JP3444765B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
感光性樹脂組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子用保護
絶縁膜、液晶表示素子用配向膜、多層プリント基盤用絶
縁膜等の形成に有用な感光性樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、耐熱性感光材科として、例えぱ、
ポリアミック酸と重クロム酸塩とからなる材科(特公昭
49−17374号公報)、ポリアミック酸のカルボキ
シル基にエステル結合により感光基を導入したものから
なる材料(特開昭49−115541号公報、特開昭5
5−45746号公報)、ポリアミック酸と感光基を有
するアミン化合物からなる材料(特開昭54−1457
94号公報)、ポリアミック酸のカルボキシル基にシリ
ルエステル結合により感光基を導入したものからなる材
料(特開昭62−275129号公報)等が提案されて
いる。これらの材料は、ポリイミド樹脂前駆体を使用し
ており、所定の基材上に塗布した後に光を照射しパター
ン形成を行った後で、通常300℃を越える温度でイミ
ド化反応を進行させて耐熱性ポリイミド樹脂膜を得るも
のである。これらは、このような高温に耐えられない基
材上にポリイミド皮膜を形成するには適していない。 【0003】一方、すでにイミド化されたポリイミド樹
脂を基本骨格として有する感光性ボリイミドも提案され
ている。例えば、ネガ型として、ポリイミド骨格に光重
合可能な官能基を導入した例(特開昭60−7292
5、特開昭61−59334)、ポジ型としてフェノー
ル性水酸基を有するポリイミドにジアゾナフトキノンを
配合した例(特開平3−209478)があげられる。
これらの材料は皮膜形成後の高温処理を必要としない
が、いずれもパタトーン化され基材上に形成された皮膜
と基材との接着性が不十分であり、特にこれらの材料を
電子材料として適用する場合には、金属の腐食等の重大
な問題を引き起こす恐れがある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
の解決を目的としてなされたもので、パターン形成後、
250℃以下の低温でイミド化を行うことができ、得ら
れる皮膜が基材に対して良好な接着性を示すとともに金
属腐食の恐れがない高信頼性の感光性樹脂組成物を提供
する。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記の組成物が
光の照射に対して良好な感度を有し容易にパターンの形
成が行え、かつ、250℃以下の比較的低温の熱処理で
イミド化された皮膜を基材上に形成する事ができるこ
と、硬化により得られる皮膜は耐熱性、電気的特性、機
械的特性、基材への接着性に優れたポリイミド皮膜であ
ることを見出した。即ち、本発明は、(A)一般式
(1): 【0006】 【化6】 〔式中、Xは、式(2−1)、(2−2)、(2−3)
及び(2−4): 【0007】 【化7】 で表される基から選ばれ、Yは、下記式(3)で示され
るメタクリロキシ基を含有する二価の芳香族基30〜1
00モル%と下記式(4)で示される二価の芳香族基7
0〜0モル%とよりなり、 【0008】 【化8】 【0009】(式(3)において、Rは式(5): -NH-CH2CH2OCO-CH(CH3)=CH2 (5) で示されるメタクリロイル基含有基及び水酸基より選ぱ
れる基であり、かつRのうち50モル%以上は、式
(5)で示される基からなる。式(4)において、Bは
式(6−1)、(6−2)及び(6−3): 【0010】 【化9】 で表される基より選ばれる。) Zは、式(7): 【0011】 【化10】 【0012】(式中bは、5〜80の整数である。)で
示される二価のシロキサン含有基であり、m及びnは整
数であって、m/(m+n)は0.70〜0.98の範
囲である。〕で表される構造を有し、平均分子量500
0〜150000のポリイミド樹脂100重量部、及び
(B)光重合開始剤0.0l重量部〜20重量部を含有
してなる感光性樹脂組成物を提供するものである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の組成物を詳細に説
明する。(A)ポリイミド樹脂 (A)成分として用いられるポリイミド樹脂を表わす一
般式(1)において、Xで表される4価の基は式(2−
1)〜(2−4)のいずれでもよく、二種以上が混在し
ていてもよい。Yで表される二価の基において、式
(3)のメタクリロイル基含有基は必須であり、Y中の
30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%を
占める。式(3)の基が100モル%未満のとき、残余
の基は式(4)の基である。式(3)の基が30モル%
未満では、露光部が十分な光硬化性を示さず、良好なパ
ターンが得られない。 【0014】式(3)の基においてRは前記式(5)の
メタクリロイル基含有基か水酸基であり、ただし式
(5)の基が50モル%以上、好ましくは、80〜10
0モル%である。 【0015】Bで表される基は式(6−1)〜(6−
3)で表される基から選ばれ、1種単独でも二種以上が
混在してもよい。好ましくは、式(6−2)の基であ
る。Zで表される基は式(7)のシロキサン含有基であ
り、式(7)においてbは5〜80、好ましくは、8〜
75の整数である。bが5未満では、樹脂皮膜の弾性率
が高いため、半導体素子などの電子部品等の保護用皮膜
としては適用し難く、80を超えるとシロキサン成分が
系に不溶となって重合反応が進行しない。 【0016】一般式(1)において、Yを含む構造単位
の数(m)とZを含む構造単位の数(n)との割合は両
単位の合計においてmが70〜98モル%、nが2〜3
0モル%である。好ましくは、mが80〜98モル%、
nが20〜2モル%である。mが70モル%未満では、
樹脂皮膜の強度が低下し、保護用皮膜としては不適当で
あり、98モル%を超えると基材に対する接着性に劣
る。なお、通常mは1〜500(好ましくは3〜30
0)の整数であり、nは1〜200(好ましくは1〜1
00)の整数である。このポリイミド樹脂は、例えば、
次のようにして製造することができる。 一般式(8): 【0017】 【化11】 〔式中、Xは前記の通り〕 【0018】で表される酸無水物と、一般式(9): H2N−Y’−NH2 (9) 〔式中、Y’は、式(10): 【0019】 【化12】 【0020】で表されるカルボキシル基を有する二価の
芳香族基及び式(4)で表される二価の芳香族基から選
ばれる。〕で表される芳香族ジアミン化合物及び一般式
(11): H2N−Z−NH2 (11) 〔式中、Zは前記の通り〕で表されるシロキサンジアミ
ン化合物とをもちいて定法によりポリイミドを合成す
る。 【0021】この合成は常説に従えばよいが、反応溶媒
としては後述する本願ポリイミド樹脂の溶液組成物に使
用するものと同様の有機溶剤、特に、N−メチル−2ピ
ロリドン、シクロヘキサノン等を好適に使用し得る。反
応は、室温下(例えば0〜40℃)にて溶媒中に酸無水
物とジアミンとを溶解後反応させてポリアミック酸とし
た後、この反応溶液にトルエン、キシレン等の脱水溶剤
を加えて、130〜200℃程度に加熱して脱水縮合を
行いポリイミド化する。これを冷却してポリイミド樹脂
を得る。こうして得られたポリイミド樹脂は、式(1
2): 【0022】 【化13】 〔式中、X、Y’、Z、m及びnは前記の通り〕で表さ
れる構造を有する。 【0023】次に、式(12)のY’のカルボキシル基
にメタクリロイル基を導入することにより、一般式
(1)の樹脂を得る。このメタクリロイル基の導人方法
に制限はないが、例えば、イソシアナトエチルメタクリ
レートとメチレンビス(4−アミノ−3−ベンゾイック
アシッド)のカルボキシル基との反応によって導入され
る。この反応は、室温、無触媒で進行する。生成樹脂の
Rの50モル%以上が式(5)のメタクリロイル含有基
となるようにする。 【0024】上記の合成において、一般式(8)の酸無
水物としては、Xの異なる4種の化合物から選ばれる1
種又は2種以上を目的のポリイミドの構造が得られるよ
うに用いることができる。一般式(9)のジアミン化合
物は二価の基Yにおける一般式(3)の基と一般式
(4)の基との割合が所望値になるように使用される。
一般式(11)のシロキサン基含有ジアミン化合物は、
所望のm/(m+n)値が得られるように、他のジアミ
ン成分との使用比が調節される。 【0025】一般式(3)の基を形成するジアミン化合
物としては、例えば、メチレンビス(4−アミノ−3−
ベンゾイックアシッド)、メチレンビス(4−アミノ−
2−ベンゾイックアシッド)、メチレンビス(3−アミ
ノ−4−ベンゾイックアシッド)等が挙げられる。 【0026】式(4)の基を形成するジアミン化合物と
しては、例えば、1,4−ビス(3‐アミノフェノキ
シ)ベンゼン、l,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕パーフルオロプロパンがあ
げられるが、これらに限定されるものではない。好まし
くは、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパンである。 【0027】(B)光重合開始剤 光重合開始剤の具体例としては、以下のようなものが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。ベンゾ
フェノン、アセトフェノン、アントロン、フェナントレ
ン、ニトロフルオレン、二トロアセナフテン、p,p’
−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、 p,p’−
テトラエチルジアミノベンゾフェノン、クロロチオキサ
ントン、ベンズアントラキノン、2,6−ビス−(4‐
ジエチルアミノベンザル)‐シクロヘキサノン、2,6
−ビス−(4−ジエチルアミノベンザル)−4‐メチル
−シクロヘキサノン、4,4’−ビス−(ジエチルアミ
ノ)カルコン、2,4−ジエチルチオキサントン、N−
フェニル−ジエタノールアミン、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、クマリン化合物ベンジル、ベンゾイン
イソプロピルエーテル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシ
ル−フェニルケトン、2−メチル−〔4−(メチルチ
オ)フェニルコ−2−モルフオリノ−1−プロパン、1
−フェニル1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシ
カルボニル)オキシム,N−フェニルグリシン、3−フ
ェニル5−イソキサゾロン、カンフアーキノン、ビミダ
ゾール類これらは、単独であるいは、2種類以上を併用
することができる。(B)成分は、(A)成分の樹脂1
00重量部に対して0.0l重量部〜20重量部用いら
れ、好ましくは0.05〜5重量部である。 【0028】その他の成分 本発明の組成物の成分は通常有機溶剤に溶解され、溶液
状態(ポリイミド樹脂溶液組成物として)で基材に塗布
される。用いられる溶剤としては、ポリイミド前駆体を
合成するために用いられる溶剤が好適に用いられる。そ
の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチ
ルホスホルアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチル
エーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、
2−へプタノン、2−オクタノン、7−ブチロラクト
ン、ブチルセロソルブアセテート、トルエン、キシレ
ン、アニソール、メチルアニソール、エチルフェニルエ
ーテル等があげられ、これらの一種を単独で又は二種以
上を併用して用いることができる。また、溶剤の使用量
は、(A)成分のポリイミド樹脂と溶剤との合計量に対
して(A)成分のポリイミド樹脂が、5〜50重量%と
することが好ましい。 【0029】使用法・用途 本発明の組成物は通常上記の溶液状態で、スピンコー
ト、浸潰、印刷等公知の方法により基材(ないし基板)
に施される。基材としては、シリコンウエハー、金属
板、ガラス枚、セラミックス基板等がある。塗布後、乾
燥器あるいはホットプレート等の加熱手段を用い、30
〜180℃の温度で数分から数時間プリベークを行い、
塗膜中の溶剤を大部分除去することにより感光性樹脂組
成物の皮膜を得ることができる。この塗膜上にマスクを
置き、可視光線、紫外線等の光を数秒〜数分間照射し、
次いで、未露光部を現像液で溶解除去することにより、
レリーフパターンを得ることができる。また、このとき
に用いる現像液としては、上記のこの組成物の溶剤とし
て用いられる溶剤を一種単独で、あるいは、2種以上併
用して用いることができる。更に、現像により形成され
たレリーフパターンの樹脂は、すでにイミド化された樹
脂の形であるため、これを乾燥器、あるいは電気炉など
の加熱手段により150〜250℃、特に150〜20
0℃の温度で数十分〜数時間加熱することにより、残存
溶剤や、増感剤、重合開始剤を気散させるだけでパター
ン化されたポリイミド皮膜を形成することができる。 【0030】本発明の感光性樹脂組成物は、容易にパタ
ーン形成ができ、また、その加熱後に形成される樹脂皮
膜は、耐熱性、機械的特性、電気的特性に優れるため
に、電子部品用保護膜として好適に用いることができ
る。この電子部品用保護膜としては、例えば半導体装
置、具体的には、ダイオード、トランジスタ、IC、L
SIなどの半導体素子表面のジヤンクションコート膜、
パッシベーション膜、バッファーコート膜、LSI等の
α線遮蔽膜、多層配線の層間絶縁膜、その他にもプリン
トサーキットボードのコンフオーマルコート、液品表示
素子の配向膜、イオン注入マスク等があげられ、幅広い
範囲にわたり利用することができる。 【0031】 【実施例】以下に、実施例を示し、本発明を具体的に説
明するが、本発明は、下記の実施例に制限されるもので
はない。 〔合成例1〕攪拌機、温度計、窒素置換装置及びエステ
ルアダプターを具備したフラスコ内に2,2−ビス
(3,4−ベンゼンジカルボン酸アンヒドリド)パーフ
ルオロブロパン44.42g(0.100モル)、溶剤
としてシクロヘキサノン250gを仕込んだ。この溶液
を攪拌しながら次に滴下ロートから式(11)において
bが9.8であるシロキサン含有ジアミン27.00g
(0.030モル)を滴下し、さらに、続いてシクロヘ
キサノン100gに溶解したメチレンビス(4−アミノ
−3−ベンゾイックアシッド)20.02g(0.07
0モル)を滴下した。滴下終了後さらに10時間攪拌を
続けた。その後、反応溶液に50gのトルエンを加え、
系を150℃に加熱した。このときエステルアダプター
を通じて、3.5gの水を回収した。加熱終了後、室温
まで冷却し、目的とする下記式(13)で表される構造
の樹脂の溶液を得た。 【0032】この樹脂のIRスペクトルを観測したとこ
ろ、1780cm-1と1720cm-1とにイミド基に基
づく吸収が、また、3300cm-l付近にフェノール基
に由来する吸収が観測された。テトラヒドロフランを溶
媒とするゲルパーミュエイションクロマトグラフにてそ
の分子量を測定したところポリスチレン換算で重量平均
分子量が45,000であった。 【0033】 【化14】 X: 【0034】 【化15】 Y: 【0035】 【化16】 Z: 【0036】 【化17】 【0037】このようにして得られた樹脂溶液280g
をフラスコ中に仕込み、これにイソシアナトエチルメタ
クリレート8.65gを室温で滴下した。滴下中、溶液
の温度が上昇し、炭酸ガスの発生が観測された。滴下が
終了した後、さらに室温で4時間攪拌を行って、樹脂に
メタクリロイル基を導入し(−COOHの50モル%に
導入)、目的とする本発明の(A)成分に相当する樹脂
の溶液(a−1という)を得た。(樹脂固形分約24重
量%) 【0038】〔合成例2〕原料等として、テトラカルボ
ン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸無水物8.83g(0.030モル)
及び1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンジアンヒド
リド29.82g(0.070モル)、溶剤として、N
−メチル−2−ピロリドン250g、芳香族ジアミンと
して、メチレンビス(4−アミノ−3−ベンゾイックア
シッド)14.3g(0.050モル)、1,3−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン13.15g(0.
045モル)、及び式(11)においてbが75である
シロキサン含有ジアミン28.62g(0.005モ
ル)、溶剤として、N−メチル−2−ピロリドンll0
g(合計360g)、を用いた以外は、合成例1と同様
にして、平均分子量82,000の樹脂溶液を得た。こ
の樹脂溶液にイソシアナトエチルメタクリレート15.
5gを用いてメタクリロイル基を導入した(−COOH
に対し100モル%導入)。こうして、本発明の(A)
成分に相当する樹脂の溶液(a−2という)を得た。 【0039】〔合成例3〕原料等として、テトラカルボ
ン酸二無水物として、4,4’−オキシフタリックアン
ヒドリド15.51g(0.050モル)、及びl,3
−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−l,1,
3,3−テトラメチルジシロキサンジアンヒドリド2
1.30g(0.050モル)、溶剤として、シクロヘ
キサノン255g、芳香族ジアミンとして、メチレンビ
ス(4−アミノ−3ベンゾイックアシッド)11.44
g(0.040モル)、2,2‐ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン16.42g(0.
04モル)、並びに式(11)においてbが9.8であ
るシロキサン含有ジアミン16.20g(0.018モ
ル)、及び式(11)においてbが75であるシロキサ
ンジアミン11.45g(0.002モル)、溶剤とし
て、N−メチル−2−ピロリドン100gを用いた以外
は、合成例1と同様にして平均分子量23,000の樹
脂の溶液を得た。この樹脂にイソシアナトエチルメタク
リレート12.4gを用いてメタクリロイル基を導入し
た(−COOHに対し100モル%導入)。こうして得
られた本発明の(A)成分に相当する樹脂の溶液(a−
3という)を得た。 【0040】〔合成例4〕原料等として、酸無水物とし
て、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物32.23g(0.100モル)、溶剤とし
て、N−メチル−2−ピロリドン 250g、芳香族ジ
アミンとして、メチレンビス(4−アミノ−3−ベンゾ
イックアシッド)14.3g(0.050モル)、
4,4’−メチレンジアニリン 8.91g(0.04
5モル)及び式(11)においてbが75であるシロキ
サン含有ジアミン 28.62g(0.005モル)、
溶剤として、N−メチル−2−ピロリドン 110g
(合計360g)を用いた以外は、合成例1と同様にし
て平均分子量60,000のポリイミド樹脂溶液を得
た。この樹脂溶液にイソシアナトエチルメタクリレート
15.5gを用いてメタクリロイル基を導入した(−
COOHに対し100モル%導入)。こうして得られた
樹脂溶液を(a−4)という。 【0041】〔合成例5〕原料等として、酸無水物とし
て、2,2−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸アンヒ
ドリド)パーフルオロプロパン 44.42g(0.1
00モル)、溶剤として、シクロヘキサノン 250
g、式(11)においてbが98であるシロキサンジア
ミン27.00g(0.030モル)、メチレンビス
(4−アミノ−3−ベンゾイックアシッド) 20.0
2g(0.070モル)、及びシクロヘキサノン 10
0gを用いた以外は、実施例1と同様にして平均分子量
45,000のポリイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶
液に6.51gのイソシアナトエチルメタクリレートを
用いて、メタクリロイル基を導入した(−COOHに対
し30モル%)。こうして得られた樹脂溶液を(a−
5)という。 【0042】〔合成例6〕酸無水物として、2,2−ビ
ス(3,4−ベンゼンジカルボン酸アンヒドリド)パー
フルオロプロパン44.42g(0.100モル)、溶
剤として、シクロヘキサノン 250g、メチレンビス
(4−アミノ−3−ベンゾイックアシッド) 17.1
6g(0.060モル)、式(11)においてbが75
であるシロキサンジアミン 228.96g(0.04
0モル)、及びシクロヘキサノン 100gを用いて重
合を行った。しかし、黄白濁色の不均一な溶液が得られ
るのみで、均一に重合したポリイミド樹脂溶液は得られ
なかった。 【0043】〔実施例1〜6、比較例1〜2〕表1に示
すように、各例において合成例で得られたいずれかの樹
脂溶液100部に光重合開始剤を同表に示した量添加し
て組成物を調製した。得られた組成物をスピンコーター
を用いてシリコンウエハーに塗布し、ホットプレート上
で90℃/4分乾燥した。得られた塗膜にストライプパ
ターンを有するフオトマスクを密着させ、250Wの超
高圧水銀灯からの紫外線を60秒間照射した。次に、N
−メチル−2−ピロリドン/キシレン=50/50の溶
液で30秒間現像し、さらに、キシレンでリンスした。 【0044】得られたライン・アンド・スペース・パタ
ーンの形状及び得られた最小の線幅を観測することによ
って感光性を評価した。また、得られたパターンを乾燥
器中で150℃/0.5時間と200℃/1時間で硬化
し、その後、2気圧のプレッシャークッカー中に24時
間放置した後のウエハーとの密着性を碁盤目剥離試験
(JIS5400)により調べた。 【0045】結果を表1に示す。 【0046】 【表1】(注) α:4−ジエチルアミノ安息香酸エチル β:ジエチルアミノエチルメタクリレート γ:2,6−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)‐4
−メチルシクロヘキサノン δ:カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン) ε:N−フェニルグリシン ζ:3−フェニル5−イソキサゾロン η:2,2−ビス(o‐クロロフエニル)−4,5,
4’,5’−テトラフエニル−1,2’−ビイミダゾー
ル 【0047】表1の結果より明らかなように、実施例1
〜4の樹脂組成物の溶液は、比較的厚膜のフィルムにお
いても良好な感光性を有し、現像後、良好なパターンを
与え、さらに、低温での熱処理によってシリコンウエハ
ーに対して優れた接着性を有する皮膜を形成した。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の感光性樹
脂組成物は、その溶液は、保存安定性に優れ、良好な感
度を有しており、かつ、低温の熱処理によって容易にパ
ターン化された樹脂皮膜を与える。さらに、このパター
ン化された皮膜は、耐熱性、電気的、機械的特性、基材
に対する接着性に優れたポリイミド樹脂よりなり、電子
部品用保護膜として好適に利用することができる。
絶縁膜、液晶表示素子用配向膜、多層プリント基盤用絶
縁膜等の形成に有用な感光性樹脂組成物に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、耐熱性感光材科として、例えぱ、
ポリアミック酸と重クロム酸塩とからなる材科(特公昭
49−17374号公報)、ポリアミック酸のカルボキ
シル基にエステル結合により感光基を導入したものから
なる材料(特開昭49−115541号公報、特開昭5
5−45746号公報)、ポリアミック酸と感光基を有
するアミン化合物からなる材料(特開昭54−1457
94号公報)、ポリアミック酸のカルボキシル基にシリ
ルエステル結合により感光基を導入したものからなる材
料(特開昭62−275129号公報)等が提案されて
いる。これらの材料は、ポリイミド樹脂前駆体を使用し
ており、所定の基材上に塗布した後に光を照射しパター
ン形成を行った後で、通常300℃を越える温度でイミ
ド化反応を進行させて耐熱性ポリイミド樹脂膜を得るも
のである。これらは、このような高温に耐えられない基
材上にポリイミド皮膜を形成するには適していない。 【0003】一方、すでにイミド化されたポリイミド樹
脂を基本骨格として有する感光性ボリイミドも提案され
ている。例えば、ネガ型として、ポリイミド骨格に光重
合可能な官能基を導入した例(特開昭60−7292
5、特開昭61−59334)、ポジ型としてフェノー
ル性水酸基を有するポリイミドにジアゾナフトキノンを
配合した例(特開平3−209478)があげられる。
これらの材料は皮膜形成後の高温処理を必要としない
が、いずれもパタトーン化され基材上に形成された皮膜
と基材との接着性が不十分であり、特にこれらの材料を
電子材料として適用する場合には、金属の腐食等の重大
な問題を引き起こす恐れがある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
の解決を目的としてなされたもので、パターン形成後、
250℃以下の低温でイミド化を行うことができ、得ら
れる皮膜が基材に対して良好な接着性を示すとともに金
属腐食の恐れがない高信頼性の感光性樹脂組成物を提供
する。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を重ねた結果、下記の組成物が
光の照射に対して良好な感度を有し容易にパターンの形
成が行え、かつ、250℃以下の比較的低温の熱処理で
イミド化された皮膜を基材上に形成する事ができるこ
と、硬化により得られる皮膜は耐熱性、電気的特性、機
械的特性、基材への接着性に優れたポリイミド皮膜であ
ることを見出した。即ち、本発明は、(A)一般式
(1): 【0006】 【化6】 〔式中、Xは、式(2−1)、(2−2)、(2−3)
及び(2−4): 【0007】 【化7】 で表される基から選ばれ、Yは、下記式(3)で示され
るメタクリロキシ基を含有する二価の芳香族基30〜1
00モル%と下記式(4)で示される二価の芳香族基7
0〜0モル%とよりなり、 【0008】 【化8】 【0009】(式(3)において、Rは式(5): -NH-CH2CH2OCO-CH(CH3)=CH2 (5) で示されるメタクリロイル基含有基及び水酸基より選ぱ
れる基であり、かつRのうち50モル%以上は、式
(5)で示される基からなる。式(4)において、Bは
式(6−1)、(6−2)及び(6−3): 【0010】 【化9】 で表される基より選ばれる。) Zは、式(7): 【0011】 【化10】 【0012】(式中bは、5〜80の整数である。)で
示される二価のシロキサン含有基であり、m及びnは整
数であって、m/(m+n)は0.70〜0.98の範
囲である。〕で表される構造を有し、平均分子量500
0〜150000のポリイミド樹脂100重量部、及び
(B)光重合開始剤0.0l重量部〜20重量部を含有
してなる感光性樹脂組成物を提供するものである。 【0013】 【発明の実施の形態】以下、本発明の組成物を詳細に説
明する。(A)ポリイミド樹脂 (A)成分として用いられるポリイミド樹脂を表わす一
般式(1)において、Xで表される4価の基は式(2−
1)〜(2−4)のいずれでもよく、二種以上が混在し
ていてもよい。Yで表される二価の基において、式
(3)のメタクリロイル基含有基は必須であり、Y中の
30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%を
占める。式(3)の基が100モル%未満のとき、残余
の基は式(4)の基である。式(3)の基が30モル%
未満では、露光部が十分な光硬化性を示さず、良好なパ
ターンが得られない。 【0014】式(3)の基においてRは前記式(5)の
メタクリロイル基含有基か水酸基であり、ただし式
(5)の基が50モル%以上、好ましくは、80〜10
0モル%である。 【0015】Bで表される基は式(6−1)〜(6−
3)で表される基から選ばれ、1種単独でも二種以上が
混在してもよい。好ましくは、式(6−2)の基であ
る。Zで表される基は式(7)のシロキサン含有基であ
り、式(7)においてbは5〜80、好ましくは、8〜
75の整数である。bが5未満では、樹脂皮膜の弾性率
が高いため、半導体素子などの電子部品等の保護用皮膜
としては適用し難く、80を超えるとシロキサン成分が
系に不溶となって重合反応が進行しない。 【0016】一般式(1)において、Yを含む構造単位
の数(m)とZを含む構造単位の数(n)との割合は両
単位の合計においてmが70〜98モル%、nが2〜3
0モル%である。好ましくは、mが80〜98モル%、
nが20〜2モル%である。mが70モル%未満では、
樹脂皮膜の強度が低下し、保護用皮膜としては不適当で
あり、98モル%を超えると基材に対する接着性に劣
る。なお、通常mは1〜500(好ましくは3〜30
0)の整数であり、nは1〜200(好ましくは1〜1
00)の整数である。このポリイミド樹脂は、例えば、
次のようにして製造することができる。 一般式(8): 【0017】 【化11】 〔式中、Xは前記の通り〕 【0018】で表される酸無水物と、一般式(9): H2N−Y’−NH2 (9) 〔式中、Y’は、式(10): 【0019】 【化12】 【0020】で表されるカルボキシル基を有する二価の
芳香族基及び式(4)で表される二価の芳香族基から選
ばれる。〕で表される芳香族ジアミン化合物及び一般式
(11): H2N−Z−NH2 (11) 〔式中、Zは前記の通り〕で表されるシロキサンジアミ
ン化合物とをもちいて定法によりポリイミドを合成す
る。 【0021】この合成は常説に従えばよいが、反応溶媒
としては後述する本願ポリイミド樹脂の溶液組成物に使
用するものと同様の有機溶剤、特に、N−メチル−2ピ
ロリドン、シクロヘキサノン等を好適に使用し得る。反
応は、室温下(例えば0〜40℃)にて溶媒中に酸無水
物とジアミンとを溶解後反応させてポリアミック酸とし
た後、この反応溶液にトルエン、キシレン等の脱水溶剤
を加えて、130〜200℃程度に加熱して脱水縮合を
行いポリイミド化する。これを冷却してポリイミド樹脂
を得る。こうして得られたポリイミド樹脂は、式(1
2): 【0022】 【化13】 〔式中、X、Y’、Z、m及びnは前記の通り〕で表さ
れる構造を有する。 【0023】次に、式(12)のY’のカルボキシル基
にメタクリロイル基を導入することにより、一般式
(1)の樹脂を得る。このメタクリロイル基の導人方法
に制限はないが、例えば、イソシアナトエチルメタクリ
レートとメチレンビス(4−アミノ−3−ベンゾイック
アシッド)のカルボキシル基との反応によって導入され
る。この反応は、室温、無触媒で進行する。生成樹脂の
Rの50モル%以上が式(5)のメタクリロイル含有基
となるようにする。 【0024】上記の合成において、一般式(8)の酸無
水物としては、Xの異なる4種の化合物から選ばれる1
種又は2種以上を目的のポリイミドの構造が得られるよ
うに用いることができる。一般式(9)のジアミン化合
物は二価の基Yにおける一般式(3)の基と一般式
(4)の基との割合が所望値になるように使用される。
一般式(11)のシロキサン基含有ジアミン化合物は、
所望のm/(m+n)値が得られるように、他のジアミ
ン成分との使用比が調節される。 【0025】一般式(3)の基を形成するジアミン化合
物としては、例えば、メチレンビス(4−アミノ−3−
ベンゾイックアシッド)、メチレンビス(4−アミノ−
2−ベンゾイックアシッド)、メチレンビス(3−アミ
ノ−4−ベンゾイックアシッド)等が挙げられる。 【0026】式(4)の基を形成するジアミン化合物と
しては、例えば、1,4−ビス(3‐アミノフェノキ
シ)ベンゼン、l,4−ビス(4−アミノフェノキシ)
ベンゼン、2,2−ビス〔4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(4−ア
ミノフェノキシ)フェニル〕パーフルオロプロパンがあ
げられるが、これらに限定されるものではない。好まし
くは、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フ
ェニル]プロパンである。 【0027】(B)光重合開始剤 光重合開始剤の具体例としては、以下のようなものが挙
げられるが、これらに限定されるものではない。ベンゾ
フェノン、アセトフェノン、アントロン、フェナントレ
ン、ニトロフルオレン、二トロアセナフテン、p,p’
−テトラメチルジアミノベンゾフェノン、 p,p’−
テトラエチルジアミノベンゾフェノン、クロロチオキサ
ントン、ベンズアントラキノン、2,6−ビス−(4‐
ジエチルアミノベンザル)‐シクロヘキサノン、2,6
−ビス−(4−ジエチルアミノベンザル)−4‐メチル
−シクロヘキサノン、4,4’−ビス−(ジエチルアミ
ノ)カルコン、2,4−ジエチルチオキサントン、N−
フェニル−ジエタノールアミン、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、クマリン化合物ベンジル、ベンゾイン
イソプロピルエーテル、1−ヒドロキシ−シクロヘキシ
ル−フェニルケトン、2−メチル−〔4−(メチルチ
オ)フェニルコ−2−モルフオリノ−1−プロパン、1
−フェニル1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシ
カルボニル)オキシム,N−フェニルグリシン、3−フ
ェニル5−イソキサゾロン、カンフアーキノン、ビミダ
ゾール類これらは、単独であるいは、2種類以上を併用
することができる。(B)成分は、(A)成分の樹脂1
00重量部に対して0.0l重量部〜20重量部用いら
れ、好ましくは0.05〜5重量部である。 【0028】その他の成分 本発明の組成物の成分は通常有機溶剤に溶解され、溶液
状態(ポリイミド樹脂溶液組成物として)で基材に塗布
される。用いられる溶剤としては、ポリイミド前駆体を
合成するために用いられる溶剤が好適に用いられる。そ
の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、ジメ
チルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ヘキサメチ
ルホスホルアミド、テトラヒドロフラン、1,4−ジオ
キサン、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチル
エーテル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、
2−へプタノン、2−オクタノン、7−ブチロラクト
ン、ブチルセロソルブアセテート、トルエン、キシレ
ン、アニソール、メチルアニソール、エチルフェニルエ
ーテル等があげられ、これらの一種を単独で又は二種以
上を併用して用いることができる。また、溶剤の使用量
は、(A)成分のポリイミド樹脂と溶剤との合計量に対
して(A)成分のポリイミド樹脂が、5〜50重量%と
することが好ましい。 【0029】使用法・用途 本発明の組成物は通常上記の溶液状態で、スピンコー
ト、浸潰、印刷等公知の方法により基材(ないし基板)
に施される。基材としては、シリコンウエハー、金属
板、ガラス枚、セラミックス基板等がある。塗布後、乾
燥器あるいはホットプレート等の加熱手段を用い、30
〜180℃の温度で数分から数時間プリベークを行い、
塗膜中の溶剤を大部分除去することにより感光性樹脂組
成物の皮膜を得ることができる。この塗膜上にマスクを
置き、可視光線、紫外線等の光を数秒〜数分間照射し、
次いで、未露光部を現像液で溶解除去することにより、
レリーフパターンを得ることができる。また、このとき
に用いる現像液としては、上記のこの組成物の溶剤とし
て用いられる溶剤を一種単独で、あるいは、2種以上併
用して用いることができる。更に、現像により形成され
たレリーフパターンの樹脂は、すでにイミド化された樹
脂の形であるため、これを乾燥器、あるいは電気炉など
の加熱手段により150〜250℃、特に150〜20
0℃の温度で数十分〜数時間加熱することにより、残存
溶剤や、増感剤、重合開始剤を気散させるだけでパター
ン化されたポリイミド皮膜を形成することができる。 【0030】本発明の感光性樹脂組成物は、容易にパタ
ーン形成ができ、また、その加熱後に形成される樹脂皮
膜は、耐熱性、機械的特性、電気的特性に優れるため
に、電子部品用保護膜として好適に用いることができ
る。この電子部品用保護膜としては、例えば半導体装
置、具体的には、ダイオード、トランジスタ、IC、L
SIなどの半導体素子表面のジヤンクションコート膜、
パッシベーション膜、バッファーコート膜、LSI等の
α線遮蔽膜、多層配線の層間絶縁膜、その他にもプリン
トサーキットボードのコンフオーマルコート、液品表示
素子の配向膜、イオン注入マスク等があげられ、幅広い
範囲にわたり利用することができる。 【0031】 【実施例】以下に、実施例を示し、本発明を具体的に説
明するが、本発明は、下記の実施例に制限されるもので
はない。 〔合成例1〕攪拌機、温度計、窒素置換装置及びエステ
ルアダプターを具備したフラスコ内に2,2−ビス
(3,4−ベンゼンジカルボン酸アンヒドリド)パーフ
ルオロブロパン44.42g(0.100モル)、溶剤
としてシクロヘキサノン250gを仕込んだ。この溶液
を攪拌しながら次に滴下ロートから式(11)において
bが9.8であるシロキサン含有ジアミン27.00g
(0.030モル)を滴下し、さらに、続いてシクロヘ
キサノン100gに溶解したメチレンビス(4−アミノ
−3−ベンゾイックアシッド)20.02g(0.07
0モル)を滴下した。滴下終了後さらに10時間攪拌を
続けた。その後、反応溶液に50gのトルエンを加え、
系を150℃に加熱した。このときエステルアダプター
を通じて、3.5gの水を回収した。加熱終了後、室温
まで冷却し、目的とする下記式(13)で表される構造
の樹脂の溶液を得た。 【0032】この樹脂のIRスペクトルを観測したとこ
ろ、1780cm-1と1720cm-1とにイミド基に基
づく吸収が、また、3300cm-l付近にフェノール基
に由来する吸収が観測された。テトラヒドロフランを溶
媒とするゲルパーミュエイションクロマトグラフにてそ
の分子量を測定したところポリスチレン換算で重量平均
分子量が45,000であった。 【0033】 【化14】 X: 【0034】 【化15】 Y: 【0035】 【化16】 Z: 【0036】 【化17】 【0037】このようにして得られた樹脂溶液280g
をフラスコ中に仕込み、これにイソシアナトエチルメタ
クリレート8.65gを室温で滴下した。滴下中、溶液
の温度が上昇し、炭酸ガスの発生が観測された。滴下が
終了した後、さらに室温で4時間攪拌を行って、樹脂に
メタクリロイル基を導入し(−COOHの50モル%に
導入)、目的とする本発明の(A)成分に相当する樹脂
の溶液(a−1という)を得た。(樹脂固形分約24重
量%) 【0038】〔合成例2〕原料等として、テトラカルボ
ン酸二無水物として、3,3’,4,4’−ビフェニル
テトラカルボン酸無水物8.83g(0.030モル)
及び1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−
1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンジアンヒド
リド29.82g(0.070モル)、溶剤として、N
−メチル−2−ピロリドン250g、芳香族ジアミンと
して、メチレンビス(4−アミノ−3−ベンゾイックア
シッド)14.3g(0.050モル)、1,3−ビス
(3−アミノフェノキシ)ベンゼン13.15g(0.
045モル)、及び式(11)においてbが75である
シロキサン含有ジアミン28.62g(0.005モ
ル)、溶剤として、N−メチル−2−ピロリドンll0
g(合計360g)、を用いた以外は、合成例1と同様
にして、平均分子量82,000の樹脂溶液を得た。こ
の樹脂溶液にイソシアナトエチルメタクリレート15.
5gを用いてメタクリロイル基を導入した(−COOH
に対し100モル%導入)。こうして、本発明の(A)
成分に相当する樹脂の溶液(a−2という)を得た。 【0039】〔合成例3〕原料等として、テトラカルボ
ン酸二無水物として、4,4’−オキシフタリックアン
ヒドリド15.51g(0.050モル)、及びl,3
−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−l,1,
3,3−テトラメチルジシロキサンジアンヒドリド2
1.30g(0.050モル)、溶剤として、シクロヘ
キサノン255g、芳香族ジアミンとして、メチレンビ
ス(4−アミノ−3ベンゾイックアシッド)11.44
g(0.040モル)、2,2‐ビス〔4−(4−アミ
ノフェノキシ)フェニル〕プロパン16.42g(0.
04モル)、並びに式(11)においてbが9.8であ
るシロキサン含有ジアミン16.20g(0.018モ
ル)、及び式(11)においてbが75であるシロキサ
ンジアミン11.45g(0.002モル)、溶剤とし
て、N−メチル−2−ピロリドン100gを用いた以外
は、合成例1と同様にして平均分子量23,000の樹
脂の溶液を得た。この樹脂にイソシアナトエチルメタク
リレート12.4gを用いてメタクリロイル基を導入し
た(−COOHに対し100モル%導入)。こうして得
られた本発明の(A)成分に相当する樹脂の溶液(a−
3という)を得た。 【0040】〔合成例4〕原料等として、酸無水物とし
て、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸二無水物32.23g(0.100モル)、溶剤とし
て、N−メチル−2−ピロリドン 250g、芳香族ジ
アミンとして、メチレンビス(4−アミノ−3−ベンゾ
イックアシッド)14.3g(0.050モル)、
4,4’−メチレンジアニリン 8.91g(0.04
5モル)及び式(11)においてbが75であるシロキ
サン含有ジアミン 28.62g(0.005モル)、
溶剤として、N−メチル−2−ピロリドン 110g
(合計360g)を用いた以外は、合成例1と同様にし
て平均分子量60,000のポリイミド樹脂溶液を得
た。この樹脂溶液にイソシアナトエチルメタクリレート
15.5gを用いてメタクリロイル基を導入した(−
COOHに対し100モル%導入)。こうして得られた
樹脂溶液を(a−4)という。 【0041】〔合成例5〕原料等として、酸無水物とし
て、2,2−ビス(3,4−ベンゼンジカルボン酸アンヒ
ドリド)パーフルオロプロパン 44.42g(0.1
00モル)、溶剤として、シクロヘキサノン 250
g、式(11)においてbが98であるシロキサンジア
ミン27.00g(0.030モル)、メチレンビス
(4−アミノ−3−ベンゾイックアシッド) 20.0
2g(0.070モル)、及びシクロヘキサノン 10
0gを用いた以外は、実施例1と同様にして平均分子量
45,000のポリイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶
液に6.51gのイソシアナトエチルメタクリレートを
用いて、メタクリロイル基を導入した(−COOHに対
し30モル%)。こうして得られた樹脂溶液を(a−
5)という。 【0042】〔合成例6〕酸無水物として、2,2−ビ
ス(3,4−ベンゼンジカルボン酸アンヒドリド)パー
フルオロプロパン44.42g(0.100モル)、溶
剤として、シクロヘキサノン 250g、メチレンビス
(4−アミノ−3−ベンゾイックアシッド) 17.1
6g(0.060モル)、式(11)においてbが75
であるシロキサンジアミン 228.96g(0.04
0モル)、及びシクロヘキサノン 100gを用いて重
合を行った。しかし、黄白濁色の不均一な溶液が得られ
るのみで、均一に重合したポリイミド樹脂溶液は得られ
なかった。 【0043】〔実施例1〜6、比較例1〜2〕表1に示
すように、各例において合成例で得られたいずれかの樹
脂溶液100部に光重合開始剤を同表に示した量添加し
て組成物を調製した。得られた組成物をスピンコーター
を用いてシリコンウエハーに塗布し、ホットプレート上
で90℃/4分乾燥した。得られた塗膜にストライプパ
ターンを有するフオトマスクを密着させ、250Wの超
高圧水銀灯からの紫外線を60秒間照射した。次に、N
−メチル−2−ピロリドン/キシレン=50/50の溶
液で30秒間現像し、さらに、キシレンでリンスした。 【0044】得られたライン・アンド・スペース・パタ
ーンの形状及び得られた最小の線幅を観測することによ
って感光性を評価した。また、得られたパターンを乾燥
器中で150℃/0.5時間と200℃/1時間で硬化
し、その後、2気圧のプレッシャークッカー中に24時
間放置した後のウエハーとの密着性を碁盤目剥離試験
(JIS5400)により調べた。 【0045】結果を表1に示す。 【0046】 【表1】(注) α:4−ジエチルアミノ安息香酸エチル β:ジエチルアミノエチルメタクリレート γ:2,6−ビス(4−ジエチルアミノベンザル)‐4
−メチルシクロヘキサノン δ:カルボニルビス(ジエチルアミノクマリン) ε:N−フェニルグリシン ζ:3−フェニル5−イソキサゾロン η:2,2−ビス(o‐クロロフエニル)−4,5,
4’,5’−テトラフエニル−1,2’−ビイミダゾー
ル 【0047】表1の結果より明らかなように、実施例1
〜4の樹脂組成物の溶液は、比較的厚膜のフィルムにお
いても良好な感光性を有し、現像後、良好なパターンを
与え、さらに、低温での熱処理によってシリコンウエハ
ーに対して優れた接着性を有する皮膜を形成した。 【0048】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の感光性樹
脂組成物は、その溶液は、保存安定性に優れ、良好な感
度を有しており、かつ、低温の熱処理によって容易にパ
ターン化された樹脂皮膜を与える。さらに、このパター
ン化された皮膜は、耐熱性、電気的、機械的特性、基材
に対する接着性に優れたポリイミド樹脂よりなり、電子
部品用保護膜として好適に利用することができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 昭60−100143(JP,A)
特開 平1−283554(JP,A)
特開 平5−247211(JP,A)
特開 平8−272098(JP,A)
特開 平9−100350(JP,A)
特開 平10−265571(JP,A)
特開 平10−274850(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08G 73/00 - 73/26
G03F 7/00 - 7/42
C08L 79/00 - 79/08
CAPLUS(STN)
REGISTRY(STN)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】(A)一般式(1): 【化1】 〔式中、Xは、式(2−1)、(2−2)、(2−3)
及び(2−4): 【化2】で表される基から選ばれ、Yは、下記式(3)で示され
るメタクリロキシ基を含有する二価の芳香族基30〜1
00モル%と下記式(4)で示される二価の芳香族基7
0〜0モル%とよりなり、 【化3】 (式(3)において、Rは式(5): -NH-CH2CH2OCO-CH(CH3)=CH2 (5) で示されるメタクリロイル基含有基及び水酸基より選ぱ
れる基であり、かつRのうち50モル%以上は、式
(5)で示される基からなる。式(4)において、Bは
式(6−1)、(6−2)及び(6−3): 【化4】 で表される基より選ばれる。) Zは、式(7): 【化5】 (式中bは、5〜80の整数である。)で示される二価
のシロキサン含有基であり、m及びnは整数であって、
m/(m+n)は0.70〜0.98の範囲である。〕
で表される構造を有し、平均分子量5,000〜150,
000のポリイミド樹脂100重量部、及び(B)光重
合開始剤0.0l重量部〜20重量部を含有してなる感
光性樹脂組成物。
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