JP5126982B2 - 非晶質軟磁性粉末、トロイダルコアおよびインダクタ - Google Patents

非晶質軟磁性粉末、トロイダルコアおよびインダクタ Download PDF

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Description

本発明は、非晶質軟磁性粉末、トロイダルコアおよびインダクタに関する。
近年、ノートパソコンやPDA用のCPU(Central Processing Unit)の高性能化に伴う大電流化により、これら電源回路に用いられる素子の電力効率の改善および小型化の要求が強まっている。
これらの大電流を要する電源回路にチョークコイルとして用いられるインダクタの磁心には、磁気飽和を起こさない高い飽和磁束密度を有する軟磁性金属粉末を成形したコアが用いられている。
また近年、素子の小型化要求に伴って、デットスペースの極めて少ない、圧粉磁心とコイル部を一体成形したインダクタが提案されている(特許文献1)。
ここで、これらの金属粉末を用いた一体成形型のインダクタは、コア損失が大きく、Mn−Znフェライトに代表される低損失磁性材料を用いて作製したインダクタに比べて電源回路に実装した場合の効率が低いという問題があった。
この問題を解決するために、結晶磁気異方性を持たず、コア損失が低い非晶質合金粉末を用いたインダクタが提案されている。しかしながら、非晶質合金は通常の結晶合金に比べて塑性変形が生じにくいため、成形時に圧粉体の密度が増加せず、透磁率が増加しにくいという欠点があった。
この欠点を改善するためには通常より高圧での成形や、特許文献2、3に示すような結晶質の合金粉末と非晶質粉末の混合粉末を用いて充填率を改善する必要があった(特許文献2、3)。
特開2003−309024号公報 特開2004−197218号公報 特開2004−363466号公報
しかしながら、高圧での成形は金型命数を消耗させるため、経済性に乏しいという問題があった。
また特許文献2、3に示すような結晶質粉末を混合した場合は、透磁率の増加によりコア損失は見かけ上低減するが、コア材中の結晶質粉末は結晶磁気異方性を有するため、コア損失の値はわずかにしか改善されておらず、非晶質軟磁性合金の特性を生かしきっているとは言い難かった。
本発明はこれらの問題を鑑みなされたものであり、その課題は低圧成形で作製可能で、従来よりも低損失なインダクタを提供することにある。
上述した課題を解決するために、本発明の第1の態様は、Wadellの実用的球形度の平均値が0.90以上であることを特徴とする非晶質軟磁性粉末である。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の非晶質軟磁性粉末と、10mass%以下の絶縁バインダとを含む混合物と、前記混合物の内部に配置されたコイルと、を有することを特徴とするインダクタである。
本発明の第3の態様は、第1の態様に記載の非晶質軟磁性粉末と、10mass%以下の絶縁バインダとを含む混合物を有することを特徴とするトロイダルコアである。
本発明の第4の態様は、第2の態様に記載のインダクタを有することを特徴とするチョークコイルである。
本発明の第5の態様は、第2の態様に記載のインダクタを有することを特徴とする電源回路である。
本発明によれば、低圧成形で作製可能で、従来よりも低損失なインダクタを提供することができる。
出鋼温度1300℃で作製したFe75P12B8Nb3Cr2粉末、および出鋼温度1300℃で作製したFe76Si9B13Cr2粉末のDSC(Differential Scanning Calorimetry)パターンを示す図である。 図2(a)は出鋼温度1300℃で作製したFe75P12B8Nb3Cr2粉末のSEM(Scanning Electron Microscope)画像であって、図2(b)は出鋼温度1300℃で作製したFe76Si9B13Cr2粉末のSEM画像である。 図3(a)は出鋼温度1450℃で作製したFe75P12B8Nb3Cr2粉末のSEM画像であって、図3(b)は出鋼温度1450℃で作製したFe76Si9B13Cr2粉末のSEM画像である。 出鋼温度1450℃で作製したFe75P12B8Nb3Cr2粉末と出鋼温度1450℃で作製したFe76Si9B13Cr2粉末のXRD(X-Ray Diffraction)パターンを示す図である。 本実施形態に係るインダクタ100の斜視図であって、磁心部分3は外周を点線で表し、内部を透明に描いている。 図6(a)は出鋼温度1300℃で作製したFe78P13C7Mo2粉末のSEM画像であって、図6(b)は、出鋼温度1450℃で作製したFe78P13C7Mo2粉末のSEM画像である。 Fe75P12B8Nb3Cr2粉末、およびFe76Si9B13Cr2粉末を用いて作成したトロイダルコアの圧粉密度と成型圧の関係を示す図である。 Fe75P12B8Nb3Cr2粉末、およびFe76Si9B13Cr2粉末を用いて作成したトロイダルコアの透磁率と成型圧の関係を示す図である。 Fe75P12B8Nb3Cr2粉末、およびFe76Si9B13Cr2粉末を用いて作成したインダクタ100の直流重畳特性を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末の構造、組成、および物性について簡単に説明する。
まず、非晶質軟磁性粉末の構造について説明する。
本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末は三次元形状が真球に近いのが望ましく、具体的にはWadellの実用的球形度の平均値が0.90以上であるのが望ましい。
これは、Wadellの実用的球形度が高い方が、後述するインダクタ等の圧粉体に非晶質軟磁性粉末を用いた際に、粉末粒子間の接触数が抑えられ、加圧成形時に、より高充填が可能となり、圧粉密度および透磁率が高くなるためである。
また、粉末粒子間の接触数が抑えられることにより、インダクタ等を低圧成形で作製可能となるためである。
なおWadellの実用的球形度とは、粉末の投射面積から見積もられる、直径と粉末の投射像に外接する最小円の直径の比で定義される値であり、例えば、Wadell,
H.A,”Volume, shape, and roundness of rock particles”, J.Geol,40,1932,p443-451にて一例が紹介されている。
なお、非晶質軟磁性粉末の粒径は1μm〜30μmの範囲であるのが望ましい。粒子サイズがこの範囲より大きくなると、アトマイズ時の冷却速度が不足するため結晶化が進行し、軟磁気特性が低下するためである。
また、本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末は水アトマイズ法により製造されるのが好ましい。理由は製造される非晶質軟磁性粉末を真球に形成し易いからである。
次に、本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末の組成および物性について説明する。
本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末は、組成が式:(Fe1-aTM100−w−x−y−zSi(但し、不可避不純物が含まれ、TMはCo、Niから選ばれる1種以上、LはAl、V、Cr、Y、Zr、Mo、Nb、Ta、Wから選ばれる1種以上であって、0≦a≦0.98、2≦w≦16原子%、2≦x≦16原子%、0<y≦10原子%、0≦z≦8原子%)で表される合金であるのが望ましい。
理由は、上記組成範囲であれば、Wadellの実用的球形度の平均値が0.90以上の粉末を得ることができるからである。
また、本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末は、ガラス転移温度Tgが結晶化温度Txより低く、過冷却液体領域を示す金属ガラスであるのが望ましい。
これは、金属ガラスとすることにより、結晶磁気異方性が抑制されるため、後述するインダクタ等に用いた場合にコア損失を抑制できるからである。
次に、本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末を用いたインダクタの一例について図5を参照して説明する。
図5に示すように、インダクタンス素子100は、本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末と、結合材とを含む混合物としての成形体1と、成形体1の内部に設けられたコイル2を有している。
図5から明らかなように、インダクタンス素子100は一体成形型のインダクタンス素子であり、成形体1は磁心部分3を構成し、コイル2の両端は成形体1から露出して端子部分4a、4bを構成している。
結合材は絶縁バインダとなる材料であり、例えばフェノール樹脂が用いられる。
なお、フェノール樹脂ではなく、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、無機ガラスを用いてもよい。
絶縁バインダは、成形体1全体の5mass%程度となるように混合するのが望ましい。
なお、絶縁バインダの量をさらに増やしても良いが、絶縁バインダの量を増やすと充填率が低下し、透磁率が低下するため、実用上は10mass%以下が適当である。
次に、インダクタンス素子100の製造方法の一例について簡単に説明する。
まず、非晶質軟磁性粉末を構成する物質を溶解して母合金を製造し、これを出鋼温度1300℃〜1450℃程度で水アトマイズ法により粒径10μm程度で、かつWadellの実用的球形度の平均値が0.90以上の非晶質軟磁性粉末を製造する。
次に、非晶質軟磁性粉末と絶縁バインダを混合し、攪拌機を用いて500μm程度の造粒粉となるように造粒して混合物を製造する。
最後に、得られた造粒粉とコイルを一体成形し、300℃〜400℃程度で残留歪み除去のための熱処理を行い、図5のインダクタ1が完成する。
なお、熱処理温度としては、非晶質粉末が結晶化しない温度であれば高温の方が良いが、400℃を超えると絶縁バインダが劣化する恐れがあるため、300℃〜400℃が好ましい。
以上が本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末を用いたインダクタ1の製造方法の一例である。
なお、本実施形態に係る非晶質軟磁性粉末は、トロイダルコアに用いることもできる。
この場合、インダクタ1の製造工程と同様に造粒粉を作成し、これをドーナツ状に形成したのち、300℃〜400℃程度で残留歪み除去のための熱処理を行い、巻き線を施すことにより、トロイダルコアが製造される。
このように、本実施形態によれば、非晶質軟磁性粉末がWadellの実用的球形度の平均値が0.90以上である。
そのため、当該非晶質軟磁性粉末を用いてインダクタを製造すると、低圧成形で作製可能で、従来よりも低損失なインダクタを提供することができる。
次に、具体的な例を挙げ、本発明の実施形態について説明する。
まず、実施例としての、本発明に係る非晶質軟磁性粉末(上記した望ましい組成範囲内の組成の粉末、実施例1)であるFe75P12B8Nb3Cr2粉末と、比較例としてのFe76Si9B13Cr2非晶質軟磁性粉末(上記した望ましい組成範囲外の組成の粉末、比較例1)とを作成し、物性および形状を比較した。
まず、Fe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例1)と、Fe76Si9B13Cr2粉末(比較例1)を以下の手順で作成した。
最初に、母合金となるFe75P12B8Nb3Cr2合金(実施例1)と、Fe76Si9B13Cr2合金(比較例1)を、高周波溶解炉を用いて作製した。
作製した母合金を出鋼温度1300℃で公知の水アトマイズ装置を用いてアトマイズし、粒径がおおよそ10μm程度の金属粉末を得た。
次に、得られた粉末の物性を測定した。
まず、PANalytical社製全自動多目的X線回折装置X’pert Pro MPDを用いて、得られた粉末のXRD(X-Ray Diffraction)パターンを測定したところ、実施例1、比較例1共に、表1(後述)に示すようにハローパターンを示したため、非晶質であることがわかった。
次に、パーキンエルマー社 PYRIS Diamond DSCを用いて、作製した粉末のDSC(Differential Scanning Calorimetry)パターンを測定した。結果を図1に示す。
図1に示すように、Fe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例1)は結晶化温度の直前にガラス転移を示す吸熱パターンが確認され、Fe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例1)が金属ガラスであることが確認された。
次に、日立ハイテクノロジーズ社製、超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡 S-4800を用いて、作製した粉末のSEM(Scanning Electron Microscope)像を得た。得られたSEM像を図2(a)および図2(b)に示す。
図2(a)に示すように、Fe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例1)が真球に近い形状を示すのに対して、図2(b)に示すように、Fe76Si9B13Cr2粉末(比較例1)は異形状の粉末が多く確認された。
ここで、粉末の球形度を定量化するため、粉末の投射面積から見積もられる直径と粉末の投射像に外接する最小円の直径の比で定義されるWadellの実用的球形度(の平均値)を導出した。
その結果、Fe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例1)、およびFe76Si9B13Cr2粉末(比較例1)におけるWadellの実用的球形度(の平均値)はそれぞれ0.90、0.68であった。
以上より、作製したFe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例1)の形状が定量的に真球に極めて近いことがわかった。
ここで、本発明者は、得られた粉末中の形状を真球に近づけるには、水アトマイズ時の熔湯の粘性を下げることが有効であると考えた。
そこで、出鋼温度を1300℃から1450℃に変更して、水アトマイズ法によりFe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例2)、およびFe76Si9B13Cr2粉末(比較例2)を作成し、図2の場合と同様にSEM像を得た。
図3に出鋼温度1450℃で作製したFe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例2)、およびFe76Si9B13Cr2粉末(比較例2)のSEM像を示す。
Fe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例2)は出鋼温度1300℃と同様にWadellの実用的球形度(の平均値)が0.95と真球に極めて近い粉末が得られた。Fe76Si9B13Cr2粉末(比較例2)についてはWadellの実用的球形度(の平均値)が0.76と温度を上げたことによる球形度の改善がみられた。
図4に1450℃で作製した粉末のXRDパターンを示す。Fe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例2)がハローパターンを示し非晶質であるのに対して、Fe76Si9B13Cr2粉末(比較例2)ではα―Feとみられるピークが観察され、若干の結晶化が認められた。
これは先ほどの温度1350℃より高い温度(1450℃)から熔湯の冷却が行われるため、冷却速度が低下し、アモルファス形成能が低いFe76Si9B13Cr2において結晶が析出したためと考えられる。この粉末においては結晶磁気異方性が発現することから、コア損失が増大することが予見される。
本発明の効果を確認するため、実施例1、2と同様に金属ガラス組成であるFe78P13C7Mo2を出鋼温度1300℃(実施例3)、1450℃(実施例4)で作製した。得られた粉末のSEM像を図6に示した。これらの粉末についても同様にWadellの実用的球形度を導出すると実施例3において0.90、実施例4について0.92と高い値を示した。また同様にXRDにおいて結晶性を確認したところ、ハローパターンを示し、非晶質であることが確認された。以上の結果より金属ガラスを用いることにより、Wadellの実用球状度(の平均値)が0.90以上の非晶質粉末が得られることが確認された。
以上の測定結果を表1に示す。
Fe75P12B8Nb3Cr2組成のアトマイズ粉末(実施例1、2)およびFe78P13C7Mo2組成のアトマイズ粉末(実施例3、4)では高いWadellの実用的球形度の粉末が作製可能であった。また水アトマイズ粉の形状改善には出鋼温度の高温化が有効であり、かつ非晶質性を保つためには金属ガラス組成であることが有効であると示された。さらに、Fe75P12B8Nb3Cr2で作製した粉末がより高い実用球状度を示すことから、これらのFe-P-B-Nb-Cr系の金属ガラス組成がより高い実用球状度の粉末を得るのに有利であると考えられる。
次に、ここまで作製した実施例1、2と比較例1、2の粉末を用いてインダクタのコア材を作製した。
最初に、粉末の比較条件を一定とするため、各粉末の粒径を、風力分級機を用いて代表粒径D50が10.0μmとなるよう分級した。
次に、各粉末に対して絶縁バインダとなるフェノール樹脂量が全体の5mass%になるよう混合し、攪拌機として公知のプラネタリーミキサーを用いて500μm程度の造粒粉となるように造粒した。
次に、得られた造粒粉と、コイルとを面圧7ton/cm2(7×10Pa)で一体成形して図5のインダクタ1を作製した。
同様に面圧5、7.5、10ton/cm2(5、7.5、10×10Pa)で成形し、外形φ13mm内径φ8mm、高さ6mmのトロイダルコア用のコアを作製し、このコアに巻き線を施し、磁気特性評価用のトロイダルコアとした。
さらにこれらのインダクタおよびトロイダルコアに残留歪み除去のための熱処理を窒素雰囲気下で300℃、2時間実施した。
次に、トロイダルコアの圧粉密度と成型圧の関係および透磁率と成型圧の関係を評価した。
図7にそれぞれの金属粉末で作製したトロイダルコアの圧粉密度と成型圧の関係を、図8に透磁率と成型圧の関係を示す。なお圧粉密度についてはアルキメデス法を用いて測定を行い、透磁率についてはヒューレットパッカード4284A PRECISION LCR METERを用いて、100kHzにて測定を行った。
図7および図8より明らかなように、Fe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例1、2)で作製したコアがFe76Si9B13Cr2粉末(比較例1、2)で作製したコアに比べて圧粉密度および透磁率が高い傾向を示した。
また、同じFe76Si9B13Cr2粉間でも出鋼温度が1450℃で作製した粉末(比較例2)で作製したコアの方が高い圧粉密度および透磁率を示した。
これは、Wadellの実用的球形度が高い粒子を用いたコアの方が、粉末粒子間の接触数が抑えられ、加圧成形時により高充填が可能なため、圧粉密度および透磁率が高くなったためと考えられる。
Wadellの実用的球形度の低いFe76Si9B13Cr2で作製したコアでFe75P12B8Nb3Cr2粉末同等の圧粉密度を達成するには、絶縁バインダの量を削減するか、若しくは成形圧をさらに上げる必要がある。しかしながら絶縁バインダの削減はコア強度および絶縁耐圧の低下につながり、成型圧増加は金型命数が短期化することから好ましくない。
次に、図5に示す一体成形インダクタ100の直流重畳特性を測定した。
結果を図9に示す。測定にはトロイダルコアの透磁率測定と同様にヒューレットパッカード4284A PRECISION LCR METERを用いた。
トロイダルの透磁率同様、Fe75P12B8Nb3Cr2粉末(実施例1、2)を用いて作製した一体成形インダクタの方が高いインダクタンスを示した。これらのインダクタはインダクタンス値が高い方がチョークコイルとして使用した場合にリップル電流を低減し、電源効率を高めることが可能である。
以上の検討により、本発明によって低圧成形で作製可能な低損失なインダクタが提供可能であることが示された。
本発明のインダクタとその製造方法は、チョークコイルや電源回路やその製造に適用できる。
なお、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態および実施例に左右されない。当業者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………成形体
2………コイル
3………磁心部分
4a……端子部分
4b……端子部分
100…インダクタ

Claims (10)

  1. Wadellの実用的球形度の平均値が0.90以上であり、かつその組成が式:(Fe 1-a TM 100−w−x−y−z Si (但し、不可避不純物が含まれ、TMはCo、Niから選ばれる1種以上、LはAl、V、Cr、Y、Zr、Mo、Nb、Ta、Wから選ばれる1種以上であって、0≦a≦0.98、2≦w≦16原子%、2≦x≦16原子%、0<y≦10原子%、0≦z≦8原子%)で表される合金であり、さらに、ガラス転移温度Tgが結晶化温度Txより低く、過冷却液体領域を示す金属ガラスであることを特徴とする非晶質軟磁性粉末。
  2. 請求項1記載の非晶質軟磁性粉末において、水アトマイズ法で作製されたことを特徴とする非晶質軟磁性粉末。
  3. 請求項1または2に記載の非晶質軟磁性粉末と、10mass%以下の絶縁バインダとを含む混合物と、
    前記混合物の内部に配置されたコイルと、
    を有することを特徴とするインダクタ。
  4. 請求項記載のインダクタにおいて、前記絶縁バインダは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、無機ガラスのいずれかを含むことを特徴とするインダクタ。
  5. 請求項またはのいずれかに記載のインダクタにおいて、300℃以上400℃以下の温度での熱処理により形成されたことを特徴とするインダクタ。
  6. 請求項1または2に記載の非晶質軟磁性粉末と、10mass%以下の絶縁バインダとを含む混合物を有することを特徴とするトロイダルコア。
  7. 請求項記載のトロイダルコアにおいて、前記絶縁バインダは、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、無機ガラスのいずれかを含むことを特徴とするトロイダルコア。
  8. 請求項またはのいずれかに記載のトロイダルコアにおいて、300℃以上400℃以下の温度での熱処理により形成されたことを特徴とするトロイダルコア。
  9. 請求項のいずれかに記載のインダクタを有することを特徴とするチョークコイル。
  10. 請求項のいずれかに記載のインダクタを有することを特徴とする電源回路。
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