JP3447814B2 - 不揮発性半導体記憶装置 - Google Patents

不揮発性半導体記憶装置

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JP3447814B2
JP3447814B2 JP19705594A JP19705594A JP3447814B2 JP 3447814 B2 JP3447814 B2 JP 3447814B2 JP 19705594 A JP19705594 A JP 19705594A JP 19705594 A JP19705594 A JP 19705594A JP 3447814 B2 JP3447814 B2 JP 3447814B2
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寛 中村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気的書替え可能な不
揮発性半導体記憶装置(EEPROM)に係り、特にN
ANDセル構成のメモリセルアレイを有するEEPRO
Mに関する。
【0002】
【従来の技術】EEPROMの一つとして、高集積化が
可能なNANDセル型EEPROMが知られている。こ
れは、複数のメモリセルをそれらのソース,ドレインを
隣接するもの同士で共用する形で直列接続し、これを一
単位としてビット線に接続するものである。メモリセル
は通常、電荷蓄積層と制御ゲートが積層されたFETM
OS構造を有する。メモリセルアレイは、p型基板又は
n型基板に形成されたp型ウェル内に集積形成される。
NANDセルのドレイン側は選択ゲートを介してビット
線に接続され、ソース側はやはり選択ゲートを介してソ
ース線(基準電位配線)に接続される。メモリセルの制
御ゲートは、行方向に連続的に配設されてワード線とな
る。
【0003】このNANDセル型EEPROMの動作は
次の通りである。データ書き込みの動作は、ビット線か
ら最も離れた位置のメモリセルから順に行う。選択され
たメモリセルの制御ゲートには高電圧Vpp(=20V程
度)を印加し、それよりビット線側にあるメモリセルの
制御ゲート及び選択ゲートには中間電位VmwL (=10
V程度)を印加し、ビット線にはデータに応じて0V又
は中間電位Vm(=8V程度)を与える。ビット線に0
Vが与えられた時、その電位は選択メモリセルのドレイ
ンまで伝達されて、ドレインから浮遊ゲートに電子注入
が生じる。これにより、その選択されたメモリセルのし
きい値は正方向にシフトする。この状態を例えば“1”
とする。ビット線に中間電位が与えられたときは電子注
入が起こらず、従ってしきい値は変化せず、負に止ま
る。この状態は“0”である。
【0004】データ消去は、NANDセル内の全てメモ
リセルに対して同時に行われる。即ち、全ての制御ゲー
ト,選択ゲートを0Vとし、ビット線及びソース線を浮
遊状態として、p型ウェル及びn型基板に高電圧20V
を印加する。これにより、全てのメモリセルで浮遊ゲー
トの電子がp型ウェルに放出され、しきい値は負方向に
シフトする。
【0005】データ読み出し動作は、選択されたメモリ
セルの制御ゲートを0Vとし、それ以外のメモリセルの
制御ゲート及び選択ゲートを電源電位Vcc(=3V)又
はVccより高い電位Vh (=5V程度)として、選択メ
モリセルで電流が流れるか否かを検出することにより行
われる。
【0006】このNANDセル型EEPROMの従来の
ビット線制御回路を図19に、図19中の(エ)の部分
の変更例を図20に、データ書き込み動作の従来例を図
21に、データ読み出し動作の従来例を図22に示す。
また、図19,図20中のBLCRLノードは図6中の
(c)の構成の回路で制御される。ヒューズはビット線
1本に1個の場合以外にビット線複数本に1本(図20
中のヒューズF2はビット線8本にヒューズ1個の場合
に相当)の場合もあるが、動作タイミングに影響は及ぼ
さない。
【0007】図21に示された動作では、信号BLCD
が0VからVccとなる時にビット線が8Vまで充電され
た状態にある。つまり、書き込み動作の開始時にビット
線をVccまで充電した後に、さらにトランジスタQp5,
BLCRLノードを介してVccから8Vまで充電し、そ
の後に信号BLCDを0VからVccとする。このよう
に、トランジスタQp5,BLCRノードを介するビット
線への8V充電動作を含むため、BLCRL制御回路と
して図6(c)のようにVcc電位とVMBL (接続時には
8Vにある)電位の充電動作用トランジスタがそれぞれ
1つずつ必要となる。
【0008】また、図21のように、ビット線一括8V
充電動作をするためには、ヒューズが必要となる。この
理由を以下に説明する。8V電位(VMBL 電位)はVcc
電位より高い電位なのでチップ内部で昇圧回路により発
生させる必要があるが、一般にチップの面積を大幅に増
大させないために昇圧回路のパターンはそれほど大きく
できず、従って昇圧回路の電流供給能力は電源電圧の供
給能力よりずっと低い。リーク電流の大きいビット線が
存在する場合には、リダンダンシーで置き換える、等の
方法でリーク電流の大きいビット線と対応するフリップ
フロップの接続を避けることができ、フリップフロップ
FFと不良ビット線の接続に起因する不良を防止でき
る。
【0009】しかしながら、信号BLCU,BLCRL
をビット線毎にデコードする機能がビット線制御回路中
には存在しない。従って、前記のビット線一括8V充電
動作を行う際にリーク電流の大きいビット線が1本以上
ある場合には、チップ内部昇圧の8V電位は、昇圧回路
の電流供給能力が低いため、正常なビット線のプリチャ
ージ電圧までもこのリーク電流によりレベル低下する
(1V程度の電圧になることもあり得る)。ビット線プ
リチャージレベルが1V程度になると、ビット線とフリ
ップフロップFFのショート動作において、VBITH
が1V程度まで低下し、ノードN1,N2がフローティ
ング状態となる可能性がある。すると、書き込み動作に
おいて、正常なビット線に接続されたメモリセルにおけ
る誤動作を招く危険があり、また8V充電時間として書
き込み動作中に設定してある時間を無駄に消費して書き
込み動作の長時間化を招く危険もある。また、リーク電
流が大きいビット線が1本以上あるチップは、リダンダ
ンシーによる置き換えを行わず全て不良とすることにす
ると、製品の良品率が低下し、製品の価格の高騰を招
く。
【0010】このような問題点を防ぐために、図19,
図20中のヒューズが設けられており、リーク電流が流
れるビット線に対応するヒューズを切断し、リーク電流
を無くし、8V電位のレベル低下を防ぐ方式を従来は用
いていた。しかしながら、このヒューズはチップ中に数
百〜数千個も必要なので、チップ面積の増大につなが
る。
【0011】以上の動作説明から明らかなように、NA
NDセル型EEPROMでは、データ書き込み動作の初
めにビット線を一括に8V程度まで充電する動作を含む
ために、リーク電流の大きいビット線が1本以上ある場
合には、正常なビット線に接続されたメモリセルにおけ
る誤動作を招く危険があり、また8V充電時間として書
き込み動作中に設定してある時間を無駄に消費して書き
込み動作の長時間化を招く危険もあった。また、リーク
電流が大きいビット線が1本以上あるチップは、リダン
ダンシーによる置き換えを行わず全て不良とすることに
すると、製品の良品率が低下する、という問題があっ
た。
【0012】この問題を解決する一つの方法として、こ
れまではビット線1本毎にヒューズ1個、又は複数本の
ビット線にヒューズ1個を設けていた。しかしながら、
このヒューズはチップ中に数百〜数千個必要なので、チ
ップ面積の増大を招く、という問題点があった。
【0013】また、従来の書き込み動作には以下に述べ
るような、別の問題もあった。図21の書き込み動作タ
イミングにおいては、“0”データ書き込みに対応する
ビット線をVccより高い中間電位(〜8V)から低下さ
せる際に、図19中のトランジスタQp5を介して電位低
下を行っていたが、この電位低下時にはトランジスタQ
p5の形成されているn型ウェル電位は前記中間電位(〜
8V)、BLCRLノードはVcc電位となっているた
め、ビット線が5V程度となるとトランジスタQp5は3
V程度のバックバイアスがかかる。
【0014】このようにトランジスタQp5にバックバイ
アスがかかった状態でビット線の電位低下を行うことに
なり、ビット線をVccまで確実に低下させることができ
ず、BLCWノードをVccまで低下させる際にトランジ
スタQp5のビット線側拡散層とnウェルの間でpn接合
順方向電流が流れ、ラッチアップの危険が高まる。さら
に、バックバイアスのかかったトランジスタのしきい値
電圧近傍で放電を行うため、トランジスタの抵抗が高く
なり電位低下速度が低下する、即ちビット線電位低下所
要時間が長くなる、等の問題点があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のN
ANDセル型EEPROMにおいては、リーク電流の大
きいビット線が1本以上存在する場合には、データ書き
込み誤動作,書き込み動作の長時間化,良品率の低下、
等を招く問題があり、この問題を解決するためにヒュー
ズを用いるとチップサイズが増大する、という問題があ
った。また、書き込み動作時の“0”データ書き込みに
対応するビット線の中間電位からの電位低下動作におい
て、電源電圧まで確実に低下できずラッチアップの危険
が高まる、ビット線電位低下所要時間が長時間化する、
という問題があった。
【0016】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、リーク電流の大きいビ
ット線があっても、データ書き込み誤動作、良品率の低
下を防止することができ、高速な書き込み動作をチップ
面積を増大させることなく実現し得る不揮発性半導体記
憶装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、次のような構成を採用している。即ち本発
明は、半導体基板に電荷蓄積層と制御ゲートが積層形成
され、電荷蓄積層と基板の間の電荷の授受により電気的
書替えが行われるメモリセルが配列形成されたメモリセ
ルアレイと、このメモリセルアレイのビット線方向の一
端部に設けられた、読み出しデータと書き込みデータの
ラッチ動作を行うデータラッチ兼センスアンプと、書き
込み動作中に所定のデータ書き込みを行うメモリセルに
対応するビット線を電源電圧より高い電圧に設定する手
段と、前記ビット線の電位をセンスし、前記データラッ
チ兼センスアンプにラッチされたデータが前記ビット線
の電位レベルと一致するか否かを判定すると共に、該判
定の結果が不一致の場合に前記ラッチされたデータの反
転動作を実行する手段とを備えた不揮発性半導体記憶装
置において、前記ビット線を電源電圧より高い電圧に設
定する動作中に、前記判定・反転動作が実行状態にある
ことを特徴とする。また本発明は、半導体基板に電荷蓄
積層と制御ゲートが積層形成され、電荷蓄積層と基板の
間の電荷の授受により電気的書替えが行われるメモリセ
ルが配列形成されたメモリセルアレイと、このメモリセ
ルアレイのビット線方向の一端部に設けられた、読み出
しデータと書き込みデータのラッチ動作を行うデータラ
ッチ兼センスアンプと、書き込み動作中に所定のデータ
書き込みを行うメモリセルに対応するビット線を電源電
圧より高い電圧に設定する手段とを備えた不揮発性半導
体記憶装置において、前記書き込み動作中に、前記ビッ
ト線とデータラッチ兼センスアンプの導通化動作と、前
記電源電圧より高い電圧にあるビット線の電源電圧への
設定動作を含み、前記電源電圧への設定動作中に前記ビ
ット線とデータラッチ兼センスアンプが導通状態にある
ことを特徴とする。
【0018】
【作用】本発明においては、データ書き込み動作中に、
ビット線に一括してVccより高い電位を充電する動作を
用いない、つまり各ビット線と対応するフリップフロッ
プFFを接続する際のビット線電位がVcc電位以下とな
る動作をデータ書き込み動作として用いる。また、書き
込み動作時に“0”データ書き込みに対応するビット線
の中間電位からの低下をビット線とフリップフロップを
導通状態に保ったまま、フリップフロップのノードを電
位低下させることにより実現する。
【0019】このようにして本発明によれば、リーク電
流の大きいビット線が存在するチップにおいても、ヒュ
ーズを用いることによるチップ面積増大を招くことな
く、信頼性が高く、また良品率の低下を招くことのない
高速な書き込み動作を実現することが可能となる。
【0020】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は、本発明の一実施例に係わるNANDセル
型EEPROMの構成を示すブロック図である。メモリ
セルアレイ1に対して、データ書き込み,読み出し,再
書き込み及びベリファイ読み出しを行うためにビット線
制御回路2が設けられている。このビット線制御回路2
はデータ入出力バッファ6につながり、アドレスバッフ
ァ4からのアドレス信号を受けるカラムデコーダ3の出
力を入力として受ける。また、メモリセルアレイ1に対
して制御ゲート及び選択ゲートを制御するためにロウ・
デコーダ5が設けられ、メモリセルアレイ1が形成され
るp基板(又はp型ウェル)の電位を制御するための基
板電位制御回路7が設けられている。
【0021】ビット線制御回路2は主にCMOSフリッ
プフロップから成り、書き込むためのデータのラッチや
ビット線の電位を読むためのセンス動作、また書き込み
後のベリファイ読み出しのためのセンス動作、さらに再
書き込みデータのラッチを行う。
【0022】図2(a)(b)は、メモリセルアレイの
1つのNANDセル部分の平面図と等価回路図であり、
図3(a)(b)はそれぞれ図2(a)のA−A′及び
B−B′断面図である。素子分離酸化膜12で囲まれた
p型シリコン基板(又はp型ウェル)11に複数のNA
NDセルからなるメモリセルアレイが形成されている。
1つのNANDセルに着目して説明するとこの実施例で
は、8個のメモリセルM1〜M8が直列接続されて1つ
のNANDセルを構成している。
【0023】メモリセルはそれぞれ、基板11にゲート
絶縁膜13を介して浮遊ゲート14(141 ,142
…,148 )が形成され、この上に層間絶縁膜15を介
して制御ゲート16(161 ,162 ,…,168 )が
形成されて、構成されている。これらのメモリセルのソ
ース,ドレインであるn型拡散層19(190 ,19
1 ,…,1910)は隣接するもの同士共用する形で接続
され、これによりメモリセルが直列接続されている。
【0024】NANDセルのドレイン側,ソース側には
夫々、メモリセルの浮遊ゲート,制御ゲートと同時に形
成された選択ゲート149 ,169 及び1410,1610
が設けられている。素子形成された基板上はCVD酸化
膜17により覆われ、この上にビット線18が配設され
ている。ビット線18はNANDセルの一端のドレイン
側拡散層19にはコンタクトさせている。行方向に並ぶ
NANDセルの制御ゲート14は、共通に制御ゲート線
CG1,CG2,…,CG8として配設されている。こ
れら制御ゲート線はワード線となる。選択ゲート14
9 ,169 及び1410,1610もそれそぞれ行方向に連
続的に選択ゲート線SG1,SG2として配設されてい
る。
【0025】図4は、このようなNANDセルがマトリ
クス配列されたメモリセルアレイの等価回路を示してい
る。図5は図1中のビット線制御回路2の具体的な構成
を示す図である。データラッチ兼センスアンプとして、
EタイプpチャネルMOSトランジスタQp1,Qp2,Q
p3,Qp4とEタイプnチャネルMOSトランジスタQn
1,Qn2により構成されるCMOSフリップフロップF
Fを有する。このフリップフロップFFは、1本のビッ
ト線に対し1つの割合で設けられている。
【0026】CMOSフリップフロップFFのビット線
側のノードN1は、EタイプnチャネルMOSトランジ
スタQn6、DタイプnチャネルMOSトランジスタQD1
の直列回路を介してビット線BLに接続される。nチャ
ネルMOSトランジスタQn6,QD1は、それぞれ制御信
号BLCD,BLTRによって制御されて、CMOSフ
リップフロップFFとビット線の間を接続したり切り離
したりする。信号BLTR,BLCDは、書き込み時に
一時的にVMWLノードと接続状態になり、このときに
はVMWL=10Vであるため、BLTR,BLCDも
10Vとなり、ビット線BLをノードN1と同電位に設
定する。
【0027】また、信号BLTR,BLCDは、それぞ
れ読み出し時にはVcc,0Vとなって、ビット線電位を
ノードBLSまで転送すると共に、ノードBLSとノー
ドN1の間を非導通とする。
【0028】ビット線BLには、プリチャージ信号BL
CUにより制御されるプリチャージ用のEタイプpチャ
ネルMOSトランジスタQp5が設けられている。このト
ランジスタQp5の形成されるnウェル(若しくはn基
板)電圧はBLCW電位に設定されている。このトラン
ジスタQp5を介して、プリチャージ動作時にはビット線
BLはBLCRL電位に設定される。
【0029】フリップフロップFFのノードN2は、接
地電位0Vとの間にEタイプnチャネルMOSトランジ
スタQn3,Qn4の直列回路が設けられている。これらの
うち、MOSトランジスタQn3のゲートにはビット線電
位センス時に“H”となるビット線電位センス信号BL
SENが入力され、残りのMOSトランジスタQn4のゲ
ートは前記トランジスタQn6とQD1の間のノードBLS
により制御される。
【0030】これらのMOSトランジスタにより、読み
出し動作中にはビット線電位に応じてフリップフロップ
FFのラッチデータが設定される。具体的には、ビット
線が“H”にあればノードN1,N2はそれぞれ
“H”,“L”に、またビット線が“L”にあればノー
ドN1,N2はそれぞれ“L”,“H”に設定される。
【0031】また、フリップフロップFFのノードN1
と接地電位0Vとの間にEタイプnチャネルMOSトラ
ンジスタQn5が設けられている。このトランジスタQn5
ではフリップフロップFFのリセット動作時に“H”と
なるフリップフロップのリセット信号LRSTがゲート
に入力されており、ノードN1,N2がそれぞれ
“L”,“H”となるようにリセットを行う動作を実現
する。
【0032】また、フリップフロップFFを構成するM
OSトランジスタQp1,Qp2のゲートにはそれぞれ信号
SAP,SAPTが入力されている。信号SAPは前記
フリップフロップのリセット動作時に“H”となりQp
1をオフ状態とし、前記リセット動作時にQp1,Qp3,
Qn5のパスで流れる貫通電流を防ぐ役割を果たしてい
る。前記リセット動作時以外には信号SAPは“L”状
態に保たれ、フリップフロップFFのデータ保持状態を
実現している。また、信号SAPTは通常は“L”に保
たれた状態にあり、フリップフロップFFのデータ保持
状態を実現している。
【0033】また、VBITHはフリップフロップFF
のpチャネルMOSトランジスタQp1〜4 が形成される
n型ウェル、及びpチャネルMOSトランジスタQp1,
Qp2の共通ソースノードに与えられる電位で、通常Vcc
であり、書き込み動作時には一時的にVMBLノードと
接続される。このときには、VMBLノードは8Vとな
るため、VBITHノードも8Vとなる。
【0034】また、プリチャージ電位BLCRLは通常
Vcc電位にある。このBLCRL電位は図6の(a)又
は(b)のように電源電圧Vccと接続されている。図6
(a)の信号AはVccレベルにあり、Dタイプnチャネ
ルMOSトランジスタQD2を介してVcc電位がBLCR
Lに供給されている。
【0035】次に、このように構成されたEEPROM
のデータ書き込み,データ読み出し動作をそれぞれ図
7,図8を用いて説明する。但し、図7,図8のタイミ
ング図はBLCRL電位設定部分として図6(a)を用
いた場合の動作を示している。
【0036】まず、書き込み動作を説明する。図7のタ
イミング図ではビット線制御回路2の書き込みデータの
入出力バッファ6からのデータロード動作を除く書き込
み動作を示している。まず、書き込みに先立って、メモ
リセルは制御ゲートを全て0Vとし、メモリセルが形成
されるp基板(又はp型ウェルとn基板)を高電圧Vpp
(〜20V)とし、一括してデータ消去される。続い
て、書き込みデータがデータ入出力バッファ6から入出
力線IO,/IO(実施例中の回路図では省略されてい
るが、通常はIOはノードN1,/IOはノードN2と
トランジスタを介して接続されている)を介してCMO
SフリップフロップFFにラッチされる。引き続いて、
図7中に示された書き込み動作が開始する。
【0037】動作開始の時点でビット線は0VとVccの
いずれかの電圧或いは0VとVccの間の電圧にある。ま
た、動作開始時には“1”データ書き込みを行うメモリ
セルに対応する(つまり、このメモリセルと選択ゲー
ト,非選択メモリセルなどを介して接続されたビット線
と、MOSトランジスタQD1,Qn6を介して接続された
状態にある)フリップフロップFFのノードN1は、
“L”に設定されている。一方、“0”データ書き込み
を行うメモリセルに対応するフリップフロップFFのノ
ードN1は“H”に設定されている。
【0038】まず、信号BLCUが“L”となってビッ
ト線がBLCRL電位、つまりVcc電位にプリチャージ
される。プリチャージが終わると、BLCUが“H”と
なってビット線BLはフローティング状態となる。この
後、信号BLCDがVccとなりビット線BLとノードN
1が接続され、データ“1”書き込みに対応するビット
線が0Vまで放電される。引き続き、VBITH電位が
Vccから8V(=VMBL電位)となるのに伴って、C
MOSフリップフロップの2つのノード(ノードN1,
N2)もデータに応じて0Vと8Vとなる。また、この
時点では、選択メモリセルを含むNANDセル中の全制
御ゲートCGとビット線コンタクト側の選択ゲートSG
1が0VからVccまで充電されている。この時点では、
信号BLCD,BLTRはVcc電位にあるため、8V電
位はビット線BLには転送されない。
【0039】引き続き、信号BLCD,BLTRがVcc
から10Vとなると、ビット線BLは書き込みデータに
応じて、データ“1”書き込みに対応するビット線は0
Vのまま保持され、データ“0”書き込みに対応するビ
ット線は8Vとされる。また、選択メモリセルを含むN
ANDセル中の全制御ゲートCGとビット線コンタクト
側の選択ゲートSG1がVccから10Vまで充電され
る。引き続いて、選択メモリセルのゲートに対応する制
御ゲート、例えば制御ゲートCG2が選択された場合に
はCG2のみが10Vから20Vまで充電される。
【0040】一定時間(〜40μsec)の後に、選択
メモリセルを含むNANDセル中の全制御ゲートCGと
ビット線コンタクト側の選択ゲートSG1が0Vにリセ
ットされる。また、信号BLCDが0Vとなりビット線
BLとCMOSフリップフロップFFは切り離される。
続いて、信号BLCUが0Vとなり、ビット線は全てV
cc電位に設定される。また、VBITH電位がVcc電位
に設定されるのに伴い、フリップフロップFFのノード
のうち“H”側の電位が8VからVccとなる。続いて、
信号BLCUがVccとなりビット線へのVcc電位の充電
が終了すると共に、信号BLCW,BLTRがVcc電位
となり、またVMBL電位がVccとなった後、書き込み
動作が終了する。
【0041】ここで、書き込み動作開始後の全ビット線
一括充電動作では、トランジスタQD2,Qp5を介してV
cc電位までしか充電せず、トランジスタQD2,Qp5を介
した経路ではチップ内部昇圧電位8Vを充電する必要は
ないため、このときのビット線の充電には昇圧回路から
の電流を用いる必要はなく電源を用いればよいので、リ
ーク電流の大きいビット線が存在するチップに備えてト
ランジスタQP5と電源の間にヒューズを設ける必要はな
い。なお、このヒューズに関する説明は後に詳しく述べ
る。
【0042】引き続き、読み出し動作の説明を図8のタ
イミング図を用いて説明する。読み出し動作開始時はビ
ット線電位は0V以上Vcc以下の電位にある。読み出し
動作では、まずプリチャージ信号BLCUがVccから0
Vとなってビット線がVccにプリチャージされた後、B
LCUがVccとなってプリチャージ動作が終了する。ま
た、信号SAPが0VからVccとなり、続いて信号LR
STが0VからVccとなることにより、フリップフロッ
プFF中のノードN1が“L”レベル、つまり0Vに設
定され、従ってノードN2(図8中では省略)が“H”
レベル、つまりVccとなる。
【0043】この場合には、信号LRSTがVccとなる
より早く信号SAPがVccとなるため、図5中の回路の
フリップフロップFF中でのMOSトランジスタQp1,
Qp3,Qn5の経路での貫通電流を防ぐことができ、消費
電流を小さく抑えることができる。前記ノードN1が全
て0Vとなった後、信号SAP,LRSTが共に0Vと
なり、フリップフロップFFのラッチデータのセットが
終わる。
【0044】また、選択メモリセルを含むNANDセル
中の制御ゲートCGのうち選択メモリセルのゲート電極
に対応する制御ゲート以外がVccに充電される、例えば
CG2が選択された場合にはCG1,CG3〜8がVcc
に充電される(以下、選択メモリセルが制御ゲートCG
2をゲート電極とする場合について説明するが、CG2
以外の制御ゲートが選択された場合も同様の動作を実現
できる。)。また、ソース線側の選択ゲートSG2もV
ccに充電される。続いて、ビット線コンタクト側の選択
ゲートSG1がVccに充電される。
【0045】この時点で、選択メモリセル(選択された
制御ゲートCG2をゲート電極とするメモリセル)のし
きい値電圧が負、非選択メモリセル(CG1,CG3〜
8に対応)のしきい値電圧がVcc未満のNANDセルで
は電流が流れ始める。続いて、チップ内部の昇圧回路に
より発生する高電圧VH (VH はVccよりも高い電位)
の昇圧が始まり、選択メモリセルを含むNANDセル中
の制御ゲートCGのうち選択メモリセルのゲート電極に
対応する制御ゲート以外がVH に充電される。
【0046】一定時間(〜10μsec)の後に、選択
メモリセルを含むNANDセル中の全ての制御ゲートC
G1〜8、及び両方の選択ゲートSG1,SG2が0V
に設定される。この一定時間とはビット線をVccから
“L”レベルに相当する電圧までNANDセル(=
“0”データの選択メモリセルを含むNANDセル)を
介して放電する所要時間に基づいた値であり、通常
“0”データの選択メモリセルを含むNANDセルの中
で最も放電時間が遅いNANDセルのビット線放電所要
時間以上に設定される。この時点で、“1”データの選
択メモリセルに対応するビット線電位は“H”,“0”
データの選択メモリセルに対応するビット線電位は
“L”となっている。
【0047】また、ビット線電位センス信号BLSEN
が0VからVccとなり、ビット線電位がセンスされる。
この時、“H”にあるビット線に対応するフリップフロ
ップFFでは、BLS,BLSEN共に“H”にあるた
め、Qn3,Qn4共にオン状態となり、従ってノードN2
が“L”となる(Qp2,Qp4直列回路よりもQn3,Qn4
直列回路の方が電流駆動能力が大きくなるように設定し
てある。従って、Qn3,Qn4共にオン状態となるとノー
ドN2は“L”となる。)ため、ノードN1は“H”と
なる。一方、“L”にあるビット線に対応するフリップ
フロップFFでは、BLSが“L”にあるためQn4がオ
フ状態にあり、従ってフリップフロップFFのノードN
2は“H”のままであり、ノードN1は“L”のままで
ある。
【0048】このようにして、ビット線のレベルに応じ
てフリップフロップFFのデータ状態が変化又は保持さ
れ、メモリセルデータのフリップフロップFFへの読み
出しが実行されると共に、読み出しデータがそのままラ
ッチされる。この後、信号BLSENが0Vとなり、続
いて前記IO,/IOに読み出しデータが出力されて、
データ出力バッファ6に伝えられ、外部に取り出され
る。また、昇圧回路を非活性状態にしてVH 電位の発生
を終了し、VCGHノードをVcc電圧に設定する。これ
で読み出し動作が終了する。
【0049】このように読み出し動作は行われるが、こ
こで補足説明を少し行う。まず、読み出し動作時に非選
択CG,SG1,SG2をVH 電位(但し、VH>Vc
c)まで充電する理由について述べる。非選択CG,S
G1,SG2をVcc電位までしか充電しない場合でも、
選択メモリセルを含むNANDセル中の“1”データの
メモリセルのしきい値電圧が全てVccより低い場合に
は、NANDセル中も電流が流れるため、メモリセルの
データを正しく読み出すことができる。しかしながら、
近年半導体メモリ関連の分野で進んでいる電源電圧低減
化や読み出し時間高速化の実現には、読み出し動作時に
非選択CG,SG1,SG2をVH 電位(但し、VH >
Vcc)まで充電することは有効となる。電源電圧低減化
が進む、例えば5Vから3Vとなると“1”データのメ
モリセルのしきい値電圧が0Vと3Vの間になくてはな
らない。つまり、メモリセルのしきい値電圧の分布幅が
5V未満から3V未満とならねばならないため、良品率
の低下を招く。
【0050】ところが、電源電圧が3V程度でも、読み
出し動作時に、チップ内部の昇圧回路により5V程度の
電圧VH を発生し、非選択CG,SG1,SG2をVH
電位まで充電することにより、メモリセルのしきい値電
圧の分布幅が3Vより広くても、例えば分布幅が4V程
度であっても良品とすることができる。さらに、メモリ
セルのしきい値電圧が0V〜3Vの範囲内であっても非
選択CG,SG1,SG2の電位がVccよりもVH の方
が“0”データの選択メモリセルを含むNANDセルを
流れる電流が大きくなるため、NANDセルを介したビ
ット線の放電時間を短縮できる、即ち、非選択CG,S
G1,SG2の電位を“H”レベルに固定する時間を短
縮でき、読み出し動作の高速化を実現できる。
【0051】次に、図8において、非選択CGやSG2
を0VからVccとするタイミングがSG1を0VからV
ccとするタイミングより早い理由を説明する。読み出し
動作の高速化を実現するために図8の動作では、ビット
線のプリチャージ動作(信号BLCUが“L”にある時
間)と非選択CG,SG2のプリチャージ動作(非選択
CG,SG2が0VからVccとなるまでの時間)を並行
して行っている。つまり、信号BLCUが“L”にある
間に非選択CG,SG2のプリチャージ動作も行ってい
る。
【0052】ところが、信号BLCUが“L“にある間
にSG1のプリチャージ動作まで行おうとすると、この
時には、選択メモリセル(選択された制御ゲートCG2
をゲート電極とするメモリセル)のしきい値電圧が負、
非選択メモリセル(CG1,CG3〜8に対応)のしき
い値電圧がVcc以下のNANDセルでは電流が流れる。
つまり、BLCRL(Vcc電位)からQp5,BL,NA
NDセルを介してメモリセル中のソース線(0V)まで
電流が定常的に流れ続けるため、この定常電流を流すN
ANDセルが多い場合には消費電流が莫大となる。従っ
て、BLプリチャージ動作とSG1プリチャージ動作を
同時に行うことはできない。このため、非選択CG,S
G2のプリチャージ動作よりSG1動作開始を遅らせて
いる。つまり、図8の動作では [読出し動作に入ってから非選択CG,SG1,SG2がVH 充電
開始までの時間]=[{BLプリチャージ時間と非選択
CG,SG2プリチャージ時間のうち所要時間の長い方の時
間}+SG1プリチャージ時間] となる。この場合、SG1プリチャージ時間はメモリセ
ル中のSG1配線の近傍にSG1と同電位の低抵抗材配
線を配置させ、メモリセルアレイ中の複数箇所でSG1
配線と低抵抗材配線を接続する、等の方法によりCGや
SG2の場合よりもSG1のプリチャージ所要時間を大
幅に高速化することができる。従って、 [読出し動作に入ってから非選択CG,SG1,SG2がVH 充電
開始までの時間]〜[{BLプリチャージ時間と非選択
CG,SG2プリチャージ時間のうち所要時間の長い方の時
間}] とすることができ、従って、ビット線のプリチャージ動
作と非選択CG,SG2の0V→Vccの充電動作を並行
して行うことにより読み出し動作の高速化を実現でき
る。
【0053】図8では、非選択CG,SG2に比べてS
G1のプリチャージ動作開始を遅らせることにより読み
出し動作高速化を実現する方式について示したが、SG
1の代わりにSG2のプリチャージ動作開始を遅らせ、
かつ先程述べた低抵抗材を用いた方法等によりSG2の
プリチャージ動作所要時間の高速化をはかることによ
り、同様に読み出し動作高速化を実現できる(図9参
照)。また、SG1,SG2の両方を先程述べた低抵抗
材を用いた方法等によりプリチャージ所要時間の短縮を
はかり、非選択CGのプリチャージ動作開始よりSG
1,SG2のプリチャージ動作開始を遅らせる、等の方
法も可能である。
【0054】また、制御ゲートCGの配線抵抗が大きい
場合には、図9の動作方式、つまり非選択CG,SG1
に比べてSG2のプリチャージ動作を遅らせる方式は読
み出し動作時の信頼性向上をはかるという高速化とは全
く別の観点から見ても有効である。
【0055】この有効である理由について次に図3
(a)を用いて述べる。ノード161 が選択CG(=0
V)である場合を例にとると、ノード18(ビット線)
がVccの場合にノード199 が0Vにある状態からVcc
となると、ノード191 は(Vcc−Vthsgl )となる。
但し、Vthsg1 はビット線コンタクト側選択ゲートS1
のしきい値電圧である。すると、ノード141 を介して
のノード191 とノード161 のカップリングにより、
瞬間的にノード161 が0VからVcp1 (但し、Vcp1
≦(Vcc−Vthsg1 )まで増加する。図8の動作方式を
採用した場合、SG1が0VからVccとなる時には既に
非選択CG,SG2はVccとなっているため、この時に
は選択メモリセル(選択された制御ゲートCG2をゲー
ト電極とするメモリセル)のしきい値電圧がVcp1 未
満、非選択メモリセル(CG1,CG3〜8に対応)の
しきい値電圧がVcc未満のNANDセルでは電流が流れ
る。
【0056】ところが、選択メモリセルのしきい値電圧
が正であるものはデータ“1”に対応し、このメモリセ
ルを含むNANDセルには本来電流が流れてはならない
ためビット線電位は本来“H”レベルになくてはならな
いが、実際には選択メモリセルのしきい値電圧が0Vよ
り高くVcp1 未満の場合にはこのNANDセルでは上述
したように電流が流れるため、前記電流によるビット線
電位の低下量が大きい場合にはビット線電位が“L”レ
ベルと判定され、読み出しデータが誤った値となり、不
良となる。制御ゲートCGの配線抵抗が小さい場合には
カップリングでVcp1 まで増加したノード161 電位は
短時間で0Vに戻るので前記ビット線電位の低下量は小
さく不良とならないが、制御ゲートCGの配線抵抗が小
さい場合にはカップリングでVcp1 まで増加したノード
161 電位は0Vに戻るまで長時間かかり、前記ビット
線電位の低下量が大きくなり不良となる危険が高くな
る。
【0057】図8の動作方式を採用した場合を説明した
が、同様の説明は非選択CG,SG1,SG2のプリチ
ャージを同時に行う際にも当てはまる。ところが、図9
の動作方式を採用した場合にはSG1が0VからVccに
増加するタイミングからSG2が0VからVccに増加す
るタイミングまで待ち時間があるため、この待ち時間の
間にノード161 がVcp1 から低下することになり、図
8の動作時に比べて前記ビット線電位の低下量がずっと
小さくなり、読み出し不良を招く危険がずっと低くな
る。SG2〜8が選択される場合においても、同様の現
象は起こり得る。
【0058】図10,図11に読み出し動作の別の実施
例を示す。図10は図9と同様に非選択CG,SG1の
プリチャージ動作をSG2のプリチャージ動作より先に
行うが、図10では、非選択CG,SG1を0VからV
ccさらにVH レベルまで充電した後に、SG2を0Vか
らVccに充電する。従って、非選択CG,SG1を読み
出し動作時の最高電圧に充電した後にSG2を0Vから
Vccとするために、前段落で述べたカップリングによる
選択CGの増加に基づいた読み出し不良の危険を低くで
きる。特に、図9の動作ではVcc→VH の充電に関して
は非選択CG,SG1,SG2で同時に行われるため、
前記カップリングに基づいた読み出し不良がVcc→VH
充電の際に起こり、VccからVH に充電する際に読み出
し不良が起こる危険がある。
【0059】図10では、非選択CG,SG1をVH ま
で初めに充電するため非選択CG,SG1を0VからV
H まで充電する際に選択CGが0Vからカップリングに
よりVcp12まで増加したとしても、非選択CG,SG1
を0VからVH まで充電してからSG2を0VからVcc
まで充電するまでに待ち時間があるため、選択CG電位
がVcp12から低下し、図9の動作よりずっと読み出し不
良の危険がずっと低くなる。
【0060】以上、選択CG電位のカップリングによる
上昇による読み出し不良を防ぐ動作を考えてきたが、前
にも述べたように、CG配線の抵抗が低い場合はこのカ
ップリングの影響の考慮はあまり必要ないため、図11
のように、非選択CG,SG2が0VからVccさらにV
H となった後にSG1の充電を行う動作を採用する場合
でも正常動作を実現できる。図10,図11の動作は読
み出し高速化の実現につながる場合もある。動作所要時
間として、BLプリチャージ動作の方が非選択CG,S
G1,SG2のプリチャージ動作より長い際には、図
8,図9の動作では、SG1やSG2のプリチャージ時
間が非選択CGより十分短い場合では、 [読出し動作に入ってから非選択CG,SG1,SG2がVH 充電
完了までの時間]〜[{BLプリチャージ時間}+{非
選択CGがVccからVH まで充電するまでの時間}] となり、非選択CG,SG1,SG2をVccからVH と
する時間はBLプリチャージ動作後に、BLプリチャー
ジ時間とは別に必要となる。
【0061】図10,図11の動作では、SG1やSG
2のプリチャージ時間が非選択CGより十分短い場合に
は、 [読出し動作に入ってから非選択CG,SG1,SG2がVH 充電
完了までの時間]〜[{BLプリチャージ時間}と
{(非選択CGを0VからVccの充電所要時間)+(非
選択CGをVccからVH の充電所要時間)}のうちの所
要時間が長い方の時間] となり、BLプリチャージ動作と被選択CGの0V→V
cc→VH 充電動作を平行して行えるので、(BLプリチ
ャージ時間)>(非選択CGを0VからVccとする所要
時間)の場合には図10,図11の動作は図8,図9の
動作より確実に高速化できる。
【0062】以上、読み出し動作を図8,図9,図1
0,図11を用いて説明したが、引き続き、書き込み動
作の図7に示した実施例の変更例の説明を行う。図12
に、図7の動作タイミングの変更例の一つを示す。図1
2の動作の図7との違いは書き込み動作の初めのビット
線のVcc電位プリチャージ動作の有無である。図7で
は、書き込み動作の初めに、MOSトランジスタQp5を
介して全てのビット線をVcc電位にプリチャージし、そ
の後に“1”書き込みに対応するビット線のみ0Vとす
る。また、“0”書き込みに対応するビット線は、しば
らくVcc電位に保たれた後に、信号BLCD,BLTR
が共にVccから10Vとなる際にVccから8Vまで増加
する。しかしながら、あえて書き込み動作の初めにMO
SトランジスタQp5を介して全ビット線Vcc充電しなく
ても、フリップフロップFFのラッチデータに応じて、
フリップフロップFFからトランジスタQn6,QD1を介
してビット線電位を設定することもできる。図12で
は、このようなフリップフロップFFからビット線電位
を設定する動作の実施例を示している。
【0063】書き込み動作開始時はビット線は0V以上
Vcc以下の電位にあり、この状態がしばらく保たれた
後、信号BLCDが0VからVccとなる時に“1”書き
込みに対応するビット線がトランジスタQn6,QD1を介
してフリップフロップFFのノードN1の電位である0
Vに設定される。この時には、信号BLCD,BLTR
はVcc電位にあるので、“0”書き込みに対応するビッ
ト線のうち、(Vcc−Vthn :Vthn はトランジスタQ
n6のしきい値電圧)未満にあるビット線には(Vcc−V
thn )電位に充電され、(Vcc−Vthn )電位以上にあ
るビット線にはトランジスタQn6がオフ状態にあるため
そのままの電位に保たれる。この後、BLCD,BLT
RがVccから10Vとなる時に“0”書き込みに対応す
るビット線が8Vとなる。
【0064】図12の動作が図7の動作よりも優れてい
る部分は、書き込み動作の初めにビット線の一括Vcc充
電をしないため、ビット線一括充電所要時間分だけ書き
込み動作所要時間を高速化できる点である。しかしなが
ら、図12の動作には問題が生じる場合がある。この問
題が生じる場合の説明をVcc=3V,(Vcc−Vthn)
=1Vの場合を例にとって以下に行う。
【0065】問題となる動作はBLCD,BLTRがV
ccから10Vとなるタイミング時である。このときには
“0”書き込みに対応するビット線は最も低い場合には
1Vにあり、BLCD,BLTRがVccから10Vとな
ると“0”書き込みに対応するフリップフロップFFの
8VにあるノードN1とショートされる。この場合、B
LCD,BLTRがVccから10Vとなる速度が速いと
1Vにあるビット線を充電する前にビット線とノードN
1が完全にショートされるので、ノードN1が1V近く
まで急激に低下する。
【0066】すると、ノードN1(〜1V)とノードN
2(〜0V)の電位差が小さくなると共に、VBITH
ノードも1V近くまで低下する危険があり(8V電位は
Vccより高い電圧であり、チップ内部の昇圧回路で発生
する電圧なので、Vcc電位より電流供給能力がずっと低
いため、1V近くまで低下する危険がある)、VBIT
Hノードが1V程度だとフリップフロップFFのノード
N1,N2がフローティング状態となりうる(Qp1〜4
,Qn1〜2 のしきい値電圧が1V程度の場合)ため、
フリップフロップFFのデータ(この場合は“0”デー
タのもの)が誤って反転する危険が高くなり、誤動作を
招きやすくなる。
【0067】ところが、図7のように、書き込み動作の
開始時に予め全ビット線をVcc(=3V)まで充電して
おくと、“0”データに対応するビット線電位は3Vに
あるため、ノードN2との電位差が3Vもあり、またV
BITH電位も3V未満に低下することはない。つま
り、図12のビット線電位=(Vcc−Vthn )=1Vで
ある状態に比べて、Qp1〜4 ,Qn1〜2 のしきい値電圧
(〜1V)よりも2V程度も高い電圧までしかVBIT
Hは低下しないため、ノードN1,N2がフローティン
グになることがなく、フリップフロップFFのラッチデ
ータが反転する危険がずっと低くなる。従って、一般的
に、より信頼性の高い書き込み動作を行うためには、図
12より図7の動作の方が良いことになる。
【0068】しかしながら、BLCD,BLTRがVcc
から10Vとなる際の10Vは電源電圧より高い電圧で
あり、チップ内部の昇圧回路で発生する電圧であるた
め、電源電圧に比べると電流供給能力が小さく、BLC
D,BLTRノードをVccから10Vまで充電する速度
は遅くなりがち(現状では数μs程度)なので、この場
合には図12の動作を用いても、ビット線とノードN1
が完全にショートする前にビット線はQn6,QD1を介し
てノードN1から充電され1Vから最低でも3〜4Vま
でにはなっている、と考えられる。従って、図12の動
作を用いても誤動作は起こりにくいと考えられるため、
この場合には、ビット線一括充電所要時間分だけ書き込
み動作所要時間を高速化できる図12を用いることが望
ましいと言える。
【0069】図13に図12の実施例の変更例を示す。
図12の動作タイミングでは、ビット線一括充電所要時
間分だけ書き込み動作所要時間を高速化できるという特
長がある半面、BLCD,BLTRが10Vになる際に
“0”書き込みに対応するビット線の電圧が1V程度に
あることが誤動作の要因となりうる、と述べたが、図1
3ではビット線一括充電を行わずに、かつ“0”書き込
み動作の危険をなくす動作タイミングの実施例を示して
いる。
【0070】図12の動作との違いは、VBITHノー
ドのVccから8Vへの充電タイミングよりBLCD,B
LTRをVccから10Vへの充電タイミングを早くする
ことである。図13の動作では、“0”書き込みに対応
するビット線(≧1V)とノードN1(=Vcc)が完全
にショートする際にはVBITHノードもVccにあり、
Vccは電源電圧なので電流供給能力が高いためレベル低
下が小さく(Vcc=3Vの場合でも2〜2.5V程度ま
でしかレベル低下しない)、Qp1〜4 ,Qn1〜2 のしき
い値電圧(〜1V)よりも1V程度或いは1V以上も高
いので、フリップフロップFFのノードN1,N2がフ
ローティングにならないため、BLCD,BLTRがV
ccから10Vになる際の誤動作は起こらない。
【0071】また、ビット線とノードN1が完全にショ
ートした状態でVBITHをVccから8Vとするので、
“0”書き込みビット線はVBITHと同時に8Vまで
充電されるため、ビット線を8Vまで充電する際の誤動
作も起こらず、書き込み動作の信頼性を低下させない。
従って、図13の動作を用いると、信頼性を低下させ
ず、ビット線一括充電所要時間分だけ書き込み動作所要
時間を高速化できる。
【0072】図14に図7の実施例の変更例を示す。図
14では、図7に比べて、“0”書き込みビット線を8
VからVccとする動作時のVcc充電経路が異なる。図7
の動作タイミングでは、MOSトランジスタQp5からB
LCRLノードを介してビット線を8VからVccとして
いるが、図14の動作タイミングでは、QD1,Qn6,Q
p3,Qp1からVBITHノードを介してビット線を8V
からVccとしている。図14の方式を用いると、図7の
方式より“0”書き込みビット線放電所要時間を短縮で
きるうえに、“0”書き込みビット線を確実にVcc電位
に設定できる、という利点がある。この利点について以
下に説明する。
【0073】図7中の“0”書き込みビット線放電動作
ではMOSトランジスタQp5からBLCRノードを介し
て放電を行うが、この時にはQp5の形成されるn型ウェ
ル電位BLCWは8Vにある。これは、放電前には
“0”書き込みビット線電位が8VにあるためBLCW
も8V以上に設定しておかないと、BLCW電位がビッ
ト線電位よりも低くなる。つまり、Qp5の形成されてい
るnウェル電位がQp5のビット線側p+拡散層ノード電
位より低くなるため、nウェルとp+ 拡散層の間でpn
接合順方向電流が流れることになり、ラッチアップの原
因となるなどの誤動作を招く危険があるためである。
【0074】従って、図7の動作ではnウェル電圧が8
V、ビット線側でない拡散層(BLCRLノード)がV
ccにあるpチャネルMOSトランジスタQp5を介して
“0”書き込みビット線の放電を行うわけであり、この
場合には“0”書き込みビット線電位が低下していくに
連れて、nウェル電位BLCWとトランジスタQp5の電
位の高い方の拡散層電位(ビット線電位)の差が大きく
なっていく。
【0075】従って、“0”書き込みビット線電位が低
下していくに連れて、MOSトランジスタQp5にバック
バイアスが印加されることになる。例えば、“0”書き
込みビット線が8Vから5Vになると、Qp5のnウェル
電圧が8V、電位の低い方の拡散層電位が5Vなので、
トランジスタQp5には3Vのバックバイアスが印加され
ることになる。この場合には、Qp5のしきい値電圧Vth
p はバックバイアスが0Vのときの値Vthp =−1Vよ
りも高くなり、Vthp =−4〜−5Vとなることもあ
る。この場合は、Qp5のゲート電圧が0V,BLCRL
が3V(=Vccとする)に設定されていても“0”書き
込みビット線は4〜5Vまでしか低下できなくなり、
“0”書き込みビット線のVcc(=3V)への放電を実
現できない。そのうえ、4〜5V近傍への放電において
も、Qp5のしきい値電圧近傍での放電動作であるため、
放電速度が遅くなる。
【0076】一方、図14の動作では、“0”書き込み
ビット線放電動作時にはQD1,Qn6のゲート電圧は10
Vと高い電圧にあるため、QD1,Qn6の抵抗は小さく、
またQp1,Qp3が形成されているnウェル電位はVBI
THノードと同電位にあるため、“0”書き込みビット
線放電時にトランジスタQp1,Qp3にはバックバイアス
は印加されない。従って、図7の“0”書き込みビット
線放電の動作に比べて所要時間を短縮することができ、
また確実にVcc電位まで低下させることができる。
【0077】図15に図14の実施例の変更例を示す。
図15では、8V電位の各信号・ノードへの充電と10
V電位の充電を同じタイミングで行うことが特徴であ
り、このようにすることにより、昇圧回路による8V充
電動作と10V充電動作を並行して行うことができ、充
電所要時間の短縮を実現できる。
【0078】図16は図15の実施例の変更例を示す。
図16では、信号BLCD,BLTRをVccから10V
とする際に信号BLSENがVcc電位にあることが特徴
である。ビット線のうち、“1”書き込みビット線は信
号BLCDが0VからVccとなる時にVccから0Vとな
る。また、“0”書き込みビット線はVcc電位に保たれ
た状態で信号BLSENが0VからVccとなる。この時
には、“1”書き込みビット線は0Vであるためトラン
ジスタQn4はオフ状態にあり、従って信号BLSENが
0VからVccとなっても、“1”書き込みに対応するフ
リップフロップFFには何の影響も与えない。この時、
“1”書き込みに対応するフリップフロップFFのノー
ドN2は“H”にある。
【0079】また、信号BLSENが0VからVccとな
る時には、“0”書き込みビット線はVccであるためト
ランジスタQn4はオン状態にあるため、トランジスタQ
n3,Qn4を介してノードN2が0Vと接続される。ま
た、この時には、“0”書き込みに対応するフリップフ
ロップFFのノードN2は予め0Vとなっているので、
結果的には、信号BLSENが0VからVccとなること
によって、“0”書き込みに対応するフリップフロップ
FFの“0”データラッチが強化(つまり、Qn3,Qn4
がオン状態にあるため、ノードN2の0V電位への設定
が強化)されることになる。
【0080】続いて、信号BLCD,BLTRがVccか
ら10Vとなってビット線とノードN1が完全にショー
トされる状態となる時には、“1”書き込みビット線と
対応するノードN1のショート動作は図15と同様であ
り、“0”書き込みビット線と対応するノードN1のシ
ョート動作はQn3,Qn4がオン状態にありノードN2の
0V電位への設定が強化されるため、ショート動作時に
おける“0”書き込みに対応するフリップフロップFF
のラッチデータ反転という誤動作の危険度をさらに低下
させることができる。つまり、“0”書き込み動作の信
頼性を向上させることができる。
【0081】図17に図5に示したビット線制御回路の
構成の別の実施例を示す。図17の回路では、図5中の
トランジスタQn3,Qn4の代わりに、pチャネルMOS
トランジスタQp7,Qp8が設けられている。Qp7,Qp8
が形成されているnウェルはVBITH電位に設定され
ている。また、図5中の信号BLSENの代わりに信号
BLSENBが用いられており、トランジスタQp7のゲ
ート電極に入力されている。
【0082】図17の回路を用いたときの書き込み動作
の実施例を図18に示す。図18中の動作では、図16
の動作タイミング図における信号BLSENの代わりに
信号BLSENBが用いられており、図17中の信号B
LSENBは図16中の信号BLSENの逆位相(信号
BLSENが0Vの時には信号BLSENBはVcc、信
号BLSENがVccの時には信号BLSENBは0Vと
なる)とする。
【0083】図18の動作では、信号BLCD,BLT
RがVccから10Vとなってビット線とノードN1が完
全にショートされる状態となる時に、信号BLSENB
が0Vにあるために、“0”書き込みビット線と対応す
るノードN1のショート動作は図15と同様であり、
“1”書き込みビット線と対応するノードN1のショー
ト動作はQp7,Qp8がオン状態にありノードN2のVB
ITH電位への設定が強化されるため、ショート動作に
おける“1”書き込みに対応するフリップフロップFF
のラッチデータ反転という誤動作の危険度をさらに低下
させることができる。つまり、“1”書き込み動作の信
頼性を向上させることができる。
【0084】続いて、本実施例が従来例に比べて優れて
いる点を述べる。従来のビット線制御回路の回路構成を
図19に、図19中の(エ)の変更例を図20に、従来
例の書き込み,読み出し動作をそれぞれ図21,図22
に示す。図5の回路構成と図19の回路構成の違いは図
19中のヒューズF1であり、他は同じ構成となってい
る。また、図19,図20中のBLCRLノードは図6
中の(c)の構成の回路で制御される。ヒューズはビッ
ト線1本に1個の場合以外にビット線複数本に1本(図
20中のヒューズF2はビット線8本にヒューズ1個の
場合に相当)の場合もあるが動作タイミングに影響は及
ぼさない。
【0085】図21に示された動作と図7の書き込み動
作との違いは、信号BLCDが0VからVccとなる時に
図21の動作ではビット線が8Vまで充電された状態に
あることである。つまり、書き込み動作の開始時にビッ
ト線をVccまで充電した後に、さらにトランジスタQp
5,BLCRLノードを介してVccから8Vまで充電
し、その後信号BLCDを0VからVccとする。このよ
うに、トランジスタQp5,BLCRLノードを介するビ
ット線への8V充電動作を含むため、BLCRL制御回
路として図6(c)のようにVcc電位とVMBL (接続時
には8Vにある)電位の充電動作用トランジスタがそれ
ぞれ1つずつ必要となる。また、図21のように、ビッ
ト線一括8V充電動作をするためには、ヒューズが必要
となる。この理由を以下に説明する。
【0086】8V電位(VMBL 電位)はVcc電位より高
い電位なのでチップ内部で昇圧回路により発生する必要
があるが、一般にチップの面積を大幅に増大させないた
めに昇圧回路のパターンはそれほど大きくできず、従っ
て昇圧回路の電流供給能力は電源電圧の供給能力よりず
っと低い。リーク電流の大きいビット線が存在する場合
には、リダンダンシーで置き換える、等の方法でリーク
電流の大きいビット線と対応するフリップフロップの接
続を避けることができ、フリップフロップFFと不良ビ
ット線が接続されることに起因する不良を防止すること
ができる。
【0087】しかしながら、信号BLCU,BLCRL
をビット毎にデコードする機能がビット線制御回路中に
は存在しない。従って、前記のビット線一括8V充電動
作を行う際にリーク電流の大きいビット線が1本以上あ
る場合には、チップ内部昇圧の8V電位は、昇圧回路の
電流供給能力が低いため、正常なビット線のプリチャー
ジ電圧までもこのリーク電流によりレベル低下する(1
V程度の電圧になることもある)。ビット線プリチャー
ジレベルが1V程度になると、ビット線とフリップフロ
ップFFのショート動作において、VBITHが1V程
度まで低下し、ノードN1,N2がフローティング状態
となる可能性がある。すると、上述したように書き込み
動作中のビット線とフリップフロップFFとのショート
動作において、正常なビット線に接続されたメモリセル
においても誤動作を招く危険があり、また8V充電時間
として書き込み動作中に設定してある時間を無駄に消費
して書き込み動作の長時間化を招く危険もある。また、
リーク電流が大きいビット線が1本以上あるチップは、
リダンダンシーによる置き換えを行わず全て不良とする
ことにすると、製品の良品率が低下し、製品の価格の高
騰を招く。
【0088】このような問題点を防ぐために、図19,
図20中のヒューズが設けられており、リーク電流が流
れるビット線に対応するヒューズを切断し、リーク電流
を無くし、8V電位のレベル低下を防ぐ方式を従来は用
いていた。しかしながら、このヒューズはチップ中に数
百〜数千個必要なので、チップ面積の増大につながるこ
とになる。
【0089】今回、上述した実施例では、ビット線一括
充電は8Vまでは行わず、Vccのみ行うため、リーク電
流の大きいビット線が存在してもVcc電位は電流供給能
力が極めて大きいため、Vccのレベル低下はほとんで起
こらないため、信頼性の高い書き込みを行うことができ
ると共に、書き込み動作中に無駄な時間を消費すること
を防ぐことができる。従って、本発明を用いることによ
り、ヒューズがなくても、信頼性が高く、書き込み動作
速度の長時間化を招くことのない動作を備え、従って、
従来よりも機能を落とさずパターン面積の小さいビット
線制御回路を実現でき、その結果、従来よりチップサイ
ズの小さいチップを実現できる。つまり、安価なチップ
を得ることができる。
【0090】また、上述した本発明の動作タイミングの
実施例中ではBLCRLノードの制御回路として図6
(a)を用いたが、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、種々変更可能であり、例えば図6(a)の
代わりとして図6(b)を用いる場合も有効である。つ
まり、前記実施例中では、BLCRLノードは常にVcc
電位にあるので、あえてトランジスタ(図6(a)では
QD2に相当)をVcc電位とBLCRLノードの間に入れ
なくても、図6(b)のようにBLCRLノードを直接
Vcc電位に接続することもできる。
【0091】この方式を用いると、ビット線一括Vcc充
電時にビット線とVcc電位ノードの間にある素子の数が
低下するため、また特にビット線一括Vcc充電時には図
6(a)を用いる場合には、1個のトランジスタQD2と
ビット線と同数(通常数千個)のトランジスタQp5がビ
ット線とVcc電位の間に存在するため、ビット線とVcc
電位の間の抵抗の殆どはトランジスタQD2の抵抗となる
(この場合には、書き込み動作時の“0”書き込みビッ
ト線電位の放電動作時と異なり、トランジスタQp5には
バックバイアスはかからないため、ビット線,Vcc電位
間の抵抗は殆どQD2となる)。このため、図6(b)の
回路を用いることによりビット線,Vcc電位間の抵抗
を大幅に減少させることができる。従って、ビット線一
括Vcc充電の所要時間を大幅に短縮できる。
【0092】従って、前記実施例中では読み出し,書き
込み動作中の多くの場合にはビット線一括Vcc充電動作
が含まれるため、本発明を用いることにより、メモリセ
ルのデータ読み出し,書き込み所要時間を短縮すること
ができる。また、図22にメモリセルのデータ読み出し
動作タイミングを示す。読み出しタイミングの従来例に
比べ、本発明の図8〜11のように非選択CGに比べS
G1、若しくはSG2のいずれかの充電タイミングを遅
らせることにより、上述したように読み出し動作の高速
化を実現できる。
【0093】以上、実施例を用いて本発明の説明を行っ
たが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく種
々変更可能である。例えば、図5中の(イ)の代わりに
図23中の(a)〜(c)を用いる場合も本発明は有効
である。また、図17中の(ウ)の代わりに図24中の
(a)〜(c)を用いる場合も本発明は有効である。ま
た、図5,図17中の(ア)の代わりに図25を用いる
場合も本発明が有効であることは言うまでもない(図2
5中の(a)を用いた場合の動作タイミングは特願平3
−243743号、特願平6−44446号を参照)。
【0094】また、図5,図17,図19の実施例中に
はトランジスタQD1や信号BLTRが存在しているが、
トランジスタQD1や信号BLTRがない場合、即ちビッ
ト線とノードN1がトランジスタQn6のみを介して接続
している場合においても有効である。また、前記実施例
中では、NANDセルとして8個のメモリセルが選択ゲ
ートに挟まれた構造(図4参照)のものを例にあげて本
発明の説明をしたが、選択ゲートに挟まれたメモリセル
の数が8個でなく2個,4個,16個,32個,…のよ
うな場合にも本発明が有効であるのは言うまでもない。
【0095】また、本発明の説明をするために用いた動
作タイミング図(図7〜16,図18に相当)におい
て、前記説明した本発明の特長を損なわない範囲内で各
信号の動作タイミングを変更した場合も本発明は有効で
ある。例えば、図7,図12〜16,図18の書き込み
動作時において、CG(選択,非選択)の0VからVcc
への充電タイミングをビット線一括Vcc充電のタイミン
グと同時にするなど種々変更可能である。また、前記実
施例中ではNANDセル型EEPROMを例にとって本
発明の説明を行ったが、前記技術,動作を他のメモリ等
のデバイスで用いる場合も本発明が有効であることはい
うまでもない。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で、種々変形して実施することができる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、書
き込み動作時にビット線に一括して電源電圧より高いチ
ップ内部昇圧電圧を充電することをなくすことにより、
つまり各ビット線と対応するフリップフロップを接続す
る際のビット線の電位がVcc電位以下とすることによ
り、ビット線制御回路中のビット線プリチャージ用トラ
ンジスタに従来接続されていたヒューズを省略すること
ができ、従来よりもパターン面積の小さいビット線制御
回路を実現でき、従ってチップサイズの縮小が可能とな
る。また、ビット線に一括して電源電圧を充電する際の
充電経路の抵抗を大幅に低下させることができるため、
ビット線一括に電源電圧を充電する際の充電所要時間を
大幅に短縮でき、従って、読み出し,書き込み動作所要
時間を短縮できる。
【0097】また、書き込み動作時に“0”データ書き
込みに対応するビット線を電源電圧より高い中間電位か
ら低下させる方法として、フリップフロップと対応する
ビット線を導通状態に保ったままフリップフロップ側の
ノードを電位低下させる方法を用いることにより、確実
に電源電圧に設定できると共に、ビット線電位低下の所
要時間を短縮できる。従って、従来よりも信頼性を高く
でき、そして書き込み動作の高速化が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるNANDセル型EE
PROMの概略構成を示すブロック図。
【図2】実施例のNANDセル構成を示す平面図と等価
回路図。
【図3】図2(a)のA−A′及びB−B′断面図。
【図4】同じくメモリセルアレイの等価回路図。
【図5】同じくビット線制御回路部の構成例を示す図。
【図6】図5中のBLCRL電圧の制御回路図。
【図7】データ書き込み動作の第1の実施例を示すタイ
ミング図。
【図8】データ読み出し動作の第1の実施例を示すタイ
ミング図。
【図9】データ読み出し動作の第2の実施例を示すタイ
ミング図。
【図10】データ読み出し動作の第3の実施例を示すタ
イミング図。
【図11】データ読み出し動作の第4の実施例を示すタ
イミング図。
【図12】データ書き込み動作の第2の実施例を示すタ
イミング図。
【図13】データ書き込み動作の第3の実施例を示すタ
イミング図。
【図14】データ書き込み動作の第4の実施例を示すタ
イミング図。
【図15】データ書き込み動作の第5の実施例を示すタ
イミング図。
【図16】データ書き込み動作の第6の実施例を示すタ
イミング図。
【図17】ビット線制御回路部の別の構成例を示す図。
【図18】データ書き込み動作の第7の実施例を示すタ
イミング図。
【図19】ビット線制御回路部の従来の構成例を示す
図。
【図20】図19の(エ)の部分の変更例を示す図。
【図21】データ書き込み動作の従来のタイミングを示
す図。
【図22】データ読み出し動作の従来のタイミングを示
す図。
【図23】図5の(イ)の部分の変更例を示す図。
【図24】図17の(ウ)の部分の変更例を示す図。
【図25】図5,17の(ア)の部分の変更例を示す
図。
【符号の説明】
1…メモリセルアレイ 2…ビット線制御回路 3…カラムデコーダ 4…アドレスバッファ 5…ロウデコーダ 6…データ入出力バッファ 7…基板バイアス回路 FF…CMOSフリップフロップ(データラッチ兼セン
スアップ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11C 16/06 - 16/34

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板に電荷蓄積層と制御ゲートが積
    層形成され、電荷蓄積層と基板の間の電荷の授受により
    電気的書替えが行われるメモリセルが配列形成されたメ
    モリセルアレイと、このメモリセルアレイのビット線方
    向の一端部に設けられた、読み出しデータと書き込みデ
    ータのラッチ動作を行うデータラッチ兼センスアンプ
    と、書き込み動作中に所定のデータ書き込みを行うメモ
    リセルに対応するビット線を電源電圧より高い電圧に設
    定する手段と、前記ビット線の電位をセンスし、前記デ
    ータラッチ兼センスアンプにラッチされたデータが前記
    ビット線の電位レベルと一致するか否かを判定すると共
    に、該判定の結果が不一致の場合に前記ラッチされたデ
    ータの反転動作を実行する手段とを備え、 前記ビット線を電源電圧より高い電圧に設定する動作中
    に、前記判定・反転動作が実行状態にあることを特徴と
    する不揮発性半導体記憶装置。
  2. 【請求項2】半導体基板に電荷蓄積層と制御ゲートが積
    層形成され、電荷蓄積層と基板の間の電荷の授受により
    電気的書替えが行われるメモリセルが配列形成されたメ
    モリセルアレイと、このメモリセルアレイのビット線方
    向の一端部に設けられた、読み出しデータと書き込みデ
    ータのラッチ動作を行うデータラッチ兼センスアンプ
    と、書き込み動作中に所定のデータ書き込みを行うメモ
    リセルに対応するビット線を電源電圧より高い電圧に設
    定する手段とを備え、 前記書き込み動作中に、前記ビット線とデータラッチ兼
    センスアンプの導通化動作と、前記電源電圧より高い電
    圧にあるビット線の電源電圧への設定動作を含み、前記
    電源電圧への設定動作中に前記ビット線とデータラッチ
    兼センスアンプが導通状態にあることを特徴とする不揮
    発性半導体記憶装置。
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