JP3446096B2 - 簡易荷役機械用油圧回路の駆動制御装置 - Google Patents

簡易荷役機械用油圧回路の駆動制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は簡易荷役機械用油圧
回路の駆動制御装置にかかるもので、とくに荷役用バラ
ンサーや簡易型クレーンなどの簡易荷役機械における操
作性を向上させることができる簡易荷役機械用油圧回路
の駆動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の簡易荷役機械用油圧回路の駆動制
御装置について図3ないし図6にもとづき概説する。図
3は、たとえば荷役用バランサー1(簡易荷役機械)の
概略側面図であって、荷役用バランサー1は、ポスト2
と、アーム3と、フック4と、油圧回路5と、を有す
る。図4は、油圧回路5の説明図であって、油圧回路5
は、指令装置6と、アクチュエーターとしての油圧シリ
ンダー7と、駆動制御装置8と、を有し、アーム3の先
端部のフック4に取り付けたワークWを作業者が上昇、
下降、停止させるものである。上昇操作は、油圧シリン
ダー7による油圧によりこれを行い、下降操作はワーク
Wの自重によるものとする。
【0003】指令装置6は、アーム3の先端部にこれを
設けるもので、操作レバー9を有する。操作レバー9
は、図3に拡大して示すように、中立状態から手動で、
上昇状態(上側)および下降状態(下側)にこれを傾斜
させることができ、手を振れない状態では、スプリング
センター機構(図示せず)により中立状態に戻る。操作
レバー9は、ワークWと一緒に動き、操作レバー9の傾
斜角度を変えることにより、自由に上昇速度および下降
速度を調整することができる。操作レバー9の傾斜角度
が大きいほど速度は早くなる。なお、水平方向の移動
は、作業者が手動によりこれを行う。
【0004】図4に示すように、油圧回路5の駆動制御
装置8は、演算装置10と、比例弁駆動装置11と、電
磁比例弁12と、モーター駆動装置13と、油圧ポンプ
装置14と、を有する。油圧ポンプ装置14は、モータ
ー15と、油圧ポンプ16と、作動油タンク17と、を
有する。
【0005】指令装置6は、操作レバー9の傾斜角度に
比例した指令値Pを電気信号として演算装置10に送
る。演算装置10は、この指令値Pを演算し、演算結果
である出力Qを電気信号として比例弁駆動装置11に送
る。比例弁駆動装置11は、出力Qに対応した電力を電
磁比例弁12に供給する。電磁比例弁12は、この電力
に応じてそのバルブを開く。
【0006】一方、指令装置6からの指令値Pは、演算
装置10を介してモーター駆動装置13にもモーターオ
ンオフ信号として供給され、演算装置10は、指令値P
が上昇の値である場合はオン信号を、指令値Pが上昇以
外の値である場合はオフ信号をモーター駆動装置13に
送る。モーター駆動装置13は、そのオン信号あるいは
オフ信号の指示とおりにモーター15に電力を供給ある
いは停止する。
【0007】油圧ポンプ装置14の油圧ポンプ16から
は、ポンプ側油圧ホース18および電磁比例弁12を介
して油圧シリンダー7にシリンダー側油圧ホース19を
接続し、油圧シリンダー7のロッド20をアーム3に連
結してある。
【0008】ワークWを上昇させる場合には、油圧ポン
プ装置14が作動し、電磁比例弁12を介して油圧シリ
ンダー7に作動油が送られる結果、ロッド20が伸び、
アーム3の動作によりワークWが上昇する。ワークWを
下降させる場合には、ワークWおよびアーム3の自重に
より油圧シリンダー7のロッド20が押し縮められる結
果、作動油が逆流して、電磁比例弁12を介して作動油
タンク17に戻る。上昇時および下降時において、電磁
比例弁12は作業者の指示とおりの開き量(開度)とな
っているので、作動油の流量が調節され、作業者が任意
の速度でワークWを上昇あるいは下降させることができ
る。
【0009】こうした構成の荷役用バランサー1および
その油圧回路5の駆動制御装置8において、従来ふたつ
の問題点があった。第1の問題点は、ワークWを停止さ
せるとき、あるいはその方向を反転する(上昇から下降
への、あるいは下降から上昇への方向反転)ときに速や
かに減速させることができないことである。図5
(1)、(2)にもとづき説明する。図5は、指令装置
6から出力される指令値Pに応じたワークWの速度を示
すグラフであって、図5(1)は、指令値Pの大きさの
時間的変化(操作パターン)を示す。図5(2)は、図
5(1)の操作パターンに対する、従来のワークWの速
度の時間的変化を示す。なお図5(3)は、同じ時間軸
上で従来との比較を明確にするために、上記操作パター
ンに対して本発明(第一の発明)の制御を行った場合
の、ワークWの速度の時間的変化を示すものであり、こ
れについては後述する。
【0010】当該荷役用バランサー1においては、ワー
クWを移動する際に、始動、停止あるいはハンチングな
どによりワークWにショックが加わらないように、その
加速あるいは減速を緩やかに制御している。たとえば、
図5(1)において第1の区間のようなハンチングの原
因となる指令値Pの乱れが起こった場合であっても、電
磁比例弁12を徐々に開いたり、閉じたりして作動油の
流量を調整し、図5(2)のように加速および減速の傾
斜勾配をなだらかにすることにより、ワークWへのショ
ックを減らしている。なお、この傾斜勾配の程度は通
常、加速側および減速側でそれぞれその設定を変えるこ
とができる。
【0011】しかしながら、図5(2)における第2の
区間のようにワークWの移動方向を逆方向に反転すると
き、あるいは第3の区間のようにワークWを停止すると
きには、上述のような電磁比例弁12の開度制御による
速度調整がかえってあだとなって、速やかに減速せず、
作業者の意図した位置から離れた位置までワークWが移
動してしまう。すなわち、荷役用バランサー1全体とし
ての動作が作業者のフィーリングと合わず、ワークWが
他の部分に衝突して破損や荷崩れを起こしたり、作業者
の身体の一部が挟まれ、負傷する危険があるという問題
がある。
【0012】第2の問題点は、ワークWを上昇側に移動
し始めるとき(上昇側への始動時)に発生するショック
である。図6は、指令値Pに対する油圧ポンプ装置14
(油圧ポンプ16)の動作、電磁比例弁12の動作およ
び作動油圧などの時間的変化を示すグラフであって、図
6(1)は指令値Pを上昇側にした場合の変化、図6
(2)は油圧ポンプ装置14(油圧ポンプ16)の動
作、図6(3)は電磁比例弁12の入口側12A(ポン
プポート)における作動油圧の変化、図6(4)は電磁
比例弁12の開き量(開度)の変化(従来の場合)、図
6(5)は電磁比例弁12の出口側12B(アクチュエ
ーターポート)における作動油圧の変化(従来の場合)
をそれぞれ示す。なお図6(6)、図6(7)は、同じ
時間軸上で従来との比較を明確にするために、本発明に
おける電磁比例弁12の開き量(開度)の変化(図6
(6))、および電磁比例弁12の出口側12Bにおけ
る作動油圧の変化(図6(7))を示すものであり、こ
れについては後述する。
【0013】当該始動時におけるショックの原因は以下
のとおりである。作業者が上昇の指令を出すと、図6
(1)のように、指令値Pが上昇の値になる。この指令
値Pにもとづきモーター15に通電され、図6(2)の
ように、油圧ポンプ装置14(油圧ポンプ16)が作動
を開始し、同時に電磁比例弁12にも通電され、図6
(4)のように電磁比例弁12のバルブが徐々に開き出
す。しかしながらこの始動時において、モーター15に
通電されてから油圧ポンプ16が作動油を実際に送り出
すまでには時間差(タイムラグ)があること、および油
圧ポンプ装置14と電磁比例弁12との間のポンプ側油
圧ホース18が収縮することなどから、図6(3)のよ
うに作動油圧が電磁比例弁12に到達するまでに遅れが
発生する。
【0014】この遅れが原因となって、電磁比例弁12
がかなり開いたのちに作動油圧が電磁比例弁12の入口
側12Aに到達することになり、図6(5)のように、
電磁比例弁12の出口側12Bでは作動油圧が急激に立
ち上がるため、油圧シリンダー7も急激に動き出す結
果、ワークWが勢いよく動き出すという現象が発生して
いた。この現象により、ワークWが衝突したり荷崩れを
起こす危険があるという問題がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は以上のような
諸問題にかんがみなされたもので、上述のような油圧式
荷役用バランサーあるいは簡易型クレーンなどの簡易荷
役機械が持つ諸問題を解消した簡易荷役機械用油圧回路
の駆動制御装置を提供することを課題とする。
【0016】また本発明は、できるだけ作業者の意図に
合わせてワークの動作を行うことができる簡易荷役機械
用油圧回路の駆動制御装置を提供することを課題とす
る。
【0017】また本発明は、ワークの停止時や方向反転
時、および上昇側への始動時におけるワークの衝突や荷
崩れなど不本意な動作を回避可能な簡易荷役機械用油圧
回路の駆動制御装置を提供することを課題とする。
【0018】また本発明は、ワークの始動時や昇降動作
中には緩やかに加速あるいは減速させ、ワークの停止時
や方向反転時において速やかに減速させるようにして、
作業者のフィーリングに合った操作が可能な簡易荷役機
械用油圧回路の駆動制御装置を提供することを課題とす
る。
【0019】また本発明は、上昇側への始動時において
ワークの急激な動作を抑制して、ワークの衝突や荷崩
れ、その他の危険を回避可能とした簡易荷役機械用油圧
回路の駆動制御装置を提供することを課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、電磁
比例弁の開度あるいはそのタイミングを制御することに
より加減速の程度を調整したり、油圧ポンプ装置との調
和を図ることに着目し、とくに第一の発明は、ワークの
始動時や昇降動作中には緩やかに加速あるいは減速さ
せ、停止時あるいは方向反転時には速やかに減速させる
ようにすることに着目したもので、簡易荷役機械を駆動
するアクチュエーターと、このアクチュエーターに作動
油を供給する油圧ポンプ装置と、この油圧ポンプ装置か
らの作動油を制御する電磁比例弁と、を有する油圧回路
において、当該簡易荷役機械における指令装置の操作レ
バーからの指令信号により上記油圧ポンプ装置を制御す
る簡易荷役機械用油圧回路の駆動制御装置であって、上
記簡易荷役機械の状態およびこの操作レバーによる指令
を判別して、当該簡易荷役機械の方向反転の指令あるい
は停止の指令について、上記油圧ポンプ装置によるその
操作速度を切り換え可能としたことを特徴とする簡易荷
役機械用油圧回路の駆動制御装置である。
【0021】上記電磁比例弁の開度を制御することによ
り、当該簡易荷役機械の方向反転の指令あるいは停止の
指令についてその操作速度を切り換え可能とすることが
できる。
【0022】上記電磁比例弁に制御信号を供給する積分
回路の時定数を変換可能とすることができる。
【0023】上記操作レバーによる指令をフィードバッ
クして、上記電磁比例弁に制御信号を供給する積分回路
の時定数を変換可能とすることができる。
【0024】第二の発明は、駆動制御装置においてモー
ターを先に始動させてから、遅れて電磁比例弁を開き始
めるようにすることに着目したもので、簡易荷役機械を
駆動するアクチュエーターと、このアクチュエーターに
作動油を供給する油圧ポンプ装置と、この油圧ポンプ装
置のモーターを駆動するモーター駆動装置と、この油圧
ポンプ装置からの作動油を制御する電磁比例弁と、を有
する油圧回路において、当該簡易荷役機械における指令
装置の操作レバーからの指令信号により上記油圧ポンプ
装置および上記モーター駆動装置を制御する簡易荷役機
械用油圧回路の駆動制御装置であって、上記操作レバー
による始動時に、上記電磁比例弁を開くタイミングと、
上記油圧ポンプ装置による上記作動油圧の供給のタイミ
ングとの間に時間差を設けたことを特徴とする簡易荷役
機械用油圧回路の駆動制御装置である。
【0025】上記電磁比例弁のアクチュエーターポート
を開放するタイミングを上記モーター駆動装置による上
記モーターの始動のタイミングに対して遅らせることが
できる。
【0026】上記電磁比例弁への制御信号は、タイマー
回路を介してこれを供給することができる。
【0027】本発明による簡易荷役機械用油圧回路の駆
動制御装置においては、アクチュエーター(油圧シリン
ダー)への作動油の供給を制御する電磁比例弁の開度あ
るいはそのタイミングを制御することにより、加減速の
程度を調整したり、油圧ポンプ装置との調和を図ること
ができる。とくに第一の発明によれば、操作レバーの状
態、もしくは操作レバーによる簡易荷役機械ないしはそ
のワークの(上昇あるいは下降などの)状態およびこの
操作レバーによる指令を判別して、簡易荷役機械の方向
反転の指令あるいは停止の指令について、油圧ポンプ装
置によるその操作速度を切り換え可能としたので、停止
時あるいは方向反転時に速やかに減速させることがで
き、作業者の意図に応じて、始動、上昇下降、さらに停
止および方向反転を行うことが可能となり、操作性ない
し作業性を向上させるとともに、不慮の事故の発生を未
然に防止することができる。また第二の発明によれば、
とくに始動時において、電磁比例弁を開くタイミングと
油圧ポンプ装置による作動油圧の供給のタイミングとの
間に時間差を設け、たとえばモーターを先に始動させて
から、遅れて電磁比例弁を開き始めるようにしたので、
ワークの急激な上昇始動を回避し、第一の発明と同じ
く、不慮の事故の発生を未然に防止することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態によ
る簡易荷役機械用油圧回路の駆動制御装置30を図1お
よび図2、さらに図4、図5および図6にもとづき説明
する。ただし、図3ないし図6と同様の部分には同一符
号を付し、その詳述はこれを省略する。図1は、上記駆
動制御装置30のブロック図、図2は、同、その動作図
表である。図1に示すように、簡易荷役機械用油圧回路
の駆動制御装置30は、前記指令装置6(図4)からの
指令値Pを入力するモーターオンオフ信号回路31と、
電磁比例弁制御回路32と、を有する。なお、この駆動
制御装置30の電気回路は、前記演算装置10(図4)
内にこれを設ける。
【0029】モーターオンオフ信号回路31は、指令値
Pを受け取って、前記油圧ポンプ装置14のモーター1
5の始動および停止のタイミングを設定する。このモー
ターオンオフ信号回路31から出力されるモーターオン
オフ信号を前記モーター駆動装置13(図4)に入力す
るが、この制御は前述のとおりである。
【0030】図1に示すように、指令装置6の指令値P
は、分岐して電磁比例弁制御回路32に入力される。こ
の電磁比例弁制御回路32は、タイマー回路33と、積
分回路34と、上指令検出回路35と、上出力検出回路
36と、下指令検出回路37と、下出力検出回路38
と、第1のオア回路39(タイマー用オア回路)と、第
1のノット回路40(上昇側ノット回路)と、第1のア
ンド回路41(上昇側アンド回路)と、第2のノット回
路42(下降側ノット回路)と、第2のアンド回路43
(下降側アンド回路)と、第2のオア回路44(時定数
変換用オア回路)と、時定数変換回路45と、を有す
る。
【0031】電磁比例弁制御回路32に入力された指令
値Pは、まずタイマー回路33を介して積分回路34に
入力され、積分回路34においてワークWの加速および
減速の傾斜勾配(図5を参照)を設定している。この加
速および減速の傾斜勾配を決定する積分時定数は、たと
えば加速側をτ1、減速側をτ2とするとともに、この
τ1、τ2は互いに同じ値とするか、異なった値とする
かは任意であるが、ワークWにショックを与えない緩や
かな時定数とする。積分回路34の出力Qは、ワークW
の速度に比例するものとし、比例弁駆動装置11にこれ
を入力して電磁比例弁12の開度を制御する。なおタイ
マー回路33は、ワークWの上昇側への始動時における
ショックを解消するためもので、これについては後述す
る。
【0032】電磁比例弁制御回路32において指令値P
は、さらに分岐して、上指令検出回路35および下指令
検出回路37にこれを入力する。指令値Pの値におい
て、操作レバー9の中立範囲の上限値を上しきい値P1
とし、下限値を下しきい値P2とすると、上指令検出回
路35は、P1<Pのとき「ハイ」(「1」)を、それ
以外のとき「ロウ」(「0」)を出力する。下指令検出
回路37は、P<P2のとき「ハイ」(「1」)を、そ
れ以外のとき「ロウ」(「0」)を出力する。すなわち
上指令検出回路35は、操作レバー9による上昇側への
指令を判別し、下指令検出回路37は、操作レバー9に
よる下降側への指令を判別する。
【0033】上記積分回路34の出力Qは、分岐してフ
ィードバックし、上出力検出回路36および下出力検出
回路38にこれを入力する。上出力検出回路36は、0
<Qのとき「ハイ」(「1」)を、それ以外のとき「ロ
ウ」(「0」)を出力する。下出力検出回路38は、Q
<0のとき「ハイ」(「1」)を、それ以外のとき「ロ
ウ」(「0」)を出力する。すなわち出力QはワークW
の速度に比例するため、上出力検出回路36は、ワーク
Wが上昇している状態を、下出力検出回路38は、ワー
クWが下降してる状態をそれぞれ判別する。
【0034】上指令検出回路35の出力Aは、第1のノ
ット回路40を介して、第1のアンド回路41の片方に
これを入力する。上出力検出回路36の出力Bは、第1
のアンド回路41のもう一方にこれを入力する。この第
1のアンド回路41の出力は、第2のオア回路44の片
方にこれを入力する。下指令検出回路37の出力Cは、
第2のノット回路42を介して、第2のアンド回路43
の片方にこれを入力する。下出力検出回路38の出力D
は、第2のアンド回路43のもう一方にこれを入力す
る。この第2のアンド回路43の出力は、第2のオア回
路44のもう一方にこれを入力する。
【0035】第2のオア回路44の出力Yは、時定数変
換回路45にこれを入力し、出力Yが「ロウ」
(「0」)の場合には、時定数変換回路45は働かな
い。出力Yが「ハイ」(「1」)の場合は、時定数変換
回路45が働いて、積分回路34の前記時定数τ1をた
とえばτ3に、τ2をたとえばτ4に変換する。なお、
τ3<τ1、τ4<τ2とする。積分回路34の時定数
は、これが小さいほど加速および減速の傾斜勾配が急と
なるので、この変換が行われた場合には、ワークWは速
やかに加速および減速することになる。
【0036】つぎに、上昇側への始動時のショックを解
消する制御を実現するタイマー回路33部分の回路を説
明する。電磁比例弁制御回路32における上指令検出回
路35の出力Aおよび下指令検出回路37の出力Cは、
分岐して第1のオア回路39にこれを入力する。第1の
オア回路39の出力は、タイマー回路33にこれを入力
する。このタイマー回路33は、その入力が「ハイ」
(「1」)になった直後から遅延時間T1(タイムラ
グ)の間、指令値Pの値をゼロに保持する。またその入
力が「ロウ」(「0」)になった直後にタイマー回路3
3のカウントをリセットする。すなわちタイマー回路3
3は、作業者が上昇あるいは下降の指令を出してモータ
ー15がその作動を開始してから電磁比例弁12が開き
始めるまでの遅延時間T1を作る回路である。
【0037】こうした構成の簡易荷役機械用油圧回路の
駆動制御装置30および電磁比例弁制御回路32におい
て、本発明(第一の発明)によれば、従来の駆動制御装
置8(図4)について既述したような第1の問題点を解
消し、ワークWの停止時および方向反転時のみ速やかに
減速させるような制御が可能である。図2は、簡易荷役
機械用油圧回路の駆動制御装置30による論理回路の動
作図表であって、上指令検出回路35の出力A、上出力
検出回路36の出力B、下指令検出回路37の出力Cお
よび下出力検出回路38の出力Dは、指令値Pおよびワ
ークWの動作状態を示す変数であり、これらにより駆動
制御装置30の動作状態を知ることができる。これらの
出力A、B、C、Dを用いて第2のオア回路44の出力
Yをブール代数で表すと、 Y=(Aの否定・B)+(Cの否定・D).....式(1) となる。
【0038】ここで、出力A、B、C、Dおよび出力Y
が「ハイ」の場合を「1」、「ロウ」の場合を「0」と
し、図5の(3)のグラフ中、第4の区間、第5の区
間、第6の区間、第7の区間および第8の区間の動作状
態に上記式(1)を当てはめると、図2の動作図表のよ
うになる。なお、ワークWの速度は出力Qに比例してい
るため、図5(3)のグラフは出力Qの変化としてとら
えても差し支えない。
【0039】図2の動作図表において、出力Yが「1」
になっている区間は、第6の区間および第8の区間であ
り、これらの区間のみについて積分回路34の時定数τ
1がτ3に(あるいはτ2がτ4に)変換される。第6
の区間は、ワークWが上昇中に指令値Pを反対の下降側
にしたとき、つまり作業者がワークWの移動方向を反転
しようとしたときである。第8の区間は、ワークWが下
降中に指令値Pを「0」にしたとき、つまり作業者がワ
ークWを停止させようとしたときである。第6の区間お
よび第8の区間についてその時定数が変えられるので、
これら第6の区間および第8の区間についてのみワーク
Wは速やかに減速され、従来のようにワークWが作業者
の意図した位置から離れた位置まで移動してしまうこと
がなくなる。かくして、図5(2)および図5(3)を
比較すれば明確なように、従来の場合(駆動制御装置
8、図4)における第2の区間に対して第6の区間、お
よび第3の区間に対して第8の区間のように、本発明に
よれば、ワークWの減速の傾斜勾配が急になっている。
すなわち、第6の区間のようにワークWの方向を反転す
る場合、および第8の区間のようにワークWを停止する
場合に、従来の第2の区間および第3の区間よりも速や
かに減速するように制御している。換言すれば、従来
は、加速および減速の傾斜勾配をそれぞれ個別に設定す
ることはできたが、本発明のように、方向反転時および
停止時のみについて速やかに減速させる制御は従来では
不可能であったが、本発明によりこうした制御が可能と
なった。第6の区間および第8の区間以外の区間(第4
の区間、第5の区間、第7の区間)では、ワークWは従
来通り緩やかに加速あるいは減速されるので、ワークW
に加わるショックを最小限に抑えることができる。
【0040】以上のような制御により、荷役用バランサ
ー1ないし簡易荷役機械用油圧回路の駆動制御装置30
全体としての動作が作業者のフィーリングにより近づ
き、ワークWの衝突や荷崩れ、負傷などを起こす危険を
減少することができる。
【0041】なお本発明においては、図5のグラフで、
上昇側および下降側の状態を入れ替えた場合でも(たと
えば下降側から上昇側への反転操作、あるいは上昇中の
停止操作)、同様の制御により同じ効果を得ることがで
きる。この場合には、図2の動作図表において上昇側と
下降側とをすべて入れ替えて考えればよい。また、図5
および図1において、上昇側および下降側における加速
および減速の傾斜勾配は同じものとして説明したが、別
々に分ける必要がある場合には、積分回路34および時
定数変換回路45の内部で上昇側および下降側を二系統
に分けることで対応することができる。さらに、時定数
τ1、τ2、τ3、τ4の値は、荷役用バランサー1の
構造や目的、ワークWの重量によっても異なるため、そ
れぞれ最適な値に設定することができる。
【0042】つぎに、本発明(第二の発明)により、従
来の駆動制御装置8(図4)について既述したような第
2の問題点を解消し、始動時における油圧の遅れによる
ショックを防止する制御が可能である。作業者が操作レ
バー9を中立位置から上昇側に倒すと、図6(1)のよ
うに指令値Pが上昇の値になる。この直後に図6(2)
のように油圧ポンプ装置14(油圧ポンプ16)が始動
し電磁比例弁12に作動油を送るが、ここで前述の図6
(4)のように同じタイミングで電磁比例弁12を開き
始めると、図6(5)のように油圧が急激に立ち上が
り、ワークWが勢いよく動き出すため、危険である。そ
こで本発明においては、図6(6)のように、電磁比例
弁12を開き始めるまでの間にタイマー回路33により
遅延時間T1を設け、タイミングを遅らせる。この遅延
時間T1は、図6(1)の指令値Pが上昇側になった直
後から図6(3)の作動油圧が上昇を始める瞬間までの
時間に設定する。この遅延時間T1を設けることによ
り、図6(7)に示すように、電磁比例弁12の出口側
12Bにおける作動油圧がスムーズに立ち上がり、ワー
クWが動き出すときのショックをなくすことができる。
【0043】なお、遅延時間T1は、上述の場合より長
く設定する分にはショックは発生しないが、操作レバー
9の指令に対するワークWの反応が鈍くなってしまうの
で、ショックが発生しない範囲で最短の時間にこれを設
定することが望ましい。また、図5には遅延時間T1は
記載されていないが、これは図5の制御の説明には直接
関係がないからである。
【0044】なお、図6にもとづく説明では、下降側の
制御についての説明は省略したが、図1の簡易荷役機械
用油圧回路の駆動制御装置30において下降側も上昇側
と同様に、電磁比例弁12の始動時に遅延時間T1を設
けているのは、ワークWの上昇および下降の操作フィー
リングを同じにして、荷役用バランサー1を使いやすく
するためである。
【0045】以上のような制御によりワークWの上昇の
始動時にショックが発生しなくなり、ワークWの衝突や
荷崩れなどを起こす危険を減少させることができる。
【0046】なお上述のように、油圧方式による荷役用
バランサー1の上下方向の制御のみを例として説明した
が、本発明は、水平方向の制御にもこれを応用すること
ができる。
【0047】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ワークの
始動時や昇降動作中には緩やかに加速あるいは減速さ
せ、停止時あるいは方向反転時には速やかに減速させる
ようにすること、モーターを先に始動させてから、遅れ
て電磁比例弁を開き始めるようにすることとしたので、
油圧式荷役用バランサーなど簡易荷役機械用油圧回路が
有する諸問題を解消し、エアー式や、電動式なみの性能
を実現し、低廉な油圧式の簡易荷役機械を提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による簡易荷役機械用油圧
回路の駆動制御装置30のブロック図である。
【図2】同、駆動制御装置30による論理回路の動作図
表である。
【図3】従来の荷役用バランサー1(簡易荷役機械)の
概略側面図である。
【図4】同、油圧回路5の説明図である。
【図5】同、指令装置6から出力される指令値Pに応じ
たワークWの速度を示すグラフであって、図5(1)
は、指令値Pの大きさの時間的変化(操作パターン)を
示し、図5(2)は、図5(1)の操作パターンに対す
る、従来のワークWの速度の時間的変化を示し、図5
(3)は、操作パターンに対して本発明(第一の発明)
の制御を行った場合の、ワークWの速度の時間的変化を
示すものでである。
【図6】同、指令値Pに対する油圧ポンプ装置14(油
圧ポンプ16)の動作、電磁比例弁12の動作および作
動油圧などの時間的変化を示すグラフであって、図6
(1)は指令値Pを上昇側にした場合の変化、図6
(2)は油圧ポンプ装置14(油圧ポンプ16)の動
作、図6(3)は電磁比例弁12の入口側12A(ポン
プポート)における作動油圧の変化、図6(4)は電磁
比例弁12の開き量(開度)の変化(従来の場合)、図
6(5)は電磁比例弁12の出口側12B(アクチュエ
ーターポート)における作動油圧の変化(従来の場
合)、図6(6)は本発明(第二の発明)における電磁
比例弁12の開き量(開度)の変化、および図6(7)
は電磁比例弁12の出口側12Bにおける作動油圧の変
化をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 荷役用バランサー(簡易荷役機械、図3) 2 ポスト 3 アーム 4 フック 5 荷役用バランサー1の油圧回路(図4) 6 指令装置 7 油圧シリンダー(アクチュエーター) 8 油圧回路5の駆動制御装置(図4) 9 指令装置6の操作レバー 10 演算装置 11 比例弁駆動装置 12 電磁比例弁 12A 電磁比例弁12の入口側(ポンプポート) 12B 電磁比例弁12の出口側(アクチュエーターポ
ート) 13 モーター駆動装置 14 油圧ポンプ装置 15 油圧ポンプ装置14のモーター 16 油圧ポンプ装置14の油圧ポンプ 17 油圧ポンプ装置14の作動油タンク 18 ポンプ側油圧ホース 19 シリンダー側油圧ホース 20 油圧シリンダー7のロッド 30 簡易荷役機械用油圧回路の駆動制御装置(実施の
形態、図1) 31 モーターオンオフ信号回路 32 電磁比例弁制御回路 33 タイマー回路 34 積分回路 35 上指令検出回路 36 上出力検出回路 37 下指令検出回路 38 下出力検出回路 39 第1のオア回路(タイマー用オア回路) 40 第1のノット回路(上昇側ノット回路) 41 第1のアンド回路(上昇側アンド回路) 42 第2のノット回路(下降側ノット回路) 43 第2のアンド回路(下降側アンド回路) 44 第2のオア回路(時定数変換用オア回路) 45 時定数変換回路 W ワーク P 指令装置6からの指令値 Q 積分回路34の出力 Y 第2のオア回路44の出力
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B66F 19/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 簡易荷役機械を駆動するアクチュエー
    ターと、 このアクチュエーターに作動油を供給する油圧ポンプ装
    置と、 この油圧ポンプ装置のモーターを駆動するモーター駆動
    装置と、 この油圧ポンプ装置からの作動油を制御する電磁比例弁
    と、を有する油圧回路において、 当該簡易荷役機械における指令装置の操作レバーからの
    指令信号により前記油圧ポンプ装置および前記モーター
    駆動装置を制御する簡易荷役機械用油圧回路の駆動制御
    装置であって、 前記操作レバーによる始動時に、前記電磁比例弁を開く
    タイミングと、前記油圧ポンプ装置による前記作動油圧
    の供給のタイミングとの間に時間差を設けたことを特徴
    とする簡易荷役機械用油圧回路の駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記電磁比例弁のアクチュエーターポ
    ートを開放するタイミングを前記モーター駆動装置によ
    る前記モーターの始動のタイミングに対して遅らせたこ
    とを特徴とする請求項記載の簡易荷役機械用油圧回路
    の駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記電磁比例弁への制御信号は、タイ
    マー回路を介してこれを供給することを特徴とする請求
    記載の簡易荷役機械用油圧回路の駆動制御装置。
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