JP3444393B2 - 岸壁改造工法 - Google Patents

岸壁改造工法

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JP3444393B2 JP31171696A JP31171696A JP3444393B2 JP 3444393 B2 JP3444393 B2 JP 3444393B2 JP 31171696 A JP31171696 A JP 31171696A JP 31171696 A JP31171696 A JP 31171696A JP 3444393 B2 JP3444393 B2 JP 3444393B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岸壁改造工法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】既設の鋼矢板の控え式岸壁の前方水深を
深くし、岸壁の能力を増強する方法としては、図3に示
すように、既設の鋼矢板1の前面側に鋼管矢板2を打設
し、この鋼管矢板2の控えを後方の地盤に打設した鋼管
杭3からタイロッド4で取る構造がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような既
設の鋼矢板の前面側に鋼管矢板を打設する従来の改造工
法では、岸壁法線が変更してしまうものであり、また、
工事中においては既設岸壁は使用不能の状態となってし
まう。
【0004】本発明の目的は前記従来例の不都合を解消
し、既設の鋼矢板岸壁を生かして、岸壁法線を変更せず
に改造ができ、陸上からの施工ですむため工期も短く、
岸壁稼働の制限も少なくて済む合理的、経済的な岸壁構
造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するため、第1に、 岸壁改造を行う場合において、既
設の鋼矢板岸壁を構成する既設の鋼矢板の背後に近接し
て、また、既設の控え杭と前記既設の鋼矢板とを連結す
るタイロッドを避けて、鋼管杭を相互に間隔を開けて並
列させ、かつ、前記既設の鋼矢板よりも深く根入れする
ように打設し、全主働土圧を前記既設の鋼矢板と新設の
鋼管杭でそれぞれ分担されることを特徴としたこと、第
2に、鋼管杭と斜杭による控え杭をタイロッドで連結す
る、第3に、既設の鋼矢板岸壁を構成する既設の鋼矢板
と鋼管杭は上端をコーピングで一体とすること、第4
に、斜杭による控え杭と、既設の鋼矢板岸壁を構成する
既設の鋼矢板がタイロッドで連結する既設の控え杭との
上端を、コーピングで一体とすることを要旨とするもの
である。
【0006】請求項1記載の本発明によれば、岸壁法線
を変更せずに改造でき、既設岸壁をある程度稼働させな
がら、工事を行うことができる。また、既存のタイロッ
ド間の中間に鋼管杭が打設可能なため、既設構造物に対
する影響(鋼矢板やタイロッドの切断)がない。さら
に、既設鋼矢板の背面土中に打設するため、鋼管矢板で
はなく、鋼管杭で施工可能であり、経済的である。
【0007】請求項2記載の本発明によれば、前記作用
に加えて、鋼管杭と斜杭による控え杭をタイロッドで連
結することで荷重負担を斜杭による控え杭にも分散でき
るので、鋼管杭の根入れ深さを短くしたり、径を小さい
ものにすることができる。
【0008】請求項3記載の本発明によれば、鋼矢板と
鋼管杭は上端をコーピングで一体的なものとすることで
より安定化を図ることができる。
【0009】請求項4記載の本発明によれば、斜杭によ
る控え杭と既設の鋼矢板がコーピングで連結する既設の
控え杭との上端をコーピングで一体とすることにより、
控え杭同士を共働させ、より一層の安定化を図ることが
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面について本発明の実施
の形態を詳細に説明する。図1は本発明の岸壁改造工法
の1実施形態を示す側面図、図2は同上平面図で、図中
1は鋼矢板岸壁を構成する既設の鋼矢板である。
【0011】本発明は、前記既設の鋼矢板1の背後に近
接して鋼管杭6をこの鋼矢板1よりも深く根入れするよ
うに打設するが、既設の鋼矢板1は控えとしての後方の
鋼管杭7にタイロッド4aで連結しているので、この鋼
管杭6はタイロッド4aを避けて、相互に間隔を開けて
並列させるように打設した。
【0012】また、後方地盤では前記鋼管杭7の相互の
間を選定して、鋼管杭8a,8bによる斜杭を控えとし
て設置し、これら鋼管杭8a,8bの上端と前記鋼管杭
6の上端をタイロッド4bで連結する。
【0013】なお、既設の鋼矢板1と鋼管杭6の上端に
形成するコンクリート製のコーピング9a,9bはこれ
を一体的に結合させた。また、鋼管杭8a,8bによる
控え杭と前記既設の鋼矢板1の控えとしての後方の鋼管
杭7とをコーピング9cで上端を一体化した。
【0014】このように鋼管杭6を打設できる条件は、
第1に、岸壁背後が液状化しないこと、第2に、既設矢
板等の背後に近接して、密に鋼管杭を打設できること、
第3に、背後の地盤が杭間にアーチ作用を考慮できる程
度に良好なことである。
【0015】通常の鋼矢板岸壁の場合は、背面の主働土
圧はすべて鋼矢板が負担することになるが、本発明は複
合構造として既設の鋼矢板1の背後に鋼管杭6を密に打
設しているので、杭間土砂のアーチ作用によって全主働
土圧が一旦鋼管杭6に作用すると考えられる。次に、鋼
管杭6が主働土圧によりたわむことにより、既設の鋼矢
板1と鋼管杭6の間にある土砂を介して既設の鋼矢板1
にも土圧が作用する。その結果、全主働土圧は既設の鋼
矢板1と鋼管杭6でそれぞれ分担される。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように本発明の岸壁改造工法
は、既設の鋼矢板岸壁を生かして、岸壁法線を変更せず
に改造ができ、陸上からの施工ですむため工期も短く、
岸壁稼働の制限も少なくて済む合理的、経済的な岸壁構
造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の岸壁改造工法の1実施形態を示す側面
図である。
【図2】本発明の岸壁改造工法の1実施形態を示す平面
図である。
【図3】従来例を示す側面図である。
【符号の説明】
1…既設の鋼矢板 2…鋼管矢板 3…鋼管杭 4,4a,4b…
タイロッド 6,7,8a,8b…鋼管杭 9a,9b,9c…コーピング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 忍 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目12番 10号 鹿島建設株式会社 九州支店内 (56)参考文献 特開 平6−313310(JP,A) 特開 平1−226921(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02B 3/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 岸壁改造を行う場合において、既設の鋼
    矢板岸壁を構成する既設の鋼矢板の背後に近接して、ま
    た、既設の控え杭と前記既設の鋼矢板とを連結するタイ
    ロッドを避けて、鋼管杭を相互に間隔を開けて並列さ
    せ、かつ、前記既設の鋼矢板よりも深く根入れするよう
    に打設し、全主働土圧を前記既設の鋼矢板と新設の鋼管
    杭でそれぞれ分担されることを特徴とした岸壁改造工
    法。
  2. 【請求項2】 鋼管杭と斜杭による控え杭をタイロッド
    で連結する請求項1記載の岸壁改造工法。
  3. 【請求項3】 既設の鋼矢板岸壁を構成する既設の鋼矢
    板と鋼管杭は上端をコーピングで一体とする請求項1ま
    たは請求項2記載の岸壁改造工法。
  4. 【請求項4】 斜杭による控え杭と、既設の鋼矢板岸壁
    を構成する既設の鋼矢板がタイロッドで連結する既設の
    控え杭との上端を、コーピングで一体とする請求項2ま
    たは請求項3記載の岸壁改造工法。
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