JP3447103B2 - 磁気浮上型搬送装置 - Google Patents

磁気浮上型搬送装置

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JP3447103B2
JP3447103B2 JP4741994A JP4741994A JP3447103B2 JP 3447103 B2 JP3447103 B2 JP 3447103B2 JP 4741994 A JP4741994 A JP 4741994A JP 4741994 A JP4741994 A JP 4741994A JP 3447103 B2 JP3447103 B2 JP 3447103B2
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真次 小谷野
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  • Control Of Vehicles With Linear Motors And Vehicles That Are Magnetically Levitated (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気浮上型搬送装置に
係り、例えば、半導体製造装置における真空環境下で半
導体ウエハ等を搬送する磁気浮上型搬送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体製造装置のような高度なク
リーン環境が要求される装置では、半導体ウエハ等の被
搬送物を、磁力により被接触で浮上支持される浮上体に
載せて移動させる磁気浮上型搬送装置が用いられてい
る。
【0003】図5は磁気浮上型搬送装置の一例を表した
ものである。磁気浮上型搬送装置10は、上下動及び回
転動するターンテーブル11上に載置された円筒形状の
シールドチューブ12を備えている。このシールドチュ
ーブ12は両端が閉塞され、内部が密閉されている。シ
ールドチューブ12の内部には、図示しない複数の電磁
石が配設されており、シールドチューブ12内を長手方
向に移動するようになっている。シールドチューブ12
の外周には、これを包囲するように、円筒形状の浮上体
14が配設されている。浮上体14の上部には、搬送棒
18が取り付けられ、この搬送棒18の先端のサーバ1
8aには、半導体ウエハ16が載置されるようになって
いる。また、浮上体14は、シールドチューブ12内部
の電磁石が発生する電磁力によって磁気浮上されると共
に、電磁石の長手方向への移動に伴って矢印a方向にス
ライドし、例えば、点線で示す位置をとる。
【0004】本例の磁気浮上型搬送装置10は、半導体
製造装置において使用されるもので、6角形状の真空容
器の中に配置され、この真空容器を取り囲むように配設
された処理室20、21、22、あるいはロード/アン
ロード室等に対し、各開口24、26、28等を通して
半導体ウエハ16の出し入れを行うようになっている。
【0005】例えば、磁気浮上型搬送装置10は、ター
ンテーブル11の回転運動によって、2点鎖線で示す位
置に移動し、磁気浮上した浮上体14がシールドチュー
ブ12に対してスライドすることで、サーバ18aの半
導体ウエハ16を処理室22内に搬入する。
【0006】このような搬送作業では、半導体ウエハ1
6がサーバ18aの所定位置に正確に載置されないと、
搬送途中で開口24、26、28や、ロード/アンロー
ド室内の半導体ウエハを収納するカセット(図示せず)
等に、半導体ウエハ16を接触させてしまうことがあ
る。また、接触するほどずれていなかったとしても、サ
ーバ18aによって設置された半導体ウエハ16の位置
が正規の位置からずれていれば、半導体ウエハ16に対
する処理が正常に行われない等の不具合が発生する。
【0007】そこで、従来では、以下のような手段によ
って半導体ウエハの位置ずれを検出し、前記不具合を防
止していた。図6〜図9は、従来のウエハ位置ずれ検出
手段を表したものである。図6に示す装置では、(B)
に示すように、磁気浮上型搬送装置を収容した真空容器
30外の特定位置において、光学式センサの発光部31
aと受光部31bとが、石英ガラス34、35を介して
サーバ32を上下に挟むように対向配置されている。
【0008】発光部31aは、サーバ32上に載置され
た半導体ウエハ16の、O、P、Q、Rで示す部分に投
光し、各部O、P、Q、Rでの受光部31b側の受光の
有無によって、半導体ウエハ16が正規の位置からずれ
ているか否かを検出する。図7に示す装置では、(A)
に示すように、マイクロスイッチ等の接触式センサの接
点部37〜42がサーバ36に設けられている。そし
て、サーバ36上に半導体ウエハ16が載置されたとき
の各接点部37〜42のスイッチング(ON、OFF)
状態から、各接触式センサ44、45、46等が、半導
体ウエハ16の位置ずれを検出する。
【0009】図8に示す装置では、サーバ47に設けら
れた複数の光学式センサ48〜53によって、半導体ウ
エハ16の位置ずれを検出する。また、図9に示す装置
では、(A)に示すように、空気吸引口54〜59及び
その流通路がサーバ60に設けられており、サーバ60
上に載置される半導体ウエハ16を図示しない吸引ポン
プによって真空吸着するようになっている。そして、こ
の空気吸引時の圧力変動をバキュウムセンサ62、6
3、64、65等で検知することで、半導体ウエハ16
の位置ずれを検出するようになっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図6に示した
装置では、特定の位置でのみ半導体ウエハ16の位置ず
れを検出できるようになっている。従って、特定位置か
ら搬送先に半導体ウエハ16を移動させる途中で半導体
ウエハ16がずれてしまった場合には、そのずれを検出
することができない。
【0011】また、図7及び図8に示した装置では、高
真空雰囲気内において使用する場合に、接点部37〜4
2のバネ等の可動部から発塵が起こったり、光学式セン
サ48〜53のケーブルから放出ガスが発生したりし
て、真空度を悪化させてしまう。
【0012】図9に示した装置では、空気吸引を前提と
しているため、真空内での使用が不可能である。そこ
で、本発明の目的は、真空度を下げることなく、全搬送
動作中で被搬送物の位置ずれを検出することができる磁
気浮上型搬送装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、被搬送物が載置される搬送部材と、この搬送部材を
電磁力により浮上させて支持する電磁石と、この電磁石
の電流値から前記搬送部材に載置された前記被搬送物の
所定位置からの位置ずれを検出する位置ずれ検出手段と
を磁気浮上型搬送装置に具備させて前記目的を達成す
る。
【0014】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
磁気浮上型搬送装置において、前記位置ずれ検出手段
が、前記電磁石の電流値を所定の電流値と比較すること
で、前記被搬送物の位置ずれを検出することによって前
記目的を達成する。請求項3記載の発明では、請求項1
記載の磁気浮上型搬送装置において、前記電磁石が、複
数の電磁石から構成されると共に前記搬送部材を複数の
箇所で支持し、前記位置ずれ検出手段が、前記複数の電
磁石の内少なくとも2つの電磁石の電流値を比較するこ
とで、前記被搬送物の位置ずれを検出することによって
前記目的を達成する。
【0015】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
磁気浮上型搬送装置において、前記電磁石が、複数の電
磁石から構成されると共に前記搬送部材を複数の箇所で
支持し、前記位置ずれ検出手段が、前記複数の電磁石の
内少なくとも2つの電磁石の電流値から、前記搬送部材
に載置された前記被搬送物の、前記所定の位置からのず
れの方向を検出することで前記目的を達成する。
【0016】
【作用】請求項1記載の磁気浮上型搬送装置では、被搬
送物が載置される搬送部材が電磁石の電磁力によって浮
上支持される。位置ずれ検出手段は、電磁石の電流値か
ら搬送部材に載置された被搬送物の所定位置からの位置
ずれを検出する。
【0017】請求項2記載の磁気浮上型搬送装置では、
位置ずれ検出手段が、電磁石の電流値を所定の電流値と
比較することで、被搬送物の位置ずれを検出する。請求
項3記載の磁気浮上型搬送装置では、複数の電磁石が搬
送部材を複数の箇所で支持し、位置ずれ検出手段は、複
数の電磁石の内少なくとも2つの電磁石の電流値を比較
することで、被搬送物の位置ずれを検出する。
【0018】請求項4記載の磁気浮上型搬送装置では、
複数の電磁石が搬送部材を複数の箇所で支持し、位置ず
れ検出手段は、複数の電磁石の内少なくとも2つの電磁
石の電流値から、搬送部材に載置された被搬送物の、所
定の位置からのずれの方向を検出する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の磁気浮上型搬送装置における
一実施例を図1ないし図4を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施例による磁気浮上型搬送装置における機
械構成を表したものであり、図2及び図3は、それぞ
れ、図1におけるS−S線方向断面とT−T線方向断面
を表したものである。なお、以下の説明において、図1
における右側を前側、左側を後側とする。
【0020】本実施例の磁気浮上型搬送装置70は、例
えば、半導体製造装置において真空容器内に配置され
る。図1に示すように、磁気浮上型搬送装置70は、磁
気浮上型搬送装置10と同様に、内部が密閉された円筒
形状のシールドチューブ72を備えている。このシール
ドチューブ72の内部には、ボールネジ74によって矢
印X方向(前後方向)に移動するマグネットキャリア7
6が配設されている。
【0021】マグネットキャリア76の後側には、図2
に示すように、4つの電磁石81、82、83、84が
固定されている。また、マグネットキャリア76の前側
には、図3に示すように、下側にのみ2つの電磁石8
6、87が固定されている。図1に示すように、電磁石
87の鉄心87aには、電磁石87の磁力を補うための
永久磁石88が組み込まれており、電磁石86に対して
も同様に永久磁石が組み込まれている。電磁石81と8
2、及び電磁石83と84は、図2においてそれぞれ左
右に対称になるように配置されている。また、電磁石8
6と87も図3において左右で対称になるように配置さ
れている。
【0022】マグネットキャリア76の前端と後端に
は、電磁石81、84等と同様に図1において上下に対
を成す変位センサ90及び92、変位センサ91及び9
3が設けられている。また、図2の電磁石82、83と
同じ取付け角度にも、図1において前後に、変位センサ
90〜93と同様に4つの図示しない変位センサが設け
られている。
【0023】電磁石シールドチューブ72の外周には、
円筒形状の浮上体94が配設されている。この浮上体9
4の上側には、搬送棒95が取り付けられており、その
先端には、半導体ウエハ等の被搬送物89が載置される
サーバ95aが設けられている。なお、図1において
は、説明の便宜上、搬送棒95の位置を周方向にずらし
て電磁石81の直上方に位置するように図示している。
【0024】浮上体94の内側の、各電磁石81、8
2、83、84、86、87と対向する部分、及び変位
センサ90、91、92、93や図示しない4つの変位
センサと対向する部分には、強磁性材料からなるターゲ
ット96、97、98、99、100、101、10
2、及び103、104(図2)、105(図3)等が
取り付けられている。
【0025】各電磁石81〜87は、ターゲット97、
100、101、103、104、105を電磁力によ
り吸引することで、浮上体94を磁気浮上させるように
なっている。変位センサ90〜93及び図示しない変位
センサは、インダクタンス変換型の変位センサであり、
高周波電流が供給されるコイルのインダクタンスが、タ
ーゲット96、98、99、102等との距離によって
変化することを利用して、浮上体94の位置変位を検出
するようになっている。なお、変位センサとしては、他
のセンサ、例えば、差動トランス型変位センサ、静電容
量型変位センサ、ホール素子変位センサ、渦電流変位セ
ンサ等を用いてもよい。
【0026】本実施例では、前記の各変位センサ90、
91、92、93等の出力をフィードバックすること
で、電磁石81、82、83、84、86、87の電流
を制御し、浮上体94の浮上位置を制御するようになっ
ている。図4は、磁気浮上型搬送装置70の制御系の一
部を表したものである。
【0027】変位センサ90、92には、センサ出力か
ら浮上体94の位置変位を示す位置信号を得るためのブ
リッジ回路108が接続されている。このブリッジ回路
108には、浮上体94の浮上位置を指令する基準信号
109が供給される比較器110が接続されている。比
較器110は、基準信号Sからブリッジ回路108より
供給された位置信号を減算して、処理後の信号を信号処
理回路112に供給するようになっている。信号処理回
路112は、比較器110からの信号に位相補償や位相
反転等の処理を加え、それぞれ増幅回路114、116
に供給する。増幅回路114、116は、信号処理回路
112からの信号に基づいて増幅した電流を各電磁石8
1、84に供給するようになっている。
【0028】電磁石87に対しても、変位センサ91、
93の出力を基に同様のフィードバックループを形成す
るブリッジ回路118、比較器120、信号処理回路1
22及び増幅回路124が設けられている。また、図示
しないが、電磁石82、84、及び電磁石86に対して
も同様の制御回路が設けられている。
【0029】本実施例の磁気浮上型搬送装置70は、電
磁石81、82、83、84、86、87の電流から搬
送棒95のサーバ95aに載置された被搬送物89の位
置ずれを検出する位置ずれ検出部130を備えている。
なお、本実施例では、サーバ95aの中心線上に被搬送
物89が左右対称に載置される位置を、被搬送物89を
載置すべき正規の位置とする。
【0030】位置ずれ検出部130は、電磁石81、8
4、87の電流値をそれぞれ検出する電流検出器13
2、134、136及び電磁石82、83、86の電流
値を検出する図示しない電流検出器と、これら各電流検
出器132、134、136等の検出値をA/D変換す
ると共にデータフォーマットする信号処理部140と、
データフォーマットされた電流値を記憶するメモリ13
8とを備えている。また、位置ずれ検出部130は、メ
モリ138に記憶された各電流値から被搬送物89の位
置ずれを判断する演算処理部150を備えている。
【0031】演算処理部150は、図示しないCPU
(中央処理装置)と、ROM(リード・オンリ・メモ
リ)やRAM(ランダム・アクセス・メモリ)等の図示
しないメモリとを備えており、メモリに格納されたプロ
グラムに基づいて、各種判断・処理を行うようになって
いる。
【0032】すなわち、演算処理部150は、電磁石8
1、82、83、84、86、87の電流値が、サーバ
95aへの荷重によって変動するので、サーバ95aに
被搬送物89が載置されたときの各電流値を、被搬送物
89が載置されていないときのそれと比較することで、
被搬送物89がサーバ95a上に載置されているか否か
を判断する。
【0033】また、演算処理部150は、図2や図3に
おいて左右に位置する電磁石81と82の電流値、電磁
石83と84の電流値、及び電磁石86と87の電流値
をそれぞれ比較するようになっている。そして、左右の
電流値の差が所定のしきい値より大きい電磁石の組が、
少なくとも1組あれば、被搬送物89の載置位置が正規
の位置から左右方向にずれていると判断するようになっ
ている。
【0034】演算処理部150が、被搬送物89の位置
ずれ判断において、3組の電磁石の電流値を使用するの
は、被搬送物89がずれていても、各電磁石の位置や浮
上体94の重心位置、及び被搬送物89の重量やずれの
方向等によって、左右の電流値の差が所定のしきい値以
上に顕著に現れない電磁石の組が存在する場合があるか
らである。
【0035】なお、被搬送物89の位置ずれ判断時にお
いて用いる、左右の電磁石の差のしきい値は、演算処理
部150の図示しないメモリに格納されている。また、
この図示しないメモリには、例えば、サーバ95aに何
も載置していないときの各電磁石81、82、83、8
4、86、87の電流値が、設定電流値として格納され
ている。
【0036】演算処理部150は、各種判断の結果、イ
ンターフェイス142を介して外部装置144、警報装
置146、データ表示装置148に所定の指令信号やメ
モリ138に記憶された電流値データを出力するように
なっている。外部装置144は、磁気浮上型搬送装置7
0が、例えば半導体製造装置において使用された場合
の、装置全体を管理するホストコンピュータ等である。
【0037】警報装置146は、演算処理部150で位
置ずれが検出された場合に、警報ランプを点灯させた
り、ブザーを出力したりして、作業者等に異常を知らせ
るものである。また、データ表示装置148は、各電磁
石81、82、83、84、86、87の電流値や位置
ずれ発生の日時等を表示、あるいは音声出力する装置で
ある。
【0038】次に、このように構成された実施例の動作
について説明する。先ず、ブリッジ回路108、118
や信号処理回路112、122等の制御回路による各電
磁石81、82、83、84、86、87の電流のフィ
ードバック制御で、浮上体94を所定の位置に磁気浮上
させる。このとき、浮上体94は、図2や図3における
右側と左側とで、その重量がバランスしている。従っ
て、左右に位置する電磁石81と82、電磁石83と8
4、及び電磁石86と87の電流値は、それぞれほぼ同
じになる。
【0039】次に、サーバ95aに被搬送物89を載置
する。このとき、被搬送物89の重量で、搬送棒95は
サーバ95a側が下方に、その反対側端部が上方に移動
し、各ターゲット96、98、99、102等と変位セ
ンサ90、91、92、93等との距離が変化する。こ
のため、各電磁石81、82、83、84、86、87
の制御回路は、各センサとターゲットとの隙間が一定に
なるように、各電磁石81、82、83、84、86、
87の電流(電磁力)を変化させて、浮上体94の姿勢
を元に戻す。このように、電磁石81、82、83、8
4、86、87の電流値は、サーバ95aに対する荷重
(重力)に応じて変化する。
【0040】また、荷重位置(被搬送物89の載置位
置)の変化による搬送棒95の重心移動によっても、浮
上体94は姿勢を変化させようとする。従って、本実施
例では、このような各電磁石81、82、83、84、
86、87の電流値変化から、演算処理部150が被搬
送物89の有無や位置ずれを判断する。
【0041】以下、この被搬送物89の有無や位置ずれ
判断についての処理の詳細を説明する。まず、電流検出
器132、134、136等が、被搬送物89を載置し
たときの各電磁石81、84、87等の電流をそれぞれ
検出する。検出した各電流値は、メモリ138の所定の
格納エリアにそれぞれ記憶される。
【0042】演算処理部150は、先ず、メモリ138
に格納された各電流値を、設定電流値とそれぞれ比較す
る。そして、メモリ138の検出電流値がそれぞれ設定
電流値と同じであれば、サーバ95a上に何も載置され
ていないと判断する。また、設定電流値と異なる検出電
流値が少なくとも1つあれば、サーバ95a上に被搬送
物89が載置されていると判断する。
【0043】次に、演算処理部150は、メモリ138
に格納された各電流値のうち、図2または図3において
左右に位置する2つの電磁石、すなわち、電磁石81と
82の電流値の差、電磁石83と84の電流値の差、及
び電磁石86と87の電流値の差をそれぞれ求める。そ
して、各電流値の差が、図示しないメモリに予め格納し
ておいたしきい値より大きいか判断し、しきい値よりも
電流値の差が大きい電磁石の組が、少なくとも1組あれ
ば、被搬送物89が正規の位置からずれていると判断す
る。
【0044】演算処理部150は、被搬送物89の位置
ずれを検出した場合には、異常を知らせる信号や各電磁
石の電流値データを外部装置144、警報装置146、
データ表示装置148に出力する。例えば、磁気浮上型
搬送装置70を半導体製造装置に使用し、外部装置14
4が半導体製造装置のホストコンピュータである場合に
は、演算処理部150からの信号によって外部装置14
4が装置全体を停止させて、位置ずれをした被搬送物8
9の搬送や処理等を行わないようにする。また、警報装
置146がブザーを鳴らす。
【0045】以上説明したように、本実施例では、被搬
送物89の位置ずれ判断のために、電磁石81と82、
電磁石83と84、電磁石86と87の電流値を比較す
るようにしているので、位置ずれを確実に検出すること
ができる。また、本実施例では、ボールネジ74等の駆
動部分が外部と密閉されたシールドチューブ72内に収
容され、被搬送物89のずれ検出もシールドチューブ7
2内の電磁石の電流値を基に行われるので、シールドチ
ューブ72の外を真空にして磁気浮上型搬送装置70を
使用する場合でも、発塵や放出ガス等の発生させること
なく、被搬送物89の位置ずれを検出することができ
る。
【0046】本実施例では、電磁石の電流値から被搬送
物89の位置ずれを判断するので、特定の場所に限定さ
れず、搬送途中の必要とする場所で被搬送物89の位置
ずれを検出することができる。なお、以上の実施例で
は、電磁石81と82、電磁石83と84等、複数の組
の電磁石の電流値を比較していたが、左右1組の電磁石
のみを比較することで、被搬送物89の位置ずれ判断を
行ってもよい。
【0047】また、以上の実施例では、被搬送物89の
ずれの有無のみを検出するようにしていたが、左右の電
磁石における電流値の大小関係も比較することで、被搬
送物89が左右どちらの方向にずれているかを検出して
もよい。例えば、被搬送物89が左側にずれ、被搬送物
89の重量を含めた浮上体94の重心位置が左側に移動
した場合、右側の電磁石84に比して左側の電磁石83
への負荷が増大する。従って、電流検出の結果、電磁石
83の電流値の方が、電磁石84の電流値よりも大きか
った場合には、被搬送物89が左側にずれていると判断
するようにしてもよい。
【0048】また、被搬送物89が正規の載置位置から
前後にずれた場合は、図1において前後の電磁石への負
荷の配分が変化するので、電磁石84や電磁石87、あ
るいは、電磁石83や電磁石86の電流値の差が変化す
る。従って、前後の電磁石の電流値も比較して、前後方
向への位置ずれを判断するようにしてもよい。
【0049】この場合、被搬送物89が正規の位置に載
置されたときの前後の電流値の差を正規の値として予め
演算処理部150のメモリに格納しておく。そして、実
際に被搬送物89を載置したときに、例えば、電磁石8
4と電磁石87の電流値の差が、正規の値と異なった場
合、被搬送物89が前後方向にずれていると判断するよ
うにしてもよい。
【0050】更に、被搬送物89が前方にずれていると
きは、前側の電磁石86、87への負荷が、後側の電磁
石83、84に比して増大するので、前後の電流値の差
は、増大し、被搬送物89が後方にずれているときは、
後側の電磁石83、84への負荷が増大するので、前後
の電流値の差は小さくなる。
【0051】従って、前後の電磁石の電流値の差の増減
を調べることで、被搬送物89が前側と後側のどちらに
ずれているかを検出してもよい。また、前後や左右方向
のみならず、斜め方向への位置ずれも判断してもよい。
例えば、左右の電磁石の電流値の大小関係と、前後の電
流値の差の増減とから総合的にずれの方向を判断しても
よい。すなわち、被搬送物89を載置したときに、例え
ば、左側の電磁石83の方が右側の電磁石84より大き
くなり、かつ、前側の電磁石86と後側の電磁石83の
電流値の差が大きくなった場合には、左斜め前方に被搬
送物89がずれていると判断する。
【0052】以上の実施例では、左右の電磁石の電流値
を比較することで、被搬送物89の位置ずれを検出する
ようにしていたが、任意の1つの電磁石の電流値を基
に、被搬送物89の位置ずれを検出してもよい。例え
ば、任意に決めた1つの電磁石の、被搬送物89が正規
の位置に載置されているときの電流値を、予め演算処理
部150のメモリに記憶させておく。そして、実際の搬
送動作時において、任意に決めた電磁石の検出電流値
を、予め記憶しておいた電流値と比較することで、被搬
送物89の位置ずれを検出するようにしてもよい。
【0053】また、以上の実施例では、図3に示すよう
に、前側に2つの電磁石86、87のみが配設されてい
たが、後側の4つの電磁石81、84、82、83と同
様に、前側の上下においても4つ電磁石が配設されてい
てもよい。この場合、前側の上方に配設される2つ電磁
石の電流値も測定し、この測定値も用いて演算処理部1
50が被搬送物89のずれ判断を行ってもよい。
【0054】
【発明の効果】本発明の磁気浮上型搬送装置によれば、
位置ずれ検出手段が電磁石の電流値から搬送部材に載置
された被搬送物の所定位置からの位置ずれを検出するよ
うにしているので、真空度を下げることなく、全搬送動
作中で被搬送物の位置ずれを検出することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による磁気浮上型搬送装置の
機械構成を示した断面図である。
【図2】図1におけるS−S線方向断面を示した図であ
る。
【図3】図1におけるT−T線方向断面を示した図であ
る。
【図4】同磁気浮上型搬送装置の制御系の一部を示した
ブロック図である。
【図5】磁気浮上型搬送装置の外観の一例を示した斜視
図である。
【図6】従来のウエハ位置ずれ検出手段を示した説明図
である。
【図7】従来のウエハ位置ずれ検出手段を示した説明図
である。
【図8】従来のウエハ位置ずれ検出手段を示した説明図
である。
【図9】従来のウエハ位置ずれ検出手段を示した説明図
である。
【符号の説明】
70 磁気浮上型搬送装置 72 シールドチューブ 74 ボールネジ 76 マグネットキャリア 81、82、83、84、86、87 電磁石 88 永久磁石 89 被搬送物 90、91、92、93 変位センサ 94 浮上体 95 搬送棒 95a サーバ 96、97、98、99、100、101、102、1
03、104、105ターゲット 108、118 ブリッジ回路 109、119 基準信号 110、120 比較器 112、122 信号処理回路 114、116、124 増幅回路 130 位置ずれ検出部 132、134、136 電流検出器 138 メモリ 140 信号処理部 142 インターフェイス 144 外部装置 146 警報装置 148 データ表示装置 150 演算処理部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被搬送物が載置される搬送部材と、 この搬送部材を電磁力により浮上させて支持する電磁石
    と、 この電磁石の電流値から、前記搬送部材に載置された前
    記被搬送物の、所定位置からの位置ずれを検出する位置
    ずれ検出手段とを具備することを特徴とする磁気浮上型
    搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記位置ずれ検出手段は、前記電磁石の
    電流値を所定の電流値と比較することで前記被搬送物の
    位置ずれを検出することを特徴とする請求項1記載の磁
    気浮上型搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁石は、複数の電磁石から構成さ
    れると共に前記搬送部材を複数の箇所で支持し、 前記位置ずれ検出手段は、前記複数の電磁石の内少なく
    とも2つの電磁石の電流値を比較することで、前記被搬
    送物の位置ずれを検出することを特徴とする請求項1記
    載の磁気浮上型搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記電磁石は、複数の電磁石から構成さ
    れると共に前記搬送部材を複数の箇所で支持し、 前記位置ずれ検出手段は、前記複数の電磁石の内少なく
    とも2つの電磁石の電流値から、前記搬送部材に載置さ
    れた前記被搬送物の、前記所定の位置からのずれの方向
    を検出することを特徴とする請求項1記載の磁気浮上型
    搬送装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111619361A (zh) * 2020-06-09 2020-09-04 北京磁浮交通发展有限公司 一种磁浮列车车重的监测方法及系统

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