JP2005142308A - 圧粉磁心 - Google Patents
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Abstract
【課題】 高透磁率で小型化が可能であり、かつ直流重畳特性も優れている圧粉磁心を提供する。
【解決手段】 Siを6〜12質量%、Alを3〜8質量%含み、残部が実質的にFeから成る軟磁性粉末と前記軟磁性粉末間を電気的に絶縁するための絶縁バインダの混合物の衝撃波圧搾法による成形体を熱処理した圧粉磁心であって、圧粉磁心の相対密度が85%以上であり、かつ、軟磁性粉末のアスペクト比(n)とそれを用いた圧粉磁心の初透磁率(μi)の間には、次式:
μi≧79×n−15
で示される関係が成立している圧粉磁心。
【選択図】 図1
【解決手段】 Siを6〜12質量%、Alを3〜8質量%含み、残部が実質的にFeから成る軟磁性粉末と前記軟磁性粉末間を電気的に絶縁するための絶縁バインダの混合物の衝撃波圧搾法による成形体を熱処理した圧粉磁心であって、圧粉磁心の相対密度が85%以上であり、かつ、軟磁性粉末のアスペクト比(n)とそれを用いた圧粉磁心の初透磁率(μi)の間には、次式:
μi≧79×n−15
で示される関係が成立している圧粉磁心。
【選択図】 図1
Description
本発明は圧粉磁心に関し、更に詳しくは、高密度であり、したがって初透磁率も高く、しかも直流重畳特性が優れているFe−Si−Al系の圧粉磁心に関する。
圧粉磁心は、対象製品が小型で複雑な形状であっても高い歩留まりで製造することができ、現在では、各種のOA機器、自動車用部品などの制御用スイッチング電源やDC−DCコンバータのチョークコイルとして多用されている。
この圧粉磁心は、概ね、次のような工程を経て製造されている。
まず、所定組成の軟磁性合金に対して機械粉砕法やアトマイズ法を適用して、所望する粒子形状と粒度の軟磁性粉末を製造する。軟磁性合金としては、Fe−Si−Al系の合金が主流になっている。
この圧粉磁心は、概ね、次のような工程を経て製造されている。
まず、所定組成の軟磁性合金に対して機械粉砕法やアトマイズ法を適用して、所望する粒子形状と粒度の軟磁性粉末を製造する。軟磁性合金としては、Fe−Si−Al系の合金が主流になっている。
ついで、この軟磁性粉末と所定量の例えば水ガラスやシリコーン樹脂のような絶縁バインダを混合して、軟磁性粉末の表面を絶縁バインダの皮膜で被覆する。この絶縁皮膜の形成によって、製造された圧粉磁心の電気抵抗率が高くなって、実使用時のコアロス低下に資する。
ついで、この混合物を所定型面の金型に充填し、通常は室温下において所定の圧力で圧縮成形する。この圧縮成形の過程で、絶縁バインダの結着能により、軟磁性粉末が絶縁皮膜を介して互いに結着して、目的形状の成形体が製造される。
ついで、この混合物を所定型面の金型に充填し、通常は室温下において所定の圧力で圧縮成形する。この圧縮成形の過程で、絶縁バインダの結着能により、軟磁性粉末が絶縁皮膜を介して互いに結着して、目的形状の成形体が製造される。
そして最後に、この成形体に所定温度の熱処理(磁気焼鈍)を行い、圧縮成形時に蓄積された成形歪みを解放する。
ところで、最近、圧粉磁心に対しては、搭載対象の機器の小型化、多機能化という趨勢の中で、形状の小型化・複雑化への要求、しかも形状が小型化しても高透磁率特性を示すことへの要求が非常に強くなっている。
ところで、最近、圧粉磁心に対しては、搭載対象の機器の小型化、多機能化という趨勢の中で、形状の小型化・複雑化への要求、しかも形状が小型化しても高透磁率特性を示すことへの要求が非常に強くなっている。
このような要求に対しては、上記した圧縮成形の工程時に成形圧を高めることにより、成形体における軟磁性粉末の充填率を高めること、すなわち、成形体を高密度化することが有効である。
しかしながら、軟磁性粉末がFe−Si−Al系粉末である場合、当該粉末は高硬度であるため、成形性が良好であるとはいえず、高密度な成形体を得ることが困難である。
しかしながら、軟磁性粉末がFe−Si−Al系粉末である場合、当該粉末は高硬度であるため、成形性が良好であるとはいえず、高密度な成形体を得ることが困難である。
このようなことから、Fe−Si−Al系粉末を用いて高密度な圧粉磁心を製造することに関しては、衝撃波圧搾法の適用が提案されている(特許文献1を参照)。
この方法は、軟磁性粉末と絶縁バインダの混合物に、爆薬を用いて発生させた衝撃波を、直接または水を媒体として間接に印加して当該混合物を圧縮成形する方法である。この方法により、Fe−9.6%Si−5.5%Al粉末を用いて相対密度約85%の圧粉磁心が製造されている。
この方法は、軟磁性粉末と絶縁バインダの混合物に、爆薬を用いて発生させた衝撃波を、直接または水を媒体として間接に印加して当該混合物を圧縮成形する方法である。この方法により、Fe−9.6%Si−5.5%Al粉末を用いて相対密度約85%の圧粉磁心が製造されている。
一方、制御用スイッチング電源やDC−DCコンバータなどに搭載される圧粉磁心の場合、特性的には、単に透磁率が高いというだけでは不充分であって、直流磁界が印加された場合であっても高い透磁率を保持していることが必要とされる。すなわち、直流重畳特性に優れていることが求められる。
一般に、圧粉磁心の透磁率は印加される直流磁界が強くなるにつれて低下していくが、その場合、初透磁率が半減するときの印加磁界の強弱で当該圧粉磁心の直流重畳特性の優劣が評価されている。
一般に、圧粉磁心の透磁率は印加される直流磁界が強くなるにつれて低下していくが、その場合、初透磁率が半減するときの印加磁界の強弱で当該圧粉磁心の直流重畳特性の優劣が評価されている。
すなわち、透磁率が初透磁率の50%値に低下するときの印加磁界が高い圧粉磁心ほど、その直流重畳特性は優れているとされる。
そして、Fe−Si−Al系の圧粉磁心において、直流重畳特性は、圧粉磁心の製造に用いる軟磁性粉末のアスペクト比と圧粉磁心の相対密度の影響を受けるということ、そして、高い印加磁界でも高い直流重畳特性を実現するためには、圧粉磁心の相対密度を高め、用いる軟磁性粉末のアスペクト比を小さくして初透磁率を低下させた方が好適であることが知られている(非特許文献1を参照)。
特開2003−234206号公報
電気製鋼、第73巻4号、10月号、229〜234頁
そして、Fe−Si−Al系の圧粉磁心において、直流重畳特性は、圧粉磁心の製造に用いる軟磁性粉末のアスペクト比と圧粉磁心の相対密度の影響を受けるということ、そして、高い印加磁界でも高い直流重畳特性を実現するためには、圧粉磁心の相対密度を高め、用いる軟磁性粉末のアスペクト比を小さくして初透磁率を低下させた方が好適であることが知られている(非特許文献1を参照)。
本発明は、圧粉磁心に関する上記した技術的背景を踏まえて開発された圧粉磁心であって、高密度であり、したがって初透磁率が高く、しかも、用いる軟磁性粉末のアスペクト比と初透磁率との関係、更には初透磁率と直流重畳特性との関係を後述するように規定することにより直流重畳特性も優れている圧粉磁心の提供を目的とする。
本発明者らは、高密度、高初透磁率で、かつ直流重畳特性が優れているFe−Si−Al系圧粉磁心を研究開発する過程で、相対密度が85%以上の圧粉磁心の製造を目的とし、その高密度化の手段としては、前記した衝撃波圧搾法の有効性に着目した。そして、そのことを前提として、Fe−Si−Al系粉末のアスペクト比と初透磁率との関係、および初透磁率と直流重畳特性との関係につき鋭意研究を行ったところ、目的とする圧粉磁心は後述する特性を備えているとの事実を見出し、本発明の圧粉磁心を開発するに至った。
すなわち、本発明の圧粉磁心は、Siを6〜12質量%、Alを3〜8質量%含み、残部が実質的にFeから成る軟磁性粉末と前記軟磁性粉末間を電気的に絶縁するための絶縁バインダの混合物の衝撃波圧搾法による成形体を熱処理した圧粉磁心であって、
前記圧粉磁心の相対密度が85%以上であり、かつ、
前記軟磁性粉末のアスペクト比(n)とそれを用いた圧粉磁心の初透磁率(μi)の間には、次式:
μi≧79×n−15 …(1)
で示される関係が成立していることを特徴とする。
前記圧粉磁心の相対密度が85%以上であり、かつ、
前記軟磁性粉末のアスペクト比(n)とそれを用いた圧粉磁心の初透磁率(μi)の間には、次式:
μi≧79×n−15 …(1)
で示される関係が成立していることを特徴とする。
好適には、直流磁界を印加しながら透磁率を測定したときに、測定透磁率が初透磁率(μi)の50%値に低下するときの印加磁界(H1/2:A/m)と前記初透磁率の間には、次式:
H1/2≧−3200+818000/μi …(2)
で示される関係が成立している圧粉磁心が提供される。
H1/2≧−3200+818000/μi …(2)
で示される関係が成立している圧粉磁心が提供される。
この圧粉磁心は、衝撃波圧搾法を適用して製造されるので、相対密度が85%以上と高密度になり、したがって高透磁率になっている。そのため、磁気特性を低下させることなく形状の小型化が可能となる。
本発明の圧粉磁心は、その相対密度が85%以上と高密度であり、かつその初透磁率(μi)が製造に用いる軟磁性粉末のアスペクト比(n)と(1)式で示される関係を満たしている。
そしてまた、この圧粉磁心は、μi値との関係で、(2)式で示したような直流重畳特性が満たされている。
そしてまた、この圧粉磁心は、μi値との関係で、(2)式で示したような直流重畳特性が満たされている。
なお、ここでいう相対密度とは、圧粉磁心の重量と体積から算出される見掛密度を、同じ体積の使用軟磁性粉末の溶製材の密度で除算したときの百分率(%)である。この値は、使用した軟磁性粉末の圧粉磁心における充填量の多寡を示す指標である。
また、ここでいうアスペクト比(n)とは、圧粉磁心の縦断面を樹脂に埋め込み、その断面からランダムに400個以上の粉末を顕微鏡で観察し、各粉末の長軸長と短軸長を測定して長軸長/短軸長比を算出し、それらの値の平均値である。このn値が大きい粉末は、その粒子形状が長円形であり、n値が小さくなるほど、粉末の粒子形状は球形に近似していく。
また、ここでいうアスペクト比(n)とは、圧粉磁心の縦断面を樹脂に埋め込み、その断面からランダムに400個以上の粉末を顕微鏡で観察し、各粉末の長軸長と短軸長を測定して長軸長/短軸長比を算出し、それらの値の平均値である。このn値が大きい粉末は、その粒子形状が長円形であり、n値が小さくなるほど、粉末の粒子形状は球形に近似していく。
この圧粉磁心を製造する際に用いる原料の軟磁性粉末は、Si:6〜12質量%、Al:3〜8質量%、残部が実質的にFeという組成のFe−Si−Al系粉末に限定される。
上記した組成を満たしていないFe−Si−Al系粉末を原料にすると、粉末のアスペクト比を同一にし、また製造工程における製造条件を同一にしても、得られた圧粉磁心では(1)式や(2)式で示した関係が成立しておらず、高い初透磁率と高い直流重畳特性を同時に実現することが困難になる。
上記した組成を満たしていないFe−Si−Al系粉末を原料にすると、粉末のアスペクト比を同一にし、また製造工程における製造条件を同一にしても、得られた圧粉磁心では(1)式や(2)式で示した関係が成立しておらず、高い初透磁率と高い直流重畳特性を同時に実現することが困難になる。
上記した原料粉末は、所定組成の合金を用いて、機械粉砕法やアトマイズ法で製造することができる。
その場合、原料粉末のアスペクト比をnとしたとき、製造した圧粉磁心の相対密度が同じであるとすれば、n値が大きくなるにつれて圧粉磁心のμi値は高くなっていくが、他方では、印加磁界が大きくなるにつれて透磁率は急激に低下して直流重畳特性は劣化する。
その場合、原料粉末のアスペクト比をnとしたとき、製造した圧粉磁心の相対密度が同じであるとすれば、n値が大きくなるにつれて圧粉磁心のμi値は高くなっていくが、他方では、印加磁界が大きくなるにつれて透磁率は急激に低下して直流重畳特性は劣化する。
他方、n値が小さくなると、粉末の反磁界係数が大きくなるので、印加磁界が大きくなっても透磁率の低下は緩慢に進むが、反面、そもそもμi値が低い。
初透磁率と直流重畳特性に対するn値の上記した影響を考慮して、本発明においては、n値が1.0〜3.0程度であるFe−Si−Al系粉末を使用することが好ましい。
この原料粉末の表面を従来と同様にして絶縁バインダを用いて絶縁皮膜で被覆したのち成形体が製造されるが、この成形体の製造時には特許文献1に記載の衝撃波圧搾法が適用される。この衝撃波圧搾法の適用により、得られる成形体は従来のプレス成形による場合よりも高密度化し、そして磁気焼鈍後の圧粉磁心は85%以上の相対密度になる。
初透磁率と直流重畳特性に対するn値の上記した影響を考慮して、本発明においては、n値が1.0〜3.0程度であるFe−Si−Al系粉末を使用することが好ましい。
この原料粉末の表面を従来と同様にして絶縁バインダを用いて絶縁皮膜で被覆したのち成形体が製造されるが、この成形体の製造時には特許文献1に記載の衝撃波圧搾法が適用される。この衝撃波圧搾法の適用により、得られる成形体は従来のプレス成形による場合よりも高密度化し、そして磁気焼鈍後の圧粉磁心は85%以上の相対密度になる。
このとき、例えば爆薬の使用量を変化させて、発生する衝撃力を調整することにより、所望する相対密度にすることができる。
用いる絶縁バインダとしては、例えば、水ガラス、SiO2、Al2O3などの酸化物、AlN、BNなどの窒化物、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂などが好ましい。とくに、粉末表面への被覆性、磁心成形後の焼鈍の観点から、水ガラスやシリコーン樹脂が好適である。
用いる絶縁バインダとしては、例えば、水ガラス、SiO2、Al2O3などの酸化物、AlN、BNなどの窒化物、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂などが好ましい。とくに、粉末表面への被覆性、磁心成形後の焼鈍の観点から、水ガラスやシリコーン樹脂が好適である。
また、この衝撃圧搾法の適用により得られる成形体は、従来のプレス成形による場合よりも高密度化するため、プレス成形で得られた成形体と比較して、原料粉末内部に高密度化に伴う塑性変形領域が広く存在することになる。
そのため、成形後の磁気焼鈍を、プレス成形による成形体の磁気焼鈍に比べてより高い温度で行ってもよい。具体的には、50℃以上高い温度で行うことができるが、より高温で焼鈍すると、絶縁バインダの分解や拡散により得られる圧粉磁心の電気抵抗率が低下することも考えられるため、採用する温度は磁気特性と電気抵抗率とを比較して適宜選択すればよい。
そのため、成形後の磁気焼鈍を、プレス成形による成形体の磁気焼鈍に比べてより高い温度で行ってもよい。具体的には、50℃以上高い温度で行うことができるが、より高温で焼鈍すると、絶縁バインダの分解や拡散により得られる圧粉磁心の電気抵抗率が低下することも考えられるため、採用する温度は磁気特性と電気抵抗率とを比較して適宜選択すればよい。
また、衝撃圧搾法で得られた成形体を、前記磁気特性と電気抵抗率との関連で、従来のプレス成形体の磁気焼鈍時と同じ温度で焼鈍する場合には、焼鈍時間を長くすることもできる。
本発明の圧粉磁心では、(1)式の関係が成立している。この関係が成立していない圧粉磁心は、その相対密度が85%より低く、μi値も低くなっている。そして同時に、(2)式の関係も満たされていない。
本発明の圧粉磁心では、(1)式の関係が成立している。この関係が成立していない圧粉磁心は、その相対密度が85%より低く、μi値も低くなっている。そして同時に、(2)式の関係も満たされていない。
実施例1〜6、比較例1〜4
(1)原料の調製
水アトマイズ法で、組成がFe−9.6質量%Si−5.4質量%Alで、粒度が100メッシュ下で表1で示したアスペクト比の各種原料粉末を製造した。
この原料粉末に、H2雰囲気中で温度950℃、3時間の熱処理を行い、ついで、原料粉末100質量部に対しシリコーン樹脂1質量部を均一に混合して原料粉末とした。
(1)原料の調製
水アトマイズ法で、組成がFe−9.6質量%Si−5.4質量%Alで、粒度が100メッシュ下で表1で示したアスペクト比の各種原料粉末を製造した。
この原料粉末に、H2雰囲気中で温度950℃、3時間の熱処理を行い、ついで、原料粉末100質量部に対しシリコーン樹脂1質量部を均一に混合して原料粉末とした。
(2)圧粉磁心の製造
各原料粉末を金属製の円筒容器に封入し、硝酸アンモニウムを主体とする爆薬を用い、水を媒体とする衝撃波圧搾法で成形体を製造した。このとき、各原料粉末につき爆薬の使用量を変えて衝撃力を変化させた。
ついで、得られた成形体を加工して、外径24mm、内径16mm、厚み4mmのリングを製造したのち、Ar雰囲気中において温度700℃で1時間の磁気焼鈍を行い、圧粉磁心にした。
各原料粉末を金属製の円筒容器に封入し、硝酸アンモニウムを主体とする爆薬を用い、水を媒体とする衝撃波圧搾法で成形体を製造した。このとき、各原料粉末につき爆薬の使用量を変えて衝撃力を変化させた。
ついで、得られた成形体を加工して、外径24mm、内径16mm、厚み4mmのリングを製造したのち、Ar雰囲気中において温度700℃で1時間の磁気焼鈍を行い、圧粉磁心にした。
比較のために、上記した原料粉末のうち表示したアスペクト比の粉末を選択し、これら粉末に更にステアリン酸亜鉛0.5質量部を添加してプレス成形用の粉末にした。
ついで、これら粉末を金型に充填し、室温下において1.5GPaの圧力でプレス成形して外径24mm、内径16mm、厚み4mmのリングを成形した。
以後は、実施例と同じ条件で磁気焼鈍して圧粉磁心を製造した。
ついで、これら粉末を金型に充填し、室温下において1.5GPaの圧力でプレス成形して外径24mm、内径16mm、厚み4mmのリングを成形した。
以後は、実施例と同じ条件で磁気焼鈍して圧粉磁心を製造した。
(3)特性評価
各圧粉磁心の重量を測定し、相対密度を計算した。
また、圧粉磁心に80ターンの巻線を施し、LCRメータを用い、0.4A/m、20kHzの交流磁界を重畳し、そのときの比透磁率として初透磁率(μi)を測定した。
また、圧粉磁心に、0〜8000A/mまでの直流磁界に0.4A/mの振幅で20kHzの交流磁界を重畳させて透磁率を測定し、初透磁率(μi)の50%値にまで透磁率が低下したときの印加磁界(H1/2)を測定した。その結果を表1に示した。
各圧粉磁心の重量を測定し、相対密度を計算した。
また、圧粉磁心に80ターンの巻線を施し、LCRメータを用い、0.4A/m、20kHzの交流磁界を重畳し、そのときの比透磁率として初透磁率(μi)を測定した。
また、圧粉磁心に、0〜8000A/mまでの直流磁界に0.4A/mの振幅で20kHzの交流磁界を重畳させて透磁率を測定し、初透磁率(μi)の50%値にまで透磁率が低下したときの印加磁界(H1/2)を測定した。その結果を表1に示した。
また、実施例2と比較例2に関しては、印加磁界による透磁率の変化を測定し、その結果を図1に示した。
表1には、79×n−15、−3200+818000/μiの計算値も併記した。
表1には、79×n−15、−3200+818000/μiの計算値も併記した。
表1から明らかなように、衝撃波圧搾法を適用して製造した実施例の圧粉磁心は、同じ原料粉末を用いてプレス成形法で製造した比較例の圧粉磁心と対比して、その相対密度が大幅に高くなり、また初透磁率も大幅に向上している。
そして、実施例の場合、いずれも、初透磁率と粉末のアスペクト比との間では(1)式の関係が成立しており、また(2)式の関係を満たす直流重畳特性を備えている。しかし、比較例の場合はいずれも(1)式、(2)式を満たしていない。
そして、実施例の場合、いずれも、初透磁率と粉末のアスペクト比との間では(1)式の関係が成立しており、また(2)式の関係を満たす直流重畳特性を備えている。しかし、比較例の場合はいずれも(1)式、(2)式を満たしていない。
また、図1から明らかなように、実施例2は、印加磁界がほぼ8000A/mまでの間、比較例2より高透磁率であり、良好な直流重畳特性を示している。
本発明の圧粉磁心は、衝撃波圧搾法を適用して製造されているので、高密度であり、高透磁率であり、また良好な直流重畳特性を示している。
したがって、この圧粉磁心は磁気特性を低下させることなく小型化が可能であり、小型化・多機能化の傾向にある各種電気・電子機器に搭載する例えばチョークコイルとして利用することができる。
したがって、この圧粉磁心は磁気特性を低下させることなく小型化が可能であり、小型化・多機能化の傾向にある各種電気・電子機器に搭載する例えばチョークコイルとして利用することができる。
Claims (2)
- Siを6〜12質量%、Alを3〜8質量%含み、残部が実質的にFeから成る軟磁性粉末と前記軟磁性粉末間を電気的に絶縁するための絶縁バインダの混合物の衝撃波圧搾法による成形体を熱処理した圧粉磁心であって、
前記圧粉磁心の相対密度が85%以上であり、かつ、
前記軟磁性粉末のアスペクト比(n)とそれを用いた圧粉磁心の初透磁率(μi)の間には、次式:
μi≧79×n−15
で示される関係が成立していることを特徴とする圧粉磁心。 - 直流磁界を印加しながら透磁率を測定したときに、測定透磁率が初透磁率(μi)の50%値に低下するときの印加磁界(H1/2:A/m)と前記初透磁率の間には、次式:
H1/2≧−3200+818000/μi
で示される関係が成立している請求項1の圧粉磁心。
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