JP2002203719A - 積層電子部品 - Google Patents

積層電子部品

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JP2002203719A
JP2002203719A JP2000401493A JP2000401493A JP2002203719A JP 2002203719 A JP2002203719 A JP 2002203719A JP 2000401493 A JP2000401493 A JP 2000401493A JP 2000401493 A JP2000401493 A JP 2000401493A JP 2002203719 A JP2002203719 A JP 2002203719A
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Minoru Takatani
稔 高谷
Toshiichi Endo
敏一 遠藤
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TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 従来の基板よりも薄型化が可能で、ハンドリ
ング時の強度的な問題も生じない積層電子部品を提供す
る。 【解決手段】 少なくとも誘電体、磁性体のいずれかが
樹脂中に分散され、かつガラスクロスを含有しない構成
層を有し、この構成層の厚みが2〜40μmであり、こ
の構成層は、剥離シートにより導電体層が転写されてい
る構成の積層電子部品とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリプレグおよび
基板を用いた積層電子部品や積層回路に関し、特に層間
の厚みを薄くすることが可能な積層電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、通信用、民生用、産業用等の電子
機器の分野における実装方法の小型化・高密度化への指
向は著しいものがあり、それに伴って材料の面でもより
優れた耐熱性、寸法安定性、電気特性、成形性が要求さ
れつつある。
【0003】高周波用電子部品もしくは高周波用多層基
板としては、焼結フェライトや焼結セラミックを基板状
に多層化、成形したものが一般に知られている。これら
の材料を多層基板にすることは、小型化が図れるという
メリットがあることから従来より用いられてきた。
【0004】しかしながら、これら焼結フェライトや焼
結セラミックを用いた場合、焼成工程や厚膜印刷工程数
が多く、また、焼成時のクラックや反り等、焼結材料特
有の問題が多いことと、プリント基板との熱膨張係数の
違い等によるクラックの発生等といった問題が多いこと
から、樹脂系材料への要求が年々高まっている。
【0005】しかしながら、樹脂系の材料ではそれ自体
で十分な誘電率を得ることが極めて困難であり、これと
併せて透磁率の向上を図ることも困難である。このた
め、単に樹脂材料を利用した電子部品では、十分な特性
を得ることができず、形状的にも大きなものとなり、小
型、薄型化を図ることが困難である。
【0006】また、樹脂材料にセラミック粉末をコンポ
ジットする手法も、例えば特開平10−270255号
公報、同11−192620号公報、同8−69712
号公報に開示されているが、いずれも十分な誘電率や、
これと併せて透磁率を得られてはいない。誘電率を上げ
るためにセラミック粉末の充填率を上げると、強度が低
下し、ハンドリング時や加工時に破損しやすくなるとい
った問題もあった。
【0007】また、これらの基板は、ガラスクロスなど
の補強材料にペーストを含浸させることにより構成され
ている。このため、ガラスクロスの厚み以下には構成層
の厚みを薄くすることができず、しかもガラスクロスと
素地間の吸湿による信頼性の面での特性劣化等の問題も
有していた。
【0008】ガラスクロスを用いない基板の構成の例と
しては、例えば特公平6−14600号公報に開示され
ている。この公報では、PETフィルムに塗布、乾燥す
ることにより、150μm 厚のシートを得ている。しか
し、この公報の基板はシート厚が150μm と厚く、し
かも電極の形成方法についての記載がみられないため、
通常の方法により作製されているものと考えると、ハン
ドリング時、特にエッチング工程での強度面での問題も
あり、それ以上の薄型化は困難である。
【0009】特に、近年、携帯機器の急速な発展と普及
により、小型、薄型の機器を実現する上で基板の薄型化
は極めて重要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の基板よりも薄型化が可能で、ハンドリング時の強度的
な問題も生じない積層電子部品を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的は、下記の本発
明の構成により達成される。 (1) 少なくとも誘電体、磁性体のいずれかが樹脂中
に分散され、かつガラスクロスを含有しない構成層を有
し、この構成層の厚みが2〜40μm である積層電子部
品。 (2) 前記構成層は、剥離シートにより導電体層が転
写されている上記(1)の積層電子部品。 (3) 1種または2種以上の難燃剤を含有する上記
(1)または(2)の積層電子部品。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の積層電子部品は、少なくとも誘電体、磁
性体のいずれかが樹脂中に分散され、かつガラスクロス
を含有しない構成層を有し、この構成層の厚みを2〜4
0μm としたものである。
【0013】このように、ガラスクロスなどの補強部材
を包含せず、厚みが40μm 以下の構成層を有すること
により、薄型の積層電子部品を提供することができる。
【0014】このような厚みが40μm 以下の構成層
は、剥離シートにより電極層を転写することにより形成
することができる。すなわち、転写シート上に銅箔を固
定し、これをエッチングしてパターン形成し、さらにこ
の銅箔パターンを厚みが40μm 以下のプリプレグに転
写する。このように、あらかじめ転写シートに銅箔を設
けてパターニングすることにより、エッチング工程など
で必要とされるプリプレグの強度が不要となり、40μ
m 以下の薄いプリプレグに導体パターンを形成すること
ができる。
【0015】こうして得られた構成層を用いることによ
り、 (1)小型で高性能で加工性がよく、比重が軽く、柔軟
性のある積層電子部品、多層回路基板を得ることができ
る。 (2)異なった特性を有する材料を多層化しても、高い
柔軟性のため、クラック、剥がれ、反りなどの問題が生
じ難く高機能の積層電子部品を得ることができる。 (3)焼成、厚膜印刷等の工程がないため、製造しやす
く、不具合の起き難いライン設計が可能となる。 (4)ガラスクロスレスなので信頼性が高く、粉の充填
度を上げることができ、高誘電率化、高透磁率化を図る
ことができる。 (5)エッチングによりパターン形成するので、パター
ン精度が非常に高くなる。 (6)ガラスクロスを含有しないので、ロット間での特
性変動が少ない。 (7)さらに、ガラスクロスを含有する層を積層するこ
とにより、容易に強度を増すことができる。 (8)難燃剤を添加することにより、難燃性を有する積
層電子部品とすることもできる。 等といった効果が得られる。
【0016】構成層の厚みは2〜40μm 、好ましくは
5〜35μm 、より好ましくは15〜25μm である。
構成層の厚みが厚くなると、積層電子部品自体の厚みが
増し、小型、薄型の積層電子部品を得られ難くなる。ま
た、コンデンサを形成したときに、所望の容量が得られ
難くなる。厚みが薄すぎると強度が低下し、形状を保持
することが困難になってくる。
【0017】導電体層の転写に用いられる剥離シートと
しては、特に限定されるものではなく、エッチング工程
に耐えうる強度と化学的安定性を有し、導電体層の転写
に必要な接着性、剥離性を有するものであればよい。具
体的には、樹脂フィルム等の支持体上に、接着層を有す
る構造のものがよい。
【0018】支持体は、例えば、ポリテトラフルオロエ
チレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロ
ピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン−パーフロ
ロアルキルビニルエーテルコポリマー、テトラフルオロ
エチレン−エチレンコポリマー、ポリクロロトリフルオ
ロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニル
などのフッ素樹脂からなるプラスチックフィルム、ポリ
エチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチ
レンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステル
フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィ
ルム、ポリサルフォンフィルム、ポリエーテルサルフォ
ンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリアミドイミドフ
ィルム、ポリエーテルケトンフィルム、ポリフェニレン
スルフィドフィルムなどの公知のプラスチックフィルム
が挙げられる。
【0019】なかでも、ポリエチレンテレフタレート
(PET)フィルム、二軸延伸ポリプロピレン(OP
P)フィルム、メチルペンテンコポリマー(PTX)フ
ィルム、フッ素樹脂フィルムなどが好ましい。なお、フ
ッ素樹脂フィルムは、フッ化エチレン(1F)、3フッ
化エチレン(3F)および4フッ化エチレン(4F)か
らなるフィルムが好ましい。
【0020】これらプラスチックフィルムは、その厚み
が約10μm〜200μm、特に約15μm〜150μ
mであることが好ましい。
【0021】接着層は、特に加熱によりその接着力が低
下する特性を有することが望ましい。このような接着層
として、母材となるベースポリマー中に発泡剤を配合し
て構成され、加熱により発泡剤が発泡することにより、
接着力が低減または消失する特性を有するものが挙げら
れる。ベースポリマーは、具体的には高弾性ポリマーか
らなり、特に動的弾性率が常温から150℃において5
0万〜1000万μN/cm2 、好ましくは50万〜80
0万μN/cm2 の範囲内にあるものが好ましい。前記の
動的弾性率が50万μN/cm2 未満では常温での接着力
が大きくて貼り直し性に劣り、加熱処理による接着力の
低下性に乏しく、接着力が上昇する場合もある。一方、
動的弾性率が1000万μN/cm2 を超えると常温での
接着力に乏しく、加熱処理時に発泡剤の膨脹ないし発泡
が抑制されて接着力が満足に低下しない。
【0022】さらに高弾性ポリマーは、常温から150
℃における動的弾性率の変化率が小さいものが好まし
い。その変化程度は5倍以内、特に3倍以内が好まし
い。高弾性ポリマーを形成するモノマー成分等について
は特に限定はない。アクリル系感圧接着剤、ゴム系感圧
接着剤、スチレン・共役ジエンブロック共重合体系感圧
接着剤など、公知の感圧接着剤の調製に用いられるモノ
マー成分のいずれも用いることができる。
【0023】その具体例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基、イ
ソオクチル基、イソノニル基、イソデシル基、ドデシル
基、ラウリル基、トリデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、エイコシル基の如き通例、炭素数が20以下の
アルキル基を有するアクリル酸ないしメタクリル酸の如
きアクリル酸系アルキルエステル、アクリル酸、メタク
リル酸、イタコン酸、アクリル酸ヒドロキシエチル、メ
タクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプ
ロピル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、N−メチロ
ールアクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、酢酸ビニル、スチレン、イソプレン、ブタジエン、
イソブチレン、ビニルエーテルなどがあげられる。ま
た、上記した高弾性ポリマーの条件を満足する天然ゴム
や再生ゴムなどもベースポリマーに用いることができ
る。
【0024】発泡剤は、種々の無機系や有機系の発泡剤
を用いることができ、その配合量は接着力を低下させる
程度に応じて適宜に決定してよい。一般には、ベースポ
リマー100重量部あたり1〜100重量部、好ましく
は5〜50重量部、特に10〜40重量部配合される。
【0025】無機系発泡剤の代表例としては、炭酸アン
モニウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウ
ム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、ア
ジド類などがあげられる。
【0026】有機系発泡剤の代表例としては、水、トリ
クロロモノフルオロメタンやジクロロモノフルオロメタ
ン等の塩フッ化アルカン、アゾビスイソブチロニトリル
やアゾジカルボンアミド、バリウムアゾジカルボキシレ
ート等のアゾ系化合物、パラトルエンスルホニルヒドラ
ジドやジフェニルスルホン−3,3′−ジスルホニルヒ
ドラジド、4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニル
ヒドラジド)、アリルビス(スルホニルヒドラジド)等
のヒドラジン系化合物、p−トルイレンスルホニルセミ
カルバジドや4,4′−オキシビス(ベンゼンスルホニ
ルセミカルバジド)の如きセミカルバジド系化合物、5
−モルホリル−1,2,3,4−チアトリアゾールの如
きトリアゾール系化合物、N,N′−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミンやN,N′−ジメチル−N,N′−
ジニトロソテレフタルアミド等のN−ニトロソ系化合物
などがあげられる。発泡剤をマイクロカプセル化した熱
膨張性微粒子は、混合操作が容易であるなどの点により
好ましく用いられる。熱膨張性粒子には、マイクロスフ
ェア(商品名、松本油脂社製)などの市販品もある。な
お本発明においては、必要に応じて発泡助剤を添加して
もよい。なお本発明で用いる接着層の詳細は、熱剥離性
粘着剤等として、特開平5−43851号公報および特
開平6−306337号公報に記載されている。
【0027】本発明の積層電子部品に用いられる樹脂は
特に限定されるものではなく、成形性、加工性、積層時
の接着性、電気的特性に優れた樹脂材料の中から適宜選
択して用いることができる。具体的には、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂等が好ましい。
【0028】熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フ
ェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステ
ル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル(オ
キサイド)樹脂、ビスマレイミドトリアジン(シアネー
トエステル)樹脂、フマレート樹脂、ポリブタジエン樹
脂、ポリビニルベンジルエーテル樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、芳香族ポリエステル樹脂、ポリ
フェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチ
レンサルファイド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹
脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、グラフト樹脂等
が挙げられる。これらのなかでも、特にフェノール樹
脂、エポキシ樹脂、低誘電率エポキシ樹脂、ポリブタジ
エン樹脂、BTレジン、ポリビニルベンジルエーテル樹
脂等が、ベースレジンとして好ましい。
【0029】これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、
2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合して
用いる場合の混合比は任意である。
【0030】本発明に用いる誘電体は、セラミクス粉末
が好ましく、高周波数帯域において、分散媒となる樹脂
よりも大きい比誘電率とQを持つセラミクス粉末であれ
ばよく、2種類以上用いてもよい。
【0031】特に本発明に用いるセラミクス粉末は、比
誘電率が10〜20000、誘電正接が0.05以下の
ものを使用することが好ましい。
【0032】比較的高い誘電率を得るためには、特に以
下の材料を用いることが好ましい。チタン−バリウム−
ネオジウム系セラミックス、チタン−バリウム−スズ系
セラミックス、鉛−カルシウム系セラミックス、二酸化
チタン系セラミックス、チタン酸バリウム系セラミック
ス、チタン酸鉛系セラミックス、チタン酸ストロンチウ
ム系セラミックス、チタン酸カルシウム系セラミック
ス、チタン酸ビスマス系セラミックス、チタン酸マグネ
シウム系セラミックス、CaWO4 系セラミックス、B
a(Mg,Nb)O3 系セラミックス、Ba(Mg,T
a)O3 系セラミックス、Ba(Co,Mg,Nb)O
3 系セラミックス、Ba(Co,Mg,Ta)O3 系セ
ラミックス。なお、二酸化チタン系セラミックスとは、
二酸化チタンのみを含有するもののほか、他の少量の添
加物を含有するものも含み、二酸化チタンの結晶構造が
保持されているものをいう。また、他のセラミックスも
同様である。特に、二酸化チタン系セラミックスは、ル
チル構造を有するものが好ましい。
【0033】誘電率をあまり高くせずに、高いQを得る
ためには以下の材料を用いることが好ましい。
【0034】シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタン酸
カリウムウイスカ、チタン酸カルシウムウイスカ、チタ
ン酸バリウムウイスカ、酸化亜鉛ウイスカ、ガラスチョ
ップ、ガラスビーズ、カーボン繊維、酸化マグネシウム
(タルク)。
【0035】これらは単独で用いてもよいし2種以上を
混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いる場
合、その混合比は任意である。
【0036】具体的には、比較的高い誘電率を必要とし
ない場合には以下の材料が好ましい。
【0037】Mg2SiO4[ε=7、Q=2000
0]、Al23[ε=9.8、Q=40000]、Mg
TiO3[ε=17、Q=22000]、ZnTiO
3[ε=26、Q=800]、Zn2TiO4[ε=1
5、Q=700]、TiO2[ε=104、Q=150
00]、CaTiO3[ε=170、Q=1800]、
SrTiO3[ε=255、Q=700]、SrZrO3
[ε=30、Q=1200]、BaTi25[ε=4
2、Q=5700]、BaTi49[ε=38、Q=9
000]、Ba2Ti920[ε=39、Q=900
0]、Ba2(Ti,Sn)920[ε=37、Q=50
00]、ZrTiO4[ε=39、Q=7000]、
(Zr,Sn)TiO4[ε=38、Q=7000]、
BaNd2Ti514[ε=83、Q=2100]、Ba
Sm2TiO14[ε=74、Q=2400]、Bi2 3
−BaO−Nd23−TiO2系[ε=88、Q=20
00]、PbO−BaO−Nd23−TiO2系[ε=
90、Q=5200]、(Bi23、PbO)−BaO
−Nd23−TiO2系[ε=105、Q=250
0]、La2Ti27[ε=44、Q=4000]、N
2Ti27[ε=37、Q=1100]、(Li,S
m)TiO3[ε=81、Q=2050]、Ba(Mg
1/3Ta2/3)O3[ε=25、Q=35000]、Ba
(Zn1/3Ta2/3)O3[ε=30、Q=1400
0]、Ba(Zn1/3Nb2/3)O3[ε=41、Q=9
200]、Sr(Zn1/3Nb2/3)O3[ε=40、Q
=4000]等。
【0038】より好ましくは、以下の組成を主成分とす
るものである。TiO2、CaTiO3、SrTiO3
BaO−Nd23−TiO2系、Bi23−BaO−N
23−TiO2系、BaTi49、Ba2Ti920
Ba2(Ti,Sn)920系、MgO−TiO2系、Z
nO−TiO2系、MgO−SiO2系、Al23 等。
【0039】一方、比較的高い誘電率を必要とする場合
には以下の材料が好ましい。
【0040】BaTiO3[ε=1500]、(Ba,
Pb)TiO3系[ε=6000]、Ba(Ti,Z
r)O3系[ε=9000](Ba,Sr)TiO3
[ε=7000]。
【0041】より好ましくは、以下の組成を主成分とす
る誘電体の粉末から選択される。BaTiO3、Ba
(Ti,Zr)O3系。
【0042】セラミクス粉末は単結晶や多結晶の粉末で
もよい。
【0043】セラミクスの含有量は、樹脂とセラミクス
粉末との合計量を100体積%としたとき、セラミクス
粉末の含有量は10体積%以上65体積%未満であり、
好ましくは20体積%以上60体積%以下の範囲であ
る。
【0044】セラミクス粉末が65体積%以上であると
緻密な組成物が得られなくなる。また、セラミクス粉末
を添加しない場合に比べて、Qが大きく低下することも
ある。一方、セラミクス粉末が10体積%未満である
と、セラミクス粉末を含有する効果があまりみられな
い。
【0045】本発明の積層電子部品は、各成分を上記の
範囲内で適宜設定することにより、樹脂単体から得られ
る誘電率よりも大きくすることができ、必要に応じた比
誘電率と高いQを得ることが可能となる。
【0046】誘電体は、円形や楕円形でも破砕粉のよう
に不定型であってもよい。投影形状が円形である球状の
ものの平均粒径は、0.1〜40μm 、特に0.5〜2
0μm が好ましい。
【0047】平均粒径が0.1μm より小さいと、粒子
の表面積が増大し、分散、混合時の粘度、チクソ性が上
昇し、高充填率化が困難となり、樹脂との混練がし難く
なってくる。逆に40μm より大きいと、均一な分散・
混合を行うことが困難となり、沈降が激しくなって不均
一となり、粉末の含有量が多い組成の成形の際に、緻密
な成型体を得られ難くなる。
【0048】破砕粉を用いる場合、粒径は0.01〜4
0μm 、特に0.01〜35μm であることが好まし
く、平均粒径は1〜30μm であることが好ましい。こ
のような粒径とすることによって、破砕粉の分散性が良
好となる。これに対し、破砕粉の粒径がこれより小さい
と、比表面積が大きくなり、高充填率化が困難になって
くる。一方、これより大きくなるとペースト化した際に
沈降し易くなり、均一に分散しにくくなってくる。ま
た、肉薄の基板、プリプレグを形成しようとした場合
に、表面の平滑性を得ることが困難になってくる。粒径
をあまり小さくすることは実際上困難であり、0.01
μm 程度が限度である。
【0049】これらを粉末にするための手段は、粉砕、
造粒など公知の方法に従えばよい。
【0050】また、円形状の誘電体に加えて破砕粉を含
有していてもよい。誘電体破砕粉を含有することによ
り、さらに充填率を向上させることができる。
【0051】本発明の積層電子部品は、誘電体とは別
に、あるいは誘電体に加えて1種または2種以上の磁性
体を含有していてもよい。
【0052】磁性体材料であるフェライトとしては、M
n−Mg−Zn系、Ni−Zn系、Mn−Zn系などで
あり、特にこれらの単結晶、あるいはMn−Mg−Zn
系、Ni−Zn系などが好ましい。
【0053】磁性体材料である強磁性金属としては、カ
ーボニール鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−アルミ−珪素
系合金(商標名:センダスト)、鉄−ニッケル系合金
(商標名:パーマロイ)、アモルファス系(鉄系、コバ
ルト系)などが好ましい。
【0054】これらを粉末にするための手段は、粉砕、
造粒など公知の方法に従えばよい。
【0055】磁性体材料粉の粒径や形状は、上記誘電体
材料と同様であり、誘電体と同様に表面が平滑な材料が
好ましいが、破砕粉を用いてもよい。破砕粉を用いる効
果は上記と同様である。
【0056】さらに、種類、粒度分布の異なる磁性体材
料粉を2種以上用いてもよい。その際の混合比は任意で
あり、用途により用いる材料、粒度分布、混合比を調整
すればよい。
【0057】磁性体材料粉の透磁率μは10〜1000
000であることが好ましい。また、バルクの絶縁性は
高い方が基板化した際の絶縁性が向上して好ましい。
【0058】樹脂と磁性体材料粉との混合比としては、
形成される構成層全体の透磁率が3〜20となるように
添加されることが好ましい。特に成形するペースト段階
で、樹脂と磁性材料粉との比率で示した場合、磁性材料
粉の含有量は10〜65 体積%、特に20〜60 体積
%であることが好ましい。このような磁性材料粉の含有
量とすることで、構成層全体の透磁率が3〜20とな
り、所望の電気特性が得られ易くなる。これに対し、磁
性材料粉の含有量が多くなると、誘電率が低下し、スラ
リー化して塗工することが困難になり、積層電子部品の
作製が困難になる。一方、磁性材料粉の含有量が少なく
なると透磁率を確保できなくなる場合があり、磁気特性
を付与することが困難となる。
【0059】本発明に用いられる難燃剤としては、通常
基板の難燃化のために用いられている種々の難燃剤を用
いることができる。具体的には、ハロゲン化リン酸エス
テル、ブロム化エポキシ樹脂等のハロゲン化物、また、
リン酸エステルアミド系等の有機化合物や、三酸化アン
チモン、水素化アルミニウム等の無機材料を用いること
ができる。
【0060】使用する金属箔としては、金、銀、銅、ア
ルミニウムなど導電率の良好な金属のなかから好適なも
のを用いればよい。これらのなかでも特に銅が好まし
い。
【0061】金属箔を作製する方法としては、電解、圧
延法等種々の公知の方法を用いることができるが、箔ピ
ール強度をとりたい場合には電解箔を、高周波特性を重
視したい場合には、表面凹凸による表皮効果の影響の少
ない圧延箔を使用するとよい。
【0062】金属箔の厚みとしては、9〜32μm が好
ましく、薄型化を考えると5〜18μm が好ましい。
【0063】本発明の積層電子部品は、上記ガラスクロ
スレス構成層に加えて、ガラスクロス等の強化繊維を含
有する構成層を有していてもよい。強化繊維を含有する
構成層を有することにより、積層電子部品全体の強度を
向上させることができる。
【0064】このようなガラスクロス含有構成層に用い
られるガラスクロス等の強化繊維は、目的・用途に応じ
て種々のものであってよく、市販品をそのまま用いるこ
とができる。このときの強化繊維は、電気的な特性に応
じてEガラスクロス(ε=7、tanδ=0.003、
1GHz)、Dガラスクロス(ε=4、tanδ=0.00
13、 1GHz)、Hガラスクロス(ε=11、tanδ
=0.003、 1GHz)等を使い分けてもよい。ま
た、層間密着力向上のため、カップリング処理などを行
ってもよい。その厚さは100μm 以下、特に20〜6
0μm であることが好ましい。布重量としては、120
g/m2 以下、特に20〜70g/m2 が好ましい。
【0065】また、樹脂とガラスクロスとの配合比は、
重量比で、樹脂/ガラスクロスが4/1〜1/1である
ことが好ましい。このような配合比とすることによって
本発明の効果が向上する。これに対し、この比が小さく
なって、エポキシ樹脂量が少なくなると銅箔との密着力
が低下し、基板の平滑性に問題が生じる。逆にこの比が
大きくなって、エポキシ樹脂量が多くなると使用できる
ガラスクロスの選択が困難となり、薄肉での強度の確保
が困難となる。
【0066】本発明では2種以上の異なる構成層を用い
た積層体により、積層電子部品を構成してもよい。ま
た、各構成層に2種以上の異なる分散材料を含有させて
もよい。このように2種以上の種類の異なる構成層を組
み合わせたり、2種以上の異なる粉体、また同種であっ
ても組成、電気(誘電率等)、磁気特性の異なる粉体と
樹脂とを混合することによって、誘電率や透磁率の調整
が容易となり、各種電子部品に合わせた特性に調整する
ことができる。特に、波長短縮効果のある誘電率や透磁
率を最適な値にすることにより、装置の小型化、薄型化
が実現できる。また、比較的周波数の低い領域で良好な
電気特性が得られる材料と、比較的周波数の高い領域で
良好な電気特性が得られる材料とを組み合わせることに
より、広い周波数帯域で良好な電気特性を得ることがで
きる。
【0067】また、このようなハイブリッド層を用いて
多層回路基板、積層電子部品を形成する場合、接着剤等
を用いることなく、銅箔との接着やパターニングが実現
でき、かつ多層化を実現することができる。こうしたパ
ターニングや多層化処理は、通常の基板製造工程と同じ
工程でできるので、コストダウンおよび作業性の改善を
図ることができる。また、このようにして得られる基板
による積層電子部品は、高強度で、高周波特性の向上し
たものである。
【0068】まら、誘電率を高めることで波長短縮効果
が得られる。すなわち、基板上での実行波長λは、 λ=λ0 /(ε・μ)1/2 で与えられる。ここで、λ0 は実際の波長、ε、μは積
層電子部品や多層回路基板の誘電率、透磁率である。従
って、例えばλ/4の積層電子部品、多層回路基板を設
計する場合、その回路を構成する部材のε、μを高める
ことで、長さλ/4が必要な部分を、ε、μの積の平方
根で除した値だけ小さくすることができる。従って、積
層電子部品、基板材料の少なくともεを高めることによ
り積層電子部品、多層回路基板の大きさを小さくするこ
とができる。
【0069】また、比較的周波数の低い領域で良好な電
気特性が得られる材料と、比較的周波数の高い領域で良
好な電気特性が得られる材料とを組み合わせることによ
り、広い周波数帯域、具体的には1〜2000MHz、特
に50〜1000MHzの広い周波数帯域で良好なHPF
等の電気特性を得ることができる。
【0070】具体的には、波長短縮効果だけを考えた場
合、高誘電率材を樹脂材料に混合することにより目的を
達成することが可能である。しかし、このような高誘電
率材は高周波特性がさほど優れていないため、これを補
う必要がある。そこで、高誘電率材、例えばBaTiO
3 、BaZrO3 等と共に、高周波特性に優れた磁性材
料、例えばカーボニール鉄等を併用することにより、高
周波領域においても所望の特性を得ることができる。
【0071】このような、波長短縮と高周波特性の必要
な電子部品としては、積層フィルタ、バルントランス、
誘電体フィルタ、カプラ、アンテナ、VCO(電圧制御
発振器)、RF(高周波)ユニット、共振器等を挙げる
ことができる。
【0072】さらに、ある材料を用いて一つの電気的特
性を高めたとき、他の材料により不足した電気特性を補
うことができる。
【0073】本発明において、積層電子部品の基礎とな
るプリプレグを得るには、所定の配合比とした誘電体材
料、磁性体材料と樹脂、必要により難燃剤とを含み、溶
剤に混練してスラリー化したペーストを塗布して、乾燥
(Bステージ化)する工程に従う。この場合に用いられ
る溶剤は揮発性溶剤が好ましく、極性中性溶媒が特に好
ましく、ペーストの粘度を調整し塗工しやすくする目的
で用いられる。混練はボールミル、撹拌等により公知の
方法によって行えばよい。ペーストを金属箔上に塗工、
またはガラスクロス上に含浸することにより、形成する
ことができる。
【0074】プリプレグの乾燥(Bステージ化)は、含
有する誘電体材料粉、磁性体材料粉、難燃剤の含有量な
どにより適宜調整すればよい。乾燥、Bステージ化した
後の厚みは20μm 以下が好ましく、その用途や要求さ
れる特性(パターン幅および精度、直流抵抗)等により
最適な膜厚に調整すればよい。
【0075】積層電子部品の構成層となる基板、および
プリプレグは、塗工法や、材料を混練し、固体状とした
混練物を成型することによっても得ることができる。
【0076】混練は、ボールミル、撹拌、混練機などの
公知の方法で行えばよい。その際、必要により溶媒を用
いてもよい。また、必要に応じてペレット化、粉末化し
てもよい。
【0077】この場合に得られるプリプレグの厚みとし
ては、40μm 以下程度である。プリプレグの厚みは、
所望する板厚、誘電体材料粉、磁性体材料粉の含有率に
応じて適宜調整すればよい。
【0078】本発明の積層電子部品は、図45,46に
示すような方法により製造することができる。
【0079】先ず、図45の工程Aに示されるように、
所定厚さの転写フィルム103に所定厚さの導電体層で
ある銅(Cu)箔102を重ねて接着させる。次に、工
程Bに示すように、銅箔102を所望のパターン形状に
パターニングする。次に、工程Cに示すように、一対の
パターン形成された銅箔102を有する転写フィルム1
03を、プリプレグ101を挟んで上下に配置する。そ
して、工程Dに示すように、上下の転写フィルム103
側から、プリプレグ101方向に加熱圧着(ラミネー
ト)する。このとき、好ましい態様では、加熱により転
写フィルムの発泡性接着層が膨張し、転写フィルムから
銅箔が剥離しやすくなる。このときの、加熱・加圧条件
としては、温度:90〜170℃、特に115〜125
℃、圧力:静水圧加圧換算で5〜30kg/m2 、特に10
〜15kg/m2 、処理時間20〜30分間程度である。
【0080】次に、図46の工程Eに示すように、転写
フィルム103を剥離すると、両面銅箔102付プリプ
レグ101が得られる。さらに、工程Fに示すように、
必要によりこのプリプレグ101を挟んで上下に他のプ
リプレグ101aを配置し、工程Gに示すようにプリプ
レグ101方向に加熱圧着(ラミネート)することによ
り、内部導体パターン102を有する積層電子部品が得
られる。
【0081】本発明の積層電子部品は、コンデンサ(キ
ャパシタ)、コイル(インダクタ)、フィルター等の
他、これらと、あるいはそれ以外に配線パターン、増幅
素子、機能素子を組み合わせ、アンテナや、RFモジュ
ール(RF増幅段)、VCO(電圧制御発振回路)、パ
ワーアンプ(電力増幅段)等の高周波電子回路、光ピッ
クアップなどに用いられる重畳モジュール等の高周波用
電子部品を得ることができる。
【0082】
【実施例】以下、本発明の具体的実験例、実施例を示
し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0083】<実施例1>図1、図2は、本発明の第1
の実施態様であるインダクタを示した図であり、図1は
透視斜視図、図2は断面図を表している。
【0084】図において、インダクタ10は本発明の樹
脂を有する構成層(プリプレグないし基板)10a〜1
0eと、この構成層10b〜10e上に形成されている
内部導体(コイルパターン)13と、この内部導体13
を電気的に接続するためのビアホール14とを有する。
このビアホール14はドリル、レーザー加工、エッチン
グ等により形成することができる。また、形成されたコ
イルの終端部は、それぞれインダクタ10の端面に形成
された貫通ビア12とそれから僅かに上下面方向に形成
されたランドパターン11と接続されている。貫通ビア
12は、ダイシング、Vカット等により、半分に切断さ
れた構造となっている。これは、集合基板で複数の素子
を形成し、最終的に個片に切断する際に貫通ビア12の
中心から切断するためである。
【0085】このインダクタ10の構成層10a〜10
eの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜4
0μm であるガラスクロスレス構成層を有する。この構
成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するため
に誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合に
よっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が
同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料によ
り形成された構成層を組み合わせてもよい。なお、部品
強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを用い
てもよい。
【0086】チップインダクタとしては、L値を大きく
するために、ベース基板の透磁率を大きくする必要があ
る。また、EMC対策用として、ビーズを使用する場
合、インピーダンスを高くとるためにはできるだけ透磁
率を上げる必要がある。また、層間、すなわち構成層を
薄くし、漏れ電流を減らすことと、同形状で巻数(ター
ン数)を増やすことでL値を上げることができる。従っ
て、少なくとも厚みが2〜20μm であるガラスクロス
レスの構成層に、さらに、電気特性や磁気特性を調整す
るために磁性体粉を含有させることで、小型でL値が高
い、あるいはインピーダンスが高いチップインダクタが
得られる。
【0087】また、高周波用のチップインダクタとして
の用途を考えたとき、分布容量をできるだけ減らす必要
があることから比誘電率を2.6〜3.5とすることが
好ましい。また、共振回路を構成するインダクタにおい
ては、積極的に分布容量を用いる場合があり、このよう
な用途では比誘電率を5〜40とすることが好ましい。
このようにすることで、素子の小型化、容量素子の省略
を図ることができる。また、このインダクタにおいて
は、材料の損失をできるだけ抑える必要がある。このた
め、誘電正接( tanδ)を0.0025〜0.0075
とすることにより、材料損失の極めて少ない、Qの高い
インダクタを得ることができる。さらに、ノイズ除去の
ための用途を考えた場合、除去したいノイズの周波数で
インピーダンスをできるだけ大きくする必要がある。こ
のような場合には透磁率を3〜20と調整することが好
ましい。これにより、高周波ノイズの除去効果を飛躍的
に向上させることができる。また、各構成層は同一でも
異なっていてもよく、最適な組み合わせを選択すればよ
い。
【0088】なお、その等価回路を図10(a)に示
す。図10(a)に示されるように、等価回路ではコイ
ル31を有する積層電子部品(インダクタ)となってい
る。
【0089】<実施例2>図3、図4は、本発明の第2
の実施態様であるインダクタを示した図であり、図3は
透視斜視図、図4は断面図を表している。
【0090】この例では、実施例1において上下方向に
巻回されていたコイルパターンを、横方向に巻回したヘ
リカル巻とした構成態様を表している。その他の構成要
素は実施例1と同様であり、同一構成要素には同一符号
を付して説明を省略する。
【0091】<実施例3>図5、図6は、本発明の第3
の実施態様であるインダクタを示した図であり、図5は
透視斜視図、図6は断面図を表している。
【0092】この例では、実施例1において上下方向に
巻回されていたコイルパターンを、上下面でのスパイラ
ルを連結した構成態様としたものを表している。その他
の構成要素は実施例1と同様であり、同一構成要素には
同一符号を付して説明を省略する。
【0093】<実施例4>図7、図8は、本発明の第4
の実施態様であるインダクタを示した図であり、図7は
透視斜視図、図8は断面図を表している。
【0094】この例では、実施例1において上下方向に
巻回されていたコイルパターンを、内部に形成されたミ
アンダー状のパターンとして構成したものを表してい
る。その他の構成要素は実施例1と同様であり、同一構
成要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0095】<実施例5>図9は本発明の第5の実施態
様であるインダクタを示した透視斜視図である。
【0096】この例では、実施例1において単独で構成
されていたコイルを、4連とした態様を表している。こ
のような構成とすることにより、省スペース化を図るこ
とができる。その他の構成要素は実施例1と同様であ
り、同一構成要素には同一符号を付して説明を省略す
る。なお、その等価回路を図10(b)に示す。図10
(b)に示されるように、等価回路ではコイル31a〜
31dが4連装された積層電子部品(インダクタ)とな
っている。
【0097】<実施例6>図11、図12は、本発明の
第6の実施態様であるキャパシタ(コンデンサ)を示し
た図であり、図11は透視斜視図、図12は断面図を表
している。
【0098】図において、キャパシタ20は本発明の樹
脂を有する構成層(プリプレグないし基板)20a〜2
0gと、この構成層20b〜20g上に形成されている
内部導体(内部電極パターン)23と、この内部導体2
3とそれぞれ交互に接続されるキャパシタの端面に形成
された貫通ビア22とそれから僅かに上下面方向に形成
されたランドパターン21とから構成されている。
【0099】このキャパシタ20の構成層20a〜20
gの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜4
0μm であるガラスクロスレス構成層を有する。この構
成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するため
に誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合に
よっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が
同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料によ
り形成された構成層を組み合わせてもよい。なお、部品
強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを用い
てもよい。
【0100】チップコンデンサを小型化するにあたって
は、対向電極の層間の誘電率を上げる必要がある。ま
た、容量を得るためには層間、すなわち構成層はできる
だけ薄い方がよい。従って、少なくとも厚みが2〜40
μm であるガラスクロスレスの構成層に、さらに、電気
特性や磁気特性を調整するために誘電体粉を含有させる
ことで、小型でC値が高いチップコンデンサが得られ
る。
【0101】また、得られる容量の多様性や精度の点を
考慮すると比誘電率2.6〜40、誘電正接0.002
5〜0.025であることが好ましい。これにより、得
られる容量の範囲が広がり、低い容量値でも高精度に形
成できる。また、材料の損失をできるだけ抑える必要が
ある。このため、誘電正接( tanδ)を0.0025〜
0.025とすることにより、材料損失の極めて少ない
キャパシタとすることができる。また、各構成層は同一
でも異なっていてもよく、最適な組み合わせを選択すれ
ばよい。
【0102】なお、その等価回路を図14(a)に示
す。図14(a)に示されるように、等価回路ではキャ
パシタ32を有する積層電子部品(コンデンサ)となっ
ている。
【0103】<実施例7>図13は本発明の第7の実施
態様であるキャパシタを示した透視斜視図である。
【0104】この例では、実施例6において単独で構成
されていたキャパシタを、複数アレイ状に並べて4連と
した態様を表している。また、キャパシタをアレイ状に
形成する場合、様々な容量を精度よく形成する場合があ
る。このため、上記誘電率、誘電正接の範囲が好ましい
といえる。その他の構成要素は実施例6と同様であり、
同一構成要素には同一符号を付して説明を省略する。な
お、その等価回路を図14(b)に示す。図14(b)
に示されるように、等価回路ではキャパシタ32a〜3
2dが4連装された積層電子部品(コンデンサ)となっ
ている。
【0105】<実施例8>図15〜図18は、本発明の
第8の実施態様を示したバルントランスを示している。
ここで図15は透過斜視図、図16は断面図、図17は
各構成層の分解平面図、図18は等価回路図である。
【0106】図15〜17において、バルントランス4
0は、構成層40a〜40oが積層された積層体の上下
および中間に配置された内部GND導体45と、この内
部GND導体45間に形成されている内部導体43を有
する。この内部導体43は、λg /4長のスパイラル状
導体43を、図17の等価回路に示される結合ライン5
3a〜53dを構成するようにビアホール44等で連結
している。
【0107】このバルントランス40の構成層40a〜
40oの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2
〜40μm であるガラスクロスレス構成層を有する。こ
の構成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整する
ために誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場
合によっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成
層が同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料
により形成された構成層を組み合わせてもよい。なお、
部品強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを
用いてもよい。
【0108】バルントランスを設計するにあたって小型
化を考えると、比誘電率はできるだけ高い方がよい。ま
た、同様に層間、すなわち構成層はできるだけ薄い方が
よい。従って、少なくとも厚みが2〜40μm であるガ
ラスクロスレスの構成層に、さらに、電気特性や磁気特
性を調整するために誘電体粉を含有させることで、小型
で高性能のバルントランスが得られる。
【0109】また、ある用途によっては比誘電率を2.
6〜40とし、誘電正接( tanδ)を0.0025〜
0.025とすることが好ましい。また、他の用途によ
っては透磁率を3〜20とすることが好ましい。なお、
各構成層は同一でも異なっていてもよく、最適な組み合
わせを選択すればよい。
【0110】<実施例9>図19〜図22は、本発明の
第9の実施態様を示した積層フィルターを示している。
ここで図19は斜視図、図20は分解斜視図、図21は
等価回路図、図22は伝達特性図である。なお、この積
層フィルターは2ポールとして構成されている。
【0111】図19〜21において、積層フィルター6
0は、構成層60a〜60eが積層された積層体のほぼ
中央に一対のストリップ線路68と、一対のコンデンサ
導体67とを有する。コンデンサ導体67は下部構成層
群60d上に形成され、ストリップ線路68はその上の
構成層60c上に形成されている。構成層60a〜60
eの上下端部にはGND導体65が形成されていて、前
記ストリップ線路68とコンデンサ導体67とを挟み込
むようになっている。コンデンサ導体67はそれぞれ端
面に形成された端部電極(外部端子)62とそれから僅
かに上下面方向に形成されたランドパターン61と接続
されている。また、その両側面およびそこから僅かに上
下面方向に形成されたGNDパターン66はGND導体
65と、各ストリップ線路68の一方端とが接続されて
いる。
【0112】ストリップ線路68は、図21の等価回路
図に示されるλg /4長またはそれ以下の長さを有する
ストリップ線路74a、74bであり、コンデンサ導体
67は入出力結合容量Ciを構成する。また、それぞれ
のストリップ線路74a、74b間は、結合容量Cmお
よび結合係数Mにより結合されている。このような等価
回路により、図22に示すような2ポール型の伝達特性
を有する積層フィルタを得ることができる。
【0113】この積層フィルタ60の構成層60a〜6
0eの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜
40μm であるガラスクロスレス構成層を有する。この
構成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するた
めに誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合
によっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層
が同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料に
より形成された構成層を組み合わせてもよい。また、部
品強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを用
いてもよい。
【0114】積層フィルタを設計するにあたり、小型化
を考えると、比誘電率はできるだけ高い方がよい。ま
た、同様に層間、すなわち構成層はできるだけ薄い方が
よい。従って、少なくとも厚みが2〜40μm であるガ
ラスクロスレスの構成層に、さらに、電気特性や磁気特
性を調整するために誘電体粉を含有させることで、小型
で高性能の積層フィルタが得られる。
【0115】また、比誘電率を2.6〜40とすること
により、数100MHzから数GHzの帯域において、所望
の伝達特性が得られるようになる。また、ストリップラ
イン共振器の材料損失はできるだけ抑えることが望まし
く、誘電正接( tanδ)を0.0025〜0.0075
とすることが好ましい。
【0116】<実施例10>図23〜図26は、本発明
の第10の実施態様を示した積層フィルターを示してい
る。ここで図23は斜視図、図24は分解斜視図、図2
5は等価回路図、図26は伝達特性図である。なお、こ
の積層フィルターは4ポールとして構成されている。
【0117】図23〜26において、積層フィルター6
0は、構成層60a〜60eが積層された積層体のほぼ
中央に4つのストリップ線路68と、一対のコンデンサ
導体67とを有する。その他の構成要素は実施例9と同
様であり、同一構成要素には同一符号を付して説明を省
略する。
【0118】<実施例11>図27〜図31は、本発明
の第11の実施態様を示したカプラを示している。ここ
で図27は透過斜視図、図28は断面図、図29は各構
成層の分解平面図、図30は内部結線図、図31は等価
回路図である。
【0119】図27〜31において、カプラ110は、
構成層110a〜110cが積層された積層体の上下に
形成、配置された内部GND導体115と、この内部G
ND導体115間に形成されている内部導体113を有
する。この内部導体113は、2つのコイルによりトラ
ンスが構成されるようにスパイラル状にビアホール11
4等で連結している。また。形成されたコイルの終端
と、内部GND導体115とは、図27に示すように、
それぞれ端面に形成された貫通ビア112とそれから僅
かに上下面方向に形成されたランドパターン111と接
続されている。このように構成することにより、図31
の等価回路図で示すように、2つのコイル125a,1
25bが結合したカプラ110が得られる。
【0120】このカプラ110の構成層110a〜11
0cの少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜
40μm であるガラスクロスレス構成層を有する。この
構成層には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するた
めに誘電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合
によっては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層
が同一材料で形成されている必要はなく、異なる材料に
より形成された構成層を組み合わせてもよい。また、部
品強度を向上させるため、その一部にガラスクロスを用
いてもよい。
【0121】カプラを設計するにあたり、小型化を考え
ると、比誘電率はできるだけ高い方がよい。また、同様
に層間、すなわち構成層はできるだけ薄い方がよい。従
って、少なくとも厚みが2〜40μm であるガラスクロ
スレスの構成層に、さらに、電気特性や磁気特性を調整
するために誘電体粉を含有させることで、小型で高性能
のカプラが得られる。なお、広帯域化を実現しようとし
た場合、比誘電率はできるだけ小さい方が好ましい。
【0122】また、用途や、要求される性能、仕様等に
よりそれに適した誘電率の材料を用いればよい。通常、
比誘電率を2.6〜40とすることにより、数100M
Hzから数GHzの帯域において、所望の伝達特性が得られ
るようになる。また、内部インダクタのQ値を上げるた
めに、誘電正接(tanδ)を0.0025〜0.007
5とすることが好ましい。これにより、材料損失が極め
て少なく、Q値の高いインダクタを形成でき、高性能の
カプラを得ることができる。
【0123】<実施例12>図32〜図34は、本発明
の第12の実施態様を示したVCO(電圧制御発振器)
を示している。ここで図32は透過斜視図、図33は断
面図、図34は等価回路図である。
【0124】図32〜34において、VCOは、構成層
210a〜210gが積層された積層体の上に形成、配
置されたコンデンサ、インダクタ、半導体、レジスタ等
の電子部品261と、この構成層210a〜210g中
およびその上下面に形成されている導体パターン26
2,263,264を有する。このVCOは図34に示
すような等価回路により構成されているため、ストリッ
プライン263、コンデンサ、信号線、半導体、電源ラ
インなどを有する。このため、それぞれの機能に適した
材料で構成層を形成するのが効果的である。
【0125】この例では、構成層210a〜210gの
少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜40μ
m であるガラスクロスレス構成層を有する。この構成層
には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するために誘
電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合によっ
ては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が同一
材料で形成されている必要はなく、異なる材料により形
成された構成層を組み合わせてもよい。また、部品強度
を向上させるため、その一部にガラスクロスを用いても
よい。
【0126】特に、コンデンサ構成層210c〜210
eに上記ガラスクロスレス構成層を用いることで、構成
層の厚みを極端に薄くすることができ、VCOをより小
型にすることができる。
【0127】共振器を構成する構成層210f,210
gでは誘電正接が0.0025〜0.0075の構成層
を用いることが好ましい。コンデンサ構成層210c〜
210eには、誘電正接が0.0075〜0.025、
比誘電率が5〜40となるような構成層を用いることが
好ましい。配線、およびインダクタ構成層210a,2
10bには、誘電正接が0.0025〜0.0075、
比誘電率が2.6〜5.0の誘電体層を用いることが好
ましい。
【0128】そして、上記構成層210a〜210gの
表面には、内部導体であるストリップライン263、G
ND導体262、コンデンサ導体264,配線インダク
タ導体265、および端子導体266を構成する。ま
た、それぞれの内部導体はビアホール214により上下
に接続され、表面にはマウントされた電子部品261が
搭載されて図34の等価回路に示すようなVCOが形成
される。
【0129】このように構成することにより、それぞれ
の機能に適した誘電率、Q、誘電正接とすることがで
き、高性能化、小型、薄型化が可能となる。
【0130】<実施例13>図35〜図37は、本発明
の第13の実施態様を示したパワーアンプ(電力増幅
部)を示している。ここで図35は各構成層の分解平面
図、図36は断面図、図37は等価回路図である。
【0131】図35〜37において、パワーアンプは、
構成層300a〜300eが積層された積層体の上に形
成、配置されたコンデンサ、インダクタ、半導体、レジ
スタ等の電子部品361と、この構成層300a〜30
0e中およびその上下面に形成されている導体パターン
313,315を有する。このパワーアンプは図37に
示すような等価回路により構成されているため、ストリ
ップラインL11〜L17、コンデンサC11〜C2
0、信号線、半導体への電源ラインなどを有する。この
ため、それぞれの機能に適した材料で構成層を形成する
のが効果的である。
【0132】この例では、構成層の少なくともいずれか
には、少なくとも厚みが2〜40μm であるガラスクロ
スレス構成層を有する。この構成層には、さらに、電気
特性や磁気特性を調整するために誘電体粉、磁性体粉が
含有されていてもよく、場合によっては難燃剤が含まれ
ていてもよい。全ての構成層が同一材料で形成されてい
る必要はなく、異なる材料により形成された構成層を組
み合わせてもよい。また、部品強度を向上させるため、
その一部にガラスクロスを用いてもよい。
【0133】特に、コンデンサ構成層300a〜300
cに上記ガラスクロスレス構成層を用いることで、構成
層の厚みを極端に薄くすることができ、パワーアンプを
より小型にすることができる。
【0134】この場合、ストリップラインを構成する構
成層300d,300eには誘電正接が0.0075〜
0.025、比誘電率が2.6〜40の構成を用いるこ
とが好ましい。コンデンサ構成層300a〜300cに
は、誘電正接が0.0025〜0.025、比誘電率が
5〜40となるような構成層を用いることが好ましい。
【0135】そして、これらの構成層300a〜300
eの表面には、内部導体313、GND導体315等が
形成されている。また、それぞれの内部導体はビアホー
ル314により上下に接続され、表面にはマウントされ
た電子部品361が搭載されて図37の等価回路に示す
ようなパワーアンプが形成される。
【0136】このように構成することにより、それぞれ
の機能に適した誘電率、Q、誘電正接とすることがで
き、高性能化、小型、薄型化が可能となる。
【0137】<実施例14>図38〜図40は、本発明
の第14の実施態様を示した光ピックアップなどに使用
される重畳モジュールを示している。ここで図38は各
構成層の分解平面図、図39は断面図、図40は等価回
路図である。
【0138】図38〜40において、重畳モジュール
は、構成層400a〜400kが積層された積層体の上
に形成、配置されたコンデンサ、インダクタ、半導体、
レジスタ等の電子部品461と、この構成層400a〜
400k中およびその上下面に形成されている導体パタ
ーン413,415を有する。この重畳モジュールは図
40に示すような等価回路により構成されているため、
インダクタL21、L23、コンデンサC21〜C2
7、信号線、半導体への電源ラインなどを有する。この
ため、それぞれの機能に適した材料で構成層を形成する
のが効果的である。
【0139】この例では、構成層400a〜400kの
少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜40μ
m であるガラスクロスレス構成層を有する。この構成層
には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するために誘
電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合によっ
ては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が同一
材料で形成されている必要はなく、異なる材料により形
成された構成層を組み合わせてもよい。また、部品強度
を向上させるため、その一部にガラスクロスを用いても
よい。
【0140】特に、コンデンサ構成層400d〜400
hに上記ガラスクロスレス構成層を用いることで、構成
層の厚みを極端に薄くすることができ、重畳モジュール
をより小型にすることができる。
【0141】この場合、コンデンサ構成層400d〜4
00hには、誘電正接が0.0075〜0.025、比
誘電率が10〜40となるような構成を用いることが好
ましい。インダクタを構成する構成層400a〜400
c,400j〜400kには誘電正接が0.0025〜
0.0075、比誘電率が2.6〜5.0となるような
構成層を用いることが好ましい。
【0142】そして、これらの構成層400a〜400
kの表面には、内部導体413、GND導体415等が
形成されている。また、それぞれの内部導体はビアホー
ル414により上下に接続され、表面にはマウントされ
た電子部品461が搭載されて図40の等価回路に示す
ような重畳モジュールが形成される。
【0143】このように構成することにより、それぞれ
の機能に適した誘電率、Q、誘電正接とすることがで
き、高性能化、小型、薄型化が可能となる。
【0144】<実施例15>図41〜図44は、本発明
の第15の実施態様を示したRFモジュールを示してい
る。ここで図41は斜視図、図42は外装部材を外した
状態での斜視図、図43は各構成層の分解斜視図、図4
4は断面図である。
【0145】図41〜44において、RFモジュール
は、構成層500a〜500iが積層された積層体の上
に形成、配置されたコンデンサ、インダクタ、半導体、
レジスタ等の電子部品561と、この構成層500a〜
500i中およびその上下面に形成されている導体パタ
ーン513,515、572と、アンテナパターン57
3を有する。このRFモジュールは、上記のようにイン
ダクタ、コンデンサ、信号線、半導体への電源ラインな
どを有する。このため、それぞれの機能に適した材料で
構成層を形成するのが効果的である。
【0146】この例では、構成層500a〜500iの
少なくともいずれかには、少なくとも厚みが2〜40μ
m であるガラスクロスレス構成層を有する。この構成層
には、さらに、電気特性や磁気特性を調整するために誘
電体粉、磁性体粉が含有されていてもよく、場合によっ
ては難燃剤が含まれていてもよい。全ての構成層が同一
材料で形成されている必要はなく、異なる材料により形
成された構成層を組み合わせてもよい。また、部品強度
を向上させるため、その一部にガラスクロスを用いても
よい。
【0147】特に、コンデンサ構成層500e〜500
fに上記ガラスクロスレス構成層を用いることで、構成
層の厚みを極端に薄くすることができ、RFモジュール
をより小型にすることができる。
【0148】この場合、アンテナ構成、ストリップライ
ン構成および配線層500a〜500d、500gは、
0.0025〜0.0075、比誘電率が2.6〜5.
0の構成層を用いることが好ましい。コンデンサ構成層
500e〜500fには、誘電正接が0.0075〜
0.025、比誘電率が10〜40となるような構成層
を用いることが好ましい。電源ライン層500h〜50
0iには、透磁率が3〜20となるような構成層を用い
ることが好ましい。
【0149】そして、これらの構成層500a〜500
iの表面には、内部導体513、GND導体515、ア
ンテナ導体573等が形成されている。また、それぞれ
の内部導体はビアホール514により上下に接続され、
表面にはマウントされた電子部品561が搭載されてR
Fモジュールが形成される。
【0150】このように構成することにより、それぞれ
の機能に適した誘電率、Q、誘電正接とすることがで
き、高性能化、小型、薄型化が可能となる。
【0151】本発明は、上記に例示した電子部品以外
に、上記同様の手法で、コモンモードフィルタ、EMC
フィルタ、電源用フィルタ、パルストランス、チョーク
コイル、DC−DCコンバータ、ディレイライン、アン
テナスイッチモジュール、アンテナフロントエンドモジ
ュール、アイソレータ・パワーアンプモジュール、PL
Lモジュール、フロントエンドモジュール、チューナー
ユニット、方向性結合器、ダブルバランスドミキサー
(DBM)、電力合成器、電力分配器、PTCサーミス
タ等に応用することができる。
【0152】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、従来の基
板よりも薄型化が可能で、高性能、しかもハンドリング
時の強度的な問題も生じない積層電子部品を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図2】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図3】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図4】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図5】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図6】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図7】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図8】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図9】本発明の電子部品の構成例であるインダクタを
示す図である。
【図10】本発明の電子部品の構成例であるインダクタ
を示す等価回路図である。
【図11】本発明の電子部品の構成例であるキャパシタ
を示す図である。
【図12】本発明の電子部品の構成例であるキャパシタ
を示す図である。
【図13】本発明の電子部品の構成例であるキャパシタ
を示す図である。
【図14】本発明の電子部品の構成例であるキャパシタ
を示す等価回路図である。
【図15】本発明の電子部品の構成例であるバルントラ
ンスを示す図である。
【図16】本発明の電子部品の構成例であるバルントラ
ンスを示す図である。
【図17】本発明の電子部品の構成例であるバルントラ
ンスを示す図である。
【図18】本発明の電子部品の構成例であるバルントラ
ンスを示す等価回路図である。
【図19】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す図である。
【図20】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す図である。
【図21】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す等価回路図である。
【図22】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タの伝達特性を示す図である。
【図23】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す図である。
【図24】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す図である。
【図25】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タを示す等価回路図である。
【図26】本発明の電子部品の構成例である積層フィル
タの伝達特性を示す図である。
【図27】本発明の電子部品の構成例であるカプラを示
す図である。
【図28】本発明の電子部品の構成例であるカプラを示
す図である。
【図29】本発明の電子部品の構成例であるカプラを示
す図である。
【図30】本発明の電子部品の構成例であるカプラの内
部結線を示す図である。
【図31】本発明の電子部品の構成例であるカプラの等
価回路を示す図である。
【図32】本発明の電子部品の構成例であるVCOを示
す図である。
【図33】本発明の電子部品の構成例であるVCOを示
す図である。
【図34】本発明の電子部品の構成例であるVCOを示
す等価回路図である。
【図35】本発明の電子部品の構成例であるパワーアン
プを示す図である。
【図36】本発明の電子部品の構成例であるパワーアン
プを示す図である。
【図37】本発明の電子部品の構成例であるパワーアン
プを示す等価回路図である。
【図38】本発明の電子部品の構成例である重畳モジュ
ールを示す図である。
【図39】本発明の電子部品の構成例である重畳モジュ
ールを示す図である。
【図40】本発明の電子部品の構成例である重畳モジュ
ールを示す等価回路図である。
【図41】本発明の電子部品の構成例であるRFモジュ
ールを示す図である。
【図42】本発明の電子部品の構成例であるRFモジュ
ールを示す図である。
【図43】本発明の電子部品の構成例であるRFモジュ
ールを示す図である。
【図44】本発明の電子部品の構成例であるRFモジュ
ールを示す図である。
【図45】本発明の積層電子部品の構成層の形成例を示
す工程図である。
【図46】本発明の積層電子部品の構成層の形成例を示
す工程図である。
【符号の説明】
10 インダクタ 10a〜10e 構成層 11 ランドパターン 12 貫通ビア 13 内部導体(コイルパターン) 14 ビアホール 20 キャパシタ 20a〜20g 構成層 21 ランドパターン 22 貫通ビア 23 内部導体(内部電極パターン) 40 バルントランス 40a〜40o構成層 45 GND導体 43 内部導体 60 積層フィルター 110 カプラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E070 AA01 AA05 AA16 AB10 BA11 BB03 BB10 CB02 CB12 CB13 CB17 5E082 AA01 AB03 BC21 BC39 FF14 FG26 FG34 PP09 5E346 AA12 AA13 AA22 AA51 CC08 CC21 DD01 DD02 EE09 GG28 HH11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも誘電体、磁性体のいずれかが
    樹脂中に分散され、かつガラスクロスを含有しない構成
    層を有し、 この構成層の厚みが2〜40μm である積層電子部品。
  2. 【請求項2】 前記構成層は、剥離シートにより導電体
    層が転写されている請求項1の積層電子部品。
  3. 【請求項3】 1種または2種以上の難燃剤を含有する
    請求項1または2の積層電子部品。
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