JP3238183B2 - 新規フタロシアニン化合物およびその製造方法 - Google Patents

新規フタロシアニン化合物およびその製造方法

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JP3238183B2
JP3238183B2 JP2384692A JP2384692A JP3238183B2 JP 3238183 B2 JP3238183 B2 JP 3238183B2 JP 2384692 A JP2384692 A JP 2384692A JP 2384692 A JP2384692 A JP 2384692A JP 3238183 B2 JP3238183 B2 JP 3238183B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なフタロシアニン
化合物およびその製造方法、ならびに近赤外域に吸収を
もつ近赤外線吸収材料に関するものである。本発明にか
かる新規なフタロシアニン化合物は、650〜1200
nmの近赤外域に吸収を有し溶解性に優れているので、半
導体レーザーを使う光記録媒体、液晶表示装置、光学文
字読取機等における書き込みあるいは読み取りの為の近
赤外線吸収色素、近赤外光増感剤、感熱転写、感熱紙・
感熱孔版等の光熱変換剤、近赤外線吸収フィルター、眼
精疲労防止剤、光導電材料などとして用いる近赤外吸収
材料として、あるいは、撮像管に用いる色分解フィルタ
ー、液晶表示素子、カラーブラウン管選択吸収フィルタ
ー、カラートナー、インクジェット用インク、改ざん偽
造防止用バーコード用インク、更に微生物不活性化剤、
腫瘍治療用感光性色素等に用いる際に優れた効果を発揮
するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンパクトディスク、レーザーデ
ィスク、光メモリーディスク、光カード等の光記録媒
体、液晶表示装置、光学文字読取機等における書込みあ
るいは読み取りの為に、半導体レーザーが光源として用
いられることにより、又、光導電材料、近赤外線吸収フ
ィルター、眼精疲労防止剤、感熱転写・感熱紙、感熱孔
版等の光熱変換剤、近赤外光増感剤として近赤外線を吸
収する物質、いわゆる近赤外線吸収色素への開発要求が
高まっている。
【0003】また、撮像管に用いる色分解フィルター、
液晶表示素子、カラーブラウン管選択吸収フィルター、
カラートナー、インクジェット用インク、改ざん偽造防
止用バーコード用インク、更に微生物不活性化剤、腫瘍
治療用感光性色素等に用いる可視吸収色素においてもよ
り堅牢で色調を制御できる色素が求められている。なか
でも光、熱、温度等に対して安定であり堅牢性に優れて
いるフタロシアニン系化合物については数多く検討され
ている。
【0004】一方、実用上有利となる溶解性を有するフ
タロシアニン化合物も最近開示されている。例えば、
3,6−オクタアルコキシフタロシアニン(特開昭61
−223056号)があげられるが、近赤外域において
吸収が不充分なことおよび製造工程が複雑で安価なフタ
ロシアニンを得ることができないという問題を有してい
る。
【0005】特開昭60−209583号、同昭61−
152685号、同昭63−308073号、および同
昭64−62361号にはフタロシアニン骨格にチオエ
ーテル基等を多数置換させることにより、溶解度を向上
させると同時に、吸収波長を長波長化させた化合物が開
示されている。
【0006】その中で、特開昭60−209583号、
および同昭61−152685号では、フタロシアニン
骨格特に3,6−位にチオエーテル基を導入する合成例
が開示されている。その方法は、フタロシアニン骨格の
3,6位にクロル原子を有するフタロシアニン化合物と
有機チオール化合物をキノリン溶媒中、KOH存在下加
熱して3,6−位にチオエーテル基を有するフタロシア
ニンを得ている。しかし、いずれも収率が20〜30%
程度であり製造効率に問題を有している。
【0007】また、特開昭60−209583号、同昭
61−152685号および特開昭64−62361号
にはフタロシアニン骨格に8〜16個のチオエーテル基
を多数導入する合成例も開示されている。その方法は、
フタロシアニン骨格のベンゼン核に8〜16個のクロル
原子および/またはブロム原子を有するフタロシアニン
化合物と有機チオール化合物とをキノリン溶媒中、KO
H存在下加熱してフタロシアニン骨格のベンゼン核に8
〜16個のチオエーテル基を有するフタロシアニンを得
ている。
【0008】しかし、前述のものと同じくいずれも収率
が20〜30%程度であり製造効率に問題を有してい
る。すなわち、クロル原子またはブロム原子のチオエー
テル基への置換性が悪い為に低収率となり、例えば、ク
ロル原子がチオエーテル基に全く置換されていないまま
の未反応フタロシアニンあるいは一部のクロル原子がチ
オエーテル基に置換した未反応型フタロシアニンが生成
する。これらの未反応型のフタロシアニンと目的物質の
フタロシアニンとを互いに分離するのは実際上困難であ
るために、実質的には種々の組成のフタロシアニンの混
合物しか得られないのが実情である。
【0009】事実、特開昭64−62361号ではシリ
カゲルカラムで分離後でもポリチオール置換混合縮合型
フタロシアニン組成物として記載されており未反応型が
残存しているのを物語っている。なお、クロル原子が一
部残存した場合それらの溶解性は著しく低下する為、近
赤外線吸収色素として溶解させて薄膜化させるには不利
となる。
【0010】特開昭63−308073号では、モノブ
ロモテトラデカクロロフタロシアニンと2−アミノチオ
フェノールおよび4−メチルフェニルチオールの有機チ
オール混合物とをDMF溶媒中でKOH存在下加熱して
チオエーテル置換基を導入し、フタロシアニンを42%
の収率で得ている。しかし、この方法は異なる有機チオ
ール混合物を同時に加えて反応させているので、一種の
組み合せのチオエーテル置換基を有しているフタロシア
ニン混合物が得られることになり単一な特性が得られず
吸収波長を制御する必要のある用途、例えばシアン色イ
ンクジェット用インクあるいは近赤外吸収色素として用
いる場合、用途が限定されるという問題を有している。
【0011】特開平1−275664号、および同平2
−18462号には、フタロシアニン顔料をスルホン化
し続いてスルホンアミド化することにより水溶性のフタ
ロシアニン化合物を得ているが、これらは吸収波長の制
御が困難なためシアン色インクジェット用インク、カラ
ーフィルター用染料等に用いる際に不利である。
【0012】本発明者らはこれらの欠点を解決するため
に特願平1−209599号、特願平2−125518
号、特願平2−144292号において、オクタデカフ
ルオロフタロシアニンのフッ素を選択的にアルキルチオ
基あるいはアリールチオ基で置換することにより吸収の
長波長化および溶媒溶解性の向上を試み、ある程度の効
果を上げた。
【0013】しかし、プラスチック基盤上への溶媒塗布
を行うためにはプラスチックをおかさない溶媒として一
般に用いられているアルコール類に特に溶解することが
必要であるが、それらの溶解性は必ずしも満足できるも
のではなく、さらに溶解性の向上した化合物が要求され
ている。また、吸収波長もさらに長波長化することが好
ましいものであった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の有
する前記事情に鑑みてなされたものである。すなわち、
本発明の目的は650〜900nmの近赤外域に吸収を有
し溶解性、特にアルコール性溶媒に対して溶解性に優れ
た新規なフタロシアニン化合物を提供することにある。
また、本発明の他の目的は該フタロシアニン化合物を効
率よく、しかも高純度で製造する方法を提供することに
ある。
【0015】さらに、本発明の他の目的は近赤外域に吸
収を有し溶解性(特にアルコール溶媒に対して)にすぐ
れた新規フタロシアニン化合物を含有してなる近赤外線
吸収材料を提供することにある。そして、本発明のさら
なる目的として、各種の吸収波長に制御された近赤外吸
収フタロシアニン化合物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明によれ
ば、下記一般式(I):
【化3】
【0017】〔式中、XはSR3 を表わし;R1 ,R2
及びR3 は相互に独立に、炭素原子数1〜20のアルキ
ル基、炭素原子数4〜6のシクロアルキル基、又はフェ
ニル基、ベンジル基もしくはナフチル基(該フェニル
基、ベンジル基及び/又はナフチル基は、炭素原子数1
〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシル基
及び/又はハロゲン原子により置換されていてもよい)
を表わし;そしてMは金属、酸化金属、又はハロゲン化
金属を表わす〕 で示される新規含フッ素フタロシアニン化合物が提供さ
れる。
【0018】このような含フッ素フタロシアニン化合物
としては、例えば、R1 ,R2 、及びR3 がフェニル残
基、トリル残基、キシリル残基、ベンジル残基、ナフチ
ル残基、1〜2個のフッ素もしくはクロル原子で置換し
ているフェニル基、炭素数1〜20のアルキル基、又は
炭素数4〜6のシクロアルキル基であり、そしてMがC
u,Zn,Fe,Ni,Co,Pb,AlCl,Al
I,InCl,InI,GaCl,GaI,TiC
2 ,TiO,VCl2 ,VO,SnCl2 又はGeC
2 である化合物が挙げられる。
【0019】具体的には以下のような化合物である。 (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスフェ
ニルチオ)−3,6−オクタフルオロ銅フタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスフェ
ニルチオ)−3,6−オクタフルオロ亜鉛フタロシアニ
ン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスフェ
ニルチオ)−3,6−オクタフルオロコバルトフタロシ
アニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスフェ
ニルチオ)−3,6−オクタフルオロニッケルフタロシ
アニン
【0020】(4−テトラキスフェノキシ)−(5−テ
トラキスフェニルチオ)−3,6−オクタフルオロ鉄フ
タロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスフェ
ニルチオ)−3,6−オクタフルオロオキシバナジウム
フタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスフェ
ニルチオ)−3,6−オクタフルオロオキシチタニウム
フタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスフェ
ニルチオ)−3,6−オクタフルオロ−クロロインジウ
ムフタロシアニン
【0021】(4−テトラキスフェノキシ)−(5−テ
トラキスフェニルチオ)−3,6−オクタフルオロ−ク
ロロアルミニウムフタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスフェ
ニルチオ)−3,6−オクタフルオロ−ジクロロ錫フタ
ロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスフェ
ニルチオ)−3,6−オクタフルオロ−ジクロロゲルマ
ニウムフタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−o
−メチルフェニルチオ)−3,6−オクタフルオロ銅フ
タロシアニン
【0022】(4−テトラキスフェノキシ)−(5−テ
トラキス−2,4−ジメチルフェニルチオ)−3,6−
オクタフルオロ銅フタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−p
−メトキシフェニルチオ)−3,6−オクタフルオロコ
バルトフタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−α
−ナフチルチオ)−3,6−オクタフルオロ亜鉛フタロ
シアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−β
−ナフチルチオ)−3,6−オクタフルオロ亜鉛フタロ
シアニン
【0023】(4−テトラキスフェノキシ)−(5−テ
トラキス−n−ブチルチオ)−3,6−オクタフルオロ
コバルトフタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−n
−ブチルチオ)−3,6−オクタフルオロ亜鉛フタロシ
アニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−n
−ブチルチオ)−3,6−オクタフルオロオキシバナジ
ウムフタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスシク
ロヘキシルチオ)−3,6−オクタフルオロオキシバナ
ジウムフタロシアニン
【0024】(4−テトラキスフェノキシ)−(5−テ
トラキス−n−オクチルチオ)−3,6−オクタフルオ
ロ亜鉛フタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−t
ert−ブチルチオ)−3,6−オクタフルオロ鉄フタ
ロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−p
−フルオロフェニルチオ)−3,6−オクタフルオロ亜
鉛フタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスベン
ジルチオ)−3,6−オクタフルオロオキシバナジウム
フタロシアニン
【0025】(4−テトラキス−o−メチルフェノキ
シ)−(5−テトラキスフェニルチオ)−3,6−オク
タフルオロ銅フタロシアニン (4−テトラキス−o−メチルフェノキシ)−(5−テ
トラキス−o−メチルフェニルチオ)−3,6−オクタ
フルオロ銅フタロシアニン (4−テトラキス−o−メチルフェノキシ)−(5−テ
トラキス−o−メチルフェニルチオ)−3,6−オクタ
フルオロオキシバナジウムフタロシアニン (4−テトラキス−p−メチルフェノキシ)−(5−テ
トラキスフェニルチオ)−3,6−オクタフルオロオキ
シバナジウムフタロシアニン
【0026】(4−テトラキス−p−フルオロフェノキ
シ)−(5−テトラキス−n−ブチルチオ)−3,6−
オクタフルオロ銅フタロシアニン (4−テトラキス−α−ナフチル)−(5−テトラキス
フェニルチオ)−3,6−オクタフルオロコバルトフタ
ロシアニン (4−テトラキスメトキシ)−(5−テトラキス−o−
メチルフェニルチオ)−3,6−オクタフルオロ亜鉛フ
タロシアニン (4−テトラキスエトキシ)−(5−テトラキスフェニ
ルチオ)−3,6−オクタフルオロクロロアルミニウム
フタロシアニン
【0027】(4−テトラキスエトキシ)−(5−テト
ラキスエチルチオ)−3,6−オクタフルオロジクロロ
ゲルマニウムフタロシアニン (4−テトラキス−n−ブトキシ)−(5−テトラキス
−p−フェニルチオ)−3,6−オクタフルオロオキシ
チタニウムフタロシアニン (4−テトラキス−n−ブトキシ)−(5−テトラキス
フェニルチオ)−3,6−オクタフルオロオキシチタニ
ウムフタロシアニン (4−テトラキス−n−ブトキシ)−(5−テトラキス
フェニルチオ)−3,6−オクタフルオロ鉛フタロシア
ニン
【0028】(4−テトラキス−n−ブトキシ)−(5
−テトラキス−p−フェニルチオ)−3,6−オクタフ
ルオロ銅フタロシアニン (4−テトラキス−n−ブトキシ)−(5−テトラキス
−n−ブチルチオ)−3,6−オクタフルオロ亜鉛フタ
ロシアニン (4−テトラキス−n−ブトキシ)−(5−テトラキス
−n−ブチルチオ)−3,6−オクタフルオロオキシバ
ナジウムフタロシアニン (4−テトラキス−n−ブトキシ)−(5−テトラキス
−n−ブチルチオ)−3,6−オクタフルオロジクロロ
錫フタロシアニン
【0029】(4−テトラキスシクロヘキシルオキシ)
−(5−テトラキス−n−オクチルチオ)−3,6−オ
クタフルオロ銅フタロシアニン (4−テトラキス−n−オクチルオキシ)−(5−テト
ラキス−o−フェニルチオ)−3,6−オクタフルオロ
亜鉛フタロシアニン (4−テトラキス−α−ナフチルオキシ)−(5−テト
ラキス−α−ナフチルチオ)−3,6−オクタフルオロ
銅フタロシアニン (4−テトラキス−α−ナフチルオキシ)−(5−テト
ラキス−n−ブチルチオ)−3,6−オクタフルオロク
ロロインジウムフタロシアニン
【0030】(4−テトラキス−o−クロロフェノキ
シ)−(5−テトラキスフェニルチオ)−3,6−オク
タフルオロニッケルフタロシアニン (4−テトラキス−o−クロロフェノキシ)−(5−テ
トラキス−n−ヘキシルチオ)−3,6−オクタフルオ
ロオキシチタニウムフタロシアニン (4−テトラキス−p−クロロフェノキシ)−(5−テ
トラキス−p−フェニルチオ)−3,6−オクタフルオ
ロ銅フタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−α
−ナフチルオキシ)−3,6−オクタフルオロコバルト
フタロシアニン
【0031】(4−テトラキスフェノキシ)−(5−テ
トラキス−o−クロロフェノキシ)−3,6−オクタフ
ルオロコバルトフタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−p
−メトキシフェノキシ)−3,6−オクタフルオロオキ
シチタニウムフタロシアニン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキスエト
キシ)−3,6−オクタフルオロニッケルフタロシアニ
ン (4−テトラキスフェノキシ)−(5−テトラキス−n
−ブトキシ)−3,6−オクタフルオロジクロロ錫フタ
ロシアニン
【0032】(4−テトラキス−p−フルオロフェノキ
シ)−(5−テトラキス−p−クロロフェニルチオ)−
3,6−オクタフルオロ銅フタロシアニン (4−テトラキスベンジルオキシ)−(5−テトラキス
フェニルチオ)−3,6−オクタフルオロクロロインジ
ウムフタロシアニン (4−テトラキス−n−プロピルオキシ)−(5−テト
ラキス−iso−プロピルオキシ)−3,6−オクタフ
ルオロコバルトフタロシアニン (4−テトラキス−n−ブトキシ)−(5−テトラキス
−n−オクチルオキシ)−3,6−オクタフルオロ亜鉛
フタロシアニン (4−テトラキス−n−ブトキシ)−(5−テトラキス
−n−ドデシルオキシ)−3,6−オクタフルオロ銅フ
タロシアニン。
【0033】本発明の前記一般式(I)で示される含フ
ッ素フタロシアニン化合物は例えば、下記一般式(I
I):
【0034】
【化4】
【0035】〔式中、XはSR3 を表わし;R1 ,R2
及びR3 は相互に独立に、炭素原子数1〜20のアルキ
ル基、炭素原子数4〜6のシクロアルキル基、又はフェ
ニル基、ベンジル基もしくはナフチル基(該フェニル
基、ベンジル基及び/又はナフチル基は、炭素原子数1
〜4のアルキル基、炭素原子数1〜4のアルコキシル基
及び/又はハロゲン原子により置換されていてもよい)
を表わす〕 で表わされるフタロニトリル誘導体と、下記一般式(II
I):
【0036】 Mm X′n (III) (式中、Mは金属又は金属酸化物を表わし、X′は酸素
原子、ハロゲン原子又は有機酸基を表わし、そしてm及
びnは1〜5の整数を表わす)で表わされる金属酸化
物、金属ハロゲン化物又は有機酸金属塩とを反応させる
ことにより製造することができる。
【0037】以下、本発明の製造方法について詳細に説
明する。上記フタロニトリル誘導体と金属酸化物、金属
ハロゲン化物又は有機金属塩との反応は、無溶媒中で行
なうこともできるが有機溶媒を使用して行なうのが好ま
しい。有機溶剤は出発原料と反応性のない不活性な溶媒
であればいずれでもよく、例えばベンゼン、トルエン、
キシレン、ニトロベンゼン、モノクロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン、トリクロロベンゼン、クロロナフタレ
ン、メチルナフタレン、エチレングリコール、ベンゾニ
トリル等の不活性溶媒、あるいはピリジン、N,N−ジ
メチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、
N−メチル−2−ピロリジノン、トリエチルアミン、ト
リ−n−ブチルアミン、ジメチルスルホン、スルホラン
などの非プロトン性極性溶媒などを用いることができ、
好ましくは、クロロナフタレン、トリクロロベンゼン、
ニトロベンゼン、ベンゾニトリルである。
【0038】本発明では有機溶媒100重量部に対して
一般式(II)で示される含フッ素フタロニトリル誘導体
は2〜30重量部の範囲、一般式(III)で示される金属
酸化物、金属ハロゲン化物又は有機金属塩は該フタロニ
トリル誘導体4モルに対して1〜2モルの範囲仕込んで
反応温度30〜250℃、好ましくは80〜200℃の
範囲で反応させる。
【0039】本発明における好ましい反応温度として
は、30〜250℃の範囲が好ましく、特に80〜20
0℃の範囲が好ましい。本発明において、出発原料であ
る含フッ素フタロニトリルは例えば下記のスキームの第
一ステップ及び第二ステップに従って合成できる。下記
のスキームにおけるR1 ,R2 ,R3 、及びXは一般式
IにおけるR1 ,R2 ,R3 、及びXと同じものであ
る。そして、本発明は、それらの原料を用いて下記の第
三ステップに従い目的物質を得ることができる。なお、
下記のスキームの第一ステップ及び第二ステップの製造
方法については特願昭63−65806、同63−21
3830、特願平1−103554、同1−10355
4などに開示されている。
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】
【発明の効果】本発明の製造方法に拠れば、フタロシア
ニン骨格に位置選択的に置換基を導入することが可能で
ある。すなわち、本発明の製造方法によれば、用途に応
じた近赤外線の吸収波長域または溶解性を変えた化合物
の分子設計が可能となり、その際、複雑な製造工程を経
る必要もなく工業的に有利である。また、純度のよいエ
ーテル置換基を有しており、特開昭63−295578
号の如く、溶解性を悪くさせるクロル原子、ブロム原子
を含有しておらず、本発明の新規化合物中のフッ素原子
はむしろ溶解性を高める効果を有している。
【0043】以上述べた如く、本発明の新規化合物は、
従来知られているフタロシアニン化合物に比べ有機溶媒
への溶解性が高く、また、650〜900nmの近赤外域
に吸収を有するので、近赤外線吸収色素として実用的に
使用できる。以下、本発明を実施例により更に具体的に
説明する。
【0044】
【実施例】実施例1. 4−テトラキスフェノキシ−(5−テトラキスフェニル
チオ)−3,6−オクタキスフルオロコバルトフタロシ
アニン〔CoPc(PhO)4 (PhS)4 8 4−フェノキシ−5−フェニルチオ−3,6−ジフルオ
ロフタロニトリル5.00g(13.7mmol)、無水塩
化第一コバルト5.54g(4.12mmol)、およびベ
ンゾニトリル50mlを100ml四ツ口フラスコに仕込み
175℃で4時間反応させた。反応終了後、生成した固
形分を濾別し、残った固形分をメタノールで洗浄するこ
とにより目的物の暗緑色ケーキ4.49gを得た(収率
86.5%)。
【0045】吸収波長 クロロホルム中 709.5nm
(ε=7.92×104 ) 塗膜 719.5nm 溶解度 クロロホルム 1.2wt% トルエン 0.8wt% 元素分析値 C(%) H(%) N(%) S(%) F(%) 理論値 63.37 2.66 7.39 8.46 10.02 分析値 62.98 2.61 7.13 8.51 9.76 赤外吸収スペクトル この化合物の赤外吸収スペクトルを図1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた化合物の赤外吸収スペクト
ルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C09D 11/00 B41M 5/26 K C09K 3/00 105 Y (56)参考文献 特開 昭64−45474(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09B 47/067 C09B 47/20 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I): 【化1】 〔式中、XはSR3 であり;R1 ,R2 及びR3 は相互
    に独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子
    数4〜6のシクロアルキル基、又はフェニル基、ベンジ
    ル基もしくはナフチル基(該フェニル基、ベンジル基及
    び/又はナフチル基は、炭素原子数1〜4のアルキル
    基、炭素原子数1〜4のアルコキシル基及び/又はハロ
    ゲン原子により置換されていてもよい)を表わし;そし
    てMは金属、酸化金属、又はハロゲン化金属を表わす〕 で示される新規フタロシアニン化合物。
  2. 【請求項2】下記一般式(II): 【化2】 〔式中、XはSR3 を表わし;R1 ,R2 及びR3 は相
    互に独立に、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原
    子数4〜6のシクロアルキル基、又はフェニル基、ベン
    ジル基もしくはナフチル基(該フェニル基、ベンジル基
    及び/又はナフチル基は、炭素原子数1〜4のアルキル
    基、炭素原子数1〜4のアルコキシル基及び/又はハロ
    ゲン原子により置換されていてもよい)を表す〕 で表されるフタロニトリル化合物と、下記一般式(II
    I): Mm X′n (III) (式中、Mは金属又は金属酸化物を表わし、X′は酸素
    原子、ハロゲン原子又は有機酸基を表わし、そしてm及
    びnは1〜5の整数を表わす) により表わされる金属酸化物、金属ハロゲン化物又は有
    機酸金属塩とを反応させることを特徴とする請求項1記
    載の新規フタロシアニン化合物の製造方法。
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