JP4010597B2 - フタロニトリル化合物およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なフタロニトリル化合物およびその製造方法に関するものである。詳しくは、医薬、農薬、各種工業薬品の中間体として有用であり、例えば、オプトエレクトロニクス材料として用いられるフタロシアニン化合物の原料として極めて有用なフタロニトリル化合物およびその製造方法に関するものである。より詳しくは、600〜1000nmの近赤外域に吸収を有し溶解性に優れており、半導体レーザーを使う光記録媒体、液晶表示装置、光学文字読取機などにおける書き込みあるいは読み取りのための近赤外吸収色素、近赤外増感剤、感熱転写、感熱紙・感熱孔版などの光熱変換剤、近赤外線吸収フィルター、眼性疲労防止剤、光導電材料などとして用いる近赤外線吸収材料として、あるいは、撮像管に用いる色分解フィルター、液晶表示用カラーフィルター、カラーブラウン管選択吸収フィルター、カラートナー、インクジェット用インク、改ざん偽造防止用バーコード用インク、さらに微生物不活性化剤、腫瘍治療用感光性色素などに用いる際に優れた効果を発揮するフタロシアニン化合物、特にコンパクトディスク対応の追記型光記録媒体に用いるための近赤外吸収色素として非常に優れた効果を発揮するフタロシアニン化合物の中間体として極めて有用なフタロニトリル化合物およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体レーザーを光源として用いるコンパクトディスク、レーザーディスク、光メモリーディスク、光カードなどの光記録媒体の開発が活発である。特に、CD、PHOTO−CDあるいはCD−ROMは、大容量、高速アクセスのデジタル記録媒体として音声、画像、コードデータなどの保存再生に、大量に利用されている。これらのシステムはいずれも半導体レーザーに感受するいわゆる近赤外吸収色素を必要とし、それらの色素に関して(1)薄膜での極大吸収波長が700〜730nmに制御されていること(会合によるピークが少なく、そのことにより吸光度が高く、ピークがシャープであることによって、反射率などの光学特性に対する主要な構成要因となる)、(2)スピンコートなどの簡便でかつ生産性に優れた方法で基板上に塗布でき、かつ基板を侵さない溶媒に対しての溶解性に優れていること、(3)耐熱性、耐光性が良好であること、(4)熱分解特性が良好であること(感度に対する主要な構成要因となる)、(5)製造方法などにおいて経済性に優れていることなど要求される特性の良好な化合物が求められている。なかでも光、熱、温度などに対して安定であり堅牢性に優れているフタロシアニン化合物については、数多く検討されている。
【0003】
例えば、特開昭58−56892号には、ペルフルオロフタロシアニン化合物を用いる方法が提案されている。また、特開昭61−192780号、特開昭61−246091号、特開昭63−37991号、特開昭64−42283号、特開平2−276677号、特開平2−91360号、特開平2−265788号、特開平3−215466号、特開平4−226390号などには、フタロシアニン骨格のベンゼン環に酸素を介して置換基を導入してなるものが提案されている。さらに、特開平5−1272号などにはフタロシアニンのα位にアルコキシ基を4個導入し、残基にハロゲン化合物などを一部導入したものが提案されている。
【0004】
しかしながら、これらの化合物は、フタロシアニン骨格のベンゼン核上の置換基の種類、数および位置によっては耐光性が悪かったり、反射率が小さかったり、通常よく用いられているポリカーボネートなどの基板に直接塗布できる溶剤に溶解しなかったり、あるいは吸収波長の制御において難点があったりするなどの問題点を有している。また、α位に置換基を導入したものは、原料とするフタロニトリルからの生産性が悪いなど、経済性の点で問題点を有している。
【0005】
また、本出願人らは、これまでに嵩高い置換基をもつフェノキシ基がβ位に置換されたフタロシアニン化合物を提案してきた(特開平5−345861、特開平6−107663、特開平6−328856、特開平8−225751号)。
【0006】
しかしながら、これらの化合物も光記録媒体において反射率、感度などに問題点を有しており、これまでに提案されているフタロシアニン化合物は、上記特性をすべて満足するものではない。
【0007】
一方、上記特性を満足するような新規なフタロシアニン化合物を設計・開発するためには、フタロシアニン骨格のベンゼン核上に導入する置換基の種類、数および位置を特定する必要がある。そのためには、無置換フタロシアニン化合物などのフタロシアニン骨格のベンゼン核上の設計された位置に直接所望の置換基を導入することも可能であるが、所望の置換基を直接導入する方法がとれない場合も多く、新規なフタロシアニン化合物の設計では、まずフタロニトリル骨格のベンゼン核上の設計された位置に所望の置換基を導入してなるフタロニトリル化合物を別途合成し、ついで該フタロニトリル化合物を合成することにより所望の新規なフタロシアニン化合物を得る手法がとられている。当該手法においては、分子設計されたフタロシアニン化合物の主原料となる新規なフタロニトリル化合物およびその製造方法の開発に重点がおかれている。すなわち、フタロニトリル化合物を合成する段階でフタロニトリル骨格のベンゼン核上の設計された位置に所望の置換基を導入し、新規なフタロニトリル化合物を得ることが主要な技術課題となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の有する前記事情に考慮してなされたものである。すなわち、本発明の目的は、600〜1000nmの吸収波長域において目的に応じた吸収制御が可能であり、優れた溶解性、耐熱性、耐光性等を発現し得るように分子設計された新規なフタロシアニン化合物、特に光記録媒体、なかでもコンパクトディスク対応の光記録媒体として用いるにあたって、それらに必要な溶解度、吸収波長、感度、反射率、耐光性、熱分解特性等の諸特性を発現し得るように分子設計された新規なフタロシアニン化合物を合成するために、その主原料として、こうした諸特性を有効に発現し得る1種ないし2種以上の置換基をフタロニトリル骨格のベンゼン核上の設計された位置に有してなる新規なフタロニトリル化合物を提供することにある。
【0009】
また、本発明の他の目的は、上記フタロニトリル化合物を、効率よく、しかも高純度で製造する方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記諸目的は、(1) フタロニトリル骨格のベンゼン核の4個の置換可能な位置のうちの1〜2個がフェノキシ基で置換されてなり、かつ該フェノキシ基が置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフタロニトリル化合物により達成される。
【0011】
また、本発明の他の目的は、(2) 前記フェノキシ基のオルソ位の一方が前記アリール基で置換されており、少なくとも残位のオルソ位が下記(1)〜(7)群の置換基
【0012】
【化3】
【0013】
(ただし、上記(1)〜(7)群の置換基の式中、R1 はハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R2 、R3 、R4 およびR5 は各々独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R6 は置換基を有していてもよいアリール基を表わし、AはCH基または窒素原子を表わし、Bは酸素原子、硫黄原子、CH2 基、NH基または炭素原子数1〜4個のアルキルアミノ基を表わし、a、b、cおよびeは1〜5の整数であり、dおよびfは0〜6の整数であり、gおよびhは各々独立に1〜4の整数である。)から選ばれる少なくとも1種の置換基で置換されてなる上記(1)に記載のフタロニトリル化合物によっても達成される。
【0014】
さらに、本発明の他の目的は、(3) 一般式(1)
【0015】
【化4】
【0016】
(上記一般式(1)中、X、YおよびZは水素原子またはフッ素原子を表し、X、YおよびZのうち少なくとも一つはフッ素原子であり、Wは置換基を有していてもよいアリール基を表し、Vは上記(2)に規定した(1)〜(7)群の置換基から選ばれる少なくとも一種の置換基を表し、またnは0〜4の整数である。)で示される上記(1)または(2)に記載のフタロニトリル化合物によっても達成される。
【0017】
さらに、本発明の他の目的は、(4) 一般式(1)において、Vがブロモ原子を含有するアルコキシカルボニル基である上記(3)に記載のフタロニトリル化合物によっても達成される。
【0018】
さらに、本発明の他の目的は、(5) 一般式(1)において、Vは2級以上のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアルコキシカルボニル基である上記(3)に記載のフタロニトリル化合物によっても達成される。
【0019】
さらに、本発明の他の目的は、(6) 置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフェノール化合物と少なくとも一つのハロゲン原子で置換されているフタロニトリル化合物を反応させることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のフタロニトリル化合物の製造方法によっても達成される。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明に係るフタロニトリル化合物は、フタロニトリル骨格のベンゼン核の4個の置換可能な位置のうちの1〜2個がフェノキシ基で置換されてなり、かつ該フェノキシ基が置換基を有していてもよいアリール基で置換されているものである。
【0021】
上記フェノキシ基で置換されたフタロニトリル化合物において、置換基を有していてもよいアリール基としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。好ましくはフェニル基である。アリール基に場合によっては存在する置換基は、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基などである。
【0022】
また、上記フェノキシ基で置換されたフタロニトリル化合物は、さらにフェノキシ基以外の置換基で、その残基の一部または全部が置換されていてもよい。すなわち、上記フェノキシ基で置換されたフタロニトリル化合物という場合、フェノキシ基のみで置換されたフタロニトリル化合物の1種に限定されるのでなく、このほかにも、上述のフェノキシ基で置換され、さらにフェノキシ基以外の置換基で、その残基の一部または全部が置換されたフタロニトリル化合物であってもよい。
【0023】
このようなフェノキシ基で置換されたフタロニトリル化合物における上記フェノキシ基以外の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基(置換アミノ基を含む)、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコシキカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基などが挙げられる。置換基の種類は1種類でも2種類以上でも構わない。好ましい置換基としてはハロゲン原子、特に塩素原子、フッ素原子であり、特にフッ素原子である。
【0024】
本発明の新規フタロニトリル化合物のうち好ましいものが、上記一般式(1)で表されるものであり、以下これにつき詳述する。
【0025】
一般式(1)において、Wで表されるフェノキシ基上の置換基は、置換基を有していてもよいアリール基を表す。該アリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基などを挙げることができる。好ましくはフェニル基である。アリール基に場合によっては存在する置換基は、例えば、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基などである。
【0026】
ここで、ハロゲン原子とは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素であり、この中で好ましくは臭素である。
【0027】
アルキル基とは、炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−デシル基、ラウリル基、ステアリル基などを示す。
【0028】
アルコキシ基とは、炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシ基であり、好ましくは炭素数1〜8のアルコキシ基である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−デシルオキシ基などを示す。
【0029】
ハロゲン化アルキル基とは、炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基の一部がハロゲン化されたものであり、好ましくは炭素数1〜8個のアルキル基の一部がハロゲン化されたものである。特に好ましくは炭素数1〜8個のアルキル基の一部がブロモ化されたものである。具体的には、ブロモメチル基、ブロモエチル基、ブロモプロピル基、ブロモブチル基、ブロモペンチル基、ブロモヘキシル基、ブロモヘプチル基、ブロモオクチル基などのモノブロモアルキル基、1,3−ジブロモプロピル基、1,3−ジブロモブチル基などのジブロモアルキル基などを示す。
【0030】
ハロゲン化アルコキシ基とは、炭素数1〜20の直鎖、分岐鎖または環状のアルコキシ基の一部がハロゲン化されたものであり、好ましくは炭素数1〜8個のアルコキシ基の一部がハロゲン化されたものである。特に好ましくは炭素数1〜8個のアルコキシ基の一部がブロモ化されたものである。具体的には、ブロモメトキシ基、ブロモエトキシ基、ブロモプロポキシ基、ブロモブトキシ基、ブロモペントキシ基、ブロモヘキシルオキシ基、ブロモヘプチルオキシ基、ブロモオクチルオキシ基などのモノブロモアルコキシ基、1,3−ジブロモプロポキシ基、1,3−ジブロモブトキシ基などのジブロモアルコキシ基などを示す。
【0031】
アルコキシカルボニル基とは、アルコキシ基のアルキル基部分にヘテロ原子を含んでもよい炭素数1〜8、好ましくは1〜5のアルコキシカルボニル、またはヘテロ原子を含んでもよい炭素数3〜8、好ましくは5〜8の環状アルコキシカルボニルを示す。具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、メトキシエトキシカルボニル基、エトキシエトキシカルボニル基、ブトキシエトキシカルボニル基、ジエチルアミノエトキシカルボニル基、メチルチオエトキシカルボニル基、メトキシプロピルオキシカルボニル基、(3,6,9−オキサ)デシルオキシカルボニル基、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル基、ピランオキシカルボニル基、ピペリジノオキシカルボニル基、ピペリジノエトキシカルボニル基、テトラヒドロピロールオキシカルボニル基、テトラヒドロピランメトキシカルボニル基、テトラヒドロチオフェンオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基などを示す。
【0032】
また、上記一般式(1)において、Wのフェノキシ基上での置換位置は特に限定されないが、フェノキシ基のオルソ位にあることがより好ましい。置換基を有していてもよいアリール基がフェノキシ基のオルソ位にあることによって、当該フタロニトリル化合物を原料に用いて合成したフタロシアニン化合物の薄膜の吸収スペクトルにおける会合体由来の吸収ピーク(以下、会合ピークともいう。)を大きく抑制できる。
【0033】
また、上記一般式(1)において、Vで表されるフェノキシ基上の置換基は、下記(1)〜(7)群の置換基
【0034】
【化5】
【0035】
(ただし、上記(1)〜(7)群の置換基の式中、R1 はハロゲン原子、置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R2 、R3 、R4 およびR5 は各々独立に置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基または置換基を有していてもよいアリール基を表わし、R6 は置換基を有していてもよいアリール基を表わし、AはCH基または窒素原子を表わし、Bは酸素原子、硫黄原子、CH2 基、NH基または炭素原子数1〜4個のアルキルアミノ基を表わし、a、b、cおよびeは1〜5の整数であり、dおよびfは0〜6の整数であり、gおよびhは各々独立に1〜4の整数である。)から選ばれる少なくとも1種の置換基を表す。
【0036】
これら(1)〜(7)群の置換基の具体例としては、例えば、下記の置換基群が挙げられる。
【0037】
(1)群:フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、直鎖あるいは分岐したペンチル、直鎖あるいは分岐したヘキシル、シクロヘキシル、直鎖あるいは分岐したヘプチル、直鎖あるいは分岐したオクチル、直鎖あるいは分岐したノニル、直鎖あるいは分岐したデシル、直鎖あるいは分岐したウンデシル、直鎖あるいは分岐したドデシル、ブロモメチル、ジブロモメチル、トリブロモメチル、1−ブロモエチル、2−ブロモエチル、1,2−ジブロモエチル、1,1−ジブロモエチル、2,2−ジブロモエチル、1,1,2−トリブロモエチル、1,2,2−トリブロモエチル、1−ブロモプロピル、2−ブロモ−1−プロピル、3−ブロモ−1−プロピル、1−ブロモ−2−プロピル、2,3−ジブロモ−1プロピル、1,3−ジブロモ−2−プロピル、4−ブロモ−1−ブチル、1−ブロモ−1−ブチル、1−ブロモ−2−ブチル、2−ブロモ−1−ブチル、1,4−ジブロモ−2−ブチル、5−ブロモ−1−ペンチル、1−ブロモ−1−ペンチル、6−ブロモ−1−ヘキシル、1−ブロモ−1−ヘキシル、7−ブロモ−1−ヘプチル、1−ブロモ−1−ヘプチル、8−ブロモ−1−オクチル、1−ブロモ−1−オクチル、9−ブロモ−1−ノニル、1−ブロモ−1−ノニル、10−ブロモ−1−デシル、1−ブロモ−1−デシル、11−ブロモ−1−ウンデシル、1−ブロモ−1−ウンデシル、12−ブロモ−1−ドデシル、1−ブロモ−1−ドデシル、フェニル、o−メチルフェニル、m−メチルフェニル、p−メチルフェニル、o−エチルフェニル、m−エチルフェニル、p−エチルフェニル、o−プロピルフェニル、m−プロピルフェニル、p−プロピルフェニル、o−イソプロピルフェニル、m−イソプロピルフェニル、p−イソプロピルフェニル、o−ブチルフェニル、m−ブチルフェニル、p−ブチルフェニル、o−tert−ブチルフェニル、m−tert−ブチルフェニル、p−tert−ブチルフェニル、o−メトキシフェニル、m−メトキシフェニル、p−メトキシフェニル、o−エトキシフェニル、m−エトキシフェニル、p−エトキシフェニル、o−プロポキシフェニル、m−プロポキシフェニル、p−プロポキシフェニル、o−イソプロポキシフェニル、m−イソプロポキシフェニル、p−イソプロポキシフェニル、o−ブトキシフェニル、m−ブトキシフェニル、p−ブトキシフェニル、2,6−ジメチルフェニル、2,6ジエチルフェニル、2,6−ジプロピルフェニル、2,6−ジイソプロピルフェニル、2,6−ジブチルフェニル、2,6−ジtert−ブチルフェニル、2,6−ジメトキシフヱニル、2,6−ジエトキシフェニル、2,6−ジプロポキシフェニル、2,6−ジイソプロポキシフェニル、2,6一ジブトキシフェニル、2−フルオロフェニル、2−クロロフェニル、2−ブロモフェニル、2−ヨードフェニル、3−フルオロフェニル、3−クロロフェニル、3−ブロモフェニル、3−ヨードフェニル、4−フルオロフェニル、4−クロロフェニル、4−ブロモフェニル、4−ヨードフェニル、2,3−ジフルオロフェニル、2,3−ジクロロフェニル、2,4−ジフルオロフェニル、2,4−ジクロロフェニル、2,4−ジブロモフェニル、2,5−ジフルオロフェニル、2,5−ジクロロフェニル、2,6−ジフルオロフェニル、2,6−ジクロロフェニル、2,6−ジブロモフェニル、3,4−ジフルオロフェニル、3,4−ジクロロフェニル、3,5−ジフルオロフェニル、3,5−ジクロロフェニル、2,3,4−トリフルオロフェニル、2,3,4−トリクロロフェニル、2,3,5−トリフルオロフェニル、2,3,5−トリクロロフェニル、2,3,6−トリフルオロフェニル、2,3,6−トリクロロフェニル、2,4,6−トリフルオロフェニル、2,4,6−トリクロロフェニル、2,4,6−トリブロモフェニル、2,4,6−トリヨードフェニル、2,3,5,6−テトラフルオロフェニル、ペンダフルオロフェニル、ペンタクロロフェニル。
【0038】
(2)群:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したペンチルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したヘキシルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したヘプチルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したオクチルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したノニルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したデシルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したウンデシルオキシカルボニル、直鎖あるいは分岐したドデシルオキシカルボニル、シクロヘキサンメトキシカルボニル、シクロヘキサンエトキシカルボニル、3−シクロヘキシル−1−プロポキシカルボニル、tert−ブチルシクロヘキシルオキシカルボニル、ブロモメトキシカルボニル、2−ブロモエトキシカルボニル、3−ブロモ−1−プロポキシカルボニル、2−ブロモ−1−プロポキシカルボニル、1−ブロモ−2−プロポキシカルボニル、2,3−ジブロモ−1−プロポキシカルボニル、1,3−ジブロモ−2−プロポキシカルボニル、1−ブロモ−2−ブトキシカルボニル、2−ブロモ−1−ブトキシカルボニル、4−ブロモ−1−ブトキシカルボニル、1,4−ジブロモ−2−ブトキシカルボニル、5−ブロモ−1−ペンチルオキシカルボニル、6−ブロモ−1−ヘキシルオキシカルボニル、7−ブロモ−1−ヘプチルオキシカルボニル、8−ブロモ−1−オクチルオキシカルボニル、9−ブロモ−1−ノニルオキシカルボニル、10−ブロモ−1−デシルオキシカルボニル、11−ブロモ−1−ウンデシルオキシカルボニル、12−ブロモ−1−ドデシルオキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−メチルフェノキシカルボニル、4−クロロフェノキシカルボニル、4−シクロヘキシルフェノキシカルボニル、4−フェニルフェノキシカルボニル、2−フルオロフェノキシカルボニル、4−エトキシフェノキシカルボニル。
【0039】
(3)群:メトキシエトキシカルボニル、エトキシエトキシカルボニル、3′,6′−オキサヘプチルオキシカルボニル、3′,6′−オキサオクチルオキシカルボニル、3′,6′,9′−オキサデシルオキシカルボニル、3′,6′,9′,12′−オキサトリデシルオキジカルボニル。
【0040】
(4)群:メトキシプロピルオキシカルボニル、エトキシプロピルオキシカルボニル、4′,8′−オキサノニルオキシカルボニル、4′,8′−オキサデシルオキシカルボニル、4′,8′,12′−オキサトリデシルオキシカルボニル。
【0041】
(5)群:メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、直鎖あるいは分岐したペンチルオキシ、直鎖あるいは分岐したヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、直鎖あるいは分岐したヘプチルオキシ、直鎖あるいは分岐したオクチルオキシ、直鎖あるいは分岐したノニルオキシ、直鎖あるいは分岐したデシルオキシ、直鎖あるいは分岐したウンデシルオキシ、直鎖あるいは分岐したドデシルオキシ、ブロモメトキシ、ジブロモメトキシ、トリブロモメトキシ、1−ブロモエトキシ、2−ブロモエトキシ、1,2−ジブロモエトキシ、1,1−ジブロモエトキシ、2,2−ジブロモエトキシ、1,1,2−トリブロモエトキシ、1,2,2−トリブロモエトキシ、1−ブロモプロポキシ、2−ブロモ−1−プロポキシ、3−ブロモ−1−プロポキシ、1−ブロモ−2−プロポキシ、2,3−ジブロモ−1−プロポキシ、1,3−ジブロモ−2−プロポキシ、4−ブロモ−1−ブトキシ、1−ブロモ−1−ブトキシ、1−ブロモ−2−ブトキシ、2−ブロモ−1−ブトキシ、1,4−ジブロモ−2−ブトキシ、5−ブロモ−1−ペンチルオキシ、1−ブロモ−1−ペンチルオキシ、6−ブロモ−1−ヘキシルオキシ、1−ブロモ−1−ヘキシルオキシ、7−ブロモ−1−ヘプチルオキシ、1−ブロモ−1−ヘプチルオキシ、8−ブロモ−1−オクチルオキシ、1−ブロモ−1−オクチルオキシ、9−ブロモ−1−ノニルオキシ、1−ブロモ−1−ノニルオキシ、10−ブロモ−1−デシルオキシ、1−ブロモ−1−デシルオキシ、11−ブロモ−1−ウンデシルオキシ、1−ブロモ−1−ウンデシルオキシ、12−ブロモ−1−ドデシルオキシ、1−ブロモ−1−ドデシルオキシ、ブロモメトキシエトキシ、1−ブロモエトキシエトキシ、1−ブロモ−3′,6′−オキサヘプチルオキシ、1−ブロモ−3′,6′−オキサオクチルオキシ、1−ブロモ−3′,6′,9′−オキサデシルオキシ、1−ブロモ−3′,6′,9′,12′−オキサトリデシルオキシ、ブロモメトキシプロポキシ、1−ブロモエトキシプロポキシ、1−ブロモ−4′,8′−オキサノニルオキシ、1−ブロモ−4′,8′−オキサデシルオキシ、メトキシエトキシ、エトキシエトキシ、3′,6′−オキサヘプチルオキシ、3′,6′−オキサオクチルオキシ、3′,6′,9′−オキサデシルオキシ、3′,6′,9′,12′−オキサトリデシルオキシ、メトキシプロピルオキシ、エトキシプロピルオキシ、4′,8′−オキサノニルオキシ、4′,8′−オキサデシルオキシ。
【0042】
(6)群:ベンジルオキシカルボニル、フェネチルオキシカルボニル、3−フェル−1−プロポキシカルボニル、4−フェニル−1−ブトキシカルボニル、5−フェニル−1−ペントキシカルボニル、6−フェニル−l−ヘキシルオキシカルボニル。
【0043】
(7)群:2−テトラヒドロキシフランオキシカルボニル、4−テトラヒドロピラノオキシカルボニル、2−ピロリジノオキシカルボニル、2−ピペリジノオキシカルボニル、2−テトラヒドロチオフェンオキシカルボニル、テトラヒドロフルフリルオキシカルボニル、4−テトラヒドロピラノオキシカルボニル、2−モルフォリノエトキシカルボニル、2−ピロリジノエトキシカルボニル、2−ピペラジノエトキシカルボニル。
【0044】
上記(1)〜(7)群の置換基のうちで、(2)群であることが好ましく、イソプロポキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなどの2級以上のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアルコキシカルボニル基がより好ましい。更に好ましくは、3−ヘキサノキシカルボニル、6−ウンデカノキシカルボニル、2,4−ジメチル−3−ペントキシカルボニル、2,6−ジメチル−4−ヘプトキシカルボニルなどの炭素数が6以上でかつ2級以上のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアルコキシカルボニル基がより好ましい。一方で好ましい置換基として、ブロモ原子を含有するアルコキシカルボニル基があり、特に、1−ブロモ−2−プロポキシカルボニル、1,3−ジブロモ−2−プロポキシカルボニル等の臭素化された2級以上のアルキル基を持つアルコキシカルボニル基がより望ましい。2級以上のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアルコキシカルボニル基、さらには臭素化された2級以上のアルキル基を持つアルコキシカルボニル基が置換基であるものは、反射率および記録感度などの光学特性、特に記録感度に優れた光記録媒体となり得る新規なフタロシアニン化合物の原料となるフタロニトリル化合物を設計通りに合成することができる点から好ましい。
【0045】
また、上記一般式(1)において、置換基Vのフェノキシ基上での置換位置は特に限定されるものではないが、フェノキシ基のオルソ位にあることが好ましく、特に置換基V、Wともにフェノキシ基のオルソ位、すなわち2,6位にあることが好ましい。置換基V、Wがフェノキシ基の2,6位にあることによって、当該フタロニトリル化合物を用いて合成したフタロシアニン化合物の吸収ピークをよりシャープにできる。さらには、当該フタロニトリル化合物を用いて合成したフタロシアニン化合物では、その薄膜の会合ピークが大幅に抑制できる。すなわち、当該フタロニトリル化合物は、光記録媒体に適した反射率および記録感度などの光学特性を有する置換基を持つフタロシアニン化合物を合成するのに有用な原料である点で好ましいと言える。
【0046】
特に好ましくは、置換基V、Wがフェノキシ基の2,6位にあり、置換基Vが、2級以上のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアルコキシカルボニル基であることが好ましい。特に該アルキル基がブロモ原子を含有するアルキル基かまたは炭素数6以上のアルキル基であることが好ましい。これによって、光記録媒体に好適な反射率、記録感度などの光学特性を有する置換基を持つ新規なフタロシアニン化合物の合成に有用な原料である点から特に好ましい。
【0047】
上記一般式(1)において、フェノキシ基に上記置換基V、Wを導入した残りの位置には、さらに当該フタロニトリル化合物を用いて合成されるフタロシアニン化合物の溶解性を向上させたり吸収波長の制御のために、新たな置換基を導入してもよい。これらの置換基としては、ハロゲン原子、アルコキシ基が置換されていてもよい炭素数1〜20個の直鎖または分岐鎖のアルコキシからなるアルコキシカルボニル、置換されていてもよいアリールオキシカルボニル基、直鎖または分岐している置換されていてもよい炭素数1〜12個のアルキル基、直鎖または分岐している炭素数1〜12個のアルコキシ基、直鎖または分岐している炭素数1〜20個のモノアルキルアミノ基、直鎖または分岐している炭素数1〜20個のジアルキルアミノ基、シクロヘキシル基、置換されていてもよいフェノキシ基、置換されていてもよいアニリノ基またはニトロ基などが挙げられる。これらのうち好ましくは、ハロゲン原子であり、特に好ましくは臭素原子である。
【0048】
上記一般式(1)において、X、YおよびZは、水素原子またはフッ素原子を表わし、X、YおよびZのうち少なくとも一つはフッ素原子である。当該フタロニトリル化合物を用いて合成されるフタロシアニン化合物の溶解性が優れている点でX、YおよびZがいずれもフッ素原子であることが好ましい。
【0049】
すなわち、上記一般式(1)において、上記置換基V、Wがフェノキシ基の2、6位にあり、置換基Vが、2級以上のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアルコキシカルボニル基であり、X、YおよびZがいずれもフッ素原子であるものが好ましい。当該フタロニトリル化合物は、優れた溶解性および造膜性を有するフタロシアニン化合物を合成することができる。さらに合成されたフタロシアニン化合物では、設計通りに有用な置換基が導入されているので優れた反射率、記録感度などの光学特性を発現できる。そのため、これを光記録媒体、特に高速記録タイプのコンパクトディスクに対応する光記録媒体に利用することができる。
【0050】
なお、上記一般式(1)において、nは0〜4の整数、好ましくは1〜2の整数である。
【0051】
本発明に用いるフタロニトリル化合物として、具体的に例えば下記の化合物が挙げられる。
【0052】
化合物1;4−(2−フェニル−6−(2−プロピル)フェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0053】
【化6】
【0054】
化合物2;4−(2,6−ジフェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0055】
【化7】
【0056】
化合物3;4−(2,4−ジフェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0057】
【化8】
【0058】
化合物4;4−(2,4,6−トリフェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0059】
【化9】
【0060】
化合物5;4−(2−(2−プロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0061】
【化10】
【0062】
化合物6;4−(2−(3−ペントキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0063】
【化11】
【0064】
化合物7;4−(2−(3−ペントキシ)カルボニル−4−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0065】
【化12】
【0066】
化合物8;4−(2−tertブトキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0067】
【化13】
【0068】
化合物9;4−(2−(3−ヘキサノキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0069】
【化14】
【0070】
化合物10;4−(2−(6−ウンデカノキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0071】
【化15】
【0072】
化合物11;4−(2−(2,4−ジメチル−3−ペントキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0073】
【化16】
【0074】
化合物12;4−(2−(2,6−ジメチル−4−ヘプトキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0075】
【化17】
【0076】
化合物13;4−(2,4−ジ(2−プロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0077】
【化18】
【0078】
化合物14;4−(2−(2−ブトキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0079】
【化19】
【0080】
化合物15;4−(2−(2−ペントキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0081】
【化20】
【0082】
化合物16;4−(2−(3−メトキシプロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0083】
【化21】
【0084】
化合物17;4−(2,4−ジ(2−メトキシエトキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0085】
【化22】
【0086】
化合物18;4−(2−エトキシ−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0087】
【化23】
【0088】
化合物19;4−(2,4−ジエトキシ−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0089】
【化24】
【0090】
化合物20;4−(2−ベンジルオキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0091】
【化25】
【0092】
化合物21;4−(2−フェネチルオキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0093】
【化26】
【0094】
化合物22;4−(2−(2−テトラヒドロフルフリルオキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0095】
【化27】
【0096】
化合物23;4−(4−(2−テトラヒドロフルフリルオキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0097】
【化28】
【0098】
化合物24;4−(2,4−ジ(2−テトラヒドロフルフリルオキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0099】
【化29】
【0100】
化合物25;4−(6−(ブロモフェニル)−2−イソプロポキシカルボニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0101】
【化30】
【0102】
化合物26;4−(ブロモ−2−イソプロポキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0103】
【化31】
【0104】
化合物27;4−(6−(4−クロロフェニル)−2−イソプロポキシカルボニルフェノキシ))−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0105】
【化32】
【0106】
化合物28;4−(4−フルオロ−2−(2−メトキシエトキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0107】
【化33】
【0108】
化合物29;4−(6−(4−ブロモメチルフェニル)−2−(2−テトラヒドロフルフリルオキシ)カルボニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0109】
【化34】
【0110】
化合物30;4−(6−(4−ブロモメトキシフェニル)−2−イソプロポキシカルボニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0111】
【化35】
【0112】
化合物31;4−(2−(2−メトキシエトキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0113】
【化36】
【0114】
化合物32;4,5−ビス(2−イソプロポキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,6−ジフルオロフタロニトリル:
【0115】
【化37】
【0116】
化合物33;4,5−ビス(2−tert−ブトキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,6−ジフルオロフタロニトリル:
【0117】
【化38】
【0118】
化合物34;4−(4−(2−ブロモエトキシ)カルボニル−2−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0119】
【化39】
【0120】
化合物35;4−(2−(2−ブロモエトキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0121】
【化40】
【0122】
化合物36;4−(2−(6−ブロモヘキシルオキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0123】
【化41】
【0124】
化合物37;4−(2,4−ジ(6−ブロモヘキシルオキシカルボニル)−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0125】
【化42】
【0126】
化合物38;4−(2−(2−ブロモエチル)−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0127】
【化43】
【0128】
化合物39;4−(4−(2−ブロモエトキシ)−2−イソプロポキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0129】
【化44】
【0130】
化合物40;4−(2−(2−ブロモエトキシ)−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0131】
【化45】
【0132】
化合物41;4−(2−(2−ブロモエトキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0133】
【化46】
【0134】
化合物42;4−(2−(1−ブロモ−2−プロポキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0135】
【化47】
【0136】
化合物43;4−(2−(1−ブロモ−1−プロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0137】
【化48】
【0138】
化合物44;4−(2−(1,3−ジブロモ−2−プロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0139】
【化49】
【0140】
化合物45;4−(2−(1,4−ジブロモ−2−ブトキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリル:
【0141】
【化50】
【0142】
化合物46;4,5−ビス(4−(6−ブロモヘキシル)−2−フェニルフェノキシ)−3,6−ジフルオロフタロニトリル:
【0143】
【化51】
【0144】
化合物47;4,5−ビス(2−(2−ブロモエトキシカルボニル)−6−フェニルフェノキシ)−(2−エトキシカルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,6−ジフルオロフタロニトリル:
【0145】
【化52】
【0146】
化合物48;4,5−ビス(2−(2,3−ジブロモ−1−プロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,6−ジフルオロフタロニトリル:
【0147】
【化53】
【0148】
次に、本発明のフタロニトリル化合物の製造方法は、置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフェノール化合物と少なくとも一つのハロゲン原子で置換されているフタロニトリル化合物を反応させることを特徴とするものである。
【0149】
以下に、本発明の新規フタロニトリル化合物の製造方法について詳細に明記する。
【0150】
一般式(1)に示すフタロニトリル化合物を例にとれば、下記式(2)にしたがって合成できる。
【0151】
【化54】
【0152】
また、上記合成式において、原料のフェノール化合物を2倍量用いることによって、下記一般式(3)に示すフタロニトリル化合物を合成できる。
【0153】
【化55】
【0154】
本発明の新規フタロニトリル化合物の製造方法において、上記置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフェノール化合物と少なくとも一つのハロゲン原子で置換されているフタロニトリル化合物との反応は、無溶媒中でも行えるが、有機溶媒を使用して行うのが好ましい。有機溶媒は、出発原料と反応性のない不活性な溶媒であればいずれもよく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、ニトロベンゼン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、1−クロロナフタレン、1−メチルナフタレン、エチレングリコール、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトフェノン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジメチルスルホキシド、スルホランなどを用いることができ、好ましくは、アセトニトリル、ベンゾニトリルである。
【0155】
また、本発明では、反応の進行を促進するために触媒を共存させることができる。このような触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリ−n−オクチルアミンなどの3級アミン化合物、KOH、NaOH、K2 CO3 、Na2 CO3 、KF、NaFなどのアルカリ金属化合物類が挙げられるが、好ましくはKFである。KFは少なくとも一つのハロゲン原子で置換されているフタロニトリル化合物に対して不活性なため、副反応がおこりにくいので好ましい。
【0156】
本発明では、有機溶媒100部(以下、重量部を表す。)に対して、置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフェノール化合物を2〜40部、好ましくは5〜20部の範囲、少なくとも一つのハロゲン原子で置換されているフタロニトリル化合物を置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフェノール化合物1モルに対して1〜2モル、好ましくは1.1〜1.5モルの範囲で仕込んで、反応温度30〜250℃、好ましくは50〜200℃の範囲で反応させる。また、触媒を共存させる場合には、触媒を置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフェノール化合物1モルに対して0.1〜8モル、好ましくは0.5〜4モルの範囲で仕込んで反応させる。
【0157】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
【0158】
実施例1
例示化合物11:4−(2−(2,4−ジメチル−3−ペントキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの製造
2−(2,4−ジメチル−3−ペントキシ)カルボニル−6−フェニルフェノール3.12g(0.01モル)、フッ化カリウム1.74g(0.03モル)、テトラフルオロフタロニトリル2.00g(0.01モル)およびアセトニトリル20mlを100ml四つ口フラスコに仕込み、還流下4時間反応させた。反応終了後、フッ化カリウムを濾別しアセトニトリルを留去することにより目的物の淡黄色ケーキ4.04gを得た(収率82%)。得られた目的物の物性は、下記表1に示す通りである。
【0159】
【表1】
【0160】
実施例2
例示化合物5:4−(2−(2−プロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの製造
2−(2−プロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノール2.56g(0.01モル)、フッ化カリウム1.74g(0.03モル)、テトラフルオロフタロニトリル2.00g(0.01モル)およびアセトニトリル20mlを100ml四つ口フラスコに仕込み、還流下4時間反応させた。反応終了後、フッ化カリウムを濾別しアセトニトリルを留去することにより目的物の淡黄色ケーキ3.80gを得た(収率87%)。得られた目的物の物性は、下記表2に示す通りである。
【0161】
【表2】
【0162】
実施例3
例示化合物44:4−(2−(1,3−ジブロモ−2−プロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの製造
2−(1,3−ジブロモ−2−プロポキシ)カルボニル−6−フェニルフェノール4.14g(0.01モル)、フッ化カリウム1.74g(0.03モル)、テトラフルオロフタロニトリル2.00g(0.01モル)およびアセトニトリル20mlを100ml四つ口フラスコに仕込み、還流下4時間反応させた。反応終了後、フッ化カリウムを濾別しアセトニトリルを留去することにより目的物の淡黄色ケーキ5.05gを得た(収率85%)。得られた目的物の物性は、下記表3に示す通りである。
【0163】
【表3】
【0164】
実施例4
例示化合物10:4−(2−(6−ウンデカノキシ)カルボニル−6−フェニルフェノキシ)−3,5,6−トリフルオロフタロニトリルの製造
2−(6−ウンデカノキシ)カルボニル−6−フェニルフェノール3.69g(0.01モル)、フッ化カリウム1.74g(0.03モル)、テトラフルオロフタロニトリル2.00g(0.01モル)およびアセトニトリル20mlを100ml四つ口フラスコに仕込み、還流下4時間反応させた。反応終了後、フッ化カリウムを濾別しアセトニトリルを留去することにより目的物の淡黄色ケーキ4.28gを得た(収率78%)。得られた目的物の物性は、下記表4に示す通りである。
【0165】
【表4】
【0166】
【発明の効果】
本発明の新規なフタロニトリル化合物は、光記録媒体に用いられるフタロシアニン化合物の原料として、光記録媒体に必要な特性を有するように分子設計されてなるものである。特にコンパクトディスク対応の光記録媒体に用いられるフタロシアニン化合物の原料として、それらに必要な特性である溶解度、吸収波長、感度、反射率、耐光性、熱分解特性を有するように、こうした特性を発現し得る1種ないし2種以上の置換基をフタロニトリル骨格のベンゼン核上の設計された位置に導入してなるものである。したがって、本発明の新規化合物により、吸収特性、溶解性、耐光性、熱分解特性および経済性に優れており、また650〜900nmの近赤外域に吸収を有する新規なフタロシアニン化合物を設計通りに合成することができる。
【0167】
本発明の製造方法によれば、フタロニトリル骨格のベンゼン核上の設計された位置に置換基を導入することが可能である。すなわち、本発明の製造方法によれば、用途に応じた化合物の分子設計が可能となり、その際、複雑な製造工程を経る必要もなく工業的に有利である。
Claims (6)
- フタロニトリル骨格のベンゼン核の4個の置換可能な位置のうちの1〜2個がフェノキシ基で置換されてなり、かつ該フェノキシ基が置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフタロニトリル化合物であって、
前記フェノキシ基のオルソ位の一方が前記アリール基で置換されており、少なくとも残位のオルソ位が下記(1)〜(7)群の置換基
R1は、ハロゲン原子;ブロモ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;または置換基を有していてもよいアリール基(置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、フッ素原子、塩素原子、ブロモ原子、ヨウ素原子から選ばれてなるものである。)を表わし、
R2は、ブロモ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;または置換基を有していてもよいアリール基(置換基としては、メチル基、シクロヘキシル基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、フェニル基から選ばれてなるものである。)を表わし、
R3は、炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;またはアリール基を表わし、
R4は、炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;またはアリール基を表わし、
R5は、ブロモ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;またはアリール基を表わし、
R6は、アリール基を表わし、
AはCH基または窒素原子を表わし、Bは酸素原子、硫黄原子、CH2基、NH基または炭素原子数1〜4個のアルキルアミノ基を表わし、a、b、cおよびeは1〜5の整数であり、dおよびfは0〜6の整数であり、gおよびhは各々独立に1〜4の整数である。)から選ばれる少なくとも1種の置換基で置換されてなり、
前記フェノキシ基のオルソ位以外の置換可能な位置は、無置換、またはその一部または全部が、上記(1)〜(7)群の置換基、直鎖または分岐している炭素数1〜20個のモノアルキルアミノ基、直鎖または分岐している炭素数1〜20個のジアルキルアミノ基、アニリノ基またはニトロ基で置換されたものであり、
前記フタロニトリル骨格のベンゼン核の4個の置換可能な位置のうちの、前記フェノキシ基で置換された以外の置換可能な位置は、無置換、またはその一部または全部がハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基(置換アミノ基を含む)、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコシキカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基で置換されたものであり、
前記フェノキシ基上に置換されたアリール基に場合によっては存在する置換基が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基であるフタロニトリル化合物。 - フタロニトリル骨格のベンゼン核の4個の置換可能な位置のうちの1〜2個がフェノキシ基で置換されてなり、かつ該フェノキシ基が置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフタロニトリル化合物であって、
一般式(1)
R1は、ハロゲン原子;ブロモ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;または置換基を有していてもよいアリール基(置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、フッ素原子、塩素原子、ブロモ原子、ヨウ素原子から選ばれてなるものである。)を表わし、
R2は、ブロモ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;または置換基を有していてもよいアリール基(置換基としては、メチル基、シクロヘキシル基、エトキシ基、フッ素原子、塩素原子、フェニル基から選ばれてなるものである。)を表わし、
R3は、炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;またはアリール基を表わし、
R4は、炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;またはアリール基を表わし、
R5は、ブロモ基を有していてもよい炭素原子数1〜20個の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基;またはアリール基を表わし、
R6は、アリール基を表わし、
AはCH基または窒素原子を表わし、Bは酸素原子、硫黄原子、CH2基、NH基または炭素原子数1〜4個のアルキルアミノ基を表わし、a、b、cおよびeは1〜5の整数であり、dおよびfは0〜6の整数であり、gおよびhは各々独立に1〜4の整数である。)から選ばれる少なくとも一種の置換基を表し、またnは0〜4の整数である。}で示されるフタロニトリル化合物。 - 一般式(1)において、Vがブロモ原子を含有するアルコキシカルボニル基である請求項2に記載のフタロニトリル化合物。
- 一般式(1)において、Vは2級以上のアルキル基が直接カルボニル基に結合したアルコキシカルボニル基である請求項2に記載のフタロニトリル化合物。
- 置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフェノール化合物と少なくとも一つのハロゲン原子で置換されているフタロニトリル化合物を反応させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のフタロニトリル化合物の製造方法であって、
前記フェノール化合物のオルソ位の一方が前記アリール基で置換されており、少なくとも残位のオルソ位が請求項1に規定した(1)〜(7)群の置換基から選ばれる少なくとも1種の置換基で置換されてなり、
前記フェノール化合物のオルソ位以外の置換可能な位置は、無置換、またはその一部または全部が前記(1)〜(7)群の置換基、直鎖または分岐している炭素数1〜20個のモノアルキルアミノ基、直鎖または分岐している炭素数1〜20個のジアルキルアミノ基、アニリノ基またはニトロ基で置換されたものであり、
前記少なくとも一つのハロゲン原子で置換されているフタロニトリル化合物のベンゼン核の置換可能な位置のうちの、該ハロゲン原子で置換された以外の置換可能な位置は、無置換、またはその一部または全部がアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、アミノ基(置換アミノ基を含む)、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルコシキカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、スルホニル基、アルコキシカルボニル基、ヘテロ環オキシ基、アゾ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、シリルオキシ基、アリールオキシカルボニル基、イミド基、ヘテロ環チオ基、スルフィニル基、ホスホリル基、アシル基で置換されたものであり、
前記フェノール化合物に置換されたアリール基に場合によっては存在する置換基が、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基であることを特徴とするフタロニトリル化合物の製造方法。 - 置換基を有していてもよいアリール基で置換されているフェノール化合物と少なくとも一つのハロゲン原子で置換されているフタロニトリル化合物を反応させることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のフタロニトリル化合物の製造方法であって、
得られるフタロニトリル化合物が、請求項2に規定した一般式(1)で示されるものであることを特徴とするフタロニトリル化合物の製造方法。
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