JP3444734B2 - フタロシアニン化合物、その製造方法およびそれらを用いた光記録媒体 - Google Patents
フタロシアニン化合物、その製造方法およびそれらを用いた光記録媒体Info
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Description
ン化合物、その製造方法およびそれらを用いた光記録媒
体に関するものである。本発明にかかる新規フタロシア
ニン化合物は、600〜1000nmの近赤外域に吸収
を有し溶解性に優れているので、半導体レーザーを使う
光記録媒体、液晶表示装置、光学文字読取機等における
書き込みあるいは読み取りのための近赤外吸収色素、近
赤外増感剤、感熱転写、感熱紙・感熱孔版などの光熱変
換剤、近赤外線吸収フィルター、眼性疲労防止剤、光導
電材料などとして用いる近赤外線吸収材料として、ある
いは、撮像管に用いる色分解フィルター、液晶表示素
子、カラーブラウン管選択吸収フィルター、カラートナ
ー、インクジェット用インク、改ざん偽造防止用バーコ
ード用インク、さらに微生物不活性化剤、腫瘍治療用感
光性色素等に用いる際に優れた効果を発揮する。
録媒体に用いるための近赤外吸収色素として非常に優れ
た効果を発揮するものである。
るコンパクトディスク、レーザーディスク、光メモリー
ディスク、光カード等の光記録媒体の開発が活発であ
る。特に、CD、PHOTO−CDあるいはCD−RO
Mは、大容量、高速アクセスのデジタル記録媒体として
音声、画像、コードデータ等の保存再生に、大量に利用
されている。これらのシステムはいずれも半導体レーザ
ーに感受するいわゆる近赤外吸収色素を必要とし、それ
らの色素に関して特性の良好なものが求められている。
り堅牢性に優れているフタロシアニン系化合物について
は、数多く検討されている。
体に用いる際に要求される特性としては、(1)薄膜で
の極大吸収波長が700〜730nmに制御されている
こと(会合によるピークが少なく、そのことにより吸光
度が高く、ピークがシャープであることによって、反射
率などの光学特性に対する主要な構成要因となる)、
(2)スピンコート等の簡便でかつ生産性に優れた方法
で基板上に塗布でき、かつ基板を侵さない溶媒に対して
の溶解性に優れていること、(3)耐熱性、耐光性が良
好であること、(4)熱分解特性が良好であること(感
度に対する主要な構成要因となる)、(5)製造方法な
どにおいて経済性に優れた化合物であること、等が挙げ
られる。
ペルフルオロフタロシアニン化合物を用いる方法が提案
されている。しかしながら、これらの化合物は、有機溶
媒に対しての溶解性に乏しく、また満足できる吸収波長
に制御できない。
−246091号、特開昭63−37991号、特開昭
64−42283号、特開平2−276677号、特開
平2−91360号、特開平2−265788号、特開
平3−215466号、特開平4−226390号など
には、フタロシアニン骨格のベンゼン環に酸素を介して
置換基を導入したものが提案されている。しかしなが
ら、これらの化合物は、色素の置換基の種類、数および
位置によっては耐光性が悪かったり、反射率が小さかっ
たり、通常よく用いられているポリカーボネートなどの
基板に直接塗布できる溶剤に溶解しなかったり、あるい
は吸収波長の制御において難点があったりするなどの問
題点を有している。
て特開平5−1272号などにはフタロシアニンのα位
にアルコキシ基を4個導入し、残基にハロゲン化合物な
どを一部導入したものが提案されている。しかしなが
ら、α位に置換基を導入したものは、原料とするフタロ
ニトリルからの生産性が悪いなど、経済性の点で問題点
を有している。またこのようなフタロシアニン化合物
も、必ずしもすべての特性を満足すべきものでなく、よ
って更なる良好な特性が望まれている。
換基をもつフェノキシ基がβ位に置換されたフタロシア
ニン化合物を提案してきた(特開平5−345861、
特開平6−107663、特開平6−328856、特
開平8−225751号)。
体において反射率、感度等に問題点を有しており、これ
までに提案されているフタロシアニン化合物は、上記特
性をすべて満足するものではない。
有する前記事情に考慮してなされたものである。すなわ
ち、本発明の目的は、600〜1000nmの吸収波長
域において目的に応じた吸収制御が可能であり、また用
途に応じた溶媒、例えばアルコール系溶媒等に対して溶
解性に優れ、かつ耐熱性、耐光性の高い新規なフタロシ
アニン化合物を提供することにある。
ン化合物を、効率よく、しかも高純度で製造する方法を
提供することにある。
特にコンパクトディスク対応の光記録媒体として用いる
にあたって、それらに必要な特性である溶解度、吸収波
長、感度、反射率、耐光性、熱分解特性において優れた
効果を発揮するフタロシアニン化合物を提供することに
ある。
(1)〜(8)により達成される。
の16個の置換可能な位置のうちの1〜8個がフェノキ
シ基で置換されてなり、かつ少なくとも1つの該フェノ
キシ基のオルソ位の一方が、置換基を有していてもよい
アリール基で置換されているフタロシアニン化合物であ
って、前記置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキ
シ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基およびア
ルコキシカルボニル基からなる群より選択される基であ
り、前記アリール基はフェニル基またはナフチル基であ
り、残位のオルソ位が下記(1)〜(7)群の置換基:
1〜20個の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または置
換基を有していてもよいフェニル基もしくはナフチル基
を表わし、R2 は、炭素原子数1〜20個の直鎖もしく
は分岐鎖のアルキル基、フェニル基、4−メチルフェニ
ル基、4−クロロフェニル基、4−シクロヘキシルフェ
ニル基、4−フェニルフェニル基、2−フルオロフェニ
ル基、4−エトキシフェニル基、またはナフチル基を表
し、R3、R4およびR5は各々独立に炭素原子数1〜2
0個の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、フェニル基、
またはナフチル基を表わし、R6 はフェニル基またはナ
フチル基を表わし、a、b、cおよびeは1〜5の整数
であり、dは0〜6の整数である。)から選ばれる置換
基で置換されてなるフタロシアニン化合物。ここで式中
のR 1 の説明における「置換基を有していてもよいフェ
ニル基もしくはナフチル基」とは、フェニル基、o−メ
チルフェニル基、m−メチルフェニル基、p−メチルフ
ェニル基、o−エチルフェニル基、m−エチルフェニル
基、p−エチルフェニル基、o−プロピルフェニル基、
m−プロピルフェニル基、p−プロピルフェニル基、o
−イソプロピルフェニル基、m−イソプロピルフェニル
基、p−イソプロピルフェニル基、o−ブチルフェニル
基、m−ブチルフェニル基、p−ブチルフェニル基、o
−tert−ブチルフェニル基、m−tert−ブチル
フェニル基、p−tert−ブチルフェニル基、o−メ
トキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、p−メト
キシフェニル基、o−エトキシフェニル基、m−エトキ
シフェニル基、p−エトキシフェニル基、o−プロポキ
シフェニル基、m−プロポキシフェニル基、p−プロポ
キシフェニル基、o−イソプロポキシフェニル基、m−
イソプロポキシフェニル基、p−イソプロポキシフェニ
ル基、o−ブトキシフェニル基、m−ブトキシフェニル
基、p−ブトキシフェニル基、2,6−ジメチルフェニ
ル基、2,6ジエチルフェニル基、2,6−ジプロピル
フェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,
6−ジブチルフェニル基、2,6−ジtert−ブチル
フェニル基、2,6−ジメトキシフヱニル基、2,6−
ジエトキシフェニル基、2,6−ジプロポキシフェニル
基、2,6−ジイソプロポキシフェニル基、2,6一ジ
ブトキシフェニル基、2−フルオロフ ェニル基、2−ク
ロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、2−ヨードフ
ェニル基、3−フルオロフェニル基、3−クロロフェニ
ル基、3−ブロモフェニル基、3−ヨードフェニル基、
4−フルオロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−
ブロモフェニル基、4−ヨードフェニル基、2,3ジフ
ルオロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,
4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル
基、2,4−ジブロモフェニル基、2,5−ジフルオロ
フェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジ
フルオロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、
2,6−ジブロモフェニル基、3,4−ジフルオロフェ
ニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジフル
オロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、2,
3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,4−トリク
ロロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル
基、2,3,5−トリクロロフェニル基、2,3,6−
トリフルオロフェニル基、2,3,6−トリクロロフェ
ニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、2,
4,6−トリクロロフェニル基、2,4,6−トリブロ
モフェニル基、2,4,6−トリヨードフェニル基、
2,3,5,6−テトラフルオロフェニル基、ペンダフ
ルオロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、またはナ
フチル基をいう。
がさらにハロゲン原子で置換されてなる前記(1)に記
載のフタロシアニン化合物。
子またはフッ素原子を表わし、X、YおよびZのうち少
なくとも一つはフッ素原子であり、Wは置換してもよい
アリール基を表わし、Vは請求項1に規定した(1)〜
(7)群の置換基から選ばれる少なくとも1種の置換基
を表わし、Vのうち一つがオルソ位にあり、またnは0
〜4の整数であり、Mは金属、酸化金属またはハロゲン
化金属を表わす。]で示される前記(1)または(2)
に記載のフタロシアニン化合物。
級以上のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアル
コキシカルボニル基である前記(3)に記載のフタロシ
アニン化合物。
よびZがいずれもフッ素原子である前記(3)または
(4)に記載のフタロシアニン化合物。
該フェノキシ基が置換基を有していてもよいアリール基
で置換されているフタロニトリル化合物単独あるいは該
フェノキシ基で置換されていないフタロニトリルとの混
合物と金属化合物とを反応させることを特徴とする前記
(1)〜(5)のいずれか一つに記載のフタロシアニン
化合物の製造方法。
ロシアニン化合物を基板上に設けられた記録層に含有し
てなる光記録媒体。
記録層および金属の反射層を有するコンパクトディスク
対応の追記型光記録媒体において、該記録層が前記
(7)に記載の記録層である光記録媒体。
物は、フタロシアニン骨格のベンゼン核の16個の置換
可能な位置のうちの1〜8個がフェノキシ基で置換され
ており、該フェノキシ基が置換基を有していてもよいア
リール基で置換されているフタロシアニン化合物であ
る。置換基を有していてもよいアリール基のアリール基
とはフェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
好ましくはフェニル基である。アリール基に場合によっ
ては存在する置換基は、例えばハロゲン原子、アルキル
基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化
アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ
基、アルコキシカルボニル基等である。この新規フタロ
シアニン化合物のうち好ましいものが上記一般式(1)
で表わされるものであり、以下これにつき詳述する。
金属あるいはハロゲン化金属である。Mで示されるフタ
ロシアニン化合物の中心金属の具体例としては塩化鉄、
マグネシウム、ニッケル、コバルト、銅、パラジウム、
亜鉛、塩化アルミニウム、塩化インジウム、塩化ゲルマ
ニウム、塩化錫、塩化珪素、チタニル、バナジル等が挙
げられ、耐光性が良好である点で、コバルト、銅、亜
鉛、塩化錫もしくはバナジルが好ましく、特にバナジル
が好ましい。
は、置換基を有していてもよいアリール基を表わす。ア
リール基の例としては、フェニル基、ナフチル基等を挙
げることができる。特に好ましくはフェニル基である。
アリール基に場合によっては存在する置換基は、例えば
ハロゲン原子、アルキル基、アルコシキ基、ハロゲン化
アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ニトロ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、アルコシキカルボニル基等で
ある。
素、臭素およびヨウ素であり、この中で好ましくは臭素
である。
鎖または環状のアルキル基であり、好ましくは炭素数1
〜8のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシ
ル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチル
ヘキシル基、n−デシル基、ラウリル基、ステアリル基
等を示す。
鎖、分岐鎖または環状のアルコキシ基であり、好ましく
は炭素数1〜8のアルコキシ基である。具体的には、メ
トキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプ
ロピルオキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ
基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シ
クロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エ
チルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基などを示
す。
0の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基の一部がハロ
ゲン化されたものであり、好ましくは炭素数1〜8個の
アルキル基の一部がハロゲン化されたものである。特に
好ましくは炭素数1〜8個のアルキル基の一部がブロモ
化されたものである。具体的には、ブロモメチル基、ブ
ロモエチル基、ブロモプロピル基、ブロモブチル基、ブ
ロモペンチル基、ブロモヘキシル基、ブロモヘプチル
基、ブロモオクチル基等のモノブロモアルキル基、1,
3−ジブロモプロピル基、1,3−ジブロモブチル基等
のジブロモアルキル基等を示す。
20の直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシ基の一部が
ハロゲン化されたものであり、好ましくは炭素数1〜8
個のアルコキシ基の一部がハロゲン化されたものであ
る。特に好ましくは炭素数1〜8個のアルコキシ基の一
部がブロモ化されたものである。具体的には、ブロモメ
トキシ基、ブロモエトキシ基、ブロモプロポキシ基、ブ
ロモブトキシ基、ブロモペントキシ基、ブロモヘキシル
オキシ基、ブロモヘプチルオキシ基、ブロモオクチルオ
キシ基等のモノブロモアルコキシ基、1,3−ジブロモ
プロポキシ基、1,3−ジブロモブトキシ基等のジブロ
モアルコキシ基等を示す。
基のアルキル基部分にヘテロ原子を含んでもよい炭素数
1〜8、好ましくは1〜5のアルコキシカルボニル、ま
たはヘテロ原子を含んでもよい炭素数3〜8、好ましく
は5〜8の環状アルコキシカルボニルを示す。具体的に
は、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n
−ブトキシカルボニル基、tcrt−ブトキシカルボニ
ル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシル
オキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボ
ニル基、メトキシエトキシカルボニル基、エトキシエト
キシカルボニル基、ブトキシエトキシカルボニル基、ジ
エチルアミノエトキシカルボニル基、メチルチオエトキ
シカルボニル基、メトキシプロピルオキシカルボニル
基、(3,6,9−オキサ)デシルオキシカルボニル
基、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル基、ピラ
ンオキシカルボニル基、ピペリジノオキシカルボニル
基、ピペリジノエトキシカルボニル基、テトラヒドロピ
ロールオキシカルボニル基、テトラヒドロピランメトキ
シカルボニル基、テトラヒドロチオフェンオキシカルボ
ニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基等を示す。
特に限定されないが、フェノキシ基のオルソ位にあるこ
とがより好ましい。置換基を有していてもよいアリール
基がフェノキシ基のオルソ位にあることによって、フタ
ロシアニン化合物の薄膜の吸収スペクトルにおける会合
体由来の吸収ピーク(以下、会合ピークという。)が大
きく抑制され、単量体由来の吸収ピーク(以下、単量体
ピークという。)がシャープになるので好ましい。
は、下記(1)〜(7)群の置換基:
1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基また
は置換基を有していてもよいアリール基を表わし、
R2 、R3、R4 およびR5 は各々独立に炭素原子数1
〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基または
置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R6 は
置換基を有してもよいアリール基を表わし、AはCH基
または窒素原子を表わし、Bは酸素原子、硫黄原子、C
H2 基、NH基または炭素原子数1〜4個のアルキルア
ミノ基を表わし、a、b、cおよびeは1〜5の整数で
あり、dおよびfは0〜6の整数であり、gおよびhは
各々独立に1〜4の整数である。)から選ばれる少なく
とも1種の置換基を表わす。これらの置換基の具体例と
しては、例えば下記の置換基群が挙げられる。
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロ
ピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert
−ブチル、直鎖あるいは分岐したペンチル、直鎖あるい
は分岐したヘキシル、シクロヘキシル、直鎖あるいは分
岐したヘプチル、直鎖あるいは分岐したオクチル、直鎖
あるいは分岐したノニル、直鎖あるいは分岐したデシ
ル、直鎖あるいは分岐したウンデシル、直鎖あるいは分
岐したドデシル、フェニル、o−メチルフェニル、m−
メチルフェニル、p−メチルフェニル、o−エチルフェ
ニル、m−エチルフェニル、p−エチルフェニル、o−
プロピルフェニル、m−プロピルフェニル、p−プロピ
ルフェニル、o−イソプロピルフェニル、m−イソプロ
ピルフェニル、p−イソプロピルフェニル、o−ブチル
フェニル、m−ブチルフェニル、p−ブチルフェニル、
o−tert−ブチルフェニル、m−tert−ブチル
フェニル、p−tert−ブチルフェニル、o−メトキ
シフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェ
ニル、o−エトキシフェニル、m−エトキシフェニル、
p−エトキシフェニル、o−プロポキシフェニル、m−
プロポキシフェニル、p−プロポキシフェニル、o−イ
ソプロポキシフェニル、m−イソプロポキシフェニル、
p−イソプロポキシフェニル、o−ブトキシフェニル、
m−ブトキシフェニル、p−ブトキシフェニル、2,6
−ジメチルフェニル、2,6ジエチルフェニル、2,6
−ジプロピルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニ
ル、2,6−ジブチルフェニル、2,6−ジtert−
ブチルフェニル、2,6−ジメトキシフヱニル、2,6
−ジエトキシフェニル、2,6−ジプロポキシフェニ
ル、2,6−ジイソプロポキシフェニル、2,6一ジブ
トキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−クロロフ
ェニル、2−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、3
−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−ブロモ
フェニル、3−ヨードフェニル、4−フルオロフェニ
ル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨ
ードフェニル、2,3ジフルオロフェニル、2,3−ジ
クロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,4
−ジクロロフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2,
5−ジフルオロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、
2,6−ジフルオロフェニル、2,6−ジクロロフェニ
ル、2,6−ジブロモフェニル、3,4−ジフルオロフ
ェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジフルオ
ロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,3,4−
トリフルオロフェニル、2,3,4−トリクロロフェニ
ル、2,3,5−トリフルオロフェニル、2,3,5−
トリクロロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニ
ル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,4,6−ト
リフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニ
ル、2,4,6−トリブロモフェニル、2,4,6−ト
リヨードフェニル、2,3,5,6−テトラフルオロフ
ェニル、ペンダフルオロフェニル、ペンタクロロフェニ
ル。
カルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカ
ルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニ
ル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシ
カルボニル、直鎖あるいは分岐したペンチルオキシカル
ボニル、直鎖あるいは分岐したヘキシルオキシカルボニ
ル、シクロヘキシルオキシカルボニル、直鎖あるいは分
岐したヘプチルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐し
たオクチルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したノ
ニルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したデシルオ
キシカルボニル、直鎖あるいは分岐したウンデシルオキ
シカルボニル、直鎖あるいは分岐したドデシルオキシカ
ルボニル、シクロヘキサンメトキシカルボニル、シクロ
ヘキサンエトキシカルボニル、3−シクロヘキシル−1
−プロポキシカルボニル、tert−ブチルシクロヘキ
シルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−メ
チルフェノキシカルボニル、4−クロロフェノキシカル
ボニル、4−シクロヘキシルフェノキシカルボニル、4
−フェニルフェノキシカルボニル、2−フルオロフェノ
キシカルボニル、4−エトキシフェノキシカルボニル。
エトキシエトキシカルボニル、3’,6’−オキサヘプ
チルオキシカルボニル、3’,6’−オキサオクチルオ
キシカルボニル、3’,6’,9’−オキサデシルオキ
シカルボニル、3’,6’,9’,12’−オキサトリ
デシルオキジカルボニル。
ニル、エトキシプロピルオキシカルボニル、4’,8’
−オキサノニルオキシカルボニル、4’,8’−オキサ
デシルオキシカルボニル、4’,8’,12’−オキサ
トリデシルオキシカルボニル。
シ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec
−ブトキシ、tert−ブトキシ、直鎖あるいは分岐し
たペンチルオキシ、直鎖あるいは分岐したヘキシルオキ
シ、シクロヘキシルオキシ、直鎖あるいは分岐したヘプ
チルオキシ、直鎖あるいは分岐したオクチルオキシ、直
鎖あるいは分岐したノニルオキシ、直鎖あるいは分岐し
たデシルオキシ、直鎖あるいは分岐したウンデシルオキ
シ、直鎖あるいは分岐したドデシルオキシ、メトキシエ
トキシ、エトキシエトキシ、3’,6’−オキサヘプチ
ルオキシ、3’,6’−オキサオクチルオキシ、3’,
6’,9’−オキサデシルオキシ、3’6’,9’,1
2’−オキサトリデシルオキシ、メトキシプロピルオキ
シ、エトキシプロピルオキシ、4’,8’−オキサノニ
ルオキシ、4’,8’−オキサデシルオキシ。
ェネチルオキシカルボニル、3−フェル−1−プロポキ
シカルボニル、4−フェニル−1−ブトキシカルボニ
ル、5−フェニル−1−ペントキシカルボニル、6−フ
ェニル−l−ヘキシルオキシカルボニル。
キシカルボニル、4−テトラヒドロピラノオキシカルボ
ニル、2−ピロリジノオキシカルボニル、2−ピペリジ
ノオキシカルボニル、2−テトラヒドロチオフェンオキ
シカルボニル、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニ
ル、4−テトラヒドロピラノオキシカルボニル、2−モ
ルフォリノエトキシカルボニル、2−ピロリジノエトキ
シカルボニル、2−ピペラジノエトキシカルボニル。
(2)群であることが好ましい。特に、イソプロポキシ
カルボニル、tert−ブトキシカルボニル等の2級以
上のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアルコキ
シカルボニル基が好ましい。2級以上のアルキル基が直
接カルボニル基に結合したアルコキシカルボニル基が置
換基であるフタロシアニン化合物を用いることによっ
て、このフタロシアニン化合物を光記録媒体に用いたと
きの反射率および記録感度などの光学特性、特に記録感
度に優れている点から好ましい。
位置は特に限定されないが、フェノキシ基のオルソ位に
あることが好ましく、特にV、Wともにフェノキシ基の
オルソ位、すなわち2,6位にあることが好ましい。
V、Wがフェノキシ基の2,6位にあることによって、
フタロシアニン化合物の薄膜の吸収スペクトルにおける
会合ピークが大きく抑制され、単量体ピークがシャープ
になる。したがって、該フタロシアニン化合物を光記録
媒体に用いたときの反射率、記録感度などの光学特性に
優れる点から好ましい。
の2、6位にあり、Vが、2級以上のアルキル基が直接
カルボニル基に結合したアルコキシカルボニル基である
ことが好ましい。これによって、このフタロシアニン化
合物を光記録媒体に用いたときの反射率、記録感度など
の光学特性が特に優れている。
導入した残りの位置には、さらに溶解性を向上させた
り、吸収波長の制御のために新たな置換基を導入しても
よい。これらの置換基としては、ハロゲン原子、アルコ
キシ基が置換されていてもよい炭素数1〜20個の直鎖
または分岐差のアルコキシからなるアルコキシカルボニ
ル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル
基、直鎖または分岐している置換されていてもよい炭素
数1〜12個のアルキル基、直鎖または分岐している炭
素数1〜12個のアルコキシ基、直鎖または分岐してい
る炭素数1〜20個のモノアルキルアミノ基、直鎖また
は分岐している炭素数1〜20個のジアルキルアミノ
基、シクロヘキシル基、置換されていてもよいフェノキ
シ基、置換されていてもよいアニリノ基またはニトロ基
などが挙げられる。
あり、特に好ましくは臭素原子である。
原子を表わし、X、YおよびZのうち少なくとも一つは
フッ素原子である。フタロシアニン化合物の溶解性が優
れている点でX、YおよびZがいずれもフッ素原子であ
ることが好ましい。
にあり、Vが、2級以上のアルキル基が直接カルボニル
基に結合したアルコキシカルボニル基であり、X、Yお
よびZがいずれもフッ素原子であることによって、溶解
性に優れているため造膜性に優れている。また、このフ
タロシアニン化合物を光記録媒体に用いたときの反射
率、記録感度などの光学特性が特に優れている。このた
め高速記録タイプのコンパクトディスクに対応する性能
を有しているため特に好ましい。
て、具体的に例えば下記の化合物が挙げられる。
−イソプロピルフェノキシ)ドデカフルオロ亜鉛フタロ
シアニン、一般式(2)
(M:Zn)
物(M:VO)化合物2:テトラキス(2,6−ジフェ
ニルフェノキシ)ドデカフルオロバナジルフタロシアニ
ン、
ルフェノキシ)ドデカフルオロチタニルフタロシアニ
ン、
フェニルフェノキシ)ドデカフルオロバナジルフタロシ
アニン、
シカルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカフルオ
ロバナジルフタロシアニン、
キシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカフ
ルオロバナジルフタロシアニン、
キシ)カルボニル−4−フェニルフェノキシ)ドデカフ
ルオロ銅フタロシアニン、
キシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカフル
オロバナジルフタロシアニン、
ロポキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカ
フルオロ鉄フタロシアニン、
キシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカフ
ルオロバナジルフタロシアニン、
トキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカ
フルオロバナジルフタロシアニン、
キシプロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキ
シ)ドデカフルオロバナジルフタロシアニン、
−メトキシエトキシ)カルボニル−6−フェニルフェノ
キシ)ドデカフルオロニッケルフタロシアニン、
6−フェニルフェノキシ)ドデカフルオロバナジルフタ
ロシアニン、
キシ−6−フェニルフェノキシ)ドデカフルオロパラジ
ウムフタロシアニン、
キシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカフル
オロチタニルフタロシアニン、
オキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカフ
ルオロ亜鉛フタロシアニン、
ラヒドロフルフリルオキシ)カルボニル−6−フェニル
フェノキシ)ドデカフルオロ(ジクロロ錫)フタロシア
ニン、
ラヒドロフルフリルオキシ)カルボニル−6−フェニル
フェノキシ)ドデカフルオロ(ジクロロ錫)フタロシア
ニン、
−テトラヒドロフルフリルオキシ)カルボニル−6−フ
ェニルフェノキシ)ドデカフルオロコバルトフタロシア
ニン、
ェニル)−2−イソプロポキシカルボニルフェノキシ)
ドデカフルオロバナジルフタロシアニン、
ソプロポキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)ド
デカフルオロバナジルフタロシアニン、
ロフェニル)−2−イソプロポキシカルボニルフェノキ
シ)ドデカフルオロチタニルフタロシアニン、
2−(2−メトキシエトキシ)カルボニル−6−フェニ
ルフェノキシ)ドデカフルオロバナジルフタロシアニ
ン、
モメチルフェニル)−2−(2−テトラヒドロフルフリ
ルオキシ)カルボニルフェノキシ)ドデカフルオロチタ
ニルフタロシアニン、
モメトキシフェニル)−2−イソプロポキシカルボニル
フェノキシ)ドデカフルオロバナジルフタロシアニン、
ルボニル−6−フェニルフェノキシ)テトラデカフルオ
ロバナジルフタロシアニン(一般式(3))、
ッ素原子であり、残りの二つが下記式
ち二つがフッ素原子であり、残りの二つが下記式で表わ
される化合物(M:TiO) 化合物28:ビス(2−(2−メトキシエトキシ)カル
ボニル−6−フェニルフェノキシ)テトラデカフルオロ
チタニルフタロシアニン、
キシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)オクタフル
オロバナジルフタロシアニン(一般式(4))、
O) 化合物30:オクタキス(2−tert−ブトキシカル
ボニル−6−フェニルフェノキシ)オクタフルオロバナ
ジルフタロシアニン、
物の製造方法について詳細に明記する。
は、フェノキシ基で置換されてなり、該フェノキシ基が
置換基を有していてもよいアリール基で置換されている
フタロニトリル化合物単独あるいは該フェノキシ基で置
換されていないフタロニトリルとの混合物と金属化合物
とを反応させることにより製造することができる。
リル化合物は、さらにフェノキシ基以外の置換基で、そ
の残基の一部または全部が置換されていてもよい。すな
わち、上記フェノキシ基で置換されたフタロニトリル化
合物単独という場合、フェノキシ基のみで置換されたフ
タロニトリル化合物の1種に限定されるのでなく、この
ほかにも、上述のフェノキシ基で置換され、さらにフェ
ノキシ基以外の置換基で、その残基の一部または全部が
置換されたフタロニトリル化合物、さらにこれら両者を
組合わせたフタロニトリル化合物であればよい。また、
上記フェノキシ基で置換されていないフタロニトリル
も、さらにフェノキシ基以外の置換基でベンゼン核の置
換可能な位置の一部または全部が置換されていてもよ
い。すなわち、上記フェノキシ基で置換されていないフ
タロニトリルという場合、フェノキシ基で置換されてい
ないフタロニトリルのみに限定されるのではなく、この
ほかにも、上述のフェノキシ基で置換されておらず、さ
らにフェノキシ基以外の置換基でベンゼン核の置換可能
な位置の一部または全部がフェノキシ基以外の置換基で
置換されたフタロニトリル化合物、さらにこれら両者を
組合わせたフタロニトリル化合物であってもよい。した
がって、フェノキシ基で置換されたフタロニトリル化合
物と該フェノキシ基で置換されていないフタロニトリル
との混合物という場合には、上述したフェノキシ基で置
換されたフタロニトリル化合物の中の1種または2種以
上と該フェノキシ基で置換されていないフタロニトリル
の中の1種または2種以上とからなる混合物をいうもの
である。
ロニトリル化合物単独あるいは該フェノキシ基で置換さ
れていないフタロニトリルにおける上記フェノキシ基以
外の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル
基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ
基、ニトロ基、アミノ基(置換アミノ基を含む)、アル
コキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ
基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリー
ルチオ基、アルコシキカルボニルアミノ基、スルホニル
アミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホ
ニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、
アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリ
ルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、イミド基、
ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシ
ル基等が挙げられる。置換基の種類は1種類でも2種類
以上でも構わない。好ましい置換基としてはハロゲン原
子、特に塩素原子、フッ素原子であり、特にフッ素原子
である。
いるフタロニトリルは、上記のフェノキシ基で置換され
たフタロニトリル化合物単独であっても該フェノキシ基
で置換されていないフタロニトリルとの混合物であって
もよいが、フェノキシ基で置換されたフタロニトリル化
合物単独であることが好ましい。
好ましいものである一般式(1)で表わされるものの製
造方法について以下に詳述する。
タロシアニン化合物は、例えば、下記一般式(5)
子またはフッ素原子を表わし、X、YおよびZのうち少
なくとも一つはフッ素原子であり、Wは置換してもよい
アリール基を表わし、Vは下記(1)〜(7)群の置換
基:
1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基また
は置換基を有していてもよいアリール基を表わし、
R2 、R3、R4 およびR5 は各々独立に炭素原子数1
〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基または
置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R6 は
置換基を有していてもよいアリール基を表わし、AはC
H基または窒素原子を表わし、Bは酸素原子、硫黄原
子、CH2 基、NH基または炭素原子数1〜4個のアル
キルアミノ基を表わし、a、b、cおよびeは1〜5の
整数であり、dおよびfは0〜6の整数であり、gおよ
びhは各々独立に1〜4の整数である。)から選ばれる
少なくとも1種の置換基を表わし、またnは0〜4の整
数である。]で示されるフタロニトリル化合物と金属化
合物とを反応させることにより製造することができる。
およびZがいずれもフッ素原子であることが望ましい。
方法において、上記フタロニトリル化合物単独あるいは
該フェノキシ基で置換されていないフタロニトリルとの
混合物と金属化合物との反応は無溶媒中でも行なえる
が、有機溶媒を使用して行なうのが好ましい。有機溶媒
は出発原料と反応性のない不活性な溶媒であればいずれ
もよく、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロ
ベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、ト
リクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、1−メチル
ナフタレン、エチレングリコール、ベンゾニトリル等の
不活性溶媒あるいはピリジン、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメ
チルアセトフェノン、トリエチルアミン、トリ−n−ブ
チルアミン、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の非
プロトン性極性溶媒等を用いることができ、好ましく
は、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、ベ
ンゾニトリルである。
量部を表わす。)に対して、フタロニトリル化合物ある
いは該フェノキシ基で置換されていないフタロニトリル
との混合物を2〜40部、好ましくは20〜35部の範
囲、金属化合物を該フタロニトリル化合物あるいは該フ
ェノキシ基に置換されていないフタロニトリルとの混合
物4モルに対して1〜2モル、好ましくは1.1〜1.
5モルの範囲で仕込んで、反応温度30〜250℃、好
ましくは80〜200℃の範囲で反応させる。
ウ化物等のハロゲン化合物、金属酸化物、酢酸塩等の有
機酸金属塩、アセチルアセトナート等の錯体化合物、金
属カルボニル化合物、金属粉等がある。
アニン化合物は、例えば一般式(5)に示すフタロニト
リル化合物を例にとれば、下記スキームのステップAに
したがって合成できる。そして、本発明の一般式(1)
で示される新規フタロシアニン化合物の合成は、それら
フタロニトリル化合物の単独の原料を用いてステップB
にしたがい目的物を得ることができる。
る新規フタロシアニン化合物は、例えば上記一般式
(1)で示される新規フタロシアニン化合物の合成方法
と同様の方法で合成できる。すなわち、一般式(3)で
示される新規フタロシアニン化合物は、上記合成スキー
ムのステップBにおいて、原料として3,4,5,6−
テトラフルオロフタロニトリルと一般式(5)で示され
るフタロニトリル化合物の1:1(モル比)混合物を用
いることにより合成できる。また、一般式(4)で示さ
れる新規フタロシアニン化合物は、上記合成スキームの
ステップAの原料のフェノールを2倍量用いることによ
って、下記一般式(6)
いでステップBにおいて原料として一般式(6)に示す
フタロニトリル化合物を用いることによって合成でき
る。
が高く、薄膜の吸収スペクトルにおける会合ピークが小
さく、単量体ピークがシャープであり、耐光性に優れて
いる。また、本発明のフタロシアニン化合物を光記録媒
体に用いたときの反射率、感度に優れているので、特に
それらの特性を必要としている、透明な樹脂製基板、該
基板上に設けられた記録層と金属の反射層からなるコン
パクトディスク対応の追記型光記録媒体として、例えば
オーディオ等の音楽再生用のCD、写真保存用のPHO
TO−CDまたはコンピューター用のCD−ROMのプ
レーヤーに対して互換性、共用性を有する追記型光記録
媒体として効果を発揮できる。
た記録層に含有してなる光記録媒体として、一般式
(1)において置換基V、Wがフェノキシ基の2,6位
にあるフタロシアニン化合物の薄膜の吸収スペクトルに
おける会合ピークが大きく抑制され、単量体ピークがシ
ャープになる。したがって、該フタロシアニン化合物を
光記録媒体に用いたときの反射率、記録感度の点から好
ましい。一般式(1)において、nは0〜4の整数、好
ましくは1〜2の整数である。
光性を維持しながら吸収波長の制御、薄膜における光学
特性(会合ピークが抑制され、単量体ピークがシャープ
になる)、有機溶媒に対する溶解性において優れた特性
が得られ、コンパクトディスク対応の光記録媒体に優れ
た効果が発揮できる。
号の記録、または読みだしを行なうための光が透過する
ものが好ましい。光の透過率としては85%以上であっ
てかつ光学異方性の小さいものが望ましい。例えば、ガ
ラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエス
テル樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリスチ
レン樹脂、エポキシ樹脂などからなる基板が挙げられ
る。これらの中で光学特性、成形のしやすさあるいは機
械的強度などからポリカーボネート樹脂が好ましい。
て、その上に金属の反射膜層が形成される。反射膜層と
して使用する金属はアルミニウム、銀、金、銅、白金な
どが挙げられ、この反射膜層は通常、真空蒸着、スパッ
ター法などの方法により形成される。
む記録層を基板上に成膜させるためには、通常塗布法を
用いるのがよい。方法としてはスピンコート法、ディッ
プ法あるいはロールコート法によって可能であり、特に
スピンコート法が好ましい。その際使用する有機溶剤
は、基板を侵さないものを用いる。例えば、ヘキサン、
オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族、脂環式炭化水
素系の溶媒あるいはメチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、アリルアルコール、2−
メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、ジアセ
トンアルコールなどのアルコール系の溶媒が好ましい。
本発明の前記色素はアルコール系溶媒に特に良く溶解す
るのでこれらの溶媒を用いるのがよい。
プレーヤーに対しての互換性の観点から基板を通しての
読み出しレーザー光に対する反射率は60%以上である
ことが必要とされている。
最適化することによって可能であり、通常50nm〜3
00nm、特に80nm〜200nmがよい。
る。
されるフタロニトリル化合物4.36g(0.01モ
ル)、三塩化バナジウム0.47g(3ミリモル)およ
びベンゾニトリル15mlを仕込み、175℃で4時間
反応させた。反応終了後溶媒を留去し、得られた固形分
をメチルアルコール200mlで洗浄することにより目
的物の緑色ケーキ(テトラキス(2−イソプロポキシカ
ルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカフルオロバ
ナジルフタロシアニン(化合物5))4.0gを得た。
(収率、フタロニトリルに対して88.4%)。
されるフタロニトリル化合物4.64g(0.01モ
ル)、三塩化バナジウム0.47g(3ミリモル)およ
びベンゾニトリル15mlを仕込み、175℃で4時間
反応させた。反応終了後溶媒を留去し、得られた固形分
をメチルアルコール200mlで洗浄することにより目
的物の緑色ケーキ(テトラキス(2−(3−ペントキ
シ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカフル
オロバナジルフタロシアニン(化合物6))4.4gを
得た。(収率、フタロニトリルに対して91.1%)。
されるフタロニトリル化合物4.50g(0.01モ
ル)、三塩化バナジウム0.47g(3ミリモル)およ
びベンゾニトリル15mlを仕込み、175℃で4時間
反応させた。反応終了後溶媒を留去し、得られた固形分
をメチルアルコール200mlで洗浄することにより目
的物の緑色ケーキ(テトラキス(2−tertブトキシ
カルボニル−6−フェニルフェノキシ)ドデカフルオロ
バナジルフタロシアニン(化合物8))4.3gを得
た。(収率、フタロニトリルに対して91.1%)。
化合物を用いて実施例1〜3と同様の方法によりフタロ
シアニン化合物を製造した。このときのフタロニトリル
化合物に対する収率および2−エトキシエタノール中で
の最大吸収波長は、表1および表2に示すとおりであっ
た。
の製造
造式(10)で示されるエステル化合物、3−フェニル
サリチル酸イソプロピル10.2g(0.04モル)、
鉄粉0.1g(1.8ミリモル)、クロロホルム20m
lを仕込み、室温で撹拌した。臭素6.23g(0.0
4モル)を滴下ロートで約30分間で添加した。滴下終
了後室温で5時間撹拌を続けた。反応終了後反応液を蒸
留水中に投入した後、抽出、濃縮して粗生成物12.1
gを得た。粗生成物をカラム精製(シリカゲル、溶媒=
トルエン/ヘキサン/=1/2)して、下記構造式(1
1)および/または(12)で示される臭素化されたエ
ステル化合物9.5gを得た。
(11)および/または(12)で示される臭素化され
たエステル化合物6.72g(0.02モル)、テトラ
フルオロフタロニトリル3.81g(0.02モル)、
フッ化カリウム3.48g(0.06モル)、アセトニ
トリル50mlを仕込み、環流下5時間反応させた。反
応終了後フッ化カリウムを濾別し、溶媒を留去した。得
られた固形分をヘキサン200mlで洗浄することによ
り下記構造式(13)および/または(14)で示され
るフタロニトリル化合物9.1gを得た。
(13)および/または(14)で示されるフタロニト
リル化合物5.15g(0.01モル)、三塩化バナジ
ウム0.47g(3ミリモル)およびベンゾニトリル1
5mlを仕込み、175℃で4時間反応させた。反応終
了後溶媒を留去し、得られた固形分をメチルアルコール
200mlで洗浄することにより目的物の緑色ケーキ
4.2gを得た(収率、フタロニトリルに対して78.
3%)。
示されるフタロニトリル化合物4.16g(0.01モ
ル)、三塩化バナジウム0.47g(3ミリモル)およ
びベンゾニトリル15mlを仕込み、175℃で4時間
反応させた。反応終了後溶媒を留去し、得られた固形分
をメチルアルコール200mlで洗浄することにより目
的物の緑色ケーキ(テトラキス(2−(2−テトラヒド
ロフルフリルオキシ)カルボニル−6−メチルフェノキ
シ)ドデカフルオロバナジルフタロシアニン)3.60
gを得た。(収率、フタロニトリルに対して83.2
%)。
示されるフタロニトリル化合物4.46g(0.01モ
ル)、三塩化バナジウム0.47g(3ミリモル)およ
びベンゾニトリル15mlを仕込み、175℃で4時間
反応させた。反応終了後溶媒を留去し、得られた固形分
をメチルアルコール200mlで洗浄することにより目
的物の緑色ケーキ(テトラキス(2−(2−テトラヒド
ロフルフリルオキシ)カルボニル−6−エトキシフェノ
キシ)ドデカフルオロバナジルフタロシアニン)3.8
9gを得た。(収率、フタロニトリルに対して84.1
%)。
する厚さ1.2nm、外径120mm、内径15mmの
ポリカーボネート樹脂基板上に実施例1のフタロシアニ
ン化合物を2−メトキシエタノールに5重量%の濃度で
溶解した塗液をスピンコーターを用いて120nmに成
膜した。次に、このようにして得られた塗布膜の上に金
を膜厚75nmで真空蒸着により成膜した。さらに、こ
の上に紫外線硬化型の樹脂からなる保護コート膜を設け
て、光記録媒体を作成した。このようにして得られた光
記録媒体の反射率を測定したところ、770nm〜80
0nmの波長域で82%であり安定した光学特性が得ら
れた。
半導体レーザーを使用し、5.7mWの出力で線速1.
4m/sでEMF信号を記録したところ、記録が可能で
あり、エラーレートは0.2%未満であった。得られた
信号を解析した結果市販のCDプレーヤーで再生できる
レベルであった。
化合物をそれぞれ用いた以外は実施例10と同じように
操作して光記録媒体を作成した。この光記録媒体を用い
て実施例10と同じ方法で評価した。その結果作成反射
率として80%以上あり安定した光学特性が得られた。
780nmの半導体レーザーを使用し、5.8mWの出
力で、線速1.3m/sでEMF信号を記録したとこ
ろ、記録が可能であった。得られた信号を解析した結果
市販のCDプレーヤーで再生できるレベルであった。
化合物をそれぞれ用いた以外は実施例10と同じように
操作して光記録媒体を作成した。この光記録媒体を用い
て実施例10と同じ方法で評価した。その結果作成反射
率として80%以上あり安定した光学特性が得られた。
780nmの半導体レーザーを使用し、6.0mWの出
力で、線速1.3m/sでEMF信号を記録したとこ
ろ、記録が可能であった。得られた信号を解析した結果
市販のCDプレーヤーで再生できるレベルであった。
物を用いた以外は実施例10と同じように操作して光記
録媒体を作成した。この光記録媒体を用いて実施例10
と同じ方法で評価した。その結果作成反射率として83
%であり安定した光学特性が得られた。
半導体レーザーを使用し、5.6mWの出力で線速1.
4m/sでEFM信号を記録したところ、記録が可能で
あり、エラーレートは0.2%未満であった。得られた
信号を解析した結果、市販のCDプレーヤーで再生でき
るレベルであった。
化合物をそれぞれ用いた以外は実施例10と同じように
操作して光記録媒体を作成した。この光記録媒体を用い
て実施例10と同じ方法で評価した。その結果作成反射
率は75%程度の光学特性であった。
780nmの半導体レーザーを使用し、6.0mWの出
力で、線速1.3m/sでEMF信号を記録したとこ
ろ、エラーレートが高く記録が不可能であった。
得られたフタロシアニン化合物について、耐光性、溶解
度、会合性および熱分解性について測定し、表3の結果
を得た。
行なった。
解させ、ガラス基盤上にスピンコート法により色素薄膜
を作成し試料とした。この試料をキセノン耐光性試験機
(照射光量12万Lux)にセットし、経時での吸光度
の減少を測定した。そして、100時間経過後の吸光度
の残存率により次の三段階の評価を行なった。
次の三段階の評価を行なった。
濃度で溶解した塗液をスピンコーターを用いて成膜した
塗布膜で測定した。
た。
ペクトルの吸光度を100%としたときの会合ピークの
吸光度を算出し、これを50%を基準として評価したも
のである。
解開始温度により次の3段階の評価を行った。
は、従来知られているフタロシアニン化合物に比べ吸収
特性、溶解性、耐光性、熱分解特性および経済性に優れ
ており、また650〜900nmの近赤外域に吸収を有
するので、近赤外吸収色素として実用的に使用できる。
特にCD、PHOTO−CDまたはCD−ROMのプレ
ーヤーにたいして互換性、共有性を有する追記型光記録
媒体に用いる際に優れた効果を発揮できる。
ン骨格に位置選択的に置換基を導入することが可能であ
る。すなわち、本発明の製造方法によれば、用途に応じ
た近赤外線の吸収波長域または溶解性を変えた化合物の
分子設計が可能となり、その際、複雑な製造工程を経る
必要もなく工業的に有利である。本発明の新規フタロシ
アニン化合物中のフッ素原子はむしろ溶解性を高める効
果を有している。
Claims (8)
- 【請求項1】 フタロシアニン骨格のベンゼン核の16
個の置換可能な位置のうちの1〜8個がフェノキシ基で
置換されてなり、かつ少なくとも1つの該フェノキシ基
のオルソ位の一方が、置換基を有していてもよいアリー
ル基で置換されているフタロシアニン化合物であって、 前記置換基は、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、
ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基およびアルコキ
シカルボニル基からなる群より選択される基であり、 前記アリール基はフェニル基またはナフチル基であり、
残位のオルソ位が下記(1)〜(7)群の置換基: 【化1】 (式中、R1はハロゲン原子、炭素原子数1〜20個の
直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基または置換基を有して
いてもよいフェニル基もしくはナフチル基を表わし、R
2 は、炭素原子数1〜20個の直鎖もしくは分岐鎖のア
ルキル基、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−ク
ロロフェニル基、4−シクロヘキシルフェニル基、4−
フェニルフェニル基、2−フルオロフェニル基、4−エ
トキシフェニル基、またはナフチル基を表し、R3、R4
およびR5は各々独立に炭素原子数1〜20個の直鎖も
しくは分岐鎖のアルキル基、フェニル基、またはナフチ
ル基を表わし、R6 はフェニル基またはナフチル基を表
わし、a、b、cおよびeは1〜5の整数であり、dは
0〜6の整数である。)から選ばれる置換基で置換され
てなるフタロシアニン化合物。 - 【請求項2】 フタロシアニン骨格のベンゼン核がさら
にハロゲン原子で置換されてなる請求項1に記載のフタ
ロシアニン化合物。 - 【請求項3】 一般式(1): 【化2】 [ただし、式中、X、YおよびZは水素原子またはフッ
素原子を表わし、X、YおよびZのうち少なくとも一つ
はフッ素原子であり、Wは置換してもよいアリール基を
表わし、Vは請求項1に規定した(1)〜(7)群の置
換基から選ばれる少なくとも1種の置換基を表わし、V
のうち一つがオルソ位にあり、またnは0〜4の整数で
あり、Mは金属、酸化金属またはハロゲン化金属を表わ
す。]で示される請求項1または2に記載のフタロシア
ニン化合物。 - 【請求項4】 一般式(1)において、Vが、2級以上
のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアルコキシ
カルボニル基である請求項3に記載のフタロシアニン化
合物。 - 【請求項5】 一般式(1)において、X、YおよびZ
がいずれもフッ素原子である請求項3または4に記載の
フタロシアニン化合物。 - 【請求項6】 フェノキシ基で置換されてなり、該フェ
ノキシ基が置換基を有していてもよいアリール基で置換
されているフタロニトリル化合物単独あるいは該フェノ
キシ基で置換されていないフタロニトリルとの混合物と
金属化合物とを反応させることを特徴とする請求項1〜
5のいずれか一つに記載のフタロシアニン化合物の製造
方法。 - 【請求項7】 請求項1〜5に記載のフタロシアニン化
合物を基板上に設けられた記録層に含有してなる光記録
媒体。 - 【請求項8】 透明な樹脂製基板上に設けられた記録層
および金属の反射層を有するコンパクトディスク対応の
追記型光記録媒体において、該記録層が請求項7に記載
の記録層である光記録媒体。
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