JP3449449B2 - 内燃機関のオイルリング用異形鋼線材の巻付け方法 - Google Patents
内燃機関のオイルリング用異形鋼線材の巻付け方法Info
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Description
れる鋼製2ピース型オイルリング用の断面がHまたはX
字形の異形鋼線材の製造工程間や製品輸送時等のコイル
形態である巻芯への巻付けの方法に関するものである。
てオイルリングと記す)は、旧来の鋳鉄製から鋼製2ピ
ース型または鋼製3ピース型へ急速に置換されつつあ
る。このうち、2ピース型は、概略断面形状が、例えば
図2のA,Bに示すようにHまたはX字形で、その凹状
溝を内周および外周とするごとき、方向にC字状のリン
グ状に曲げ成形された1箇の異形リングと、内周側から
該リングを外周側であるシリンダ壁面方向に拡径するご
とく加圧付勢するばね(エキスパンダ)の2点からな
り、この加圧力をもってシリンダ壁を摺動することで、
シリンダ壁に付着した余剰のオイルを掻き落す作用をす
るものである。すなわち、概略断面は図2Aに示すよう
に左右のフランジ部2,2と、該フランジ間を連結する
ウエブ部3からなり(幅方向の中央部は凹状5,6とな
っている)、該ウエブ部には油孔4が設けられている。
これらHまたはX字形断面の概略寸法は、幅wが2〜5mm
程度、高さtが2〜4mm程度である。
鋼線の製造においては、丸線から平角線へ、平角線から
溝付異形断面に成形する異形成形工程、焼鈍工程、油孔
パンチング加工工程、焼入焼もどし工程、梱包工程等の
非常に多くの工程を必要とする。そして、このいずれの
工程間の材料の受渡しでも、また、ユーザーへの売買過
程でも、生産性および品質の向上を図るために、両端面
にフランジを有するリール等の巻芯に巻付けた状態で行
なわれている。本発明が対象とするオイルリング用線材
の横断面形状は概略HまたはX字形を呈すものである
が、もちろんフランジ部の若干のくぼみを有するもの
(X字形等)や、ウエブ部の油穴が未加工のもの等も含
まれる。
方向は、断面係数が小さく、したがって、無理なく巻付
けることができ、永久変形が小さい方向、つまり図4に
示すように溝状凹部5,6が内周、外周側となる曲げ方
向に巻付けられる。従来の巻芯への巻付け方法は、巻芯
を回転させつつ、該巻芯を取り付けたスピンドルまたは
線材案内装置を前記異形鋼線の幅寸法に対応する巻付け
ステップで間欠的にトラバース運動させ、一定の巻芯の
幅の間を往復させて巻付ける方法を用いていた。
5A,Bに示すように前記異形鋼線の溝状凹部の両側の
脚部(フランジ部先端)が、既に巻付けた下層の異形鋼
線の溝状凹部または隣合う線材のループ間の隙間にはま
り込み易いために整列巻付けが困難であった。また、巻
付けの往復のターンの際は、特にこのはまり込みにより
乱れた巻付け部分は上層になるにしたがって、乱れが次
々と重なって崩れ落ちる現象が頻発して、さらに巻付け
状態を悪化させるという問題点があった。このため、巻
付け状態の監視や巻き具合の手直しに要する作業が多
く、生産性を低下させる大きな原因になっていた。そし
て、これらの巻付け状態の悪い材料を次工程で巻出す際
には、線材のループ同士が絡み易く、これによって材料
の角部の外傷や線グセ、そして断面形状の変形等の品質
的問題が生じていた。特に焼入れ焼もどし工程以前の材
料においては、材料自身の強度が低いために、前述した
線絡みが非常に生じ易く、発生した外傷、線グセ、断面
形状変形も程度が格段に悪いため、解決しなければなら
ない大きな課題になっていた。
層間に紙等のシート材を介在させることにより、はまり
込みや層間の絡みを防止することに成功した(特開昭5
−39168号)。しかし、前述のシート材を用いる方
法は、該線材の取扱い工程が前述のように多工程のた
め、全工程では多量のシート材を消費し、かつ巻付けの
層が変わる度にシートを供給することが必要で巻付け作
業の省力化を困難にしていた。
オイルリング用異形鋼線材について、その巻付け方法を
改善することにより、シート材を不要とし、また容易に
巻付けができ、省力化を可能とし、はまり込みや巻出し
における絡みを防止した巻付け方法を提供することを目
的とする。
が発生する状況を詳細に観察した。その結果、従来の巻
付け方法では図3に示すように被巻付け線材1が階段
状、つまり螺旋状に巻付けられた部分aと、ほぼ巻芯の
軸心に垂直な平面内で巻付けられる部分(軸直角部分)
bができ、この軸直角部分の上層に軸直角に巻付けられ
た時、はまり込みが発生することを見出した。すなわ
ち、はまり込みは下層の被巻付け線材に対し、上層の被
巻付け線材が平行となった時、起ることを見出した。し
たがって、本発明は下層に対して上層が平行でなく交差
するごとく、両層を螺旋状に巻付けるものである。
方形(正方形を含む)の二対辺の中央部に凹状部が形成
されてHまたはX字形である内燃機関のオイルリング用
異形鋼線材を、前記凹部を内周および外周とするごとき
曲げ方向として巻芯へ巻付ける巻付け方法において、前
記異形鋼線材は巻芯上に層状にかつ該層内では実質的に
螺旋状に巻付けられ、上下の前記層間で交差して重なり
合っていることを特徴とする内燃機関のオイルリング用
異形鋼線材の巻付け方法である。本発明において、下層
と上層の被巻付け線材は、互いに大きな交差角で交差し
て重なり合い、かつ上下層の重なりが、被巻付け線材の
長さ方向の小寸法範囲、換言すれば巻芯の軸心から見て
小さい角度(以下中心角度と記す)で生ずるごとく、適
度な隙間を有する隙間巻きとすることが望ましい。
法のうち隙間巻きする方法で巻付けた状況を、巻芯上で
展開して例示した図である。すなわち、幅wの被巻付け
線材が互いに隙間cを隔てて、中心角度の全円周2π(3
60°・・・縦軸)の巻芯上に螺旋状に巻付けられている(第
1層は右上り状で描かれている)。第2層(左上がり状
で描かれている)の第1巻きめは、中心角度で先ずそ
の左側のフランジ部が第1層の最終巻きの右側フランジ
部上に乗り上がり、続いて中心角度およびその直後に
′(a<bのとき)で第2層巻きの左右のフランジ部
が最終巻きの左右のフランジ部上に重なり、中心角度
で第2層巻きの左側のフランジが下層の最終の直前の巻
きの右側のフランジ部、続いて中心角度で下層の最終
巻きの左側のフランジ部上に第2層の右側が重なり、中
心角度およびその直後に′では、両方のフランジが
最終巻きの両方のフランジ部上に重なっている。第2層
の第2巻き以降は、前述の第1巻き目の重なりに加え
て、中心角度による重なりがある。
たときは、図1の例の場合には巻芯の両端部を除く部分
において、1回巻き(360°)のうち、6回の上下層間の
重なりが生ずる。また、本発明で隙間cを小さくするに
従って、それぞれ中心角度はへ、は′へ、は
へ、は′へそれぞれ接近し、H形線材を密着巻き
した場合、上記位置は、それぞれ連続することがわか
る。したがって、隙間cを適当に選定すれば、1回巻き
(360°)中に、中心角度約60℃毎に特定長さの重なりを
繰り返しつつ、巻付けを行なうことができる。そして、
この重なりの近傍では、はまり込みは、発生しない。
無抵抗性のものでなく、かなり大きい抵抗性(腰の強
さ)を有するから、巻付け時の張力を適当に低下すれ
ば、上述の中心角度60°間ではもちろん、左右のターン
の部分で生ずることがある中心角度90°程度間でもはま
り込みを完全に防止できることがテストの結果判明して
いる。したがって、密着巻きとしてもはまり込みを十分
防止することができる。なお、被巻付け線材が巻芯の端
部でターンする際に、巻芯の軸心に垂直な面と平行とな
る部分が生ずるので、この部分でははまり込みが発生し
易い。しかし、この平行な部分の前後は螺旋状となって
いるので、被巻付け線材が巻芯の軸方向に移動するこ
と、つまり前述の崩れ落ちは発生せず、したがって、巻
き出し時の絡み等は生じない。
m、外径 1200mmのフランジを両側に有する鉄製リールに
それぞれ巻付けられた図2Aに示すごとく断面形状が概
略H形の異形鋼線で、硬度HV240に焼鈍した線材コイル
と、硬度HV400に焼入焼もどしした2種の線材コイルを
準備し、これを同寸法の硬質紙製のリールへ巻き直しす
るテストを行なった。巻付け速度は30m/分であり、この
ときの巻付けピッチは、前記異形鋼線の幅寸法に1.5mm
を加えたものとした。また、巻付け時の張力は、巻き出
しリールを該リール上で線材が上下層間が密着状態を保
持するのに必要なブレーキ力の3倍のブレーキ力を加え
ることにより与えた。
イドを基準にして前記硬質紙製リールを装着した巻付け
機スピンドルが往復運動を行なう本体トラバース方式を
採用した。以上に述べた条件、設備により巻付けテスト
を行なったところ、焼鈍した異形鋼線および焼入焼もど
しした異形鋼線とも、シート材を介在させることなく、
したがって、人手の介添えを要せずに整列状態に巻付け
ることができた。また、その巻付けた材料を別の巻出機
に取り付けて、巻出し時の線の絡みや接触疵の発生の有
無を観察したが、線の絡みや接触疵は全く発生せず、非
常に良い結果を得ることができた。 (実施例2)同様に螺旋状の巻付けを阻害しない程度に
隙間cを小さくして、ほぼ密着状として(実施例1)と
同条件でテストした結果、はまり込みは防止でき、巻出
しテストも良好であった。
せて達成していた整列巻きを、シート材を用いることな
く、巻付け速度の向上、無人巻付け等の生産性の向上に
非常に効果があり、さらに、製品の品質に関する点で
は、異形鋼線同士の接触による外傷、巻き崩れ時の線ぐ
せの発生、そして次工程での巻出す際に生じる線もつれ
による外傷、線ぐせの発生、断面形状変形等を防止でき
るので、大幅な品質向上が達成できる。また、線絡みの
防止によって例えばピストンリングメーカのリング成形
工程での巻出しの際に線絡みの心配がないため、高速度
成形が可能になるという顧客における生産性向上という
大きなメリットが生じる。
の被巻付けによる重なりを説明する展開図である。
す図である。
説明する図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 概略断面形状が、長方形(正方形を含
む)の二対辺の中央部に凹状部が形成されてHまたはX
字形である内燃機関のオイルリング用異形鋼線材を、前
記凹部を内周および外周とするごとき曲げ方向として巻
芯へ巻付ける巻付け方法において、前記異形鋼線材は巻
芯上に層状にかつ該層内では実質的に螺旋状に巻付けら
れ、上下の前記層間で交差して重なり合っていることを
特徴とする内燃機関のオイルリング用異形鋼線材の巻付
け方法。 - 【請求項2】 異形鋼線材は、層内で実質的に該線材の
幅方向に隙間巻きされている請求項1の内燃機関のオイ
ルリング用異形鋼線材の巻付け方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17066895A JP3449449B2 (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 内燃機関のオイルリング用異形鋼線材の巻付け方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17066895A JP3449449B2 (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 内燃機関のオイルリング用異形鋼線材の巻付け方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0919716A JPH0919716A (ja) | 1997-01-21 |
JP3449449B2 true JP3449449B2 (ja) | 2003-09-22 |
Family
ID=15909168
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17066895A Expired - Lifetime JP3449449B2 (ja) | 1995-07-06 | 1995-07-06 | 内燃機関のオイルリング用異形鋼線材の巻付け方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3449449B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6123113B2 (ja) * | 2012-10-23 | 2017-05-10 | 金井 宏彰 | 整列巻き線材 |
-
1995
- 1995-07-06 JP JP17066895A patent/JP3449449B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0919716A (ja) | 1997-01-21 |
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