JP3449436B2 - 加熱蒸散用殺虫マット - Google Patents
加熱蒸散用殺虫マットInfo
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Description
トリンを含有する殺虫マットにおいて、N−(2−エチ
ルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシクロ
(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−ジカルボキ
シイミド(以下、サイネピリン500と称する)を配合
することを特徴とする加熱蒸散用殺虫マットに関する。
蒸散殺虫方法は、蚊取り線香、油剤、エアゾール剤など
と同様に一般家庭で広く利用されている。この方法は、
ピレスロイド系殺虫剤組成物をパルプ、石綿、多孔質無
機物質、多孔質合成樹脂などの含浸用マットに塗布、含
浸させ、このマットを電熱蒸散器などで約120〜20
0℃の温度で加熱し、一定量の殺虫成分を長時間に亘っ
て有効に揮散させる方法である。また、最近ではメタノ
ール触媒酸化反応型の携帯蚊取り器等が、キャンプ、野
外作業等において利用されている。
り長時間に亘って殺虫効力を発揮させることを目的とす
るから、これに使用する殺虫マットの処方は、殺虫成分
として熱挿散性殺虫剤、一般にアレスリン又はフラメト
リンが使用され、これに適当量の揮散調製剤、更に、酸
化防止剤、香料、色素等が配合されたものであり、また
充分な殺虫効果をあげるために比較的多量、たとえばd
1,d−80−アレスリンを使用するものにおいては、
殺虫マット1枚当り40mg程度の殺虫成分が含浸され
ていた。最近、プラレトリン及びピペロニルブトキサイ
ド(以下PBOと略称する)等の共力剤を含浸させた殺
虫マットが、特開昭63−152304号公報に開示さ
れている。これによると、プラレトリンの使用量が少な
いにも拘らず長時間に亘って充分な殺虫効果が得られる
と記載されている。
(A)プラレトリンと(B)色素(C)脂肪酸エステル
等又は脂肪酸エステル等と共力剤を含有する殺虫マット
用の組成物が開示されており、拡散性、適度な退色性等
の効果が得られるとしている。
光学活性体であるd,d−T80−プラレトリンを1枚
あたり約10mg含有する殺虫マットが市販されてお
り、これらは上記公報に記載されているように、PBO
またはPBOとステアリン酸ブチルカが配合されている
ものである。しかしながら、これらの殺虫マットは長時
間(たとえば8時間以上)使用した場合に効力低下等の
問題があり、又、最近PBOの安全性について、一部に
疑念が提起されている。
ば、プラレトリンにサイネピリン500を配合すること
により、PBOを使用せず、かつ長時間安定した効力を
有する殺虫マットが得られることが見いだされた。
成分としてプラレトリンを含有する殺虫マットにおい
て、該殺虫成分の1〜5倍量のサイネピリン500を配
合することを特徴とする加熱蒸散用殺虫マットに関する
ものであり、プラレトリンを従来に比べて少量の8〜2
0mg/マットの割合で多孔質マットに含有せしめて
も、長時間にわたって充分な殺虫効果を発揮することを
特徴とする。
チル−4−オキソ−3−(2−プロピニル)シクロペン
タ−2−エニル クリサンテマートであり、この殺虫成
分には、酸側、アルコール側の不斉炭素に起因する8個
の光学異性体が存在し、殺虫効力を有する各種光学異性
体及びその混合物を使用しうる。これらのうち、d,d
−T80−プラレトリン(酸側がd−cis/tran
s体でcis/transが約2/8であり、アルコー
ル側がd−体)が工業的に入手可能であり好適である。
又、d,d−trans−プラレトリンは効力的に優れ
た光学異性体であり好ましい。
8〜20mgが効力並びに経済性の点から好ましい。な
お、この使用量は、マットの大きさ(22×35×2.
8mm)を基準とするものであり、マットの大きさを変
えて用いる場合には上記マットの容量を基準にして計算
すればよい。なお、マットの厚さは1.5mmより3.
5mmまで使用でき、好ましくは2.0mmから3.0
mmである。
て、長時間たとえば、12時間使用しても、充分な効力
を持つようにプラレトリンの揮散量を調整し、かつ、効
力的にも優れた共力効果を発揮する。サイネピリン50
0の配合量は、プラレトリンに対し重量で1〜5倍に設
定する。サイネピリン500の配合量が少ない場合には
長時間の蒸散、たとえば、使用時間8時間以降殺虫効力
が低下する。一方、この配合量以上であると、コスト上
不利なうえに、必要以上に殺虫成分がマット中に残存
し、充分な殺虫効果が得られない。
リン、サイネピリン500の他従来公知の他の添加剤、
たとえば酸化防止剤、忌避剤、溶剤、揮散調整剤、香
料、色素等を添加することができる。又、必要に応じ、
他の殺虫成分、共力剤を添加してもよい。
化等に対し安定性に欠ける嫌いがあるので、たとえば、
2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BH
T)、3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール(B
HA)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−t
−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−
メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−ブチ
リデンビス(5−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、4,4′−メチレンビス(2−メチル−6−t−
ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル
−6−t−ブチルフェノール)、4,4′−メチレンビ
ス(2,6−t−ブチルフェノール)、ステアリル−β
−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジルベンゼン)、1,1,3−トリス(2−メ
チル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチル)ブタン、テト
ラキス〔メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロキシシンナメート)〕メタン、ジラウリルチオジプロ
ピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート等の酸
化防止剤或いはベンゾフェノン系、トリアゾール系、サ
リチル酸系等の紫外線防止剤を適量加えることによって
安定性を向上させることができる。
で使用している色素をマット1枚当り0.1〜2.0m
g添加し、使用による変色により殺虫成分の残存量の検
知剤とすることができる。一般的にはアントラキノン系
油溶性染料が好ましく、たとえば1−メチルアミノ−4
−トリルアミノアントラキノン、1,4−ジメチルアミ
ノアントラキノン、1,4−ジエチルアミノアントラキ
ノン、1,4−ジイソプロピルアミノアントラキノン、
1,4−ジブチルアミノアントラキノンなどを挙げるこ
とができ、更にモノアゾ系、ビスアゾ系、トリアリルメ
タン系、ナフタルイミド系の油溶性染料を挙げることが
できる。これらのうら、特に1−メチルアミノ−4−オ
ルトトリルアミノアントラキノンが色調、退色の速度の
点で優れている。
は、パルプ、石綿、多孔質合成樹脂、多孔質無機粉末、
ガラス繊維、布、鉱物質粉末、多孔質磁性物質などの多
孔質担体に前記薬剤を塗布、含浸させて製造するが、多
孔質マットの組成としては、たとえばコットンファイバ
ー50%、パルプファイバー50%等が挙げられ、吸着
保持性の面から天然ファイバーが好ましい。
乾燥法或いは非乾燥法のいずれの方法によってもよい。
溶剤乾燥法は、殺虫剤組成物をヘキサンなどの揮散性有
機溶剤に溶解させ、これにマットを浸漬するか、あるい
はマットに上記有機溶剤溶液を適量滴下し、マットに殺
虫組成物の必要量を吸収させ、次いで乾燥させて有機溶
剤を蒸発させ、その後包装する方法であり、多量の有機
溶剤の使用、乾燥工程の採用により環境汚染、引火の危
険などの問題が有るため非乾燥法を採用することが好ま
しい。この非乾燥法は、前記殺虫剤組成物を、有機溶剤
を使用せずにそのままマットに適量滴下し、包装する方
法であり、2〜3日以内に通常の温度(約20〜25
℃)で、マット全体に拡散する。本発明で用いるプラレ
トリンは室温(約20〜25℃)で液状であるため、上
記非乾燥法を有利に適用することができる。又、低温
(5〜15℃)で滴下する場合は、殺虫剤組成物の粘度
が上がるため適量の溶剤(沸点範囲200〜300℃の
脂肪族炭化水素)を殺虫剤組成物に添加することにより
粘度が下がり、滴下及び拡散性を向上することができ
る。
く説明するが、本発明は下記実施例になんら限定される
ものではない。
(厚さ)mmの含浸用多孔質マット(ウッドパルプ50
%、リンターパルプ50%)に殺虫成分としてd,d−
T80−プラレトリン、サイネピリン500及び安定剤
を表1に示した所定量と、色素(1−メチルアミノ−4
−オルトトリルアミノアントラキノン)0.6mg、香
料1mgこれに炭化水素系溶剤で合計100mg(但
し、実施例7及び8は合計150mg)とした溶液を含
浸させて、殺虫マットを作成した。
PBOを2mgとしたほかは、同様にして、殺虫マット
を作成した。
PBO、ステアリン酸ブチル及びBHTを各々15,1
2及び25mgとしたほかは、同様にして殺虫マットを
作成した。
1,2の殺虫マットを電熱蒸散器に載置し、発熱体温度
170℃の条件で12時間連続して加熱し、殺虫成分の
揮散量を3時間毎に4回各々定量分析した。なお、殺虫
成分の単位時間(3時間)当たりの揮散量は、単位時間
における各種サンプルの揮散蒸気をシリカゲル充填カラ
ムに吸引吸着させ、クロロホルムで抽出後、ガスクロマ
トグラフにて殺虫成分の揮散量を定量分析した。結果を
表2に示す。
定した殺虫成分の揮散を示すのに対し、PBOを用いた
比較例1,2は揮散調整剤ステアリン酸ブチルの有無に
かかわらず、9時間以降の殺虫成分の揮散量が低下して
いた。
ク製円筒を2段に重ね、その上に16メッシュの金網で
上下を仕切った内径20cm、高さ20cmの円筒(供
試昆虫を入れる場所)をのせ、更に、同径で高さ20c
mの円筒をのせる。この4段重ねの円筒を台にのせた円
板上におく。円板中央には5cm円孔があり、この円孔
の上に供試殺虫マットを装着した加熱蒸散器(発熱体温
度170℃)をおき、蒸散させる。そして、蒸散開始
1,6及び12時間後に上部円筒に供試アカイエカ約2
0匹を放ち、時間の経過に伴う仰転数を観察し、KT
50を求める。結果を表3に示す。
較例1,2に比べ、実施例1,3,5,8,9,11は
12時間後においても、安定した効果を保っていた。
トは、殺虫成分プラレトリンの1〜5倍量のN−(2−
エチルヘキシル)−1−イソプロピル−4−メチルビシ
クロ(2,2,2)オクト−5−エン−2,3−ジカル
ボキシイミドを配合することを特徴とする加熱蒸散用殺
虫マットに関するものであり、プラレトリンを従来に比
べて少量の8〜20mg/マットの割合で多孔質マット
に含有せしめても、長時間にわたって充分な殺虫効果が
得られることが明らかである。
Claims (3)
- 【請求項1】 多孔質マットに殺虫成分としてプラレト
リンを含有する加熱蒸散用殺虫マットにおいて、該殺虫
成分の1〜5倍量のN−(2−エチルヘキシル)−1−
イソプロピル−4−メチルビシクロ(2,2,2)オク
ト−5−エン−2,3−ジカルボキシイミドを配合する
ことを特徴とする加熱蒸散用殺虫マット。 - 【請求項2】 プラレトリンの含有量が8〜20mg/
マットである請求項1記載の加熱蒸散用殺虫マット。 - 【請求項3】 殺虫成分がd,d−T80−プラレトリ
ン又はd,d−trans−プラレトリンである請求項
1又は2記載の加熱蒸散用殺虫マット。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP35506093A JP3449436B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 加熱蒸散用殺虫マット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35506093A JP3449436B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 加熱蒸散用殺虫マット |
Publications (2)
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JPH07196417A JPH07196417A (ja) | 1995-08-01 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35506093A Expired - Fee Related JP3449436B2 (ja) | 1993-12-28 | 1993-12-28 | 加熱蒸散用殺虫マット |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (2)
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---|---|---|---|---|
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WO2009003944A2 (en) * | 2007-06-29 | 2009-01-08 | Zobele Holding Spa | Tablet and device for the evaporation of volatile substances |
-
1993
- 1993-12-28 JP JP35506093A patent/JP3449436B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
小野吉弘,ネコノミに対するピレスロイドと合成共力剤の共力効果,衛生動物,日本,1995年,Vol.46,No.1,pp.25−30 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07196417A (ja) | 1995-08-01 |
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