JP3445946B2 - 自転車部品用の軸受組立体及びその製造方法 - Google Patents
自転車部品用の軸受組立体及びその製造方法Info
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Description
圧延によって形成された内側および外側部材を有する自
転車用軸受組立体及びその製造方法に関する。
リエーション種目としてますます人気が増している。さ
らに、自転車はアマチュアおよびプロの両方で非常に人
気のある競技スポーツになっている。自転車をリクリエ
ーション、交通手段または競技のいずれに使用するにし
ても、自転車業界は自転車の様々な構成部品を常に改良
している。また、自転車製造業者は、コストを削減する
ために様々な構成部品の製造に使用される製造技法を常
に改良している。長年にわたって広範に改良されてきた
1つの特定の自転車部品は、ボトムブラケットとフロン
トおよびリヤハブとを形成するために使用される軸受組
立体である。
固定された筒状の外側部材と、自転車のフレームの一部
分の内部に回転可能に取り付けられたスピンドル(クラ
ンク軸)とを有している。軸受が外側部材とスピンドル
との間に取り付けられているため、スピンドルは自由に
軸回りに回転することができる。このスピンドルの両端
部にペダルが1対のクランクによって連結されている。
従来のボトムブラケットの一例が、セガワの米国特許第
4,150,859号に開示されている。
は、外側部材すなわちシェル内に回転可能に取り付けら
れたハブ軸すなわちスピンドルを有している。ハブの場
合、ハブ軸すなわちスピンドルが自転車フレームに固着
され、外側部材すなわちシェルが自転車の車輪のスポー
クに固着されていることによって、自転車の車輪がハブ
軸すなわちスピンドルの軸線回りに回転する。軸受が外
側部材とハブ軸すなわちスピンドルとの間に取り付けら
れているため、外側部材はハブ軸すなわちスピンドル回
りに自由に回転することができる。
とは、一般的に高コストの機械加工で形成される。特
に、外側部材およびスピンドルの軸受係合表面を滑らか
にして不良部分をなくすことによって、スピンドルおよ
び外側部材がボール軸受すなわち軸受部材を介して互い
に対して円滑に回転できるようにすることが重要であ
る。一般的に、これらの機械加工は小さい微細溝を生じ
させるが、これはスピンドルと外側部材との間の相対回
転移動に悪影響を与える。
と共に、製造および組立が比較的容易である改良型自転
車用軸受組立体の要望がある。本発明は、従来技術のこ
の要望や、本開示から当該技術の専門家には明らかにな
る他の要望にも取り組むものである。本発明の目的は、
製造および組立が比較的容易である自転車用軸受組立体
及びその製造方法を提供することにある。
低い自転車用軸受組立体及びその製造方法を提供するこ
とにある。本発明のさらなる目的は、大した機械加工を
行わないで製造できる自転車用軸受組立体及びその製造
方法を提供することにある。
い内側部材と、筒状の外側部材と、複数の第1軸受部材
とを備えた自転車用軸受組立体を提供することによって
達成することができる。内側部材は、第1端部と、第2
端部と、その間に延在する外表面とを有しており、内側
部材の外表面に軸方向断面において湾曲表面を有する円
形断面の少なくとも第1環状溝が形成されていると共に
第1環状溝の形成によって第1環状溝の両側部にボール
レースが形成されている。外側部材は、第1開放端部
と、第2開放端部と、外側部材のこれらの第1および第
2開放端部間に延在する内外表面とを有している。外側
部材の内表面を変形させて外側部材の内表面に軸方向断
面において湾曲表面を有する円形断面の第2環状溝を形
成していると共に、この第2環状溝の形成によって外表
面に第1環状膨出部を形成している。第1軸受部材は、
内側部材の第1環状溝と外側部材の第2環状溝との間に
配置されている。
は、好ましくは、内側部材の外表面に形成された軸方向
断面において湾曲表面を有する円形断面の第3環状溝を
形成していると共に第3環状溝の形成によって第3環状
溝の両側部にボールレースを形成している。外側部材を
さらに変形させて外側部材の内表面に軸方向断面におい
て湾曲表面を有する円形断面の第4環状溝を形成してい
ると共に、この第4環状溝の形成によって形成される外
側部材の外表面に第2環状膨出部を形成している。複数
の第2軸受部材が、内側部材の第3環状溝と外側部材の
第4環状溝との間に配置されている。
造する方法であって、第1端部、第2端部およびその間
に延在する外表面を有する内側部材を形成する工程と、
内側部材の外表面に軸方向断面において湾曲表面を有す
る円形断面の第1環状溝を形成すると共に第1環状溝の
形成によって第1環状溝の両側部にボールレースを形成
する工程と、第1開放端部、第2開放端部、および外側
部材の第1および第2開放端部間に延在する内外表面を
有する外側部材を形成する工程と、外側部材の内表面を
圧延によって変形させて外側部材の内表面に軸方向断面
において湾曲表面を有する円形断面の第2環状溝を形成
すると共に、第2環状溝の形成によって外側部材の外表
面に第1環状膨出部を形成する工程と、内側部材の第1
環状溝と外側部材の第2環状溝との間に配置された複数
の第1軸受部材を挿入する工程とを含む方法を提供する
ことで達成される。
る方法は、好ましくは、内側部材の外表面に軸方向断面
において湾曲表面を有する円形断面の第3環状溝を形成
すると共に第3環状溝の形成によって記第3環状溝の両
側部にボールレースを形成する工程と、外側部材の内表
面を圧延によって変形させて、外側部材の内表面に軸方
向断面において湾曲表面を有する円形断面の第4環状溝
を形成すると共に、この第4環状溝の形成によって外側
部材の外表面に第2環状膨出部を形成する工程と、内側
部材の第3環状溝と外側部材の第4環状溝との間に複数
の第2軸受部材を挿入する工程とをさらに含む。
は、添付の図面を参照しながら本発明の好適な実施形態
を開示している以下の詳細な説明から明らかになるであ
ろう。
よる自転車用軸受組立体12、14および16を連結し
た自転車10が示されている。自転車10は基本的に、
自転車フレーム20と、それに回転可能に連結された前
後輪22と、駆動列23とを備えている。このような自
転車は当該技術分野では周知であり、従って自転車10
およびその様々な構成部についてはここでは詳細に説明
または図示しない。自転車10はいずれの形式の自転
車、例えばマウンテンバイク、ハイブリッドバイクまた
はロードバイクでもよいことは、当該技術の専門家には
明らかであろう。
ム20のボトムブラケットシェル24に結合されたボト
ムブラケットとして示されている。自転車用軸受組立体
12は、1対のクランク26をフレーム20に対して回
転可能に支持している。別の自転車軸受組立体14は、
車輪22の一方を自転車フレーム20に対して回転可能
に支持する前ハブとして示されている。さらに別の自転
車用軸受組立体16は、車輪22の他方を自転車フレー
ム20に回転可能に支持する後ハブ、すなわちフリーホ
ィールとして示されている。
体12は、クランク26を自転車フレーム20に回転可
能に連結する自転車10のボトムブラケットを形成して
いる。特に、軸受組立体12は自転車フレーム20のボ
トムブラケットシェル24に連結されており、クランク
26が軸受組立体12の端部に固定ボルト28(図1に
1つだけ示されている)によって回転不能に連結されて
いる。軸受組立体12は基本的に、内側部材すなわちク
ランク軸30と、外側部材すなわちシェル32と、2組
の軸受部材34aおよび34bと、1対のリテーナすな
わちケージ36aおよび36bと、1対のシール38a
および38bと、1対のアダプタ40aおよび40bと
を備えている。
34bを介して外側部材32内で回転するように構成さ
れている。従って、クランク軸30はクランクに固着さ
れた内レースとして機能する一方、外側部材32は自転
車フレーム20のボトムブラケットシェル24に固着さ
れた外レースとして機能する。軸受部材34aおよび3
4bは鋼球であることが好ましく、各組の軸受部材34
aおよび34bは7個の鋼球を含んでいる。もちろん、
各組の軸受部材34aおよび34bに使用する鋼球の数
を増減できることは、本開示から当該技術の専門家には
明らかであろう。
ンク軸30は、第1端部46aと、第2端部46bと、
第1端部46aおよび第2端部46b間に延在する外表
面48とを有する細長い部材である。第1および第2端
部46aおよび46bは、ねじ付き内穴50aおよび5
0bをそれぞれ有している。ねじ付き内穴50aおよび
50bは、クランク26の一方をそれに固着するための
固定ボルト28の一方を螺着するために軸方向に延びた
穴である。クランク軸30の第1および第2端部46a
および46bに沿った外表面48は、クランク26の一
方を回転不能に装着するために非円形断面を有してい
る。例えば、第1および第2端部46aおよび46bに
沿った外表面48に複数の平面的な表面を設けることが
できる。あるいは、クランク軸30の第1および第2端
部46aおよび46bにセレーションを形成することも
できる。セレーションは、第1および第2端部46aお
よび46bの円周方向に間隔を置いた位置に山形断面の
8個の突起を一体成形することによって得られる。好ま
しくは、第1および第2端部46aおよび46bは、ク
ランク軸30の自由端部の方へ外向きに先細になってい
る。いずれにしても、クランク26は対応の内孔を備え
て、それにクランク軸30の第1および第2端部46a
および46bを回転不能に連結することができる。
6aおよび46b間の位置に中央部分52を有してい
る。中央部分52は1対の環状隆起部分を有しており、
それに軸受部材34aおよび34bを受けるための第1
および第2環状溝54aおよび54bが形成されてい
る。さらに、溝54aおよび54bの側部にはその内部
にそれぞれ軸受部材34aおよび34bを保持するため
に1対のレース56aおよび56bが形成されている。
さらに詳細に後述するように、中央部分52の外表面4
8の環状溝54aおよび54bおよびその他の部分は、
クランク軸30を1対の金型90および91間で冷間圧
延することによって形成される。
は、鋼球すなわち軸受部材34aおよび34bを支持す
る円形断面を有する溝である。クランク軸30の溝54
aおよび54bの直径は、鋼球すなわち軸受部材34a
および34bの直径とほぼ同じか、鋼球すなわち軸受部
材34aおよび34bの直径よりわずかに大きい。従っ
て、軸受部材34aおよび34bは環状溝54aおよび
54bの円周に沿って自由に回転および移動することが
できる。
組立体12用の外側部材の半截縦断面図が示されてい
る。外側部材32は、第1開放端部58aと、第2開放
端部58bと、内表面60と、外表面62とを有してい
る。内外表面60および62は、外側部材32の第1お
よび第2開放端部58aおよび58b間に延在してい
る。好ましくは、外側部材32は従来の金属材料製であ
る。外側部材32は、最初は図5に示されているような
管状すなわち円筒形のスリーブ32aである。スリーブ
32aを後述のように冷間圧延することによって、図4
に示されているような外側部材32の輪郭を形成するこ
とができる。
64a、64bと3つの中央円筒形部分65、66およ
び67とを形成する形状になっている。円筒形端部分6
4aおよび64bは、互いにほぼ同一であるが、互いに
左右が逆になっている。円筒形端部分64aおよび64
bの各々は、軸受部材34aおよび34bが係合するよ
うに形成された環状溝68aおよび68bを備えてい
る。好ましくは、溝68aおよび68bは、軸受部材3
4aおよび34bを支持する円形断面を有する溝であ
る。溝68aおよび68bを形成している湾曲表面の直
径は、好ましくは鋼球すなわち軸受部材34aおよび3
4bの直径と同じか、鋼球すなわち軸受部材34aおよ
び34bの直径よりわずかに大きい。
側部材32の外表面62は、1対の円筒形端部分74
a、74bと、3つの円筒形中央部分75、76および
77とを有している。円筒形端部分74aおよび74b
は、環状溝68aおよび68bと背中合わせの位置にそ
れぞれ環状膨出部78aおよび78bを有している。同
様に、外表面62の円筒形中央部分75〜77は、内表
面60の中央円筒形表面65〜67と背中合わせになっ
ている。言い換えると、スリーブ32a(図5)を変形
させて外側部材32(図4)を形成する時、外側表面6
2は内側表面60の変形に合わせて変形する。
ーナ36aおよび36bはほぼ環状のリング形部材であ
り、これはジュラン(Duran)等の合成樹脂製であること
が好ましい。リテーナ36aおよび36bは従来知られ
た部材であり、当該技術では周知である。従って、リテ
ーナ36aおよび36bについてはここでは詳細に説明
および図示しない。基本的に、リテーナ36aおよび3
6bは環状リング形部分で形成されて、軸方向に延びた
7個のフランジまたはスペーサがリング部分の周囲に円
周方向に間隔を置いて設けられて、その間に鋼球すなわ
ち軸受部材34aおよび34bを受けることができるよ
うになっている。リテーナ36aおよび36bは鋼球す
なわち軸受部材34aおよび34b間を一定間隔に維持
することができ、フランジ間の間隔は軸受部材の直径よ
りわずかに大きく、それらを回転させることができる。
ル38aおよび38bは、好ましくは従来のゴムシール
のような弾性および伸縮性の両方またはいずれか一方を
有する材料で形成された環状部材である。シール38a
および38bはリング形であって、シールの内径はクラ
ンク軸30よりわずかに小さい。従って、シール38a
および38bはクランク軸30の外表面48の周囲で変
形させて、その接合面の間を汚染物質が通過できないよ
うにするシールを形成するように構成されている。シー
ル38aおよび38bの外径は、好ましくは内表面60
の円筒形端部分64aおよび64よりわずかに大きいた
め、それらが外側部材32の内表面60に係合した時、
わずかに内向きに変形する。このため、内表面60とシ
ール38aおよび38bの外表面との接合面の間を汚染
物質が通過することができない。
bは互いにわずかに異なっている。しかし、これらの違
いは、本発明に関する限りでは重要ではない。従って、
対応の参照番号を用いて第1および第2アダプタ40a
および40bの対応部分を示す。基本的には、アダプタ
40aおよび40bは、雄ねじ80aおよび80bと、
外フランジ82aおよび82bと、内フランジ84aお
よび84bと、複数の突起86aおよび86bとを有す
る管状部材である。
ーム20のボトムブラケットシェル24の雌ねじと噛み
合ってそれに軸受組立体12を固着できるように構成さ
れている。アダプタ40aおよび40bを自転車フレー
ム20のボトムブラケットシェル24にねじ込んだ時、
外フランジ82aおよび82bは自転車フレーム20の
ボトムブラケットシェル24に係合する一方、内フラン
ジ84aおよび84bは外側部材32の第1および第2
端部58aおよび58bに係合する。この位置にある
時、軸受組立体12はフレーム20のボトムブラケット
シェル24に対して軸方向移動することができない。さ
らに、外側部材32の長手方向移動も阻止される。さら
に具体的に言うと、外側部材32は第1および第2アダ
プタ40aおよび40b間に挟まれて、ボトムブラケッ
トシェル24またはクランク軸30に対する軸方向移動
が阻止される。突起86aおよび86bは、アダプタ4
0aおよび40bの内表面の円周に沿って等間隔に設け
られた半径方向に延在するフランジである。突起86a
および86bは、アダプタ40aおよび40bを自転車
フレーム20のボトムブラケットシェル24にねじ込む
ためにスパナが円周方向に間隔を置いた位置で係合でき
るように構成されている。
を製造する方法を以下に説明する。最初に、クランク軸
30を、それの最終製品の略全体形状を有するような概
略形状に鋳込むことによって形成する。次に、この概略
形状のクランク軸素材を機械加工して、その軸の各端部
にねじ付き内穴50を形成すると共に、鋳込み作業によ
る不良部分を取り除く。次に、機械加工済みのクランク
軸30を1対の金型90および91の間に置いて、図6
に概略的に示されているように、外表面48に溝54a
および54bとレース56aおよび56bとを形成す
る。
環状膨出部分92aおよび92bを有する円筒形金型で
ある。これらの膨出部分92aおよび92bは、溝54
aおよび54bを形成するように設計されている。第2
金型91は、固定金型か回転金型のいずれにすることが
できる。第2金型91は、クランク軸30の外表面48
に形成中である溝54a、54bおよびレース56a、
56bの位置に対応した1対の凹部93aおよび93b
を有している。回転金型90を移動させてクランク軸3
0の外表面48に環状膨出部分92aおよび92bを押
し付けることによって、溝54aおよび54bの形成を
開始する。そして、金型90の回転によって、クランク
軸30がそれと共に回転する。金型90を低速で金型9
1に対して移動させることによって、クランク軸30お
よび金型90が回転する毎に、溝54aおよび54bが
徐々に深くなっていく。言い換えると、金型90および
91の両方またはいずれか一方が回転すると、クランク
軸30も回転して溝54aおよび54bが形成される。
溝54aおよび54bが所望の深さおよび形状になるま
で、クランク軸30および金型90を連続的に回転させ
る。溝54aおよび54bの各側にボールレース56a
および56bがあり、これらも形成される。第2金型9
1の凹部93aおよび93bは、ボールレース56aお
よび56bを金型91の凹部93aおよび93b内で変
形できるように形作られている。最終形状が形成された
後、クランク軸30を通常の熱処理技法で処理すること
によって、所望の硬度を得ることができる。
内に非常に滑らかな表面を形成する。実際に、この作業
によって溝54aおよび54bに沿った研磨効果が得ら
れる。また、溝54aおよび54bの形成中に、ボール
レース56aおよび56bも同時に形成される。このた
め、溝54a、54bおよびボールレース56a、56
bのピッチ、平行性および同心性が非常に安定する。
ら、外側部材32を製造する方法を説明する。外側部材
32も冷間圧延で形成される。最初に、外側部材32
は、図5に示されているようなスリーブ32aを鋳込む
ことによって製造される。次に、この概略形状のスリー
ブ32aを機械加工して、不良部分を取り除くと共に、
それに必要とされる必要な形状を形成する。次に、機械
加工済みのスリーブ32aを冷間圧延して、図4に示さ
れているような最終形状を形成する。特に、図7に示さ
れているように、機械加工済みのスリーブ32aをジグ
組立体94に挿入して変形させる。ジグ組立体94は、
外側部材32の最終形状に合わせるために少なくとも3
つの円筒形部分を有する管状内孔95を有している。次
に、特殊な成形型96をスリーブ32aの内孔に挿入す
る。この特殊な成形型96は、3つのローラ97と円錐
状に先細りにしたエキスパンダ98とを備えている。3
つのローラ97は、外側部材32の内表面60の最終輪
郭に対応した外表面を有している。先細状のエキスパン
ダ98は、3つのローラ97の中心に配置されている。
ローラは、エキスパンダ98の軸線の周りに互いに約1
20゜の間隔を置いて配置されている。エキスパンダ9
8を回転させることによって、3つのローラ97はそれ
らの軸の回りを順に回転すると共に、エキスパンダ98
の中心軸線回りに軌道運動すなわち回転する。最初は、
ローラ97はスリーブ32aの円筒形表面に接触してい
るだけであるため、第1回転はスリーブ32aの内表面
をほとんど変形させない。エキスパンダ98を軸方向に
低速で移動させることによって、ローラ97は半径方向
外向きに移動して、外側部材32の内表面60を成形し
始める。エキスパンダ98は非常に低速で徐々に移動す
るため、外側部材32の内表面60の内径の周りをロー
ラ97が回転する毎に内表面60が徐々に成形される。
最終形状が成形された後、外側部材32を通常の熱処理
技法で処理することによって、所望の硬度を得ることが
できる。
b内に非常に優れた表面を形成する。実際に、この作業
によって溝68aおよび68bに沿った研磨効果が得ら
れる。これによって、溝68aおよび68bのピッチ、
平行性および同心性が非常に安定する。本発明に従って
クランク軸30および外側部材32を作製した後、クラ
ンク軸30を外側部材32の内孔に挿入して、クランク
軸30の外表面48と外側部材32の内表面60との間
の位置決めを行う。特に、軸受部材34aおよび34b
を最初にクランク軸30の一方側および外側部材32の
内表面60の一方側の溝54aおよび54bおよび溝6
8aおよび68bにはめ込む。次に、軸受部材34aお
よび34bをクランク軸30の溝54aおよび54b周
りに移動させて、溝54aおよび54bおよび68aお
よび68b内で互いにほぼ等間隔に配置する。
ンク軸30の端部50aおよび50bにはめて外側部材
32の開放端部58aおよび58bから挿入して、軸受
部材34aおよび34bをそれらの適正位置に保持でき
るようにする。リテーナを所定位置に配置した後、シー
ル38aおよび38bをクランク軸30の端部50aお
よび50bにはめて外側部材32の開放端部58aおよ
び58bから挿入する。これによって、シール38aお
よび38bの外表面が外側部材32の内表面60の円筒
形端部分64aおよび64bに押し付けられて変形す
る。シール38aおよび38bの内表面も、クランク軸
30の外表面48に押し付けられて変形する。
2を自転車フレーム20のボトムブラケットシェル24
にはめ込んでから、1対のアダプタ40aおよび40b
を自転車フレーム20のボトムブラケットシェル24に
ねじ込むことによって、軸受組立体12を自転車フレー
ム20に固着する。これによって軸受組立体12の取り
付けが完了する。もちろん、次にクランク26を従来通
りに固定ボルト42でクランク軸30に取り付けること
ができる。
2軸受組立体14の部分断面図が示されている。この第
2軸受組立体14は、第2軸受組立体14が自転車ハブ
であることを除いて、以上に記載した図1および図8の
第1軸受組立体12とほぼ同様にして構成されている。
第2軸受組立体14と第1軸受組立体12とが類似して
いることから、第2軸受組立体14についてここでは詳
細に説明または図示しない。むしろ、第2軸受組立体1
4の部品に類似している第1軸受組立体12の部品の説
明が第2軸受組立体14の部品に当てはまる。
車フレーム20に回転可能に連結するための自転車前輪
22のフロントハブを形成している。軸受組立体14は
基本的に、内側部材すなわちハブ軸130と、外側部材
すなわちハブシェル132と、2組の軸受部材134a
および134bと、1対のリテーナすなわちケージ13
6aおよび136bと、1対のシール138aおよび1
38bと、1対のハブフランジ140aおよび140b
とを備えている。
134bを介して外側部材132内を回転するように構
成されている。従って、ハブ軸130はフレーム20に
固着された内レースとして機能する一方、外側部材13
2は車輪22に固着された外レースとして機能する。軸
受部材134aおよび134bは鋼球であることが好ま
しく、各組の軸受部材134aおよび134bは7個の
鋼球を含んでいる。もちろん、各組の軸受部材134a
および134bに使用する鋼球の数を増減できること
は、本開示から当該技術の専門家には明らかであろう。
2端部146bと、第1端部146aおよび第2端部1
46b間に延在する外表面148とを有する細長い部材
である。第1および第2端部146aおよび146に
は、前輪22を自転車フレーム20に固着するためにハ
ブ締結具128aおよび128bを螺着するためのねじ
が切られている。ハブ締結具128aおよび128bは
ハブナットとして図示されているが、ハブ締結具はクイ
ックリリースレバーおよびクイックリリースナットにす
ることもできることは、本開示から当該技術の専門家に
は明らかであろう。
6aおよび146b間の位置に中央部分152を有して
いる。中央部分152は1対の環状隆起部分を有してお
り、それに軸受部材134aおよび134bを受けるた
めの第1および第2環状溝154aおよび154bが形
成されている。さらに、溝154aおよび154bの側
部にはその内部にそれぞれ軸受部材134aおよび13
4bを保持するために1対のレース156aおよび15
6bが形成されている。
は、鋼球すなわち軸受部材134aおよび134bを支
持する円形断面を有する溝である。溝154aおよび1
54bの直径は、鋼球すなわち軸受部材134aおよび
134bの直径とほぼ同じか、鋼球すなわち軸受部材1
34aおよび134bの直径よりわずかに大きい。従っ
て、軸受部材134aおよび134bは環状溝154a
および154bの円周に沿って自由に回転および移動す
ることができる。
1開放端部158aと、第2開放端部158bと、内表
面160と、外表面162とを有している。内外表面1
60および162は、外側部材132の第1および第2
開放端部158aおよび158b間に延在している。好
ましくは、外側部材132は従来の金属材料製である。
外側部材132は、最初は管状すなわち円筒形のスリー
ブである。スリーブを冷間圧延することによって、図9
に示されているような外側部材132の輪郭を形成す
る。
および134bに係合するように形成された1対の環状
溝168aおよび168bを備えている。好ましくは、
溝168aおよび168bは、軸受部材134aおよび
134bを支持する円形断面を有する溝である。溝16
8aおよび168bを形成している湾曲表面の直径は、
好ましくは鋼球すなわち軸受部材134aおよび134
bの直径と同じか、鋼球すなわち軸受部材134aおよ
び134bの直径よりわずかに大きい。
168aおよび168bと背中合わせの位置に1対の環
状膨出部178aおよび178bをそれぞれ有してい
る。言い換えると、スリーブを変形させて外側環状部材
132を形成する時、外側表面162は内側表面160
の変形に合わせて変形する。リテーナ136aおよび1
36bはほぼ環状のリング形部材であり、これは合成樹
脂ジュラン(Duran)等の合成樹脂製であることが好まし
い。リテーナ136aおよび136bは比較的従来通り
の部材であり、当該技術では周知である。従って、リテ
ーナ136aおよび136bについてはここでは詳細に
説明および図示しない。基本的には、リテーナ136a
および136bは環状リング形部分で形成されて、軸方
向に延びた7個のフランジまたはスペーサがリング部分
の周囲に円周方向に間隔を置いて設けられて、その間に
鋼球すなわち軸受部材134aおよび134bを受ける
ことができるようになっている。リテーナ136aおよ
び136bは鋼球すなわち軸受部材134aおよび13
4b間を一定間隔に維持することができ、フランジ間の
間隔は軸受部材の直径よりわずかに大きく、それらを回
転させることができる。
くは従来のゴムシールのような弾性および伸縮性の両方
またはいずれか一方を有する材料で形成された環状部材
である。シール138aおよび138bはリング形であ
って、シールの内径はハブ軸130よりわずかに小さ
い。従って、シール138aおよび138bはハブ軸1
30の外表面148の周囲で変形させて、その接合面の
間を汚染物質が通過できないようにするシールを形成す
るように構成されている。シール138aおよび138
bの外径は、好ましくは内表面160よりわずかに大き
いため、それらが外側部材132の内表面160に係合
した時、わずかに内向きに変形する。このため、内表面
160とシール138aおよび138bの外表面との接
合面の間を汚染物質が通過することができない。
いにわずかに異なっている。しかし、これらの違いは、
本発明に関する限りでは重要ではない。従って、対応の
参照番号を用いて第1および第2ハブフランジ140a
および140bの対応部分を示す。基本的には、ハブフ
ランジ140aおよび140bは、外側部材130に摩
擦で固着される管状部材である。ハブフランジ140a
および140bは、それぞれ外フランジ182aおよび
182bと内フランジ184aおよび184bとを備え
ている。外側フランジ182aおよび182bは、それ
にスポーク等を連結するための複数の穴を有している。
内フランジ184aおよび184bは、外側部材132
の端部に当接する。
後輪22が第3軸受組立体16によってフレーム20に
回転可能に連結される。第3軸受組立体16は、第3軸
受組立体16がリアすなわちフリーハブであることを除
いて、第2軸受組立体14とほぼ同一である。従って、
第1軸受組立体12および第2軸受組立体14の構造お
よび製造方法を第3軸受組立体16の構造および製造方
法にも当てはめることができることは、当該技術の専門
家には明らかであろう。従って、第3軸受組立体16に
ついてはここでは詳細に説明または図示しない。
別な実施形態を選択してきたが、添付の請求の範囲で定
義される本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更
および変化を加えることができることは、当業者には理
解されるであろう。さらに、本発明の好適な実施形態の
以上の説明は、説明のために与えられているだけであっ
て、添付の請求の範囲およびその同等物によって定義さ
れる本発明を制限するものではない。
組み込んだ自転車の側面図である。
び図1に示されている自転車のボトムブラケットを形成
している第1軸受組立体の半截縦断面図である。
を形成している第1軸受組立体のクランク軸すなわち内
側部材の側面図である。
を形成している第1軸受組立体用の外側部材すなわちシ
ェルの半截縦断面図である。
シェルの半截縦断面図である。
を冷間圧延で変形中の1対の金型の部分概略縦断面図で
ある。
の1対の金型の部分縦断面図である。
の部分概略横断面図である。
成している第2の軸受組立体の半截縦断面図である。
Claims (24)
- 【請求項1】第1端部、第2端部およびその間に延在す
る外表面を有しており、前記外表面に第1環状溝が形成
されていると共に前記第1環状溝の形成によって前記第
1環状溝の両側部にボールレースが形成されている内側
部材と、 第1開放端部、第2開放端部、および前記第1および第
2開放端部間に延在する内外表面を有しており、前記内
表面を変形させて前記内表面に第2環状溝が形成されて
いると共に、前記管状の外側部材と、 前記内側部材の前記第1環状溝と前記外側部材の前記第
2環状溝との間に配置された複数の第1軸受部材とを備
え、 前記内側部材の前記第1環状溝は、軸方向断面において
湾曲表面を有する円形断面の溝であり、前記外側部材の
前記第2環状溝は、軸方向断面において湾曲表面をする
円形断面の溝である、自転車用軸受組立体。 - 【請求項2】前記内側部材の前記外表面に軸方向断面に
おいて湾曲表面を有する円形断面の第3環状溝が形成さ
れていると共に前記第3環状溝の形成によって前記第3
環状溝の両側部にボールレースが形成されており、 前記外側部材の前記内表面に軸方向断面において湾曲表
面を有する円形断面の第4環状溝が形成されていると共
に、前記第4環状溝の形成によって前記外側部材の前記
外表面に第2環状膨出部が形成されており、 前記内側部材の前記第3環状溝と前記外側部材の前記第
4環状溝との間に複数の第2軸受部材が配置されてい
る、請求項1記載の自転車用軸受組立体。 - 【請求項3】前記内側部材はクランク軸であり、前記第
1および第2端部はそれに自転車クランクを回転可能に
連結できるように構成されている、請求項2記載の自転
車用軸受組立体。 - 【請求項4】雄ねじと、前記外側部材の前記第1端部に
当接する内フランジとを有する第1環状アダプタをさら
に備えている、請求項3記載の自転車用軸受組立体。 - 【請求項5】雄ねじと、前記外側部材の前記第2端部に
当接する内フランジとを有する第2環状アダプタをさら
に備えている、請求項4記載の自転車用軸受組立体。 - 【請求項6】前記内側部材はハブ軸であって、前記第1
および第2端部は自転車フレームの一部に固着されるよ
うに構成されており、前記外側部材はハブシェルであ
る、請求項2記載の自転車用軸受組立体。 - 【請求項7】外連結フランジと、前記外側部材の前記第
1端部に当接する内フランジとを有する第1環状ハブフ
ランジをさらに備えている、請求項6記載の自転車用軸
受組立体。 - 【請求項8】外連結フランジと、前記外側部材の前記第
2端部に当接する内フランジとを有する第2環状ハブフ
ランジをさらに備えている、請求項7記載の自転車用軸
受組立体。 - 【請求項9】前記内側部材の前記第1端部に連結された
第1ハブ締結部材と、前記内側部材の前記第2端部に連
結された第2ハブ締結部材とをさらに備えている、請求
項6から8のいずれかに記載の自転車用軸受組立体。 - 【請求項10】前記内側部材の前記外表面と前記外側部
材の前記内表面との間に配置された第1および第2環状
シールをさらに備えている、請求項1から9のいずれか
に記載の自転車用軸受組立体。 - 【請求項11】前記第1および第2軸受部材は、所定の
転がり直径を有する転がり部材である、請求項2から1
0のいずれかに記載の自転車用軸受組立体。 - 【請求項12】前記内側部材および前記外側部材の前記
環状溝の前記湾曲表面は、前記第1および第2軸受部材
の前記所定の転がり直径と少なくとも同じ大きさである
所定の直径を有している、請求項2から11のいずれか
に記載の自転車用軸受組立体。 - 【請求項13】自転車用軸受組立体を製造する方法であ
って、 第1端部、第2端部およびその間に延在する外表面を有
する内側部材を形成する工程と、 前記内側部材の前記外表面に軸方向断面において湾曲表
面を有する円形断面の第1環状溝形成すると共に前記第
1環状溝の形成によって前記第1環状溝の両側部にボー
ルレースを形成する工程と、 第1開放端部、第2開放端部、および前記第1および第
2開放端部間に延在する内外表面を有する外側部材を形
成する工程と、 前記外側部材の前記内表面を圧延によって変形させて、
前記外側部材の前記内表面に軸方向断面において湾曲表
面を有する円形断面の第2環状溝を形成すると共に、前
記第2環状溝の形成によって前記外側部材の前記外表面
に第1環状膨出部を形成する工程と、 前記内側部材の前記第1環状溝と前記外側部材の前記第
2環状溝との間に配置された複数の第1軸受部材を挿入
する工程と、 を含む自転車用軸受組立体の製造方法。 - 【請求項14】前記内側部材の前記外表面に軸方向断面
において湾曲表面を有する円形断面の第3環状溝を形成
すると共に前記第3環状溝の形成によって前記第3環状
溝の両側部にボールレースを形成する工程と、 前記外側部材の前記内表面を圧延によって変形させて、
前記外側部材の前記内表面に軸方向断面において湾曲表
面を有する円形断面の第4環状溝を形成すると共に、前
記第4環状溝の形成によって前記外側部材の前記外表面
に第2環状膨出部を形成する工程と、 前記内側部材の前記第3環状溝と前記外側部材の前記第
4環状溝との間に複数の第2軸受部材を挿入する工程と
をさらに含む、請求項13記載の自転車用軸受組立体の
製造方法。 - 【請求項15】前記内側部材をクランク軸として形成
し、前記第1および第2端部をそれに自転車クランクを
回転可能に連結できるように構成する工程をさらに含
む、請求項14記載の自転車用軸受組立体の製造方法。 - 【請求項16】内フランジと雄ねじとを有する第1環状
アダプタを前記外側部材の前記第1端部上に追加する工
程をさらに含む、請求項15記載の自転車用軸受組立体
の製造方法。 - 【請求項17】内フランジと雄ねじとを有する第2環状
アダプタを前記外側部材の前記第2端部上に追加する工
程をさらに含む、請求項16記載の自転車用軸受組立体
の製造方法。 - 【請求項18】前記内側部材をハブ軸として形成し、前
記第1および第2端部を自転車フレームの一部に固着さ
れるように構成する工程と、 前記外側部材をハブシェルとして形成する工程とをさら
に含む、請求項14記載の自転車用軸受組立体の製造方
法。 - 【請求項19】内フランジと外連結フランジとを有する
第1環状ハブフランジを前記外側部材の前記第1端部上
に追加する工程をさらに含む、請求項18記載の自転車
用軸受組立体の製造方法。 - 【請求項20】内フランジと外連結フランジとを有する
第2環状ハブフランジを前記外側部材の前記第2端部上
に追加する工程をさらに含む、請求項19記載の自転車
用軸受組立体の製造方法。 - 【請求項21】前記内側部材の前記第1端部に連結され
た第1ハブ締結部材と、前記内側部材の前記第2端部に
連結された第2ハブ締結部材とを追加する工程をさらに
含む、請求項18から20のいずれかに記載の自転車用
軸受組立体の製造方法。 - 【請求項22】前記内側部材の前記外表面と前記外側部
材の前記内表面との間に第1および第2環状シールを追
加する工程をさらに含む、請求項13から21のいずれ
かに記載の自転車用軸受組立体の製造方法。 - 【請求項23】前記第1および第2軸受部材は、所定の
転がり直径を有するころ部材である、請求項22記載の
自転車用軸受組立体の製造方法。 - 【請求項24】前記内側部材および前記外側部材の前記
環状溝の前記湾曲表面は、前記第1および第2軸受部材
の前記所定の転がり直径と少なくとも同じ大きさである
所定直径を有している、請求項14から23のいずれか
に記載の自転車用軸受組立体の製造方法。
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