JP3443808B2 - 積層基板および電子部品の製造方法 - Google Patents

積層基板および電子部品の製造方法

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JP3443808B2
JP3443808B2 JP2001396705A JP2001396705A JP3443808B2 JP 3443808 B2 JP3443808 B2 JP 3443808B2 JP 2001396705 A JP2001396705 A JP 2001396705A JP 2001396705 A JP2001396705 A JP 2001396705A JP 3443808 B2 JP3443808 B2 JP 3443808B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリプレグおよび
基板を用いた積層基板や電子部品の製造方法に関し、特
に層間の厚みを薄くすることが可能な積層基板、電子部
品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信用、民生用、産業用等の電子
機器の分野における実装方法の小型化・高密度化への指
向は著しいものがあり、それに伴って材料の面でもより
優れた耐熱性、寸法安定性、電気特性、成形性が要求さ
れつつある。
【0003】高周波用電子部品もしくは高周波用多層基
板としては、焼結フェライトや焼結セラミックを基板状
に多層化、成形したものが一般に知られている。これら
の材料を多層基板にすることは、小型化が図れるという
メリットがあることから従来より用いられてきた。
【0004】しかしながら、これら焼結フェライトや焼
結セラミックを用いた場合、焼成工程や厚膜印刷工程数
が多く、また、焼成時のクラックや反り等、焼結材料特
有の問題が多いことと、プリント基板との熱膨張係数の
違い等によるクラックの発生等といった問題が多いこと
から、樹脂系材料への要求が年々高まっている。
【0005】しかしながら、樹脂系の材料ではそれ自体
で十分な誘電率を得ることが極めて困難であり、これと
併せて透磁率の向上を図ることも困難である。このた
め、単に樹脂材料を利用した電子部品では、十分な特性
を得ることができず、形状的にも大きなものとなり、小
型、薄型化を図ることが困難である。
【0006】また、樹脂材料にセラミック粉末をコンポ
ジットする手法も、例えば特開平10−270255号
公報、同11−192620号公報、同8−69712
号公報に開示されているが、いずれも十分な誘電率や、
これと併せて透磁率を得られてはいない。誘電率を上げ
るためにセラミック粉末の充填率を上げると、強度が低
下し、ハンドリング時や加工時に破損しやすくなるとい
った問題もあった。
【0007】また、これらの基板は、ガラスクロスなど
の補強材料にペーストを含浸させることにより構成され
ている。このため、ガラスクロスの厚み以下には構成層
の厚みを薄くすることができず、しかもガラスクロスと
素地間の吸湿による信頼性の面での特性劣化等の問題も
有していた。
【0008】ガラスクロスを用いない基板の構成の例と
しては、例えば特公平6−14600号公報に開示され
ている。この公報では、PETフィルムに塗布、乾燥す
ることにより、150μm 厚のシートを得ている。しか
し、この公報の基板はシート厚が150μm と厚く、し
かも電極の形成方法についての記載がみられないため、
通常の方法により作製されているものと考えると、それ
以上の薄型化は困難である。
【0009】特に、近年、携帯機器の急速な発展と普及
により、小型、薄型の機器を実現する上で基板の薄型化
は極めて重要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の基板よりも薄型化が可能で、ハンドリング時の強度的
な問題も生じない積層基板、電子部品の製造方法を提供
することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の本発
明の構成により達成される。 (1) 転写フィルム上に母材となるベースポリマー中
に発泡剤を配合した接着力が3.7〜7.0N/20mmであ
る接着層に、圧延法により製造され表面粗さRzが1.
0〜3.0μm 、膜厚が3〜32μm である導電体層を
接着し、この導電体層をエッチングにより所定のパター
ンにパターニングし、転写フィルム上に形成されたパタ
ーンの占有面積が、80%以下とし、 前記プリプレグを
配置する前に、前記転写フィルムを100〜130℃、
5〜20分間熱処理し、転写フィルムの接着層をあらか
じめ発泡を行い、その後パターン形成された導電体層を
有する転写フィルムを、この導電体層側がプリプレグと
対向するように配置し、次いで、転写フィルムをプリプ
レグに加熱圧着した後、転写フィルムを剥離し導電体層
を有するプリプレグを得る積層基板の製造方法。 (2) 前記加熱圧着は、温度:140〜160℃、圧
力:4.9〜39MPa、処理時間120〜180分間の
条件で行う上記(1)の積層基板の製造方法。 (3) 少なくとも誘電体粉、磁性体粉のいずれかが樹
脂中に分散され、厚みが2〜40μm であるプリプレグ
を得る上記(1)または(2)の積層基板の製造方法。 (4) さらに、前記プリプレグのパターン形成面上に
他のプリプレグを配置し、この他のプリプレグを加熱圧
着することにより、内部導体パターンを有する積層基板
を得る上記(1)〜(3)のいずれかの積層基板の製造
方法。 (5) 前記導電体層が、Cu,Al,AgおよびAu
から選択される1種または2種以上の元素により構成さ
れている上記(1)〜(4)のいずれかの積層基板の製
造方法。 (6) 前記誘電体粉は、チタン−バリウム−ネオジウ
ム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系セラミッ
クス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化チタン系
セラミックス、チタン酸バリウム系セラミックス、チタ
ン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウム系セラ
ミックス、チタン酸カルシウム系セラミックス、チタン
酸ビスマス系セラミックス、チタン酸マグネシウム系セ
ラミックス、CaWO4 系セラミックス、Ba(Mg,
Nb)O3 系セラミックス、Ba(Mg,Ta)O3
セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O3 系セラミ
ックス、およびBa(Co,Mg,Ta)O3 系セラミ
ックスのいずれか1種または2種以上により形成されて
いる上記(3)〜(5)のいずれかの積層基板の製造方
法。 (7) 前記誘電体粉は、シリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、チタン酸カリウムウイスカ、チタン酸カルシウムウ
イスカ、チタン酸バリウムウイスカ、酸化亜鉛ウイス
カ、ガラスチョップ、ガラスビーズ、カーボン繊維、お
よび酸化マグネシウムのいずれか1種または2種以上に
より形成されている上記(3)〜(5)のいずれかの積
層基板の製造方法。 (8) 前記誘電体粉は、樹脂と誘電体粉末との合計量
を100体積%としたとき、10体積%以上65体積%
未満含有する上記(3)〜(7)のいずれかの積層基板
の製造方法。 (9) 前記磁性体粉は、Mn−Mg−Zn系、Ni−
Zn系、およびMn−Zn系フェライトのいずれか1種
または2種以上により形成されている上記(3)〜
(8)のいずれかの積層基板の製造方法。 (10) 前記磁性体粉は、カーボニール鉄、鉄−シリ
コン系合金、鉄−アルミ−珪素系合金、鉄−ニッケル系
合金、およびアモルファス系強磁性金属の1種または2
種以上により形成されている上記(3)〜(8)のいず
れかの積層基板の製造方法。 (11) 前記誘電体粉または磁性体粉は、投影形状が
円形である球形度0.9〜1.0の球状であって、平均
粒径が0.1〜40μm である上記(3)〜(10)の
いずれかの積層基板の製造方法。 (12) 上記(3)〜(11)の積層基板の少なくと
も導電体層のパターニングにより電子部品素子を形成
し、さらに電子部品素子の端子となるスルーホールを形
成し、前記各電子部品素子毎に前記スルーホール部分で
切断して電子部品を得る電子部品の製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の積層基板の製造方法は、
転写フィルムに導電体層を接着し、この導電体層を所定
のパターンにパターニングし、その後パターン形成され
た導電体層を有する転写フィルムを、この導電体層側が
プリプレグと対向するように配置し、次いで、転写フィ
ルムをプリプレグ方向に加熱圧着した後、転写フィルム
を剥離し導電体層を有するプリプレグを得るものであ
る。
【0013】また、転写を行う前に、あらかじめ前記転
写フィルムを、100〜130℃、5〜20分間熱処理
し、転写フィルムの接着剤を発泡させてから転写を行う
ようにしてもよい。
【0014】このような製造方法により、ガラスクロス
などの補強部材を包含せず、厚みが40μm 以下の構成
層が得られ、薄型の積層基板を提供することができる。
【0015】こうして得られた構成層を用いることによ
り、 (1)小型で高性能で加工性がよく、比重が軽く、柔軟
性のある電子部品、多層回路基板を得ることができる。 (2)異なった特性を有する材料を多層化しても、高い
柔軟性のため、クラック、剥がれ、反りなどの問題が生
じ難く高機能の電子部品を得ることができる。 (3)焼成、厚膜印刷等の工程がないため、製造しやす
く、不具合の起き難いライン設計が可能となる。 (4)ガラスクロスレスなので信頼性が高く、誘電体
粉、磁性体粉の充填度を上げることができ、高誘電率
化、高透磁率化を図ることができる。 (5)エッチングによりパターン形成するので、パター
ン精度が非常に高くなる。 (6)ガラスクロスを含有しないので、ロット間での特
性変動が少ない。 (7)さらに、ガラスクロスを含有する層を積層するこ
とにより、容易に強度を増すことができる。 (8)基板自体はエッチング工程を経ていないので、エ
ッチング液性分が残存することがなく、製品の信頼度が
向上する。等といった効果が得られる。
【0016】さらに、具体的に説明すると、本発明の積
層基板は、図1,2に示すような方法により製造するこ
とができる。
【0017】先ず、図1の工程Aに示されるように、所
定厚さの転写フィルム103に所定厚さの導電体層であ
る銅(Cu)箔102を重ねて接着させる。なお、転写
フィルムの接着面を保護するシートを貼り付けておき、
Cu箔接着の際にこれを除くようにしてもよい。このと
きの転写フィルムの接着力としては、好ましくは7N/20
mm以下、特に3.7〜7.0N/20mmである。接着力が
3.7N/20mm以下になると、エッチング工程などで導電
体層が剥がれたり、エッチング液が層間に進入しやすく
なってくる。また、接着力が上記範囲より大きくなる
と、転写フィルムがプリプレグから剥離しにくくなって
くる。
【0018】次に、工程Bに示すように、銅箔102を
所望のパターン形状にパターニングする。次に、工程C
に示すように、一対のパターン形成された銅箔102を
有する転写フィルム103を、プリプレグ101を挟ん
で上下に配置する。なお、転写フィルム103はどちら
か一方のみでもよい。このとき、予熱工程として転写フ
ィルム103を、あらかじめ温度:100〜130℃、
特に110〜120℃、時間:5〜20分、特に10〜
15分間熱処理し、接着層を発泡(軟化)させておいて
もよい。この予熱工程は、転写フィルム上に形成された
パターンの占有面積が、80%以下、特に70%以下の
ときに効果がある。従って、占有パターン面積が80%
超のときには予熱工程は不要である。転写フィルム上の
パターンの占有面積が80%超になると、プリプレグ面
と転写フィルム面の接触が少なくなり、転写フィルムか
ら剥がれやすくなり、転写が容易になる。
【0019】そして、工程Dに示すように、上下の転写
フィルム103を、プリプレグ101方向に加熱圧着
(ラミネート)する。このとき、好ましい態様では、加
熱によりプリプレグが軟化し、銅箔パターン102との
接着性が格段に向上する。このため、転写フィルムから
銅箔が剥離しやすくなる。このときの、加熱・加圧条件
としては、温度:130〜170℃、特に140〜16
0℃、圧力:4.9〜30MPa、特に9.8〜20MP
a、処理時間120〜180分間程度である。処理温度
が高すぎるとプリプレグの硬化が進みすぎて、それ自体
を多層化する際等に樹脂の流れが悪くなり、接着性が低
下してしまう。また、処理温度が低すぎるとパターンが
転写され難くなってくる。圧力が高すぎるとプリプレグ
に転写フィルムが貼り付いてしまい、剥離できなくな
る。圧力が低すぎると、パターンとフィルムとの間に樹
脂が流れ込んで、めっきが付着しなかったり、粗面化処
理や、エッチングができないなど、その後の工程で不具
合が生じてくる。
【0020】次に、図2の工程Eに示すように、転写フ
ィルム103を剥離すると、両面銅箔102付プリプレ
グ101が得られる。さらに、工程Fに示すように、必
要によりこのプリプレグ101を挟んで上下に他のプリ
プレグ101aを配置し、工程Gに示すようにプリプレ
グ101方向に加熱圧着(ラミネート)することによ
り、内部導体パターン102を有する積層基板が得られ
る。なお、一方の面にのみパターン転写した場合などに
は、他のプリプレグ101aも一方のパターン面にのみ
配置すればよい。
【0021】また、複数の構成層、具体的には2枚以上
の両面銅箔付プリプレグと、3枚以上のプリプレグを交
互に配置し、これらを一度に加熱加圧することにより、
ラミネートプレスしてもよい。このように、一度にラミ
ネートプレスすることにより、プレス回数を少なくする
ことができ、繰り返し加熱されることによる樹脂の劣化
を防止することができる。このときの、加熱・加圧条件
としては、温度:180〜210℃、特に190〜20
0℃、圧力:1〜2MPa、特に1.3〜1.5MPa、処
理時間60〜120分間程度である。
【0022】本発明において、積層基板の基礎となるプ
リプレグを得るには、所定の配合比とした誘電体粉、磁
性体粉と樹脂、必要により難燃剤とを含み、溶剤に混練
してスラリー化したペーストを塗布して、乾燥(Bステ
ージ化)する工程に従う。この場合に用いられる溶剤は
揮発性溶剤が好ましく、極性中性溶媒が特に好ましく、
ペーストの粘度を調整し塗工しやすくする目的で用いら
れる。混練はボールミル、撹拌等により公知の方法によ
って行えばよい。ペーストを基材上に塗工することによ
り、プリプレグが得られる。
【0023】プリプレグの乾燥(Bステージ化)は、含
有する誘電体粉、磁性体粉、難燃剤の含有量などにより
適宜調整すればよい。乾燥、Bステージ化した後の厚み
は40μm 以下が好ましく、その用途や要求される特性
(パターン幅および精度、直流抵抗)等により最適な膜
厚に調整すればよい。
【0024】積層基板の構成層となる基板、およびプリ
プレグは、塗工法や、材料を混練し、固体状とした混練
物を成型することによっても得ることができる。
【0025】混練は、ボールミル、撹拌、混練機などの
公知の方法で行えばよい。その際、必要により溶媒を用
いてもよい。また、必要に応じてペレット化、粉末化し
てもよい。
【0026】この場合に得られるプリプレグの厚みとし
ては、40μm 以下である。プリプレグの厚みは、積層
基板の所望する板厚、積層数、誘電体粉、磁性体粉の含
有率に応じて適宜調整すればよい。
【0027】積層基板に用いられる構成層のうち、上記
方法により得られる構成層は、少なくとも誘電体粉、磁
性体粉のいずれかが樹脂中に分散され、かつガラスクロ
スを含有しない構成層を有し、この構成層の厚みを2〜
40μm としたものが好ましい。
【0028】構成層の厚みは2〜40μm 、好ましくは
5〜35μm 、より好ましくは10〜30μm である。
構成層の厚みが厚くなると、積層基板自体の厚みが増
し、小型、薄型の電子部品を得られ難くなる。また、コ
ンデンサを形成したときに、所望の容量が得られ難くな
る。厚みが薄すぎると強度が低下し、形状を保持するこ
とが困難になってくる。
【0029】導電体層の転写に用いられる転写フィルム
としては、特に限定されるものではなく、エッチング工
程に耐えうる強度と化学的安定性を有し、導電体層の転
写に必要な接着性、剥離性を有するものであればよい。
具体的には、樹脂フィルム等の支持体上に、接着層を有
する構造のものがよい。
【0030】支持体は、例えば、ポリテトラフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−パーフロ
ロアルキルビニルエーテルコポリマー、テトラフルオロ
エチレン−エチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル
などのフッ素樹脂からなるプラスチックフィルム、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステル
フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィ
ルム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォ
ンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフ
ィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレン
スルフィドフィルムなどの公知のプラスチックフィルム
が挙げられる。
【0031】なかでも、ポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OP
P)フィルム、メチルペンテンコポリマー(PTX)フ
ィルム、フッ素樹脂フィルムなどが好ましい。なお、フ
ッ素樹脂フィルムは、フッ化エチレン(1F)、3フッ
化エチレン(3F)および4フッ化エチレン(4F)か
らなるフィルムが好ましい。
【0032】これらプラスチックフィルムは、その厚み
が約10μm〜200μm、特に約15μm〜150μ
mであることが好ましい。
【0033】接着層は、特に加熱によりその接着力が低
下する特性を有することが望ましい。このような接着層
として、母材となるベースポリマー中に発泡剤を配合し
て構成され、加熱により発泡剤が発泡することにより、
接着力が低減または消失する特性を有するものが挙げら
れる。ベースポリマーは、具体的には高弾性ポリマーか
らなり、特に動的弾性率が常温から150℃において5
0万〜1000万μN/cm2 、好ましくは50万〜80
0万μN/cm2 の範囲内にあるものが好ましい。前記の
動的弾性率が50万μN/cm2 未満では常温での接着力
が大きくて貼り直し性に劣り、加熱処理による接着力の
低下性に乏しく、接着力が上昇する場合もある。一方、
動的弾性率が1000万μN/cm2 を超えると常温での
接着力に乏しく、加熱処理時に発泡剤の膨脹ないし発泡
が抑制されて接着力が満足に低下しない。
【0034】さらに高弾性ポリマーは、常温から150
℃における動的弾性率の変化率が小さいものが好まし
い。その変化程度は5倍以内、特に3倍以内が好まし
い。高弾性ポリマーを形成するモノマー成分等について
は特に限定はない。アクリル系感圧接着剤、ゴム系感圧
接着剤、スチレン・共役ジエンブロック共重合体系感圧
接着剤など、公知の感圧接着剤の調製に用いられるモノ
マー成分のいずれも用いることができる。
【0035】その具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イ
ソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル
基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、エイコシル基の如き通例、炭素数が20以下の
アルキル基を有するアクリル酸ないしメタクリル酸の如
きアクリル酸系アルキルエステル、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、N−メチロ
ールアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、酢酸ビニル、スチレン、イソプレン、ブタジエン、
イソブチレン、ビニルエーテルなどがあげられる。ま
た、上記した高弾性ポリマーの条件を満足する天然ゴム
や再生ゴムなどもベースポリマーに用いることができ
る。
【0036】発泡剤は、種々の無機系や有機系の発泡剤
を用いることができ、その配合量は接着力を低下させる
程度に応じて適宜に決定してよい。一般には、ベースポ
リマー100重量部あたり1〜100重量部、好ましく
は5〜50重量部、特に10〜40重量部配合される。
【0037】無機系発泡剤の代表例としては、炭酸アン
モニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウ
ム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、ア
ジド類などがあげられる。
【0038】有機系発泡剤の代表例としては、水、トリ
クロロモノフルオロメタンやジクロロモノフルオロメタ
ン等の塩フッ化アルカン、アゾビスイソブチロニトリル
やアゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレ
ート等のアゾ系化合物、パラトルエンスルホニルヒドラ
ジドやジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホニルヒ
ドラジド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニル
ヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)等
のヒドラジン系化合物、p−トルイレンスルホニルセミ
カルバジドや4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニ
ルセミカルバジド)の如きセミカルバジド系化合物、5
−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールの如
きトリアゾール系化合物、N,N′−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミンやN,N′−ジメチル−N,N′−
ジニトロソテレフタルアミド等のN−ニトロソ系化合物
などがあげられる。発泡剤をマイクロカプセル化した熱
膨張性微粒子は、混合操作が容易であるなどの点により
好ましく用いられる。熱膨張性粒子には、マイクロスフ
ェア(商品名、松本油脂社製)などの市販品もある。な
お本発明においては、必要に応じて発泡助剤を添加して
もよい。なお本発明で用いる接着層の詳細は、熱剥離性
粘着剤等として、特願平3−228861号および特願
平5−226527号に記載されている。
【0039】接着層の厚みとしては、特に限定されるも
のではないが、好ましくは100μm 以下、より好まし
くは40μm 以下である。また、その下限としては、2
0μm 程度である。接着層が厚すぎると発泡した面の凹
凸が大きく、パターンがよれてしまう。このため転写時
に皺がよってしまい正規のパターンが得られない。
【0040】本発明の積層基板の構成層に用いられる樹
脂は、特に限定されるものではなく、成形性、加工性、
積層時の接着性、電気的特性に優れた樹脂材料の中から
適宜選択して用いることができる。具体的には、熱硬化
性樹脂、熱可塑性樹脂等が好ましい。
【0041】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル(オ
キサイド)樹脂、ビスマレイミドトリアジン(シアネー
トエステル)樹脂、フマレート樹脂、ポリブタジエン樹
脂、ポリビニルベンジルエーテル樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリエステル樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチ
レンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、グラフト樹脂等
が挙げられる。これらのなかでも、特にフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、低誘電率エポキシ樹脂、ポリブタジ
エン樹脂、BTレジン、ポリビニルベンジルエーテル樹
脂等が、ベースレジンとして好ましい。
【0042】これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、
2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合して
用いる場合の混合比は任意である。
【0043】本発明に用いる誘電体粉は、セラミクス粉
末が好ましく、高周波数帯域において、分散媒となる樹
脂よりも大きい比誘電率とQを持つセラミクス粉末であ
ればよく、2種類以上用いてもよい。
【0044】特に本発明に用いるセラミクス粉末は、測
定周波数1〜2GHzにおける比誘電率が10〜2000
0、誘電正接が0.05以下のものを使用することが好
ましい。
【0045】比較的高い誘電率を得るためには、特に以
下の材料を用いることが好ましい。チタン−バリウム−
ネオジウム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系
セラミックス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化
チタン系セラミックス、チタン酸バリウム系セラミック
ス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウ
ム系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミック
ス、チタン酸ビスマス系セラミックス、チタン酸マグネ
シウム系セラミックス、CaWO4 系セラミックス、B
a(Mg,Nb)O3 系セラミックス、Ba(Mg,T
a)O3 系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O
3 系セラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O3 系セ
ラミックス。なお、二酸化チタン系セラミックスとは、
二酸化チタンのみを含有するもののほか、他の少量の添
加物を含有するものも含み、二酸化チタンの結晶構造が
保持されているものをいう。また、他のセラミックスも
同様である。特に、二酸化チタン系セラミックスは、ル
チル構造を有するものが好ましい。
【0046】誘電率をあまり高くせずに、高いQを得る
ためには以下の材料を用いることが好ましい。
【0047】シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタン酸
カリウムウイスカ、チタン酸カルシウムウイスカ、チタ
ン酸バリウムウイスカ、酸化亜鉛ウイスカ、ガラスチョ
ップ、ガラスビーズ、カーボン繊維、酸化マグネシウム
(タルク)。
【0048】これらは単独で用いてもよいし2種以上を
混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いる場
合、その混合比は任意である。
【0049】具体的には、比較的高い誘電率を必要とし
ない場合には以下の材料が好ましい。
【0050】Mg2SiO4[ε=7、Q=20000:
測定周波数1GHz以下同じ]、Al 23[ε=9.8、
Q=40000]、MgTiO3[ε=17、Q=22
000]、ZnTiO3[ε=26、Q=800]、Z
2TiO4[ε=15、Q=700]、TiO2[ε=
104、Q=15000]、CaTiO3[ε=17
0、Q=1800]、SrTiO3[ε=255、Q=
700]、SrZrO3[ε=30、Q=1200]、
BaTiO3[ε=1500〜20000]、BaTi2
5[ε=42、Q=5700]、BaTi49[ε=
38、Q=9000]、Ba2Ti920[ε=39、Q
=9000]、Ba2(Ti,Sn)920[ε=37、
Q=5000]、ZrTiO4[ε=39、Q=700
0]、(Zr,Sn)TiO4[ε=38、Q=700
0]、BaNd2Ti514[ε=83、Q=210
0]、BaSm2Ti514[ε=74、Q=240
0]、Bi23−BaO−Nd23−TiO2系[ε=
88、Q=2000]、PbO−BaO−Nd23−T
iO2系[ε=90、Q=5200]、(Bi23、P
bO)−BaO−Nd23−TiO2系[ε=105、
Q=2500]、La2Ti27[ε=44、Q=40
00]、Nd2Ti27[ε=37、Q=1100]、
(Li,Sm)TiO3[ε=81、Q=2050]、
Ba(Mg1/3Ta2/3)O3[ε=25、Q=3500
0]、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3[ε=30、Q=1
4000]、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3[ε=41、
Q=9200]、Ba(Mg1/21/2)O3[ε=2
0、Q=130000]、Ba(Mg1/3Cr2/3)O3
[ε=18、Q=115000]、Ba(Mg1/3Nb
2/3)O3[ε=32、Q=115000]、(Sr0.6
Ba0.4)(Ga1/2Ta1/2)O3[ε=29、Q=11
5000]、Ca(Ga1/2Ta1/2)O3[ε=31、
Q=99400]、Sr(Zn1/3Nb2/3)O3[ε=
40、Q=4000]、BaWO4[ε=8、Q=22
50]、MgSiO3[ε=6、Q=2500]、3(A
23)(SiO2)[ε=7.8、Q=250]、Ba
(ZrTi)O3[ε=38、Q=48800]、Ba
ZrO3[ε=40、Q=1400]、(SrCa)
(TiSn)O3[ε=40、Q=72000]、Sn
2−TiO2[ε=43、Q=31500]、Sm(T
iSn)NbO6[ε=46、Q=31300]、Nd
(TiZr)NbO6[ε=50、Q=27600]、
Nd(TiSn)NbO6[ε=50、Q=2760
0]、Sr2Nb27[ε=52、Q=700]、(B
aSr)5Nb415[ε=50、Q=3500]、Ba
2(TiMnNi)920[ε=50、Q=3760
0]、(SrCa)TiO3−La(ZnMgTi)O3
[ε=60、Q=25100]、MgTiO3−CaT
iO3[ε=21、Q=45000]、Ca(FeNb
Ti)O3[ε=69、Q=4000]、Ba(SmL
a)2Ti514[ε=75、Q=9500]、Ba(S
mLaCe)2Ti514[ε=76、Q=9500]、
(BaSr)Sm2Ti514[ε=80、Q=1110
0]、BaNd2(TiMn)514[ε=77、Q=1
0200]、Ba(SmNd)2Ti514[ε=77、
Q=9000]、Ba(NdSmLaBi)2Ti514
[ε=90、Q=7500]、Ba(NdBi)2(T
iAl)514[ε=92、Q=5600]、Ba(N
dBi)2Ti514[ε=93、Q=5000]、(B
aPb)Nd2Ti514[ε=93、Q=5300]、
(BaPb)(NdSmBi)2Ti514[ε=15
3、Q=800]、Ba(NdSmBi)2Ti5
14[ε=147、Q=1100]、Ba(NdGd)2
(TiAl)514[ε=82、Q=5400]、(B
aPb)(NdSmBiMg)2Ti514[ε=10
7、Q=2900]、(BaPb)(NdBi)2Ti5
14[ε=110、Q=2500]、Ba(NdGdB
i)2Ti514[ε=115、Q=2900]、Ba
(LaSmBi)2(TiZr)514[ε=117、Q
=3100]、Ba(NdGdBi)2Ti514[ε=
140、Q=1000]、(BaPb)(NdCeL
a)2Ti514[ε=98、Q=5400]、CaSm
2Ti514[ε=141、Q=3200]、CaNd2
Ti514[ε=143、Q=3200]、CaY2Ti
514[ε=137、Q=3200]、CaGd2Ti5
14[ε=138、Q=3200]、CaEu2Ti5
14[ε=139、Q=3200]、CaPr2Ti514
[ε=140、Q=3200]、(BaSrPb)(M
gTa)O3[ε=125、Q=2000]、Pb(Z
rCe)O3[ε=140、Q=2600]、Sr(Z
nNb)O3[ε=40、Q=36800]、Ca(F
eNb)O3[ε=40、Q=20000]、Ba(Z
nNb)O3[ε=41、Q=86900]、Ba(N
dNb)O3[ε=42、Q=15600]、Ca(N
iNbTi)O3[ε=55、Q=12000]、Ca
(CaNbTi)O3[ε=55、Q=35000]、
(PbCa)ZrO3[ε=118、Q=3200]、
(PbCa)HfO3[ε=100、Q=4700]、
(PbCa)(MgZr)O3[ε=143、Q=15
00]、(PbCa)(MgNb)O3[ε=86、Q
=4100]、(PbCa)(ZrTiSn)O3[ε
=137、Q=1700]、(PbCa)(FeNbT
i)O3[ε=132、Q=2800]、(PbCa)
(FeNbW)O3[ε=96、Q=3800]、(P
bCa)(CrNb)O3[ε=48、Q=360
0]、(PbCa)(NiNb)O3[ε=73、Q=
5100]、(PbCa)(CoNb)O3[ε=7
5、Q=1400]、(PbCa)(FeNb)O
3[ε=104、Q=3900]、(PbCa)(Zr
Sn)O3[ε=146、Q=1400]、(PbC
a)(MgNiNb)O3[ε=116、Q=180
0]、(PbCa)(FeTaNb)O3[ε=11
8、Q=1500]、(PbCa)(FeNbZr)O
3[ε=144、Q=1600]、(PbCa)(Ni
NbZr)O3[ε=147、Q=500]、(PbC
a)(MgNbZr)O3[ε=151、Q=100
0]、(PbCa)(FeNbW)O3[ε=152、
Q=1300]、(PbSr)(ZnNb)O3[ε=
141、Q=1000]、(PbSrCa)(FeTa
Nb)O3[ε=115、Q=3100]、(BaSr
CaPb)(ZnTaNb)O3[ε=85、Q=80
00]、(BaSrPb)(MgTaNb)O3[ε=
90、Q=6000]、(NdSr)TiO3[ε=2
20、Q=6000]、(SrCa)TiO3[ε=2
66、Q=1100]、SrSnO3[ε=129、Q
=1200]、(SrCa)3Ti 23[ε=77、Q
=10200]、(BaCa)TiO3、Ba(TiS
n)O3[ε=1500〜10000]、(PbSr)
TiO3[ε=300〜400]、Pb(ZnNb)O3
−Pb(FeW)O3[ε=24000]、Pb系複合
ペロブスカイト[ε=数万]等。
【0051】より好ましくは、以下の組成を主成分とす
るものである。TiO2、CaTiO3、SrTiO3
Ba(Mg1/3Ta2/3)O3、Ba(Zn1/3Ta2/3
3、Sr(Zn1/3Nb2/3)O3、Al23、MgTi
3、Nd2Ti27、MgTiO3−CaTiO3、Ba
Sm2Ti514、BaNd2Ti 514、BaO−Nd2
3−TiO2系、Bi23−BaO−Nd23−TiO
2系、BaTiO3、BaTi25、BaTi49、Ba
2Ti920、(BaCa)TiO3、(BaSr)Ti
3、Ba(TiSn)O3、Ba(TiZr)O3、B
2(Ti,Sn)920系、MgO−TiO2系、Zn
O−TiO2系、MgO−SiO2系、Al23 等。
【0052】一方、比較的高い誘電率を必要とする場合
には以下の材料が好ましい。
【0053】BaTiO3[ε=1500:測定周波数
1GHz以下同じ]、(Ba,Pb)TiO3系[ε=6
000]、Ba(Ti,Zr)O3系[ε=9000]
(Ba,Sr)TiO3系[ε=7000]。
【0054】より好ましくは、以下の組成を主成分とす
る誘電体の粉末から選択される。BaTiO3、Ba
(Ti,Zr)O3系。
【0055】セラミクス粉末は単結晶や多結晶の粉末で
もよい。
【0056】セラミクス粉末の含有量は、樹脂とセラミ
クス粉末との合計量を100体積%としたとき、セラミ
クス粉末の含有量は10体積%以上65体積%未満であ
り、好ましくは20体積%以上60体積%以下の範囲で
ある。
【0057】セラミクス粉末が65体積%以上であると
緻密な組成物が得られなくなる。また、セラミクス粉末
を添加しない場合に比べて、Qが大きく低下することも
ある。一方、セラミクス粉末が10体積%未満である
と、セラミクス粉末を含有する効果があまりみられな
い。
【0058】本発明の積層基板は、各成分を上記の範囲
内で適宜設定することにより、樹脂単体から得られる誘
電率よりも大きくすることができ、必要に応じた比誘電
率と高いQを得ることが可能となる。
【0059】誘電体粉は、円形や楕円形でも破砕粉のよ
うに不定型であってもよい。投影形状が円形である球状
のものの平均粒径は、0.1〜40μm 、特に0.5〜
20μm が好ましく、球形度は0.9〜1.0、特に
0.95〜1.0が好ましい。
【0060】平均粒径が0.1μm より小さいと、粒子
の表面積が増大し、分散、混合時の粘度、チクソ性が上
昇し、高充填率化が困難となり、樹脂との混練がし難く
なってくる。逆に40μm より大きいと、均一な分散・
混合を行うことが困難となり、沈降が激しくなって不均
一となり、粉末の含有量が多い組成の成形の際に、緻密
な成型体を得られ難くなる。
【0061】また、球形度が0.9より小さくなると、
例えば圧粉コア等の成型体の成型時において、粉末の均
一な分散が困難となり、誘電体特性のばらつきを生じる
原因となるなど、所望の特性が得られにくくなり、ロッ
ト間、製品間のばらつきが増大してくる。球形度は複数
のサンプルを任意に測定し、その平均値が上記値となっ
ていればよい。
【0062】破砕粉を用いる場合、粒径は0.01〜4
0μm 、特に0.01〜35μm であることが好まし
く、平均粒径は1〜30μm であることが好ましい。こ
のような粒径とすることによって、破砕粉の分散性が良
好となる。これに対し、破砕粉の粒径がこれより小さい
と、比表面積が大きくなり、高充填率化が困難になって
くる。一方、これより大きくなるとペースト化した際に
沈降し易くなり、均一に分散しにくくなってくる。ま
た、肉薄の基板、プリプレグを形成しようとした場合
に、表面の平滑性を得ることが困難になってくる。粒径
をあまり小さくすることは実際上困難であり、0.01
μm 程度が限度である。
【0063】これらを粉末にするための手段は、粉砕、
造粒など公知の方法に従えばよい。
【0064】また、円形状の誘電体粉に加えて破砕粉を
含有していてもよい。誘電体破砕粉を含有することによ
り、さらに充填率を向上させることができる。
【0065】本発明の積層基板は、誘電体粉とは別に、
あるいは誘電体粉に加えて1種または2種以上の磁性体
粉を含有していてもよい。
【0066】磁性体粉材料であるフェライトとしては、
Mn−Mg−Zn系、Ni−Zn系、Mn−Zn系など
であり、特にこれらの単結晶、あるいはMn−Mg−Z
n系、Ni−Zn系などが好ましい。
【0067】磁性体粉材料である強磁性金属としては、
カーボニール鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−アルミ−珪
素系合金(商標名:センダスト)、鉄−ニッケル系合金
(商標名:パーマロイ)、アモルファス系(鉄系、コバ
ルト系)などが好ましい。
【0068】これらを粉末にするための手段は、粉砕、
造粒など公知の方法に従えばよい。
【0069】磁性体粉の粒径や形状は、上記誘電体粉と
同様であり、誘電体粉と同様に表面が平滑な材料が好ま
しいが、破砕粉を用いてもよい。破砕粉を用いる効果は
上記と同様である。
【0070】さらに、種類、粒度分布の異なる磁性体粉
を2種以上用いてもよい。その際の混合比は任意であ
り、用途により用いる材料、粒度分布、混合比を調整す
ればよい。
【0071】磁性体粉の測定周波数1〜2GHzにおける
透磁率μは10〜1000000であることが好まし
い。また、バルクの絶縁性は高い方が基板化した際の絶
縁性が向上して好ましい。
【0072】樹脂と磁性体粉との混合比としては、形成
される構成層全体の測定周波数1〜2GHzにおける透磁
率が3〜20となるように添加されることが好ましい。
特に成形するペースト段階で、樹脂と磁性体粉との比率
で示した場合、磁性体粉の含有量は10〜65 体積
%、特に20〜60 体積%であることが好ましい。こ
のような磁性体粉の含有量とすることで、構成層全体の
透磁率が3〜20となり、所望の電気特性が得られ易く
なる。これに対し、磁性体粉の含有量が多くなると、ス
ラリー化して塗工することが困難になり、積層基板の作
製が困難になる。一方、磁性体粉の含有量が少なくなる
と透磁率を確保できなくなる場合があり、磁気特性を付
与することが困難となる。
【0073】本発明に用いられる難燃剤としては、通常
基板の難燃化のために用いられている種々の難燃剤を用
いることができる。具体的には、ハロゲン化リン酸エス
テル、ブロム化エポキシ樹脂等のハロゲン化物、また、
リン酸エステルアミド系等の有機化合物や、三酸化アン
チモン、水素化アルミニウム等の無機材料を用いること
ができる。
【0074】使用する金属箔としては、金、銀、銅、ア
ルミニウムのいずれか1種または2種以上など導電率の
良好な金属のなかから好適なものを用いればよい。これ
らのなかでも特に銅が好ましい。
【0075】金属箔を作製する方法としては、電解、圧
延法等種々の公知の方法を用いることができるが、箔ピ
ール強度をとりたい場合には電解箔を、高周波特性を重
視したい場合には、表面凹凸による表皮効果の影響の少
ない圧延箔を使用するとよい。金属箔の表面粗さとして
は、Rz =1〜6μm の範囲が好ましい。特に、電解箔
のRz は2.5〜6.0μm 、圧延箔のRz は1.0〜
3.0μm の範囲が好ましい。
【0076】金属箔の厚みとしては、3.0〜32μm
が好ましく、薄型化を考えると3.0〜18μm が好ま
しい。
【0077】本発明の積層基板は、上記ガラスクロスレ
ス構成層に加えて、ガラスクロス等の強化繊維を含有す
る構成層を有していてもよい。強化繊維を含有する構成
層を有することにより、積層基板全体の強度を向上させ
ることができる。
【0078】このようなガラスクロス含有構成層に用い
られるガラスクロス等の強化繊維は、目的・用途に応じ
て種々のものであってよく、市販品をそのまま用いるこ
とができる。このときの強化繊維は、電気的な特性に応
じてEガラスクロス(ε=7、tanδ=0.003、
1GHz)、Dガラスクロス(ε=4、tanδ=0.00
13、 1GHz)、Hガラスクロス(ε=11、tanδ
=0.003、 1GHz)等を使い分けてもよい。ま
た、層間密着力向上のため、カップリング処理などを行
ってもよい。その厚さは100μm 以下、特に20〜6
0μm であることが好ましい。布重量としては、120
g/m2 以下、特に20〜70g/m2 が好ましい。
【0079】また、樹脂とガラスクロスとの配合比は、
重量比で、樹脂/ガラスクロスが4/1〜1/1である
ことが好ましい。このような配合比とすることによって
本発明の効果が向上する。これに対し、この比が小さく
なって、樹脂量が少なくなると銅箔との密着力が低下
し、基板の平滑性に問題が生じる。逆にこの比が大きく
なって、樹脂量が多くなると使用できるガラスクロスの
選択が困難となり、薄肉での強度の確保が困難となる。
【0080】本発明では2種以上の異なる構成層を用い
た積層体により、積層基板を構成してもよい。また、各
構成層に2種以上の異なる分散材料を含有させてもよ
い。このように2種以上の種類の異なる構成層を組み合
わせたり、2種以上の異なる粉体、また同種であっても
組成、電気(誘電率等)、磁気特性の異なる粉体と樹脂
とを混合することによって、誘電率や透磁率の調整が容
易となり、各種電子部品に合わせた特性に調整すること
ができる。特に、波長短縮効果のある誘電率や透磁率を
最適な値にすることにより、装置の小型化、薄型化が実
現できる。また、比較的周波数の低い領域で良好な電気
特性が得られる材料と、比較的周波数の高い領域で良好
な電気特性が得られる材料とを組み合わせることによ
り、広い周波数帯域で良好な電気特性を得ることができ
る。
【0081】また、このようなハイブリッド層、つまり
樹脂と誘電体粉、磁性体粉とを混合した構成層を用いて
積層基板、電子部品等を形成する場合、接着剤等を用い
ることなく、銅箔との接着やパターニングが実現でき、
かつ多層化を実現することができる。こうしたパターニ
ングや多層化処理は、通常の基板製造工程と同じ工程で
できるので、コストダウンおよび作業性の改善を図るこ
とができる。また、このようにして得られる基板による
積層基板は、高強度で、高周波特性の向上したものであ
る。
【0082】まら、誘電率を高めることで波長短縮効果
が得られる。すなわち、基板上での実行波長λは、 λ=λ0 /(ε・μ)1/2 で与えられる。ここで、λ0 は実際の波長、ε、μは電
子部品や基板の誘電率、透磁率である。従って、例えば
λ/4の電子部品、回路を設計する場合、その回路を構
成する部材のε、μを高めることで、長さλ/4が必要
な部分を、ε、μの積の平方根で除した値だけ小さくす
ることができる。従って、積層基板、基板材料の少なく
ともεを高めることにより積層基板、基板の大きさを小
さくすることができる。
【0083】また、比較的周波数の低い領域で良好な電
気特性が得られる材料と、比較的周波数の高い領域で良
好な電気特性が得られる材料とを組み合わせることによ
り、広い周波数帯域、具体的には1〜2000MHz、特
に50〜1000MHzの広い周波数帯域で良好なHPF
等の電気特性を得ることができる。
【0084】具体的には、波長短縮効果だけを考えた場
合、高誘電率材を樹脂材料に混合することにより目的を
達成することが可能である。しかし、このような高誘電
率材は高周波特性がさほど優れていないため、これを補
う必要がある。そこで、高誘電率材、例えばBaTiO
3 、BaZrO3 等と共に、高周波特性に優れた磁性材
料、例えばカーボニール鉄等を併用することにより、高
周波領域においても所望の特性を得ることができる。
【0085】このような、波長短縮と高周波特性の必要
な電子部品としては、積層フィルタ、バルントランス、
誘電体フィルタ、カプラ、アンテナ、VCO(電圧制御
発振器)、RF(高周波)ユニット、共振器等を挙げる
ことができる。
【0086】さらに、ある材料を用いて一つの電気的特
性を高めたとき、他の材料により不足した電気特性を補
うことができる。
【0087】積層基板を用いて電子部品を得るには、例
えば積層基板の少なくとも導電体層のパターニングによ
り電子部品素子を形成し、さらに電子部品素子の端子と
なるスルーホールを形成し、前記各電子部品素子毎に前
記ビアホール部分で切断して電子部品とすればよい。
【0088】本発明の積層電子部品は、コンデンサ(キ
ャパシタ)、コイル(インダクタ)、フィルター等の
他、これらと、あるいはそれ以外に配線パターン、増幅
素子、機能素子を組み合わせ、アンテナや、RFモジュ
ール(RF増幅段)、VCO(電圧制御発振回路)、パ
ワーアンプ(電力増幅段)等の高周波電子回路、光ピッ
クアップなどに用いられる重畳モジュール等の高周波用
電子部品を得ることができる。
【0089】
【実施例】以下、本発明の具体的実験例、実施例を示
し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0090】<実施例1>先ずガラスクロスレスシート
(プリプレグ)を作製した。原材料としてポリビニルベ
ンジル樹脂を用い、誘電体粉:68.45g 、樹脂:3
1.55g としてボールミルにて混合した、このとき、
カップリング剤として、シランカップリング剤をインテ
グラルブレンド法にて混合した。
【0091】得られたスラリーを、ドクターブレード法
により、厚さ40μm のガラスクロスレスプリプレグと
した。
【0092】次に、転写フィルムとして、熱剥離シート
〔日東電工社製、商品名リバアルファー(支持体ポリエ
ステル、厚さ100μm 、接着層厚さ45μm )〕を用
い、これに厚さ18μm の銅箔を貼り付けた。このとき
の熱剥離シートの接着力は、4.9N/20mm、張り付け時
の圧力は1kg/mm2 であった。
【0093】次いで、銅箔面に所定パターンを、フォト
リソグラフィーの手法により形成し、塩化第二鉄組成の
エッチング液(35%溶液、温度20℃)に浸漬し、約
10〜15分間エッチングを行った。このエッチング工
程は、フォトリソグラフィーの手法を用いているため、
約30〜36μm の微細パターンも鮮明にパターニング
することができた。
【0094】次に、得られたパターン銅箔付熱転写シー
トを、二枚用意し、それぞれ上記で得たプリプレグの上
下に銅箔面を内側にして配置し、熱ラミネートプレスを
行った。このときの条件は、120℃、30分で、プレ
ス圧は1.5MPaとした。プレス後、熱剥離シートを剥
がして、両面銅箔付プリプレグを得た。
【0095】また、熱ラミネートの条件を変えて加熱プ
レスを行い、得られた銅箔付基板の状態(転写結果)を
評価した。結果を表1に示す。なお、サンプル4−1
は、転写フィルムの接着力が弱く、エッチング工程でパ
ターンが剥離したため、その後のラミネート作業は行わ
なかった。
【0096】
【表1】
【0097】次に、積層基板を用い、これに所定の回路
を構成するように、同様の操作により得られた複数の銅
箔付プリプレグ、およびこれらの間に配置されるプリプ
レグを用意し、これらを積層して熱ラミネートプレスを
行った。このときの条件は、200℃、60分で、プレ
ス圧は1.5MPaとした。得られた積層基板を用いて下
記の電子部品を作製した。積層した導体同士を接続する
手段としては、貫通スルーホールやインナービアホール
等の適宜な方式を用いて行えばよい。
【0098】<実施例2>実施例1のガラスクロスレス
シートを用いて、積層基板を作製した。
【0099】転写フィルムとして、熱剥離シート〔ニッ
タ(株)のインテリマーウオームオフタイプ(支持体ポ
リエステル、厚さ100μm 、接着層厚さ約25〜30
μm)〕を用い、これに厚さ18μm の銅箔を貼り付け
た。このときの熱剥離シートの接着力は、1.5N/25m
m、張り付け時の圧力は1kg/mm2 であった。
【0100】次いで、銅箔面に所定パターンを、フォト
リソグラフィーの手法により形成し、塩化第二鉄組成の
エッチング液(35%溶液、温度40℃)に浸漬し、約
10〜15分間エッチングを行った。このエッチング工
程は、フォトリソグラフィーの手法を用いているため、
約30〜36μm の微細パターンも鮮明にパターニング
することができた。
【0101】次に、得られたパターン銅箔付熱転写シー
トを、二枚用意し、それぞれ上記で得たプリプレグの上
下に銅箔面を内側にして配置し、熱ラミネートプレスを
行った。このときの条件は、100℃でラミネーター速
度0.1m/minで、プレス圧は1.0MPaとした。プレ
ス後、熱剥離シートを剥がして、両面銅箔付プリプレグ
を得た。
【0102】このパターン構成プリプレグを所定の設計
になるように準備し、これに所定の回路を構成するよう
に、同様の操作により得られた複数の銅箔付プリプレ
グ、およびこれらの間に配置されるプリプレグを用意
し、これらを積層して熱ラミネートプレスを行った。こ
のときの条件は、200℃、60分で、プレス圧は1.
5MPaとした。得られた積層基板を用いて下記の電子部
品を作製した。
【0103】<実施例3>図3、図4は、インダクタを
示した図であり、図3は透視斜視図、図4は断面図を表
している。
【0104】図において、インダクタ10は本発明の樹
脂を有する構成層(プリプレグないし基板)10a〜1
0eと、この構成層10b〜10e上に形成されている
内部導体(コイルパターン)13と、この内部導体13
を電気的に接続するためのビアホール14とを有する。
このビアホール14はドリル、レーザー加工、エッチン
グ等により形成することができる。また、形成されたコ
イルの終端部は、それぞれインダクタ10の端面に形成
された貫通ビア12とそれから僅かに上下面方向に形成
されたランドパターン11と接続されている。貫通ビア
12は、ダイシング、Vカット等により、半分に切断さ
れた構造となっている。これは、集合基板で複数の素子
を形成し、最終的に個片に切断する際に貫通ビア12の
中心から切断するためである。
【0105】このインダクタ10の構成層10a〜10
eの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜4
0μm であるガラスクロスレス構成層を有する。この構
成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するため
に誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合に
よっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が
同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料によ
り形成された構成層を組み合わせてもよい。なお、部品
強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを用い
てもよい。
【0106】チップインダクタとしては、L値を大きく
するために、ベース基板の透磁率を大きくする必要があ
る。また、EMC対策用として、ビーズを使用する場
合、インピーダンスを高くとるためにはできるだけ透磁
率を上げる必要がある。また、層間、すなわち構成層を
薄くし、漏れ電流を減らすことと、同形状で巻数(ター
ン数)を増やすことでL値を上げることができる。従っ
て、少なくとも厚みが2〜40μm であるガラスクロス
レスの構成層に、さらに、電気特性や磁気特性を調整す
るために磁性体粉を含有させることで、小型でL値が高
い、あるいはインピーダンスが高いチップインダクタが
得られる。
【0107】また、高周波用のチップインダクタとして
の用途を考えたとき、分布容量をできるだけ減らす必要
があることから1〜2GHzにおける比誘電率を2.6〜
3.5とすることが好ましい。また、共振回路を構成す
るインダクタにおいては、積極的に分布容量を用いる場
合があり、このような用途では1〜2GHzにおける比誘
電率を5〜40とすることが好ましい。このようにする
ことで、素子の小型化、容量素子の省略を図ることがで
きる。また、このインダクタにおいては、材料の損失を
できるだけ抑える必要がある。このため、1〜2GHzに
おける誘電正接( tanδ)を0.0025〜0.007
5とすることにより、材料損失の極めて少ない、Qの高
いインダクタを得ることができる。さらに、ノイズ除去
のための用途を考えた場合、除去したいノイズの周波数
でインピーダンスをできるだけ大きくする必要がある。
このような場合には1〜2GHzにおける透磁率を3〜2
0と調整することが好ましい。これにより、高周波ノイ
ズの除去効果を飛躍的に向上させることができる。ま
た、各構成層は同一でも異なっていてもよく、最適な組
み合わせを選択すればよい。
【0108】なお、その等価回路を図12(a)に示
す。図12(a)に示されるように、等価回路ではコイ
ル31を有する積層電子部品(インダクタ)となってい
る。
【0109】<実施例4>図5、図6は、他のインダク
タを示した図であり、図5は透視斜視図、図6は断面図
を表している。
【0110】この例では、実施例3において上下方向に
巻回されていたコイルパターンを、横方向に巻回したヘ
リカル巻とした構成態様を表している。その他の構成要
素は実施例3と同様であり、同一構成要素には同一符号
を付して説明を省略する。
【0111】<実施例5>図7、図8は、他のインダク
タを示した図であり、図7は透視斜視図、図8は断面図
を表している。
【0112】この例では、実施例3において上下方向に
巻回されていたコイルパターンを、上下面でのスパイラ
ルを連結した構成態様としたものを表している。その他
の構成要素は実施例3と同様であり、同一構成要素には
同一符号を付して説明を省略する。
【0113】<実施例6>図9、図10は、他のインダ
クタを示した図であり、図9は透視斜視図、図10は断
面図を表している。
【0114】この例では、実施例3において上下方向に
巻回されていたコイルパターンを、内部に形成されたミ
アンダー状のパターンとして構成したものを表してい
る。その他の構成要素は実施例3と同様であり、同一構
成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0115】<実施例7>図11は、他のインダクタを
示した透視斜視図である。
【0116】この例では、実施例3において単独で構成
されていたコイルを、4連とした態様を表している。こ
のような構成とすることにより、省スペース化を図るこ
とができる。その他の構成要素は実施例3と同様であ
り、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略す
る。なお、その等価回路を図12(b)に示す。図12
(b)に示されるように、等価回路ではコイル31a〜
31dが4連装された積層電子部品(インダクタ)とな
っている。
【0117】<実施例8>図13、図14は、キャパシ
タ(コンデンサ)を示した図であり、図13は透視斜視
図、図14は断面図を表している。
【0118】図において、キャパシタ20は本発明の樹
脂を有する構成層(プリプレグないし基板)20a〜2
0gと、この構成層20b〜20g上に形成されている
内部導体(内部電極パターン)23と、この内部導体2
3とそれぞれ交互に接続されるキャパシタの端面に形成
された貫通ビア22とそれから僅かに上下面方向に形成
されたランドパターン21ととから構成されている。
【0119】このキャパシタ20の構成層20a〜20
gの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜4
0μm であるガラスクロスレス構成層を有する。この構
成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するため
に誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合に
よっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が
同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料によ
り形成された構成層を組み合わせてもよい。なお、部品
強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを用い
てもよい。
【0120】チップコンデンサを小型化するにあたって
は、対向電極の層間の誘電率を上げる必要がある。ま
た、容量を得るためには層間、すなわち構成層はできる
だけ薄い方がよい。従って、少なくとも厚みが2〜40
μm であるガラスクロスレスの構成層に、さらに、電気
特性や磁気特性を調整するために誘電体粉を含有させる
ことで、小型でC値が高いチップコンデンサが得られ
る。
【0121】また、得られる容量の多様性や精度の点を
考慮すると、1〜2GHzにおける比誘電率2.6〜4
0、誘電正接0.0025〜0.025であることが好
ましい。これにより、得られる容量の範囲が広がり、低
い容量値でも高精度に形成できる。また、材料の損失を
できるだけ抑える必要がある。このため、1〜2GHzに
おける誘電正接( tanδ)を0.0025〜0.025
とすることにより、材料損失の極めて少ないキャパシタ
とすることができる。また、各構成層は同一でも異なっ
ていてもよく、最適な組み合わせを選択すればよい。
【0122】なお、その等価回路を図16(a)に示
す。図16(a)に示されるように、等価回路ではキャ
パシタ32を有する積層電子部品(コンデンサ)となっ
ている。
【0123】<実施例9>図15は、他のキャパシタを
示した透視斜視図である。
【0124】この例では、実施例8において単独で構成
されていたキャパシタを、複数アレイ状に並べて4連と
した態様を表している。また、キャパシタをアレイ状に
形成する場合、様々な容量を精度よく形成する場合があ
る。このため、上記誘電率、誘電正接の範囲が好ましい
といえる。その他の構成要素は実施例8と同様であり、
同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。な
お、その等価回路を図16(b)に示す。図16(b)
に示されるように、等価回路ではキャパシタ32a〜3
2dが4連装された積層電子部品(コンデンサ)となっ
ている。
【0125】<実施例10>図17〜図20は、バルン
トランスを示している。ここで図17は透過斜視図、図
18は断面図、図19は各構成層の分解平面図、図20
は等価回路図である。
【0126】図17〜19において、バルントランス4
0は、構成層40a〜40oが積層された積層体の上下
および中間に配置された内部GND導体45と、この内
部GND導体45間に形成されている内部導体43を有
する。この内部導体43は、λg /4長のスパイラル状
導体43を、図20の等価回路に示される結合ライン5
3a〜53dを構成するようにビアホール44等で連結
している。
【0127】このバルントランス40の構成層40a〜
40oの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2
〜40μm であるガラスクロスレス構成層を有する。こ
の構成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整する
ために誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場
合によっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成
層が同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料
により形成された構成層を組み合わせてもよい。なお、
部品強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを
用いてもよい。
【0128】バルントランスを設計するにあたって小型
化を考えると、比誘電率はできるだけ高い方がよい。ま
た、同様に層間、すなわち構成層はできるだけ薄い方が
よい。従って、少なくとも厚みが2〜40μm であるガ
ラスクロスレスの構成層に、さらに、電気特性や磁気特
性を調整するために誘電体粉を含有させることで、小型
で高性能のバルントランスが得られる。
【0129】また、ある用途によっては1〜2GHzにお
ける比誘電率を2.6〜40とし、誘電正接( tanδ)
を0.0025〜0.025とすることが好ましい。ま
た、他の用途によっては1〜2GHzにおける透磁率を3
〜20とすることが好ましい。なお、各構成層は同一で
も異なっていてもよく、最適な組み合わせを選択すれば
よい。
【0130】<実施例11>図21〜図24は、積層フ
ィルターを示している。ここで図21は斜視図、図22
は分解斜視図、図23は等価回路図、図24は伝達特性
図である。なお、この積層フィルターは2ポールとして
構成されている。
【0131】図21〜23において、積層フィルター6
0は、構成層60a〜60eが積層された積層体のほぼ
中央に一対のストリップ線路68と、一対のコンデンサ
導体67とを有する。コンデンサ導体67は下部構成層
群60d上に形成され、ストリップ線路68はその上の
構成層60c上に形成されている。構成層60a〜60
eの上下端部にはGND導体65が形成されていて、前
記ストリップ線路68とコンデンサ導体67とを挟み込
むようになっている。ストリップ線路68と、コンデン
サ導体67と、GND導体65とはそれぞれ端面に形成
された端部電極(外部端子)62とそれから僅かに上下
面方向に形成されたランドパターン61と接続されてい
る。また、その両側面およびそこから僅かに上下面方向
に形成されたGNDパターン66はGND導体65と接
続されている。
【0132】ストリップ線路68は、図23の等価回路
図に示されるλg /4長またはそれ以下の長さを有する
ストリップ線路74a、74bであり、コンデンサ導体
67は入出力結合容量Ciを構成する。また、それぞれ
のストリップ線路74a、74b間は、結合容量Cmお
よび結合係数Mにより結合されている。このような等価
回路により、図24に示すような2ポール型の伝達特性
を有する積層フィルタを得ることができる。
【0133】この積層フィルタ60の構成層60a〜6
0eの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜
40μm であるガラスクロスレス構成層を有する。この
構成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するた
めに誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合
によっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層
が同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料に
より形成された構成層を組み合わせてもよい。また、部
品強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを用
いてもよい。
【0134】積層フィルタを設計するにあたり、小型化
を考えると、比誘電率はできるだけ高い方がよい。ま
た、同様に層間、すなわち構成層はできるだけ薄い方が
よい。従って、少なくとも厚みが2〜40μm であるガ
ラスクロスレスの構成層に、さらに、電気特性や磁気特
性を調整するために誘電体粉を含有させることで、小型
で高性能の積層フィルタが得られる。
【0135】また、1〜2GHzにおける比誘電率を2.
6〜40とすることにより、数100MHzから数GHzの
帯域において、所望の伝達特性が得られるようになる。
また、ストリップライン共振器の材料損失はできるだけ
抑えることが望ましく、1〜2GHzにおける誘電正接
( tanδ)を0.0025〜0.0075とすることが
好ましい。
【0136】<実施例12>図25〜図28は、他の積
層フィルターを示している。ここで図25は斜視図、図
26は分解斜視図、図27は等価回路図、図28は伝達
特性図である。なお、この積層フィルターは4ポールと
して構成されている。
【0137】図25〜27において、積層フィルター6
0は、構成層60a〜60eが積層された積層体のほぼ
中央に4つのストリップ線路68と、一対のコンデンサ
導体67とを有する。その他の構成要素は実施例11と
同様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を
省略する。
【0138】<実施例13>図29〜図33は、カプラ
を示している。ここで図29は透過斜視図、図30は断
面図、図31は各構成層の分解平面図、図32は内部結
線図、図33は等価回路図である。
【0139】図29〜33において、カプラ110は、
構成層110a〜110cが積層された積層体の上下に
形成、配置された内部GND導体115と、この内部G
ND導体115間に形成されている内部導体113を有
する。この内部導体113は、2つのコイルによりトラ
ンスが構成されるようにスパイラル状にビアホール11
4等で連結している。また。形成されたコイルの終端
と、内部GND導体115とは、図32に示すように、
それぞれ端面に形成された貫通ビア112とそれから僅
かに上下面方向に形成されたランドパターン111と接
続されている。このように構成することにより、図33
の等価回路図で示すように、2つのコイル125a,1
25bが結合したカプラ110が得られる。
【0140】このカプラ110の構成層110a〜11
0cの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜
40μm であるガラスクロスレス構成層を有する。この
構成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するた
めに誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合
によっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層
が同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料に
より形成された構成層を組み合わせてもよい。また、部
品強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを用
いてもよい。
【0141】カプラを設計するにあたり、小型化を考え
ると、比誘電率はできるだけ高い方がよい。また、同様
に層間、すなわち構成層はできるだけ薄い方がよい。従
って、少なくとも厚みが2〜40μm であるガラスクロ
スレスの構成層に、さらに、電気特性や磁気特性を調整
するために誘電体粉を含有させることで、小型で高性能
のカプラが得られる。なお、広帯域化を実現しようとし
た場合、比誘電率はできるだけ小さい方が好ましい。
【0142】また、用途や、要求される性能、仕様等に
よりそれに適した誘電率の材料を用いればよい。通常、
1〜2GHzにおける比誘電率を2.6〜40とすること
により、数100MHzから数GHzの帯域において、所望
の伝達特性が得られるようになる。また、内部インダク
タのQ値を上げるために、1〜2GHzにおける誘電正接
(tanδ)を0.0025〜0.0075とすることが
好ましい。これにより、材料損失が極めて少なく、Q値
の高いインダクタを形成でき、高性能のカプラを得るこ
とができる。
【0143】<実施例14>図34〜図36は、VCO
(電圧制御発振器)を示している。ここで図34は透過
斜視図、図35は断面図、図36は等価回路図である。
【0144】図34〜36において、VCOは、構成層
210a〜210gが積層された積層体の上に形成、配
置されたコンデンサ、インダクタ、半導体、レジスタ等
の電子部品261と、この構成層210a〜210g中
およびその上下面に形成されている導体パターン26
2,263,264を有する。このVCOは図36に示
すような等価回路により構成されているため、ストリッ
プライン263、コンデンサ、信号線、半導体、電源ラ
インなどを有する。このため、それぞれの機能に適した
材料で構成層を形成するのが効果的である。
【0145】この例では、構成層210a〜210gの
少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜40μ
m であるガラスクロスレス構成層を有する。この構成層
には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するために誘
電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合によっ
ては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が同一
材料で形成されている必要はなく、異なる材料により形
成された構成層を組み合わせてもよい。また、部品強度
を向上させるため、その一部にガラスクロスを用いても
よい。
【0146】特に、コンデンサ構成層210c〜210
eに上記ガラスクロスレス構成層を用いることで、構成
層の厚みを極端に薄くすることができ、VCOをより小
型にすることができる。
【0147】共振器を構成する構成層210f,210
gでは1〜2GHzにおける誘電正接が0.0025〜
0.0075の構成層を用いることが好ましい。コンデ
ンサ構成層210c〜210eには、1〜2GHzにおけ
る誘電正接が0.0075〜0.025、比誘電率が5
〜40となるような構成層を用いることが好ましい。配
線、およびインダクタ構成層210a,210bには、
1〜2GHzにおける誘電正接が0.0025〜0.00
75、比誘電率が2.6〜5.0の誘電体層を用いるこ
とが好ましい。
【0148】そして、上記構成層210a〜210gの
表面には、内部導体であるストリップライン263、G
ND導体262、コンデンサ導体264,配線インダク
タ導体265、および端子導体266を構成する。ま
た、それぞれの内部導体はビアホール214により上下
に接続され、表面にはマウントされた電子部品261が
搭載されて図36の等価回路に示すようなVCOが形成
される。
【0149】このように構成することにより、それぞれ
の機能に適した誘電率、Q、誘電正接とすることがで
き、高性能化、小型、薄型化が可能となる。
【0150】<実施例15>図37〜図39は、パワー
アンプ(電力増幅部)を示している。ここで図37は各
構成層の分解平面図、図38は断面図、図39は等価回
路図である。
【0151】図37〜39において、パワーアンプは、
構成層300a〜300eが積層された積層体の上に形
成、配置されたコンデンサ、インダクタ、半導体、レジ
スタ等の電子部品361と、この構成層300a〜30
0e中およびその上下面に形成されている導体パターン
313,315を有する。このパワーアンプは図39に
示すような等価回路により構成されているため、ストリ
ップラインL11〜L17、コンデンサC11〜C2
0、信号線、半導体への電源ラインなどを有する。この
ため、それぞれの機能に適した材料で構成層を形成する
のが効果的である。
【0152】この例では、構成層の少なくともいずれか
には、少なくとも厚みが2〜40μm であるガラスクロ
スレス構成層を有する。この構成層には、さらに、電気
特性や磁気特性を調整するために誘電体粉、磁性体粉が
含有されていてもよく、場合によっては難燃剤が含まれ
ていてもよい。全ての構成層が同一材料で形成されてい
る必要はなく、異なる材料により形成された構成層を組
み合わせてもよい。また、部品強度を向上させるため、
その一部にガラスクロスを用いてもよい。
【0153】特に、コンデンサ構成層300a〜300
cに上記ガラスクロスレス構成層を用いることで、構成
層の厚みを極端に薄くすることができ、パワーアンプを
より小型にすることができる。
【0154】この場合、ストリップラインを構成する構
成層300d,300eには、1〜2GHzにおける誘電
正接が0.0075〜0.025、比誘電率が2.6〜
40の構成を用いることが好ましい。コンデンサ構成層
300a〜300cには、1〜2GHzにおける誘電正接
が0.0025〜0.025、比誘電率が5〜40とな
るような構成層を用いることが好ましい。
【0155】そして、これらの構成層300a〜300
eの表面には、内部導体313、GND導体315等が
形成されている。また、それぞれの内部導体はビアホー
ル314により上下に接続され、表面にはマウントされ
た電子部品361が搭載されて図39の等価回路に示す
ようなパワーアンプが形成される。
【0156】このように構成することにより、それぞれ
の機能に適した誘電率、Q、誘電正接とすることがで
き、高性能化、小型、薄型化が可能となる。
【0157】<実施例16>図40〜図42は、光ピッ
クアップなどに使用される重畳モジュールを示してい
る。ここで図40は各構成層の分解平面図、図41は断
面図、図42は等価回路図である。
【0158】図40〜42において、重畳モジュール
は、構成層400a〜400kが積層された積層体の上
に形成、配置されたコンデンサ、インダクタ、半導体、
レジスタ等の電子部品461と、この構成層400a〜
400k中およびその上下面に形成されている導体パタ
ーン413,415を有する。この重畳モジュールは図
42に示すような等価回路により構成されているため、
インダクタL21、L23、コンデンサC21〜C2
7、信号線、半導体への電源ラインなどを有する。この
ため、それぞれの機能に適した材料で構成層を形成する
のが効果的である。
【0159】この例では、構成層400a〜400kの
少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜40μ
m であるガラスクロスレス構成層を有する。この構成層
には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するために誘
電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合によっ
ては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が同一
材料で形成されている必要はなく、異なる材料により形
成された構成層を組み合わせてもよい。また、部品強度
を向上させるため、その一部にガラスクロスを用いても
よい。
【0160】特に、コンデンサ構成層400d〜400
hに上記ガラスクロスレス構成層を用いることで、構成
層の厚みを極端に薄くすることができ、重畳モジュール
をより小型にすることができる。
【0161】この場合、コンデンサ構成層400d〜4
00hには、1〜2GHzにおける誘電正接が0.007
5〜0.025、比誘電率が10〜40となるような構
成を用いることが好ましい。インダクタを構成する構成
層400a〜400c,400j〜400kには、1〜
2GHzにおける誘電正接が0.0025〜0.007
5、比誘電率が2.6〜5.0となるような構成層を用
いることが好ましい。
【0162】そして、これらの構成層400a〜400
kの表面には、内部導体413、GND導体415等が
形成されている。また、それぞれの内部導体はビアホー
ル414により上下に接続され、表面にはマウントされ
た電子部品461が搭載されて図42の等価回路に示す
ような重畳モジュールが形成される。
【0163】このように構成することにより、それぞれ
の機能に適した誘電率、Q、誘電正接とすることがで
き、高性能化、小型、薄型化が可能となる。
【0164】<実施例17>図43〜図46は、RFモ
ジュールを示している。ここで図43は斜視図、図44
は外装部材を外した状態での斜視図、図45は各構成層
の分解斜視図、図46は断面図である。
【0165】図43〜46において、RFモジュール
は、構成層500a〜500iが積層された積層体の上
に形成、配置されたコンデンサ、インダクタ、半導体、
レジスタ等の電子部品561と、この構成層500a〜
500i中およびその上下面に形成されている導体パタ
ーン513,515、572と、アンテナパターン57
3を有する。このRFモジュールは、上記のようにイン
ダクタ、コンデンサ、信号線、半導体への電源ラインな
どを有する。このため、それぞれの機能に適した材料で
構成層を形成するのが効果的である。
【0166】この例では、構成層500a〜500iの
少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜40μ
m であるガラスクロスレス構成層を有する。この構成層
には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するために誘
電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合によっ
ては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が同一
材料で形成されている必要はなく、異なる材料により形
成された構成層を組み合わせてもよい。また、部品強度
を向上させるため、その一部にガラスクロスを用いても
よい。
【0167】特に、コンデンサ構成層500e〜500
fに上記ガラスクロスレス構成層を用いることで、構成
層の厚みを極端に薄くすることができ、RFモジュール
をより小型にすることができる。
【0168】この場合、アンテナ構成、ストリップライ
ン構成および配線層500a〜500d、500gは、
1〜2GHzにおける誘電正接が0.0025〜0.00
75、比誘電率が2.6〜5.0の構成層を用いること
が好ましい。コンデンサ構成層500e〜500fに
は、1〜2GHzにおける誘電正接が0.0075〜0.
025、比誘電率が10〜40となるような構成層を用
いることが好ましい。電源ライン層500h〜500i
には、1〜2GHzにおける透磁率が3〜20となるよう
な構成層を用いることが好ましい。
【0169】そして、これらの構成層500a〜500
iの表面には、内部導体513、GND導体515、ア
ンテナ導体573等が形成されている。また、それぞれ
の内部導体はビアホール514により上下に接続され、
表面にはマウントされた電子部品561が搭載されてR
Fモジュールが形成される。
【0170】このように構成することにより、それぞれ
の機能に適した誘電率、Q、誘電正接とすることがで
き、高性能化、小型、薄型化が可能となる。
【0171】本発明は、上記に例示した電子部品以外
に、上記同様の手法で、コモンモードフィルタ、EMC
フィルタ、電源用フィルタ、パルストランス、チョーク
コイル、DC−DCコンバータ、ディレイライン、アン
テナスイッチモジュール、アンテナフロントエンドモジ
ュール、アイソレータ・パワーアンプモジュール、PL
Lモジュール、フロントエンドモジュール、チューナー
ユニット、方向性結合器、ダブルバランスドミキサー
(DBM)、電力合成器、電力分配器、PTCサーミス
タ等に応用することができる。
【0172】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の基
板よりも薄型化が可能で、高性能、しかもハンドリング
時の強度的な問題も生じない積層基板、および電子部品
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層基板の構成層の形成例を示す工程
図である。
【図2】本発明の積層基板の構成層の形成例を示す工程
図である。
【図3】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図4】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図5】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図6】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図7】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図8】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図9】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図10】本発明の電子部品の構成例であるインダクタ
を示す図である。
【図11】本発明の電子部品の構成例であるインダクタ
を示す図である。
【図12】本発明の電子部品の構成例であるインダクタ
を示す等価回路図である。
【図13】本発明の電子部品の構成例であるキャパシタ
を示す図である。
【図14】本発明の電子部品の構成例であるキャパシタ
を示す図である。
【図15】本発明の電子部品の構成例であるキャパシタ
を示す図である。
【図16】本発明の電子部品の構成例であるキャパシタ
を示す等価回路図である。
【図17】本発明の電子部品の構成例であるバルントラ
ンスを示す図である。
【図18】本発明の電子部品の構成例であるバルントラ
ンスを示す図である。
【図19】本発明の電子部品の構成例であるバルントラ
ンスを示す図である。
【図20】本発明の電子部品の構成例であるバルントラ
ンスを示す等価回路図である。
【図21】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す図である。
【図22】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す図である。
【図23】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す等価回路図である。
【図24】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タの伝達特性を示す図である。
【図25】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す図である。
【図26】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す図である。
【図27】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す等価回路図である。
【図28】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タの伝達特性を示す図である。
【図29】本発明の電子部品の構成例であるカプラを示
す図である。
【図30】本発明の電子部品の構成例であるカプラを示
す図である。
【図31】本発明の電子部品の構成例であるカプラを示
す図である。
【図32】本発明の電子部品の構成例であるカプラの内
部結線を示す図である。
【図33】本発明の電子部品の構成例であるカプラの等
価回路を示す図である。
【図34】本発明の電子部品の構成例であるVCOを示
す図である。
【図35】本発明の電子部品の構成例であるVCOを示
す図である。
【図36】本発明の電子部品の構成例であるVCOを示
す等価回路図である。
【図37】本発明の電子部品の構成例であるパワーアン
プを示す図である。
【図38】本発明の電子部品の構成例であるパワーアン
プを示す図である。
【図39】本発明の電子部品の構成例であるパワーアン
プを示す等価回路図である。
【図40】本発明の電子部品の構成例である重畳モジュ
ールを示す図である。
【図41】本発明の電子部品の構成例である重畳モジュ
ールを示す図である。
【図42】本発明の電子部品の構成例である重畳モジュ
ールを示す等価回路図である。
【図43】本発明の電子部品の構成例であるRFモジュ
ールを示す図である。
【図44】本発明の電子部品の構成例であるRFモジュ
ールを示す図である。
【図45】本発明の電子部品の構成例であるRFモジュ
ールを示す図である。
【図46】本発明の電子部品の構成例であるRFモジュ
ールを示す図である。
【符号の説明】
10 インダクタ 10a〜10e 構成層 11 ランドパターン 12 貫通ビア 13 内部導体(コイルパターン) 14 ビアホール 20 キャパシタ 20a〜20g 構成層 21 ランドパターン 22 貫通ビア 23 内部導体(内部電極パターン) 40 バルントランス 40a〜40o構成層 45 GND導体 43 内部導体 60 積層フィルター 80 ブロックフィルター 110 カプラ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01G 4/12 358 H01G 4/30 311D 364 H05K 1/03 610R 4/30 311 H01F 1/14 A H05K 1/03 610 C (56)参考文献 特開2000−71387(JP,A) 特開 平11−207870(JP,A) 特開 平11−192620(JP,A) 特開 平10−79593(JP,A) 特開 平7−30229(JP,A) 特開 平7−221444(JP,A) 特開2000−154354(JP,A) 特開2000−349437(JP,A) 特開 平5−299816(JP,A) 特開 平9−181443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/20 H01F 1/147 H01F 1/153 H01F 1/34 H01G 4/12 H01G 4/30 H05K 1/03

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写フィルム上に母材となるベースポリ
    マー中に発泡剤を配合した接着力が3.7〜7.0N/20
    mmである接着層に、圧延法により製造され表面粗さRz
    が1.0〜3.0μm 、膜厚が3〜32μm である導電
    体層を接着し、 この導電体層をエッチングにより所定のパターンにパタ
    ーニングし、転写フィルム上に形成されたパターンの占
    有面積が、80%以下とし、 前記プリプレグを配置する前に、前記転写フィルムを1
    00〜130℃、5〜20分間熱処理し、転写フィルム
    の接着層をあらかじめ発泡を行い、 その後パターン形成された導電体層を有する転写フィル
    ムを、この導電体層側がプリプレグと対向するように配
    置し、 次いで、転写フィルムをプリプレグに加熱圧着した後、
    転写フィルムを剥離し導電体層を有するプリプレグを得
    る積層基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記加熱圧着は、温度:140〜160
    ℃、圧力:4.9〜39MPa、処理時間120〜180
    分間の条件で行う請求項1の積層基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも誘電体粉、磁性体粉のいずれ
    かが樹脂中に分散され、厚みが2〜40μm であるプリ
    プレグを得る請求項1または2の積層基板の製造方法。
  4. 【請求項4】 さらに、前記プリプレグのパターン形成
    面上に他のプリプレグを配置し、この他のプリプレグを
    加熱圧着することにより、内部導体パターンを有する積
    層基板を得る請求項1〜のいずれかの積層基板の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 前記導電体層が、Cu,Al,Agおよ
    びAuから選択される1種または2種以上の元素により
    構成されている請求項1〜のいずれかの積層基板の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記誘電体粉は、チタン−バリウム−ネ
    オジウム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系セ
    ラミックス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化チ
    タン系セラミックス、チタン酸バリウム系セラミック
    ス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウ
    ム系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミック
    ス、チタン酸ビスマス系セラミックス、チタン酸マグネ
    シウム系セラミックス、CaWO4 系セラミックス、B
    a(Mg,Nb)O3 系セラミックス、Ba(Mg,T
    a)O3 系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O
    3 系セラミックス、およびBa(Co,Mg,Ta)O
    3 系セラミックスのいずれか1種または2種以上により
    形成されている請求項3〜5のいずれかの積層基板の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記誘電体粉は、シリカ、アルミナ、ジ
    ルコニア、チタン酸カリウムウイスカ、チタン酸カルシ
    ウムウイスカ、チタン酸バリウムウイスカ、酸化亜鉛ウ
    イスカ、ガラスチョップ、ガラスビーズ、カーボン繊
    維、および酸化マグネシウムのいずれか1種または2種
    以上により形成されている請求項3〜5のいずれかの積
    層基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記誘電体粉は、樹脂と誘電体粉末との
    合計量を100体積%としたとき、 10体積%以上65体積%未満含有する請求項3〜7
    いずれかの積層基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記磁性体粉は、Mn−Mg−Zn系、
    Ni−Zn系、およびMn−Zn系フェライトのいずれ
    か1種または2種以上により形成されている請求項3〜
    のいずれかの積層基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記磁性体粉は、カーボニール鉄、鉄
    −シリコン系合金、鉄−アルミ−珪素系合金、鉄−ニッ
    ケル系合金、およびアモルファス系強磁性金属の1種ま
    たは2種以上により形成されている請求項3〜8のいず
    れかの積層基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記誘電体粉または磁性体粉は、投影
    形状が円形である球形度0.9〜1.0の球状であっ
    て、平均粒径が0.1〜40μm である請求項3〜10
    のいずれかの積層基板の製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項3〜11の積層基板の少なくと
    も導電体層のパターニングにより電子部品素子を形成
    し、 さらに電子部品素子の端子となるスルーホールを形成
    し、 前記各電子部品素子毎に前記スルーホール部分で切断し
    て電子部品を得る電子部品の製造方法。
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