JP3444999B2 - ジャイロトロン装置 - Google Patents

ジャイロトロン装置

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JP3444999B2
JP3444999B2 JP31513394A JP31513394A JP3444999B2 JP 3444999 B2 JP3444999 B2 JP 3444999B2 JP 31513394 A JP31513394 A JP 31513394A JP 31513394 A JP31513394 A JP 31513394A JP 3444999 B2 JP3444999 B2 JP 3444999B2
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    • H01J25/02Tubes with electron stream modulated in velocity or density in a modulator zone and thereafter giving up energy in an inducing zone, the zones being associated with one or more resonators
    • H01J25/025Tubes with electron stream modulated in velocity or density in a modulator zone and thereafter giving up energy in an inducing zone, the zones being associated with one or more resonators with an electron stream following a helical path

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子ビームと空胴共
振器の固有モードの高周波電磁場との間の電子サイクロ
トロン共鳴メーザ相互作用を利用し、マイクロ波または
ミリ波を発生するジャイロトロン装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図49は例えば特開昭56−10204
5号公報に示された従来のジャイロトロン装置を示す構
成図であり、図において、1は電子ビーム9を取り出す
電子銃であり、2はカソード、3はカソード上の電子放
出部、4は第1アノード、5は第2アノードである。6
は上記電子ビームと高周波電磁場とが共鳴的に相互作用
を起こし、高周波10を発生する空胴共振器、7は相互
作用を終えた電子ビームを回収するコレクタ、8は高周
波10を取り出す出力窓であり、ジャイロトロン装置2
00はこれら電子銃1、空胴共振器6、コレクタ7、出
力窓8等によりなるジャイロトロン100と、電子ビー
ムに旋回運動を与えるため、ジャイロトロン100の軸
方向に磁場を発生する主電磁石11と電子銃電磁石12
より構成される。
【0003】次に動作について説明する。電子銃1のカ
ソード上の電子放出部3から射出された電子ビームは、
カソード・第1アノード間の電界により加速され、電子
銃電磁石12によって発生された磁場により、旋回運動
しながら軸方向にドリフトする。さらに、主電磁石11
によって発生された強力な磁場によって電子ビームは圧
縮され、電子は磁場に対して垂直方向の速度を増大さ
せ、平行方向速度を減少させながら、空胴共振器6に入
る。上記主電磁石11が発生する軸方向磁場によってサ
イクロトロン運動している電子は、通常円筒状空胴から
なる空胴共振器6における固有モードの高周波電磁場と
サイクロトロン共鳴メーザ相互作用し、電子の垂直速度
成分によるエネルギーの一部は高周波エネルギーに変換
される。空胴共振器6で相互作用を終えた電子ビーム
は、コレクタ7に回収され、空胴共振器6で励起された
高周波は、出力窓8を透過して外部に取り出される。空
胴共振器6において電子ビームのエネルギーが効率的に
高周波のエネルギーに変換されるのは、次式が成り立つ
時である。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、ωは空胴共振器6の固有モードの
電磁場の共振角周波数、kz は固有モードの軸方向波
数、vz は電子の軸方向速度、sは高調波次数、Ωc
相対論的効果を考慮した電子のサイクロトロン角周波数
である。Ωc は電子の電荷をe(絶対値)、空胴共振器
内での軸方向磁束密度をB、相対論的係数をγ、電子の
静止質量をm0 とすると次式で与えられる。 Ωc =eB/γm0 (2) 式(1)からわかるように、電子ビームのエネルギーが
効率的に高周波のエネルギーに変換され、強力な電磁波
が発生するのは、式(1)の右辺が左辺より僅かに小さ
い時である。このようにジャイロトロン装置において
は、磁場が本質的な役割を果たしており、磁場を精度良
く合わせることが、ジャイロトロン装置を効率良く運転
する上で重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のジャイロトロン
装置は以上のように構成されているので、電子に旋回運
動を与えるための主電磁石11、電子銃電磁石12には
超電導電磁石、または常電導電磁石、またはその両方を
用いた電磁石が使用されており、電子ビームの加速電圧
に応じて電磁石に流す電流を調整することにより、磁束
密度を最適値に合わせていた。式(1)、(2)から分
かるように、高周波数の発振を得るためには、空胴共振
器内で高磁場が必要なため、例えば30GHz程度以上
の発振を得る場合は主電磁石には超電導電磁石が用いら
れ、それ以下の周波数の発振を得る場合には、常電導電
磁石が利用されることが多い。しかし、超電導電磁石は
一般に高価であり、励磁するためには液体ヘリウムなど
の冷媒を供給するか、冷凍機を使って、極低温にまで電
磁石を冷却しなければならないなど、手間がかかり、ま
た磁場を急激に変化させることが難しいという問題点が
あった。一方、常電導電磁石では、高磁場の発生には大
容量の励磁電源が必要であり、大電力を消費すること、
電磁石や励磁電源に冷却水を流す必要もあることなどを
考慮すると、ランニングコストが高くなるという問題点
があった。
【0007】この発明は上記のような問題点を解消する
ためになされたもので、ジャイロトロン装置の維持と操
作性を容易にするとともに、電磁石の励磁電源を小型化
し、ランニングコストを極めて安くすることができるジ
ャイロトロン装置を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るジ
ャイロトロン装置は、ジャイロトロンの発振動作に必要
な軸方向磁場の発生を永久磁石と電磁石を併用した磁場
発生装置で行い、各ジャイロトロン装置の空胴共振器に
おける磁束密度の軸方向の分布を調整する主磁場微調整
電磁石を設置し、ジャイロトロン装置の出力窓からの出
力を検出する出力検出器と、この検出信号を、主磁場微
調整電磁石に電流を流す電源の制御回路にフィードバッ
クし、出力が最大出力または予め設定した出力となるよ
うに、電磁石に流れる電流を調節し、電磁石が発生する
磁場を調節するフィードバック手段とを設置したもので
ある。
【0009】 請求項2の発明に係るジャイロトロン装置
は、ジャイロトロンの発振動作に必 要な軸方向磁場の発
生を永久磁石と電磁石を併用した磁場発生装置で行い、
ジャイロトロン装置の電子銃のカソード上の電子放出部
における磁束密度の軸方向の分布を調整する電子銃磁場
微調整電磁石を設置し、ジャイロトロン装置の出力窓か
らの出力を検出する出力検出器と、この検出信号を、電
子銃磁場微調整電磁石に電流を流す電源の制御回路にフ
ィードバックし、出力が最大出力または予め設定した出
力となるように、電磁石に流れる電流を調節し、電磁石
が発生する磁場を調節するフィードバック手段とを設置
したものである。
【0010】 請求項の発明に係るジャイロトロン装置
は、各ジャイロトロン装置に対し、ジャイロトロンを構
成する主要部分において、絶縁体と金属とを接合する主
要材料を全て非磁性体材料で構成したものである。
【0011】 請求項の発明に係るジャイロトロン装置
は、電子銃を構成する部品の接合部の主要材料を全て非
磁性体材料で構成したものである。
【0012】 請求項5の発明に係るジャイロトロン装置
は、ジャイロトロンを構成する部品の絶縁体に、非磁性
金属部に直接接合できる絶縁体材料を使用したものであ
る。
【0013】 請求項の発明に係るジャイロトロン装置
は、各ジャイロトロン装置における磁場発生装置に枠を
設置し、かつ磁場発生装置が発生する磁束密度の少なく
とも5ガウス以上である領域が、枠内に存在するように
したものである。
【0014】 請求項の発明に係るジャイロトロン装置
は、各ジャイロトロン装置における磁場発生装置に枠を
設置し、かつ磁場発生装置を構成する永久磁石が発生す
る磁束密度の少なくとも5ガウス以上である領域が、枠
内に存在するようにしたものである。
【0015】 請求項の発明に係るジャイロトロン装置
は、請求項13または14のジャイロトロン装置におけ
る枠の外側面に緩衝材を取り付けたものである。
【0016】 請求項の発明に係るジャイロトロン装置
は、電子銃を構成する部品の絶縁体の両端にろう接合さ
れた磁性体材料部分が、軸方向磁場の反転する位置から
見て、空胴共振器が存在する側とは反対側に位置するよ
うにしたものである。
【0017】
【0018】
【作用】請求項1の発明におけるジャイロトロン装置
は、磁場発生装置を永久磁石と電磁石とで構成し、ジャ
イロトロンの空胴共振器における磁束密度の軸方向の分
布を調整する主磁場微調整電磁石を設置し、ジャイロト
ロンの出力を検出し、この検出信号を電磁石を励磁する
電源の制御回路にフィードバックし、主磁場微調整電磁
石に流れる電流を調整して、電磁石が発生する磁場を調
節できるようにしたことにより、励磁電源の容量を下
げ、消費電力を低減し、ランニングコストを下げること
ができ、永久磁石の発生する磁束密度の空間的不均一性
を補償するとともに、電子ビームの加速電圧に応じて磁
束密度を微調整することができるようになり、ジャイロ
トロンの発振出力を自動的に最大出力、あるいは予め設
定した出力にできるようになる。
【0019】 請求項2の発明におけるジャイロトロン装
置は、磁場発生装置を永久磁石と電磁石とで構成し、電
子銃のカソード上の電子放出部における磁束密度の軸方
向の分布を調整する電子銃磁場微調整電磁石を設置し、
ジャイロトロンの出力を検出し、この検出信号を電子銃
磁場微調整電磁石に電流を流す電源の制御回路にフィー
ドバックさせることにより、励磁電源の容量を下げ、消
費電力を低減し、ランニングコストを下げることができ
る。全軸方向磁束密度を増減する、あるいは磁束密度の
軸方向の分布を整形できるようになる。電磁石に流れる
電流を調節し、電磁石が発生する磁場を調節することが
できるようになる。
【0020】 請求項の発明におけるジャイロトロン装
置は、ジャイロトロン全体あるいはジャイロトロンの電
子銃を構成している主要部材に磁性体材料を用いないよ
うにすることにより、磁場発生装置が発生する磁束密
度、または磁束密度分布を乱さないようになる。
【0021】 請求項の発明におけるジャイロトロン装
置は、ジャイロトロン全体あるいはジャイロトロンの電
子銃を構成している主要部材に磁性体材料を用いないよ
うにすることにより、磁場発生装置が発生する磁束密
度、または磁束密度分布を乱さないようになる。
【0022】 請求項の発明におけるジャイロトロン装
置は、ジャイロトロン全体あるいはジャイロトロンの電
子銃を構成している主要部材に磁性体材料を用いないこ
とにより、磁場発生装置が発生する磁束密度、または磁
束密度分布を乱さないようになる。
【0023】 請求項の発明におけるジャイロトロン装
置は、永久磁石と電磁石で構成された磁場発生装置に
枠、または枠とその外側面に緩衝材を設置することによ
り、磁場発生装置から常時発生されている磁場による危
険および不都合を防止するようになる。
【0024】 請求項の発明におけるジャイロトロン装
置は、永久磁石と電磁石で構成された磁場発生装置に
枠、または枠とその外側面に緩衝材を設置することによ
り、磁場発生装置から常時発生されている磁場による危
険および不都合を防止するようになる。
【0025】 請求項の発明におけるジャイロトロン装
置は、永久磁石と電磁石で構成された磁場発生装置に
枠、または枠とその外側面に緩衝材を設置することによ
り、磁場発生装置から常時発生されている磁場による危
険および不都合を防止するようになる。
【0026】 請求項の発明におけるジャイロトロン装
置は、電子銃を構成する部品の絶縁体の両端にろう接合
された磁性体材料部分が、軸方向磁場の反転する位置か
ら見て、空胴共振器の存在する側とは反対側に位置させ
ることにより、磁性体材料によるカソードの電子放出部
での軸方向磁場の乱れは小さく、電子放出部から放出さ
れる電子ビームに悪影響を与えないようになる。
【0027】
【0028】
【実施例】実施例1.以下、この発明の一実施例を図に
ついて説明する。図1はこの発明の一実施例によるジャ
イロトロン装置を示す構成図であり、図において従来の
ものと同一符号は同一又は相当部分を示すので説明を省
略する。20は永久磁石であり、例えば雑誌「インター
ナショナル ジャーナル オブ インフラレッド アン
ド ミリメーター ウェイブズ(International Journal
of Infrared and MillimeterWaves)」(Vol.14, No.4,
1993, P.783 )に示されるような方法により軸方向磁
場を発生する。また、この永久磁石20はジャイロトロ
ン100の軸方向の全長にわたって、ジャイロトロンの
発振動作に必要な磁場の大部分を発生し、さらにこの永
久磁石20と空胴共振器6付近に置かれた主磁場微調整
電磁石30の両方で、ジャイロトロン100の発振動作
に必要な軸方向の磁束密度を空胴共振器6内に発生す
る。31は電子銃磁場微調整電磁石である。200は永
久磁石20及び主磁場微調整電磁石30、電子銃磁場微
調整電磁石31から構成される磁場発生装置と、ジャイ
ロトロン100からなるジャイロトロン装置を示してい
る。
【0029】 既に記したように、ジャイロトロン100
の発振動作には磁場が本質的な役割を果たしており、空
胴共振器6において発振させたい固有モードの発振周波
数にあわせて、磁場を精度良く調整することが、ジャイ
ロトロン装置200を効率良く運転する上で重要であ
る。前記式(1)、(2)からわかるように、高周波数
の発振を得るためには、空胴共振器6において高磁場が
必要であることから、従来のジャイロトロン装置200
の磁場発生装置には、常電導電磁石、または超電導電磁
石、あるいはその両方が用いられてきた。電磁石は、発
生させる磁場を容易に調整できるため、電子ビーム9の
加速電圧やビーム電流値に合わせて発振出力を調整する
上で便利である。しかし、常電導電磁石の励磁には大容
量の励磁電源が必要で、消費電力も大きく、また励磁電
源や電磁石を水冷する必要があり、一方超電導電磁石は
一般に高価であり、液体ヘリウムなどで極低温にまで冷
却する必要があるなど、いずれの電磁石を使用するにお
いても初期コスト、ランニングコストが大きく、取扱い
上の手間もかかるという問題点がある。
【0030】 しかし、図1のように永久磁石と電磁石の
両方を用いた磁場発生装置を用いるとこの問題点は解消
する。たとえば、2倍高調波発振で周波数28GHzの
発振を得るためには(1)式でs=2であるから、この
式と式(2)(γ≒1)より空胴共振器6において約5
kGの軸方向磁束密度が必要である。このうちの例えば
4kGを永久磁石20によって発生させ、残りの約1k
Gを主磁場微調整電磁石30で発生させれば、励磁電源
は小型でもよく、消費電力は少なくてすむ。さらに、上
述したように空胴共振器6内での電子と電磁場との共鳴
的相互作用には、磁場が重要な役割を担っており、ジャ
イロトロン装置200の発振効率が最高になる磁束密度
は、電子ビーム9の加速電圧やビーム電流値に依存する
ため、空胴共振器6内の磁束密度も微調整できることが
望ましい。主磁場微調整電磁石30はこのためのもので
ある。
【0031】 また、電子銃1から射出される電子ビーム
9の特性は、電子ビーム9の加速電圧やビーム電流値の
他に、電子銃1付近での磁束密度によっても変化し、空
胴共振器6において発生する高周波出力に微妙な影響を
及ぼすことがわかっている。したがって、ジャイロトロ
ン100の電子銃1においても永久磁石20の発生する
固定磁場だけで電子ビーム9の加速電圧やビーム電流の
色々な値に対して、ジャイロトロン装置200の動作特
性を最適状態にすることは難しく、電子銃1の磁束密度
も微調整できることが望ましい。図1の電子銃磁場微調
整電磁石31はこのためのものである。さらに、電子銃
1のカソード2や第一アノード4には電圧をかけるた
め、電気絶縁のための絶縁体13が構成部材として利用
される。
【0032】 一般に絶縁体13にはアルミナが用いら
れ、金属部との接続のため、アルミナの両端にはコバー
ルがろう付けされている。しかし、コバールは磁性体で
あるため、付近の磁場分布を乱す可能性がある。電子銃
1付近での磁場を永久磁石20のみで発生させた場合、
この磁場分布の乱れを補正することができないため、電
子銃1から引き出される電子ビーム9は悪影響を及ぼさ
れる恐れがある。電子銃磁場微調整電磁石31は、この
磁場分布の乱れを補正する役目を果たすこともできる。
【0033】 このように、ジャイロトロン装置200の
磁場発生装置に、永久磁石と電磁石とで構成された磁場
発生装置を用いれば、電磁石の励磁電源は小型、小容量
のものでよく、消費電力も低減され、且つ発振出力の調
整を行う場合の磁束密度の調整範囲は、この程度の電磁
石でも十分発生可能な範囲にあるため、調整の容易さ
は、従来例の電磁石のみを用いたジャイロトロン装置2
00となんら変わるところがない。なお、これらの主磁
場微調整電磁石30、電子銃磁場微調整電磁石31は別
々に励磁されてもよいし、電磁石の巻数を考慮して、直
列に接続して励磁してもよい。
【0034】 また、図では空胴共振器6付近と電子銃1
の2個所に電磁石を置いているが、必ずしも両方に設置
する必要はなく、永久磁石の発生する磁束密度によって
は、どちらか片方に置くことで十分な場合もある。ま
た、電磁石はそれぞれの部分に一個ずつ設置するように
書かれているが、複数個の電磁石を設置してもよい。
【0035】 実施例2.図2はこの発明の他の実施例に
よるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図におい
て、従来のものと同一の符号は同一または相当部分を示
すので説明を省略する。32は主磁場微調整電磁石であ
る。実施例1に示した永久磁石20は、その内径が小さ
いほど軸方向の磁場を発生させやすく、小型、軽量、低
コストになる。このためジャイロトロン100の外面と
永久磁石20の内壁との間隔が狭い場合には、主磁場微
調整電磁石32はジャイロトロン100の外面に密着
巻、あるいは、さらに図2の実施例2に示すように、ジ
ャイロトロン100の空胴共振器6付近の外径を小さく
して、この部分に主磁場微調整電磁石32を取り付ける
ようにしてもよい。主磁場微調整電磁石32にとって
も、電磁石の内径が小さいほど、同一磁場を発生させる
ための消費電力は小さくて済むため、この実施例に示す
ように主磁場微調整電磁石32を設置するほうがよい場
合もある。
【0036】 実施例3.図3はこの発明の他の実施例に
よるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図におい
て、従来のものと同一の符号は同一または相当部分を示
すので説明を省略する。33は主磁場微調整電磁石であ
る。前述したように永久磁石20は、その内径が小さい
ほど軸方向の磁場を発生させやすく、小型、軽量、低コ
ストになる。このためジャイロトロン100の外面と永
久磁石20の内壁との間隔が狭くなり、空胴共振器6付
近のジャイロトロン100の外面と永久磁石20内面と
の間に、主磁場微調整電磁石32を設置できない場合に
は、図3に示すように永久磁石20の外側に、主磁場微
調整電磁石33を配置してもよい。
【0037】 実施例4.図4はこの発明の他の実施例に
よるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図におい
て、従来のものと同一の符号は同一または相当部分を示
すので説明を省略する。34は磁場微調整電磁石であ
る。ここに示した実施例4は、実施例1における主磁場
微調整電磁石30と電子銃磁場微調整電磁石31を1つ
の磁場微調整電磁石34で構成したものである。このよ
うにすると、電子銃と空胴共振器6内の軸方向磁束密度
を独立に調整することはできないが、励磁電源が1台で
済むという利点がある。
【0038】 実施例5.図5はこの発明の他の実施例に
よるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図におい
て、従来のものと同一の符号は同一または相当部分を示
すので説明を省略する。実施例1から実施例4までは、
ジャイロトロンの電子銃1は、永久磁石20の中心ボア
内に納まっていたが、この実施例5では、ジャイロトロ
ン100の電子銃1は永久磁石20の一方の端面より外
側に出ている。このような配置であっても、電子銃1付
近に電子銃磁場微調整電磁石31を置き、電子銃1の磁
場を調整することは有効である。なおこの図では、空胴
共振器6付近には主磁場微調整電磁石30が設置されて
いないが、必要ならば設置してもよい。
【0039】 実施例6.図6はこの発明の他の実施例に
よるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図におい
て、従来のものと同一の符号は同一または相当部分を示
すので説明を省略する。実施例1から実施例5までは、
ジャイロトロン100の電子銃1はカソード、第1アノ
ード、第2アノードからなる3極型電子銃と呼ばれる電
子銃であったが、図6に示すような2極型電子銃を用い
たジャイロトロン100であってもよい。2極型電子銃
はカソード2とアノード14からなり、空胴共振器6に
おいて固有モードの電磁場とサイクロトロン共鳴メーザ
相互作用を行う電子ビーム9を引き出す点で、3極型電
子銃と同様の働きをしている。したがって、以下の実施
例で、3極型電子銃を用いたジャイロトロンについての
み記した場合でも、2極型電子銃を用いたジャイロトロ
ンについても同様のことが言えるものとする。
【0040】 実施例7.図7はこの発明の他の実施例に
よるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図におい
て、従来のものと同一の符号は同一または相当部分を示
すので説明を省略する。35は主磁場微調整電磁石であ
る。ジャイロトロン100を用いて、例えば2倍高調波
発振で周波数28GHzの発振を行わせる場合を考え
る。電子ビーム9の加速電圧をVb[kV]とすると、相
対論的係数は次式で与えられる。 γ=1+Vb/511 (3) したがってVb=20kVならば、γ=1.04であ
る。この電子についてサイクロトロン周波数が28GH
zになるときの磁束密度は式(2)より、約10.4k
Gである。したがって、2倍高調波発振で28GHzの
発振を行わせるには、式(1)より約5.2kGより少
し小さい程度の磁束密度を空胴共振器6内に発生させる
必要がある。
【0041】 空胴共振器6の中央部において、この約
5.2kGの磁束密度の90%以上110%以下の磁束
密度を永久磁石20で発生させておけば、主磁場微調整
電磁石35は±0.52kG程度以下の磁束密度を空胴
共振器6内に発生させるだけでよく、主磁場微調整電磁
石35とその励磁電源は小型、軽量になり、消費電力も
軽減され、ランニングコストが下がる。なお上記マイナ
ス符号の磁束密度は、永久磁石20が作る磁場と逆方向
の磁場を発生させるという意味であり、電磁石に流す電
流の向きをプラス符号の磁場を発生させる場合に対して
逆向きにすればよい。
【0042】 実施例8.図8はこの発明の他の実施例に
よるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図におい
て、従来のものと同一の符号は同一または相当部分を示
すので説明を省略する。36,37,38は空胴共振器
6における磁束密度の軸方向の分布を調整する主磁場微
調整電磁石である。既に記したように、ジャイロトロン
100の発振動作においては磁場が重要な役割を果たし
ており、特に電子ビーム9が電磁場と相互作用する空胴
共振器6内での磁束密度の絶対値と空間的分布は、発振
効率などに大きな影響を与える。しかしながら、電磁石
と比較すると、永久磁石20は高精度で設計通りの磁場
を発生させるには困難な場合が多く、例えば軸方向の長
い距離にわたって空間的に均一度の高い磁束密度の軸方
向磁場を発生させることは難しい。
【0043】 この実施例8において、永久磁石20が作
る磁束密度の設計値からの絶対値についてのずれだけで
はなく、磁束密度の空間的分布の不備を整形するための
主磁場微調整電磁石36,37,38を備えたものであ
る。このような構成とすることにより、永久磁石20の
発生する磁束密度の空間的不均一性を補償できる。ま
た、電子ビーム9の加速電圧に応じて磁束密度を微調整
し、発振効率を最大にすることができるとともに、発振
出力を調整することもできる。
【0044】 実施例9.図9はこの発明の他の実施例に
よるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図におい
て、従来のものと同一の符号は同一または相当部分を示
すので説明を省略する。39,40,41は空胴共振器
6における磁束密度の軸方向の分布を調整する主磁場微
調整電磁石である。ジャイロトロン100の発振動作に
おいては、空胴共振器6内での軸方向磁束密度が均一、
一定であるよりも、適当な分布をもたせる方が、発振効
率が高くなることが理論的にわかっている。例えば、空
胴共振器6の電子銃1側の端に対して出力窓8側の端の
方が磁束密度で5〜10%程度大きくなるように磁束密
度に傾斜をつけておくと発振効率が上昇する。
【0045】 この実施例では、このような軸方向の磁束
密度分布を空胴共振器6内につくるために、これらの電
磁石をそれぞれ独立に励磁してもよいし、図9のように
出力窓側の電磁石のコイルの巻数を多くするなどの工夫
をして直列に励磁してもよい。図9での巻数は上記のよ
うになっているが、ジャイロトロン100の発振効率を
よくする目的で、空胴共振器6内の軸方向の磁束密度分
布を整形するならば、どのような巻数、巻き方、励磁方
法でもよい。なお、この図には電子銃磁場微調整電磁石
31が描かれていないが、必要ならば設置してもよい。
【0046】 実施例10.図10はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。42は空胴共振器6におけ
る磁束密度の軸方向の分布を調整する主磁場微調整電磁
石である。ここに示した実施例10は、図9の実施例9
の主磁場微調整電磁石39,40,41を1つの主磁場
微調整電磁石42に置きかえたものである。空胴共振器
6の電子銃1側から出力窓8側に向かって電磁石のコイ
ルの巻数が多くなるように主磁場微調整電磁石42が巻
かれている。
【0047】 このような電磁石を用いると軸方向の磁束
密度分布を整形する際の自由度は減少するが、一台の励
磁電源で、空胴共振器6内に電子銃1側から出力窓8側
に向かって磁束密度が増加する分布を作ることができる
という利点がある。図10での主磁場微調整電磁石42
のコイルは、上述のように巻かれているが、ジャイロト
ロン100の発振効率をよくする目的で、空胴共振器6
内の軸方向の磁束密度分布を整形するならば、どのよう
な巻き方であってもよい。なお、この図には電子銃磁場
微調整電磁石31が描かれていないが、必要ならば設置
してもよい。
【0048】 実施例11.図11はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。43は主磁場微調整電磁
石、80はジャイロトロンからの出力高周波の一部を取
り出すサンプリング穴、81は出力検出器、82は発振
出力測定及び制御回路、90は励磁電源である。一般
に、ジャイロトロン100の発振出力の調整は、電子ビ
ーム9の加速電圧やビーム電流値を変えて行うのが普通
である。そして、電子ビーム9の加速電圧やビーム電流
値を変えたとき、ジャイロトロン100の発振効率を最
大にするためには、その都度、軸方向の磁束密度を調整
して行う。これは電子ビーム9の加速電圧を変えると電
子の相対論的係数γや電子の軸方向速度vz が変化する
ため、式(1)(2)からわかるように空胴共振器6内
の軸方向磁束密度を調整し直す必要があるからである。
【0049】 また、ビーム電流を変えて発振出力を変え
る場合でも、空胴共振器6内で共振している固有モード
の電磁場強度が変わるため、電子ビーム9と電磁場との
相互作用を最適状態にするためには、空胴共振器6内の
軸方向磁場を調整し直す必要がある。従来のジャイロト
ロン装置の磁場発生装置には電磁石のみが用いられ、そ
の励磁電源には、一定の速度で適当な設定値まで自動的
に出力電流を増加、または減少させていく機能がついて
いる場合が多かったが、最終的な微調整は手動に頼るこ
とが多かった。また、特に電磁石が超電導電磁石の場合
には、電磁石のインダクタンスが大きく、急激に電流を
変化させられないため、磁場の微調整に時間がかかって
いた。
【0050】 さらに、ジャイロトロン100の電子銃1
のカソード2には熱カソードが用いられているため、発
振出力の調整を電子ビーム9の電流値を変えて行う場合
には、カソード2のヒーターの入力電力を変え、カソー
ド2上の電子放出部の温度を変える必要があり、このた
めには、かなりの時間がかるのが普通である。したがっ
て、発振効率を最大にするための磁場調整や、あるいは
発振効率を多少犠牲にしても発振出力の調整を磁場を用
いて行う必要がある場合には、軸方向磁束密度を自動的
に、且つ速く調整する装置があると便利である。なお、
平均出力を調整するのに電源のパルス幅で調整する方法
があるが、この場合電源のコストが高くなるので、本実
施例のように磁場で調整する方がコスト減になる。
【0051】 この実施例11にあっては、ジャイロトロ
ン100からの発振出力を検出し、最大出力、または予
め設定された出力になるまで、自動的に空胴共振器6内
の軸方向磁束密度を変化させる装置を持ったジャイロト
ロン装置であり、ジャイロトロン100からの発振出力
が、サンプリング穴80を通して出力検出器81で検出
され、発振出力に比例した信号が出力検出器81から出
力される。この信号を受けた発振出力測定及び制御回路
82は、発振出力を計算して表示するとともに、そこま
での空胴共振器内での磁束密度の変化に伴う発振出力の
履歴を参照して、より出力を上げる方向、あるいは予め
設定された出力になるように、励磁電源90に制御信号
を送る。励磁電源90はこの信号にしたがって主磁場微
調整電磁石43に流す電流を変化させ、これによってジ
ャイロトロンの発振出力が変化する。このフィードバッ
クループによって、発振出力が制御される。
【0052】 なお、サンプリング穴80の代わりに方向
性結合器を利用することもできる。また、図11におい
ては主磁場微調整電磁石43は一つであるが、複数個に
してもよく、電磁石の配置、電磁石のコイル巻数などに
ついては、既にここまでの実施例で記してきた内容と同
様のことが言える。また、図11には電子銃磁場微調整
電磁石31が記されていないが、必要ならば設置しても
よい。
【0053】 実施例12.図12はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。21は永久磁石、44は主
磁場微調整電磁石である。ジャイロトロンの発振出力を
幅広く変えるためには、ジャイロトロン装置200が、
電子ビーム9の加速電圧やビーム電流の幅広い領域で動
作できる必要がある。既に述べたように、電子ビーム9
の加速電圧がVb=20kVならば、γ=1.04であ
るが、Vb=80kVでは式(3)よりγ=1.16と
なり、この電子についてサイクロトロン周波数が28G
Hzになるときの磁束密度は式(2)より、約11.6
kGである。
【0054】 したがって、例えば2倍高調波発振で周波
数28GHzの発振を行わせるには、式(1)より約
5.8kGより若干小さい程度の磁束密度を空胴共振器
6内に発生させる必要がある。既に記したように、Vb
=20kVのときには、約5.2kGより少し小さい程
度の磁束密度を空胴共振器内に発生させる必要があった
から、Vb=20kVからVb=80kVの範囲でジャ
イロトロンを発振させるためには、Vb=20kVのと
きに必要な軸方向磁束密度の90%以上110%以下の
磁束密度を永久磁石で発生させるのでは、Vb=80k
Vのときに必要な軸方向磁束密度を主磁場微調整電磁石
44で調整しきれないおそれがある。
【0055】 このような場合には、ジャイロトロンの発
振動作に必要な全磁束密度に対する主磁場微調整電磁石
44の発生しうる磁束密度の割合を大きくすればよい。
この実施例では、実施例7よりも主磁場微調整電磁石4
4を大きくし、空胴共振器6の中央部において必要な軸
方向磁場の±20%の磁場を発生できるようになってお
り、したがって空胴共振器6の中央部において必要な軸
方向磁束密度の80%以上120%以下の磁場が永久磁
石21によって発生されている。また、図には電子銃磁
場微調整電磁石31は描かれていないが、必要ならば設
置してもよい。
【0056】 以上の構成により、励磁電源の容量や、消
費電力を低減し、ランニングコストを下げるとともに、
より広範囲の加速電圧の電子ビーム9に対しても、ジャ
イロトロンの発振動作に必要な軸方向磁束密度の調整が
可能になる。なお、本実施例の説明では、発振周波数は
28GHzの場合を例に挙げたが、他の周波数について
も同様の議論が成り立つ。また、空胴共振器6の固有モ
ードは異なる共振周波数をもつ多数のモードが存在す
る。従って、本実施例のように主磁場微調整電磁石44
での磁束密度の調整範囲を広くしておくことによって、
異なる共振周波数をもつ複数の固有モードを別々に発振
させることも可能になる。
【0057】 実施例13.図13はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。この実施例では、3つの主
磁場微調整電磁石45,46,47を配置したものであ
る。しかし、必ずしも3つである必要はなく、2つでも
4つでもよく、ジャイロトロンの発振に必要な主磁場の
発生と調整の目的のためには、必要な個数を配置しても
よい。また、それらの主磁場微調整電磁石45,46,
47はそれぞれが独立に励磁できても、あるいは、独立
に励磁できなくてもよい。
【0058】 実施例14.図14はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。実施例14では、主磁場微
調整電磁石48がジャイロトロン100の発振動作に必
要な軸方向磁束密度の±20%の磁場を発生できる能力
があることを除いて、実施例2と同じ構成、同じ働きを
するものである。
【0059】 実施例15.図15はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。この実施例15では実施例
9と同じ構成、同じ働きをすると同時に、さらに主磁場
微調整電磁石49、50、51がジャイロトロン100
の発振動作に必要な軸方向磁束密度の±20%の磁場を
発生できる能力を持つものである。このように構成する
ことにより、実施例9よりも軸方向磁束密度を広い範囲
で調整可能になるという効果がある。なお、図15には
電子銃磁場微調整電磁石31は描かれていないが、必要
ならば設置してもよい。
【0060】 実施例16.図16はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。この実施例では、実施例1
0と同じ構成、同じ働きをすると同時に、さらに主磁場
微調整電磁石52がジャイロトロンの発振動作に必要な
軸方向磁束密度の±20%の磁場を発生できる能力を持
つものである。このようにすることにより実施例10よ
りも軸方向磁束密度を広い範囲で調整可能になるという
効果がある。
【0061】 なお、主磁場微調整電磁石52のコイル
は、ジャイロトロン100の空胴共振器6付近の外径を
小さくして、その部分に取り付けられているが、永久磁
石21の内壁とジャイロトロン100外面の間のすき間
に余裕があれば、実施例10のようにジャイロトロン1
00の空胴共振器6付近の外面を必ずしも小さくしなく
てもよい。また図中、電子銃磁場微調整電磁石31は描
かれていないが、必要ならば設置してもよい。
【0062】 実施例17.図17はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。この実施例17では実施例
11と同じ構成、同じ働きをすると同時に、さらに主磁
場微調整電磁石53がジャイロトロン100の発振動作
に必要な軸方向磁束密度の±20%の磁場を発生できる
能力を持つものである。以上の構成により、実施例11
よりも軸方向磁束密度を広い範囲で調整可能になるとい
う効果がある。なお図中、電子銃磁場微調整電磁石31
は描かれていないが、必要ならば設置してもよい。
【0063】 実施例18.図18はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。22は永久磁石、54は電
子銃1のカソード2上の電子放出部3の磁場を微調整す
る電子銃磁場微調整電磁石である。一般に電子放出部3
の磁場の磁束密度は主磁場磁束密度の1/5程度以下で
ある。実施例7の説明の中で述べたように、例えば2倍
高調波発振で周波数28GHzの発振を得る場合、空胴
共振器内の磁束密度は約5.2kGであることから、電
子放出部3の磁束密度は1.04kG程度となる。この
うちの50%以上150%以下の磁束密度を永久磁石2
2で発生させておけば、電子銃磁場微調整電磁石54は
±0.52kG以下程度の磁束密度を電子放出部3に発
生させるだけでよく、この電子銃磁場微調整電磁石54
とその励磁電源は小型、軽量になり、消費電力も軽減さ
れ、ランニングコストが下がる。
【0064】 また、電子銃1のカソード2や第1アノー
ド4には電圧をかけるため、電気絶縁のための絶縁体1
3が構成部材として利用される。一般に絶縁体13には
アルミナが用いられ、金属部との接続のため、アルミナ
の両端にはコバールがろう付けされている。しかし、コ
バールは磁性体であるため、付近の磁場分布を乱す可能
性がある。電子銃付近の磁場を永久磁石のみで発生させ
た場合、この磁場分布の乱れを補正することができない
ため、電子銃から引き出された電子ビーム9は悪影響を
受ける恐れがある。
【0065】 さらに、上記の電子銃磁場微調整電磁石5
4は、この磁場分布の乱れを補正する役目を果たすこと
もできる。なお、上記磁束密度のマイナス符号の意味
は、電磁石54が発生する磁場の向きが、永久磁石22
が作る磁場と逆方向であるということであり、電子銃磁
場微調整電磁石54に流す電流の向きをプラス符号の磁
場を発生させる場合に対して逆向きにすればよい。
【0066】 実施例19.図19はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。55、56は電子銃1にお
ける磁束密度の軸方向の分布を調整する電子銃磁場微調
整電磁石である。既に記したように、ジャイロトロン1
00の発振動作においては磁場が重要な役割を果たして
おり、電子が放出される電子放出部における磁束密度の
絶対値や分布は、電子ビーム9の特性および空胴共振器
における半径方向の通過位置などに大きく影響する。永
久磁石20は電磁石に比較して磁束密度の絶対値や、特
に分布を微調整することが困難である。したがって、図
19のように電子銃磁場微調整電磁石55,56を設置
すれば、磁束密度の絶対値や分布を容易に最適な状態に
することができ、発振効率を最大にすることができる。
【0067】 さらに実施例18で記したように、電子銃
1には電気絶縁のための絶縁体13が構成部材として利
用される。一般に絶縁体にはアルミナが用いられ、金属
部との接続のため、アルミナの両端にはコバールがろう
付けされている。しかし、コバールは磁性体であるた
め、付近の磁場分布を乱す可能性がある。したがって、
電子銃1の磁場を永久磁石20のみで発生させた場合、
この磁場分布の乱れを補正することができないため、電
子銃1から引き出される電子ビーム9は悪影響を受ける
恐れがある。上記の電子銃磁場微調整電磁石55、56
は、この磁場分布の乱れを補正する役目を果たすことも
できる。なお図中、電子銃磁場微調整電磁石56、57
は2個であるが、3個以上でもよい。
【0068】 実施例20.図20はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。57は電子銃1のカソード
2上の電子放出部3の磁場を微調整する電子銃磁場微調
整電磁石、83は発振出力測定及び制御回路、91は電
子銃磁場微調整電磁石57の励磁電源である。実施例1
1では発振効率を最大にしたり、発振出力の調整を主磁
場微調整電磁石43で行っていたが、この実施例では電
子銃磁場を調整することによっても同様の調整が可能で
ある。
【0069】 まず、ジャイロトロン100からの発振出
力の一部が、サンプリング穴80を通して出力検出器8
1で検出され、発振出力に比例した信号が出力検出器8
1から出力される。この信号を受けた発振出力測定及び
制御回路83は、発振出力を計算して表示するととも
に、そこまでの電子銃1での磁束密度の変化に伴う発振
出力の履歴を参照して、より出力を上げる方向、あるい
は予め設定された出力になるように励磁電源91に制御
信号を送る。次に励磁電源91は、この信号にしたがっ
て電子銃磁場微調整電磁石57に流す電流を変化させ、
これによってジャイロトロン100の発振出力が変化す
る。このフィードバックループによって、発振出力が制
御される。
【0070】 なお、サンプリング穴80の代わりに方向
性結合器を利用することもできる。また、電子銃磁場微
調整電磁石57は1つであるが、複数個にしてもよく、
電磁石の配置、電磁石のコイル巻数などについては、上
述の実施例に記した内容と同様のことが言える。
【0071】 実施例21.図21はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。58は主磁場微調整電磁石
である。実施例11、17、20ではジャイロトロン1
00の発振効率や発振出力を調整するために、発振出力
を検出し、その出力に応じて主磁場微調整電磁石、ある
いは電子銃磁場微調整電磁石57をそれぞれ単独で、そ
れらの電磁石に流す電流を制御する方式であったが、図
に示すように併用してもよい。このようにすれば、発振
効率や発振出力のより微妙な調整が磁場の調節で可能に
なり、さらに高効率なジャイロトロン100の発振動作
が達成できる。
【0072】 実施例22.図22はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。上記実施例20,21で
は、ジャイロトロン100の電子銃1は、永久磁石22
の中心ボア内に納まっていたが、この実施例では、ジャ
イロトロン100の電子銃1は永久磁石22の一方の端
面より外側に出ている。このような配置であっても、電
子銃1付近に電子銃磁場微調整電磁石59を置き、電子
銃1の磁場を調整することが有効な場合もある。なお、
空胴共振器6付近には主磁場微調整電磁石30は描かれ
ていないが、必要ならば設置してもよい。
【0073】 実施例23.図23はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。70はホール素子等よりな
る磁束密度の検出手段であり、永久磁石20の経年変化
による発生磁場の変動を検出する。60は磁場補正用電
磁石である。一般的に永久磁石は、経年変化によって、
発生している磁束密度を減じていくため、磁場の補正が
必要になってくる場合がある。この補正量は、室温では
普通永久磁石が発生する磁束密度の1%/年以下である
ため、図のように1つあるいは複数個の磁場補正用電磁
石60と小型の励磁電源を用いて十分可能な量である。
なお、この磁場補正用電磁石60は上記実施例1から実
施例22までに記載した主磁場微調整電磁石を用いてあ
る程度可能であるが、独立に設置してもよい。
【0074】 また、図24は実施例15に記載した主磁
場微調整電磁石49,50,51を用いて、永久磁石2
1の経年変化による発生磁場の変動を補正するものであ
る。このような構成により、ジャイロトロン100の効
率良い運転や高周波出力の制御を初期の状態と同様に行
うことができる。なお、図23,24では磁束密度を検
出するホール素子70等は電磁石49,50,51,6
0とジャイロトロン100との間に取り付けられている
が、電磁石49,50,51,60と永久磁石20,2
1との間に取り付けてもよい。
【0075】 実施例24.図25はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。101はカソードフランジ
15と第1アノード4間の絶縁体、102は第1アノー
ド4と第2アノード5間の絶縁体、103は空胴共振器
6とコレクタ7間の絶縁体、104はコレクタ7と出力
窓導波管16間の絶縁体である。これらの絶縁体と各金
属製部分とは磁性体材料を用いずに非磁性体材料、例え
ばモリブデンやタングステンを用い、これらにニッケル
メッキを施して接合されている。なお、ニッケルは磁性
材料であるがメッキのみであるので磁場に与える影響は
少ない。なお図中、カソードフランジ15、第1アノー
ド4、第2アノード5、空胴共振器6、コレクタ7、出
力窓導波管16は金属製部分である。
【0076】 ジャイロトロン100では、電子銃1から
電子を引き出すため、カソード2と第1アノード4間
や、第1アノード4と第2アノード5間に電圧をかけた
り、空胴共振器6、コレクタ7、出力窓8のそれぞれに
どの程度の電子ビーム9が入射しているかを測定する目
的で各部分の接続部の全て、あるいは一部に、電気絶縁
を施す。この場合の電気絶縁部材には、アルミナとコバ
ールをろう付けにより接合したものが広く用いられてい
る。
【0077】 したがって、アルミナは入手が容易で、強
度が大きいなどの利点を持ち、コバールは熱膨張率がア
ルミナと同程度であるためろう付けの相手材料として広
く用いられる。しかし、コバールは磁性体であり、この
ような部品を磁場中におくことは磁場の分布を乱し、電
子ビーム9の軌道や特性に悪影響を与える可能性があ
る。その結果、空胴共振器6において、電子ビーム9が
所定の位置を通過せず、設計モード以外の固有モードを
発振させたり、あるいは発振効率の低下を招く可能性が
ある。さらには、電子ビーム9がコレクタに局所的に集
中して当たり、コレクタが過熱したり、電子ビーム9が
出力窓8にまで達し、出力窓を破損するなどの可能性が
ある。
【0078】 従来のジャイロトロン装置の磁場発生装置
には、電磁石のみが用いられてきたため、電磁石のコイ
ルに流す電流を調節することによって、これらの問題に
対処できたが、本発明において用いられる永久磁石と電
磁石を併用した磁場発生装置の場合は、磁場の磁束密度
の絶対値や磁束密度分布を調節できる範囲が従来の磁場
発生装置ほど大きくないため、磁性体が存在することに
よる磁場の分布を補正しきれない可能性がある。
【0079】 しかし、本実施例にあっては図1に示すよ
うにジャイロトロン100を磁場発生装置内に設置して
も磁場発生装置が作る磁場の磁束密度の絶対値や磁束密
度分布を乱さず、電子ビーム9の軌道や特性に悪影響を
与えることがない。その結果、空胴共振器において、所
定の位置を電子ビーム9が通過し、設計の固有モードで
電磁波を発振させることができ、発振効率の低下を防
ぎ、さらには、電子ビーム9がコレクタの所定の位置に
導かれ、局所的に過熱されることがないため、信頼性の
高いジャイロトロン100となる。
【0080】 実施例25.図26はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。この実施例では、絶縁体1
01,102,103,104の少なくとも内面、およ
び軸方向端面、さらに金属製部分の絶縁体101,10
2,103,104と接する部分は、寸法精度よく加工
され、はめ合い構造で組み立てられている。このような
はめ合い接合により、実施例24で得られる効果の他
に、ジャイロトロン100の組み立てにおける各部の中
心軸合わせが容易になるという効果がある。
【0081】 実施例26.図27はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。101はカソードフランジ
15と第1アノード4間の絶縁体、102は第1アノー
ド4と第2アノード5間の絶縁体であり、これらの絶縁
体と金属製部分とは磁性体材料を用いずに実施例24と
同様の非磁性体材料で接合されている。このようにすれ
ば、ジャイロトロン100の発振動作上、特に重要な電
子銃1、および電子銃1と空胴共振器6間の磁場の磁束
密度の絶対値や磁束密度分布を乱さず、電子ビーム9の
軌道や特性に悪影響を与えることがない。
【0082】 その結果、空胴共振器6において、所定の
位置を電子ビーム9が通過し、設計の固有モードで電磁
波を発振させることができ、発振効率の低下を防ぎ、さ
らには、電子ビーム9がコレクタの所定の位置に導か
れ、局所的に過熱されることがないため、信頼性の高い
ジャイロトロン100となる。また、この発明はコレク
タ、出力窓8に電気絶縁を施す必要がないジャイロトロ
ン100にも適用可能である。
【0083】 実施例27.図28はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。105はカソードフランジ
15と第1アノード4間の絶縁体、106は第1アノー
ド4と第2アノード5間の絶縁体、107は空胴共振器
6とコレクタ7間の絶縁体、108はコレクタ7と出力
窓導波管16間の絶縁体であり、ここでは絶縁体材料と
してガラス材を用いている。ガラス材と金属製部分のカ
ソードフランジ15、第1アノード4、第2アノード
5、空胴共振器6、コレクタ7、出力導波管16とは直
接接合されるか、あるいはガラス材と上記の金属製部分
との間にガラス材との直接接合可能な金属を挟んで接合
されている。このガラス材に直接接合可能な金属には、
銅、ステンレスなどの非磁性材料があり、この直接接合
する方法にはハウスキーパーシールと呼ばれる方法があ
る。
【0084】 このようにすれば、磁場発生装置が作る磁
場の磁束密度の絶対値や磁束密度分布は乱されず、電子
ビーム9の軌道や特性は悪影響を受けることがない。そ
の結果、空胴共振器6において、所定の位置を電子ビー
ム9が通過し、設計の固有モードで電磁波を発振させる
ことができ、発振効率が低下することもない。さらに
は、電子ビーム9がコレクタ7の所定の位置に導かれ、
コレクタ7が局所的に過熱されることがないため、信頼
性の高いジャイロトロン100となる。
【0085】 実施例28.図29はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。この実施例では絶縁体10
5,106,107,108の少なくとも内面および軸
方向端面、さらに金属製部分の絶縁体105,106,
107,108と接する部分は寸法精度よく加工され、
はめ合い構造で組み立てられている。このようなはめ合
い接合により、実施例27で得られる効果の他に、ジャ
イロトロン100の組み立てにおける各部の中心軸合わ
せが容易になるという効果がある。
【0086】 実施例29.図30はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。実施例27,28ではジャ
イロトロン100に用いられる絶縁体材料全てにガラス
材を用いたが、この実施例では大きな強度が必要でない
電子銃1のみガラス材の絶縁体105,106を用い、
ジャイロトロン100の運搬、吊り下げ、出力高周波の
伝送系との接続等において十分な強度が必要なコレクタ
7、出力窓8の絶縁部分にはアルミナとコバールを組み
合わせた部品を用いればよい。
【0087】 このようにすれば、ジャイロトロン100
の発振動作上、特に重要な電子銃1、および電子銃1と
空胴共振器6間の磁場の磁束密度の絶対値や磁束密度分
布を乱さず、電子ビーム9の軌道や特性に悪影響を与え
ることがない。その結果、空胴共振器6において、所定
の位置を電子ビーム9が通過し、設計の固有モードで電
磁波を発振させることができ、発振効率が低下すること
もない。
【0088】 実施例30.図31から図33はこの発明
の他の実施例によるジャイロトロン装置を示す構成図で
あり、図において、従来のものと同一の符号は同一また
は相当部分を示すので説明を省略する。実施例24から
実施例29までは、電子銃1がカソード2、第1アノー
ド4、および第2アノード5の3つの電極からなる3極
型電子銃を用いたジャイロトロン100について述べて
きた。この実施例では、電子銃1がカソード2とアノー
ド14の2つの電極からなる2極型電子銃を用いたジャ
イロトロン100において実施されてもよく、同様の効
果を奏する。
【0089】 実施例31.図34はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。17は高周波を導く導波
管、110は例えば非磁性材料からなる枠であり、枠1
10は永久磁石20および主磁場微調整電磁石30、電
子銃磁場微調整電磁石31が作る磁場の磁束密度が5ガ
ウス以上の領域が枠内に存在するように設置されてい
る。ジャイロトロン100の磁場発生装置に永久磁石2
0を用いた磁場発生装置では、ジャイロトロン100の
運転時以外でも常に磁場が発生しているため、これによ
り様々な危険性、不都合が考えられる。たとえば、人体
への影響、特にペースメーカを付けた人への影響は重大
である。また、工具等が吸い寄せられ、永久磁石20あ
るいはその周辺部へ衝突するなども考えられる。
【0090】 アメリカFDA(食品医薬品局)の勧告に
より、一般に漏れ磁場の範囲として5ガウスの範囲の大
きさが磁気シールドを施す際の一つの基準とされ、日本
でもこの基準が用いられているため、本実施例では枠1
10を設置すれば、枠110外は磁場の微弱な領域であ
るので、ペースメーカを付けた人にも影響はなく、磁性
体が吸い寄せられることもなくなり、安全である。な
お、永久磁石20に磁気シールドがあるものに同様の枠
を設けて、磁気シールドからの漏れによる危険を防止す
るようにしてもよい。
【0091】 実施例32.図35と図36とはこの発明
の他の実施例によるジャイロトロン装置を示す構成図で
あり、図において、従来のものと同一の符号は同一また
は相当部分を示すので説明を省略する。実施例31では
磁場発生装置の側面のみならず、電子銃1の側端面も覆
うように設置された枠110を示したが、電子銃1と外
部電源回路との電気的接続を行う必要があるため、本実
施例では電子銃1の側端面に開口部を持った枠111を
設けた。
【0092】 実施例33.図37から図39はこの発明
の他の実施例によるジャイロトロン装置を示す構成図で
あり、図において、従来のものと同一の符号は同一また
は相当部分を示すので説明を省略する。本実施例では本
体側の枠112と電子銃1側の枠113が分離可能にな
っている。このようにすれば電子銃1と外部電源回路と
の電気的接続や、ジャイロトロン装置200の運搬が簡
単でありながら、実施例31と同様の効果を奏する。
【0093】 実施例34.図40はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。本実施例ではハイブリッド
型磁場発生装置で常時強力な磁場を発生している永久磁
石20が作る磁場の磁束密度が5ガウス以上の領域が枠
114内に存在するように設置される。この枠114は
実施例31、実施例32、実施例33で示した物より小
型で扱い易く、また、これを設置することによって磁束
密度5ガウス以上の領域を囲むことができるので安全で
ある。
【0094】 実施例35.図41はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。115は枠110の外側面
に設置された緩衝材である。緩衝材として、例えばウレ
タン、スポンジ、発泡スチロール、フェルト、グラスウ
ール、スタイロフォーム、エアーキャップ、紙、木材な
どを利用できる。なお、この緩衝材115は5ガウス以
上の領域を囲むどのような枠に設置されてもよい。この
ようにすれば、工具等が磁場に吸い寄せられ、衝突する
ようなことがあっても損傷を防ぐことができ、安全であ
る。
【0095】 実施例36.図42はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。71はホール素子等よりな
る磁束密度の検出手段であり、永久磁石23の温度変化
による発生磁場の変動を検出する。30は主磁場微調整
電磁石、31は電子銃磁場微調整電磁石で、永久磁石が
空胴共振器付近や電子銃付近に発生している磁場の温度
変化による変動を補正する電磁石である。
【0096】 一般に永久磁石は温度変化によって発生し
ている磁束密度が変化する。この温度による磁束密度の
変化を決める残留磁束密度温度係数は、ネオジム系磁石
では−0.1%/℃程度であるが、サマリウム系では−
0.03%/℃となる。既に記したように、2倍高調波
発振で周波数28GHzの発振を起こさせるためには、
空胴共振器6の中央部において約5.2kGの磁束密度
が必要であるから、永久磁石温度の1℃上昇につき約
5.2Gの磁束密度が減少し、逆に1℃下降につき約
5.2Gの磁束密度が増加する。したがって、±20℃
程度の温度変化による磁束密度の変動は±104G程度
となるが、この程度の変動は、図42に示すように、1
つあるいは複数個の磁場微調整電磁石と小型の励磁電源
を用いて十分に補正可能である。
【0097】 本実施例では、永久磁石23の温度変化に
よる発生磁場の変動を補正する電磁石として、実施例1
から実施例22までに記載した磁場微調整電磁石を用い
ているが、実施例23の説明に用いた磁場補正用電磁石
60を独立に設置してもよい。また、図42ではホール
素子71は主磁場微調整電磁石30や電子銃磁場微調整
電磁石31とジャイロトロン100との間に置かれてい
るが、永久磁石23の温度変化による発生磁場の変動
は、磁場が発生している所ならば別の場所でも検出でき
る。したがって、ホール素子71を設置する位置は、必
ずしも図42に示されている場所でなくてもよい。
【0098】 以上の構成によって、ジャイロトロン装置
200が置かれている周囲環境が変化して、永久磁石2
3の温度変化による発生磁場の変動があっても、ジャイ
ロトロンの効率良い運転や高周波出力の制御が可能にな
る。
【0099】 実施例37.図43(a)はこの発明の他
の実施例によるジャイロトロン装置を示す構成図であ
り、図43(b)は筒型磁場発生装置が発生している中
心軸上での軸方向磁場分布の概略図であり、図におい
て、従来のものと同一の符号は同一または相当部分を示
し説明を省略する。25は永久磁石を用いた筒型磁場発
生装置である。永久磁石を用いて軸方向磁場を発生させ
る方法として、例えばこの図に示されているように、磁
化方向が略々径方向の筒状永久磁石25a〜25hを軸
方向に複数個配置する方法が考えられる。磁化方向が略
々径方向の筒状永久磁石25a〜25hは、それぞれ、
例えば複数の台形状の磁石切片を各々径方向に磁化した
後、ドーナツ状に組み合わせて、外部及び内部が多角形
の筒状永久磁石25a〜25hを構成している。上記の
磁石切片は扇型の磁石切片でもよく、その場合は各々径
方向に磁化した後、ドーナツ状に組み合わせると内部、
外部が円形の筒状永久磁石となる。さらに磁化方向が略
々径方向の筒状永久磁石であるならば、これを構成する
磁石切片は他の形状のものでもよい。このような実施例
にあっては、筒型磁場発生装置25の内側空間において
軸方向磁場の向きが反転している部分(本図ではz=z
1 、z=z2 を境として軸方向磁場が反転している)が
存在する。
【0100】 ジャイロトロン100の電子銃1における
カソード2上の電子放出部3から引き出される中空状の
電子ビーム9の速度は、電子放出部3の面上における電
場と磁場で決まり、その後、電子ビーム9は図43
(a)に示されているように螺旋運動をしながら、磁場
に対して垂直方向の速度を増しつつ、空胴共振器6に向
かって進行する。このように電子放出部3から引き出さ
れた直後の電子の速度成分等は電子放出部3付近の電場
や磁場によって決まるため、電子放出部3が図43
(b)で、z=z1 の位置よりも左側に存在していても
電子銃1として動作する。
【0101】 しかし、このような配置では、電子が軸方
向に進行するとともに軸方向磁場が弱くなるため、螺旋
運動の旋回半径が次第に大きくなり、中空状の電子ビー
ム9の半径も大きくなって、図43(a)のアノード1
4の壁に衝突したり、無秩序な運動となって空胴共振器
6まで届かない。したがって、ジャイロトロン100が
正常に発振しないという問題点がある。このような問題
点は、ジャイロトロン装置200の磁場発生装置とし
て、磁化方向が略々径方向の筒状永久磁石25a〜25
hを軸方向に複数個配置することによって構成した筒型
磁場発生装置25を用いて軸方向の磁場を発生させる場
合に生じる特有の問題点である。
【0102】 この問題点を解消するためには、電子放出
部3を図43(b)でz=z1 の位置よりも右側に配置
しておけばよい。このようにしておけば、電子放出部3
から引き出された電子ビーム9は、空胴共振器6に向か
って次第に強くなる軸方向磁場によって、電子の螺旋運
動の旋回半径を小さくしながら、また中空状の電子ビー
ム9の半径を小さくしつつ空胴共振器6に入射し、正常
な発振動作を行う。
【0103】 一方、図49に示されている従来のジャイ
ロトロン装置200では、軸方向に磁場を発生する装置
としてソレノイド状の電磁石が用いられるため、ジャイ
ロトロン100を設置する内部空間、及びその延長線上
に軸方向の磁場の向きが反転している部分は存在しな
い。したがって、上記のような問題点は生じない。
【0104】 実施例38.図44はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。実施例37では図43
(a)に示すように、永久磁石を用いた筒型磁場発生装
置25は、ジャイロトロン100の電子銃1側の筒状永
久磁石25a〜25dはS極が内側を向き、コレクタ7
側の筒状永久磁石25e〜25hはN極が内側を向いて
いたが、これは逆であってもよい。即ち、図44に示す
ように電子銃1側の筒状永久磁石26a〜26dはN極
が内側を向き、コレクタ7側の筒状永久磁石26e〜2
6hはS極が内側を向いていても軸方向磁場の向きが反
転する部分は存在し、実施例37で述べたことと同様の
ことが言える。
【0105】 実施例39.図45はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。実施例37や実施例38で
は、永久磁石を用いた筒型磁場発生装置25,26は、
すべての永久磁石の磁化方向が略々径方向の筒状永久磁
石25a〜25h,26a〜26hで構成されている
が、図43(b)に示されているような空胴共振器部6
に軸方向磁場が平坦な分布を発生させる方法として、図
45に示すように、空胴共振器6付近に、磁化方向が略
々軸方向の筒状永久磁石27iを配置してもよい。この
場合でも電子銃付近に配置された筒状永久磁石の磁化方
向は略々径方向であるので、中心軸上での磁束密度分布
は図43(b)のようになり、実施例37で述べたこと
と同様のことが言える。
【0106】 実施例40.図46はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。28は軸方向磁場を発生さ
せるための永久磁石を用いた筒型磁場発生装置、28a
〜28hは磁化方向が略々径方向の筒状永久磁石で、各
々の筒状永久磁石のN極からS極に向かって引かれてい
る矢印を付した線は、磁力線を概略的に示したものであ
る。この筒型磁場発生装置28は、実施例37で記した
ものと同様の構造であるため、軸方向の磁束密度分布は
図43(b)に示したように、軸方向磁場の向きが反転
している部分をもつ分布となっており、図中のz=z1
の位置は図46の筒状永久磁石28aのS極と記した付
近に存在することが磁力線の様子からわかる。同様に、
z=z2 の位置は、図46の筒状永久磁石28hのN極
と記した付近に存在することがわかる。
【0107】 ジャイロトロン100の電子銃1における
カソード2とアノード14との間には数10kV程度の
電圧がかかるため、これらの間は絶縁体13を介して接
続されている。この絶縁体13にはアルミナ等のセラミ
ック材料が使用され、その両端には金属と接合するため
の接合部品がろう接合されている。この接合部品には一
般的にコバールが使用され、さらにコバールと金属は、
主として溶接によって接合される。しかし、コバールは
磁性体材料であるため、永久磁石が発生する磁場分布を
乱し、カソード2の電子放出部3から引き出される電子
ビーム9の特性に重大な影響を与え、ジャイロトロン1
00の発振に悪影響を及ぼす恐れがある。この影響は図
43(a)の電子銃磁場微調整電磁石31を用いても補
正できない場合がある。(図46では電子銃磁場微調整
電磁石31が省略されている。)
【0108】 この問題を解決するために、本実施例では
コバールは軸方向磁場が反転する位置よりも左側に位置
するようにし、電子が引き出される電子放出部3での軸
方向磁場の向きとは逆方向の向きの軸方向磁場がかかる
ように配置している。このようにするとコバールの電子
放出部3付近の磁場分布に与える影響は軽減され、ジャ
イロトロン100を効率よく発振させることができる。
なお、図45では空胴共振器6付近の主磁場微調整電磁
石を省略しているが必要ならばあってもよい。また、永
久磁石を用いた筒型磁場発生装置は図44や図45に示
されたものでもよく、その場合でも上記のコバールが、
軸方向磁場が反転している位置に対して電子放出部3と
は反対の位置に存在するように配置すればよい。さら
に、コバール以外の接合部品を使用する場合でも、磁性
体材料を使用する場合は同様の配置とすれば同等の効果
が得られることは言うまでもない。
【0109】 実施例41.図47はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。ジャイロトロン装置200
では、ジャイロトロン100に安定な発振を行わせるた
めに、ジャイロトロン内部を高真空に保つ必要がある。
そのためには、電子ビーム9をコレクタ7に当てること
によってコレクタ材料からの脱ガスを行うエージングを
十分に行うことが必要である。エージングを効果的に行
うためには、電子ビーム9がコレクタ7に当たる位置を
大きな範囲で振り、脱ガスを十分に行うことが有効であ
る。磁場発生装置として永久磁石を用いたジャイロトロ
ン装置200では、電子銃磁場微調整電磁石31や主磁
場微調整電磁石30を用いて、電子ビーム9がコレクタ
7に当たる位置を振ることはある程度可能であるが、コ
レクタ7の大きな領域にわたって電子ビーム9を移動さ
せることは困難である。
【0110】 しかし図47に示すように、ジャイロトロ
ン100のコレクタ付近にコレクタ磁場発生用電磁石6
5を設置することによって、コレクタ7において電子ビ
ーム9をより大きな範囲で移動させることができるよう
になり、エージングを短時間に効果的に行うことができ
る。さらに、電磁石を構成するコイルの巻数、巻き方、
励磁電流を適当に選ぶことによって電子ビーム9がコレ
クタに当たる面積も大きくすることもできるため、コレ
クタへの単位面積当たりの熱入力を低減し、信頼性の高
いジャイロトロン装置とすることができる。
【0111】 実施例42.図48はこの発明の他の実施
例によるジャイロトロン装置を示す構成図であり、図に
おいて、従来のものと同一の符号は同一または相当部分
を示すので説明を省略する。コレクタ磁場発生用電磁石
66,67は図48に示すように、2個あるいはそれ以
上のコイルから構成してもよい。このような構成により
上記の電磁石が発生する軸方向磁場分布の自由度が増え
るため、さらにエージングを効果的に行ったり、また電
子ビーム9によるコレクタ7への熱入力をより低減する
ことが可能になる。
【0112】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、ジャイロトロン装置における磁場発生装置を永久磁
石と電磁石とで構成し、ジャイロトロンの空胴共振器に
おける磁束密度の軸方向の分布を調整するように主磁場
微調整電磁石を構成し、ジャイロトロンの出力を検出
し、この検出信号を主磁場微調整電磁石を励磁する電源
の制御回路にフィードバックし、電磁石に流れる電流を
調整して、電磁石が発生する磁場を調節できるように構
成したので、小型で操作性がよく、低コストで、かつラ
ンニングコストを安くすることができる、発振効率を上
げる、あるいは発振出力を調整することができる、ジャ
イロトロンの発振出力を自動的に最大出力、あるいは予
め設定した出力にできる効果がある。
【0113】 請求項2の発明によれば、ジャイロトロン
装置における磁場発生装置を永久磁 石と電磁石とで構成
し、電子銃のカソード上の電子放出部における磁束密度
の軸方向の分布を調整するように電子銃磁場微調整電磁
石を構成し、ジャイロトロンの出力を検出し、この検出
信号を電子銃磁場微調整電磁石を励磁する電源の制御回
路にフィードバックし、上記電磁石に流れる電流を調整
して、電磁石が発生する磁場を調節できるように構成し
たので、小型で操作性がよく、低コストで、かつランニ
ングコストを安くすることができる、発振効率を上げ
る、あるいは発振出力を調整することができる、また、
この電磁石により電子銃における磁場分布の乱れを補正
することができる、ジャイロトロンの発振出力を自動的
に最大出力、あるいは予め設定した出力にできる効果が
ある。
【0114】 請求項の発明によれば、ジャイロトロン
を構成する主要部分において、絶縁体と金属とを接合す
る主要材料に非磁性体材料を用いるように構成したの
で、信頼性を向上させることができる効果がある。
【0115】 請求項の発明によれば、電子銃を構成す
る部品の接合部の主要材料に非磁性体材料を用いるよう
に構成したので、信頼性を向上させることができる効果
がある。
【0116】 請求項の発明によれば、ジャイロトロン
を構成する部品の絶縁体に、非磁性金属部に直接接合で
きる絶縁体材料を用いるように構成したので、信頼性を
向上させることができる効果がある。
【0117】 請求項の発明によれば、永久磁石と電磁
石で構成された磁場発生装置に枠を設置し、かつ磁場発
生装置が発生する磁束密度の少なくとも5ガウス以上で
ある領域が、枠内に存在するように構成したので、磁場
発生装置から常時発生されている磁場による危険および
不都合を防止することができる効果がある。
【0118】 請求項の発明によれば、永久磁石と電磁
石で構成された磁場発生装置に枠を設置し、かつ磁場発
生装置を構成する永久磁石が発生する磁束密度の少なく
とも5ガウス以上である領域が、枠内に存在するように
構成したので、永久磁石から常時発生されている磁場に
よる危険および不都合を防止することができる効果があ
る。
【0119】 請求項の発明によれば、枠の外側面に緩
衝材を取り付けるように構成にしたので、磁場発生装置
から常時発生されている磁場による危険および不都合を
防止することができる効果がある。
【0120】 請求項の発明によれば、ジャイロトロン
の電子銃を構成する部品の絶縁体の両端にろう接合され
た磁性体材料部分が、上記の軸方向磁場の反転する位置
から見て、空胴共振器が存在する側とは反対側に位置す
るように構成したので、磁性体材料による電子放出部付
近の磁場分布に与える影響は軽減され、ジャイロトロン
を効率よく発振させることができる効果がある。
【0121】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例によるジャイロトロン装
置を示す構成図である。
【図2】 この発明の他の実施例によるジャイロトロン
装置を示す構成図である。
【図3】 この発明の他の実施例によるジャイロトロン
装置を示す構成図である。
【図4】 この発明の他の実施例によるジャイロトロン
装置を示す構成図である。
【図5】 この発明の他の実施例によるジャイロトロン
装置を示す構成図である。
【図6】 この発明の他の実施例によるジャイロトロン
装置を示す構成図である。
【図7】 この発明の他の実施例によるジャイロトロン
装置を示す構成図である。
【図8】 この発明の他の実施例によるジャイロトロン
装置を示す構成図である。
【図9】 この発明の他の実施例によるジャイロトロン
装置を示す構成図である。
【図10】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図11】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図12】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図13】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図14】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図15】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図16】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図17】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図18】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図19】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図20】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図21】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図22】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図23】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図24】 この発明の他の実施例による他のジャイロ
トロン装置を示す構成図である。
【図25】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す部分構成図である。
【図26】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す部分構成図である。
【図27】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す部分構成図である。
【図28】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す部分構成図である。
【図29】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す部分構成図である。
【図30】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す部分構成図である。
【図31】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す部分構成図である。
【図32】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す部分構成図である。
【図33】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す部分構成図である。
【図34】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図35】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図36】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図37】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図38】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図39】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図40】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図41】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図42】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図43】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図44】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図45】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図46】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図47】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図48】 この発明の他の実施例によるジャイロトロ
ン装置を示す構成図である。
【図49】 従来のジャイロトロン装置を示す構成図で
ある。
【符号の説明】
1 電子銃、2 カソード、3 電子放出部、6 空胴
共振器、7 コレクタ、8 出力窓、9 電子ビーム、
10 高周波、13,101〜104 絶縁体、21〜
23 永久磁石、30,32,33,35〜53,58
主磁場微調整電磁石、31,54〜57,59 電子
銃磁場微調整電磁石、81 出力検出器、90 励磁電
源、100 ジャイロトロン、110〜114 枠、1
15 緩衝材、200 ジャイロトロン装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−66535(JP,A) 特開 平1−276541(JP,A) 特開 昭64−35829(JP,A) 特開 昭61−7541(JP,A) 特開 昭60−37(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 23/10 - 23/54 H01J 25/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームを射出する電子銃と、射出電
    子に旋回運動を起こさせる軸方向磁場を発生する磁場発
    生装置と、旋回電子と固有モードで共振している高周波
    電磁場との間でサイクロトロン共鳴メーザ作用を起こさ
    せる空胴共振器と、この空胴共振器内を通過した電子ビ
    ームを回収するコレクタと、上記サイクロトロン共鳴メ
    ーザ作用により発生した高周波を外部に取り出す出力窓
    とを備えたジャイロトロン装置において、上記磁場発生
    装置を永久磁石と電磁石とで構成し、この磁場発生装置
    を構成する上記電磁石は、上記空胴共振器における磁束
    密度の軸方向の分布を調整する主磁場微調整電磁石を有
    し、上記出力窓からの出力を検出する出力検出器と、こ
    の検出信号を、上記主磁場微調整電磁石に電流を流す電
    源の制御回路にフィードバックし、上記出力が最大出力
    または予め設定した出力となるように、上記主磁場微調
    整電磁石に流れる電流を調節し、上記主磁場微調整電磁
    石が発生する磁場を調節するフィードバック手段とを備
    えたことを特徴とするジャイロトロン装置。
  2. 【請求項2】 電子ビームを射出する電子銃と、射出電
    子に旋回運動を起こさせる軸方向磁場を発生する磁場発
    生装置と、旋回電子と固有モードで共振している高周波
    電磁場との間でサイクロトロン共鳴メーザ作用を起こさ
    せる空胴共振器と、この空胴共振器内を通過した電子ビ
    ームを回収するコレクタと、上記サイクロトロン共鳴メ
    ーザ作用により発生した高周波を外部に取り出す出力窓
    とを備えたジャイロトロン装置において、上記磁場発生
    装置を永久磁石と電磁石とで構成し、この磁場発生装置
    を構成する上記電磁石は、上記電子銃のカソード上の電
    子放出部における磁束密度の軸方向の分布を調整する電
    子銃磁場微調整電磁石を有し、上記出力窓からの出力を
    検出する出力検出器と、この検出信号を上記電子銃磁場
    微調整電磁石に電流を流す電源の制御回路にフィードバ
    ックし、上記出力が最大出力または予め設定した出力と
    なるように、上記電子銃磁場微調整電磁石に流れる電流
    を調節し、上記電子銃磁場微調整電磁石が発生する磁場
    を調節するフィードバック手段とを備えたことを特徴と
    するジャイロトロン装置。
  3. 【請求項3】 上記電子銃、上記空胴共振器、上記コレ
    クタ、および上記出力窓からなるジャイロトロンを構成
    する主要部分において、絶縁体と金属とを接合する主要
    材料は全て非磁性体材料であることを特徴とする請求項
    1または請求項2記載のジャイロトロン装置。
  4. 【請求項4】 上記電子銃を構成する部品の接合部の主
    要材料は、全て非磁性体材料であることを特徴とする請
    求項1または請求項2記載のジャイロトロン装置。
  5. 【請求項5】 上記ジャイロトロンを構成する部品の絶
    縁体に、非磁性金属部に直接接合できる絶縁体材料を使
    用したことを特徴とする請求項3または請求項4記載の
    ジャイロトロン装置。
  6. 【請求項6】 上記磁場発生装置に枠が設置され、かつ
    上記磁場発生装置が発生する磁束密度の少なくとも5ガ
    ウス以上である領域が、上記枠内にのみ存在するように
    したことを特徴とする請求項1から請求項5のうち何れ
    か1項記載のジャイロトロン装置。
  7. 【請求項7】 上記磁場発生装置に枠が設置され、かつ
    上記磁場発生装置を構成する上記永久磁石の発生する磁
    束密度の少なくとも5ガウス以上である領域が、上記枠
    内にのみ存在するようにしたことを特徴とする請求項1
    から請求項5のうち何れか1項記載のジャイロトロン装
    置。
  8. 【請求項8】 上記枠の外側面に緩衝材が取り付けられ
    ていることを特徴とする請求項6または請求項7記載の
    ジャイロトロン装置。
  9. 【請求項9】 上記電子銃を構成する部品の絶縁体の両
    端にろう接合された磁性体材料部分が、上記の軸方向磁
    場が反転する位置から見て、上記空胴共振器の存在する
    側とは反対側に位置することを特徴とする請求項1また
    は請求項2記載のジャイロトロン装置
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