JP3443374B2 - 物品監視装置 - Google Patents

物品監視装置

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JP3443374B2
JP3443374B2 JP27765499A JP27765499A JP3443374B2 JP 3443374 B2 JP3443374 B2 JP 3443374B2 JP 27765499 A JP27765499 A JP 27765499A JP 27765499 A JP27765499 A JP 27765499A JP 3443374 B2 JP3443374 B2 JP 3443374B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、CDショップ、
ホームセンター、カーショップ、家電店等において商品
の万引き等を防止するため商品ケースに固着して用いる
非自鳴式物品監視装置に関し、特にCD等のケースへの
ロック用タグ・ケースや独立して用いられる自鳴式タグ
・ケースと外観が同形状のタグ・ケース内に収納可能な
非自鳴式物品監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の物品監視装置としては、
内部に電源を持たない受動型(非自鳴式)のペーパータ
グが知られている。このペーパータグは商品に付けられ
ていて、無断で商品を持ち出そうとすると店の入り口等
に設置された発信装置の側を通る時反応し、該発信装置
に設けられた警報機が鳴ることにより盗難防止を行って
いる。このペーパータグは安価ではあるが、警報はゲー
トの方で鳴るため、複数の人間が同時に通過した場合は
どの人間が商品を不正に持ち出そうとしているのか分か
らないため、現場を押さえるのに難しい欠点がある。ま
た、強引にゲートを通過しようとする犯人に対し警報の
発信箇所を確定できないため、遅れを取って逃げられて
しまうという欠点もある。
【0003】この欠点を改善したものとして、内部に電
源を持ち、入り口の発信器からの電波を受信してタグ自
体が警報を鳴らす自鳴式物品監視装置も知られている。
上記非自鳴式ペーパータグは、現在58kHz、2.4
GHz、8.2MHzの3周波数帯のものがある。ま
た、上記自鳴式のものとしては、22KHz、37.5
kHz、31.5kHzのものが存在する。図4に上記
8.2MHzのペーパータグ20の例を示す。図におい
て、21は印刷された同調コイルである。なお、該ペー
パータグ20の表面には、通常ダミーのバーコードが印
刷されている。
【0004】ペーパータグは店舗入り口のゲートに送信
機を備え、ペーパータグの同調回路の存在により生じる
電磁界の乱れを検知して警報を鳴らすものであるが、ゲ
ートが鳴るため犯人を特定するためにはタグ自体が鳴動
する自鳴式の方が優れている。
【0005】自鳴式タグは前記受動式ペーパータグの使
用周波数と同じ周波数を用いるならば前記ペーパータグ
用の発信装置をそのまま用いることが可能となり、既に
普及している前記受動式(非自鳴式)ペーパータグのシ
ステムで両者を併用することが可能となるので便利であ
る。すなわち、高価な自鳴式タグはサンプリング的に1
0個に1個程度混ぜておくだけでかなり盗難防止の効果
が出てくるので、前記受動式(非自鳴式)ペーパータグ
と周波数が共用されれば、入り口等に設置される発信装
置も共用できるので、より普及し易い。従って、上記自
鳴式タグは前記ペーパータグが最も普及している使用周
波数である58kHz、または8.2MHzで設計され
ることが好ましい。
【0006】しかし、現状では前述の如く、それぞれ別
の周波数を用いているため送信装置等が別に必要とな
り、上記ペーパータグと同じ周波数で使用して送信装置
が兼用できる自鳴式タグの開発が望まれている。本出願
人はこの観点からすでに上記8.2MHzで作動する自
鳴式タグを開発し、提案している。(特願平10−33
1798号、特願平11−160283号) この自鳴式物品監視装置は、例えばCDの場合、図1〜
図3に示す如く合成樹脂からなる透明な商品ケース(ク
リアケース)1に、警報作動検出スイッチ6及びブザー
17を具え、ロック機構を兼ねたタグ・ケース2をタグ
挿入口4から挿入することにより、クリアケース1に商
品(コンパクトディスクが収納されたカセット)8を収
納してロックする。該ロック機構は同じ出願人によって
先に提案されており(特願平11−104649号)、
上記タグ・ケースは2段階となった該ロック機構の1段
目でクリアケース1に着脱自在になっている。通常はク
リアケースに取り付けられた状態で用いられ、2段目の
ロック機構のみを用いて商品のロックを行っている。
【0007】前記ブザー17は、無線受信回路15及び
検出スイッチ6によって動作が制御されており、ロック
を解除しない状態でクリアケース1内にカセット8が存
在しないとき、或いは、自鳴式物品監視装置がゲートを
通過するときに鳴動するものである。
【0008】販売店においては、CDを入れたカセット
8を自鳴式物品監視装置のクリアケース1に収容して陳
列し、客にコンパクトディスクを販売する際、店員はブ
ザー17を鳴動しない状態に設定(ロック解除)した上
でクリアケース1からカセット8を取り出し、料金と引
き替えに客にコンパクトディスクを手渡している。な
お、カセット8が取り出された自鳴式物品監視装置(上
記クリアケース+タグ・ケース)は繰り返し使用され
る。
【0009】上記自鳴式物品監視装置において、客が勝
手に自鳴式物品監視装置のクリアケース1からカセット
8を取り出すと、警報作動検出スイッチ6はクリアケー
ス1内にカセット8が存在しないことを検出してブザー
17へ鳴動指令を発し、ブザー17は該鳴動指令を受け
て鳴動する。これによって、店員は、クリアケース1か
らカセット8が不正に取り出されたことを知ることがで
きる。
【0010】また、前述の如く客がカセット8を自鳴式
物品監視装置のクリアケース1に収納したまま無断で店
外へ持ち出そうとすると、自鳴式物品監視装置の受信回
路15が入口ゲート等に設けられている送信回路からの
信号を受けてブザー17へ鳴動指令を発し、ブザー17
は該鳴動指令を受けて鳴動する。これによって、店員は
コンパクトディスクが不正に店外へ持ち出されようとし
ていることを知ることができる。
【0011】また、図5に示す如く、単独でテープ等に
より商品に取り付けられて用いられる自鳴式物品監視用
タグ22も存在する。これは同じ出願人の提案したもの
(特願平11−153113号)であって、上記提案の
ケース内には、前記提案の回路(特願平10−3317
98号、特願平11−160283号)を内蔵してい
る。なお、図において、24は発光ダイオードである。
【0012】図5の詳細な分解図を図6に示す。図6
(a)は図5を底から見た図、図6(b)は上記タグケ
ース内に収納されているプリント基板を外に取り出した
ところを、また図6(c)は上記図6(a)の底板を外
したところを示している。38は図5の24に対応する
前記発光ダイオードの表示窓である。図6において、2
5はプラスティック・ケースであり、図5に示す如く、
外観が舟型をひっくり返した形状をしている。26は該
ケース内に収納されるプリント基板、27はブザー、2
8は電池、29はプリント基板に設けられた長孔、30
はスイッチ、31は雄型ロック部材、32は雌型ロック
部材、33はロック・ピン、34は底板、35はスナッ
プ・スイッチ、37は該スナップ・スイッチの動作片、
36は底板に設けられた開孔である。上記自鳴式タグ
は、長さ9cm、幅2cm、の逆舟型をしており、該ケース
の開孔36から突出したスナップ・スイッチの動作片3
7を商品に押し付けてテープ等で商品に固着されてい
る。後述するように、上記動作片が押されている限り、
ブザーは鳴らない。しかし、不正に上記タグが商品より
外されると、上記動作片37がONとなり、ブザーが鳴
動する。また、後述するようにロック解除を行わずに不
正に商品を持って黙って入口から出ようとすると入り口
にある発振装置の電波を受信してブザーが鳴動する。
【0013】図7に、上記タグのロック機構の部分の拡
大図を示す。さらに、図7の雄型ロック部材41の拡大
斜視図を図8に示す。なお、図6は上記ロックが解除さ
れた状態を示し、図7はロック状態を示す。図7に見ら
れる如く、雌型ロック部材32は、略コの字状の底部、
雄型ロック部材41と係合する係合部49及び雄型ロッ
ク部材に対して逆ハの字状に開脚する開脚部50から成
っていって、それらは前記プリント基板の孔に係合して
固着するためのピン51と共にプラスティック素材で一
体成形されている。該雌型ロック部材32は、前記舟型
ケースの底部に貼り付けられてケースに固着されてい
る。
【0014】雄型ロック部材41は、図8に詳細斜視図
を示すように、二つのくびれ部分をもち、一見バイオリ
ンの胴部分と似たような形状をしている。上記形状のく
びれ部分(凹部42,43)のロック側凹部43は雌型
ロック部材と係合する係合用の直角部分48を有し、外
側凹部42は解除キー44の円形突起53が填り込むよ
うに半円形の形状をしている。なお、33は該雄型ロッ
ク部材と一体に設けられているロック・ピンである。
【0015】前記プリント基板には、自鳴式盗難防止用
の前記機能を有する回路が組み込まれており、前記スイ
ッチ35のon、または例えば8.2MHzの電波を受
信することによってブザー27を鳴らすことができる。
【0016】また、前記解除キー44の先端を前記舟型
ケース1の後方のロック・ピン側正面に設けられた両サ
イドの孔55から挿入し、後述するように上記解除キー
を奥まで押し込んで引っ張り、ロックを解除すると、前
記雄型ロック部材の上面に設けられた突起46,47の
作用によりスライド・スイッチ(電源スイッチ)の突起
40(図7)がOFFとなるので、上記ブザーの鳴動回
路への電源供給が断たれ、前記タグは取り外しても鳴動
しない。
【0017】上記ロック機構を前記自鳴式物品監視用タ
グに用いた場合の動作は以下のとおりである。図6
(b)において30は自鳴式警報回路の電源スイッチで
あり、上記ロック機構のロック時に該スイッチが入り、
自鳴式警報回路がON状態となる。自鳴式警報回路がO
N状態となると、ブザー鳴動回路(発振回路)の入力を
短絡している警報作動スイッチ35のON状態、もしく
は上記回路に内蔵されている警報発生用電波の受信回路
への電波入力によって作動し、警報が鳴る。
【0018】前述の如く前記ロック機構の雄型ロック部
材の上面には2つの突起46,47が設けられており
(図8)、図7に見られる如く該突起は上記電源スイッ
チ(スライド・スイッチ)30の作動片40(図7)に
ロック時、またはロック解除時に当接するようになって
いる。
【0019】かくして、ロック時に上記電源スイッチが
投入され、またロック解除時に上記電源スイッチがOF
Fとなる。正常に商品が販売されるときは、店舗の入り
口カウンタで、店員が上記解除キーにより上記自鳴式タ
グのロックを解除して商品から取り外し商品のみを客に
引き渡すので、自鳴式タグが鳴動することはない。
【0020】自鳴式物品監視装置は持ち出そうとする商
品そのものが鳴動するので犯人を特定し易く、現場を押
さえるのに上記受動式ペーパータグより有効である。し
かし、ペーパータグは1個10〜20円であるのに対し
て、自鳴式のものは200〜300円と高価なため多く
用いることが困難である。
【0021】この場合、上記自鳴式物品監視装置の取り
つけられていないケースには、上記自鳴式物品監視装置
の取りつけられているケースとの見分けが付かないよう
に外観上同じ自鳴式物品監視装置のタグ・ケースのみ
(ダミー)が取り付けられている。このようなダミー・
ケースの盗難防止は、従来、ペーパータグをケース側面
に取り付けていて該ペーパータグの入口ゲートでの鳴動
によって行っている。なお、上記ペーパータグは、表面
にはダミーのバーコード(バーコード用紙と見せかけて
ある)を印刷し、内部にLCからなる同調回路が印刷さ
れた形でアンテナコイルとコンデンサーを内蔵するもの
(図4)であり、上記と逆の意味で本物とダミーとの識
別をさせないため、自鳴式物品監視装置の取りつけられ
ているケースを含め、全ケースに貼り付けられている。
【0022】上記ペーパータグとしては、例えば8.2
MHzの周波数が用いられている。8.2MHzは上記
LCを縦横5cmの大きさで作るのに適した周波数であ
る。この他58kHzで用いられるペーパータグも普及
しているが、58kHzで上記LC回路を作ろうとする
と大きくなりすぎて実用的でなく、この58kHzのペ
ーパータグは特殊なコンデンサを用いている。一般的に
周波数の低い58kHzの方が性能は優れているが、汎
用の上記LC回路を使えるので、コスト的には8.2M
Hzの方が安いという関係にある。
【0023】しかし、上記8.2MHzにおけるペーパ
ータグ(図4)は5cm四方の大きさがあり、ケース上面
に貼ると音楽CD等の本体の表示を見難くする欠点があ
る。また、ケース本体は50〜60円のものであり、大
量に使用する。しかし、上記ロック機構を兼ねたタグ・
ケースで内部に自鳴式のタグを内蔵したものは一個20
0〜300円もするので、例えば10ケースに1つとい
ったようにサンプリング的にしか使用されない。その他
のタグ・ケースは、前述の如くロック機構が外観だけ上
記自鳴式のタグを内蔵したものに似ているが、自鳴式の
タグを内蔵していないダミーである。図5,6で示され
るような単独で用いられるタグも同様の使われ方をす
る。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、自鳴式物
品監視装置のダミーとなる非自鳴式のものにおいても、
上記タグ・ケースの中に非自鳴式タグ(同調回路)を設
けることを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】この発明の物品監視装置
は、商品を収納するケースと、該ケースに取り付けられ
収納時商品をケースにロックするためのタグ・ケースを
有する物品監視装置において、前記タグ・ケース内に、
ループ状に形成され、断面が縦一列の円筒状となる単層
縦巻き電波受信用コイルと該コイルに接続されたコンデ
ンサからなる同調回路を設けたことを特徴とする。
【0026】あるいは、商品に取り付けられ、ゲートか
らの電波を受信して鳴動する自鳴式回路を内蔵したタグ
・ケース内に、ループ状に形成され、断面が縦一列の円
筒状となる単層縦巻き電波受信用コイルと該コイルに接
続されたコンデンサからなる同調回路を設けたことを特
徴とする。
【0027】あるいは、商品に取り付けられ、ゲートか
らの電波を受信して鳴動する自鳴式回路を内蔵したタグ
・ケースと外観が同形状で、上記自鳴式回路を内蔵しな
いダミー・タグ・ケース内に、ループ状に形成され、断
面が縦一列の円筒状となる単層縦巻き電波受信用コイル
と該コイルに接続されたコンデンサからなる同調回路を
設けたことを特徴とする。
【0028】さらに、前記同調回路の共振周波数が8.
2MHzであることを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の対象となる自
鳴式物品監視装置の一例の全体図を示す。図1におい
て、1はクリアケースであり、透明なプラスチックでで
きていて、中にCD等を収納して商品として店内に並べ
られる。2は自鳴式物品監視装置やこの発明の非自鳴式
タグ(同調回路)が収納されるロック機構兼用のタグ・
ケースであって、上記クリアケース1のタグ挿入口4か
ら挿入されケース1に取り付けられる。図3に示す如
く、CD商品はケース側面から爪部7を避けて挿入され
る。なお、図3は自鳴式物品監視装置を収納したときの
図を示している。5は報音口であって、内部にブザー等
の警報装置が内蔵されており、不正に商品をケースから
取り出したり、ケースに入れたまま黙って入口から出よ
うとするとブザーが鳴動する。また、6は上記タグの上
部に設けられた検出スイッチであって、上記ケースに商
品を収納してロックすると該検出スイッチは商品に押さ
れてoff となる。この発明の非自鳴式タグ(同調回路)
が収納されるダミーのタグ・ケースの場合、上記ブザー
や検出スイッチは外部から見えないので存在しない。
【0030】図2に示す如く、上記タグ・ケース(ロッ
ク機構)はタグ挿入口から挿入され、ケース1に取り付
けられる。図に見られる如く、タグ・ケース2を押し込
むと、下端が最初9の位置にあったCD商品は、下端が
10に位置まで押し上げられるので上部の爪部7によっ
てCD本体はケース1から取り出せないようにロックさ
れる。
【0031】商品セッティング時検出スイッチ6が入り
状態(off )になった後、図示されない電源スイッチが
onとなるので、一旦ロックされた後にロックを解除をせ
ずに(電源をoff にしないで)商品を抜き取ると上記検
出スイッチが働き、図示されない警報回路がonとなっ
て、ブザーが鳴る仕組みとなっている。
【0032】ロック解除は、ロック状態のケースをロッ
ク解除装置(リリーサ)に上から挿入する。そうする
と、リリーサの左右側面に設けられた強力な磁石の作用
により、タグ・ケースのロックが解除され、CD商品を
下方向に移動せしめ、図3に示す如く、前記爪部11を
避けてCDを取り出すことができる。
【0033】図9に、この発明の非自鳴式タグ(同調回
路)が収納されたタグ・ケースの斜視図を示す。タグ・
ケースの内側に沿う形でコイル61が複数回巻回され
る。図10は、該コイル61とコンデンサ62のみを取
り出したものを示している。コイル62は図11(a)
の如く、縦巻きとなっている。このコイルの巻き方に対
する検討結果を図12に示す。
【0034】図11はコイルを7回巻いたときのそれぞ
れの断面を示す。図11(a)は縦一列の縦巻きであ
り、同図(b)は交互に重ねる縦巻きである。図11
(c)は横一列の横巻きであり、同図(d)は交互に重
ねる横巻きである。コイルは治具の周りを巻き線機によ
り巻かれ、ヒュージングにより自己融着されて固められ
る。通常は図11(b)とか(d)のように交互に重ね
て巻かれるのが普通であるが、コイルの巻き方について
いろいろ工夫した結果、図11(a)の縦巻きが最も良
好であった。その結果を図12に示す。
【0035】図12において、感度は電波に対する感度
であり、指向性とは電波に対するコイルの方向が変化し
たときの動作のバラツキを示す。図11の(a)〜
(d)が、図12の実施例(a)、比較例(b)〜
(d)に対応する。図12に示す如く、平面上横方向に
巻く比較例(c),(d)はいずれも感度、指向性の点
において縦巻きに劣ることが分かった。結局、縦一列の
縦巻きが強度の点でやや弱い点はあるが、感度、指向性
の点で最もよく、この発明の実施例でも該構成を採用し
ている。
【0036】通常のペーパータグの場合、平面上に螺旋
状にコイルが印刷されている。しかし、上記のことから
平面上に螺旋状に巻かれたコイルは平面と直角方向には
感度がいいが、平面横方向にはさほど感度がよくないの
で、送信装置に対して上記コイルが横方向になると受信
感度が落ちてしまうことが分かった。
【0037】この発明のようにやや長円となるコイルを
巻く場合、ペーパータグのように円状の螺旋とはならな
いので、特に横方向の感度の点で不利であるが、図のよ
うに縦巻きとすると横方向から見てコイル断面積に厚み
が生じるので、横方向や斜め方向の感度を向上させる効
果があるものと考えられる。
【0038】図13は、前記単独で用いられる自鳴式タ
グ・ケースのダミーとなるこの発明の他の実施例となる
タグ・ケースを示す。図において、63がコイル、64
はコンデンサであり、両者で非自鳴式タグの同調回路を
形成する。コイル63は、図10と同じく縦一列の縦巻
きが用いられる。
【0039】65はダミーのボード、67はブザーの形
状をしたスポンジである。なお、ロックピン68等のロ
ック機構や発光ダイオード等は、外観上本物との区別を
付けさせないため同じものを備えている。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、この発明は、自鳴
式物品監視装置のダミーとなるタグケースにおいても、
該タグ・ケースの中に非自鳴式タグ(同調回路)を設け
たので、従来のペーパータグを不要とし、従来のペーパ
ータグが5cm四方の大きさがあり、ケース上面に貼ると
音楽CD等の本体の表示を見難くするという欠点を解消
する効果がある。
【0041】また、従来、空であった、自鳴式タグと一
緒に用いられるダミーのタグ・ケースが非自鳴式のタグ
を内蔵することにより有効活用される効果がある。さら
に、従来のペーパータグは外観上自鳴式タグを有するも
のか否かの区別を付けさせないため、全ケースに貼る必
要があったが、この発明のタグ・ケースは自鳴式タグを
内蔵するものも非自鳴式タグを内蔵するものも外観上は
全く同じで客には区別が付かないので、従来のように自
鳴式タグを設けたケースまで非自鳴式ペーパータグを貼
るという無駄がないという効果がある。
【0042】また、ペーパータグは剥がしても鳴ること
はないが自鳴式タグは剥がすと鳴動するので、上記自鳴
式タグと一緒に用いられるダミーのタグ・ケースが外観
上区別が付かないことにより、非自鳴式のタグケースで
あっても不正に剥がされ難いという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の対象となる物品監視装置の全体図を
示す。
【図2】この発明の対象となる物品監視装置におけるク
リアケースへの自鳴式タグの取り付けの詳細を示す。
【図3】上記物品監視装置におけるクリアケースへの商
品の収納動作を示す側面図である。
【図4】従来のペーパータグの構造を示す。
【図5】この発明の他の実施例の対象となる、単独で用
いられる自鳴式物品監視装置の外観斜視図を示す。
【図6】上記単独で用いられる自鳴式物品監視装置の内
部分解図を示す。
【図7】上記単独で用いられる自鳴式物品監視装置のロ
ック機構の詳細図を示す。
【図8】上記ロック機構の雄型ロック部材を示す。
【図9】この発明の非自鳴式タグの実施例の斜視図を示
す。
【図10】図9の非自鳴式タグのコイルの拡大図を示
す。
【図11】図9の非自鳴式タグのコイルの形状を説明す
る斜視図を示す。
【図12】図11の非自鳴式タグのコイル形状の性能を
説明する表を示す。
【図13】この発明の他の実施例の単独で用いられる非
自鳴式物品監視装置の斜視図を示す。
【符号の説明】
1 クリアケース 2 タグ・ケース 4 タグ挿入口 5 放音口 6 検出スイッチ 7 爪部 8 商品 13 ロック機構 16 電源スイッチ 17 警報ブザー 18 商品 20 ペーパータグ 21 コイル 22 タグケース 24 発光ダイオード 25 タグケース 26 プリント基板 27 ブザー 28 電池 29 開孔 30 スイッチ 31 雄型ロック部材 32 雌型ロック部材 33 ロックピン 35 スイッチ 44 解除キー 61 コイル 62 コンデンサ 63 コイル 64 コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G08B 13/00 - 15/02 H01F 15/00 - 21/12 G06K 19/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】商品を収納するケースと、該ケースに取り
    付けられ収納時商品をケースにロックするためのタグ・
    ケースを有する物品監視装置において、 前記タグ・ケース内に、ループ状に形成され、断面が縦
    一列の円筒状となる単層縦巻き電波受信用コイルと該コ
    イルに接続されたコンデンサからなる同調回路を設けた
    ことを特徴とする物品監視装置。
  2. 【請求項2】前記タグ・ケース内にゲートからの電波を
    受信して鳴動する自鳴式回路を内蔵したことを特徴とす
    る前記請求項1記載の物品監視装置。
  3. 【請求項3】前記タグ・ケースが、ゲートからの電波を
    受信して鳴動する自鳴式回路を内蔵したタグ・ケースと
    外観が同形状で、上記自鳴式回路を内蔵しないダミー・
    タグ・ケースであることを特徴とする前記請求項1記載
    の物品監視装置。
  4. 【請求項4】商品に取り付けられ、ゲートからの電波を
    受信して鳴動する自鳴式回路を内蔵したタグ・ケース内
    に、ループ状に形成され、断面が縦一列の円筒状となる
    単層縦巻き電波受信用コイルと該コイルに接続されたコ
    ンデンサからなる同調回路を設けたことを特徴とする物
    品監視装置。
  5. 【請求項5】商品に取り付けられ、ゲートからの電波を
    受信して鳴動する自鳴式回路を内蔵したタグ・ケースと
    外観が同形状で、上記自鳴式回路を内蔵しないダミー・
    タグ・ケース内に、ループ状に形成され、断面が縦一列
    の円筒状となる単層縦巻き電波受信用コイルと該コイル
    に接続されたコンデンサからなる同調回路を設けたこと
    を特徴とする物品監視装置。
  6. 【請求項6】前記同調回路の共振周波数及び前記自鳴式
    タグの動作周波数が同じ8.2MHzであることを特徴
    とする前記請求項1〜5の内、いずれか1項記載の物品
    監視装置。
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