JP3450069B2 - 車載用ナビゲーション装置 - Google Patents

車載用ナビゲーション装置

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JP3450069B2
JP3450069B2 JP29769894A JP29769894A JP3450069B2 JP 3450069 B2 JP3450069 B2 JP 3450069B2 JP 29769894 A JP29769894 A JP 29769894A JP 29769894 A JP29769894 A JP 29769894A JP 3450069 B2 JP3450069 B2 JP 3450069B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、ドライバーの望む目
的地まで車両を誘導する車載用ナビゲーション装置に関
する。 【0002】 【従来の技術】近年、車両を目的地まで効率的に案内す
る手段として車載用ナビゲーション装置が開発されてい
る。このような車載用ナビゲーション装置を使用すれ
ば、出発地と目的地を決定するだけで、これら2地点間
の最適な経路(以下、誘導経路という)を自動的に算出
し、この経路を推奨経路としてドライバーに教示するこ
とができる。さらに、車載用ナビゲーション装置は、誘
導経路に沿った経路案内中は、車両が誘導経路を逸脱し
たかどうかを一定距離ごとに監視している。 【0003】経路案内中に車両が誘導経路から離れてし
まうと(これをオフルートと呼ぶ)、車両に設置された
パネルにメッセージを表示したり、音声メッセージによ
る案内を行ってドライバーの注意を喚起する。オフルー
トはドライバーが交差点を曲がり損ねるなどの誤りによ
ることもあるし、道路が混雑しているためにドライバー
が意図的に迂回する場合もある。オフルートした場合に
は、車両を本来の誘導経路に引き戻すため、誘導経路ま
での最適経路をドライバーに通知する機能も有してい
る。この最適経路を求めるための経路探索手法として、
以下に示すような各種手法が提案されている。 【0004】第1の方法として、常にオフルートした地
点まで車両を誘導したのち、オフルート地点から再び誘
導を再開するようにするものである。また、第2の方法
として、オフルートした時点で、現在車両が走行中の道
路をこのまま進んだ場合に、本来の誘導経路と交差する
地点が存在するかどうかを検査する。そしてそのような
交差点が存在する場合、車両をその交差点まで誘導した
のち、その交差点から誘導経路に沿った経路案内を継続
するようにするものである(特開平4−320292号
公報)。また、第3の方法として、誘導経路の周辺領域
の各道路について、あらかじめ誘導経路までの最短経路
を計算しておいて、この最短経路をメモリへ記憶してお
く。そして、オフルート検出時に車両がこの周辺領域内
を走行している場合に、記憶しておいた最短経路をもと
に誘導経路まで案内するものである(特開平5−535
04号公報)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した第
1の方法によると、誘導を再開するには、必ずオフルー
トした地点まで戻る必要がある。しかし、車両が高速道
路を走行中であったり、一方通行やUターン禁止の道路
が多い地域を走行中には、当該オフルート地点まで戻る
ためにわざわざ遠回りしてしまうなどの不具合があっ
た。また、第2の方法によると、車両が走行する延長上
に誘導経路が存在しなければ、ドライバーへの経路案内
がまったくできない。そのために、ドライバーは上記の
交差点が見つかるまでは、車載用ナビゲーション装置に
頼らずに自力で経路探索しなくてはならない。 【0006】さらに、第3の方法によると、メモリ容量
の関係などから、最短経路の情報が誘導経路からあまり
離れていない周辺領域でしか効果を発揮することができ
ない。そのため、ドライバーがオフルートの案内メッセ
ージにしばらく気づかないでいると、車両がこの周辺領
域外に出てしまうので、上記の第1あるいは第2の方法
に頼らざるを得なくなる。さらに、実際にオフルートと
は関係しない領域についても最短経路の情報を計算して
記憶する必要があるため、計算時間とメモリの浪費につ
ながるという問題もある。この発明は上記の点に鑑みて
なされたものであり、その目的は、車両がオフルートし
た場合に、目的地までの距離や道路形状を勘案して速や
かに本来の誘導経路へ戻ることが可能な車載用ナビゲー
ション装置を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、少なくともノード情報とリ
ンク情報からなる道路地図をもとに、出発地から目的地
までの経路のうち最小のコストを有する誘導経路を探索
し、該誘導経路に沿って目的地まで車両を誘導する経路
案内を行う車載用ナビゲーション装置において、車両の
現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記車両の現
在位置が前記誘導経路から外れてオフルート状態となっ
たことを検出するオフルート検出手段と、前記オフルー
ト状態検出時に、オフルート検出地点へ戻らずに、 (1)前記車両の現在位置と前記目的地との距離が所定
距離内である場合には、前記車両の現在位置と前記目的
地とを結ぶ経路のうち最小のコストを有する経路を探索
し、 (2)前記車両の現在位置と前記目的地との距離が所定
距離外である場合には、前記車両の現在位置と前記誘導
経路上に存在する交差点とを結ぶ経路のうち最小のコス
トを有する経路を探索する経路再探索手段とから構成し
たものである。 【0008】また、請求項2記載の発明は、少なくとも
ノード情報とリンク情報からなる道路地図をもとに、出
発地から目的地までの経路のうち最小のコストを有する
誘導経路を探索し、該誘導経路に沿って経路案内を行う
車載用ナビゲーション装置において、車両の現在位置を
検出する現在位置検出手段と、前記車両の現在位置が前
記誘導経路から外れてオフルート状態となったことを検
出するオフルート検出手段と、前記オフルート状態検出
時にオフルート時点からの距離を積算する距離情報記憶
手段と、距離情報記憶手段に記憶した走行距離が所定距
離となった場合に、オフルート検出地点へ戻らずに、前
記車両の現在位置と前記誘導経路上に存在する交差点と
を結ぶ経路のうち、最小のコストを有する経路を探索す
る経路再探索手段とから構成したものである。 【0009】 【作用】請求項1記載の発明によれば、オフルート検出
時に、車両の現在位置と目的地までの距離が所定の距離
以内である場合、現在位置から目的地までの経路を探索
するようにしたので、目的地が現在地の近辺にある場合
に、無理に誘導経路まで戻ることなく、目的地までの適
切な経路を決定することができる。 【0010】 【0011】 【実施例】次に、図面を参照してこの発明の一実施例に
ついて説明する。図1は、この実施例による車載用ナビ
ゲーション装置の構成を示している。この図において、
ECU(Electronic Control Unit )1は車載用ナビゲ
ーション装置の中枢部であって、後述するCPUやRA
Mなどが搭載されたコンピュータである。2はCPU
(中央処理装置)であって、その機能については後述す
る。RAM(Random Access Memory)3はCPU1の作
業用領域などが含まれたメモリである。たとえば、RA
M3には、車両のオフルート時点からの走行距離を積算
した距離情報が格納される。ROM(Read Only Memor
y)4には、CPU1のための制御プログラムや音声案
内ための音声メッセージなどが格納されている。 【0012】インタフェース部5は、車両に設けられた
各種センサからECU1へ送られてくる計測データを受
けとってECU1内のバスへ送出する。これらの情報と
しては、車速、バックライトの点灯の有無、車内のイル
ミネーション情報、GPS(Global Positioning Syste
m )レジーバ6からシリアルに送出された衛星からの絶
対座標(経度・緯度)がある。SRAM(Static RAM)
7は、ECU1内の他の装置とは異なり、バッテリー
(図示略)から電源が供給されている。したがって、ド
ライバーが車両のイグニッションキーをオフにしても、
SRAM7の内容は保持される。そこで、次回の車両の
始動時に必要とする情報をSRAM7に保存しておくこ
とができる。たとえば、車両を停車したときの現在地の
座標、誘導経路に関する情報などを記憶しておく。 【0013】ジャイロ8は車両の角加速度を検出するも
ので、この検出データはCPU2が車両の位置の変化を
算出する際に車速情報とともに使用する。ここで、本実
施例の車載用ナビゲーション装置は、ジャイロセンサに
よる自立航法とGPSによる衛星航法を組み合わせたハ
イブリッド航法を採用している。車両走行中における推
定の現在地の算出は、通常はジャイロの計測値と車速を
使用して行っており、一定間隔でGPSからの絶対座標
位置と比較している。この推定現在地があまりにGPS
とかけ離れている場合には、GPSのデータで補正をか
けている。 【0014】インタフェース部9は、ECU1の外部に
設けられた車載用ナビゲーション装置の各装置とECU
1との信号の授受を司る。CD−ROMドライブ10
(CD:コンパクトディスク)は地図情報を格納してい
るCD−ROMのディスクの駆動装置である。VRAM
(Video RAM )11には、CPU2が表示しようとして
いる車両周辺の地図などの絵を、後述するパネル16へ
表示するための表示データが格納されている。 【0015】TVチューナ12とラジオ13は、ドライ
バーが停車中にテレビを見たりラジオ放送を聴くための
ものである。スピーカ14はラジオ放送を聴くためもあ
るが、主としてROM4に格納した音声メッセージを必
要に応じてドライバーに聞かせるために設けられてい
る。CD−ROMチェンジャー15は、CD−ROMド
ライブ10にセットされたCD−ROMを入れ換える。
というのは、ドライバーが地名情報や施設の名称を検索
して目的地を設定するような場合には、地図情報を記録
したディスクと異なるディスクが必要となるからであ
る。 【0016】パネル16は運転席に設けられており、車
載用ナビゲーション装置の各種操作キーなどが取り付け
られている。パネル16の表示部16aは、VRAM1
1から送出された表示データを表示する液晶ディスプレ
イである。また操作部16bは、表示部16aの輝度調
整や、ドライバーが上記の各種操作キーを操作して車載
用ナビゲーション装置に指示した処理内容を、コマンド
とデータの形式に変換してインタフェース部9へ送出す
る。 【0017】ここで、CD−ROMに記録された地図情
報の構造を図2に示す。地図情報は、同図に示すように
大きく4つのカテゴリーから構成されている。ディスク
の管理情報には、この情報を除いた後述する3つの情報
に関するディスク上の格納位置、作成日付、作成者等が
記録されている。これら3つの情報の中にも、ディスク
管理情報と同様の管理情報が存在する。描画・道路形状
データ内にある縮尺毎の描画データは、地図を1/25
60万〜1/2万5千までの10段階の縮尺で表示する
ためのデータである。また、道路形状データは、車両が
通行できる道路の形状や接続を表すものであって、マッ
プマッチングや拡大図表示に使用される。 【0018】経路データは道路上の交差点の間の接続情
報である。経路データは、道路の形態に応じて3段階に
区分されている。第1の段階は主要国道・高速道路、第
2の段階は県道以上の道路、そして第3の段階はセンタ
ラインを持つ対象道路すべてである。CD−ROMの容
量限界等の制約から、経路データはすべての道路を網羅
しているわけではなく、農道などの細い道のデータは記
憶していない。検索データは、目的地・経由地を設定す
る場合、経路案内中に車両が通過する道路の近隣の施設
や地名をアナウンスする場合などに使用する。地名デー
タは、「字(あざ)」以上の名称・位置を約10万件分
含んでいる。また、施設データはゴルフ場、ホテルなど
の各種施設の位置の座標が記録されている。 【0019】ここで、地図上の経路の構造についてもう
少し詳しく言うと、「経路」はリンクの情報とノードの
情報とから構成されている。ノードは交差点など道路上
で特徴となる対象物であって、リンクはこれらノード間
を接続する道路に相当する。上述した道路形状データ
は、このリンクとノードによって道路の形態を表現した
ものであって、その他に道路の角度といった付帯情報が
含まれている。また、上記の経路データは、道路形状デ
ータのノードを交差点のみに限定して登録したデータで
ある。 【0020】次に、上記構成による車載用ナビゲーショ
ン装置の動作を説明する。最初に、走行前の操作を図3
を使用して簡単に説明する。まず、出発地の設定を行
う。通常、出発地は車両が停車している場所である。し
かし、車両が駐車場にあるなどの理由で誘導経路から外
れていると、車載用ナビゲーション装置は経路案内をす
ることができない。そこで、ドライバーがパネル16を
操作して車載用ナビゲーション装置を起動した時点で、
CPU2が道路形状データとSRAM7に記憶した車両
の現在地情報から、現在地に近接するノードの中からい
ずれか1つを選択し、出発地として設定する(ステップ
S1)。 【0021】次に、ドライバーがパネル16から目的地
と経由地の設定を行う(ステップS2)。すると、上述
した出発地の設定と同様の手順でこれらの地点に近接す
るノードが選択される。これに続き、CPU2は出発地
から目的地までの誘導経路を探索して決定する(ステッ
プS3)。この探索処理は、出発地から目的地までの各
道路の距離・規模、交差点通過の所要時間などを「コス
ト」へ換算し、最小コストを持つ経路を選択することに
より行う。 【0022】ここで、出発地のノードから目的地のノー
ドまでの総コストは以下のように計算される。 総コスト=ΣリンクコストCL+Σ交差点コストCC …(1) ここで、「Σ」はある1本の経路に存在するすべてのリ
ンクあるいは交差点につき、その総和を取ることを意味
している。各リンクコストCLは次式から算出する。 リンクコストCL=LL×KA×KW …(2) ここで、LL はリンクの長さ、つまりリンクに対応した
道路の距離である。また、KA は有料道路、国道、県道
など、道路の種別によって決まる係数である。さらに、
KWは道路の幅員によって決まる係数である。 【0023】各交差点コストCC は交差点の平均通過所
要時間に相当するものであり、次式から算出する。 交差点コストCC=CB×KC …(3) CBは交差点の属性に依存しない、交差点通過の際の基
本のコストである。また、KC は交差点右左折係数であ
って、交差点に接続する道路の本数、種別、幅員、角度
などによって決定される。なお、出発地と目的地の途中
に経由地が存在する場合には、出発地〜経由地、経由地
〜経由地、経由地〜目的地のように経路を分割して、各
経路ごとに誘導経路を探索すれば良い。 【0024】このようにして、出発地から目的地までの
経路のコストを算出し、最小のコストを持つ経路を誘導
経路に決定する。そして、誘導経路に属するノード情報
とリンク情報をSRAM7へ格納する。また、CPU2
は誘導経路の情報、描画データ、道路形状データをもと
にして、車両周辺の地図の表示情報を作成し、現在の車
両の位置と誘導経路を色分けしてVRAM11へ格納す
る。これにより、地図がパネル16に表示され、ドライ
バーが誘導経路と自車の位置を確認することができる。 【0025】次に、車両の走行中における動作を図4を
参照して説明する。ドライバーが車両を発進させると、
CPU2は経路案内の一環として適宜音声メッセージに
よる案内を行っている。たとえば、交差点の近辺では誘
導経路に沿って直進・右左折などを指示する。そのため
に、CPU2は音声メッセージをROM4から読みだし
て音声信号に変換し、インタフェース部9を介してラジ
オ13へ送出する。これにより、スピーカ14から上記
の音声メッセージが発せられる。また、CPU2は車両
の移動に伴って、パネル16に表示した地図の更新、車
両の現在地の更新を行う。すなわち、CPU2はジャイ
ロ8の情報と車速データから、車両が走行している現在
地を一定距離ごとに(たとえば30メートル間隔)算出
する(ステップS11)。 【0026】その際、CPU2は、現在地と誘導経路の
情報から、車両が誘導経路から逸脱してオフルートした
かどうかを判定する(ステップS12)。車両がオフル
ートしていない場合には、車両は案内通りに走行してい
るので、前述したRAM3の距離情報を「0」とする。
そして、経路案内を音声によるメッセージとパネル16
への表示により行って(ステップS18)、目的地に到
着したかどうか判定する(ステップ19)。目的地のノ
ードまで誘導を行った場合には、ステップS19をYE
Sに進んで経路案内を終了する。そして、最後に「まも
なく目的地周辺です。ルート案内を終了します。」とい
う音声案内をして、パネル16に表示した誘導経路を消
去する。ステップS19において、目的地に到達してい
なければ、再びステップS11の処理へ戻る。 【0027】また、ステップS12において、オフルー
トしていることを検出すると、上述した一定距離「30
メートル」を距離情報に加算する。また、CPU2はオ
フルートをドライバーに知らせるため、「ルートから外
れました。」などのメッセージをROM4から読みだし
てVRAM11へ書き込む。これにより、パネル16に
上記のメッセージを表示してドライバーの注意を喚起す
る(ステップS13)。 【0028】次に、距離情報の値から、所定の距離(た
とえば150メートル。この距離は可変である)だけオ
フルート状態にあるかどうかを判断する(ステップS1
4)。まだ所定距離だけ走行していない場合には、目的
地の到達判断(ステップS19)だけを行って、再びス
テップS11へ戻りオフルートの判断を継続する。これ
は、ドライバーがオフルート表示に気付いて自ら誘導経
路に戻る場合もあるため、その猶予期間を確保するため
である。したがって、この後すぐに車両が誘導経路に戻
れば、次のオフルートの判断処理においてはステップS
12をNOの方向へ進んでオフルートの処理に入らずに
済む。 【0029】また、ステップS14において、所定距離
だけ走行しても依然としてオフルートである場合、ステ
ップS14をYESの方向へ進んで、自動的に誘導経路
の再計算の処理に入る。最初に、車両の現在地が目的地
に近づいているかどうか判別する(ステップS15)。
現在地が、たとえば目的地を中心とした半径1キロメー
トル以内に存在する場合、本来の誘導経路に戻るよりも
目的地へ直行した方が望ましいことが多い。そこで、こ
のような場合には目的地までのルートの再計算を行う
(ステップS16)。そこで、出発地を車両の現在地の
座標に変更して、目的地までの誘導経路を上述した方法
によって再度探索する。そして、以後は、新たに計算し
た誘導経路に沿って目的地まで経路案内を行う。 【0030】ステップS15において、現在地が目的地
の所定エリア内にない場合には、本来の誘導経路へ戻る
ための経路案内を行う。そのために、CPU2は元の誘
導経路上の各交差点に戻るための最小コストのルートの
計算を行う(ステップS17)。この計算の詳細を図5
を参照して説明する。この図において、太線は誘導経路
を示している。また、N0 〜N10はノードであって、こ
の場合は交差点である。この実施例では説明を簡単にす
るため、図5のすべてのノードは同一の交差点コストC
C (=0)を持つものとしており、以下に述べるコスト
の計算において交差点コストを考慮せずリンクコストだ
けで計算するようにしている。また、L0 〜L10はリン
クであり、各リンクに対して括弧付きで示された数字
は、それぞれのリンクの持つコストである。 【0031】まず、車両は誘導経路上のノードN1、N
2、N3、N4を順次経由して、ノードN5に到達したもの
とする。この時、本来の誘導経路は、ノードN5を左折
してノードN6へ直進するようになっている。しかし、
ドライバーは誤ってノードN5を右折したために、現
在、車両は図2の「現在地」の位置を走行している。こ
こでオフルートを検出すると、CPU2は経路データを
検索して車両の進行方向で最初に遭遇するノードN0 を
得て、このノードをルートの再探索の基準とする。これ
は、現在地からUターンあるいはバックしてノードN5
に戻るのは、時間がかかることと、ドライバーに優しく
ない指示であるという理由による。そこで、CPU2は
ノードN0を基準として、さらにリンクL0を通過する経
路を選択しないようにする。 【0032】次に、ノードN0 と誘導経路上のノードを
結ぶ経路のコストを計算する。ここでは説明の都合上、
ノードN0 からの最短経路が2リンク以下のノード、す
なわちノードN2〜N6を対象とする。まず、ノードN2
に至る経路としては、ノードN0→N7→N2という経
路、ノードN0→N3→N2という経路の2つの経路が存
在する。なお、迂回した経路まで考慮すると無数の経路
の選択肢が存在することとなるが、図からわかるように
この2つの経路のみを考慮すれば良い。最初の経路のコ
ストは3+3=6であり、2番目の経路のコストは4+
5=9である。したがって、ノードN2までの最小コス
トの経路は経路PAであり、そのコストは6である。 【0033】同様にして、ノードN3、N4、N5、N6の
最小コストの経路は、それぞれ以下のような経路PB、
PC、PD、PEとなる。 経路PB : ノードN0→N3 経路PC : ノードN0→N3→N4 経路PD : ノードN0→N8→N9→N5 経路PE : ノードN0→N8→N9→N10→N6 これら経路のコストは、それぞれ4、6、8、11とな
る。このようにして、ノードN3に至る経路PB が最小
のコスト4を持つことから、経路PBを選択してノード
N3まで経路案内を行う。なおこの例では、たまたま、
経由するリンクが最小値「1」の経路が選択されたが、
この実施例によれば上述のコストの大小によってのみ経
路が選択されるものであって、リンクの数が考慮される
ものではない。 【0034】このようにして経路探索が終了すると、目
的地到達判断を行った(ステップS19)のちに、経路
PB をもとに経路案内を再開する(ステップS11)。
この時点では、経路PB が誘導すべき経路となっている
ため、ステップS12においてオフルートしているとは
見なされず、通常通りの経路案内が行われる(ステップ
S18)。そして、ノードN3 に到達後は、本来の誘導
経路に乗って目的地までの誘導を再開する。ところで、
図4からもわかるように、ステップS12でオフルート
が検出された場合には、所定距離だけオフルートであっ
たかどうかに依存せず、パネル16にオフルート表示の
みを行い、音声メッセージによる経路案内は行わない。 【0035】なお、ステップS17における最小コスト
の経路探索では、車両をバックさせるリンクL0 を意識
して選択しないようにした。このリンクの除外処理の具
体的な実現方法の例として、リンクコストCL の算出時
に使用する係数を、Uターンやバックを加味した係数と
することもできる。たとえば、バックの場合にはリンク
コストが「無限大」ないしは「リンクコストとして取り
得る最大値」となるような係数を導入すれば良い。 【0036】あるいは、バックの場合のリンクコストを
「無限大」とするのではなく、普通のリンク値よりある
程度大きな値に設定しておく方法も考えられる。このよ
うにすると、バックせずに迂回した場合の経路に対し
て、そのリンクコストがあまりに大きくなった場合に
は、次善の策としてバックをするように制御することも
可能となる。また、この最小コストの計算対象とするノ
ードは、誘導経路上の全ノードとしても良いし、車両の
現在地を中心とした特定範囲内、たとえば半径500メ
ートルの円内などに限定しても良い。 【0037】 【発明の効果】以上、説明したように、請求項1記載の
発明によれば、オフルート検出時に、車両の現在位置と
目的地までの距離が所定の距離以内である場合、現在位
置から目的地までの経路を探索するようにしたので、目
的地が現在地の近辺にある場合に、無理に誘導経路まで
戻ることなく、目的地までの適切な経路を決定すること
ができるという効果が得られる。 【0038】
【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の一実施例による車載用ナビゲーショ
ン装置の構成を示すブロック図である。 【図2】同実施例において使用するCD−ROMに格納
された地図情報の構造を示す図である。 【図3】同実施例による車載用ナビゲーション装置が車
両走行前に行う処理を示すフローチャートである。 【図4】同実施例による車載用ナビゲーション装置が車
両走行中に行う処理を示すフローチャートである。 【図5】同実施例による車載用ナビゲーション装置が、
車両走行中にオフルートを検出した場合に、誘導経路上
のノードに戻るための経路探索を行う様子を示した図で
ある。 【符号の説明】 1…ECU、2…CPU、3…RAM、4…ROM、6
…GPSレシーバ、7…SRAM、8…ジャイロ、10
…CD−ROMドライブ、11…VRAM、13…ラジ
オ、14…スピーカ、15…CD−ROMチェンジャ
ー、16…パネル、16a…表示部、16b…操作部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−68389(JP,A) 特開 昭61−216100(JP,A) 特開 平3−136197(JP,A) 特表 平5−502521(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01C 21/00 - 21/36 G08G 1/0969 G09B 29/00 - 29/10

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 少なくともノード情報とリンク情報から
    なる道路地図をもとに、出発地から目的地までの経路の
    うち最小のコストを有する誘導経路を探索し、該誘導経
    路に沿って目的地まで車両を誘導する経路案内を行う車
    載用ナビゲーション装置において、 車両の現在位置を検出する現在位置検出手段と、 前記車両の現在位置が前記誘導経路から外れてオフルー
    ト状態となったことを検出するオフルート検出手段と、 前記オフルート状態検出時に、オフルート検出地点へ戻
    らずに、 (1)前記車両の現在位置と前記目的地との距離が所定
    距離内である場合には、前記車両の現在位置と前記目的
    地とを結ぶ経路のうち最小のコストを有する経路を探索
    し、 (2)前記車両の現在位置と前記目的地との距離が所定
    距離外である場合には、前記車両の現在位置と前記誘導
    経路上に存在する交差点とを結ぶ経路のうち最小のコス
    トを有する経路を探索する経路再探索手段とを具備して
    なる車載用ナビゲーション装置。
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