JP2001010795A - フォークリフトの荷役シリンダの制御装置 - Google Patents

フォークリフトの荷役シリンダの制御装置

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JP2001010795A
JP2001010795A JP11185055A JP18505599A JP2001010795A JP 2001010795 A JP2001010795 A JP 2001010795A JP 11185055 A JP11185055 A JP 11185055A JP 18505599 A JP18505599 A JP 18505599A JP 2001010795 A JP2001010795 A JP 2001010795A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業機の操作手段を急停止させる場合にも、
衝撃を発生することのない荷役シリンダの制御装置を提
供する。 【解決手段】 比例電磁弁8に出力する指令電流iの初
期値i0を荷役シリンダ3が実際に作動しない範囲での
略最大値とし、かつ、所定の速度閾値V1以上で操作量
Lが変位したときに、増減の速度を所定の最大値に抑え
て設定した指令電流iを比例電磁弁8に出力するフォー
クリフトの荷役シリンダ3の制御装置において、操作手
段10,11を非中立位置から中立位置に向けて操作す
る際の操作速度Vを所定の速度閾値V1と比較し、操作
速度Vが速度閾値V1よりも大きい場合に指令電流iを
前記初期値i0よりも小さな値まで下げてからゼロ値を
出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フォークリフトの
荷役シリンダの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フォークリフトの荷役用作業機を駆動す
る油圧シリンダの制御装置として、次のようなものが知
られている。図5は、フォークリフトの油圧回路の構成
図であり、以下同図に基づいて従来技術を説明する。
【0003】同図において、フォークリフトは、チェー
ン2を介して作業機であるフォーク1を昇降させるリフ
トシリンダ3を有している。このリフトシリンダ3を駆
動するフォークリフトの油圧回路は、リフトシリンダ3
に作動油を供給する油圧ポンプ6と、フォーク1を操作
する操作レバー10と、この操作レバー10の操作量L
を検出する操作量検出器13と、この操作量Lに基づい
て油圧回路を制御するコントローラ9と、コントローラ
9の出力電流iに基づいてリフトシリンダ3に供給され
る作動油の流量及び方向を制御する比例電磁弁8とを備
えている。コントローラ9は、ポンプモータ7を回転さ
せて油圧ポンプ6を駆動すると共に、検出された操作レ
バー10の操作量Lに基づき、ソレノイド12A,12
Bに指令電流iを流す。ソレノイド12A,12Bは、
この指令電流iに応じてスプールを駆動してバルブ開度
Tを調整し、指令電流iに略比例する流量の作動油をリ
フトシリンダ3に流している。
【0004】図6に、中立位置にあった操作レバー10
を所定の操作量Lだけ操作し、その後に中立位置に戻し
たときの、レバー操作量L、コントローラ9の指令電流
i、及びバルブ開度Tのタイムチャートを示す。
【0005】時刻t1において、操作レバー10が操作
されると、操作量検出器13によって検出される操作レ
バー10の操作量Lが増大する。操作量Lが時刻t2に
おいて所定の操作閾値L1を越えると、コントローラ9
は指令電流iとして所定の電流初期値i0を出力する。
これに伴い、ソレノイド12A,12Bの動きに伴う時
間遅れΔt1の後、時刻t4においてスプールが動き始
め、バルブ開度Tは開度初期値T0となる。操作量Lの
増大に伴い、コントローラ9はこれに略比例して指令電
流iを増大させ、バルブ開度Tに応じた流量の作動油が
比例電磁弁8を通過する。そして、バルブ開度Tの増加
に伴ってバルブ開度Tが開度閾値T1を越えるとリフト
シリンダ3が動き始め、フォーク1を上昇又は下降させ
る。
【0006】時刻t5において、運転者が操作レバー1
0を所望の操作量LMまで動かして止めると、コントロ
ーラ9は指令電流iをこの操作量LMに応じた指令電流
iMに固定する。これにより、ソレノイド12A,12
Bは時間遅れΔt1の後、バルブ開度Tを指令電流iM
に応じたバルブ開度TMに固定する。
【0007】時刻t7において運転者が操作レバー10
を操作位置から元の中立位置に向けて動かすと、操作量
Lが減少を開始する。これに伴い、コントローラ9は、
操作量Lに略比例させて指令電流iを減少させる。これ
により、バルブ開度Tは時間遅れΔt1の後、時刻t8
から指令電流iに略比例して減少し、作動油の流量が減
少する。そして、時刻t9において運転者が操作レバー
10を中立位置に戻すと、コントローラ9は、指令電流
iとして電流初期値i0を出力する。これに伴い、バル
ブ開度Tはほぼ開度初期値T0となり、開度閾値T1よ
りも低くなるために作動油が流れなくなって、リフトシ
リンダ3の動作が停止する。
【0008】このとき、操作レバー10を所定の速度閾
値V1以上の操作速度で操作した場合、指令電流iの傾
きと操作レバー10の操作量Lの傾きとを一致させる
と、作動油の流れが急激に変化するために、作業機の起
動や停止の際に衝撃が発生することがある。これを防止
するため、指令電流iの傾きを操作レバー10の操作量
Lの傾きよりもゆるやかにして増減させるという手段が
考えられている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来技術には、次に述べるような課題がある。
【0010】図7に、リフトシリンダ3が上昇又は下降
を行なっている状態から、操作レバー10を急激に動か
して中立位置に戻した場合のタイムチャートを示す。時
刻t7において運転者が操作レバー10を操作位置から
元の中立位置に向けて急激に操作すると、操作量Lは図
6のタイムチャートに示したものよりも急激な傾きで減
少する。これに伴い、コントローラ9は、操作量Lの減
少の傾きよりも小さな所定の傾きで指令電流iを減少さ
せる。この所定の傾きは、例えば操作を開始した際に衝
撃の発生しない最大の傾きに基づいて定められる。即
ち、操作量Lの減少の傾きよりも指令電流iの減少の傾
きを小さくしているため、運転者による操作レバーの操
作に対し、コントローラ9による指令電流iの増減に
は、時間遅れΔt2が生じる。指令電流iの減少に伴
い、ソレノイド12A,12Bの遅れに基づく時間遅れ
Δt1の後、バルブ開度Tは時刻t8から指令電流iに
略比例して減少し、作動油の流量が減少する。
【0011】そして、時刻t9において運転者が操作レ
バー10を中立位置に戻すと、コントローラ9は、時間
遅れΔt2の後に、時刻t10において指令電流iとし
て電流初期値i0を出力する。このとき、バルブ開度T
は指令電流iに対して時間遅れΔt1を有しているた
め、時刻t10においては、まだ「バルブ開度T=T
2」という値を取っている。このバルブ開度T2は、開
度閾値T1よりも高いために相当量の作動油が流れてい
る。ところが、コントローラ9は指令電流iが電流初期
値i0となった直後に指令電流iとしてゼロを出力する
ため、いきなり「バルブ開度T=0」となる。これによ
り、流れていた作動油が急激に停止させられ、リフトシ
リンダ3の動作が急停止することになる。その結果、フ
ォーク1等の作業機が急激に停止して衝撃が発生し、荷
役や運転者の身体が揺れて荷役作業の作業性が低下する
などの課題が発生する。本発明は、上記の課題に着目し
てなされたものであり、作業機の操作手段を急停止させ
る場合にも、衝撃を発生することのない荷役シリンダの
制御装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】上記の目
的を達成するために、第1発明は、フォークリフトの作
業機を操作する操作手段と、操作手段の操作量及び操作
速度を検出する操作量検出器と、作業機を駆動する荷役
シリンダと、作動油を供給する油圧源と、入力する指令
電流に応じて油圧源から荷役シリンダに流れる作動油の
流量を制御する比例電磁弁と、操作量に応じた指令電流
を比例電磁弁に出力するコントローラとを備え、コント
ローラは、比例電磁弁に出力する指令電流の初期値を荷
役シリンダが実際に作動しない範囲での略最大値とし、
かつ、所定の速度閾値以上で操作量が変位したときに、
増減の速度を所定の最大値に抑えて設定した指令電流を
比例電磁弁に出力するフォークリフトの荷役シリンダの
制御装置において、コントローラは、操作手段を非中立
位置から中立位置に向けて操作する際の操作速度を所定
の速度閾値と比較し、操作速度が速度閾値よりも大きい
場合に指令電流を前記初期値よりも小さな目標指令電流
まで下げてからゼロ値を出力している。
【0013】第1発明によれば、操作手段を非中立位置
から中立位置に向けて操作する際に操作手段の操作速度
を所定の速度閾値と比較し、操作速度が速度閾値よりも
大きい場合に指令電流を前記初期値よりも小さな値とし
てからゼロ値を出力している。これにより、比例電磁弁
を通過する作動油の流量がほぼゼロとなってから比例電
磁弁の駆動を停止することになるので、荷役シリンダが
滑らかに停止状態に移る。従って、操作手段を急激に操
作しても停止の際に衝撃が発生せず、運転者の身体や荷
役が揺れることが少ないので、荷役作業の作業性が良好
となる。
【0014】また、第2発明は、第1発明記載のフォー
クリフトの荷役シリンダの制御装置において、前記目標
指令電流を、作業機の負荷に応じて変化させている。
【0015】第2発明によれば、目標指令電流を作業機
の負荷に応じて変化させ、指令電流がこの目標指令電流
に達してからゼロ値を出力している。フォーク等の作業
機は、搭載されている負荷の状態により、荷役シリンダ
の動き出すバルブ開度の開度閾値が変化する。これに伴
い、負荷の状態によって目標指令電流を変化させること
により、荷役シリンダがほぼ動かなくなってから指令電
流をゼロとしているので、より確実に急停止の際の衝撃
を抑制することができる。また、軽負荷の場合には、フ
ォークの移動速度が大きいために勢いがついて、バルブ
開度が開度閾値となっても、フォークが停止しない場合
がある。従って、このような場合には、例えばバルブ開
度が開度閾値よりもかなり小さくなるまで、指令電流を
減少させてからゼロ値とすれば、確実に急停止の際の衝
撃を抑制することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図を参照しながら、本発明
による実施形態を詳細に説明する。尚、各実施形態にお
いて、前記従来技術の説明に使用した図、及びその実施
形態よりも前出の実施形態の説明に使用した図と同一の
要素には同一符号を付し、重複説明は省略する。
【0017】まず、第1実施形態を説明する。本実施形
態によるフォークリフトの油圧回路の構成図は、図5と
同様である。同図において、フォークリフトは荷役を搭
載するフォーク1と、作動油によって駆動されるリフト
シリンダ3と、このリフトシリンダ3の動きに基づいて
フォーク1を昇降させるチェーン2とを備えている。リ
フトシリンダ3を駆動するフォークリフトの油圧回路
は、リフトシリンダ3に作動油を供給する油圧ポンプ6
と、フォーク1を操作する操作レバー10と、この操作
レバー10が操作された操作量Lを検出する操作量検出
器13と、操作レバー10の操作量Lに基づいて油圧回
路を制御するコントローラ9とを備えている。油圧ポン
プ6とリフトシリンダ3とは油圧配管4によって接続さ
れており、その間にリフトシリンダ3に供給される作動
油の流量及び方向を制御する比例電磁弁8が配置されて
いる。
【0018】比例電磁弁8は、コントローラ9と電気的
に接続された2個のソレノイド12A,12Bを備えて
おり、これらのソレノイド12A,12Bは、コントロ
ーラ9からの指令電流iによって駆動される。運転者が
操作レバー10を操作すると、操作量検出器13はその
操作量L及び操作方向を検出し、検出信号をコントロー
ラ9に出力する。コントローラ9は、検出信号の入力に
伴い、検出信号から算出した操作レバー10の操作方向
及び操作量Lに基づいて比例電磁弁8のソレノイド12
A,12Bに指令電流iを出力する。ソレノイド12
A,12Bは、操作レバー10の操作方向に応じて、ス
プールを上昇位置U、中立位置N、又は下降位置Dのい
ずれかに移動させる。スプールが上昇位置Uにあるとき
は、油圧ポンプ6からリフトシリンダ3のボトム側に作
動油を供給し、中立位置Nにあるときは作動油の流れを
停止し、下降位置Dにあるときは、作動油をリフトシリ
ンダ3のボトム側から油圧タンク5に流している。これ
らの位置にスプールを移動させることにより、リフトシ
リンダ3はそれぞれフォーク1を上昇、停止又は下降さ
せる。また、ソレノイド12A,12Bは指令電流iに
略比例して比例電磁弁8のバルブ開度Tを増減し、指令
電流iに略比例する流量の作動油を流してリフトシリン
ダ3の上昇又は下降速度を制御している。
【0019】図1に、操作レバー10を操作したときに
コントローラ9が比例電磁弁8を制御するフローチャー
トを示す。なお、以下、フローチャートでは各ステップ
番号にSを付して表す。同図において、コントローラ9
は操作量検出器13の検出信号に基づき、操作レバー1
0が操作されているか否かを判断し(S1)、操作され
ていなければS1に戻る。S1で操作レバー10が操作
されると、操作レバー10の操作速度Vを所定の速度閾
値V1と比較する(S2)。そして、この操作レバー1
0の操作速度Vが速度閾値V1未満のとき(以下、ゆる
やかな操作と言う)は、図6に示した従来技術と同様
の、ゆるやかな操作時のタイムチャートに従って比例電
磁弁8を制御して(S3)、S1に戻る。また、操作レ
バー10の操作速度Vが速度閾値V1以上のとき(以
下、急激な操作と言う)は、後述する急激な操作時のタ
イムチャートに従って比例電磁弁8を制御して(S
4)、S1に戻る。
【0020】図2に、上述した急激な操作によって、操
作レバー10を中立位置から上昇位置又は下降位置に操
作し、その後中立位置に戻す際のレバー操作量L、コン
トローラ9から出力する指令電流i、及び比例電磁弁8
のバルブ開度Tのタイムチャートを示す。
【0021】時刻t1において、操作レバー10が中立
位置から上昇位置又は下降位置に操作されると、操作レ
バー10の操作量Lが増加する。そして、操作量Lが時
刻t2において所定の操作閾値L1を越えると、コント
ローラ9は指令電流iとして所定の電流初期値i0を出
力する。操作量Lの増大に伴い、コントローラ9は、操
作量Lの増大の傾きよりも小さな所定の傾きm1で指令
電流iを増大させる。この所定の傾きm1より大きな傾
きで指令電流iを増大させると、操作の際に作動油の流
れが急激に変化してリフトシリンダ3に衝撃が発生す
る。従ってこの傾きm1は、例えば操作を開始した際に
衝撃の発生しない最大の傾きに基づいて定められる。そ
して、ソレノイド12A,12Bの動きに伴う時間遅れ
Δt1の後、時刻t4においてスプールが動き始め、バ
ルブ開度Tは開度初期値T0となり、作動油が比例電磁
弁8を通過する。そして、バルブ開度Tが開度閾値T1
を越えると、リフトシリンダ3が駆動され、フォーク1
を上昇又は下降させる。
【0022】比例電磁弁8が動きを開始する時刻t4か
ら、操作レバー10が中立に向かって動き始めるt7ま
でについては、図6のゆるやかな制御時のタイムチャー
トと同様であり、説明を省略する。
【0023】時刻t7において、運転者が操作レバー1
0を操作位置から元の中立位置に向けて動かすと、操作
量Lが減少する。これに伴い、コントローラ9は、操作
量Lの減少の傾きよりも小さな所定の傾きで指令電流i
を減少させる。これにより、時間遅れΔt1の後、バル
ブ開度Tは時刻t8から指令電流iに略比例して減少
し、作動油の流量も減少する。そして、時刻t9におい
て運転者が操作レバー10を中立位置に戻すと、コント
ローラ9は、電流初期値i0を出力した後も、時刻t1
1で電流初期値i0よりも小さな目標指令電流inとな
るまで指令電流iを減少させる。これに伴い、バルブ開
度Tは開度閾値T1よりも小さなバルブ開度Tnまで滑
らかに減少し、比例電磁弁8を作動油が流れなくなって
リフトシリンダ3の動作が停止する。尚、同図では正確
に「バルブ開度Tn=開度初期値T0」となるように描
かれているが、これに限られるものではなく、バルブ開
度Tnが開度閾値T1よりも低くなるまで、指令電流i
を減少させるようにすればよい。
【0024】またこのとき、フォーク1等の作業機に荷
役が搭載されている重負荷状態と、何も搭載されていな
いか軽い荷役が搭載されているかの軽負荷状態とでは、
リフトシリンダ3の動き出す開度閾値T1が異なり、軽
負荷状態のほうが開度閾値T1は小さい値となる。従っ
て、軽負荷状態であるか重負荷状態であるかを図示しな
い検知手段(例えばリフトシリンダ3の圧力を検出する
圧力検出器が好適である)で検知し、その状態に応じて
開度閾値T1を変化させるのがよい。そして、この変化
させた開度閾値T1よりもバルブ開度Tが小さくなるま
で指令電流iを減少させてからゼロとすることにより、
より確実にリフトシリンダ3を滑らかに停止させること
が可能である。また、軽負荷の場合には、フォーク1の
移動速度が大きく、勢いがついているために、操作レバ
ー10を中立状態に戻したときに停止しにくくなってい
る。即ち、バルブ開度Tが開度閾値T1となっても、フ
ォーク1が停止しない場合がある。従って、軽負荷の場
合には、バルブ開度Tが開度閾値T1よりもかなり小さ
くなるまで、指令電流iを減少させてからゼロとする必
要がある。
【0025】以上説明したように本実施形態によれば、
所定の速度閾値V1以上の操作速度Vで操作レバー10
を中立状態に向けて操作したときに、コントローラ9が
指令電流iを電流初期値i0よりも小さな目標指令電流
inまで減少させてからゼロとしている。これにより、
比例電磁弁8に流れる作動油の流量がゼロ近くまで滑ら
かに減少してから指令電流iを停止するので、リフトシ
リンダの停止が滑らかに行なわれる。従って、急激な停
止操作を行なったときにも急に作動油が止まることがな
く、作業機が滑らかに停止するので、停止の衝撃が殆ん
どなく、荷役作業の作業性が向上する。
【0026】次に、第2実施形態を説明する。図3は第
2実施形態によるフォークリフトの油圧回路の回路構成
図を示している。同図において、フォークリフトは、コ
ントローラ9に接続され、リフトシリンダ3を操作する
第1、第2の操作スイッチ11A,11Bを備えてい
る。例えば第1の操作スイッチ11Aを押すことによっ
てコントローラ9は比例電磁弁8に指令電流iを出力
し、リフトシリンダ3を所定の速度で上昇させ、第1の
操作スイッチ11Aを離すことにより、上昇を止めるよ
うになっている。また、第2の操作スイッチ11Bを押
すことにより、リフトシリンダ3を所定の速度で下降さ
せ、第2の操作スイッチ11Bを離すことにより、下降
を止めるようになっている。また、リフトシリンダ3に
接続された油圧配管4には、コントローラ9に接続され
た圧力検出器14が接続されていて、コントローラ9は
油圧配管4の圧力を検出することにより、リフトシリン
ダ3にかかる負荷を検出することが可能である。
【0027】図4に、スイッチを操作した際のスイッチ
の操作G、コントローラ9が出力する指令電流i、及び
バルブ開度Tのタイムチャートを示す。時刻t21に操
作スイッチ11A,11Bが押されてオンとなると、コ
ントローラ9は電流初期値i0を出力し、この指令電流
iを所定の傾きに従って増加させる。これに伴い、時間
遅れΔt1の後、時刻t22においてバルブ開度Tは開
度初期値T0となり、ここから指令電流iの傾きに略比
例して増加する。このときコントローラ9は、負荷の大
きさによって、指令電流iの目標値を変化させる。例え
ば負荷が所定値より大きい場合には大きい目標値iMH
に、負荷が所定値より小さい場合には、小さい目標値i
MLに達するようにする。従ってバルブ開度Tも、負荷が
所定値より大きい場合には大きいバルブ開度TMHに、負
荷が所定値より小さい場合には、小さいバルブ開度TML
で一定となる。これにより、負荷の大きさに関わらず、
ほぼ一定の速度でリフトシリンダ3を動かすようにして
いる。
【0028】そして、時刻t23に操作スイッチ11
A,11Bが離されてオフとなると、コントローラ9は
指令電流iを所定の傾きに従って減少させる。これに伴
い、時間遅れΔt1の後、バルブ開度Tは時刻t24か
ら減少を始め、指令電流iの傾きに略比例して減少す
る。そしてコントローラ9は、図2のタイムチャートと
同様に、電流初期値i0よりも低い目標指令電流inま
で指令電流iを下げてから、時刻t25において指令電
流iをゼロとしている。従って、バルブ開度Tも時間遅
れΔt1を有しながらこれに追随し、時刻t25におい
て開度閾値T1よりも低いバルブ開度Tnまで下がって
いる。これにより、作動油の流量がほとんど流れなくな
るところまで滑らかに減少した後、バルブ開度Tをゼロ
としているので、滑らかにリフトシリンダ3の動きが停
止する。
【0029】以上説明したように本実施形態によれば、
コントローラ9は、操作スイッチ11A,11Bによっ
てリフトシリンダ3を動かす場合には、急激な操作であ
ると判断し、指令電流iを電流初期値i0よりも低い目
標指令電流inまで下げてから、ゼロとしている。これ
により、第1実施形態と同様に、操作スイッチ11A,
11Bによって荷役シリンダを動かす場合にも、荷役シ
リンダが動作状態から急に停止するということがない。
従って、作業機を操作する際にフォークリフトに衝撃が
発生せず、荷役作業の作業性が良好となる。
【0030】尚、上記各実施形態では、荷役シリンダと
してフォーク1を昇降するリフトシリンダ3を例に取っ
て説明したが、本発明の応用範囲はこれに限られるもの
ではない。即ち、マストを傾動するチルトシリンダや、
アタッチメントとしてフォークリフトに付設した他のシ
リンダ等の、荷役作業を行なうためのフォークリフトの
荷役シリンダすべてについて応用可能である。また、油
圧ポンプ6は、通常は操作レバー10を操作したときだ
けコントローラ9からの指令によってポンプモータ7を
回転させて運転するようにしているが、これは常時運転
していてもよい。また、ソレノイドの時間遅れΔt1
は、常に一定であるように説明したが、必ずしも一定と
いうものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態によるコントローラがリフトシリ
ンダを制御するフローチャート。
【図2】コントローラがリフトシリンダを制御するタイ
ムチャート。
【図3】第2実施形態によるフォークリフトの油圧回路
の構成図。
【図4】コントローラがリフトシリンダを制御するタイ
ムチャート。
【図5】従来技術によるフォークリフトの油圧回路の構
成図。
【図6】コントローラがリフトシリンダを制御するタイ
ムチャート。
【図7】コントローラがリフトシリンダを制御するタイ
ムチャート。
【符号の説明】
1:フォーク、2:チェーン、3:リフトシリンダ、
4:油圧配管、5:油圧タンク、6:油圧ポンプ、7:
ポンプモータ、8:比例電磁弁、9:コントローラ、1
0:操作レバー、11:操作スイッチ、12:ソレノイ
ド、13:操作量検出器、14:圧力検出器。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォークリフトの作業機(1)を操作する
    操作手段(10,11)と、 操作手段(10,11)の操作量(L)及び操作速度(V)を検出す
    る操作量検出器(13)と、 作業機(1)を駆動する荷役シリンダ(3)と、 作動油を供給する油圧源(6)と、 入力する指令電流(i)に応じて油圧源(6)から荷役シリン
    ダ(3)に流れる作動油の流量を制御する比例電磁弁(8)
    と、 操作量(L)に応じた指令電流(i)を比例電磁弁(8)に出力
    するコントローラ(9)とを備え、 コントローラ(9)は、比例電磁弁(8)に出力する指令電流
    (i)の初期値(i0)を荷役シリンダ(3)が実際に作動しない
    範囲での略最大値とし、かつ、所定の速度閾値(V1)以上
    で操作量(L)が変位したときに、増減の速度を所定の最
    大値に抑えて設定した指令電流(i)を比例電磁弁(8)に出
    力するフォークリフトの荷役シリンダ(3)の制御装置に
    おいて、 コントローラ(9)は、操作手段(10,11)を非中立位置から
    中立位置に向けて操作する際の操作速度(V)を所定の速
    度閾値(V1)と比較し、操作速度(V)が速度閾値(V1)より
    も大きい場合に、指令電流(i)を前記初期値(i0)よりも
    小さな目標指令電流(in)まで下げてからゼロ値を出力す
    ることを特徴とするフォークリフトの荷役シリンダ(3)
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフォークリフトの荷役シ
    リンダ(3)の制御装置において、 前記目標指令電流(in)を、作業機(1)の負荷に応じて変
    化させることを特徴とするフォークリフトの荷役シリン
    ダ(3)の制御装置。
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CN110088036A (zh) * 2016-12-19 2019-08-02 三菱物捷仕株式会社 叉车以及货叉控制方法

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