JP3446575B2 - 樹脂製インテークマニホールド - Google Patents

樹脂製インテークマニホールド

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JP3446575B2 JP34529597A JP34529597A JP3446575B2 JP 3446575 B2 JP3446575 B2 JP 3446575B2 JP 34529597 A JP34529597 A JP 34529597A JP 34529597 A JP34529597 A JP 34529597A JP 3446575 B2 JP3446575 B2 JP 3446575B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂の射出成形によ
って形成される樹脂製インテークマニホールドに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年は、各種の自動車部品を樹脂化する
ことによって、その軽量化を図るようにしている。そし
て、インテークマニホールドもまた樹脂化が進められて
いる。一般に樹脂製インテークマニホールドは、組み付
けられた金型の内部に形成された型彫込み部へゲートと
呼ばれる湯口から加熱溶融された樹脂を射出充てんする
射出成形によってつくられている。
【0003】図5に、射出成形によってつくられた従来
の樹脂製インテークマニホールドの一例を示す。この樹
脂製インテークマニホールド101は6気筒の内燃機関
用であり、熱可塑性樹脂より成形されている。同樹脂製
インテークマニホールド101は、取り付け板102,
エアコネクタ103,サージタンク104,分配管10
5,吸気ポート板106を有している。
【0004】取り付け板102は、空気取り入れ口やエ
アクリーナや、スロットルバルブが軸支されたスロット
ルボディ等、吸気経路上流部品(図示略)に接続される
部分である。同取り付け板102は2本に分岐したエア
コネクタ103を介してサージタンク104に接続され
ている。サージタンク104には6本の分配管105が
接続されおり、分配管105の列の中央には上記取り付
け板102を有する略C字形状に湾曲したエアコネクタ
103が通れるように所定の間隔が開けられている。ま
た、両側の各3本の分配管105の間には射出成形の都
合上、膜109が形成されている。同膜109の上面に
は後述するゲート部108が形成されている。各分配管
105の末端部は等間隔に配置された吸気ポート孔10
7を有した吸気ポート板106に固定されている。そし
て、吸気ポート板106は吸気ポート(図示略)に接続
され、前記分配管105を燃焼室(図示略)へ接続す
る。車両への設置時には、樹脂製インテークマニホール
ド101は湾曲された分配管105の外周側が上になる
ようにしてエンジンルーム内に配設される。
【0005】上述したように、湾曲したエアコネクタ1
03と分配管105とを備える樹脂製インテークマニホ
ールド101は、射出成形の型抜きの都合上、一部品で
成形することができない。そのため、樹脂製インテーク
マニホールド101は、図6に示すように、エアコネク
タ部品101aとサージタンク部品101bとの両分割
体より構成される。両部品101a,101bは、エア
コネクタ部品101aの接合面110をサージタンク部
品101bの接合面111へ当接させた状態で、例えば
振動溶着を施すなどによって接続される。
【0006】このような樹脂製インテークマニホールド
101にあっては、内燃機関の作動に伴って空気取り入
れ口から取り入れられ、且つエアクリーナによって異物
等の取り除かれた空気がスロットルボディなどから上記
エアコネクタ103を通じてサージタンク104に送ら
れる。そして、サージタンク104に送られた空気が分
配管105から各吸気ポートを介して各燃焼室に送られ
る。
【0007】ところで、上述のように内燃機関が作動す
ると、燃焼室の吸気行程によって吸気経路内に脈動を生
じる。脈動は各分配管105および同分配管105と隣
接した膜109の表面に微少な振動を生じて高調波を発
生させる。この高調波は車両のエンジンルームからボン
ネットを通じて外部へ放射され騒音となる。そこで従来
は、こうした騒音を低減するために、分配管105およ
び膜109の振動を抑制する制振材を樹脂製インテーク
マニホールド101に対して別途取り付ける手法等も提
案されている(例えば、特開平2−199264号公報
参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の手法で
は、制振材がインテークマニホールドとは別部材である
ため、部品点数や組み付け工数の増加等も無視できない
ものとなっている。
【0009】また、図5〜図7に示すように、上記従来
の樹脂製インテークマニホールド101にあっては、サ
ージタンク部品101bを成形する際に金型の型彫込み
部に樹脂を充てんするための湯口であるゲート部108
が同サージタンク部品101bの各膜109の上面に円
柱形状に残ることとなり、その美観を損ねることともな
っている。
【0010】さらに、図7に示すサージタンク部品10
1bのA−A線断面部分の樹脂充てん時の態様としてそ
の拡大断面を図8に示すように、加熱溶融された樹脂は
ノズル部12から膜109の上面に形成されたゲート部
108を通じて金型の型彫込み部に充てんされるが、同
従来の樹脂製インテークマニホールド101にあって
は、サージタンク部品101bの分配管105とゲート
部108との隙間(間隔C)が狭くなっているために、
その金型としても薄い凸部が必要となり、金型の強度と
耐久性を低下させる原因となっている。
【0011】本発明はこうした実情に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、別部品を加えずとも制振機能
が得られ、且つ金型の強度を高める上でも有利な構造を
有するとともに、外見の美観をも損ねない樹脂製インテ
ークマニホールドを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、内燃機関の吸気ポートとサージタンクとをつなぐ複
数の分配管とそれら各分配管を並列に連結する膜部とが
同膜部に位置するゲート部からの樹脂の充てんによって
一体成形される樹脂製インテークマニホールドであっ
て、各隣接する分配管の間に架け渡される態様で前記膜
部の上面に一体に突出形成されたリブを有し、前記ゲー
ト部は該リブの一部に設けられてなることをその要旨と
する。
【0013】この構成によれば、上記リブによって各分
配管および膜部が補強され、前述した騒音の原因となる
同分配管および膜部での振動も好適に抑制されるように
なる。また、上記ゲート部がこうしたリブの一部に設け
られることで、その金型としても、ゲート部とその隣接
する分配管との間に必要とされた前記薄い凸部等は不要
となり、強度や耐久性の面での向上が図られるようにな
る。さらに、同ゲート部が上記リブの一部として設けら
れることで、その存在がインテークマニホールドとして
の美観を損ねることもなくなる。
【0014】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の樹脂製インテークマニホールドにおいて、前記各分配
管は湾曲した形状に成形されるものであり、前記リブ及
びゲート部は、該湾曲した分配管の外周側に設けられる
ことをその要旨とする。
【0015】この構成によれば、当該インテークマニホ
ールドの外側において各分配管および膜部が補強される
とともにそれら振動が抑制されることとなり、ひいては
同インテークマニホールドから外側に向けて放射される
騒音が好適に低減されるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の樹脂製インテーク
マニホールドを具体化した一実施形態を図面に従って説
明する。なお、本実施形態において、図5から図8に示
した従来の樹脂製インテークマニホールド101と同じ
構成部材については符号を等しくしてその詳細な説明を
省略する。
【0017】図1に示す本実施形態にかかる樹脂製イン
テークマニホールド1は6気筒の内燃機関用であり、熱
可塑性樹脂より成形されている。樹脂製インテークマニ
ホールド1は、取り付け板2,エアコネクタ3,サージ
タンク4,分配管5,吸気ポート板6を有している。
【0018】サージタンク4の上方に向けて配された取
り付け板2はパイプ形状の湾曲したエアコネクタ3の先
端部に一体形成されている。エアコネクタ3の末端部は
2本に分岐しており、中空で略円柱形状を成したサージ
タンク4に接続されている。サージタンク4にはパイプ
形状を成した6本の分配管5が並列に接続されている。
分配管5の列の中央には上記取り付け板2の形成された
エアコネクタ3が通れるように所定の間隔が開けられて
いる。各分配管5の末端部は等間隔に配置された吸気ポ
ート孔7を有する吸気ポート板6に固定されている。各
分配管5はサージタンク4の上方に覆い被さるように略
C字形状に曲げられている。両側の各3本の分配管5の
間には膜9が形成され、一体化されている。
【0019】なお、樹脂製インテークマニホールド1
も、図2に示すように、エアコネクタ部品1aとサージ
タンク部品1bとの各分割体より構成される。両部品1
a,1bは、エアコネクタ部品1aの接合面10をサー
ジタンク部品1bの接合面11へ当接させた状態で、例
えば振動溶着を施すなどによって接続される。
【0020】ここで、本実施形態にかかる樹脂製インテ
ークマニホールド1にあって、サージタンク部品1bの
各膜9の上面には、図1〜図3に示すように、隣接する
各分配管5の間に架け渡されるように板状のリブ8aが
形成されている。
【0021】すなわち、図3のサージタンク部品1bの
B−B線断面部分の樹脂充てん時の態様としてその拡大
断面を図4に示すように、上記サージタンク部品1b
は、加熱溶融された樹脂がノズル部12から膜9の上面
に形成されたゲート部8を通じて金型の型彫込み部に充
てんされることによって成形されることとなるが、同樹
脂製インテークマニホールド1にあっては、この樹脂の
充てんに際して、各分配管5の間に架け渡されるリブ8
aが併せて形成されるようにしている。したがって、同
リブ8aによって分配管5と膜9との剛性が高められ、
内燃機関の動作に伴って発生するそれら分配管5や膜9
の振動は確実に抑制されるようになる。また、略C字形
状に曲げられた分配管5の外側にこのリブ8aを形成す
ることとしたため、同樹脂製インテークマニホールド1
の外側での振動がより好適に抑制されることにもなる。
【0022】さらに、同リブ8aは、ノズル部12の直
下のゲート部8から両側の分配管5へ架け渡されること
によってゲート部8と一体化されている。このため、従
来のゲート部108(図5参照)の様に円柱形状の凸部
として膜9上に残ることがなく、樹脂製インテークマニ
ホールド1としての外見の美観を損なうこともない。
【0023】加えて本実施形態にかかる樹脂製インテー
クマニホールド1にあっては、従来、分配管105とゲ
ート部108との間に存在していた隙間(図8の間隔C
参照)も図4に示される態様で無くなる。このため、そ
の金型としても、同隙間を形成するために必要とされた
薄い凸部等は不要となり、強度や耐久性の面での向上が
図られるようになる。
【0024】以上説明したように、上記のように構成さ
れた本実施形態の樹脂製インテークマニホールドによれ
ば、次のような効果が得られるようになる。 ・分配管5および膜9の表面に発生する振動はリブ8a
の形成によって抑制されるようになり、同振動に起因す
る騒音も好適に低減される。また、特に当該インテーク
マニホールドの外側において各分配管および膜部が補強
されるとともにそれら振動が抑制されることとなり、ひ
いては同インテークマニホールドから外側に向けて放射
される騒音が好適に低減されるようになる。
【0025】・リブ8aを樹脂製インテークマニホール
ド1と一体形成して設けたため、部品点数および組み付
け工数を増加することなく制振材としてのリブ8aを設
けることができる。
【0026】・リブ8aの一部をゲート部8としたた
め、従来のゲート部108のように樹脂製インテークマ
ニホールド1の外側表面に円柱形状の充てん跡を残すこ
とが無く、外見の美観を損ねることもない。
【0027】・ゲート部8と分配管5との間に隙間(間
隔C)が存在しないため、金型の型彫込みり部に薄い凸
部が無くなり、金型の強度や耐久性を向上させることが
できる。
【0028】なお、上記実施形態は以下のように変更し
てもよく、その場合でも同様の作用および効果を得るこ
とができる。 ・本実施形態では膜9の上面のみにリブ8aを形成した
が、膜9の下面にも同リブ8aを形成する構造としても
よい。このようにすれば、分配管5と膜9の剛性がさら
に向上され、同部の振動もより的確に抑制される。
【0029】・上記実施形態では、6気筒エンジン用の
樹脂製インテークマニホールド1について例示したが、
本発明にかかる樹脂製インテークマニホールドは他のタ
イプのエンジン用としても同様に適用できる。
【0030】その他、以上の実施形態から把握できる請
求項以外の技術的思想について、以下にその効果と共に
記載する。 (1)内燃機関の吸気ポートとサージタンクとをつなぐ
複数の分配管とそれら各分配管を並列に連結する膜部と
が同膜部に位置するゲート部からの樹脂の充てんによっ
て一体成形される樹脂製インテークマニホールドであっ
て、前記各分配管と前記膜部との振動を抑制する制振手
段がそれら各分配管と膜部とに一体成形されてなること
を特徴とする樹脂製インテークマニホールド。
【0031】この構成によれば、別部材を用いることな
く樹脂製インテークマニホールドに制振機能を与えるこ
とができる。 (2)前記制振手段は、各隣接する分配管の間に架け渡
される態様で前記膜部の上面に突出形成されたリブであ
る前記(1)記載の樹脂製インテークマニホールド。
【0032】この構成によれば、リブによって分配管と
膜との剛性を高めることができる。 (3)前記ゲート部は前記リブの一部として設けられる
前記(2)記載の樹脂製インテークマニホールド。
【0033】この構成によれば、ゲート部をリブの一部
として用いることができるため、その美観を損なうこと
もない。
【0034】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、騒音の
原因となる分配管および膜部での振動が好適に抑制され
るとともに、その金型としても、強度や耐久性の面での
向上が図られるようになる。また、ゲート部の存在がイ
ンテークマニホールドとしての美観を損ねることもなく
なる。
【0035】請求項2に記載の発明によれば、当該イン
テークマニホールドから外側に向けて放射される騒音が
好適に低減されるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の樹脂製インテークマニホールドの
組立斜視図。
【図2】同樹脂製インテークマニホールドの分解斜視
図。
【図3】同樹脂製インテークマニホールドの部品の平面
図。
【図4】同樹脂製インテークマニホールドの分配管の形
成時の断面図。
【図5】従来の樹脂製インテークマニホールドの組立斜
視図。
【図6】従来の樹脂製インテークマニホールドの分解斜
視図。
【図7】従来の樹脂製インテークマニホールドの部品の
平面図。
【図8】従来の樹脂製インテークマニホールドの分配管
の形成時の断面図。
【符号の説明】
1…樹脂製インテークマニホールド、2…取り付け板、
3…エアコネクタ、4…サージタンク、5…分配管、6
…吸気ポート板、7…吸気ポート孔、8…ゲート部、8
a…リブ、9…膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−18541(JP,A) 特開 平8−334069(JP,A) 実開 平6−73368(JP,U) 実開 平5−952(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02M 35/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の吸気ポートとサージタンクと
    をつなぐ複数の分配管とそれら各分配管を並列に連結す
    る膜部とが同膜部に位置するゲート部からの樹脂の充て
    んによって一体成形される樹脂製インテークマニホール
    ドであって、 各隣接する分配管の間に架け渡される態様で前記膜部の
    上面に一体に突出形成されたリブを有し、前記ゲート部
    は該リブの一部に設けられてなることを特徴とする樹脂
    製インテークマニホールド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の樹脂製インテークマニ
    ホールドにおいて、 前記各分配管は湾曲した形状に成形されるものであり、
    前記リブ及びゲート部は、該湾曲した分配管の外周側に
    設けられることを特徴とする樹脂製インテークマニホー
    ルド。
JP34529597A 1997-12-15 1997-12-15 樹脂製インテークマニホールド Expired - Lifetime JP3446575B2 (ja)

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