JP3446938B2 - 車両用交流発電機のランデル型ポールコア - Google Patents
車両用交流発電機のランデル型ポールコアInfo
- Publication number
- JP3446938B2 JP3446938B2 JP35817597A JP35817597A JP3446938B2 JP 3446938 B2 JP3446938 B2 JP 3446938B2 JP 35817597 A JP35817597 A JP 35817597A JP 35817597 A JP35817597 A JP 35817597A JP 3446938 B2 JP3446938 B2 JP 3446938B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- base
- claw
- plane
- pole core
- chamfered
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Synchronous Machinery (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用交流発電機のラ
ンデル型ポールコアに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の車両用交流発電機は、そのロ−タ
コアとしてランデル型ポールコアを有しており、このラ
ンデル型ポールコアは、互いに同形で向かい合って回転
軸に装着される一対の半コアからなる。従来の半コアの
例を図4を参照して説明する。 【0003】半コア100は、円筒状の基部101と、
基部101の軸方向外端部から周方向所定間隔を隔てて
径外方向へ向けて伸びる角柱状の多数の爪基部102
と、爪基部102の径方向先端部から軸方向界磁コイル
囲包方向へ延伸する爪先端部103とを備え、爪先端部
103はステータコア200内に収容されている。爪基
部102の軸方向外側に面する軸方向外側面1020
は、径内側にて径方向へ延伸する径方向延伸外端面10
21と、径外側にて爪先端部103側へ向けて平坦に斜
設された面取り平面1022とを有し、径方向延伸外端
面1021には冷却ファン300が固定されている。4
00はステータコイルである。 【0004】爪先端部103は、最初、爪基部102と
同じく径外側へ延伸して作成された後、機械力により直
角に曲げて作製されるのが通常であり、この時、軸方向
外側面1020の径外側の部分は、図4にて破線で示す
ように丸く湾曲するが、このような曲面形状では、冷却
ファン300を半コア100の軸方向外側面1020に
強固に固定することが困難となるので、金型を用いるこ
とにより爪基部102の軸方向外側面1020の径外側
の部分を、この金型の内面に密着させて、図4に実線で
示すように爪先端部103側へ向けて平坦に斜設された
面取り平面1022を形成し、これにより径方向延伸外
端面1021を径外側へ延長して冷却ファン300の固
定スペ−スを確保している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
爪基部102および爪先端部103からなる爪部を高速
回転させると、大きな風切り音が発生するので、この騒
音低下が問題となっていた。この爪部の回転により生じ
る風切り音を低減するには、爪部すなわち爪基部102
の周方向側面1025および爪先端部103の周方向側
面1031、すなわち爪部の軸方向および径方向へ延在
する側面の面積を低減することが効果的である。ただ
し、爪先端部103の周方向側面1035の削減は爪先
端部103を貫通する磁束の減少を生じるので困難であ
り、爪基部102の軸方向長dを縮小することも同じ理
由で困難である。 【0006】そこで、面取り平面1022を、図4に一
点鎖線で示すようにより深く面取りすることにより、爪
基部102の周方向側面1025の面積を、特にその風
切り音が大きい径外側にて縮小することが効果的であ
る。しかし、このように図4に一点鎖線で示すようによ
り深く面取りすると、爪基部102の径外側かつ軸方向
内側の点104から面取り平面1022までの最少距離
d’が短縮され、その分だけこの部位における磁路断面
が減少して鉄損増加、励磁電流増大、界磁束量の低減を
招き、出力低下が生じてしまう。言い換えれば、上記最
少距離d’を爪基部102の軸方向長dより大幅に減ら
すことが設計上、好ましくない。 【0007】そこで、面取り平面1022を図4にて破
線で示す形状に湾曲させれば、上記最少距離d’を短縮
することなく爪基部102の周方向側面1025の面積
を縮小することができるが、図4から明白なように冷却
ファン300の取り付け面積が減少してその取り付けが
脆弱化してしまう。本発明は上記問題点に鑑みなされた
ものであり、出力低下や冷却ファン取り付け性の劣化を
もたらすことなく、風切り音を低減可能な車両用交流発
電機のランデル型ポールコアを提供することをその目的
としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の構成によ
れば、回転軸に装着される筒状の基部と、前記基部の軸
方向両端部から互いに周方向所定間隔を隔てて径外方向
へ向けて伸びる多数の爪基部と、ステータコア内にて前
記爪基部の径方向先端部から軸方向界磁コイル囲包方向
へ延伸する爪先端部とを備え、前記基部の一端側へ突出
する前記爪先端部と前記基部の他端側へ突出する前記爪
先端部は、前記ステータコアと前記界磁コイルとの間の
円筒状のスペースを周方向交互に配置される車両用交流
発電機のランデル型ポールコアにおいて、前記爪基部
(72)の軸方向外側に面する軸方向外側面(720)
が、径内側にて径方向へ延伸する径方向延伸外端面(7
21)と、径外側にて前記爪先端部側へ向けて平坦に斜
設された第1面取り平面(722a)と、前記径方向延
伸外端面と第1面取り平面との間に位置して前記第1面
取り平面よりも急傾斜を有しつつ平坦に斜設された第2
面取り平面(722b)とにより構成されているので、
出力低下や冷却ファン取り付け性の劣化をもたらすこと
なく、風切り音を低減可能な車両用交流発電機のランデ
ル型ポールコアを実現することができる。 【0009】 【発明を実施するための形態】本発明の好適な態様を以
下の実施例を参照して説明する。以下の実施例では、各
爪基部や各爪先端部の間に永久磁石などを介装しない形
式のランデル型ポールコアを例として説明するが、本発
明は、これら各爪基部や各爪先端部の間に永久磁石など
を介装する形式のランデル型ポールコアに適用すること
もできる。 【0010】 【0011】 【実施例】(回転子の全体構成)この実施例のランデル
型ポールコアを用いる車両用交流発電機の全体構成を図
1を参照して説明する。車両用交流発電機1は、電機子
として働く固定子2と、界磁子として働く回転子3とを
有している。 【0012】固定子2は、ハウジング4に固定されるス
テータコア21と、ステータコア21に巻装されるステ
ータコイル22とを有している。回転子3は、ハウジン
グ4に回転自在に支承されるシャフト5に一体に嵌着さ
れており、ランデル型ポールコア7、フィールドコイル
(界磁コイル)8を有している。 【0013】9、10は一対のスリップリング、11は
一対のブラシ、12はレギュレ−タ、13はエンドフレ
−ム、14は出力タ−ミナル、15は一対の冷却ファ
ン、16は自動車に搭載された走行用のエンジン(図示
せず)により回転駆動されるプ−リである。この車両用
交流発電機のランデル型ポールコア以外の更に詳細な他
の構造説明および動作説明は省略する。 【0014】(ランデル型ポールコア)次に、ランデル
型ポールコア7について以下に説明する。ランデル型ポ
ールコア7は、互いに同形で向かい合ってシャフト5に
相対回転不能に嵌着される軟鋼からなる一対の半コア7
a、7bからなる。半コア7a、7bは同形であるの
で、半コア7aを図2を参照して説明する。 【0015】半コア7aは、円筒状の基部71と、基部
71の軸方向外端部から周方向所定間隔を隔てて径外方
向へ向けて伸びる角柱状の多数の爪基部72と、爪基部
72の径方向先端部から軸方向界磁コイル囲包方向へ延
伸する爪先端部73とを備え、爪先端部73はステータ
コア21内に収容されている。爪基部72の軸方向外側
に面する軸方向外側面720は、径内側にて径方向へ延
伸する径方向延伸外端面721と、径外側にて爪先端部
103側へ向けて平坦に斜設された面取り平面722と
を有し、径方向延伸外端面721には冷却ファン15が
固定されている。22はステータコイルである。 【0016】本実施例において重要な点は、上述した面
取り平面722が、爪先端部73側に位置する第1面取
り平面722aと、冷却ファン15側に位置する第2面
取り平面722bとからなり、更に、第2面取り平面7
22bが第1面取り平面722aよりも、急傾斜に形成
されている点にある。75は第1面取り平面722aと
第2面取り平面722bとの境界を示す。 【0017】このように、爪基部72の軸方向外側に面
する軸方向外側面720の径外側の部分を、爪先端部7
3側に位置する緩傾斜の第1面取り平面722aと、冷
却ファン15側に位置する急傾斜の第2面取り平面72
2bとで構成したので、出力低下や冷却ファン取り付け
性の劣化をもたらすことなく、風切り音を低減可能な車
両用交流発電機のランデル型ポールコアを実現すること
ができる。 【0018】以下、本実施例による作用効果を更に詳し
く説明する。第一に、図4に実線で示した面取り平面1
022と本実施例の面取り平面722とによる作用効果
の違いを説明する。この実施例の面取り平面722のう
ち、第1面取り平面722aの傾斜は面取り平面102
2のそれと等しい。したがって、爪基部72の径外側か
つ軸方向内側の点74から面取り平面722までの最少
距離d’は、爪基部102の径外側かつ軸方向内側の点
104から面取り平面1022までの最少距離d’と等
しく、その結果、この部位において磁路断面積が減少し
て鉄損増加、励磁電流増大、界磁束量の低減を招き、そ
れにより出力低下が生じるということはない。言い換え
れば、本実施例の爪基部72がこの部位において、従来
より早期に磁気飽和するということはない。 【0019】しかし、この実施例では、面取り平面72
2のうち、第2面取り平面722bの傾斜は面取り平面
722のそれより急傾斜となっている。したがって、爪
基部72の周方向側面725の面積が特にその大径側に
て縮小でき、この結果、特に爪基部72に対して相対回
転する空気流の流れが円滑化し、風切り音が大幅に減少
するという効果を奏することができる。 【0020】ただ、第2面取り平面722bの傾斜が第
1面取り平面722aのそれより急傾斜となった分だ
け、爪基部72の軸方向外側面720の一部をなして径
内側にて径方向へ延伸する径方向延伸外端面721が短
縮されるので、冷却ファン15の取り付け性が低下する
もののこの短縮量は僅かであり、冷却ファン15の取り
付け性は十分確保することができる。 【0021】結局、本実施例の2段面取り平面式ランデ
ル型ポールコアは従来の1段面取り平面式ランデル型ポ
ールコアと比べて、冷却ファン300の取り付け性およ
び磁気抵抗を劣化させることなく、風切り音の低減を実
現することができる。第二に、図4に一点鎖線で示した
面取り平面(1022と呼ぶ)と本実施例の面取り平面
722とによる作用効果の違いを説明する。 【0022】この実施例の面取り平面722は、面取り
平面1022が全体にわたって急傾斜であるのですぐわ
かるように図4に示す面取り平面1022に比較して、
風切り音が僅かに大きく、冷却ファンの取り付け性が僅
かに優れるが、爪基部72の径外側かつ軸方向内側の点
74から面取り平面722までの最少距離d’は、図4
に示す爪基部102の径外側かつ軸方向内側の点104
から面取り平面1022までの最少距離d’より大きく
確保できるので、この部位における磁路断面積が増大し
て出力向上を図ることができる。 【0023】第三に、図4に破線で示した面取り湾曲面
(1022と呼ぶ)と本実施例の面取り平面722とに
よる作用効果の違いを説明する。この実施例の面取り平
面722の最少距離d’は面取り湾曲面1022のそれ
よりかなり小さくなるが、最少距離d’は距離dと同じ
程度であれば、最少距離d’の部位で磁束量が制約され
ることはなく、僅かの磁気抵抗の増大、出力の低下を招
くのみである。 【0024】一方、図4に示す面取り湾曲面1022の
径大部分はこの実施例の第1面取り平面722aより格
段に大きくなるために、面取り湾曲面1022の径小部
分がこの実施例の第2面取り平面722bより小さくな
るにもかかわらず、気流の衝突の運動エネルギ−が大き
くなり、風切り音は大きくなる。次に、面取り湾曲面1
022では、図4から明白なように冷却ファン300の
取り付けが極端に困難となる。 【0025】結局、本実施例の2段面取り平面式ランデ
ル型ポールコアは従来の面取り湾曲面式ランデル型ポー
ルコアと比べて、出力低下を抑止しつつ冷却ファン15
の取り付け性を格段に向上させることができ、風切り音
の低減を実現することができる。図3に、図1に示す2
段面取り平面式ランデル型ポールコアを用いた車両用交
流発電機の風切り音(破線表示)と、図4に示す従来の
1段面取り平面式ランデル型ポールコアを用いた車両用
交流発電機の風切り音(実線表示)とを測定した結果を
示す。 【0026】ただし、従来のランデル型ポールコアの面
取り平面1022の傾斜とこの実施例のランデル型ポー
ルコアの第1面取り平面722aの傾斜とは等しく、第
2面取り平面722bは第1面取り平面722aに対し
て約15度傾斜しているものとする。爪基部102の総
数は6個、爪先端部103の最大半径は4.6cm、d
は1.1cm、図2における点75の半径は4.4cm
とする。ただし、図3の騒音は、高回転域にて最も耳障
りであるところの基本周波数の第6次高調波成分を抽出
して図示してある。図3からも、この実施例の騒音低減
効果が高いことがわかる。
ンデル型ポールコアに関する。 【0002】 【従来の技術】従来の車両用交流発電機は、そのロ−タ
コアとしてランデル型ポールコアを有しており、このラ
ンデル型ポールコアは、互いに同形で向かい合って回転
軸に装着される一対の半コアからなる。従来の半コアの
例を図4を参照して説明する。 【0003】半コア100は、円筒状の基部101と、
基部101の軸方向外端部から周方向所定間隔を隔てて
径外方向へ向けて伸びる角柱状の多数の爪基部102
と、爪基部102の径方向先端部から軸方向界磁コイル
囲包方向へ延伸する爪先端部103とを備え、爪先端部
103はステータコア200内に収容されている。爪基
部102の軸方向外側に面する軸方向外側面1020
は、径内側にて径方向へ延伸する径方向延伸外端面10
21と、径外側にて爪先端部103側へ向けて平坦に斜
設された面取り平面1022とを有し、径方向延伸外端
面1021には冷却ファン300が固定されている。4
00はステータコイルである。 【0004】爪先端部103は、最初、爪基部102と
同じく径外側へ延伸して作成された後、機械力により直
角に曲げて作製されるのが通常であり、この時、軸方向
外側面1020の径外側の部分は、図4にて破線で示す
ように丸く湾曲するが、このような曲面形状では、冷却
ファン300を半コア100の軸方向外側面1020に
強固に固定することが困難となるので、金型を用いるこ
とにより爪基部102の軸方向外側面1020の径外側
の部分を、この金型の内面に密着させて、図4に実線で
示すように爪先端部103側へ向けて平坦に斜設された
面取り平面1022を形成し、これにより径方向延伸外
端面1021を径外側へ延長して冷却ファン300の固
定スペ−スを確保している。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
爪基部102および爪先端部103からなる爪部を高速
回転させると、大きな風切り音が発生するので、この騒
音低下が問題となっていた。この爪部の回転により生じ
る風切り音を低減するには、爪部すなわち爪基部102
の周方向側面1025および爪先端部103の周方向側
面1031、すなわち爪部の軸方向および径方向へ延在
する側面の面積を低減することが効果的である。ただ
し、爪先端部103の周方向側面1035の削減は爪先
端部103を貫通する磁束の減少を生じるので困難であ
り、爪基部102の軸方向長dを縮小することも同じ理
由で困難である。 【0006】そこで、面取り平面1022を、図4に一
点鎖線で示すようにより深く面取りすることにより、爪
基部102の周方向側面1025の面積を、特にその風
切り音が大きい径外側にて縮小することが効果的であ
る。しかし、このように図4に一点鎖線で示すようによ
り深く面取りすると、爪基部102の径外側かつ軸方向
内側の点104から面取り平面1022までの最少距離
d’が短縮され、その分だけこの部位における磁路断面
が減少して鉄損増加、励磁電流増大、界磁束量の低減を
招き、出力低下が生じてしまう。言い換えれば、上記最
少距離d’を爪基部102の軸方向長dより大幅に減ら
すことが設計上、好ましくない。 【0007】そこで、面取り平面1022を図4にて破
線で示す形状に湾曲させれば、上記最少距離d’を短縮
することなく爪基部102の周方向側面1025の面積
を縮小することができるが、図4から明白なように冷却
ファン300の取り付け面積が減少してその取り付けが
脆弱化してしまう。本発明は上記問題点に鑑みなされた
ものであり、出力低下や冷却ファン取り付け性の劣化を
もたらすことなく、風切り音を低減可能な車両用交流発
電機のランデル型ポールコアを提供することをその目的
としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の構成によ
れば、回転軸に装着される筒状の基部と、前記基部の軸
方向両端部から互いに周方向所定間隔を隔てて径外方向
へ向けて伸びる多数の爪基部と、ステータコア内にて前
記爪基部の径方向先端部から軸方向界磁コイル囲包方向
へ延伸する爪先端部とを備え、前記基部の一端側へ突出
する前記爪先端部と前記基部の他端側へ突出する前記爪
先端部は、前記ステータコアと前記界磁コイルとの間の
円筒状のスペースを周方向交互に配置される車両用交流
発電機のランデル型ポールコアにおいて、前記爪基部
(72)の軸方向外側に面する軸方向外側面(720)
が、径内側にて径方向へ延伸する径方向延伸外端面(7
21)と、径外側にて前記爪先端部側へ向けて平坦に斜
設された第1面取り平面(722a)と、前記径方向延
伸外端面と第1面取り平面との間に位置して前記第1面
取り平面よりも急傾斜を有しつつ平坦に斜設された第2
面取り平面(722b)とにより構成されているので、
出力低下や冷却ファン取り付け性の劣化をもたらすこと
なく、風切り音を低減可能な車両用交流発電機のランデ
ル型ポールコアを実現することができる。 【0009】 【発明を実施するための形態】本発明の好適な態様を以
下の実施例を参照して説明する。以下の実施例では、各
爪基部や各爪先端部の間に永久磁石などを介装しない形
式のランデル型ポールコアを例として説明するが、本発
明は、これら各爪基部や各爪先端部の間に永久磁石など
を介装する形式のランデル型ポールコアに適用すること
もできる。 【0010】 【0011】 【実施例】(回転子の全体構成)この実施例のランデル
型ポールコアを用いる車両用交流発電機の全体構成を図
1を参照して説明する。車両用交流発電機1は、電機子
として働く固定子2と、界磁子として働く回転子3とを
有している。 【0012】固定子2は、ハウジング4に固定されるス
テータコア21と、ステータコア21に巻装されるステ
ータコイル22とを有している。回転子3は、ハウジン
グ4に回転自在に支承されるシャフト5に一体に嵌着さ
れており、ランデル型ポールコア7、フィールドコイル
(界磁コイル)8を有している。 【0013】9、10は一対のスリップリング、11は
一対のブラシ、12はレギュレ−タ、13はエンドフレ
−ム、14は出力タ−ミナル、15は一対の冷却ファ
ン、16は自動車に搭載された走行用のエンジン(図示
せず)により回転駆動されるプ−リである。この車両用
交流発電機のランデル型ポールコア以外の更に詳細な他
の構造説明および動作説明は省略する。 【0014】(ランデル型ポールコア)次に、ランデル
型ポールコア7について以下に説明する。ランデル型ポ
ールコア7は、互いに同形で向かい合ってシャフト5に
相対回転不能に嵌着される軟鋼からなる一対の半コア7
a、7bからなる。半コア7a、7bは同形であるの
で、半コア7aを図2を参照して説明する。 【0015】半コア7aは、円筒状の基部71と、基部
71の軸方向外端部から周方向所定間隔を隔てて径外方
向へ向けて伸びる角柱状の多数の爪基部72と、爪基部
72の径方向先端部から軸方向界磁コイル囲包方向へ延
伸する爪先端部73とを備え、爪先端部73はステータ
コア21内に収容されている。爪基部72の軸方向外側
に面する軸方向外側面720は、径内側にて径方向へ延
伸する径方向延伸外端面721と、径外側にて爪先端部
103側へ向けて平坦に斜設された面取り平面722と
を有し、径方向延伸外端面721には冷却ファン15が
固定されている。22はステータコイルである。 【0016】本実施例において重要な点は、上述した面
取り平面722が、爪先端部73側に位置する第1面取
り平面722aと、冷却ファン15側に位置する第2面
取り平面722bとからなり、更に、第2面取り平面7
22bが第1面取り平面722aよりも、急傾斜に形成
されている点にある。75は第1面取り平面722aと
第2面取り平面722bとの境界を示す。 【0017】このように、爪基部72の軸方向外側に面
する軸方向外側面720の径外側の部分を、爪先端部7
3側に位置する緩傾斜の第1面取り平面722aと、冷
却ファン15側に位置する急傾斜の第2面取り平面72
2bとで構成したので、出力低下や冷却ファン取り付け
性の劣化をもたらすことなく、風切り音を低減可能な車
両用交流発電機のランデル型ポールコアを実現すること
ができる。 【0018】以下、本実施例による作用効果を更に詳し
く説明する。第一に、図4に実線で示した面取り平面1
022と本実施例の面取り平面722とによる作用効果
の違いを説明する。この実施例の面取り平面722のう
ち、第1面取り平面722aの傾斜は面取り平面102
2のそれと等しい。したがって、爪基部72の径外側か
つ軸方向内側の点74から面取り平面722までの最少
距離d’は、爪基部102の径外側かつ軸方向内側の点
104から面取り平面1022までの最少距離d’と等
しく、その結果、この部位において磁路断面積が減少し
て鉄損増加、励磁電流増大、界磁束量の低減を招き、そ
れにより出力低下が生じるということはない。言い換え
れば、本実施例の爪基部72がこの部位において、従来
より早期に磁気飽和するということはない。 【0019】しかし、この実施例では、面取り平面72
2のうち、第2面取り平面722bの傾斜は面取り平面
722のそれより急傾斜となっている。したがって、爪
基部72の周方向側面725の面積が特にその大径側に
て縮小でき、この結果、特に爪基部72に対して相対回
転する空気流の流れが円滑化し、風切り音が大幅に減少
するという効果を奏することができる。 【0020】ただ、第2面取り平面722bの傾斜が第
1面取り平面722aのそれより急傾斜となった分だ
け、爪基部72の軸方向外側面720の一部をなして径
内側にて径方向へ延伸する径方向延伸外端面721が短
縮されるので、冷却ファン15の取り付け性が低下する
もののこの短縮量は僅かであり、冷却ファン15の取り
付け性は十分確保することができる。 【0021】結局、本実施例の2段面取り平面式ランデ
ル型ポールコアは従来の1段面取り平面式ランデル型ポ
ールコアと比べて、冷却ファン300の取り付け性およ
び磁気抵抗を劣化させることなく、風切り音の低減を実
現することができる。第二に、図4に一点鎖線で示した
面取り平面(1022と呼ぶ)と本実施例の面取り平面
722とによる作用効果の違いを説明する。 【0022】この実施例の面取り平面722は、面取り
平面1022が全体にわたって急傾斜であるのですぐわ
かるように図4に示す面取り平面1022に比較して、
風切り音が僅かに大きく、冷却ファンの取り付け性が僅
かに優れるが、爪基部72の径外側かつ軸方向内側の点
74から面取り平面722までの最少距離d’は、図4
に示す爪基部102の径外側かつ軸方向内側の点104
から面取り平面1022までの最少距離d’より大きく
確保できるので、この部位における磁路断面積が増大し
て出力向上を図ることができる。 【0023】第三に、図4に破線で示した面取り湾曲面
(1022と呼ぶ)と本実施例の面取り平面722とに
よる作用効果の違いを説明する。この実施例の面取り平
面722の最少距離d’は面取り湾曲面1022のそれ
よりかなり小さくなるが、最少距離d’は距離dと同じ
程度であれば、最少距離d’の部位で磁束量が制約され
ることはなく、僅かの磁気抵抗の増大、出力の低下を招
くのみである。 【0024】一方、図4に示す面取り湾曲面1022の
径大部分はこの実施例の第1面取り平面722aより格
段に大きくなるために、面取り湾曲面1022の径小部
分がこの実施例の第2面取り平面722bより小さくな
るにもかかわらず、気流の衝突の運動エネルギ−が大き
くなり、風切り音は大きくなる。次に、面取り湾曲面1
022では、図4から明白なように冷却ファン300の
取り付けが極端に困難となる。 【0025】結局、本実施例の2段面取り平面式ランデ
ル型ポールコアは従来の面取り湾曲面式ランデル型ポー
ルコアと比べて、出力低下を抑止しつつ冷却ファン15
の取り付け性を格段に向上させることができ、風切り音
の低減を実現することができる。図3に、図1に示す2
段面取り平面式ランデル型ポールコアを用いた車両用交
流発電機の風切り音(破線表示)と、図4に示す従来の
1段面取り平面式ランデル型ポールコアを用いた車両用
交流発電機の風切り音(実線表示)とを測定した結果を
示す。 【0026】ただし、従来のランデル型ポールコアの面
取り平面1022の傾斜とこの実施例のランデル型ポー
ルコアの第1面取り平面722aの傾斜とは等しく、第
2面取り平面722bは第1面取り平面722aに対し
て約15度傾斜しているものとする。爪基部102の総
数は6個、爪先端部103の最大半径は4.6cm、d
は1.1cm、図2における点75の半径は4.4cm
とする。ただし、図3の騒音は、高回転域にて最も耳障
りであるところの基本周波数の第6次高調波成分を抽出
して図示してある。図3からも、この実施例の騒音低減
効果が高いことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用交流発電機のランデル型ポール
コアの実施例を示す軸方向断面図である。 【図2】図1に示すポールコアの一部拡大断面図であ
る。 【図3】図1に示すポールコアを用いた車両用交流発電
機の騒音を示す図である。 【図4】従来のポールコアの一部拡大断面図である。 【符号の説明】 1は車両用交流発電機、21はステータコア、22はス
テータコイル、5はシャフト(回転軸)、7はランデル
型ポールコア、8はフィールドコイル(界磁コイル)、
15は一対の冷却ファン、7a、7bは半コア、71は
円筒状の基部、72は爪基部、73は爪先端部、720
は軸方向外側面、721は径方向延伸外端面、722は
面取り平面、722aは第1面取り平面、722bは第
2面取り平面。
コアの実施例を示す軸方向断面図である。 【図2】図1に示すポールコアの一部拡大断面図であ
る。 【図3】図1に示すポールコアを用いた車両用交流発電
機の騒音を示す図である。 【図4】従来のポールコアの一部拡大断面図である。 【符号の説明】 1は車両用交流発電機、21はステータコア、22はス
テータコイル、5はシャフト(回転軸)、7はランデル
型ポールコア、8はフィールドコイル(界磁コイル)、
15は一対の冷却ファン、7a、7bは半コア、71は
円筒状の基部、72は爪基部、73は爪先端部、720
は軸方向外側面、721は径方向延伸外端面、722は
面取り平面、722aは第1面取り平面、722bは第
2面取り平面。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】回転軸に装着される筒状の基部と、 前記基部の軸方向両端部から互いに周方向所定間隔を隔
てて径外方向へ向けて伸びる多数の爪基部と、 ステータコア内にて前記爪基部の径方向先端部から軸方
向界磁コイル囲包方向へ延伸する爪先端部とを備え、 前記基部の一端側へ突出する前記爪先端部と前記基部の
他端側へ突出する前記爪先端部は、前記ステータコアと
前記界磁コイルとの間の円筒状のスペースを周方向交互
に配置される車両用交流発電機のランデル型ポールコア
において、 前記爪基部(72)の軸方向外側に面する軸方向外側面
(720)は、径内側にて径方向へ延伸する径方向延伸
外端面(721)と、径外側にて前記爪先端部側へ向け
て平坦に斜設された第1面取り平面(722a)と、前
記径方向延伸外端面と第1面取り平面との間に位置して
前記第1面取り平面よりも急傾斜を有しつつ平坦に斜設
された第2面取り平面(722b)とにより構成されて
いることを特徴とする車両用交流発電機のランデル型ポ
ールコア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35817597A JP3446938B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 車両用交流発電機のランデル型ポールコア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35817597A JP3446938B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 車両用交流発電機のランデル型ポールコア |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11191948A JPH11191948A (ja) | 1999-07-13 |
JP3446938B2 true JP3446938B2 (ja) | 2003-09-16 |
Family
ID=18457935
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35817597A Expired - Fee Related JP3446938B2 (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 車両用交流発電機のランデル型ポールコア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3446938B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3696062B2 (ja) * | 2000-08-10 | 2005-09-14 | 三菱電機株式会社 | 車両用交流発電機 |
JP4544309B2 (ja) | 2008-01-21 | 2010-09-15 | 株式会社デンソー | 車両用交流発電機の回転子 |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP35817597A patent/JP3446938B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11191948A (ja) | 1999-07-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5793144A (en) | Rotor for a rotating electric machine | |
JP3446313B2 (ja) | 回転電機の回転子 | |
US6127763A (en) | AC generator having claw-pole rotor | |
JP4858505B2 (ja) | 車両用回転電機 | |
EP0920110A2 (en) | Alternator for vehicle | |
JP2941636B2 (ja) | 車両用交流発電機の回転子 | |
JP3117019B2 (ja) | 車両用回転電機の回転子 | |
JPH10174394A (ja) | ランデルコア型回転電機 | |
JP2003244875A (ja) | オールタネータ用回転子アセンブリ | |
JP2785423B2 (ja) | 車両用交流発電機の回転子およびその製造方法 | |
JP2004153994A (ja) | 高電力永久磁石ハイブリッドオールタネータ回転子 | |
JP2003219592A (ja) | オールタネータ用高効率ボビン | |
JP3446938B2 (ja) | 車両用交流発電機のランデル型ポールコア | |
EP1443627B1 (en) | Generator with air deflector | |
JP2007014104A (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP3237647B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
US6057627A (en) | Claw pole generator with ventilation fan supporting the magnetic pole tips | |
JP2865094B2 (ja) | 交流発電機 | |
JP3975180B2 (ja) | 回転電機の回転子 | |
JP5211914B2 (ja) | 車両用回転電機 | |
JP2814890B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP3438606B2 (ja) | 車両用交流発電機 | |
JP3656347B2 (ja) | 回転電機の回転子 | |
JP2865091B2 (ja) | 交流発電機およびその製造方法 | |
JP2002136051A (ja) | 回転機及びそのロータ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |