JP3691503B2 - 印刷物の検査方法およびその検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プリント基板やICカードのような印刷物における表面の欠陥の有無の検査を行う印刷物の検査方法およびその検査装置に関するものである。
従来、印刷物としてのプリント基板(プリント配線板)の外観検査は、一般に、以下の手順により行われる。まず、検査対象であるプリント基板の表面の画像をCCDカメラなどで撮像し、この撮像により検査画像データを得る。次に、その検査画像データの各画素値と、予め用意してある基準画像データの各画素値との差を求め、その差が許容範囲内にあるか否かの判定を行う。さらに、その判定結果に基づき、検査対象であるプリント基板の良否を判別する。
このようなプリント基板の検査方法において、その検査精度を向上させるようにしたものとして、この発明の出願人による特許発明が知られている(特許文献1参照)。
この検査方法は、良品の複数のプリント基板のモノクロ画像を用いて、基準画像データと許容範囲とを所定の手順で更新させ、最終的な基準画像データと許容範囲とを決定して登録しておく。そして、印刷物の検査時には、検査対象のプリント基板のモノクロ画像を取得し、登録してある基準画像データと許容範囲とを用いて、プリント基板の欠陥の有無の検査を行う。
一方、複数のパターン領域を有するプリント基板についてそのカラー画像を取得し、この取得したカラー画像の画像データを用いて各パターン領域に分割する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3447280号公報(特開2003−156448号公報) 特開平11−304720号公報
特許文献1に記載の発明によれば、プリント基板の検査に先立って用意する基準画像データと許容範囲の作成時間を短縮できる上に、プリント基板の製造工程で多少のばらつきがあっても、その検査の精度を向上させることができる。
しかし、プリント基板の検査に先立って用意すべき基準画像データと許容範囲の作成時間については、さらに短縮できることが望まれ、かつ、そのプリント基板の検査精度についてもさらに向上できることが望まれる。
その一方、プリント基板の外観の検査対象は、配線パターン領域、レジスト領域、シルク領域などの異なる複数のパターン領域からなり、これらの各パターン領域は、製造工程で要求される品質が異なる。このため、プリント基板の各パターン領域では、出来上がりの品質の程度が様々であり、出来上がりの品質の要求の甘いシルク領域と、その要求の厳しい配線パターン領域およびレジスト領域とを比べると、シルク領域が出来上がりの品質に大きなばらつきがある。
そこで、シルク領域が不良と判定されないように検査の際の許容範囲を大きくすると、配線パターン領域およびレジスト領域についてもその大きな許容範囲が適用され、その結果、配線パターン領域およびレジスト領域については、不良であると判定すべきところを不良でないと判定するおそれがある。逆に、配線パターン領域とレジスト領域の検出精度を保つために検査の際の許容範囲を小さくすると、シルク領域についてもその小さな許容範囲が適用され、この結果、シルク領域については、不良でないにもかかわらず不良と判定されるおそれがある。このため、プリント基板の検査では、パターン領域の差異(特性)に応じた適切な検査が望まれる。
そこで、本発明の目的は、上記の点に鑑み、プリント基板のような印刷物の検査の開始に先立って用意すべき検査基準の作成時間を大幅に短縮が可能である上に、その検査の精度を大幅に向上できるようにした印刷物の検査方法およびその検査装置を提供することにある。
上記課題を解決し、本発明の目的を達成するために、請求項1〜請求項14に記載の各発明は、以下のように構成した。
すなわち、請求項1に記載の発明は、印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査方法であって、良品の印刷物のカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割する領域分割ステップと、その分割させたカラー画像の各パターン領域をあらかじめ登録しておく第1登録ステップと、良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準を作成する検査基準作成ステップと、その作成した各パターン領域ごとの各検査基準をあらかじめ登録しておく第2登録ステップと、検査対象の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割された各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録ステップで登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査ステップとからなる。
請求項2に記載の発明は、印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査方法であって、良品の印刷物のカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域に対してその形状を変形処理する分割・変形処理ステップと、その分割、変形処理させたカラー画像の各パターン領域を、あらかじめ登録しておく第1登録ステップと、良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域に対してその形状を変形処理し、この分割、変形処理させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準を作成する検査基準作成ステップと、その作成させた各パターン領域の各検査基準をあらかじめ登録しておく第2登録ステップと、検査対象の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域に対してその形状を変形処理し、この分割、変形処理させた各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録ステップで登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査ステップと、からなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の印刷物の検査方法において、前記印刷物は、プリント基板またはICカードである。
請求項4に記載の発明は、印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査方法であって、良品の印刷物のカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させる分割・膨張ステップと、その分割、膨張させたカラー画像の各パターン領域を、あらかじめ登録しておく第1登録ステップと、良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準を作成する検査基準作成ステップと、その作成させた各パターン領域の各検査基準をあらかじめ登録しておく第2登録ステップと、検査対象の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録ステップで登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査ステップと、からなる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の印刷物の検査方法において、前記検査基準作成ステップは、基準となる良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域ごとの基準画像データと、この基準画像データの許容範囲を決めるべき許容差データの初期値とをそれぞれ取得する第1ステップと、前記基準画像データを更新するために新たな良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張して各パターン領域ごとの更新用画像データを取得する第2ステップと、その取得した更新用画像データが、前記基準画像データ、前記許容差データ、および任意に設定可能な第1の許容差パラメータで決まる許容範囲内に属するか否か検出し、その許容範囲内に属さない更新用画像データを抽出する第3ステップと、その抽出した更新用画像データに対応する前記基準画像データおよび前記許容差データの更新指示があったときに、前記抽出された更新用画像データが許容範囲内に収まるように、前記基準画像データおよび前記許容差データを、前記更新用画像データ、前記基準画像データ、および前記許容差データに基づいて決まる各所定値にそれぞれ更新する第4のステップと、からなり、前記第2のステップおよび前記第3のステップの各処理を任意の回数繰り返えして前記基準画像データおよび前記許容差データの更新を予め行っておき、前記検査基準は、更新後の前記基準画像データと、更新後の前記許容差データおよび任意に設定可能な第2の許容差パラメータで決まる許容範囲とする。
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載の印刷物の検査方法において、前記印刷物は、プリント基板またはICカードであり、膨張させる前記所定のパターン領域は、前記印刷物がプリント基板のときにはシルク領域であり、前記印刷物がICカードのときには印刷領域である。
請求項7に記載の発明は、印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査装置であって、複数のパターン領域が形成された印刷物を撮像してそのカラー画像またはそのモノクロ画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割する領域分割手段と、その分割されたカラー画像の各パターン領域を登録する第1登録手段と、前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段に登録された各パターン領域を参照して、その取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準を作成する検査基準作成手段と、その作成した各パターン領域の各検査基準を登録する第2登録手段と、前記画像取得手段で検査対象の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段に登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割された各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録手段に登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査手段と、を備えている。
請求項8に記載の発明は、印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査装置であって、複数のパターン領域が形成された印刷物を撮像してそのカラー画像またはそのモノクロ画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を変形処理させる領域分割・変形処理手段と、その分割、変形処理させた印刷物の各パターン領域を登録する第1登録手段と、前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を変形処理させ、この分割、変形処理させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準をそれぞれ作成する検査基準作成手段と、その作成させた各パターン領域の各検査基準を登録する第2登録手段と、前記画像取得手段で検査対象の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段に登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を変形処理させ、この分割、変形処理させた各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録手段に登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査手段と、を備えている。
請求項9に記載の発明は、印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査装置であって、複数のパターン領域が形成された印刷物を撮像してそのカラー画像またはそのモノクロ画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させる領域分割・膨張手段と、その分割、膨張させた印刷物の各パターン領域を登録する第1登録手段と、前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準をそれぞれ作成する検査基準作成手段と、その作成させた各パターン領域の各検査基準を登録する第2登録手段と、前記画像取得手段で検査対象の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段に登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録手段に登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査手段と、を備えている。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の印刷物の検査装置において、前記検査基準作成手段は、前記画像取得手段で基準となる良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域ごとの基準画像データを取得する基準画像データ取得手段と、その取得した基準画像データと、この基準画像データの許容範囲を決めるべき許容差データの初期値とをそれぞれ記憶する記憶手段と、第1の許容差パラメータと第2の許容差パラメータを任意にそれぞれ設定する設定手段と、前記基準画像データを更新するために前記画像取得手段で新たな良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割させ、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させて各パターン領域ごとの更新用画像データを取得する更新用画像データ取得手段と、その取得した更新用画像データが、前記基準画像データ、前記許容差データ、および任意に設定可能な第1の許容差パラメータで決まる許容範囲内に属するか否か検出し、その許容範囲内に属さない更新用画像データを抽出する抽出手段と、その抽出した更新用画像データに対応する前記基準画像データおよび前記許容差データの更新指示があったときに、前記抽出された更新用画像データが許容範囲内に収まるように、前記記憶手段に記憶される前記基準画像データおよび前記許容差データを、前記更新用画像データ、前記基準画像データ、および前記許容差データに基づいて決まる各所定値にそれぞれ更新する更新手段とを備え、前記検査手段が使用する検査基準は、前記記憶手段に記憶される前記更新後の前記基準画像データと、前記記憶手段に記憶される更新後の前記許容差データおよび前記設定手段で設定される第2の許容差パラメータで決まる許容範囲とする。
請求項11に記載の発明は、請求項7乃至請求項10のうちのいずれかに記載の印刷物の検査装置において、前記画像取得手段は、前記印刷物を撮像するモノクロカメラと、前記印刷物とモノクロカメラとの間に配置され、前記モノクロカメラで印刷物を撮像してR画像を取得する第1フィルタ、B画像を取得する第2フィルタ、G画像を取得する第3フィルタ、およびモノクロ画像を取得する第4フィルタと、前記モノクロカメラで前記印刷物を撮像の際に、前記4つのフィルタのうちの1つを選択するフィルタ選択手段と、を含み、前記フィルタ選択手段は、前記印刷物のカラー画像を取得する場合には前記第1、第2および第3のフィルタをそれぞれ選択し、前記印刷物のモノクロ画像を取得する場合には前記第4フィルタを選択するようになっている。
請求項12に記載の発明は、請求項7乃至請求項11のうちのいずれかに記載の印刷物の検査装置において、前記画像取得手段で前記印刷物を撮像してカラー画像を取得する際に、その印刷物の背景色は、印刷物に含まれる色以外の色であって、RGB色立体で表現した場合に印刷物に含まれる色からできるだけ離れている領域に属する色にするようにした。
請求項13に記載の発明は、請求項7、請求項8、請求項11、または請求項12のうちのいずれかに記載の印刷物の検査装置において、前記印刷物は、プリント基板またはICカードである。
請求項14に記載の発明は、請求項9、請求項10、請求項11、または請求項12のうちのいずれかに記載の印刷物の検査装置において、前記印刷物はプリント基板またはIC基板であり、膨張させる前記所定のパターン領域は、前記印刷物がプリント基板のときにはシルク領域であり、前記印刷物がICカードのときには印刷領域である
このように、本発明では、良品の印刷物のカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異を利用して各パターン領域に分割し、これを登録するようにした。次に、良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、その登録済みの各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準を作成し、これを登録するようにした。このため、本発明によれば、プリント基板のような印刷物の検査の開始に先立って用意すべき検査基準の作成時間を大幅に短縮が可能である。
また、本発明では、印刷物の検査時には、検査対象のプリント基板のモノクロ画像を取得し、その登録済みの各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割された各パターン領域の欠陥の有無の検査を、その登録済みの各パターン領域ごとの検査基準を用いて行うようにした。このため、本発明によれば、プリント基板のような印刷物の検査精度を大幅に向上できる

以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
本発明の印刷物の検査装置は、プリント基板、ICカードなどに形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査するものである。
ここで、検査対象となるプリント基板は、絶縁基板上に、配線パターン領域、パッド領域、レジスト領域、シルク領域などの色の異なる複数のパターン領域が形成され、これらは検査領域となる。
また、検査対象となるICカードは、基材の表面や裏面に露出し金メッキなどが施された端子領域、基材上に印刷された文字などからなる印刷領域などを含み、これらが検査対象となる。
この印刷物の検査装置に係る実施形態は、図1および図2に示すように、検査対象であるプリント基板などの印刷物(図示せず)を載せるテーブル1と、このテーブル1上に置かれた印刷物を上方から撮像する撮像装置2とを備えている。
テーブル1は、その表面の色が印刷物に含まれる色以外の色であって、RGB色立体で表現した場合に印刷物に含まれる色からできるだけ離れている領域に属する色にするようにした。このように、プリント基板などの印刷物の背景色を、上記にようにするのは、プリント基板などを撮像したカラー画像から検査領域と非検査領域とを認識する際に、その非検査領域を容易に認識できるようにするためである。
ここで、印刷物がプリント基板の場合には、テーブル1の表面色を以下のように決めるようにしても良い。すなわち、プリント基板の場合には、レジスト領域が占める割合が多いので、このレジストの色と補色の関係にある色またはその色と近似する色にすることができる。従って、レジストの色が緑色の場合には、テーブル1の表面の色は、赤色およびその赤色に近似する色にすれば良い。
また、テーブル1の構成素材が厚手のアルミニウム板の場合には、その表面をアルマイト処理することにより上記の色にすることができる。さらに、テーブル1は、その表面側を上向きにしてテーブル移動機構11上に設置され、テーブル移動機構11の駆動により図示の方向に往復移動できるようになっている。
なお、テーブル1は、テーブル移動機構に対して着脱自在に構成するようにしてもよい。この場合には、テーブル1は、例えばその表面側を赤色、その裏面側を黒色のように異なる色にすると、プリント基板を検査する際にレジストの色に合わせてテーブル1の表裏を選択的に使用することができ便宜である。
撮像装置2は、図1および図2に示すように、テーブル1の上方に配置されるモノクロカメラ21と、このモノクロカメラ21の前方に配置されるフィルタプレート22とを備えている。フィルタプレート22は、図2に示すように4つの孔を備え、この各孔に、R(赤)画像を得るための赤色レンズフィルタ221、G(緑)画像を得るための緑色レンズフィルタ222、B(青)画像を得るための青色レンズフィルタ223、およびモノクロ画像を得るための透明なレンズフィルタ224がそれぞれ嵌まっている。
このフィルタプレート22は、図2の矢印方向に移動させて、その4つのレンズフィルタのうちの1つを選択的に設定して使用できるようになっている。
すなわち、フィルタプレート22は、図18に示す一軸の位置決め装置23に取り付けられ、位置決め装置23の駆動により図2の矢印方向に往復動でき、4つの各レンズフィルタを所定の撮像位置に置決めができるようになっている。
この位置決め装置23は、図18に示すように、両端が回転自在に軸受けされるネジ棒231と、このネジ棒231の正転または逆転に伴ってネジ棒231の軸方向に移動できるようになっている移動部材232と、ネジ棒231を正転または逆転させるモータ233とを備えている。そして、その位置決め装置23の移動部材232に対して、フィルタプレート22がネジなどで接続されている。
このような構成からなる撮像装置2では、プリント基板などの印刷物のカラー画像が必要の場合にはフィルタプレート22の3つのレンズフィルタ221、222、223を使用してモノクロカメラ21で撮像し、モノクロ画像が必要な場合にはフィルタプレート22のレンズフィルタ224を使用してモノクロカメラ21で撮像することになる。
次に、この実施形態が撮像装置2で撮像した印刷物の画像の処理を行うための構成について、図3を参照して説明する。
この実施形態は、図3に示すように、撮像装置2と、画像処理装置3と、パターン領域データメモリ4と、基準画像データメモリ5と、許容差データメモリ6と、外部記憶装置7と、ROM(リード・オンリ・メモリ)8と、入力装置9と、表示装置10とを少なくとも備えている。
撮像装置2は、上記のように、モノクロカメラ21とフィルタプレート22とを含んでいる。モノクロカメラ21は、CCDカメラなどからなる。このCCDカメラは、テーブル1上のプリント基板などの印刷物を撮像して画像信号を取得し、その画像信号をA/D変換器(図示せず)でA/D変換してデジタル形態の画像データを生成して出力するものである。その画像データは、例えば8ビット(0〜255)の濃淡値からなる。また、このように取得する画像の1画素のサイズ(分解能)は、例えば0.05mm×0.05mmである。
画像処理装置3は、ROM8に格納される後述のような画像処理やプリント基板などの印刷物の検査の手順(プログラム)に基づき、後述のような各種の比較や演算などの処理を行うものである。このために、この画像処理装置3は、CPU(中央処理装置)、画像メモリ、ワークメモリなどから構成されている。
パターン領域データメモリ4は、良品のプリント基板などの印刷物の表面を撮像装置2で撮像してカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の違いを利用して各パターン領域に分割し、さらに後述のように変形処理させた各パターン領域を示すデータを記憶するメモリである。
基準画像データメモリ5は、基準画像となる良品のプリント基板などの印刷物の表面を撮像装置2で撮像し、この撮像により得られるモノクロ画像からなる基準画像の各画素の濃度値(基準画像データ)を各画素毎に記憶するメモリである。
許容差データメモリ6は、その基準画像の各画素の濃度値ごとの許容差データを格納するメモリである。
ここで、許容差データとは、基準画像データの許容範囲を決めるべきものである(以下、本明細書においては同様である)。
外部記憶装置7は、ハードディスク、フレキシブルディスク、または光ディスクからなり、後述のように画像データなどを大量に記憶するものである。
ROM8は、画像処理装置3が後述のような比較や演算などの画像処理や、プリント基板や多色刷りの印刷物の検査処理を行うための手順(プログラム)を予め記憶しておく読み出し専用のメモリである。
入力装置9は、画像処理装置3からの要求などに応じて画像処理装置3に対して後述のような指示や設定などを行うものであり、例えばキーボードなどから構成される。
表示装置10は、画像処理装置3がその画像処理中やプリント基板などの検査中に所定の表示を行うものであり、CRTディスプレイや液晶ディスプレイなどにより構成される。
次に、このような構成からなる実施形態において、検査対象である印刷物をプリント基板とし、このプリント基板の検査を行う場合の画像処理装置3の動作の概要について、図4を参照して説明する。
まず、図4のステップS1では、プリント基板の検査が、パターン領域の分割によるものか否かが判定される。従って、使用者が、パターン領域の分割によるプリント基板の検査をしない旨の指示をする場合には、ステップS2〜S3の処理に移行する。他方、使用者が、パターン領域の分割によるプリント基板の検査をする旨の指示をする場合には、ステップS4〜S7の処理に移行する。
ステップS2では、良品のプリント基板を撮像装置2で撮像してモノクロ画像を取得し、この取得したモノクロ画像を用いて検査基準を作成し、登録する。ステップS3では、検査対象のプリント基板を撮像装置2で撮像してモノクロ画像を取得し、この取得したモノクロ画像と登録済みの検査基準を用いて、プリント基板の欠陥の有無を検査する。ここで、ステップS2およびステップS3による検査方法は、上記の特許文献1に記載の検査方法が適用できるので、その詳細な説明は省略する。
次に、ステップS4〜ステップS7によるプリント基板の検査方法について、以下に順に説明する。
まず、ステップS4では、撮像装置2で良品のプリント基板を撮像してそのカラー画像を取得し、この取得したカラー画像の色の差異により各パターン領域に分割し、この分割させたカラー画像の各パターン領域をあらかじめ登録する。
次に、ステップS5では、撮像装置2で良品のプリント基板を撮像してそのモノクロ画像を取得する。そして、ステップS4で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させた各パターン領域ごとに、プリント基板の検査時に使用する検査基準を作成する。さらに、この作成した各パターン領域ごとの各検査基準をあらかじめ登録する。
また、ステップS6では、撮像装置2で検査対象のプリント基板を撮像してそのモノクロ画像を取得し、ステップS4で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割する。さらに、ステップS7では、その分割された各パターン領域の欠陥の有無の検査を、ステップS5で登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う。
この実施形態では、図4に示すように、プリント基板の検査に先立ってステップS4およびステップS5の処理を行うので、その各処理の具体例について図5を参照して説明する。ここで、図4のステップS4は、図5のステップS11〜ステップS14に対応し、図4のステップS5は、図5のステップS15〜ステップS17に対応する。
図5のステップS11〜ステップS14の各処理について説明する。
まず、ステップS11では、目視検査により良品と判断したプリント基板を用意し、そのプリント基板の撮像範囲を、入力装置9の操作により設定する。次のステップS12では、その良品のプリント基板の表面を後述のように撮像装置2で3回撮像してR,G,Bの各画像を取得し、この取得した各画像の合成によりカラー画像を作成する。次のステップS13では、その作成したカラー画像をその色の差異を利用して各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域に対してその形状の変形処理を行う。さらに、ステップS14では、その分割、変形処理させたカラー画像の各パターン領域を、パターン領域データメモリ4に記憶(登録)させる。
次に、図5のステップS15〜ステップS17の各処理について説明する。
まず、ステップS15では、良品のプリント基板の表面を撮像装置2で1回撮像し、その撮像によりそのモノクロ画像を取得する。次のステップS16では、ステップS14でで登録済みのカラー画像の各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割する。そして、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域に対してその形状の変形処理を行い、この分割、変形処理させた各パターン領域ごとに、プリント基板の検査時に使用する検査基準を作成する。
その作成される検査基準は、後述のように基準画像データと許容範囲データである。ステップS17では、その作成された基準画像データと許容範囲データが、基準画像データメモリ5と許容範囲データメモリ6とにそれぞれ記憶される。
次に、図5に示すステップS12の処理の詳細は、図6のフローチャートに示す通りであるので、図6について説明する。
まず、テーブル1上に良品のプリント基板をセットしたのち、位置決め装置23の駆動によりフィルタプレート22を移動させて赤色レンズフィルタ221を使用するように設定する(ステップS21)。その後、モノクロカメラ21のオフセット・ゲインを設定したのち(ステップS22)、テーブル1を移動させてモノクロカメラ21でR画像を撮像する(ステップS23)。
次に、緑色レンズフィルタ222を用いてモノクロカメラ21でG画像を撮像する。さらに、青色レンズフィルタ223を用いてモノクロカメラ21でB画像を撮像する。これにより、良品のプリント基板について、R画像、G画像、およびB画像の各データを取得する。
次のステップS24では、その取得したR画像、G画像、およびB画像の各データによりカラー画像を合成する際のR画像、G画像、およびB画像の各データの配合比を設定する。ステップS25では、その設定された配合比でカラー画像を合成する。さらに、ステップS26では、その合成させたカラー画像を表示装置10に表示させる。
ステップS27では、その表示されたカラー画像が妥当であるいう指示があるか否かの判断を行う。そこで、操作者が、その表示装置10に表示されたカラー画像を見て、そのカラー画像が妥当と判断し、妥当である旨の指示を行うと、その処理が終了する。一方、妥当である旨の指示がない場合には、ステップS21に戻る。
次に、図5に示すステップS13の処理の詳細は、図7のフローチャートに示す通りであるので、図7について説明する。
まず、ステップS31では、図6のような手順で作成された良品のプリント基板のカラー画像から、配線パターン領域(パッド領域を含む)、レジスト領域、シルク領域、および非検査領域の色情報をサンプリングする。次のステップS32では、そのサンプリングした色を基準色として、カラー画像を4つの基準色で構成される画像に変換する(減色処理)。この減色処理により、配線パターン領域(パッド領域を含む)、レジスト領域、シルク領域、および非検査領域は、その各基準色に応じた色となる。次のステップS33では、その減色された画像からノイズの画素を除去し、各パターン領域に分割された基本画像が完成する。
次のステップS34では、その基本画像を元に、各パターン領域に適した検査を行うために、その分割させた各パターン領域の形状を以下のように変形処理させる。
まず、シルク領域は、個々のプリント基板においてその位置のばらつきが大きいので、そのばらつきがあってもシルク領域内に入るように、その形状を実際の形状よりも膨張させる。
また、非検査領域は、プリント基板の端部などを検査領域から外すために、その形状を実際の形状よりも膨張させる。
さらに、配線パターン領域(パッド領域)は、厳しい検査が要求されるのが一般的であるので、レジストとの境界の微妙なばらつきにより検査の際に間違ったデータとなってしまうおそれがある。これを避けるために、配線パターン領域(パッド領域)の形状は実際の形状よりも縮小させる。
また、レジスト領域は、上記のような不都合が生じにくいので、他の領域のように形状の膨張や縮小は行わない。
ステップS35では、フィルタプレート22を移動させて透明のレンズフィルタ224を使用するように設定する。
次に、図5に示すステップS15およびステップS16の処理の詳細は、図8および図9のフローチャートに示す通りであるので、図8および図9について説明する。
まず、目視検査により良品と判断したプリント基板を用意し、そのプリント基板の表面の画像を基準画像として撮像装置2で撮像し、モノクロからなる基準画像を取得する(ステップS41)。
次に、後述のように得られる基準画像の各画素の濃度値の許容範囲を決めるべき許容差データの初期値を入力装置9で設定し、または予め設定されているその許容差データの初期値をを取得する(ステップS42)。この結果、その許容差データの初期値が、基準画像データと同サイズで許容差データメモリ6の各アドレスに記憶される。例えば、その許容差データとして、例えば「10」という値が設定されると、その同じ値が各許容差データメモリ6の各アドレスに一律に記憶される。
次に、表示装置10に表示されているモノクロの基準画像に対して、検査対象領域を、入力装置9を用いて操作者が設定する(ステップS43)。さらに、操作者はその基準画像を見ながら、入力装置9を用いて後述の更新用画像と基準画像との位置合わせのための位置合わせ基準マークを、基準画像内の任意の位置に設定する(ステップS44)。
次のステップS45では、操作者からモノクロの基準画像の作成の指示の有無が判定され、その指示があると次のステップS46に移行する。
ステップS46では、パターン領域データメモリ4に登録されている各パターン領域のデータを参照し、ステップS41で取得したモノクロ基準画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域に対して形状を変形させる。
この例では、その変形処理は、その分割させたパターン領域のうちシルク領域を膨張させる場合について説明する。このため、ステップS47では、その分割、膨張処理されたモノクロの基準画像の各画素の濃度値(基準画像データ)を、各画素ごとに基準画像データメモリ5のアドレスに順次記憶する。この基準画像とその各画素の濃度値の一例を示すと、図11(A)に示すようになる。なお、図中の各画素中の数値は、各画素の濃度値を示す。
引き続き、基準画像データメモリ5に記憶される基準画像の各画素の濃度値を書き換えるために、2枚目の良品のプリント基板を撮像装置2で撮像し、その撮像して得たモノクロの更新用画像の各画素の濃度値(更新用画像データ)を、画像処理装置3が有する画像メモリに記憶する(ステップS48)。
次のステップS49では、ステップS48で取得した更新用画像と基準画像データメモリ5に登録される基準画像の位置ずれの補正を、上記で設定した位置合わせ基準マークを基準に補正する。
次のステップS50では、パターン領域データメモリ4に登録されている各パターン領域のデータを参照して、ステップS48で取得したモノクロの更新用画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうちシルク領域についてはその形状を膨張させる。
次のステップS51では、ステップS50で得られた更新用画像の各画素の濃度値が、許容範囲内に属するか否かを判定する。この判定結果に基づき、更新用画像中から濃度値が許容範囲外の画素を抽出する。
上記の判定は、図10に示すように、基準画像の各画素の濃度値を中央値とし、この中央値の上下に設定される許容範囲内に属するか否かを判定することにより行う。
ここで、許容範囲に係る許容差範囲は、次の(1)式で求めるものとする。
許容差範囲=許容差データ+(a〔%〕×許容差データ+b)・・・・(1)
(1)式において、許容差データは許容差データメモリ6に記憶される値である。また、(1)式中の( )内は許容差パラメータを示し、aは許容差データを補正するための補正係数、bは許容差データを補正するための補正値(絶対値)であり、a、bは入力装置9から任意の値として予め設定されている。
例えば、基準画像の画素の濃度値が「100」、許容差データの値を「10」、aを「10%」、bを「10」とすると、許容差範囲は「21」となり、その許容範囲は「±21」となる(図10参照)。
次に、更新用画像の各画素のうち、その濃度値が許容範囲外の画素を判定して抽出する具体的な手順の一例について、図11および図12を参照して説明する。
まず、図11に示すように、同図(A)に示す基準画像の各画素の濃度値と、同図(B)に示す今回の更新用画像の各画素の濃度値との間で減算を行い、同図(C)に示すような各画素ごとの差分データを求める。
次に、図12に示すように、(1)式により算出した許容差範囲のデータ(同図の(A)と(B))と、同図(C)に示すように上記で求めた差分データとの間で減算を行い、各画素ごとの差分データ(図示せず)を求める。
図12では、説明をわかりやすくするために、その許容差範囲のデータを、同図(A)に示すような許容差データメモリ6に記憶される許容差データと、同図(B)に示すような(1)式中の括弧内に対応する許容差パラメータ値とに分割して表示している。ここで、図12(B)の許容差パラメータは、a=10%、b=10として求めた値である。
さらに、その求めた各画素ごとの差分データの値について、正負の判定を行う。この判定結果は、例えば図12(D)に示すようになる。
ここで、図12(D)において、判定結果が「正」の場合には、更新用画像の画素の濃度値が許容範囲内に属することを意味し、「負」の場合には、それが許容範囲内に属さないことを意味する。
ところで、上述のステップS51の判定処理の結果、更新用画像の各画素の濃度値が、全て許容範囲内に属する場合には、次のステップS53に進み、表示装置10に正常である旨の表示を行う。
一方、更新用画像の各画素の濃度値に、許容範囲内に属さないものがある場合、すなわち、図12(D)に示すように「負」を示す画素がある場合には、次のステップS52に進む。ステップS52では、その「負」を示す画素の8近傍の連結個数が所定値(例えば8個)以上か否かを判定する。
この判定の結果、その画素の8近傍の連結個数が所定値以上の場合には、表示装置10に表示されている更新用画像において、その画素の連結個数が所定個以上の部分に異常である旨を示すマーキング表示を行う(ステップS54)。このときには、表示装置10に、更新用画像が異常である旨の表示を併せて行う。一方、その画素の8近傍の連結個数が所定値以下の場合には、ステップS53に進む。
次のステップS55では、更新用画像のデータを外部記憶装置7に登録する旨の指示が入力装置9からあるか否かを判定し、登録する旨の指示があるとステップS56に進み、登録する旨の指示がないとステップS61に進む。
次のステップS56では、基準画像データメモリ5に記憶される基準画像の濃度値と、許容差データメモリ6に記憶される許容差データとのうち、上述のように抽出された画素に対応する濃度値と許容差データとを、以下のような手順によりそれぞれ更新する。
これは、上記のように登録された更新用画像には、上述のように抽出された濃度値が異常な画素が含まれるので、その画素の濃度値も許容範囲内となるようにする必要があるためである。
次に、そのような画素の基準画像の濃度値と、許容差データとの更新処理について詳述する。
いま、更新用画像の画素のうち、その濃度値が許容範囲外の画素の濃度値をzとし、それに対応する更新前の基準画像の画素の濃度値をx、許容差データの値をyとする。
そして、図13に示すように、更新用画像の画素の濃度値zが、上限値(x+y)を上回る場合には、更新後の基準画像の濃度値x’と許容差データの値y’を次の(2)式および(3)式により求めるものとする。
x’=〔z+(x−y〕/2・・・・(2)
y’=z−x’ ・・・・(3)
ここで、いま、図7に示すように、例えばx=100、y=10、z=150とすると、x’=120、y’=30となる。
一方、図14に示すように、更新用画像の濃度値zが、下限値(x−y)を下回る場合には、更新後の基準画像の濃度値x’と許容差データの値y’を次の(4)式および(5)式により求めるものとする。
x’=〔z+(x+y〕/2・・・・(4)
y’=x’−z ・・・・(5)
ここで、いま、図14に示すように、例えばx=100、y=10、z=20とすると、x’=65、y’=45となる。
このようにして基準画像データメモリ5の内容は、図11(A)に示す内容から図15(A)に示す内容に更新され、同様に、許容差データメモリ6の内容は、図11(A)に示す内容から図15(B)に示す内容に更新される。
ところで、プリント基板の表面パターンは、プリント基板ごとに差異(ずれ)があるので、プリント基板の良否の検査の精度を上げるためには、良品のプリント基板を撮像した画像データを多数登録して使用する必要がある。
その一方、画像データの登録を少なくして精度の良いプリント基板の検査ができるようにするためには、登録した画像データについて、許容範囲(許容差データ)を疑似的に広げるようにすれば良い。
そこで、この実施形態では、画像の1画素の大きさが0.05mm×0.05mmであることを利用し、更新用画像を基準画像に対して、所定方向に所定量ずらし、これに基づいて許容差データメモリ6に記憶される許容差データのみを更新するようにしたので、以下この手順について詳細に説明する。
まず、ステップS57では、図11(B)に示す更新用画像を、図11(A)に示す基準画像に対して所定方向(例えば右方向)に所定量(例えば1画素分)ずらすと、図16(A)に示すようなずらし画像が得られる。
次のステップS58では、そのずらした更新用画像の各画素の濃度値が、許容範囲内に属するか否かの判定を行い、その許容範囲内に属しない画素を抽出する。すなわち、図15(A)に示す更新後の基準画像の濃度値と、図16(A)のずらした画像の濃度値との間で差分演算を行い、図16(B)に示すような差分データを得る。次に、その求めた差分データに基づき、上記と同様に、許容範囲外の画素を抽出すると、その画素ごとの抽出結果(判定結果)は図16(C)に示すようになる。
ところで、そのずらした更新用画像には、上記のように濃度値が異常な画素が含まれるので、その異常な部分の濃度値も許容範囲内となるようにする必要がある。そのため、ステップS59では、許容差データメモリ6に記憶される許容差データのみを、以下のような手順により更新する。
すなわち、そのずらした更新用画像の画素のうち、その濃度値が許容範囲外の画素の濃度値をz、それに対応する更新後の基準画像の画素の濃度値をx’とする。そして、更新用画像の画素の濃度値zが、x’を上回る場合には、更新後の許容差データの値y’を次の(6)式により求めるものとする。
y’=z−x’・・・・(6)
ここで、例えば、z=101、x’=20とすると、y’=81となる。
一方、更新用画像の濃度値zが、x’を下回る場合には、更新後の許容差データの値y’を次の(7)式により求めるものとする。
y’=x’−z・・・・(7)
このようにして再更新された許容差データの一例を示すと、図16(D)に示すようになる。
次のステップS60では、設定された所定方向の全てに対して更新用画像のずらしに基づく許容差データの更新が終了したか否かが判定される。この判定の結果、許容差データの更新が終了していない場合には、ステップS57に戻る。そして、図11(B)に示す更新用画像を、図11(A)に示す基準画像に対して例えば左方向にずらし、上記と同様の手順により許容差データを更新する(ステップS57〜S59)。
このようにして、例えば、更新用画像の基準画像に対して所定量ずらす方向を、左方向、右方向、前方向、後方向、右斜め上方向、右斜め下方向、左斜め上方向、および左斜め下方向の8方向について行い、その各方向における許容差データの更新を終了すると(ステップS60)、次のステップS61に進む。
次のステップS61では、上記の一連の処理の終了指示があるか否かが判定される。この判定の結果、その指示がない場合には、ステップS48に戻り、上記の一連の処理を行う。一方、その指示がある場合には、上記の一連の処理を終了する。
この実施形態では、このようにして更新された基準画像データと許容差データを使用し、検査対象であるプリント基板の良否の検査を行う。そこで、次にそのプリント基板の検査の処理手順を、図17に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、上記のようにして取得した、パターン領域の分割のために使用するパターン領域用データ、更新済みの基準画像データ、および許容差データを、パターン領域データメモリ4、基準画像データメモリ5、および許容差データメモリ6にそれぞれ格納する(ステップS71)。
次に、ステップS72では、検査対象のプリント基板の表面の画像を撮像装置2で撮像し、その撮像して得たモノクロの検査画像を、画像処理装置3内の画像メモリ内に取得する。次のステップS73では、このように取得した検査画像を表示装置8に表示し、基準画像の位置合わせマークを基準に位置補正する(ステップS73)。
ステップS74では、パターン領域データメモリ4に登録されている各パターン領域のデータを参照し、ステップS72で取得したモノクロの検査画像を各パターン領域に分割する。そして、ステップS75では、その分割させたパターン領域のうちシルク領域の形状を膨張させ、この分割、膨張処理をさせた検査画像の各画素の濃度値を、検査画像データとして画像処理装置3の画像メモリ内に記憶する。
次いで、検査画像の各画素の濃度値と、対応する基準画像の各画素の濃度値との間で差分演算を行い、差分データを求める(ステップS76)。さらに、その各差分データを比較するために、許容差範囲を次の(8)式のより算出する(ステップS25)。
許容差範囲=許容差データ+(c〔%〕×許容差データ+d)・・・・(8)
(8)式において、許容差データは許容差データメモリ6に記憶される値である。また、(8)式中の( )内は許容差パラメータであり、cは許容差データを補正するための補正係数、dは許容差データを補正するための補正値(絶対値)であり、c、dは入力装置9から任意の値として予め設定されている。
次に、その求めた許容差範囲と差分データの比較を行う(ステップS78)。この比較の結果、差分データが許容差範囲よりも大きな場合には、その差分データにかかる画素を不一致画素(異常画素)として記憶する(ステップS79)。一方、差分データが許容差範囲よりも小さい場合には、次のステップS80に進む。
以上のステップS76〜ステップS79の各処理を、検査画像の画素の最終アドレスまで継続し、最終アドレスであると判断されると(ステップS80)、次のステップS81に移行する。
ステップS81では、その不一致画素が、設定個数以上連結するか否かを判定する。この判定の結果、不一致画素が設定個数以上連結する場合には、表示装置10においてプリント基板が不良品である旨の表示を行うとともに、その不一致画素をマーキング表示する(ステップS82)。一方、不一致画素が設定個数以上連結しない場合には、表示装置10においてプリント基板が良品である旨の表示を行う(ステップS83)。
次のステップS84では、プリント基板の検査の終了の指示があったか否かが判定される。その指示があるまでステップS72からステップS83までの各処理を繰り返し、その指示があったことが判定されると、プリント基板の検査を終了する。
なお、以上の動作説明では、検査対象をプリント基板とした場合について説明してきたが、検査対象をIC基板として場合も、上記の手順で検査することができる。ただし、プリント基板の場合には、シルク領域の形状を膨張させたが、IC基板の場合には、膨張させるのは文字などの印刷領域である。
以上説明したように、この実施形態によれば、良品のプリント基板のカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異を利用して各パターン領域に分割するとともに、この分割させたパターン領域に対してその特性に応じてその形状を変形処理し、これを登録するようにした。次に、良品のプリント基板のモノクロ画像を取得し、その登録済みの各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域に対してその形状を変形処理し、この分割、変形処理させた各パターン領域ごとに、プリント基板の検査時に使用する検査基準を作成し、これを登録するようにした。このため、この実施形態によれば、プリント基板の検査の開始に先立って用意すべき検査基準の作成時間を大幅に短縮が可能である。
また、この実施形態では、プリント基板の検査時には、検査対象のプリント基板のモノクロ画像を取得し、その登録済みの各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域に対してその形状を変形処理し、この分割、変形処理させた各パターン領域の欠陥の有無の検査を、その登録済みの各パターン領域ごとの検査基準を用いて行うようにした。
このため、この実施形態によれば、そのプリント基板の検査精度を大幅に向上できる。具体的には、特定の領域(例えばパッド領域)の不良検出精度が向上でき、従来検出が不能であった不良を検出できる。例えば、φ0.6程度のBGA(Ball Grid Arrey)のパッド上における0.2mm角程度の不良が、従来の検査機では、許容がつきすぎて検出できない、あるいは、虚報が大量に発生してしまうという不具合があったが、この実施形態では、虚報が発生することなく検出できる。
さらに、この実施形態では、上記のように、プリント基板などの印刷物の検査時に必要な検査基準を作成する場合に、印刷物のカラー画像とモノクロ画像とを使用し、プリント基板の検査のときに、はモノクロ画像を使用してその良否を判定するようにした。すなわち、この実施形態では、カラー画像を使用するのは検査基準の作成時だけで、プリント基板の検査時にはモノクロ画像のみを使用するようにした。
このため、この実施形態によれば、検査時にカラー画像を使用する場合に比べ、その処理する情報量を1/3にすることができる上に判定処理が容易になり、検査時間を大幅に短縮できる。
また、この実施形態では、上記のように、プリント基板などの印刷物の検査時に必要な検査基準を、良品のプリント基板などのカラー画像とモノクロ画像とを使用することにより各パターン領域ごとに作成するようにした。これに対して、その検査基準をプリント基板などの設計データに基づいて作成することが可能である。
しかし、プリント基板などでは、良品であってもその仕上がりにばらつきがあるので、この実施形態のように、良品のプリント基板を撮像した画像に基づいて作成した方が好ましい。また、設計データから検査基準を作成するのは、相当の技術が必要である上にその作業が複雑であるが、この実施形態によればそのような不具合がない。
さらに、この実施形態では、テーブル1の表面色、すなわち、プリント基板など印刷物のカラー画像の取得時の背景色を、印刷物に含まれる色以外の色であって、RGB色立体で表現した場合に印刷物に含まれる色からできるだけ離れている領域に属する色にするようにした。このため、この実施形態によれば、プリント基板のカラー画像を用いてその検査領域と非検査領域を認識する際に、その非検査領域を容易に認識できる。
次に、本発明の他の実施形態の構成について、図19、図20、および21を参照して説明する。
図1〜図3で説明した実施形態は、印刷物であるプリント基板をテーブル1上に静止させ、テーブル1を移動させるようにしてプリント基板の画像を撮像装置2で撮像するようにしたものである。
これに対して、図19〜図21に示す他の実施形態は、印刷物であるプリント基板aを、傾斜板31に沿わせて搬送装置32で搬送させ、その搬送中に傾斜板31に設けたスリット33を介して撮像装置2で撮像するようにしたものである。
傾斜板31は、その平面が基台34の平面に対して所定の傾斜角θを有するように配置されている。ここで傾斜角θは、例えば70度〜85度の範囲である。搬送装置32は、プリント基板aを傾斜板31の表面側に沿わせた状態で搬送させるようになっている。傾斜板31の裏側であって、スリット35の長さ方向に向けて、そのスリット35を照明する蛍光灯36が配置されている。基台34上には、図1、図2および図18と同様に構成される撮像装置2が配置されている。
なお、撮像装置2でプリント基板aのカラー画像を取得する場合には、そのプリント基板aの背景色が以下の色になるようにした。すなわち、その背景色が、プリント基板aに含まれる色以外の色であって、RGB色立体で表現した場合にプリント基板aに含まれる色からできるだけ離れている領域に属する色にするようにした。このために、図示しないが、カラー画像を取得する場合には、プリント基板aの傾斜板31に沿わない面の側を、その背景色で照明するようになっている。
ここで、この他の実施例は、上記の構成の部分のみが図1〜図3で説明した実施形態と異なり、その他の部分の構成やその検査の動作は、図1〜図3で説明した実施形態と同じであるので、その説明は省略する。
この他の実施形態によれば、上記の実施形態と同様の効果を実現できる。
本発明の実施形態の外観構成を示す正面図である。 その外観構成を示す平面図である。 本発明の実施形態の画像処理に係る構成を示すブロック図である。 この実施形態によるプリント基板の検査方法の概要を説明するフローチャートである。 図4のステップS4,S5のそれぞれの処理を具体化したフローチャートである。 図5のステップS12の処理を具体化したフローチャートである。 図5のステップS13の処理を具体化したフローチャートである。 図5のステップS15、S16の処理を具体化したフローチャートである。 図8のフローチャートの続きの処理を示すフローチャートである。 基準データとその許容範囲を説明する説明図である。 基準画像と更新用画像の差分演算の一例を示す図である。 更新用画像の各画素から許容差範囲外の画素を抽出することを説明する説明図である。 基準画像の基準画像データと、許容差データの更新の一例を説明する説明図である。 基準画像の基準画像データと、許容差データの更新の他の例を説明する説明図である。 更新された基準画像の基準画像データと、更新された許容差データの一例を示す図である。 更新用画像をずらし、これに応じて許容差データのみを再更新する場合の手順を説明する説明図である。 この実施形態において、プリント基板の検査の処理の一例を説明するフローチャートである。 図1および図2に示すフィルタプレートを駆動する位置決め装置の一例を示す斜視図である。 本発明の他の実施形態の外観構成を示す平面図である。 その他の実施形態の外観構成を示す正面図である。 その他の実施形態の外観構成を示す右側面図である。
符号の説明
1 テーブル
2 撮像装置
3 画像処理装置
4 パターン領域データメモリ
5 基準画像データメモリ
6 許容差データメモリ
7 外部記憶装置
8 ROM
9 入力装置
10 表示装置
21 モノクロカメラ
22 フィルタプレート
221〜224 フィルタ
23 位置決め装置

Claims (14)

  1. 印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査方法であって、
    良品の印刷物のカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割する領域分割ステップと、
    その分割させたカラー画像の各パターン領域をあらかじめ登録しておく第1登録ステップと、
    良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準を作成する検査基準作成ステップと、
    その作成した各パターン領域ごとの各検査基準をあらかじめ登録しておく第2登録ステップと、
    検査対象の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割された各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録ステップで登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査ステップと、
    からなることを特徴とする印刷物の検査方法。
  2. 印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査方法であって、
    良品の印刷物のカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域に対してその形状を変形処理する分割・変形処理ステップと、
    その分割、変形処理させたカラー画像の各パターン領域を、あらかじめ登録しておく第1登録ステップと、
    良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域に対してその形状を変形処理し、この分割、変形処理させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準を作成する検査基準作成ステップと、
    その作成させた各パターン領域の各検査基準をあらかじめ登録しておく第2登録ステップと、
    検査対象の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域に対してその形状を変形処理し、この分割、変形処理させた各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録ステップで登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査ステップと、
    からなることを特徴とする印刷物の検査方法。
  3. 前記印刷物は、プリント基板またはICカードであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷物の検査方法。
  4. 印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査方法であって、
    良品の印刷物のカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させる分割・膨張ステップと、
    その分割、膨張させたカラー画像の各パターン領域を、あらかじめ登録しておく第1登
    録ステップと、
    良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準を作成する検査基準作成ステップと、
    その作成させた各パターン領域の各検査基準をあらかじめ登録しておく第2登録ステップと、
    検査対象の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録ステップで登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査ステップと、
    からなることを特徴とする印刷物の検査方法。
  5. 前記検査基準作成ステップは、
    基準となる良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域ごとの基準画像データと、この基準画像データの許容範囲を決めるべき許容差データの初期値とをそれぞれ取得する第1ステップと、
    前記基準画像データを更新するために新たな良品の印刷物のモノクロ画像を取得し、前記第1登録ステップで登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張して各パターン領域ごとの更新用画像データを取得する第2ステップと、
    その取得した更新用画像データが、前記基準画像データ、前記許容差データ、および任意に設定可能な第1の許容差パラメータで決まる許容範囲内に属するか否か検出し、その許容範囲内に属さない更新用画像データを抽出する第3ステップと、
    その抽出した更新用画像データに対応する前記基準画像データおよび前記許容差データの更新指示があったときに、前記抽出された更新用画像データが許容範囲内に収まるように、前記基準画像データおよび前記許容差データを、前記更新用画像データ、前記基準画像データ、および前記許容差データに基づいて決まる各所定値にそれぞれ更新する第4のステップと、からなり、
    前記第2のステップおよび前記第3のステップの各処理を任意の回数繰り返えして前記基準画像データおよび前記許容差データの更新を予め行っておき、
    前記検査基準は、更新後の前記基準画像データと、更新後の前記許容差データおよび任意に設定可能な第2の許容差パラメータで決まる許容範囲とすることを特徴とする請求項4に記載の印刷物の検査方法。
  6. 前記印刷物は、プリント基板またはICカードであり、
    膨張させる前記所定のパターン領域は、前記印刷物がプリント基板のときにはシルク領域であり、前記印刷物がICカードのときには印刷領域であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の印刷物の検査方法。
  7. 印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査装置であって、
    複数のパターン領域が形成された印刷物を撮像してそのカラー画像またはそのモノクロ画像を取得する画像取得手段と、
    前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割する領域分割手段と、
    その分割されたカラー画像の各パターン領域を登録する第1登録手段と、
    前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段に登録された各パターン領域を参照して、その取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準を作成する検査基準作成手段と、
    その作成した各パターン領域の各検査基準を登録する第2登録手段と、
    前記画像取得手段で検査対象の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段に登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割された各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録手段に登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査手段と、
    を備えることを特徴とする印刷物の検査装置。
  8. 印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査装置であって、
    複数のパターン領域が形成された印刷物を撮像してそのカラー画像またはそのモノクロ画像を取得する画像取得手段と、
    前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を変形処理させる領域分割・変形処理手段と、
    その分割、変形処理させた印刷物の各パターン領域を登録する第1登録手段と、
    前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を変形処理させ、この分割、変形処理させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準をそれぞれ作成する検査基準作成手段と、
    その作成させた各パターン領域の各検査基準を登録する第2登録手段と、
    前記画像取得手段で検査対象の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段に登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を変形処理させ、この分割、変形処理させた各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録手段に登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査手段と、
    を備えることを特徴とする印刷物の検査装置。
  9. 印刷物に形成された互いに色の異なる複数のパターン領域の欠陥の有無を検査する印刷物の検査装置であって、
    複数のパターン領域が形成された印刷物を撮像してそのカラー画像またはそのモノクロ画像を取得する画像取得手段と、
    前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してカラー画像を取得し、この取得したカラー画像を色の差異により各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させる領域分割・膨張手段と、
    その分割、膨張させた印刷物の各パターン領域を登録する第1登録手段と、
    前記画像取得手段で良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域ごとに、印刷物の検査時に使用する検査基準をそれぞれ作成する検査基準作成手段と、
    その作成させた各パターン領域の各検査基準を登録する第2登録手段と、
    前記画像取得手段で検査対象の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段に登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像の各パターン領域を分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域の欠陥の有無の検査を、前記第2登録手段に登録された各パターン領域ごとの検査基準を用いて行う検査手段と、
    を備えることを特徴とする印刷物の検査装置。
  10. 前記検査基準作成手段は、
    前記画像取得手段で基準となる良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割し、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させ、この分割、膨張させた各パターン領域ごとの基準画像データを取得する基準画像データ取得手段と、
    その取得した基準画像データと、この基準画像データの許容範囲を決めるべき許容差データの初期値とをそれぞれ記憶する記憶手段と、
    第1の許容差パラメータと第2の許容差パラメータを任意にそれぞれ設定する設定手段と、
    前記基準画像データを更新するために前記画像取得手段で新たな良品の印刷物を撮像してモノクロ画像を取得し、前記第1登録手段で登録された各パターン領域を参照してその取得したモノクロ画像を各パターン領域に分割させ、この分割させたパターン領域のうち所定のパターン領域の形状を膨張させて各パターン領域ごとの更新用画像データを取得する更新用画像データ取得手段と、
    その取得した更新用画像データが、前記基準画像データ、前記許容差データ、および任意に設定可能な第1の許容差パラメータで決まる許容範囲内に属するか否か検出し、その許容範囲内に属さない更新用画像データを抽出する抽出手段と、
    その抽出した更新用画像データに対応する前記基準画像データおよび前記許容差データの更新指示があったときに、前記抽出された更新用画像データが許容範囲内に収まるように、前記記憶手段に記憶される前記基準画像データおよび前記許容差データを、前記更新用画像データ、前記基準画像データ、および前記許容差データに基づいて決まる各所定値にそれぞれ更新する更新手段とを備え、
    前記検査手段が使用する検査基準は、前記記憶手段に記憶される前記更新後の前記基準画像データと、前記記憶手段に記憶される更新後の前記許容差データおよび前記設定手段で設定される第2の許容差パラメータで決まる許容範囲とすることを特徴とする請求項9に記載の印刷物の検査装置。
  11. 前記画像取得手段は、
    前記印刷物を撮像するモノクロカメラと、
    前記印刷物とモノクロカメラとの間に配置され、前記モノクロカメラで印刷物を撮像してR画像を取得する第1フィルタ、B画像を取得する第2フィルタ、G画像を取得する第3フィルタ、およびモノクロ画像を取得する第4フィルタと、
    前記モノクロカメラで前記印刷物を撮像の際に、前記4つのフィルタのうちの1つを選択するフィルタ選択手段と、を含み、
    前記フィルタ選択手段は、前記印刷物のカラー画像を取得する場合には前記第1、第2および第3のフィルタをそれぞれ選択し、前記印刷物のモノクロ画像を取得する場合には前記第4フィルタを選択するようになっていることを特徴とする請求項7乃至請求項10のうちのいずれかに記載の印刷物の検査装置。
  12. 前記画像取得手段で前記印刷物を撮像してカラー画像を取得する際に、その印刷物の背景色は、印刷物に含まれる色以外の色であって、RGB色立体で表現した場合に印刷物に含まれる色からできるだけ離れている領域に属する色にするようにしたことを特徴とする請求項7乃至請求項11のうちのいずれかに記載の印刷物の検査装置。
  13. 前記印刷物は、プリント基板またはICカードであることを特徴とする請求項7、請求項8、請求項11、または請求項12に記載の印刷物の検査装置。
  14. 前記印刷物はプリント基板またはIC基板であり、
    膨張させる前記所定のパターン領域は、前記印刷物がプリント基板のときにはシルク領域であり、前記印刷物がICカードのときには印刷領域であることを特徴とする請求項9、請求項10、請求項11、または請求項12に記載の印刷物の検査装置
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