JP4496858B2 - 電子部品及び多層基板 - Google Patents

電子部品及び多層基板 Download PDF

Info

Publication number
JP4496858B2
JP4496858B2 JP2004190277A JP2004190277A JP4496858B2 JP 4496858 B2 JP4496858 B2 JP 4496858B2 JP 2004190277 A JP2004190277 A JP 2004190277A JP 2004190277 A JP2004190277 A JP 2004190277A JP 4496858 B2 JP4496858 B2 JP 4496858B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dielectric
dielectric layer
layer
layers
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2004190277A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006013249A (ja
Inventor
稔 高谷
敏一 遠藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP2004190277A priority Critical patent/JP4496858B2/ja
Publication of JP2006013249A publication Critical patent/JP2006013249A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4496858B2 publication Critical patent/JP4496858B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、電子部品及び多層基板に係り、より詳しくは100MHz以上の高周波領域において有用な電子部品及び多層基板に関する。
近年、通信情報の急増に伴い、通信機器の小型化、軽量化が強く望まれており、これに伴って電子部品の小型化、軽量化が望まれている。一方、携帯移動通信、衛星通信においては、ギガHz帯の高周波域の電波が使用されるようになってきている。
上記のような高周波域の電波に対応するためには、電子部品においてエネルギー損失ないし伝送損失が小さいことが必要である。すなわち電子部品においては、誘電損失といわれる伝送過程における伝送損失が生じるが、この伝送損失は、熱エネルギーとして電子部品内で消費され、電子部品における発熱の原因となるため好ましくない。
伝送損失は一般に下記式:
伝送損失=係数×周波数×(誘電率)1/2×誘電正接
で表されるため、伝送損失を低くするためには、誘電率、誘電正接を小さくする必要がある。
一方、電子部品の小型化、軽量化を図るためには、単位面積あたりの静電容量値をあげて電極面積を小さくする必要がある。
静電容量値は一般的に下記式:
静電容量値=真空の誘電率×材料の比誘電率×電極面積/絶縁層厚み
で表されるため、静電容量値を高くするには材料の比誘電率を上げる必要がある。
よって、高周波域における伝送損失の低減及び電子部品の小型化、軽量化をすべて達成するためには、誘電率を高くし且つ誘電正接を低くしたバランスの取れた材料が望まれる。
一般に、誘電率が高い材料としては、ポリフッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン−テトラフルオロエチレンの共重合体、シアノ基含有ポリマーなどが知られているが、周波数特性、低誘電正接、耐熱性の点で問題があり、電子部品を構成する絶縁材料として使用することに適しているとは言えない。
また誘電率が低い材料としては、ポリオレフィン、塩化ビニル樹脂、フッソ樹脂、シンジオタクティックポリスチレン、芳香族ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレ
ジン)、架橋性ポリフェニレンオキサイド、硬化性ポリフェニレンオキサイド、ポリビニ
ルベンジルエーテル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等、さまざまな樹脂が知られているが、これらは上述したように高周波域の電波の使用に対応できないばかりか、耐熱性、薄膜加工性、耐薬品性、絶縁性、低誘電正接、低吸水率等の電子部品に要求される基本的性能をすべて満足するものはないのが現実であり、また上記樹脂のみでは高誘電率で且つ低誘電正接を実現するのは困難であるのが実情である。
そこで、電子部品に要求される基本性能を満足しつつ、複合誘電体層の高誘電率及び低誘電正接を達成するべく、電子部品の複合誘電体層を構成する絶縁材料として、ポリビニルベンジルエーテル化合物に誘電体セラミック粉末を分散したものが知られている(特開2001−247733号公報)。
特開2001−247733号公報
しかしながら、上述した特許文献1の複合誘電体層を用いた電子部品においては、複合誘電体層の誘電率や誘電正接(tanδ)等の電気的特性は良好であるものの、その材料は強度面で優れているわけではない。従って、特許文献1に記載の電子部品には、強度面で未だ改良の余地が残されていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電気的特性及び強度を十分に向上させることができる電子部品及び多層基板を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、多層基板及び電子部品を以下の構成とすることによって上記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明の多層基板は、樹脂を含む2つの第1誘電体層と、前記2つの第1誘電体層の間に配置され、樹脂を含む複数の第2誘電体層と、複数の導体層とを積層して構成される多層基板であって、最外層が前記第1誘電体層及びこれに隣接する前記第2誘電体層を有し、前記最外層の両側にそれぞれ前記導体層が設けられており、前記第2誘電体層の誘電正接tanδが0.01以下であり、前記第1誘電体層の限界たわみ量が、前記第2誘電体層の1.3倍以上であることを特徴とする
また本発明の電子部品は、樹脂を含む2つの第1誘電体層と、前記2つの第1誘電体層の間に配置され、樹脂を含む複数の第2誘電体層と、複数の導体層と、を積層して構成される電子部品であって、最外層が前記第1誘電体層及びこれに隣接する前記第2誘電体層を有し、前記最外層の両側にそれぞれ前記導体層が設けられており、前記第2誘電体層の誘電正接tanδが0.01以下であり、前記第1誘電体層の限界たわみ量が、前記第2誘電体層の1.3倍以上であることを特徴とする。
この多層基板及び電子部品によれば、第1誘電体層の限界たわみ量が第2誘電体層の1.3倍以上となっており、第2誘電体層の誘電正接tanδが0.01以下となっている。即ち本発明の多層基板及び電子部品は、機械的強度に優れた誘電体層と、電気的特性に優れた誘電体層とを含む。このため、多層基板又は電子部品に過大な負荷が加えられても、電気的特性を良好に維持しながら多層基板又は電子部品における欠損の発生を十分に防止することが可能となる。加えて、本発明の多層基板及び電子部品によれば、最外層が第1誘電体層及びこれに隣接する第2誘電体層を有し、最外層の両側に導体層が設けられる。そして、第2誘電体層は電気的特性に優れている。このため、最外層が第2誘電体層を有しない場合に比べて、最外層の両側に設けられる導体層のうち第2誘電体層側の導体層による電気的特性をより向上させることができる。更に、最外層に第1誘電体層のみならず第2誘電体層も含まれるようにしたため、最外層の間に配置される第2誘電体層の数を減らすことが可能となり、多層基板及び電子部品を薄型化することが可能となる。
上記第2誘電体層が、当該第2誘電体層に含まれる上記樹脂よりも誘電率の大きいセラミック粉末を更に含んでもよい。この場合、誘電率の小さい樹脂を用いる場合でも、良好な電気的特性を維持することが可能となる。
上記多層基板及び電子部品においては、前記第1誘電体層のピール強度が、前記第2誘電体層のピール強度の1.5倍以上であることが好ましい。この場合、多層基板又は電子部品に過大な負荷が加えられても、電気的特性を良好に維持しながら多層基板又は電子部品における欠損の発生をより十分に防止することが可能となる。
また本発明の多層基板は、樹脂を含む2つの第1誘電体層と、前記2つの第1誘電体層の間に配置され、樹脂を含む複数の第2誘電体層と、複数の導体層とを積層して構成される多層基板であって、最外層が前記第1誘電体層及びこれに隣接する前記第2誘電体層を有し、前記最外層の両側にそれぞれ前記導体層が設けられており、前記第2誘電体層の誘電正接tanδが0.01以下であり、前記第1誘電体層のピール強度が、前記第2誘電体層のピール強度の1.5倍以上であることを特徴とする
また本発明の電子部品は、樹脂を含む2つの第1誘電体層と、前記2つの第1誘電体層の間に配置され、樹脂を含む複数の第2誘電体層と、複数の導体層と、を積層して構成される電子部品であって、最外層が前記第1誘電体層及びこれに隣接する前記第2誘電体層を有し、前記最外層の両側にそれぞれ前記導体層が設けられており、前記第1誘電体層のピール強度が、前記第2誘電体層のピール強度の1.5倍以上であることを特徴とする。
これら多層基板及び電子部品によれば、ピール強度が、前記第2誘電体層のピール強度の1.5倍以上となっており、第2誘電体層の誘電正接tanδが0.01以下となっている。即ち本発明の多層基板及び電子部品は、機械的強度に優れた誘電体層と、電気的特性に優れた誘電体層とを含む。このため、多層基板又は電子部品に過大な負荷が加えられても、電気的特性を良好に維持しながら多層基板又は電子部品における欠損の発生を十分に防止することが可能となる。加えて、本発明の多層基板及び電子部品によれば、最外層が第1誘電体層及びこれに隣接する第2誘電体層を有し、最外層の両側に導体層が設けられる。そして、第2誘電体層は電気的特性に優れている。このため、最外層が第2誘電体層を有しない場合に比べて、最外層の両側に設けられる導体層のうち第2誘電体層側の導体層による電気的特性をより向上させることができる。更に、最外層に第1誘電体層のみならず第2誘電体層も含まれるようにしたため、最外層の間に配置される第2誘電体層の数を減らすことが可能となり、多層基板及び電子部品を薄型化することが可能となる。
上記多層基板及び電子部品においては、上記第1誘電体層のピール強度は8N/cm以上であることが好ましい。この場合、第1誘電体層のピール強度が8N/cm未満である場合に比べて、実装する受動素子及び能動素子の固着強度及び引き剥がし強度や、多層基板及び電子部品の電極強度がより向上する。
また本発明は、上述した多層基板と、多層基板に設けられる電気素子とを備えることを特徴とする電子部品である。この場合でも、多層基板が、機械的強度に優れた誘電体層と、電気的特性に優れた誘電体層とを含むため、製品化後において電子部品に過大な負荷が加えられても、電気的特性を良好に維持しながら多層基板又は電子部品における欠損の発生を十分に防止することが可能となる。加えて、本発明の電子部品によれば、最外層が第1誘電体層及びこれに隣接する第2誘電体層を有し、最外層の両側に導体層が設けられる。そして、第2誘電体層は電気的特性に優れている。このため、最外層が第2誘電体層を有しない場合に比べて、最外層の両側に設けられる導体層のうち第2誘電体層側の導体層による電気的特性をより向上させることができる。更に、最外層に第1誘電体層のみならず第2誘電体層も含まれるようにしたため、最外層の間に配置される第2誘電体層の数を減らすことが可能となり、多層基板を薄型化することが可能となり、ひいては電子部品を薄型化することが可能となる。
なお、本発明の多層基板及び電子部品において、限界たわみ量とは、縦100mm、横75mm、厚さ0.6mmの矩形平板状の第1誘電体層又は第2誘電体層に厚さ12μmのCu箔を積層したものを加重によりたわませたときに、第1誘電体層又は第2誘電体層が破壊するか、又は第1誘電体層又は第2誘電体層に欠損(クラック)が発生するときのたわみ量のことを言うものとし、たわみ量は3点曲げによる測定(JIS C6481に記載の曲げ強さの試験方法に準拠した測定)によって得られるたわみ量のことを言う。また、ピール強度とは、JIS C6481で定義される引き剥がし強さを言うものとする。
本発明の電子部品及び多層基板によれば、電気的特性及び強度を十分に向上させることができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は同等の構成要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の電子部品の第1実施形態を示す部分断面図である。
図1には、電子部品として、多層基板2と、多層基板2上に設けられる電気素子5a,5bとを備えたパワーアンプ100が示されている。
多層基板2は、樹脂を含む複数(本実施形態では7つ)の構成層2a〜2gを備えており、構成層2aと構成層2gとの間に構成層2b〜2fが配置されている。ここで、構成層2a及びこれに隣接する構成層2bが1つの最外層3aを構成し、構成層2f及びこれに隣接する構成層2gがもう1つの最外層3bを構成している。すなわち、最外層3aにおいては、構成層2aが構成層2bよりも外側に配置され、最外層3bにおいては、構成層2gが構成層2fよりも外側に配置されている。そして、構成層2a,2gの限界たわみ量は、構成層2b〜2fの1.3倍以上となっており、構成層2b〜2fの誘電正接tanδはいずれも0.01以下となっている。なお、最外層3a,3bと構成層2b〜2fとは通常、同じ厚さを有する。
また多層基板2は、最外層3aの表面上、構成層2bと構成層2cとの間、構成層2cと構成層2dとの間、構成層2dと構成層2eとの間、構成層2eと構成層2fとの間、及び最外層3bの表面上にそれぞれ、導体層4a〜4fを有している。従って、最外層3aの両側には導体層4a、4bが、最外層3bの両側には導体層4g、4hが設けられることになる。また最外層3a、3b、構成層2b〜2f、導体層4a〜4fは積層して構成されている。なお、各構成層においては、一方の面側では、導体層がその一方の面から外側に突出しており、当該一方の面と反対の面側では、導体層が当該反対の面に対し構成層の内側に入り込んでいる。
即ち多層基板2は、機械的強度に優れた構成層2a,2gと、電気的特性に優れた構成層2b〜2fとを含む。このため、パワーアンプ100に過大な負荷が加えられても、電気的特性を良好に維持しながら多層基板2における欠損の発生を十分に防止することが可能となる。
また、通常は、多層基板2を曲げたりたわませたりした場合には、破断するのは表層部分からである場合が多く、多層基板の強度は最外層の強度に依存する割合が非常に大きいが、多層基板2においては、機械的強度の大きい材料からなる構成層2a又は2gが最外層3a,3bにおいて構成層2b又は2fよりも外側に配置されているため、多層基板2の破断がより十分に防止される。
加えて、構成層2a及び構成層2bが最外層3aを構成し、構成層2f及び構成層2gが最外層3bを構成し、最外層3a,3bの両側に導体層が設けられる。そして、構成層2b、2fは電気的特性に優れている。このため、最外層3a,3bがそれぞれ構成層2b、2fを有しない場合に比べて、最外層3a,3bの両側に設けられる導体層のうち構成層2b,2f側の導体層4b,4eによる電気的特性をより向上させることができる。従って、導体層4b,4eによってコイルを構成したり、導体層4bと導体層4c、又は導体層4eと導体層4dとによってコンデンサを構成することがパワーアンプ100の電気的特性を向上させる上で有効である。一方、最外層3a,3bの両側に設けられる導体層のうち構成層2a,2g側の導体層4a,4fは、パワーアンプ100の電気的特性を最大限に発揮するためには、グランドパターン、配線パターンなどの高い電気的特性が要求されないものであることが好ましい。
更に、最外層3a,3bに構成層2a,2gのみならず構成層2b,2fも含まれるようにしたため、最外層3a,3bの間に配置される構成層の数を減らすことが可能となり、多層基板2を薄型化することが可能となる。すなわちパワーアンプ100を薄型化することが可能となる。
なお、構成層2a,2gの限界たわみ量が構成層2b〜2fの1.3倍未満では、多層基板2の強度アップにはつながりにくく、過大な負荷が加えられた場合の多層基板2における欠損の発生を十分に防止することができない。また、構成層2b〜2fの誘電正接tanδが0.01を超えると、tanδが0.01以下である場合に比べて、パワーアンプ100のQ値が大幅に減少し、電気的特性が良好に維持されなくなる。
構成層2a,2gの限界たわみ量は、パワーアンプ100の機械的強度を増大させる観点からは、構成層2b〜2fの1.5倍以上であることが好ましいが、20倍以下であることが好ましい。限界たわみ量が20倍を超えると、工程上の取扱いが困難となる。また構成層2b〜2fの誘電正接tanδは0.005以下であることが好ましい。この場合、tanδが0.005を超える場合に比べて、電気的特性をより良好なものとすることが可能となる。
構成層2b〜2fに含まれる樹脂は特に制限されない。この樹脂としては、例えばテトラフロオロエチレン、芳香族液晶ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリビニルベンジルエーテル化合物、ジビニルベンゼン、フマレート、ポリフェニレンオキサイド(エーテル)、シアネートエステル、ビスマレイミドトリアジン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドなどが挙げられる。なお、上記樹脂としては、エポキシ樹脂と高いQ値を有する活性エステル硬化樹脂との混合物を用いてもよい。
但し、構成層2b〜2fは、上記樹脂のほか、この樹脂よりも誘電率の大きいセラミック粉末を更に含んでも良い。この場合、誘電率の小さい樹脂を用いる場合でも、構成層2b〜2fにおいて、誘電正接tanδを0.01以下とすることが可能となる。
このようなセラミック粉末は、誘電体セラミック粉末と磁性体粉末とに分けられる。
上記誘電体セラミック粉末は、マグネシウム、ケイ素、アルミニウム、チタン、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、バリウム、スズ、ネオジウム、ビスマス、リチウム、サマリウム及びタンタルからなる群より選ばれる少なくとも1つの金属を含む金属酸化物粉末であって、比誘電率が3.7〜300であり、Q値が500〜100,000である金属酸化物粉末であることが好ましい。
金属酸化物粉末の比誘電率が3.7未満である場合は、構成層2b〜2fの比誘電率を高くすることができず、パワーアンプ100の小型化、軽量化が困難となる傾向がある。金属酸化物粉末の比誘電率が300を超えるか、Q値が500未満である場合、使用時にパワーアンプ100が過剰に発熱すると共に、伝送損失が低下する傾向がある。なお、上記誘電体セラミック粉末は通常、単結晶や多結晶で構成される。
上記誘電体セラミック粉末の具体例としては、下記成分を主成分とするものが挙げられる。
すなわちMg2SiO4[ε=7、Q=20000]、Al23[ε=9.8、Q=40000]、MgTiO3[ε=17、Q=22000]、ZnTiO3[ε=26、Q=800]、Zn2TiO4[ε=15、Q=700]、TiO2[ε=104、Q=15000]、CaTiO3[ε=170、Q=1800]、SrTiO3[ε=255、Q=700]、SrZrO3[ε=30、Q=1200]、BaTi25[ε=42・Q=5700]、BaTi49[ε=38、Q=9000]、Ba2Ti920[ε=39、Q=9000]、Ba2(Ti,Sn)920[ε=37、Q=5000]、ZrTiO4[ε=39、Q=7000]、(Zr,Sn)TiO4[ε=38、Q=7000]、BaNd2Ti514[ε=83、Q=2100]、BaNd2Ti412[ε=92、Q=1700]、BaSm2TiO14[ε=74、Q=2400]、BaO−CaO−Nd23−TiO2[ε=90、Q=2200]、BaO−SrO−Nd23−TiO2[ε=90、Q=1700]、BaO−Nd23、MgO−TiO2、MgO−SiO2[ε=6.1、Q=5000]、ZnO−TiO2[ε=26、Q=840]、Bi23−BaO−Nd23−TiO2[ε=88、Q=2000]、PbO−BaO−Nd23-TiO2[ε=90、Q=5200]、(Bi23、PbO)−BaO−Nd23−TiO2[ε=105、Q=2500]、La2Ti27[ε=44、Q=4000]、Nd2Ti27[ε=37、Q=1100]、(Li,Sm)TiO3[ε=81、Q=2050]、Ba(Mg1/3Ta2/3)O3[ε=25、Q=35000]、Ba(Zn1/3Ta2/3)O3[ε=30、Q=14000]、Ba(Zn1/3,Nb2/3)O3[ε=41、Q=9200]、Sr(Zn1/3Nb2/3)O3[ε=40、Q=4000]、BaTiO3(ε=1500、Q=100)、(Ba,Pb)TiO3(ε=6000)、Ba(Ti,Zr)O3(ε=9000)又は、(Ba,Sr)TiO3(ε=7000)。
上記誘電体セラミック粉末のうち、Qが高く且つεが樹脂よりも大きいという理由から、TiO2、CaTiO3、SrTiO3、BaO−Nd23−TiO2、BaO−CaO−Nd23−TiO2、BaO−SrO−Nd23−TiO2、BaO−Sm23−TiO2、BaTi49、Ba2Ti920、Ba2(Ti,Sn)920、MgO−TiO2、ZnO−TiO2、MgO−SiO2、Al23の成分を主成分とするものが好ましい。上記成分を主成分とする誘電体セラミック粉末は単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記誘電体セラミック粉末としては、上述した構成層2b〜2f中に含まれる誘電体セラミック粉末の具体例として挙げたもののほか、シリカ、ガラス、水酸化物(水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等)等の絶縁性を有するものが挙げられる。誘電体セラミック粉末の形状は、球状、破砕状、鱗片状、針状のいずれの形状でもよい。
上記誘電体セラミック粉末の平均粒径は、0.01〜100μmの範囲内にあることが好ましく、0.2〜20μmの範囲内にあることがさらに好ましい。平均粒径が0.01μm未満では、ワニス粘度の増加、樹脂組成物の流動性の低下を起こし、接着性能が発現しなくなるおそれがあり、100μmを超えるとプリプレグ作製時に誘電体セラミック粉末が沈降するおそれがある。
また誘電体セラミック粉末の添加量は、樹脂100体積部に対して5〜185体積部の範囲とすることが好ましく、この範囲内で、必要とされる誘電率及び誘電正接に応じて適切な量を選択すればよい。誘電体セラミック粉末の添加量が5体積部未満では、誘電体セラミック粉末により誘電率を増加させることが困難となる傾向があり、185体積部を超えると、構成層2b〜2fの導体層に対する密着性が低下し、長期間の使用により導体層が複合誘電体層から剥離し、パワーアンプ100の性能が変動するおそれがある。
一方、磁性体粉末は、構成層2b〜2fに磁気特性を付加し、線膨張係数を低減し、材料強度を向上させることができる。
上記磁性体粉末としては、Mn−MgZn、Ni−Zn、Mn−Mg、プラナ材等のフェライトもしくはカルボニル鉄、鉄−シリコン系合金、鉄−アルミ−珪素系合金、鉄−ニッケル系合金、アモルファス系の強磁性金属が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
上記磁性体粉末の平均粒径は、0.01〜100μmの範囲内にあることが好ましく、0.2〜20μmの範囲内にあることがさらに好ましい。磁性体粉末の平均粒径が0.01μm未満では、樹脂の混練がしにくくなる傾向があり、100μmを超えると、均一な分散を行うことができなくなる傾向がある。
また磁性体粉末の添加量は、樹脂100体積部に対して5〜185体積部の範囲とすることが好ましく、この範囲内で適切な量を選択すればよい。5体積部未満では、粉末添加の効果が表れない傾向があり、185重量部を超えると、流動性が悪くなる。
構成層2a,2gに含まれる樹脂としては、構成層2b〜2fに含まれる樹脂のほか、エポキシ樹脂やフェノール樹脂なども挙げられるが、構成層2a,2gは、上記樹脂のほか、この樹脂よりも誘電率の大きいセラミック粉末を更に含んでも良い。但し、構成層2a,2gがセラミック粉末を多く含むと、構成層2a,2gの限界たわみ量を構成層2b〜2fの1.3倍以上とすることが困難となる。一方、構成層2a,2gがセラミック粉末を多く含むと、電気的特性はより向上する。従って、セラミック粉末は、適度に加えることが好ましく、具体的には、樹脂100体積部に対してセラミック粉末を10〜200体積部添加することが好ましい。
なお、構成層2b〜2fに含まれる樹脂として、ベンジルエーテル化合物を用いる場合は、ベンジルエーテル化合物よりも曲げ強度が強く、曲げ弾性率が低く、同じ熱硬化性樹脂であって、他の樹脂と比較して硬化温度が比較的近いという理由から、構成層2a,2gに含まれる樹脂として、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
上記多層基板2においては、構成層2a,2gのピール強度が、構成層2b〜2fのピール強度の1.5倍以上であることが好ましい。この場合、パワーアンプ100に過大な負荷が加えられても、電気的特性を良好に維持しながら多層基板2における欠損の発生を十分に防止することが可能となることに加え、1.5倍未満である場合に比べて実装する受動・能動素子(電気素子5a,5b)の固着強度及び引き剥がし強度がより向上したり、多層基板2、及び電子部品としてのパワーアンプ100の電極としての導体層4fの強度がより向上したりする。
構成層2a,2gのピール強度は、構成層2b〜2fのピール強度の2倍以上であることがより好ましい。但し、構成層2a,2gのピール強度は、構成層2b〜2fのピール強度の20倍以下であることが好ましい。構成層2a,2gのピール強度が構成層2b〜2fのピール強度の20倍を超えると、導体層(例えば銅箔)をかなり粗くしなければならず、パワーアンプ100の高周波特性に悪影響が生じる。
構成層2a,2gのピール強度は具体的には、8N/cm以上であることが好ましく、10N/cm以上であることがより好ましい。この場合、構成層2a,2gのピール強度が8N/cm未満である場合に比べて、実装部品としての電気素子5a,5bの応力による欠損や端子としての導体層4fの剥がれ等の問題がより起こりにくくなるという利点が得られる。
構成層2a,2gのピール強度は、100N/cm以下であることが好ましい。構成層2a,2gのピール強度が100N/cmを超えると、導体層(例えば銅箔)をかなり粗くしなければならず、パワーアンプ100の高周波特性に悪影響が生じる。
なお、図1において、構成層2dは、強化繊維からなるクロス10を有し、コア基板を構成している。この場合、強化繊維からなるクロス10により多層基板2の機械強度が増強され、パワーアンプ100の欠損又は変形等がクロス10を有しない場合に比べてより十分に防止される。
上記強化繊維の材質は、Eガラス、Dガラス、NEガラス、Hガラス、Tガラス又はアラミド繊維のいずれかであることが好ましい。これらのうち、NEガラスは低誘電正接であり、Hガラスは高誘電率を有し、Eガラスは、コストとのバランスが取れる。従って、要求する特性に応じて、適宜使い分ければよい。
クロス10の厚さは、20〜300μmであることが好ましく、必要とする厚さ、特性に応じて適宜使い分ければよい。
クロス10の具体例としては、101(厚さ20μm)、106(厚さ30μm)、1080(厚さ50μm)、2116(厚さ100μm)、7628(厚さ200μm)などが挙げられる。
またクロス10の表面には、必要に応じて開繊、閉塞等の処理を施してもよく、さらにはクロス10の表面に、樹脂との密着力を高めるためにカップリング剤等による表面処理を施しても良い。
上記導体層4a〜4fを構成する材料は、導電材料であれば特に制限されず、かかる導電材料としては、Cu、Ni、Al、Au、Ag等が挙げられる。これらの中でもCuがより好ましい。Cuは内部抵抗を小さくし、マイグレーションを起こしにくいためである。また電気素子5a,5bとしては、例えばコンデンサ、インダクタ、半導体、レジスタ等が用いられる。
上記多層基板2は、ビルドアップ工法、一括積層工法等の一般的なプリント基板の工法を用いて製造することが可能である。
本発明は、前述した実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、最外層3a,3bの間に構成層2c〜2eが設けられているが、これらは必ずしも必要ではなく、必要に応じて省略することができる。例えば図2に示すように、パワーアンプ100から構成層2c及び構成層2eを省略し、構成層2dの両側にそれぞれ最外層3a,3bが設けられる構成としてもよい。更に、図3に示すように、パワーアンプ100から構成層2c及び構成層2eのみならず、構成層2dを省略することも可能である。この場合、パワーアンプの十分な薄型化が可能となり、小型電子機器(例えば携帯電話)の電子部品として適用することが可能となる。
また上記実施形態では、最外層3aが構成層2a,2bで構成され、最外層3bが構成層2g,2fで構成されているが、最外層3aが構成層2a,2b、2cで構成され、最外層3bが構成層2g,2f,2eで構成されるようにしても構わない。但し、この場合、構成層2aおよび構成層2bのそれぞれの片側にのみ導体層が設けられ、構成層2g,2eのそれぞれの片側にのみ導体層が設けられる。
更に上記実施形態では、各構成層において、一方の面側では、導体層がその一方の面から外側に突出し、当該一方の面と反対の面側では導体層が当該反対の面に対し構成層の内側に入り込んでいるが、当該一方の面と反対側の面側では、導体層は、当該反対の面から構成層の外側に突出していてもよい。
更にまた、上記実施形態では、電子部品が多層基板のほか、電気素子を有しているが、電気素子は必ずしも必要なものではなく、省略することも可能である。この場合、電子部品は、多層基板で構成されることになる。
また上記実施形態では、電子部品としてパワーアンプ100が用いられているが、本発明の電子部品は、上記パワーアンプのほかに、キャパシタ、インダクタ、VCO、アンテナスイッチモジュール、フロントエンドモジュール、PLLモジュール、RFチューナーモジュール、RFユニット、重畳モジュール、TCXO等に適用することも可能である。
また、上記実施形態では、最外層3a、3bに含まれる構成層2a,2gの限界たわみ量が、構成層2a,2gの間に配置される構成層2b〜2fの1.3倍以上となっているが、最外層3a,3bに含まれる構成層2a,2gのピール強度が、構成層2a,2gの間に配置される構成層2b〜2fの1.5倍以上となっていれば、必ずしも最外層の限界たわみ量が、それらの間に配置される構成層の1.3倍以上となっている必要はない。この場合でも、電子部品に過大な負荷が加えられても、電気的特性を良好に維持しながら電子部品における欠損の発生を十分に防止することが可能となる。なお、最外層のピール強度は、それらの間に配置される構成層の20倍以下であることが好ましい。最外層のピール強度がそれらの間に配置される構成層のピール強度の20倍を超えると、導体層(例えば銅箔)をかなり粗くしなければならず、電子部品の高周波特性に悪影響が生じる。
以下、実施例により本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
以下のようにして、図1に示す電子部品としてのパワーアンプモジュールを作製した。
まず下記構造式(I):
Figure 0004496858

(上記式(I)中、Rはメチル基、Rがベンジル基、Rがビニルベンジル基を表し、nは3である)
で表される分子量約6000のビニルベンジル樹脂(ポリビニルベンジルエーテル化合物(VB))とタフテックH1043をトルエンに入れ、完全に溶解するまで撹拌した。そこに、SAYTEXBT93、ジクミルパーオキサイド、BaNdTi12(平均粒径0.2μm、比誘電率93)、KBM573と、20mmφのジルコニアボールを200g入れ、4時間ボールミルで混合した。
こうしてペースト(以下、「ペーストA」という)を得た。このとき、ペーストA中のセラミック粉末の含有率が約40体積%となるようにした。そして、ペーストAを12μm電解銅箔(JTC、日鉱マテリアルズ(株))上にドクターブレードを用いて塗工し、120℃で5分の乾燥処理を行い、シート(以下、「シートA」という)を得た。得られたシートAの厚さは50μmであった。上記のようにして同一のシートAを2枚用意した。
一方、エポキシ樹脂に、溶融シリカからなるセラミック粉末(電気化学工業FB−3SX)をコンポジットし、ペースト(以下、「ペーストB」という)を得た。このとき、ペーストB中のセラミック粉末の含有率が約15体積%となるようにした。そして、ペーストBを12μm電解銅箔(JTC、日鉱マテリアルズ(株))上にドクターブレードを用いて塗工し、110℃で5分の乾燥処理を行い、厚さ19μmの乾燥体を得た。続いて、上記ペーストAを上記乾燥体上にドクターブレードを用いて塗工し、110℃で5分の乾燥処理を行い、厚さ19μmの乾燥体をさらに得た。こうしてシート(以下、「シートB」という)を得た。得られたシートBの厚さは50μmであった。上記のようにしてシートBを2枚用意した。
次に、2枚のシートBの間に、ペーストA及び厚さ約95μmのガラスクロス10で構成される厚さ150μmのコア基板を配置し、2枚のシートBとコア基板との間にはそれぞれ、シートAを1枚ずつ配置した。そして、シートA、コア基板及びシートBを重ねて高温真空プレス機(KVHC型、北川精機(株))を用い、プレス圧を4MPaに保持しながら、3℃/分で昇温した後、150℃で40分保持し、4℃/分で昇温した後、200℃で180分保持するという条件でプレスを行った。こうして、構成層2a〜2g及び導体層4a〜4fで構成される多層基板2を得た。
続いて、多層基板2上に、電気素子として、増幅回路を内蔵した半導体のベアチップ5aをワイヤボンディングによって実装した後、このベアチップ5aをエポキシ樹脂及びシリカからなる樹脂組成物でモールドした。更に多層基板上には電気素子としてチップコンデンサ5bを実装した。こうして図1に示すパワーアンプモジュール100を得た。
なお、上記シートA及びシートBと同様のものを別途用意し、シートA及びシートBのそれぞれについて上記と同様の条件でプレスを行い、シートAの硬化体(第2誘電体層)及びシートBの硬化体(第1誘電体層)を得た。そして、シートAの硬化体及びシートBの硬化体のそれぞれについて誘電率、tanδ、曲げ強度、曲げ弾性率、ピール強度及び限界たわみ量を測定した。その結果、シートAの硬化体の誘電率は約10、tanδは約0.0025であった。またシートAの硬化体の曲げ強度は80MPa、曲げ弾性率は8GPaであり、ピール強度は12μm銅箔で4.2N/cmであった。またシートAの硬化体の限界たわみ量は3.6mmであった。
また、シートBの硬化体の誘電率は約3.2、tanδは約0.011であった。またシートBの硬化体の曲げ強度は140MPaであり、曲げ弾性率は5GPaであった。ピール強度は12μ銅箔で11N/cmであり、シートAの硬化体のピール強度の2.6倍であった。またシートBの硬化体の限界たわみ量は5.7mmであり、シートAの硬化体の1.58倍であった。
なお、曲げ強度は、JIS C6481に準拠して測定し、曲げ弾性率は、JIS K6911に準拠して測定した。また誘電正接は、シートAの硬化体及びシートBの硬化体を、長さ100mm、幅1.5mm、厚さ0.5mmの棒状試料とし、空洞共振器摂動法(TDK(株)開発高周波誘電特性測定装置、ヒューレットパッカード(株)製83620A及び8757Dを使用)にて2GHzの周波数にて測定した。
(実施例2)
2枚のシートA及びコア基板を用いず、2枚のシートBのうち一方について銅箔の形成されていない残りの面に更に12μm電解銅箔(JTC、日鉱マテリアルズ(株))を設けたこと以外は実施例1と同様にしてパワーアンプモジュールを得た。
(比較例1)
シートBを全てシートAに代えた以外は実施例1と同様にしてパワーアンプモジュールを得た。従って、このパワーアンプモジュールにおいては、最外層の限界たわみ量は、その内側の層の1倍となり、最外層のピール強度は、その内側の層の1倍となる。
(電気的特性及び機械的特性試験)
上記のようにして得られた実施例1〜2及び比較例1のパワーアンプモジュールについて以下のようにして電気的特性及び機械的特性の試験を行った。
即ち電気的特性の試験はシグナルジェネレータ、パワーメータ、スペクトラムアナライザ等の測定器を用い、出力レベル、効率、歪み等の測定を行った。一方、機械的特性の試験は、実装部品であるチップコンデンサ5bの横押し強度、たわみ試験、固着強度試験、引き剥がし試験を、いずれもJIS C7210に従って測定した。
その結果、実施例1〜2及び比較例1のパワーアンプモジュールのいずれにおいても、電気的特性が良好に維持されていることが分かった。これに対し、実施例1〜2のパワーアンプモジュールは、比較例1のパワーアンプモジュールよりも欠損の発生を十分に防止できることが分かった。
図1は、本発明の電子部品の第1実施形態を示す部分断面図である。 図2は、本発明の電子部品の第2実施形態を示す部分断面図である。 図3は、本発明の電子部品の第3実施形態を示す部分断面図である。
符号の説明
2a,2g…構成層(第1誘電体層)、2b〜2f…構成層(第2誘電体層)、4a〜4f…導体層、2…多層基板、100…電子部品、5a,5b…電気素子。

Claims (11)

  1. 樹脂を含む2つの第1誘電体層と、
    前記2つの第1誘電体層の間に配置され、樹脂を含む複数の第2誘電体層と、
    複数の導体層と、
    を積層して構成される多層基板であって、
    最外層が前記第1誘電体層及びこれに隣接する前記第2誘電体層を有し、
    前記最外層の両側にそれぞれ前記導体層が設けられており、
    前記第2誘電体層の誘電正接tanδが0.01以下であり、
    前記第1誘電体層の限界たわみ量が、前記第2誘電体層の1.3倍以上であることを特徴とする多層基板。
  2. 前記第2誘電体層が、前記第2誘電体層に含まれる前記樹脂よりも比誘電率の大きいセラミック粉末を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の多層基板。
  3. 前記第1誘電体層のピール強度が、前記第2誘電体層のピール強度の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1又は2に記載の多層基板。
  4. 樹脂を含む2つの第1誘電体層と、
    前記2つの第1誘電体層の間に配置され、樹脂を含む複数の第2誘電体層と、
    複数の導体層と、
    を積層して構成される多層基板であって、
    最外層が前記第1誘電体層及びこれに隣接する前記第2誘電体層を有し、
    前記最外層の両側にそれぞれ前記導体層が設けられており、
    前記第2誘電体層の誘電正接tanδが0.01以下であり、
    前記第1誘電体層のピール強度が、前記第2誘電体層のピール強度の1.5倍以上であることを特徴とする多層基板。
  5. 前記第1誘電体層のピール強度が8N/cm以上であることを特徴とする請求項3又は4に記載の多層基板。
  6. 樹脂を含む2つの第1誘電体層と、
    前記2つの第1誘電体層の間に配置され、樹脂を含む複数の第2誘電体層と、
    複数の導体層と、
    を積層して構成される電子部品であって、
    最外層が前記第1誘電体層及びこれに隣接する前記第2誘電体層を有し、
    前記最外層の両側にそれぞれ前記導体層が設けられており、
    前記第2誘電体層の誘電正接tanδが0.01以下であり、
    前記第1誘電体層の限界たわみ量が、前記第2誘電体層の1.3倍以上であることを特徴とする電子部品。
  7. 前記第2誘電体層が、前記第2誘電体層に含まれる前記樹脂よりも比誘電率の大きいセラミック粉末を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の電子部品
  8. 前記第1誘電体層のピール強度が、前記第2誘電体層のピール強度の1.5倍以上であることを特徴とする請求項6又は7に記載の電子部品
  9. 樹脂を含む2つの第1誘電体層と、
    前記2つの第1誘電体層の間に配置され、樹脂を含む複数の第2誘電体層と、
    複数の導体層と、
    を積層して構成される電子部品であって、
    最外層が前記第1誘電体層及びこれに隣接する前記第2誘電体層を有し、
    前記最外層の両側にそれぞれ前記導体層が設けられており、
    前記第1誘電体層のピール強度が、前記第2誘電体層のピール強度の1.5倍以上であることを特徴とする電子部品。
  10. 前記第1誘電体層のピール強度が8N/cm以上であることを特徴とする請求項8又は9に記載の電子部品
  11. 請求項1〜のいずれか一項に記載の多層基板と、
    前記多層基板に設けられる電気素子と、
    を備えることを特徴とする電子部品。
JP2004190277A 2004-06-28 2004-06-28 電子部品及び多層基板 Active JP4496858B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190277A JP4496858B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 電子部品及び多層基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004190277A JP4496858B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 電子部品及び多層基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006013249A JP2006013249A (ja) 2006-01-12
JP4496858B2 true JP4496858B2 (ja) 2010-07-07

Family

ID=35780108

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004190277A Active JP4496858B2 (ja) 2004-06-28 2004-06-28 電子部品及び多層基板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4496858B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4829028B2 (ja) * 2006-07-31 2011-11-30 富士通株式会社 回路基板及び回路基板の製造方法
JP2011176013A (ja) * 2010-02-23 2011-09-08 Hitachi Chem Co Ltd プリント配線板及び金属箔張積層板
WO2011132274A1 (ja) * 2010-04-21 2011-10-27 株式会社メイコー 部品内蔵基板及びこれを用いた多層基板並びに部品内蔵基板の製造方法
CN103052279A (zh) * 2011-10-11 2013-04-17 欣兴电子股份有限公司 线路板及其制作方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6413766U (ja) * 1987-07-17 1989-01-24
JPH07304931A (ja) * 1994-05-13 1995-11-21 Taiyo Ink Mfg Ltd 熱硬化性樹脂組成物並びに該組成物を用いた多層プリント配線板及びその製造方法
JPH09237973A (ja) * 1996-02-29 1997-09-09 Kyocera Corp 多層配線基板
JPH1140950A (ja) * 1997-07-18 1999-02-12 Hitachi Chem Co Ltd 多層配線板
JP2002100879A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Kyocera Corp 多層配線基板
JP2003327827A (ja) * 2002-05-09 2003-11-19 Ajinomoto Co Inc 硬化性樹脂組成物及びこれを用いた積層材料
JP2003334886A (ja) * 2002-05-21 2003-11-25 Matsushita Electric Works Ltd 積層板

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6413766U (ja) * 1987-07-17 1989-01-24
JPH07304931A (ja) * 1994-05-13 1995-11-21 Taiyo Ink Mfg Ltd 熱硬化性樹脂組成物並びに該組成物を用いた多層プリント配線板及びその製造方法
JPH09237973A (ja) * 1996-02-29 1997-09-09 Kyocera Corp 多層配線基板
JPH1140950A (ja) * 1997-07-18 1999-02-12 Hitachi Chem Co Ltd 多層配線板
JP2002100879A (ja) * 2000-09-25 2002-04-05 Kyocera Corp 多層配線基板
JP2003327827A (ja) * 2002-05-09 2003-11-19 Ajinomoto Co Inc 硬化性樹脂組成物及びこれを用いた積層材料
JP2003334886A (ja) * 2002-05-21 2003-11-25 Matsushita Electric Works Ltd 積層板

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006013249A (ja) 2006-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6808642B2 (en) Method for producing multilayer substrate and electronic part, and multilayer electronic part
US6713162B2 (en) Electronic parts
KR100674848B1 (ko) 고유전율 금속-세라믹-폴리머 복합 유전체 및 이를 이용한임베디드 커패시터의 제조 방법
US6908960B2 (en) Composite dielectric material, composite dielectric substrate, prepreg, coated metal foil, molded sheet, composite magnetic substrate, substrate, double side metal foil-clad substrate, flame retardant substrate, polyvinylbenzyl ether resin composition, thermosettin
KR100755088B1 (ko) 다층 기판 및 그 제조방법
US20030030994A1 (en) Substrate for electronic part and electronic part
US20060182973A1 (en) Resin composition and ceramic/polymer composite for embedded capacitors having excellent TCC property
US20060062976A1 (en) Printed circuit board material for embedded passive devices
KR101018240B1 (ko) 적층 세라믹 캐패시터 및 그 제조방법
US7656644B2 (en) iTFC with optimized C(T)
JP4496858B2 (ja) 電子部品及び多層基板
JP4610067B2 (ja) 電気素子内蔵型配線基板の製造方法
JP3443808B2 (ja) 積層基板および電子部品の製造方法
JP3546001B2 (ja) 電子部品
JP2004221572A (ja) 電子部品及び多層基板
JPH09237972A (ja) 多層配線基板
JP2004221603A (ja) カプラ
JP2005193407A (ja) 電子部品及び多層基板
JP2001244367A (ja) 電気素子内蔵配線基板
JP2004201333A (ja) バルントランス
JP2004111908A (ja) 高周波電子部品
JP2004158879A (ja) インダクタ
JP2004207747A (ja) キャパシタ
JP2004311987A (ja) 多層基板
KR100649741B1 (ko) 폴리머-세라믹 유전체 조성물, 이를 이용하는 내장형캐패시터와 인쇄회로기판

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070427

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100323

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100405

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130423

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4496858

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140423

Year of fee payment: 4