JP3447280B2 - 印刷物の検査方法およびその検査装置 - Google Patents

印刷物の検査方法およびその検査装置

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JP3447280B2
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SHIRAI ELECTRONICS INDUSTRIAL CO.,LTD.
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    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
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    • G01N21/95Investigating the presence of flaws or contamination characterised by the material or shape of the object to be examined
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント基板の外
観検査、多色刷りの印刷物の検査、基材の表面に材料を
重ね合わせた構造物の外観検査などを行う印刷物の検査
方法およびその検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば、プリント基板(プリント
配線板)の外観を検査する場合には、検査対象であるプ
リント基板の表面の画像をCCDカメラなどの撮像手段
で撮像し、この撮像により検査画像データを得る。次
に、例えば、その検査画像データの各画素値と、予め用
意してある基準画像データの各画素値との差を求め、そ
の差が許容範囲内にあるか否かの判定を行う。さらに、
その判定結果に基づき、検査対象であるプリント基板の
良否を判別するようにしている。
【0003】このため、プリント基板の検査装置では、
プリント基板の検査に際しては、その検査に先立って、
基準画像データを予め用意するとともに、その許容範囲
を予め決めておく必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プリント基
板は表層(表面)に銅箔、絶縁インクなど様々な材料を
積み重ねた構造であるため、製造工程においてその積み
重ねの構造などにずれが発生する。また、プリント基板
の出荷サイズと製造工程中のサイズとは異なっており、
製造工程中の1ワークには多数の出荷サイズのプリント
基板が一体になった状態にあるので、出荷サイズの各プ
リント基板は、ワークの中の位置でそのずれ方が異な
る。
【0005】このため、従来は、上記の基準画像データ
を得るために、良品のプリント基板を撮像して得た画像
データを多数(例えば、1000枚程度のプリント基板
を検査する為に、実使用上問題のない良品判定を得るた
めに100枚程度)用意する必要があるので、基準画像
データを得るために長時間かかるという不都合があっ
た。
【0006】また、プリント基板において、表層が同色
で広範囲につながっているパターンの中に、輝度差(濃
度差)の少ない不良があるような場合がある。この場合
には、目視検査ではその不良を簡単に見つけることがで
きるが、従来のプリント基板の検査装置では、その検出
が困難であるという不具合があった。そこで、本発明の
目的は、上記の点に鑑み、プリント基板や多色刷りの印
刷物の検査の開始に先立って用意する基準画像データな
どの作成時間を短縮できる上に、その検査の精度を向上
できるようにした印刷物の検査方法およびその検査装置
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し、本発
明の目的を達成するために、請求項1〜請求項13に記
載の各発明は、以下のように構成した。すなわち、請求
項1に記載の発明は、検査対象の印刷物を撮像して得た
検査画像データに基づき、前記印刷物の検査を行う印刷
物の検査方法であって、基準となる良品の印刷物を撮像
して得た基準画像データと、この基準画像データの許容
範囲を決めるべき許容差データの初期値とをそれぞれ取
得する第1のステップと、前記基準画像データを更新す
るために新たな良品の印刷物を撮像して得た更新用画像
データを取得し、この更新用画像データが、前記基準画
像データ、前記許容差データ、および任意に設定可能な
第1の許容差パラメータで決まる許容範囲内に属するか
否か検出し、その許容範囲内に属さない更新用画像デー
タを抽出する第2のステップと、その抽出した更新用画
像データに対応する前記基準画像データおよび前記許容
差データの更新指示があったときに、前記抽出された更
新用画像データが許容範囲内に収まるように、前記基準
画像データおよび前記許容差データを、前記更新用画像
データ、前記基準画像データ、および前記許容差データ
に基づいて決まる各所定値にそれぞれ更新する第3のス
テップと、からなり、前記第2のステップおよび前記第
3のステップの各処理を任意の回数繰り返えして前記基
準画像データおよび前記許容差データの更新を予め行っ
ておき、前記印刷物の検査は、前記検査画像データを、
更新後の前記基準画像データおよび前記許容差データ
と、任意に設定可能な第2の許容差パラメータとで決ま
る許容範囲を使用して行うようにしたことを特徴とする
ものである。
【0008】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の印刷物の検査方法において、前記第3のステップにお
ける前記基準画像データと前記許容差データの更新値
は、前記更新用画像データの値と、更新前の基準画像デ
ータの値および前記許容差データの値により決まる許容
範囲の上限値または下限値と、に基づいて求めるように
したことを特徴とするものである。
【0009】請求項3に記載の発明は、請求項1または
請求項2に記載の印刷物の検査方法において、更新用画
像を基準画像に対して所定方向に所定量ずらし、そのず
らした更新用画像に係る前記更新用画像データが、前記
基準画像データ、前記許容差データ、および任意に設定
可能な許容差パラメータで決まる許容範囲内に属するか
否か検出し、その許容範囲内に属さない更新用画像デー
タを抽出する第4のステップと、その抽出した更新用画
像データに対応する前記許容差データを、その更新用画
像データおよび前記更新後の基準画像データに基づいて
決まる所定値にさらに更新する第5のステップと、をさ
らに含み、前記第2のステップから前記第5のステップ
までの各処理を任意の回数繰り返えして前記基準画像デ
ータおよび前記許容差データの更新を予め行っておき、
前記印刷物の検査は、前記検査画像データを、前記更新
の終了した前記基準画像データおよび前記許容差データ
と、任意に設定可能な許容差パラメータとで決まる許容
範囲を使用して行うようにしたことを特徴とするもので
ある。
【0010】請求項4に記載の発明は、請求項3に記載
の印刷物の検査方法において、前記第5ステップにおけ
る前記許容差データの更新値は、前記更新用画像データ
の値と、前記基準画像データの値に基づいて求めるよう
にしたことを特徴とするものである。請求項5に記載の
発明は、請求項3または請求項4に記載の印刷物の検査
方法において、前記第4のステップおよび第5ステップ
の各処理は、更新用画像を基準画像に対してずらす方向
を所定の複数方向とする場合には、その複数方向に応じ
て複数回行うようにしたことを特徴とするものである。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項5のいずれかに記載の印刷物の検査方法において、
前記第1の許容差パラメータと前記第2の許容差パラメ
ータは、前記許容差データの一部を決定するパラメータ
と、絶対値を設定するパラメータとからなることを特徴
とするものである。請求項7に記載の発明は、請求項1
乃至請求項6のいずれかに記載の印刷物の検査方法にお
いて、前記検査対象の印刷物は、プリント基板、多色刷
りの印刷物、または基材の表面に材料を重ね合わせた多
重構造物であることを特徴とするものである。
【0012】請求項8に記載の発明は、検査対象の印刷
物を撮像手段で撮像して得た検査画像データに基づき、
検査手段により前記印刷物の検査を行う印刷物の検査装
置であって、基準となる良品の印刷物を前記撮像手段で
撮像して得た基準画像データと、この基準画像データの
許容範囲を決めるべき許容差データの初期値とをそれぞ
れ記憶する記憶手段と、第1の許容差パラメータと第2
の許容差パラメータを任意にそれぞれ設定する設定手段
と、前記基準画像データを更新するために新たな良品の
印刷物を前記撮像手段で撮像して得た更新用画像データ
が、前記記憶手段に記憶される前記基準画像データおよ
び前記許容差データと、前記設定手段で設定される第1
の許容差パラメータとで決まる許容範囲内に属するか否
か検出し、その許容範囲内に属さない更新用画像データ
を抽出する第1の抽出手段と、その抽出した更新用画像
データに対応する前記基準画像データおよび前記許容差
データの更新指示があったときに、前記抽出された更新
用画像データが許容範囲内に収まるように、前記記憶手
段に記憶される前記基準画像データおよび前記許容差デ
ータとを、前記更新用画像データ、前記基準画像デー
タ、および前記許容差データに基づいて決まる所定値に
それぞれ更新する第1の更新手段と、を備え、前記検査
手段は、前記検査画像データを、前記記憶手段に記憶さ
れる前記更新後の前記基準画像データおよび前記許容差
データと、前記設定手段で設定される第2の許容差パラ
メータとで決まる許容範囲を使用することにより、検査
対象の印刷物の検査を行うようになっていることを特徴
とするものである。
【0013】請求項9に記載の発明は、請求項8に記載
の印刷物の検査装置において、前記第1の更新手段は、
前記基準画像データと前記許容差データの更新値を、前
記更新用画像データの値と、更新前の基準画像データの
値および前記許容差データの値により決まる許容範囲の
上限値または下限値と、に基づいて求めるようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0014】請求項10に記載の発明は、請求項8また
は請求項9に記載の印刷物の検査装置において、更新用
画像を基準画像に対して所定方向に所定量ずらし、その
ずらした更新用画像に係る前記更新用画像データが、前
記基準画像データ、前記許容差データ、および任意に設
定可能な許容差パラメータで決まる許容範囲内に属する
か否か検出し、その許容範囲内に属さない更新用画像デ
ータを抽出する第2の抽出手段と、その抽出した更新用
画像データに対応する前記許容差データを、その更新用
画像データおよび前記更新後の基準画像データに基づい
て決まる所定値にさらに更新する第2の更新手段と、を
さらに備えたことを特徴とするものである。
【0015】請求項11に記載の発明は、請求項10に
記載の印刷物の検査装置において、前記第2の更新手段
は、前記許容差データの更新値を、前記更新用画像デー
タの値と、前記基準画像データの値に基づいて求めるよ
うにしたことを特徴とするものである。請求項12に記
載の発明は、請求項8乃至請求項11のいずれかに記載
の印刷物の検査装置において、前記設定手段で設定でき
る前記第1の許容差パラメータと前記第2の許容差パラ
メータは、前記許容差データの一部を決定するパラメー
タと、絶対値を設定するパラメータとからなることを特
徴とするものである。
【0016】請求項13に記載の発明は、請求項8乃至
請求項12のいずれかに記載の印刷物の検査装置におい
て、前記検査対象の印刷物は、プリント基板、多色刷り
の印刷物、または基材の表面に材料を重ね合わせた多重
構造物であることを特徴とするものである。このよう
に、本発明では、プリント基板などの印刷物の検査をす
る際に必要な許容範囲のデータを取得するめに、濃度差
の大きなエッジ部分において許容差を擬似的に生成し
て、その許容差を使用するようにした。このため、その
許容範囲のデータを取得するための時間を大幅に短縮で
きる上に、その際の使い勝手が向上した。
【0017】また、本発明では、プリント基板などの印
刷物の検査に先立って必要な基準画像データと許容差デ
ータとを上記のように取得し、これを使用して印刷物の
検査を行うようにした。このため、印刷物の検査の精度
を向上することができる。さらに、本発明では、更新用
画像を基準画像に対して所定方向に所定量ずらすときに
は、許容差データのみを更新し、基準画像データは更新
しないようにした。このため、基準画像の位置合わせ基
準マークはその画像がぼけることがないので、基準画像
中の位置合わせマークにより基準画像と検査画像との位
置合わせをする際に、その位置合わせを精度を低下させ
ることなく行える。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本発明の印刷物の検査装置は、プ
リント基板、多色刷りの印刷物、基材の表面に材料を重
ね合わせた多重構造物などの印刷物を検査対象とするも
のである。ここで、検査対象となるプリント基板は、例
えば絶縁基板の上に、銅箔パターンなどを形成し、その
上にソルダーレジスタの印刷および文字やマークのシル
ク印刷を重ねたものである。また、多色刷りの印刷物と
は、例えば版画や地図を印刷用紙に印刷した印刷物のよ
うに、印刷用紙の上に多数の色を重ねて印刷したもので
ある。さらに、多重構造物とは、基材の上に布や紙など
の各種の材料を貼ったり、その材料を複数重ね合わせた
ものをいい、例えば貼り絵、紙を重ねて作った地図など
である。
【0019】この実施形態は、図1に示すように、撮像
装置1と、画像処理装置2と、基準画像データメモリ3
と、許容差データメモリ4と、外部記憶装置5と、RO
M(リード・オンリ・メモリ)6と、入力装置7と、表
示装置8とを少なくとも備えている。撮像装置1は、例
えば搬送装置(図示せず)で搬送されるプリント基板や
多色刷りの印刷物(図示せず)の外観をCCDカメラな
どの撮像素子で撮像して画像信号を取得し、その画像信
号をA/D変換器(図示せず)でA/D変換してデジタ
ル形態の画像データを生成して出力するものである。そ
の画像データは、例えば8ビット(0〜255)の濃淡
値からなる。また、このように取得する画像の1画素の
サイズ(分解能)は、例えば0.05mm×0.05m
mである。
【0020】画像処理装置2は、ROM6に格納される
後述のような画像処理やプリント基板の検査の手順(プ
ログラム)に基づき、後述のような各種の比較や演算な
どの処理を行うものである。このために、この画像処理
装置2は、CPU(中央処理装置)、画像メモリ、ワー
クメモリなどから構成されている。基準画像データメモ
リ3は、基準画像となるプリント基板や多色刷りの印刷
物の表面を撮像装置1で撮像し、この撮像により得られ
る基準画像の各画素の濃度値(基準画像データ)を各画
素毎に記憶するメモリである。
【0021】許容差データメモリ4は、基準画像の各画
素の濃度値ごとの許容差データを格納するメモリであ
る。ここで、許容差データとは、基準画像データの許容
範囲を決めるべきものである(以下、本明細書において
は同様である。)。外部記憶装置5は、ハードディス
ク、フレキシブルディスク、または光ディスクからな
り、後述のように画像データなどを大量に記憶するもの
である。ROM6は、画像処理装置2が後述のような比
較や演算などの画像処理や、プリント基板や多色刷りの
印刷物の検査処理を行うための手順(プログラム)を予
め記憶しておく読み出し専用のメモリである。
【0022】入力装置7は、画像処理装置2からの要求
などに応じて画像処理装置2に対して後述のような指示
や設定などを行うものであり、例えばキーボードなどか
ら構成される。表示装置8は、画像処理装置2がその画
像処理中やプリント基板や多色刷りの印刷物の検査中に
所定の表示を行うものであり、CRTディスプレイや液
晶ディスプレイなどにより構成される。
【0023】次に、このような構成からなる実施形態に
おいて、プリント基板の検査を行う場合の画像処理装置
2の動作の一例について、図面を参照して説明する。こ
の実施形態では、プリント基板の検査に先立って、基準
画像の各基準画像データと、その各基準画像データの
容範囲を決めるべき許容差データとを予め作成しておく
必要があるので、その作成の手順について図2乃至図1
0を参照しながら説明する。
【0024】まず、目視検査により良品と判断したプリ
ント基板を用意し、そのプリント基板の表面の画像を基
準画像として撮像装置1で撮像し、その撮像して得た基
準画像の各画素の濃度値(基準画像データ)を、各画素
ごとに基準画像データメモリ3のアドレスに順次記憶す
る(ステップS1)。この基準画像とその各画素の濃度
値の一例を示すと、図5(A)に示すようになる。な
お、図中の各画素中の数値は、各画素の濃度値を示す。
【0025】次に、入力装置7により設定されたその基
準画像の各画素の濃度値の許容範囲を決めるべき許容差
データの初期値、または予め設定されているその許容差
データの初期値をを取得すると、その許容差データの初
期値が基準画像データと同サイズで許容差データメモリ
4の各アドレスに記憶される(ステップS2)。例え
ば、その許容差データとして、例えば「10」という値
が設定されると、その同じ値が各許容差データメモリ4
の各アドレスに一律に記憶される。
【0026】次に、表示装置8に表示されている基準画
像に対して、検査対象領域を、入力装置7を用いて操作
者が設定する(ステップS3)。さらに、操作者はその
基準画像を見ながら、入力装置7を用いて後述の更新用
画像と基準画像との位置合わせのための位置合わせ基準
マークを、基準画像内の任意の位置に設定する(ステッ
プS4)。
【0027】引き続き、基準画像データメモリ3に記憶
される基準画像の各画素の濃度値を書き換えるために、
新たな良品である2枚目のプリント基板を撮像装置1で
撮像し、その撮像して得た更新用画像の各画素の濃度値
(更新用画像データ)を、画像処理装置2が有する画像
メモリに記憶する(ステップS5)。次に、その更新用
画像と基準画像の位置ずれの補正を、上記で設定した位
置合わせ基準マークを基準に補正する(ステップS
6)。
【0028】次に、更新用画像の各画素の濃度値が、許
容範囲内に属するか否かを判定し(ステップS7)、こ
の判定結果に基づき更新用画像中から濃度値が許容範囲
外の画素を抽出する。上記の判定は、図4に示すよう
に、基準画像の各画素の濃度値を中央値とし、この中央
値の上下に設定される許容範囲内に属するか否かを判定
することにより行う。
【0029】ここで、許容範囲を係る許容差範囲は、次
の(1)式にしたがって求めるものとする。 許容差範囲=許容差データ+(a〔%〕×許容差データ+b)・・・・(1) (1)式において、許容差データは許容差データメモリ
4に記憶される値である。また、(1)式中の( )内
は許容差パラメータを示し、aは許容差データを補正す
るための補正係数、bは許容差データを補正するための
補正値(絶対値)であり、a、bは入力装置7から任意
の値として予め設定されている。
【0030】例えば、基準画像の画素の濃度値が「10
0」、許容差データの値を「10」、aを「10%」、
bを「10」とすると、許容差範囲は「21」となり、
その許容範囲は「±21」となる(図4参照)。次に、
更新用画像の各画素のうち、その濃度値が許容範囲外の
画素を判定して抽出する具体的な手順の一例について、
図5および図6を参照して説明する。
【0031】まず、図5に示すように、同図(A)に示
す基準画像の各画素の濃度値と、同図(B)に示す今回
の更新用画像の各画素の濃度値との間で減算を行い、同
図(C)に示すような各画素ごとの差分データを求め
る。次に、図6に示すように、(1)式により算出した
許容差範囲のデータ(同図の(A)と(B))と、同図
(C)に示すように上記で求めた差分データとの間で減
算を行い、各画素ごとの差分データ(図示せず)を求め
る。
【0032】図6では、説明をわかりやすくするため
に、その許容差範囲のデータを、同図(A)に示すよう
な許容差データメモリ4に記憶される許容差データと、
同図(B)に示すような(1)式中の括弧内に対応する
許容差パラメータ値とに分割して表示している。ここ
で、図6(B)の許容差パラメータは、a=10%、b
=10として求めた値である。
【0033】さらに、その求めた各画素ごとの差分デー
タの値について、正負の判定を行う。この判定結果は、
例えば図6(D)に示すようになる。ここで、図6
(D)において、判定結果が「正」の場合には、更新用
画像の画素の濃度値が許容範囲内に属することを意味
し、「負」の場合には、それが許容範囲内に属さないこ
とを意味する。
【0034】ところで、上述のステップS7の判定処理
の結果、更新用画像の各画素の濃度値が、全て許容範囲
内に属する場合には、次のステップS9に進み、表示装
置8に正常である旨の表示を行う。一方、更新用画像の
各画素の濃度値に、許容範囲内に属さないものがある場
合、すなわち、図6(D)に示すように「負」を示す画
素がある場合には、次のステップS8に進む。ステップ
S8では、その「負」を示す画素の8近傍の連結個数が
所定値(例えば8個)以上か否かを判定する。
【0035】この判定の結果、その画素の8近傍の連結
個数が所定値以上の場合には、表示装置8に表示されて
いる更新用画像において、その画素の連結個数が所定個
以上の部分に異常である旨を示すマーキング表示を行う
(ステップS10)。このときには、表示装置8に、更
新用画像が異常である旨の表示を併せて行う。一方、そ
の画素の8近傍の連結個数が所定値以下の場合には、ス
テップS9に進む。
【0036】次のステップS11では、更新用画像のデ
ータを外部記憶装置5に登録する旨の指示が入力装置7
からあるか否かを判定し、登録する旨の指示があるとス
テップS12に進み、登録する旨の指示がないとステッ
プS17に進む。次のステップS12では、基準画像デ
ータメモリ3に記憶される基準画像の濃度値と、許容差
データメモリ4に記憶される許容差データとのうち、上
述のように抽出された画素に対応する濃度値と許容差デ
ータとを、以下のような手順によりそれぞれ更新する。
【0037】これは、上記のように登録された更新用画
像には、上述のように抽出された濃度値が異常な画素が
含まれるので、その画素の濃度値も許容範囲内となるよ
うにする必要があるためである。次に、そのような画素
の基準画像の濃度値と、許容差データとの更新処理につ
いて詳述する。
【0038】いま、更新用画像の画素のうち、その濃度
値が許容範囲外の画素の濃度値をzとし、それに対応す
る更新前の基準画像の画素の濃度値をx、許容差データ
の値をyとする。そして、図7に示すように、更新用画
像の画素の濃度値zが、上限値(x+y)を上回る場合
には、更新後の基準画像の濃度値x’と許容差データの
値y’を次の(2)式および(3)式により求めるもの
とする。
【0039】x’=〔z+(x−y〕/2・・・・(2) y’=z−x’ ・・・・(3) ここで、いま、図7に示すように、例えばx=100、
y=10、z=150とすると、x’=120、y’=
30となる。一方、図8に示すように、更新用画像の濃
度値zが、下限値(x−y)を下回る場合には、更新後
の基準画像の濃度値x’と許容差データの値y’を次の
(4)式および(5)式により求めるものとする。
【0040】x’=〔z+(x+y〕/2・・・・(4) y’=x’−z ・・・・(5) ここで、いま、図8に示すように、例えばx=100、
y=10、z=20とすると、x’=65、y’=45
となる。このようにして基準画像データメモリ3の内容
は、図5(A)に示す内容から図9(A)に示す内容に
更新され、同様に、許容差データメモリ4の内容は、図
6(A)に示す内容から図9(B)に示す内容に更新さ
れる。
【0041】ところで、プリント基板の表面パターン
は、プリント基板ごとに差異(ずれ)があるので、プリ
ント基板の良否の検査の精度を上げるためには、良品の
プリント基板を撮像した画像データを多数登録して使用
する必要がある。その一方、画像データの登録を少なく
して精度の良いプリント基板の検査ができるようにする
ためには、登録した画像データについて、許容範囲(許
容差データ)を疑似的に広げるようにすれば良い。
【0042】そこで、この実施形態では、画像の1画素
の大きさが0.05mm×0.05mmであることを利
用し、更新用画像を基準画像に対して、所定方向に所定
量ずらし、これに基づいて許容差データメモリ4に記憶
される許容差データのみを更新するようにしたので、以
下この手順について詳細に説明する。まず、ステップS
13では、図5(B)に示す更新用画像を、図5(A)
に示す基準画像に対して所定方向(例えば右方向)に所
定量(例えば1画素分)ずらすと、図10(A)に示す
ようなずらし画像が得られる。
【0043】次のステップS14では、そのずらした更
新用画像の各画素の濃度値が、許容範囲内に属するか否
かの判定を行い、その許容範囲内に属しない画素を抽出
する。すなわち、図9(A)に示す更新後の基準画像の
濃度値と、図10(A)のずらした画像の濃度値との間
で差分演算を行い、図10(B)に示すような差分デー
タを得る。次に、その求めた差分データに基づき、上記
と同様に、許容範囲外の画素を抽出すると、その画素ご
との抽出結果(判定結果)は図10(C)に示すように
なる。
【0044】ところで、そのずらした更新用画像には、
上記のように濃度値が異常な画素が含まれるので、その
異常な部分の濃度値も許容範囲内となるようにする必要
がある。そのため、ステップS15では、許容差データ
メモリ4に記憶される許容差データのみを、以下のよう
な手順により更新する。すなわち、そのずらした更新用
画像の画素のうち、その濃度値が許容範囲外の画素の濃
度値をz、それに対応する更新後の基準画像の画素の濃
度値をx’とする。そして、更新用画像の画素の濃度値
zが、x’を上回る場合には、更新後の許容差データの
値y’を次の(6)式により求めるものとする。
【0045】y’=z−x’・・・・(6) ここで、例えば、z=101、x’=20とすると、
y’=81となる。一方、更新用画像の濃度値zが、
x’を下回る場合には、更新後の許容差データの値y’
を次の(7)式により求めるものとする。 y’=x’−z・・・・(7) このようにして再更新された許容差データの一例を示す
と、図10(D)に示すようになる。
【0046】次のステップS16では、設定された所定
方向の全てに対して更新用画像のずらしに基づく許容差
データの更新が終了したか否かが判定される。この判定
の結果、許容差データの更新が終了していない場合に
は、ステップS13に戻る。そして、図5(B)に示す
更新用画像を、図5(A)に示す基準画像に対して例え
ば左方向にずらし、上記と同様の手順により許容差デー
タを更新する(ステップS13〜S15)。
【0047】このようにして、例えば、更新用画像の基
準画像に対して所定量ずらす方向を、左方向、右方向、
前方向、後方向、右斜め上方向、右斜め下方向、左斜め
上方向、および左斜め下方向の8方向について行い、そ
の各方向における許容差データの更新を終了すると(ス
テップS16)、次のステップS17に進む。次のステ
ップS17では、上記の一連の処理の終了指示があるか
否かが判定される。この判定の結果、その指示がない場
合には、ステップS5に戻り、上記の一連の処理を行
う。一方、その指示がある場合には、上記の一連の処理
を終了する。
【0048】この実施形態では、このようにして更新さ
れた基準画像データと許容差データを使用し、検査対象
であるプリント基板の良否の検査を行う。そこで、次に
そのプリント基板の検査の処理手順を、図11に示すフ
ローチャートを参照して説明する。まず、上記のように
して取得した更新済みの基準画像データと許容差データ
とを、基準画像データメモリ3と許容差データメモリ4
にそれぞれ格納する(ステップS21)。
【0049】次に、検査対象のプリント基板の表面の画
像を撮像装置1で撮像し、その撮像して得た検査画像の
各画素の濃度値を取得し(ステップS22)、その取得
した各濃度値を画像処理装置2の画像メモリ内に記憶す
る。さらに、このように取得した検査画像を表示装置8
に表示し、基準画像の位置合わせマークを基準に位置補
正する(ステップS23)。
【0050】次いで、検査画像の各画素の濃度値と、対
応する基準画像の各画素の濃度値との間で差分演算を行
い、差分データを求める(ステップS24)。さらに、
その各差分データを比較するために、許容差範囲を次の
(8)式のより算出する(ステップS25)。 許容差範囲=許容差データ+(c〔%〕×許容差データ+d)・・・・(8) (8)式において、許容差データは許容差データメモリ
4に記憶される値である。また、(8)式中の( )内
は許容差パラメータであり、cは許容差データを補正す
るための補正係数、dは許容差データを補正するための
補正値(絶対値)であり、c、dは入力装置7から任意
の値として予め設定されている。
【0051】次に、その求めた許容差範囲と差分データ
の比較を行う(ステップS26)。この比較の結果、差
分データが許容差範囲よりも大きな場合には、その差分
データにかかる画素を不一致画素(異常画素)として記
憶する(ステップS27)。一方、差分データが許容差
範囲よりも小さい場合には、次のステップS28に進
む。
【0052】以上のステップS23〜ステップS26の
各処理を、検査画像の画素の最終アドレスまで継続し、
最終アドレスであると判断されると(ステップS2
8)、次のステップS29に移行する。ステップS29
では、その不一致画素が、設定個数以上連結するか否か
を判定する。この判定の結果、不一致画素が設定個数以
上連結する場合には、表示装置8においてプリント基板
が不良品である旨の表示を行うとともに、その不一致画
素をマーキング表示する(ステップS30)。一方、不
一致画素が設定個数以上連結しない場合には、表示装置
8においてプリント基板が良品である旨の表示を行う
(ステップS31)。
【0053】次のステップS32では、プリント基板の
検査の終了の指示があったか否かが判定される。その指
示があるまでステップS22からステップS31までの
各処理を繰り返し、その指示があったことが判定される
と、プリント基板の検査を終了する。以上説明したよう
に、この実施形態によれば、更新用画像の各画素の濃度
値を基準画像の各画素の濃度値と比較し、そのデータ差
(濃度差)の大きな部分を抽出し、その抽出した部分に
対応する基準画像の各画素の濃度値と許容差データをそ
れぞれ更新するようにした。
【0054】さらに、更新用画像を基準画像に対して所
定方向に所定量ずらし、このずらした更新用画像の画素
の濃度値を更新済みの基準画像の対応する画素の濃度値
と比較し、その差分データの大きな部分を抽出し、その
抽出した部分に対応する許容差データのみをさらに更新
するようにした。このため、この実施形態によれば、濃
度差の大きなエッジ部分にのみ許容差を擬似的に付加す
ることができるので、プリント基板の検査をする際に必
要な許容範囲のデータを取得するための時間を大幅に短
縮できる上に、その際の使い勝手が向上した。
【0055】また、この実施形態では、上記のようにし
て取得した更新済みの基準画像データと許容差データと
を使用して、プリント基板の検査を行うようにした。こ
のため、プリント基板の検査の精度を向上することがで
きる。さらに、この実施形態では、更新用画像を基準画
像に対して所定方向に所定量ずらすときには、許容差デ
ータのみを更新し、基準画像データは更新しない。この
ため、基準画像の位置合わせ基準マークはその画像がぼ
けることがないので、基準画像中の位置合わせ基準マー
クにより基準画像と検査画像との位置合わせをする際
に、その位置合わせを精度を低下させることなく行え
る。
【0056】なお、以上説明した実施形態では、プリン
ト基板の検査の場合について説明したが、本発明では、
その検査対象を多色刷りの印刷物や、基材の表面に材料
を重ね合わせた多重構造物とすることもできる。この場
合には、その多色刷りの印刷物や多重構造物を、プリン
ト基板の検査の場合と同様の手順により検査をすること
ができる。
【0057】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、プ
リント基板などの印刷物の検査をする際に必要な許容範
囲のデータを取得するめに、濃度差の大きなエッジ部分
において許容差を擬似的に生成し、その許容差を使用す
るようにしたので、その許容範囲のデータを取得するた
めの時間を大幅に短縮できる上に、その際の使い勝手が
向上した。
【0058】また、本発明では、プリント基板などの印
刷物の検査に先立って必要な基準画像の基準データと許
容差データとを上記のように取得し、これを使用してプ
リント基板の検査を行うようにした。このため、プリン
ト基板などの印刷物の検査の精度を向上することができ
る。さらに、本発明では、更新用画像を基準画像に対し
て所定方向に所定量ずらすときには、許容差データのみ
を更新し、基準画像の基準データは更新しないようにし
た。このため、基準画像の位置合わせ基準マークはその
画像がぼけることがないので、基準画像中の位置合わせ
マークにより基準画像と検査画像との位置合わせをする
際に、その位置合わせを精度を低下させることなく行え
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印刷物の検査装置の一例である実施形
態の構成を示すブロック図である。
【図2】その実施形態の基本画像の基準画像データと許
容差データの更新処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図3】図2のフローチャートの続きの処理を示すフロ
ーチャートである。
【図4】基準データとその許容範囲を説明する説明図で
ある。
【図5】基準画像と更新用画像の差分演算の一例を示す
図である。
【図6】更新用画像の各画素から許容差範囲外の画素を
抽出することを説明する説明図である。
【図7】基準画像の基準画像データと、許容差データの
更新の一例を説明する説明図である。
【図8】基準画像の基準画像データと、許容差データの
更新の他の例を説明する説明図である。
【図9】更新された基準画像の基準画像データと、更新
された許容差データの一例を示す図である。
【図10】更新用画像をずらし、これに応じて許容差デ
ータのみを再更新する場合の手順を説明する説明図であ
る。
【図11】この実施形態において、プリント基板の検査
の処理の一例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 撮像装置 2 画像処理装置 3 基準画像データメモリ 4 許容差データメモリ 5 外部記憶装置 6 ROM 7 入力装置 8 表示装置
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−132757(JP,A) 特開 平11−42768(JP,A) 特開 平1−163067(JP,A) 特開 平7−181143(JP,A) 特開 平8−110305(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958 G06T 1/00 - 9/40

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 検査対象の印刷物を撮像して得た検査画
    像データに基づき、前記印刷物の検査を行う印刷物の検
    査方法であって、 基準となる良品の印刷物を撮像して得た基準画像データ
    と、この基準画像データの許容範囲を決めるべき許容差
    データの初期値とをそれぞれ取得する第1のステップ
    と、 前記基準画像データを更新するために新たな良品の印刷
    物を撮像して得た更新用画像データを取得し、この更新
    用画像データが、前記基準画像データ、前記許容差デー
    タ、および任意に設定可能な第1の許容差パラメータで
    決まる許容範囲内に属するか否か検出し、その許容範囲
    内に属さない更新用画像データを抽出する第2のステッ
    プと、 その抽出した更新用画像データに対応する前記基準画像
    データおよび前記許容差データの更新指示があったとき
    に、前記抽出された更新用画像データが許容範囲内に収
    まるように、前記基準画像データおよび前記許容差デー
    タを、前記更新用画像データ、前記基準画像データ、お
    よび前記許容差データに基づいて決まる各所定値にそれ
    ぞれ更新する第3のステップと、からなり、 前記第2のステップおよび前記第3のステップの各処理
    を任意の回数繰り返えして前記基準画像データおよび前
    記許容差データの更新を予め行っておき、 前記印刷物の検査は、前記検査画像データを、更新後の
    前記基準画像データおよび前記許容差データと、任意に
    設定可能な第2の許容差パラメータとで決まる許容範囲
    を使用して行うようにしたことを特徴とする印刷物の検
    査方法。
  2. 【請求項2】 前記第3のステップにおける前記基準画
    像データと前記許容差データの更新値は、前記更新用画
    像データの値と、更新前の基準画像データの値および前
    記許容差データの値により決まる許容範囲の上限値また
    は下限値と、に基づいて求めるようにしたことを特徴と
    する請求項1に記載の印刷物の検査方法。
  3. 【請求項3】 更新用画像を基準画像に対して所定方向
    に所定量ずらし、そのずらした更新用画像に係る前記更
    新用画像データが、前記基準画像データ、前記許容差デ
    ータ、および任意に設定可能な許容差パラメータで決ま
    る許容範囲内に属するか否か検出し、その許容範囲内に
    属さない更新用画像データを抽出する第4のステップ
    と、 その抽出した更新用画像データに対応する前記許容差デ
    ータを、その更新用画像データおよび前記更新後の基準
    画像データに基づいて決まる所定値にさらに更新する第
    5のステップと、をさらに含み、 前記第2のステップから前記第5のステップまでの各処
    理を任意の回数繰り返えして前記基準画像データおよび
    前記許容差データの更新を予め行っておき、 前記印刷物の検査は、前記検査画像データを、前記更新
    の終了した前記基準画像データおよび前記許容差データ
    と、任意に設定可能な許容差パラメータとで決まる許容
    範囲を使用して行うようにしたことを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載の印刷物の検査方法。
  4. 【請求項4】 前記第5ステップにおける前記許容差デ
    ータの更新値は、前記更新用画像データの値と、前記基
    準画像データの値に基づいて求めるようにしたことを特
    徴とする請求項3に記載の印刷物の検査方法。
  5. 【請求項5】 前記第4のステップおよび第5ステップ
    の各処理は、更新用画像を基準画像に対してずらす方向
    を所定の複数方向とする場合には、その複数方向に応じ
    て複数回行うようにしたことを特徴とする請求項3また
    は請求項4に記載の印刷物の検査方法。
  6. 【請求項6】 前記第1の許容差パラメータと前記第2
    の許容差パラメータは、前記許容差データの一部を決定
    するパラメータと、絶対値を設定するパラメータとから
    なることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか
    に記載の印刷物の検査方法。
  7. 【請求項7】 前記検査対象の印刷物は、プリント基
    板、多色刷りの印刷物、または基材の表面に材料を重ね
    合わせた多重構造物であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項6のいずれかに記載の印刷物の検査方法。
  8. 【請求項8】 検査対象の印刷物を撮像手段で撮像して
    得た検査画像データに基づき、検査手段により前記印刷
    物の検査を行う印刷物の検査装置であって、 基準となる良品の印刷物を前記撮像手段で撮像して得た
    基準画像データと、この基準画像データの許容範囲を決
    めるべき許容差データの初期値とをそれぞれ記憶する記
    憶手段と、 第1の許容差パラメータと第2の許容差パラメータを任
    意にそれぞれ設定する設定手段と、 前記基準画像データを更新するために新たな良品の印刷
    物を前記撮像手段で撮像して得た更新用画像データが、
    前記記憶手段に記憶される前記基準画像データおよび前
    記許容差データと、前記設定手段で設定される第1の許
    容差パラメータとで決まる許容範囲内に属するか否か検
    出し、その許容範囲内に属さない更新用画像データを抽
    出する第1の抽出手段と、 その抽出した更新用画像データに対応する前記基準画像
    データおよび前記許容差データの更新指示があったとき
    に、前記抽出された更新用画像データが許容範囲内に収
    まるように、前記記憶手段に記憶される前記基準画像デ
    ータおよび前記許容差データとを、前記更新用画像デー
    タ、前記基準画像データ、および前記許容差データに基
    づいて決まる所定値にそれぞれ更新する第1の更新手段
    と、を備え、 前記検査手段は、前記検査画像データを、前記記憶手段
    に記憶される前記更新後の前記基準画像データおよび前
    記許容差データと、前記設定手段で設定される第2の許
    容差パラメータとで決まる許容範囲を使用することによ
    り、検査対象の印刷物の検査を行うようになっているこ
    とを特徴とする印刷物の検査装置。
  9. 【請求項9】 前記第1の更新手段は、前記基準画像デ
    ータと前記許容差データの更新値を、前記更新用画像デ
    ータの値と、更新前の基準画像データの値および前記許
    容差データの値により決まる許容範囲の上限値または下
    限値と、に基づいて求めるようにしたことを特徴とする
    請求項8に記載の印刷物の検査装置。
  10. 【請求項10】 更新用画像を基準画像に対して所定方
    向に所定量ずらし、そのずらした更新用画像に係る前記
    更新用画像データが、前記基準画像データ、前記許容差
    データ、および任意に設定可能な許容差パラメータで決
    まる許容範囲内に属するか否か検出し、その許容範囲内
    に属さない更新用画像データを抽出する第2の抽出手段
    と、 その抽出した更新用画像データに対応する前記許容差デ
    ータを、その更新用画像データおよび前記更新後の基準
    画像データに基づいて決まる所定値にさらに更新する第
    2の更新手段と、 をさらに備えたことを特徴とする請求項8または請求項
    9に記載の印刷物の検査装置。
  11. 【請求項11】 前記第2の更新手段は、前記許容差デ
    ータの更新値を、前記更新用画像データの値と、前記基
    準画像データの値に基づいて求めるようにしたことを特
    徴とする請求項10に記載の印刷物の検査装置。
  12. 【請求項12】 前記設定手段で設定できる前記第1の
    許容差パラメータと前記第2の許容差パラメータは、前
    記許容差データの一部を決定するパラメータと、絶対値
    を設定するパラメータとからなることを特徴とする請求
    項8乃至請求項11に記載の印刷物の検査装置。
  13. 【請求項13】 前記検査対象の印刷物は、プリント基
    板、多色刷りの印刷物、または基材の表面に材料を重ね
    合わせた多重構造物であることを特徴とする請求項8乃
    至請求項12のいずれかに記載の印刷物の検査装置。
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