JPH10280443A - 法面用ブロック及び法面工形成方法 - Google Patents

法面用ブロック及び法面工形成方法

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JPH10280443A
JPH10280443A JP9096391A JP9639197A JPH10280443A JP H10280443 A JPH10280443 A JP H10280443A JP 9096391 A JP9096391 A JP 9096391A JP 9639197 A JP9639197 A JP 9639197A JP H10280443 A JPH10280443 A JP H10280443A
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plate
front plate
opening
block
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Takeshige Shimonohara
武茂 下ノ原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】植生土を抱持する法面ブロックにおいて、植生
土の浸食を受けない新規な構成の法面用ブロックを提供
する。 【解決手段】所定厚の矩形平板状をなし、その中央部に
開口を有し、法面に合致して配される前面版1と、前記
前面版の開口の上位において、該前面版の幅と同幅をな
し、該前面版1より前方にかつ実質的に水平より下方に
張設される庇版2と、前記前面版の後面より直交状に配
され、前面版と同一高さを保つ控え版3とからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、法面に沿って設
置され法面工を形成する法面用ブロック及びその法面用
ブロックを使用してなされる法面工形成方法に関し、特
には、漁巣用を含む護岸用法面工並びに植生用法面工に
適用される法面用ブロックに関する。この発明におい
て、法面は直立並びに斜面を含む。
【0002】
【従来の技術】法面用ブロック、特に緑化擁壁用に使用
される緑化ブロックにおいては、植生土を収容する関係
から棚板を主要な構成要素とし、かつ、この棚板を上方
に向けて張設する構成を採る。そして、この緑化ブロッ
クを法面に沿って組み積みして、緑化擁壁を構築したと
き、相並ぶ緑化ブロックの棚板は各々上方に向けて張り
出し、かつ、連続して長い棚板部を形成し、その上に植
生土が盛られる。しかして、この緑化擁壁の頂部に続
き、更に法面(これを「頂部法面」という)が続く場合
において、降雨時等において、この頂部法面から流下し
緑化擁壁に流れ込む流水により緑化ブロックの植生土が
浸食される問題が生じる。このため、植生土の表面に防
護シートを張る等の対策が採られているが、抜本的解決
とはなっていないのが実情である。更にまた、この緑化
ブロックを河川の流水中に設置し、胴込め空間に割石を
充填して魚巣ブロックとして使用する態様も試みられて
いるが、従来構造の魚巣ブロックにおいては開口部にご
みが溜ったり、流水圧により中詰め石が流出したりし、
不都合な事態が多々発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
み、従来技術の欠点を解消すべくなされたものであり、
従来の植生土を抱持する法面ブロックにおいて、植生土
の浸食を受けない新規な構成の法面用ブロックを提供す
ることを目的とする。更に、漁巣用ブロックとしても好
適なブロックを提供することも目的とする。更にまた、
当該法面用ブロックを使用して形成する法面工形式方法
を提供することも本発明の目的の一つとする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため以下の構成を採る。すなわち、本発明の法面用
ブロック主たる構成は、所定厚の矩形平板状をなすとと
もに開口を有し、法面に合致して配される前面版;前記
前面版の開口の上位において、所定の幅をもって該前面
版より前方にかつ実質的に水平より下方に張設される庇
版;所定厚さ保持し、前記前面版の後面より後方に向け
て配される1又は2以上の控え版;からなることを特徴
とする。この構成において、法面は鉛直を除外するもの
ではない。この構成に付加して、以下の態様を採る。す
なわち、開口は前面版の少なくとも中央部に開設されて
なる構成を採る。この態様において、前面版の片側及び
/又は両側に切欠き凹部を形成する構成も採られる。相
並ぶ法面用ブロックの切欠き凹部が開口と同形をなすこ
とは、限定的事項である。また、庇版の幅は通常におい
ては前面版の幅と同幅をなす構成を採る。しかし、庇版
の幅を前面版の幅より若干小さくすることは許容される
態様である。この場合、相並ぶ法面用ブロックの庇版の
間には間隙が形成されるが、この間隙は閉塞される場合
もあり、また、間隙のまま保持される場合もある。ま
た、控え版の後部に前面版と平行する背面版が一体的に
形成されてなる構成を採る。また、控え版は相並んで2
つ配され、各控え版は前面版の両端より各1/4の長さ
に配されてなる構成を採る。また、前面版の開口を閉塞
してなる構成を採る。また、前面版及び控え版の下部を
底版をもって塞いでなる構成を採る。また、前面版と控
え版との区間空間に充填材の流出防止用の流出防止材が
付設されてなる構成を採る。本発明の法面工形成方法
は、所定厚の矩形平板状をなすとともに開口を有し、法
面に合致して配される前面版;前記前面版の開口の上位
において、所定の幅をもって該前面版より前方にかつ実
質的に水平より下方に張設される庇版;前記前面版の後
面より後方に向けて配され1又は2以上の控え版;から
なる法面用ブロックを、それらの前面版の前面を面一と
し、互いに横方向及び鉛直方向に相並べ、前記控え版相
互によって形成される胴込め空間内に、コンクリートを
打設して縦梁を形成するとともに、これらの縦梁に並ん
で同じく胴込め空間内に土砂及び/又は割り石を充填し
た土石柱部を形成する、ことを特徴とする。上記法面工
形式方法に替えて、胴込み空間にはコンクリートを打設
し、縦梁のみとする形式方法を採りうる。該縦梁は胴込
め空間の全てに設けてもよく、また、適宜間隔を存して
設けてもよい。更に、上に法面工形式方法に替えて、胴
込み空間には土砂あるいは割り石を充填し、土石柱部の
みとする形式方法も採られる。
【0005】(作用)本法面用ブロックを用いて構築さ
れる法面工において、前面版を所定の設計法面に沿って
設置し、横方向及び鉛直方向に組積みされる。この場
合、法面は直立を含む。本法面用ブロックの相互は上下
に千鳥状あるいは同一位相で組積みされる。前面版の後
部には控え版を利用して鉛直方向に胴込めコンクリート
により縦梁が打設され、また、他の控え版には縦梁に並
んで胴込め割り石及び/又は植生土が充填される。構築
された法面工において、庇版は各段毎に水平方向に一列
となって、斜め下方に張り出す。降雨時において、構築
された法面工に頂部法面が続く場合であっても、流下す
る流水は上方の庇版から下方の庇版へ流れ落ち、植生土
を浸食することがない。また、本法面用ブロックを河川
・湖沼の護岸としての水中に設置するとき、棚板並びに
胴込め空間は魚類の棲息に好適な空間を与える。また、
流水中にあっては、棚版により開口部へのごみの付着が
阻止され、また、開口からの中詰め石の流出が防止され
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の法面用ブロックの実施の
形態を図面に基づいて説明する。図1〜図3はその一実
施形態の標準形式の法面用ブロックBを示す。すなわ
ち、図1はその全体の外観構成を、図2は一部を取り除
いた外観構成を、図3は平面構成をそれぞれ示す。
【0007】図1〜図3に示されるように、この法面用
ブロックBは、平板状をなし開口の形成された前面版
1、該前面版1より前方斜め下方に張設される庇版2、
該前面版1の後面より相並んで配される2つの控え版
3、該控え版3の後端部の相互を繋ぐ背面版4、を躯体
の構成要素とし、前面版1、控版3、背面版4により胴
込め空間5を形成する。躯体は有筋又は無筋のコンクリ
ートをもって形成される。そして、この法面用ブロック
Bは、その前面版1を鉛直面あるいは傾斜地の前面すな
わち法面に合わせて設置される。
【0008】以下、各部の細部構成を説明する。前面版1 前面版1は、所定厚さの矩形状の平板体をなし、中央部
のやや下寄りに矩形状の開口10が、両側部に更にまた
矩形状の切欠き凹部11が形成されてなる。隣合う法面
ブロックBの切欠き凹部11相互によって開口10と同
等の矩形状の開口が形成される。
【0009】庇版2 庇版2は、前面版1と同一幅をなすとともに、前面版1
の前面より前方へ斜め下方へ張設されてなる。庇版2の
上面には適宜コーティング2a(図7参照)が施され、
断熱作用をなし、また、美麗感を与える。
【0010】控え版3 控え版3は、前面版1と同一高さをもって、前面版1の
後面より相並んで配される。その間隔は前面版1の幅を
Lとして両端より1/4Lの位置に配される。なお、本
実施形態では、前面版1の開口10と切欠き凹部11と
の幅と、控え版3の厚さとが同一であるが、控え版3の
厚さを薄くすることは自由である。控え版3にはその中
央部に開口13が開設され、また、上部に台形状をなす
係合凸部3aが突設され、下部に同じく台形状をなす係
合凹部3bが凹設される。組積みされる法面用ブロック
Bは係合凸部3aと係合凹部3bとが嵌合し、法面用ブ
ロックBの相互の位置決めをなす。なお、係合凸部3a
と係合凹部3bとが上下逆に配することは自由である。
また、開口13は円形、その他の自由な形状を採りう
る。
【0011】背面版4 背面版4は、前面版1と同一輪郭形状を有し、控え版3
の後端部の相互を繋ぎ、前面版1と平行に配される。該
背面版4には適宜箇所に水抜き孔14が開設される。該
水抜き孔14は適宜省略されうる。
【0012】胴込め空間5 胴込め空間5は、前面版1、控版3、背面版4により囲
まれ、矩形形状もしくはほぼ四角形状の上下に貫通する
空間をなし、横方向に並ぶ各ブロックBによっても同一
形状の胴込め空間5を形成する。
【0013】以上の基本的構成に対し、庇版2の上面に
コーティング2aを施こすこと、更にまた、本法面用ブ
ロックBの底部に胴込め空間5を塞ぐ底版6を施こすこ
と(図7参照)、は適宜なし得る設計的配慮である。底
板6には適宜水抜き孔が形成される。
【0014】(組積み状態)図4及び図5は、この実施
形態の法面用ブロックBを横方向並びに鉛直方向に組み
積みした状態を示す。この組積みにおける本質的事項
は、前面版1は法面に合致して配され、互いに面一とな
るとともに、庇版2は各段毎に横方向に一列となり、か
つ、水平より斜め下方に張設された状態となる。各ブロ
ックBは鉛直方向に千鳥に載置されるものであり、下段
のブロックBに対して上段のブロックBが載置されると
き、係合凸部3aに係合凹部3bが嵌合する。図例では
千鳥状の組積みを示したが、位相を揃えて上方へ積み上
げる態様も採られる。そして、この状態で、ブロックB
の胴込め空間5に、横方向の交互に、コンクリートを主
体とした耐力梁としての縦梁16と植生土あるいは割石
等が充填される土石柱部17とを構築する。
【0015】縦梁16 縦梁16は、法面工の耐力梁として作用し、コンクリー
ト19と鉄筋20とからなり、胴込め空間5を上下方向
に一体的に形成される。なお、鉄筋20は適宜省略され
うる。縦梁16の構築において、コンクリート19の打
設前に、前面版1の開口10を適宜の閉塞板をもって塞
ぎ、コンクリート19の硬化後に取り外す方策が採られ
るものである。21は胴込め空間5の内壁に配された補
強枠体であり、この場合においては鉄筋20も、更には
閉塞板も省略される。補強枠体に替えて捨て型枠を使用
することもでき、この場合においては鉄筋20の併用が
許容される。
【0016】土石柱部17 土石柱部17は、植生土23の充填される植生土柱部1
7Aと、割り石24の充填される割り石柱部17Bと、
の2態様を採る。植生土柱部17Aにおいては、少なく
とも前面版1の開口10からの土砂流出を防止する網材
25を胴込め空間5内に配し、この状態で植生土23が
充填される。網材25は図例ではコ字状をなすが、四角
形状のもの、あるいは開口10のみを塞ぐ平板状のもの
が採用される。網材25の材質は、繊維製、金属製、合
成樹脂製の網状のものが使用され、あるいは不織布に多
数の小穴を開けたものも好適なものとして使用される。
割り石柱部17Bにおいては、大径の割り石が使用され
る場合、前面版1の開口からの逸出はなく、開口10に
対して格別の配慮は不要である。
【0017】(護岸用法面工の施工)次に、図6・図7
を主に参照して、本法面用ブロックBを使用して実施さ
れる護岸用法面工の構築方法の一例を施工手順に従って
説明する。これらの図において、Hは護岸用法面工とし
ての護岸擁壁であり、また、Wは河川、Iは該河川Wの
河床、Eは地山である。
【0018】(1) 護岸擁壁Hを構築する法面の法尻の地
盤Eに基礎部を掘り下げ、基礎固めJを施し、その上に
上面を後方に傾斜させた基礎コンクリートKを打設す
る。この上面の傾斜は法面の傾斜に見合う角度に設定さ
れる。そして、この基礎コンクリートKにその上に積ま
れるブロックBの胴込め空間5に対応して、所定間隔を
保って縦梁用の鉄筋20が植設される。該鉄筋20は適
宜継ぎ足される。
【0019】(2) 基礎コンクリートKの固結後、該基礎
コンクリートKの上面に第1段目のブロックBを側面相
互を当接して敷設する。この敷設により、庇版2は横一
列に並ぶとともに、水平よりも斜めの下方へ張設された
位置を採る。この横方向への敷設において、隣接するブ
ロックB相互により、ブロックB自体の胴込め空間5と
同等の胴込め空間5が形成される。また、この第1段目
のブロックBの敷設に当たり、基礎コンクリートKの上
面にブロックBの係合凸部3aに対応する凸部を形成す
ることは、適宜なし得る設計的配慮である。
【0020】(3) 第1段目のブロックB上に2段目以上
のブロックBを千鳥状に載置してゆく。このとき、下段
のブロックBの係合凸部3aと上段のブロックBの係合
凹部3bとは嵌合し、これにより位置決めがなされ、前
面版1相互は面一となる。そして、胴込め空間5は上下
に位相を揃えて形成され、それぞれ縦梁16用及び土石
柱部17用に供される。縦梁16部分に付いては、鉄筋
20を配した胴込め空間5内にコンクリート19を打設
する。すなわち、図例において、下段の2段はブロック
Bの開口部10に閉塞板を配して該開口部10を塞いで
コンクリート19を打設するものであり、上段において
は流出防止を兼ねた補強枠体21が配される。土石柱部
17に付いては、割り石柱部17Bとして、胴込め空間
5内に割り石24を配してゆく。また、ブロックBと地
山Eとの間隙には裏込め土27を適宜に充填する。
【0021】(4) このようにして、更に上段のブロック
Bを前記(3) の工程に準じて組み積みしてゆくが、河川
Wの常水位より上方に付いては(図例では3段以上)、
植生ブロック擁壁の態様を採る。この場合において、前
面版1の背面に接して網材25が配され、胴込め空間5
内に植生土23が充填される。植生土23が安定したと
ころで、開口部10を介して樹木28が植え込まれる。
【0022】このように構築された護岸擁壁Hは、以下
の格別の効果を有する。擁壁Hの全体は、縦梁16によ
り大きな強度を発揮し、強度の大きな擁壁構造を得るこ
とができる。植生ブロック擁壁部分(図例では3・4
段)に付いては、降雨時において、頂部法面から流下す
る流水は、上方の庇版2から下方の庇版2へと流れ落
ち、ブロックBの内部へ流れ込むことなく、植生土への
浸食を防止する。本護岸擁壁Hの水中部分(図例では1
・2段)に付いては、庇版2の下方傾斜効果により、魚
類の棲息に好適であり、かつ、開口部10を介して割り
石24部分に入り込むことができ、更に魚類に好適な棲
息環境を与えるものである。また、この庇版2により流
水によって搬送されるゴミの滞留が防止され、就中、増
水から減水するとき、この効果は大きく、前壁版1の開
口10へのゴミの滞留は殆どないものとなる。
【0023】叙上の護岸擁壁Hでは標準形の法面用ブロ
ックBを使用したが、この態様に限られず、図8に水中
部分に使用して好適な他の態様の法面用ブロックB1を
示す。図において、イは水流の流下方向を示す。この法
面ブロックB1においては、庇版2A以外は標準形の法
面用ブロックBと同一の構成を採る。庇版2Aは、上流
側端部から本ブロックB1の中央部まで次第に高さの低
減する波返し部30が設けられる。31部分は標準の庇
版に準じ、32部分は下流方向に向けて上面が高くなっ
てゆく。
【0024】叙上の図例を含む実施の形態では法面用ブ
ロックBとして標準型のものを示したが、この標準型の
変形として以下の諸態様を採ることができる。すなわ
ち、図9は端部に配される法面用ブロックB2を示す。
この法面用ブロックB2においては、1つの控え版3を
もって前面版1と背面版4とをつなぐ。その幅は標準型
のブロックBの1/2を採る。また、曲線部分において
は、これに対応すべく、前面版1より背面版4を長くし
て、直線状に形成される態様、あるいは、前面版1に曲
率を持たせた態様、等を採るものである。更にまた、前
述した前面版1の開口10の閉塞手段として、図10に
示すように、胴込め空間に臨む開口10の四周に突条3
5を設け、該突条35には埋込みナット36が埋没設置
される。この突条35に型枠板37を当接し、ボルト3
8をもって固定する。なお、突条35は対向する2辺で
あってもよい。図11は前面版において開口10並びに
切欠き凹部11を無くした前面版1Aを有する法面用ブ
ロックB3を示す。このブロックB3においては、前面
版1A以外は標準型のブロックBに準じる。前面版1A
において、切欠き凹部11を形成する態様はこのブロッ
クB3の一変形態様である。このブロックB3を使用す
ることにより、縦梁のコンクリート打設において開口1
0を塞ぐ閉塞板・型枠板37の使用が省略される。
【0025】この法面用ブロックBは護岸擁壁への適用
に限られるものではない。図12は砂防堰堤Dへの適用
例を示す。すなわち、砂防堰堤Dの前面両側には、開口
10を有する本法面ブロックBによる法面工Hが施工さ
れ、植生がなされる。該砂防堰堤Dの落水部には開口1
0を閉塞した上述の法面用ブロックB3による法面工
H’が施工される。
【0026】図13〜図15に本発明の法面用ブロック
の別の実施形態を示す。図において、先の実施形態と同
等の部材に付いては同一の符号が付されている。図13
に示す法面用ブロックB4は、前面版1、庇版2及び控
え版3の構造は先の法面用ブロックBに準じ、背面版4
Aは各控え版3に付設される。これにより、胴込め空間
5は後部が開放されたものとなる。この形態において、
前面版1の開口10を閉塞する態様、及び、この態様に
加えて切欠き凹部11の1つ又は2つを塞ぐ態様は本発
明に属する設計的改変である。図14に示す法面用ブロ
ックB5は、前面版1Bにおいて、中央部に2つの開口
10Aが相並んで配され、両側の切欠き凹部は廃され
る。控え版3Aは高さを低くされ、かつ開口13を有さ
ない。背面版4Bは控え版3の幅に等しく、その高さは
前面版1Aに等しく、かつ、水抜き孔14が省略され
る。背面版4Bは、上面に切欠き段部40、下面に突部
41が形成され、この段部40と突部41とは組積み状
態で嵌合する。更にまた、相並ぶ本法面用ブロックB5
の相互は控え版3Aの上部の空間を介して連通する。図
15に示す法面用ブロックB6は、全体的に正方形状の
箱状をなし、前面版1Cにおいては、開口10Bは異形
態様を採る。
【0027】図16は本発明の別な態様の法面用ブロッ
クを示す。この法面用ブロックB7は、第1実施形態の
法面用ブロックBから庇版2を無くしたものであり、他
の態様(控え版3、背面版4)は該第1実施形態の法面
用ブロックBに準じる。この態様において、水抜き孔1
3,14を省略すること、開口10を閉塞すること、底
版6を設けることはこの形態の一変形である。更にこの
形態の法面用ブロックB7に、図13(独立した背面版
4A)、図14(2つの開口10A、低い控え版)、図
15(箱型形状、開口10B)に準じる構造を採り入れ
ることは本形態に包含される設計的事項である。本法面
用ブロックBにおいて、その胴込め空間5内に網材25
を配することにより、植栽用の法面用ブロック並びに魚
巣用ブロックとして十分な機能が発揮できる。このブロ
ックB7を用いて法面工が実施される。図17はその土
石柱部を示す図7に準じる縦断面図である。縦梁部は図
6に準じる。網材25の使用により、中詰材の砕石の流
水石による流出が防止され、魚巣ブロックの機能を長期
にわたって維持する。更に、砕石が保持されることによ
り河川の浄化がなされる。
【0028】本発明は上記実施形態に限定されるもので
はなく、本発明の基本的技術思想の範囲内で種々設計変
更が可能である。すなわち、以下の態様は本発明の技術
的範囲内に包含されるものである。 庇版2に付き、その上面にコーティング2aを施こす
ことは既に述べたが、該庇版2の上面に自然石あるいは
他の化粧材を貼り付ける態様を採ることができる。これ
により、断熱作用をなすとともに美麗感を出すことがで
きる。 庇版2の上面を波面加工する態様。 庇版2の取付けを横方向にずらし、該庇版2を隣接す
る法面用ブロックの前面版1にまで延設させ張り出す態
様。 相並ぶ2つの控え版3をともに横方向にずらし、非対
称になす態様。 前面版1と背面版4とを互いに横方向にずらす態様。 前面版1が開口10及び切欠き凹部11を有さない態
様を採るとき、庇版2の配置は自由になされるものであ
り、場合によっては該庇版2を前面版1の最下部から下
方向へ延設させてもよい。そして、このブロックを横方
向・鉛直方向へ組積みするとき、庇版2は横一列に一体
に並ぶものである。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、その法面用ブロックの
相互を組積みすることにより、庇版は各段面に水平方向
に一列となって斜め下方に張り出す状態を採り、これに
より降雨時において、流下する流水は上方の庇版から下
方の庇版へ流れ落ち、植生土を浸食することがない。ま
た、控え版相互の胴込め空間内に形成された縦梁により
強度の大きな法面工が得られる。また、水面下のブロッ
クの土石柱部は、魚巣として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の法面用ブロックの一実施形態の外観を
示す立体図。
【図2】本法面用ブロックの一部を取り除いた立体図。
【図3】本法面用ブロックの平面図。
【図4】本法面用ブロックを組積みした状態図。
【図5】図4の平面図。
【図6】本法面用ブロックによる護岸用法面工の縦梁部
の断面図。
【図7】本法面用ブロックによる護岸用法面工の土石柱
部の断面図。
【図8】護岸用法面工に特に適用される法面用ブロック
の一態様図。
【図9】法面工の端部に使用される法面用ブロックの立
面図。
【図10】前面版の開口の他の態様図。
【図11】(a) は本法面用ブロックの他の形態を示す正
面図。(b) はその断面図。
【図12】砂防堰堤への適用を示す図。
【図13】(a) は本発明の法面用ブロックの別の実施形
態の一部を取り除いた立体図。(b) はその平面図。
【図14】本発明の更に別の実施形態の立体図。
【図15】本発明の更に別の実施形態の立体図。
【図16】別の実施形態の立体図。
【図17】この法面工の図7に準じる図。
【符号の説明】
B,B1,B2,B3,B4,B5…法面用ブロック、
1…前面版、2…庇版、3…控え版、4…背面版、5…
胴込め空間、10…開口、16…縦梁、17…土石柱
部、17A…植生土柱部、17B…割り石柱部、19…
コンクリート、23…植生土、24…割り石

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定厚の矩形平板状をなすとともに開口を
    有し、法面に合致して配される前面版;前記前面版の開
    口の上位において、所定の幅をもって該前面版より前方
    にかつ実質的に水平より下方に張設される庇版;所定厚
    さ保持し、前記前面版の後面より後方に向けて配される
    1又は2以上の控え版;からなることを特徴とする法面
    用ブロック。
  2. 【請求項2】開口は前面版の少なくとも中央部に開設さ
    れてなる請求項1に記載の法面用ブロック。
  3. 【請求項3】庇版の幅は前面版の幅と同幅をなす請求項
    1又は2に記載の法面用ブロック。
  4. 【請求項4】控え版の後部に前面版と平行する背面版が
    一体的に形成されてなる請求項1ないし3のいずれかに
    記載の法面用ブロック。
  5. 【請求項5】控え版は相並んで2つ配され、各控え版は
    前面版の両端より各1/4の長さに配されてなる請求項
    1ないし4のいづれかに記載の法面用ブロック。
  6. 【請求項6】前面版の開口を閉塞してなる請求項1に記
    載の法面用ブロック。
  7. 【請求項7】前面版及び控え版の下部を底版をもって塞
    いでなる請求項1ないし6のいずれかに記載の法面用ブ
    ロック。
  8. 【請求項8】前面版と控え版との区間空間に充填材の流
    出防止用の流出防止材が付設されてなる請求項1ないし
    7のいずれかに記載の法面用ブロック。
  9. 【請求項9】所定厚の矩形平板状をなすとともに開口を
    有し、法面に合致して配される前面版;前記前面版の開
    口の上位において、所定の幅をもって該前面版より前方
    にかつ実質的に水平より下方に張設される庇版;前記前
    面版の後面より後方に向けて配され1又は2以上の控え
    版;からなる法面用ブロックを、それらの前面版の前面
    を面一とし、互いに横方向及び鉛直方向に相並べ、 前記控え版相互によって形成される胴込め空間内に、コ
    ンクリートを打設して縦梁を形成するとともに、これら
    の縦梁に並んで同じく胴込め空間内に土砂及び/又は割
    り石を充填した土石柱部を形成する、ことを特徴とする
    法面工形成方法。
  10. 【請求項10】所定厚の矩形平板状をなすとともに開口
    を有し、法面に合致して配される前面版;前記前面版の
    開口の上位において、所定の幅をもって該前面版より前
    方にかつ実質的に水平より下方に張設される庇版;前記
    前面版の後面より後方に向けて配され1又は2以上の控
    え版;からなる法面用ブロックを、それらの前面版の前
    面を面一とし、互いに横方向及び鉛直方向に相並べ、 前記控え版相互によって形成される胴込め空間内に、コ
    ンクリートを打設して縦梁を形成する、ことを特徴とす
    る法面工形成方法。
  11. 【請求項11】所定厚の矩形平板状をなすとともに開口
    を有し、法面に合致して配される前面版;前記前面版の
    開口の上位において、所定の幅をもって該前面版より前
    方にかつ実質的に水平より下方に張設される庇版;前記
    前面版の後面より後方に向けて配され1又は2以上の控
    え版;からなる法面用ブロックを、それらの前面版の前
    面を面一とし、互いに横方向及び鉛直方向に相並べ、 前記控え版相互によって形成される胴込め空間内に、土
    砂及び/又は割り石を充填した土石柱部を形成する、こ
    とを特徴とする法面工形成方法。
  12. 【請求項12】法面工の形成において、胴込め空間内に
    胴込め材の流出防止用の流出防止材を布設してなる、請
    求項9ないし11の内のいずれかに記載の法面工形成方
    法。
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