、これらの混合物等である。
【0052】このようにして得られた触媒を重合に供す
るが、そのまま洗浄せずに用いてもよく、また洗浄した
後に用いてもよい。該重合反応は、ブタン、ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、トルエン、シクロヘキサン等の不
活性炭化水素や液化α−オレフィン等の溶媒の存在下、
あるいは不存在下に行われる。温度は、−50〜250
℃、好ましくは30〜250℃であり、圧力は特に制限
されないが、好ましくは、常圧〜約2000kg・f/
cm 2 の範囲である。
【0053】また、重合系内に分子量調節剤として水素
を存在させてもよい。また、重合温度、分子量調節剤の
濃度等をかえて多段階で重合させてもよい。さらに、エ
チレンと炭素数3〜20、好ましくは炭素数3〜10の
α−オレフィンとの共重合に際して少量の非共役ポリエ
ンや環状オレフィンを共存させてもよい。
【0054】
【実施例】次に実施例によって本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はその要旨を逸脱しない限りこれら
実施例によって制約を受けるものではない。おな、以下
の触媒合成工程および重合工程は、すべて精製窒素雰囲
気下で行った。また溶媒は、モレキュラーシーブスで脱
水した後、精製窒素でバブリングして脱気したものを用
いた。
【0055】実施例における各種の物性値は下記の方法
に従って測定した。 (1)MIはASTMD1238に準拠し、190℃、
2.16kg荷重で測定した。 (2)密度はメルトインデックス測定時に得られるスト
ランドを100℃で1時間熱処理し、さらに室温で1時
間放冷した後に密度勾配管法で測定した。
【0056】(3)MIの測定と同一装置を用い、19
0℃で11.1kg荷重及び1.1kg荷重の条件下に
おける流出量比で表わされる。 (4)MTの測定はインテスコ社製のメルトテンション
テスターを使用し、ノズル径2.095mmφ、ノズル
長8mm、流入角90°、190℃の温度で、押出速度
0.716cc/分、引取り速度10m/分、エアギャ
ップ40cmの条件で行なった。
【0057】(5)定常剪断粘度の測定にはレオメトリ
クス社製RSR−M、RMS−800、及びインテスコ
社製INTESCO2020型キャピラリー式粘度計を
用いた。RSR−Mには測定治具として直径25mm、
円錐角0.1radの円錐−円板型治具を用いた。また
RMS−800の測定治具には直径25mmあるいは
7.9mm、円錐角0.1radの円錐−円板型治具を
用いた。INTESCO2020型キャピラリー式粘度
計には直径1.0mm、管長50mm、流入角90°の
ノズルを用い、剪断速度の補正としてラビノビッチ(R
abinowitch)補正を行なった。RSR−Mは
クリープ測定型の回転式粘度計であり、剪断応力σ=2
0〜1500dyne/cm2 の範囲での測定に用い
た。
【0058】
【数13】
【0059】測定は全て190℃で行なった。RSR−
M、RMS−800の測定に用いた試料は、熱安定剤と
して2,6−ジ−t−ブチルパラクレゾールを0.1重
量%添加した後、190℃の熱プレスにて直径25m
m、厚さ1mmのディスク状試験片として測定に供し
た。INTESCO2020型キャピラリー式粘度計の
測定に用いた試料は、190℃の熱プレスにて作成され
た脱泡試料をペレット化し、測定に供した。 (6)なお、上述したMIの測定、FRの測定及びMT
の測定に際しては予めエチレン系1重合体に2,6−ジ
−t−ブチルパラクレゾールを0.1重量%配合した。
【0060】<実施例1> (1)粘土鉱物の化学処理 市販のモンモリロナイト40gを振動ボールミルによっ
て4時間粉砕し、3%の塩酸水溶液280ml中に分散
させ90℃で2時間撹拌し、脱塩水で洗浄した後、乾燥
して塩酸処理モンモリロナイトを得た。次いで、このも
のを1リットルフラスコに30g分取し、その後、Zr
(SO 4 2 ・4H2 O 30gを溶解させた脱塩水6
00ml中に分散させ、90℃で3時間撹拌した。処理
後、この固体成分を脱塩水で洗浄し、乾燥を行なって化
学処理モンモリロナイトを得た。
【0061】(2)粘土鉱物の加熱脱水処理 200mlフラスコに(1)で得た化学処理モンモリロ
ナイト15.0gを入れて減圧下、200℃に昇温し、
200℃で2時間の加熱脱水処理を行なった。この脱水
処理で1.8gの重量減が認められた。
【0062】(3)触媒成分の合成 100mlフラスコに(2)で得た脱水処理モンモリロ
ナイト5.0gを入れ、トルエン25mlに分散させて
スラリーとした。次いで室温において撹拌下、トリエチ
ルアルミニウムを10.0mmol添加した。室温で2
時間接触させた後、上澄み液を抜き出し固体部をトルエ
ンで洗浄し、さらにトルエンを加えてスラリーとした。
【0063】一方、別の100mlフラスコにビス(シ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのトル
エン溶液(20.0μmol/ml)を20.0ml仕
込み、さらにトリエチルアルミニウムのトルエン溶液
(1.0mmol/ml)を4.0ml添加し、撹拌
下、室温で30分反応させた。次にこの反応溶液を全
量、前記粘土鉱物のトルエンスラリー中に添加し、撹拌
下、室温で30分接触させた後、上澄み液を抜き出して
固体部をトルエンで洗浄し、触媒成分を得た。
【0064】(4)エチレン−ブテン共重合 2リットルオートクレーブ中にノルマルヘキサン740
ml、トリエチルアルミニウム0.15mmol、前記
(3)で得られた触媒成分を150.0mg仕込んだ。
このオートクレーブに1−ブテン160mlを加え、7
0℃に昇温した後、エチレンを導入して全圧を25.5
kg・f/cm2 に保ち、撹拌を続けて1時間重合を行
なった。重合はエタノール10mlを加えることにより
停止させた。その結果、エチレン−ブテン共重合体が1
80g得られた。この重合体のMIは0.25g/10
分、FRは21、密度は0.917g/cm3 、MTは
32.5gで前記(d)の関係を満たしていた。
【0065】
【数14】
【0066】<実施例2> (1)粘土鉱物の化学処理および造粒 市販のモンモリロナイト8kgを振動ボールミルによっ
て粉砕し、塩化マグネシウム10kgを溶解させた脱塩
水50リットル中に分散させて、80℃で1時間撹拌し
た。得られた固体成分を水洗した後、8.2%の塩酸水
溶液56リットル中に分散させて、90℃で2時間撹拌
し、脱塩水で水洗した。このようにして化学処理された
モンモリロナイト4.6kgの水スラリー液を固形分濃
度15.2%に調製しスプレードライヤーにより噴霧造
粒を行った。造粒により得られた粒子の形状は球状であ
った。
【0067】次いで、この造粒された化学処理モンモリ
ロナイトを15g分取し、さらに実施例1の(1)と同
様の方法で化学処理を行なった。 (2)触媒成分の合成 前記(1)で得た造粒された化学処理モンモリロナイト
に、さらに実施例1の(2)と同様の加熱脱水処理を施
した。
【0068】次いで、このモンモリロナイト5.0gを
100mlフラスコに入れ、トルエン25mlに分散さ
せてスラリーとした。引き続き、室温において撹拌下、
トリエチルアルミニウムを10.0mmol添加し、室
温で1時間接触させた後、上ずみ液を抜き出し固体部を
トルエンで洗浄した。これにトルエンを加えてスラリー
とした後、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジクロライドのトルエン溶液(20.0μmol/m
l)を20.0ml加え、室温で1時間撹拌した。この
上ずみ液を抜き出し、固体成分をトルエンで洗浄して触
媒成分を得た。
【0069】(3)エチレン−ブテン共重合 実施例1の(4)において、触媒成分を前記(2)で得
られたもの60.0mgに変え、また、重合時に反応器
中のガス相の水素/エチレンが0.04mol%となる
ように水素を供給した以外は実施例1の(4)と同様の
方法でエチレン−ブテン共重合を行なった。その結果、
得られたエチレン−ブテン共重合体は186gであり、
粒子の形状は球状であった。この重合体のMIは1.4
1g/10分、FRは14、密度は0.919g/cm
3 、MTは33.1gで前記(d)の関係を満たしてい
た。
【0070】
【数15】
【0071】<実施例3> (1)粘土鉱物の化学処理 実施例1の(1)で得られた塩酸処理モンモリロナイト
15.0gを1リットルのフラスコに分取し、その後、
Cr(NO3 3 ・9H2 O 24.0gを溶解させた
脱塩水300ml中に分散させ、90℃で3時間撹拌し
た。処理後、この固体成分を脱塩水で洗浄し、乾燥を行
なって化学処理モンモリロナイトを得た。
【0072】(2)触媒成分の合成 前記(1)で得られた化学処理モンモリロナイトに、さ
らに実施例1の(2)と同様の加熱脱水処理を施した。
次いで、このモンモリロナイト3.0gを用い、実施例
2の(2)と同様の方法で触媒成分を得た。
【0073】(3)エチレン−ブテン共重合 実施例1の(4)において、触媒成分を前記(2)で得
られたもの60.0mgに変え、重合時の反応器中のガ
ス相の水素/エチレンが0.05mol%となるように
水素を供給した以外は実施例1の(4)と同様の方法で
エチレン−ブテン共重合を行なった。その結果、得られ
たエチレン−ブテン共重合体は205gであった。この
重合体のMIは0.93g/10分、FRは30、密度
は0.924g/cm3 、MTは8.4gで前記(d)
の関係を満足していた。
【0074】
【数16】
【0075】<比較例1>高圧ラジカル重合法による低
密度ポリエチレン(三菱ポリエチ,LC−520)の諸
物性値を表−1に示す。これらの値のうち、MTとMI
の関係は前記(d)の式を満足しているものの、τs
ηとnの関係は前記(e)の式を満足していなかった。
【0076】<比較例2>MgCl2 担持型TiCl4
系触媒を用い、低圧重合法によって得られた市販のエチ
レン−ブテン共重合体の諸物性値を表−1に示す。これ
らの値のうち、MTとMIの関係及びτs /ηとnの関
係は各々、前記(d)、(e)の式を満足していなかっ
た。
【0077】<比較例3> (1)触媒の調製 0.2μmolのエチレン−ビス(インデニル)ジルコ
ニウムジクロライドを室温で15mlのトルエンに溶解
させ、窒素雰囲気下メチルアルミノキサン(分子量12
32;東ソー・アクゾ製)のトルエン溶液をAl原子換
算で2mmol加えて30分間予備接触させた。
【0078】(2)エチレン−ブテン共重合 2リットルオートクレーブ中にノルマルヘキサン870
ml、1−ブテン30ml及び(1)で得られた触媒全
量を加えた。次に70℃に昇温した後、全圧が25kg
・f/cm2 、ガス相のH2 /エチレンが0.052m
ol%となるようにエチレンと水素を導入し、2時間重
合を行なった。重合はエタノール10mlを加えること
により停止させ、エチレン−ブテン共重合体を130g
得た。この重合体のMIは1.1g/10分、FRは1
3、密度は0.928g/cm3であった。またMTは
2.9gであり、前記(d)の関係を満足していなかっ
た。
【0079】<比較例4> (1)エチレン−オクテン共重合 2リットルオートクレーブ中にノルマルヘキサン100
0ml、1−オクテン150ml及びメチルアルミノキ
サン(分子量1232;東ソー・アクゾ製)のトルエン
溶液をAl原子換算で10mmol加えた。次に150
℃に昇温した後、エチレン圧でMe2 Si(CpM
4 )(N− tBu)TiCl2 〔ここでCpはシクロ
ペンタジエニル基、Meはメチル基、 tBuはtert
−ブチル基を示す。〕のトルエン溶液をTi原子換算で
20μmol、オートクレーブ中に供給し、全圧が3
7.5kg・f/cm2 になるようにエチレンを導入し
て20分間重合を行なった。重合はエタノール10ml
を加えて停止させ、エチレン−オクテン共重合体を22
0g得た。この重合体のMIは0.075g/10分、
FRは66、密度は0.895g/cm3 であった。
【0080】
【数17】
【0081】<比較例5> (1)触媒成分の合成 100mlフラスコに市販のモンモリロナイトを3.0
gを入れ、トルエン20mlに分散させてスラリーとし
た。次いで室温において撹拌下、トリイソブチルアルミ
ニウムを23.3mmol添加し、室温で2時間反応さ
せた。一方、別の100mlフラスコにビス(シクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジクロライドのトルエン溶
液(20.0μmol/ml)を4.7ml仕込み、さ
らにトリメチルアルミニウムのトルエン溶液(0.1m
mol/ml)を9.4ml添加し、撹拌下、室温で3
0分反応させた。次に、この反応溶液を全量、前記粘土
鉱物のトルエンスラリー中に添加し、撹拌下、室温で3
0分接触させた後、上澄み液を抜出して固体部をトルエ
ンで洗浄し、触媒成分を得た。
【0082】(2)エチレン−ブテン共重合 2リットルオートクレーブ中にノルマルヘキサン740
ml、トリイソブチルアルミニウム0.2mmol、前
記(1)で得られた触媒成分70mgを仕込んだ。この
オートクレーブに1−ブテン160mlを加え、70℃
に昇温した後、エチレンを導入して全圧を25.5kg
・f/cm2 に保ち、またオートクレーブ中のガス相の
水素/エチレンが0.04mol%となるように水素を
エチレンと共に供給して2時間重合を行なった。重合は
エタノール10mlを加えることにより停止させた。そ
の結果、エチレン−ブテン共重合体が90g得られた。
【0083】
【数18】
【0084】
【表1】
【0085】
【発明の効果】本発明のエチレン系重合体は溶融張力、
成形性に優れ、工業的に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】MTとMIの関係を示した図である。
【図2】
フロントページの続き (72)発明者 石浜 由之 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (72)発明者 藤岡 清利 神奈川県横浜市青葉区鴨志田町1000番地 三菱化学株式会社横浜総合研究所内 (56)参考文献 特開 平5−301917(JP,A) 特開 平6−206939(JP,A) 特開 平6−248025(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/60 - 4/70 C08F 10/00 - 10/14 C08F 110/00 - 110/14 C08F 210/00 - 210/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン単独重合体またはエチレンと炭素
    〜20のα−オレフィンとの共重合体(以下、エチ
    レン系重合体と称する)であって、 (a)190℃における2.16kg荷重のメルトイン
    デックス(MI)が0.001〜100g/10分の範
    囲にあり、 (b)密度が0.860〜0.975g/cm3 の範囲
    であり、 (c)190℃における溶融張力(MT)とMIの関係
    が式 【数1】 logMT>−0.8logMI+0.53 (A) なる関係式を満たし、かつ 【数2】 なる関係を満たすことを特徴とするエチレン系重合体。
  2. 【請求項2】エチレン系重合体が、エチレンと炭素数4
    〜20のα−オレフィンとの共重合体であることを特徴
    とする請求項1に記載のエチレン系重合体。
  3. 【請求項3】エチレン系重合体が、エチレンと炭素数4
    〜8のα−オレフィンとの共重合体であることを特徴と
    する請求項1に記載のエチレン系重合体。
  4. 【請求項4】α−オレフィンが1−ブテンであることを
    特徴とする請求項2または3に記載のエチレン系重合
    体。
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