JP3442741B2 - 複合高分子電解質膜及びその製造方法 - Google Patents

複合高分子電解質膜及びその製造方法

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JP3442741B2 JP2001012490A JP2001012490A JP3442741B2 JP 3442741 B2 JP3442741 B2 JP 3442741B2 JP 2001012490 A JP2001012490 A JP 2001012490A JP 2001012490 A JP2001012490 A JP 2001012490A JP 3442741 B2 JP3442741 B2 JP 3442741B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は燃料電池等に使用す
る複合高分子電解質膜及びその製造方法に関し、特に繊
維状又は多孔質膜状の低イオン交換容量のスルホン化高
分子化合物により補強した高イオン交換容量のスルホン
化高分子化合物からなる複合高分子電解質膜及びその製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】石油資源の枯渇化と地球温暖化等の環境
問題の深刻化により、クリーンな電動機用電力源として
燃料電池が注目され、広範に開発されているとともに、
一部実用化もされている。特に燃料電池を自動車等に搭
載する場合には高分子電解質膜式の燃料電池を使用する
のが好ましいが、高分子電解質膜としてはナフィオンの
ようなスルホン化フッ素系高分子化合物が広く利用され
ている。ところがナフィオンには非常に高価であるとい
う問題がある。また燃料電池の高出力化に応じて、高温
高圧下での運転に耐える耐熱水性、耐酸化性及び耐クリ
ープ性(機械的強度)を有する高分子電解質膜が必要と
なってきており、従来のナフィオンでは必ずしも十分で
はない。
【0003】そこで高分子電解質膜のイオン交換特性を
劣化させることなく、機械的強度等を向上させる試みが
種々なされている。例えば特開平6-29032号は、延伸高
分子多孔質膜の孔内にイオン交換樹脂を含有させること
により、機械的強度を向上させた高分子電解質膜を提案
している。
【0004】また特開平8-259710号は、延伸高分子多孔
質膜の孔内にイオン交換樹脂を含有させた構造とするこ
とにより、高分子電解質膜の機械的強度を向上させると
もに、膜抵抗を低減してエネルギー効率を向上させた高
分子電解質膜を提案している。
【0005】また特開平2000-231928号は、スルホン酸
基を含有するパーフルオロカーボン重合体からなる高分
子電解質にポリエチレン繊維からなる補強材を添加して
なる高強度でイオン伝導性の高い(膜抵抗の低い)高分
子電解質膜を提案している。
【0006】しかしながら、これらの高分子電解質膜に
用いられている多孔質膜又は繊維はポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)やポリエチレン等の化学的に安定なポ
リマーからなり、イオン伝導性が低く温度及び湿度の変
化による膨張、収縮が小さい。これに対して、イオン伝
導性の高いイオン交換樹脂は温度及び湿度の変化による
膨張、収縮が大きい。そのため多孔質膜や繊維から高分
子電解質が剥離してしまうという問題があった。高分子
電解質が剥離すると膜抵抗が増大するので、燃料電池の
発電性能は低下する。
【0007】高分子電解質膜のイオン伝導性を向上させ
るには、高分子電解質のイオン交換容量を高くする必要
があるが、イオン交換容量が高くなると高分子電解質膜
の機械的強度が低下したり、高分子電解質膜がクリープ
しやすくなってしまう。一方イオン交換容量を低下させ
ると十分なイオン伝導性が得られず、燃料電池の発電性
能が低下してしまうという問題が生じる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、温度及び湿度の変化によらず十分な発電性能を有
し、かつ高い耐熱水性及び耐酸化性を有するとともに耐
クリープ性等の機械的強度に優れた高分子電解質膜、及
びその製造方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決する手段】上記目的に鑑み鋭意研究の結
果、イオン交換容量が高いスルホン化高分子化合物を母
材に用いるととにも、イオン交換容量が低い繊維状又は
多孔質膜状のスルホン化高分子化合物を補強材として添
加することにより、イオン伝導性を低下させることなく
耐熱水性及び耐酸化性を向上させるとともに耐クリープ
性等の機械的強度が優れた高分子電解質膜が得られるこ
とを発見し、本発明に想到した。
【0010】すなわち、本発明の複合高分子電解質膜
は、イオン交換容量が高いスルホン化高分子化合物から
なる母材と、イオン交換容量が低いスルホン化高分子化
合物の繊維状物又は多孔質膜からなる補強材とを有し、
前記イオン交換容量が高いスルホン化高分子化合物のイ
オン交換容量は1.0〜2.8 meq/gであり、前記イオン交換
容量が低いスルホン化高分子化合物のイオン交換容量は
0.5〜1.5 meq/gであることを特徴とする。
【0011】前記スルホン化高分子化合物はいずれも非
フッ素系スルホン化高分子化合物であるのが好ましい。
またイオン交換容量が高いスルホン化高分子化合物とイ
オン交換容量が低いスルホン化高分子化合物はイオン交
換容量を除いて同一の骨格構造を有するのが好ましい。
両スルホン化高分子化合物はいずれもフェニレン基を含
有するものであるのが好ましく、特にスルホン化ポリエ
ーテルエーテルケトンであるのが好ましい。
【0012】前記イオン交換容量が高いスルホン化高分
子化合物のイオン交換容量は1.0〜2.8 meq/gであるのが
好ましく、前記イオン交換容量が低いスルホン化高分子
化合物のイオン交換容量は0.5〜1.5 meq/gであるのが好
ましい。
【0013】前記イオン交換容量が低いスルホン化高分
子化合物のスルホン酸基のH+は少なくとも部分的にNa+
に置換されているのが好ましい。
【0014】イオン交換容量が高いスルホン化高分子化
合物からなる母材と、イオン交換容量が低いスルホン化
高分子化合物の繊維状物からなる補強材とを有する複合
高分子電解質膜を製造する本発明の方法は、前記イオン
交換容量が高いスルホン化高分子化合物のイオン交換容
量を1.0〜2.8 meq/gとし、前記イオン交換容量が低いス
ルホン化高分子化合物のイオン交換容量を0.5〜1.5 meq
/gとし、前記イオン交換容量が低いスルホン化高分子化
合物の繊維状物を前記イオン交換容量が高いスルホン化
高分子化合物の溶液に均一に分散させ、キャスト法によ
り製膜することを特徴とする。
【0015】イオン交換容量が高いスルホン化高分子化
合物からなる母材と、イオン交換容量が低いスルホン化
高分子化合物の多孔質膜からなる補強材とを有する複合
高分子電解質膜を製造する本発明の方法は、前記イオン
交換容量が高いスルホン化高分子化合物のイオン交換容
量を1.0〜2.8 meq/gとし、前記イオン交換容量が低いス
ルホン化高分子化合物のイオン交換容量を0.5〜1.5 meq
/gとし、前記イオン交換容量が低いスルホン化高分子化
合物の多孔質膜に前記イオン交換容量が高いスルホン化
高分子化合物の溶液を含浸させることにより製膜するこ
とを特徴とする。
【0016】前記スルホン化高分子化合物としていずれ
も非フッ素系スルホン化高分子化合物を使用するのが好
ましい。前記イオン交換容量が高いスルホン化高分子化
合物及び前記イオン交換容量が低いスルホン化高分子化
合物を、同一の骨格構造を有する高分子化合物に対して
異なるイオン交換容量でスルホン化することにより得る
のが好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】[1] 複合高分子電解質膜 本発明の複合高分子電解質膜は、イオン交換容量(1g
当たりのイオン交換性基(例えばスルホン酸基)のミリ
当量)が高いスルホン化高分子化合物からなる母材と、
イオン交換容量が低いスルホン化高分子化合物の繊維状
物又は多孔質膜からなる補強材とを有する。
【0018】母材及び補強材を構成するスルホン化高分
子化合物は、イオン交換容量を除いて同一の骨格構造を
有するスルホン化高分子化合物からなるのが好ましい。
これにより、母材及び補強材の膨張率がほぼ等しくな
り、母材と補強材の剥離が防げる。
【0019】イオン伝導性、耐熱水性、耐酸化性及び耐
クリープ性等の機械的強度の要求を満たすとともに、低
コスト化するために、いずれのスルホン化高分子化合物
の骨格を形成する高分子化合物も非フッ素系高分子化合
物であるのが好ましい。母材及び補強材を構成するスル
ホン化高分子化合物は、主鎖にフェニレン基を有するス
ルホン化高分子化合物であるのが好ましく、特にスルホ
ン化ポリエーテルエーテルケトンであるのが好ましい。
【0020】母材の高分子電解質はイオン交換容量が高
く、繊維状物又は多孔質膜の高分子電解質はイオン交換
容量が低い。具体的には、母材の高分子電解質のイオン
交換容量は1.0〜2.8 meq/gであり、繊維状物又は多孔質
膜の高分子電解質のイオン交換容量は0.5〜1.5 meq/gで
あるのが好ましい。
【0021】母材用高分子電解質のイオン交換容量が1.
0 meq/g未満であると、イオン伝導率が不十分であり、
また2.8 meq/g超であると、耐クリープ性等の機械的強
度が不十分である。一方、繊維状物又は多孔質膜用高分
子電解質のイオン交換容量が0.5 meq/g未満であると、
イオン伝導率及び密着性が不十分であり、また1.5 meq/
g超であると、耐クリープ性が不十分である。
【0022】母材用高分子電解質のイオン交換容量は繊
維状物又は多孔質膜用高分子電解質のイオン交換容量よ
り少なくとも0.5meq/g大きいのが好ましい。両者の差が
0.5meq/g未満であると、複合化の効果が不十分である。
【0023】低イオン交換容量のスルホン化高分子化合
物が繊維状の場合、長繊維でも短繊維でも良く、長繊維
の場合には織布でも不織布でも良い。不織布の場合には
カレンダー加工により繊維間を適当に融着するのが好ま
しい。いずれの場合も、低イオン交換容量のスルホン化
高分子化合物の直径は1〜15μm程度が好ましい。直径
が1μm未満であると補強硬化が不十分であり、また15
μm超であると複合高分子電解質膜のイオン伝導率が低
下する。
【0024】また多孔質膜の場合、空孔率は50〜80%程
度であるのが好ましく、平均孔径は0.2〜3μm程度であ
るのが好ましい。空孔率及び平均孔径が上記下限値未満
であると複合高分子電解質膜のイオン伝導率が不十分で
あり、また上限値超であると補強硬化が不十分である。
また膜厚は、複合高分子電解質膜の性能を規制するの
で、15〜75μmであるのが好ましい。
【0025】繊維状物又は多孔質膜を構成する低イオン
交換容量スルホン化高分子化合物のスルホン酸基の少な
くとも一部のH+はNa+に置換されているのが好ましい。
この置換により母材と繊維状物又は多孔質膜との密着性
が向上し、複合高分子電解質膜の膜抵抗が低下する。
【0026】複合高分子電解質膜における母材と繊維状
物又は多孔質膜との重量比は3:1〜1:3であるのが
好ましい。母材/(繊維状物又は多孔質膜)の重量比が
3:1超であると繊維状物又は多孔質膜による補強効果
が不十分であり、また1:3未満であると複合高分子電
解質膜のイオン伝導率が不十分である。より好ましい母
材/(繊維状物又は多孔質膜)の重量比は2/1〜1/
1.25である。
【0027】以上の通り、母材にイオン交換容量の高い
スルホン化高分子化合物を用い、補強材にイオン交換容
量の低いスルホン化高分子化合物の繊維状物又は多孔質
膜を用いることにより、イオン伝導性や耐クリープ性が
高いために、高効率で高耐久性の複合高分子電解質膜が
得られる。なお本発明の複合高分子電解質膜の膜厚は15
〜75μm程度であるのが好ましい。
【0028】[2] 複合高分子電解質膜の製造方法 (A) 繊維状物又は多孔質膜の作製 低イオン交換容量のスルホン化高分子化合物をN-メチル
ピロドリン等の有機溶剤に溶解し、均一溶液とする。こ
の均一溶液から繊維状物又は多孔質膜を作製するには、
繊維の場合には公知の紡糸法を利用すれば良く、また多
孔質膜の場合には均一溶液に所定量の発泡剤を添加して
キャスト法により製膜し、有機溶剤が僅かに残留する状
態で加熱することにより発泡させ、多孔質化する方法を
利用すれば良い。勿論、低イオン交換容量のスルホン化
高分子化合物を繊維状又は多孔質膜状に成形するのは上
記方法に限定されず、任意の公知の方法を採用すること
ができる。
【0029】繊維状物又は多孔質膜を構成する低イオン
交換容量のスルホン化高分子化合物のスルホン酸基のH+
を少なくとも部分的にNa+に置換するのが好ましい。こ
の置換は、例えば塩化ナトリウム水溶液等のNa+を含む
水溶液に繊維状物又は多孔質膜を浸漬することにより行
うことができる。Na+を含む水溶液の濃度は0.01〜2mol
/l程度であれば良く、また温度は25℃程度で良い。浸漬
時間は、H+のNa+による置換度が5〜50%程度になるよ
うに調節するのが好ましい。
【0030】(B) 複合高分子電解質膜の作製 繊維状物を含有する複合高分子電解質膜を製造するに
は、高イオン交換容量のスルホン化高分子化合物の有機
溶剤溶液に繊維状物(低イオン交換容量のスルホン化高
分子化合物)を添加し、平坦な型にキャストし、乾燥す
る。
【0031】また低イオン交換容量のスルホン化高分子
化合物の多孔質膜を含有する複合高分子電解質膜を製造
するには、高イオン交換容量のスルホン化高分子化合物
の溶液を多孔質膜に含浸させれば良い。
【0032】
【実施例】本発明を以下の実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0033】実施例1 イオン交換容量が1.5 meq/gの高スルホン化ポリエーテ
ルエーテルケトンとN-メチルピロドリンとを95:5の重
量比で混合し、高分子電解質溶液とした。またイオン交
換容量が1.0 meq/gの低スルホン化ポリエーテルエーテ
ルケトンをN-メチルピロドリンに溶解し、得られた溶液
(共重合体濃度:10重量%)を紡糸することにより、平
均直径5μmの繊維に成形した。なおイオン交換容量
は、酸処理条件(発煙硫酸濃度、浸漬時間)を変えるこ
とにより調節した。次いで25℃の2Nの塩化ナトリウム水
溶液に30分間浸漬し、スルホン酸基のH+をNa+に置換
し、繊維状補強材とした。この高分子電解質溶液に繊維
状補強材を90:10の固形分重量比で均一に混合し、キャ
スト法により乾燥膜厚50μmの複合高分子電解質膜を作
製した。
【0034】実施例2 イオン交換容量が1.5 meq/gの高スルホン化ポリエーテ
ルエーテルケトンとN-メチルピロドリンとを95:5の重
量比で混合し、高分子電解質溶液とした。またイオン交
換容量が1.0 meq/gの低スルホン化ポリエーテルエーテ
ルケトンに耐酸性の劣る層状珪酸塩等の粒子を混ぜ、キ
ャストした。得られた膜を5Nの塩酸で酸処理することに
より粒子が欠落し、多孔膜が得られた。このようにして
膜厚30μmの多孔質膜に成形した。得られた多孔質膜の
平均孔径は2μmであり、空孔率は65%であった。この
多孔質膜を25℃の2N塩化ナトリウム水溶液に30分浸漬
し、スルホン酸基のH+をNa+に置換し、補強材とした。
この高分子電解質溶液を多孔質膜状の補強材に70:30の
固形分重量比で含浸させ、乾燥膜厚50μmの複合高分子
電解質膜を作製した。
【0035】比較例1 特開平8-259710号の実施例1と同様にしてスチレンとジ
ビニルベンゼンの部分共重合体(スチレン:ジビニルベ
ンゼン=20:1)の溶液を作製した。この溶液に直径5
μmのPTFE繊維からなる補強材を均一に混合した。この
高分子電解質溶液にPTFE繊維補強材を90:10の固形分重
量比で添加し、キャスト法により乾燥膜厚50μmの複合
高分子電解質膜を作製した。
【0036】比較例2 特開平8-259710号の実施例6と同様にして、PTFE延伸多
孔膜(8cm×8cm、膜厚15μm:空孔率70%)を2枚用
意し、そのうち1枚の中央部に6cm×6cmの窓部を設け
た。窓部を設けたPTFE延伸多孔膜をガラス板(8cm×8
cm)2枚で挟持し、比較例1と同じイオン交換樹脂用原
料の溶液を延伸多孔膜の窓部に注入し(ギャップ幅:55
μm)、この状態で共重合を完了させた。ガラス板を除
去した後、発煙硫酸によりイオン交換樹脂原料をスルホ
ン化した。得られたイオン交換膜のPTFE延伸多孔膜の孔
中には、イオン交換樹脂が保持されていた(イオン交換
膜厚50μm)。
【0037】比較例3 低スルホン化ポリエーテルエーテルケトンの代わりにPT
FEを直径5μmの繊維状補強材に使用した以外実施例1
と同様にして、乾燥膜厚50μmの複合高分子電解質膜を
作製した。
【0038】評価 (1) Q値 実施例1及び2と比較例1〜3の高分子電解質膜につい
て、80℃の熱水と20℃の水に10分間ずつ浸漬するサイク
ルを30回繰り返した。その後各高分子電解質膜の両面に
電極を塗布し、0.2 A/cm2の電流を流した時の電位を測
定した。また母材と補強材との密着性の指標となるQ値
を、下記の方法に従って測定した。測定結果を表1に示
す。
【0039】Q値の測定は、図1に示す電解質膜−電極
複合体を用いて行う。この電解質膜−電極複合体は、高
分子電解質膜1の片面のみに電極10を有する。電極10
は、触媒層2と拡散層3(下地層4及びカーボンペーパ
ー5)とからなる。高分子電解質膜1の電極10を設けて
いない面はpH1の硫酸水溶液9と接触させ、電極10側は
窒素ガスと接触させる。参照極8を硫酸水溶液9中に、
対照極7を硫酸水溶液9と電極構造体の拡散層3につな
げる。
【0040】ポテンショスタッド6により拡散層3と硫
酸水溶液9と間に電圧をかけると、硫酸水溶液9中のプ
ロトンが高分子電解質膜1を透過して電極10に達し、電
子のやり取りを行う。即ち、プロトンが触媒粒子中の白
金表面に着くことにより白金から電子が渡される。逆の
場合は、吸着した水素原子から電子が白金に渡されプロ
トンとして硫酸水溶液中に拡散する。
【0041】電圧を−0.1 Vから+0.7 Vまでスキャン
し、プロトンの吸着側のピーク面積からQ値(C/cm2)を
求めることができる。代表的な測定例を図2に示す。図
2に示す放電曲線において、Q値は電極構造体の面積当
たりの電化量を示す。Q値は、電極10と高分子電解質膜
1との密着性の指標とすることができ、その値を0.09〜
0.18 C/cm2とすることにより、優れた電解質膜−電極複
合体が得られることが分かった。
【0042】(2) 機械的強度 各複合高分子電解質膜の引張り強度をJIS K7127に従っ
て測定した。測定結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】上記測定結果から、本発明の複合高分子電
解質膜は従来の高分子電解質膜に比較して発電電位が向
上しており、また補強材との密着性も高く、機械的強度
も向上していることが分かる。
【0045】
【発明の効果】本発明の複合高分子電解質膜は、高イオ
ン交換容量のスルホン化高分子化合物からなる母材と低
イオン交換容量のスルホン化高分子化合物からなる補強
材とを複合化させてなるので、良好なイオン伝導性を有
するとともに、両者の密着性に優れ、良好な機械的強度
を有する。そのため本発明の複合高分子電解質膜は優れ
た耐熱水性、耐酸化性及び耐クリープ性(耐久性)を有
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の電極構造体のQ値を測定する装置を
示す概略断面図である。
【図2】 本発明の電極構造体のQ値を求めるために、
その電流密度を一定の電圧範囲内で測定した結果得られ
た放電曲線を示すグラフである。
【符号の説明】
1・・・固体高分子電解質膜 2・・・触媒層 3・・・拡散層 4・・・下地層 5・・・カーボンペーパー 6・・・ポテンシオスタット 7・・・対照極 8・・・参照極 9・・・希硫酸水溶液 10・・・電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // H01M 8/10 H01M 8/10 C08L 71:00 C08L 71:00 101:02 101:02 (72)発明者 相馬 浩 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (72)発明者 七海 昌昭 埼玉県和光市中央一丁目4番1号 株式 会社本田技術研究所内 (56)参考文献 特開 平7−135004(JP,A) 特開2002−88251(JP,A) 特開2002−25581(JP,A) 特開2001−294706(JP,A) 特開 平6−29032(JP,A) 特表2001−525471(JP,A) 特表2000−510510(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/00 - 8/24 H01B 1/06

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換容量が高いスルホン化高分子
    化合物からなる母材と、イオン交換容量が低いスルホン
    化高分子化合物の繊維状物又は多孔質膜からなる補強材
    とを有し、前記イオン交換容量が高いスルホン化高分子
    化合物のイオン交換容量は1.0〜2.8 meq/gであり、前記
    イオン交換容量が低いスルホン化高分子化合物のイオン
    交換容量は0.5〜1.5 meq/gであることを特徴とする複合
    高分子電解質膜。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の複合高分子電解質膜に
    おいて、前記スルホン化高分子化合物はいずれも非フッ
    素系スルホン化高分子化合物であることを特徴とする複
    合高分子電解質膜。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の複合高分子電解質膜に
    おいて、前記イオン交換容量が高いスルホン化高分子化
    合物と前記イオン交換容量が低いスルホン化高分子化合
    物はイオン交換容量を除いて同一の骨格を有することを
    特徴とする複合高分子電解質膜。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の複合高
    分子電解質膜において、前記イオン交換容量が低いスル
    ホン化高分子化合物のスルホン酸基のH+が少なくとも部
    分的にNa+に置換されていることを特徴とする複合高分
    子電解質膜。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4に記載の複合高分子電解
    質膜において、前記スルホン化高分子化合物はいずれも
    フェニレン基を含有することを特徴とする複合高分子電
    解質膜。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の複合高分子電解質膜に
    おいて、前記スルホン化高分子化合物はいずれもスルホ
    ン化ポリエーテルエーテルケトンであることを特徴とす
    る複合高分子電解質膜。
  7. 【請求項7】 イオン交換容量が高いスルホン化高分子
    化合物からなる母材と、イオン交換容量が低いスルホン
    化高分子化合物の繊維状物からなる補強材とを有する複
    合高分子電解質膜の製造方法において、前記イオン交換
    容量が高いスルホン化高分子化合物のイオン交換容量を
    1.0〜2.8 meq/gとし、前記イオン交換容量が低いスルホ
    ン化高分子化合物のイオン交換容量を0.5〜1.5 meq/gと
    し、前記イオン交換容量が低いスルホン化高分子化合物
    の繊維状物を前記イオン交換容量が高いスルホン化高分
    子化合物の溶液に均一に分散させ、キャスト法により製
    膜することを特徴とする方法。
  8. 【請求項8】 イオン交換容量が高いスルホン化高分子
    化合物からなる母材と、イオン交換容量が低いスルホン
    化高分子化合物の多孔質膜からなる補強材とを有する複
    合高分子電解質膜の製造方法において、前記イオン交換
    容量が高いスルホン化高分子化合物のイオン交換容量を
    1.0〜2.8 meq/gとし、前記イオン交換容量が低いスルホ
    ン化高分子化合物のイオン交換容量を0.5〜1.5 meq/gと
    し、前記イオン交換容量が低いスルホン化高分子化合物
    の多孔質膜に前記イオン交換容量が高いスルホン化高分
    子化合物の溶液を含浸させることにより製膜することを
    特徴とする方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8に記載の方法において、
    前記スルホン化高分子化合物としていずれも非フッ素系
    スルホン化高分子化合物を使用することを特徴とする方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の方法において、前記
    イオン交換容量が高いスルホン化高分子化合物及び前記
    イオン交換容量が低いスルホン化高分子化合物を同一の
    骨格構造を有する高分子化合物に対して異なるイオン交
    換容量でスルホン化することにより得ることを特徴とす
    る方法。
  11. 【請求項11】 請求項7〜10のいずれかに記載の方法
    において、前記イオン交換容量が低いスルホン化高分子
    化合物のスルホン酸基のH+を少なくとも部分的にNa+
    置換することを特徴とする方法。
  12. 【請求項12】 請求項7〜11のいずれかに記載の方法
    において、前記スルホン化高分子化合物はいずれもフェ
    ニレン基を含有することを特徴とする方法。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載の方法において、前記
    スルホン化高分子化合物はいずれもスルホン化ポリエー
    テルエーテルケトンであることを特徴とする方法
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