JP3441981B2 - 金属基板へグラフトする導電性エラストマー - Google Patents

金属基板へグラフトする導電性エラストマー

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的に導電性デ
バイスに関し、より具体的には、金属基板へグラフトす
る導電性エラストマーに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】最近の
エレクトロニクス製品用の電子回路は、通常、回路板上
に設けられている。
【0003】回路板は、回路板上に取り付けられる電子
部品間に電気的な相互接続をもたらす。電子部品は、導
電性リード又は導電性端子であって、通常、回路板に形
成されている導電性スルーホール又は導電性コンタクト
パッドにそれぞれ半田付けされるものを有している。電
子部品の導電性リード又は導電性端子は、その電子部品
と結び付いている電子回路の全てを実際に含んでいる半
導体ダイのパッケージの一部である。半導体ダイのパッ
ケージングは、半導体ダイにおける導電性コンタクトポ
イントと、セラミックパッケージ、プラスチックパッケ
ージ又は他のタイプのパッケージの導電性リード又は導
電性端子との間の導電性ワイヤーボンド接続を行うこと
を含む。
【0004】半導体ダイをパッケージする必要性は、2
重にある。第1に、電子部品のパッケージは、パッケー
ジ内に含まれている半導体ダイ用のヒートシンクであ
る。第2に、電子部品のパッケージは、導電性のリード
と端子とを供給し、それらのリードと端子とにより、電
子部品が、回路板へ固定され得る。
【0005】半導体ダイパッケージの主要な欠点は、パ
ッケージが必要とするところの回路板の面積である。即
ち、半導体ダイパッケージのサイズは、しばしば、その
中に含まれるいる半導体ダイのサイズの2倍又は3倍で
ある。パッケージによって無駄に使われる余分な面積
は、回路板上のより多くの回路のために使用されるべき
である。
【0006】半導体ダイパッケージの別の欠点は、半導
体ダイにおける導電性コンタクトポイントとパッケージ
の導電性リード又は導電性端子との間の導電性ワイヤー
ボンド接続の障害又は破損の可能性である。更に、導電
性ワイヤーボンド接続とパッケージの導電性リード又は
導電性端子とは、ノイズを受け入れ得ると共に、それら
の上を移動する信号における伝送遅延を誘起する。
【0007】従って、手段であって、この手段により、
半導体ダイを大面積でパッケージすることなく、半導体
ダイが回路板における導電性コンタクトパッドと電気的
接続を行い得るところのものを提供することは、有益で
あろう。より具体的には、半導体ダイにおける導電性コ
ンタクトポイントと回路板における導電性コンタクトパ
ッドとの間の直接的な電気的接続を行うべく使用され得
る材料を提供することは、有益であろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、金属基板へグ
ラフトする導電性エラストマーを考慮している。導電性
エラストマーは、通常、熱処理によって基板へグラフト
される。
【0009】導電性エラストマーは、弾性材料と多量の
導電性フレークと熱可塑性エラストマー材料と導電性熱
可塑性高分子材料と貴金属材料又は貴金属複合材料との
混合物で構成される。導電性エラストマーは、混合物中
へ散在させられる多量の導電性粒子を更に備え得る。あ
るいは、多量の導電性粒子が、導電性エラストマーの外
面に埋め込まれ得る。
【0010】以上の記載より、金属基板へグラフトする
導電性エラストマーを提供することが本発明の主要な目
的であるということが、明らかであろう。
【0011】
【発明の実施の形態】図1を参照するに、回路板10の
一部の斜視図が示されており、その回路板は、半導体ダ
イ16における導電性コンタクトポイント13との電気
的な接続を行うための複数の導電性コンタクトパッド1
1を有している。導電性コンタクトパッド11は、それ
らから延出する導電性トレース14であって、回路板1
0上の他のデバイス(図示せず)との電気的な接続を行
うためのものを有している。回路板10における導電性
コンタクトパッド11と半導体ダイ16における導電性
コンタクトポイント13との間の電気的な接続を行うこ
とを容易にすべく、導電性エラストマー材料が、導電性
コンタクトパッド11の表面上へ直接的にグラフトされ
ている。
【0012】回路板10は、そのような目的で通常使用
される、多くの異なったタイプの材料のうちの1つ(例
えばFR4TM)で作られ得る。導電性コンタクトパッ
ド11及び導電性トレース14は、貴金属材料又は貴金
属複合材料(例えば、金めっきされた銅合金)で作られ
る。導電性コンタクトパッド11及び導電性トレース1
4は、良く知られている方法(例えば直接化学析出及び
フォトレジストエッチング)によって回路板10上に形
成され得る。
【0013】導電性コンタクトポイント13は、半導体
ダイ16の裏面に位置させられていると共に、あらゆる
タイプの導電性材料で形成され得る。そのような導電性
コンタクトポイント13は、通常は金で形成される。
【0014】導電性エラストマー材料は、導電性コンタ
クトパッド11の貴金属材料又は貴金属複合材料へ直接
的にグラフトされる。その詳細は後述するが、導電性エ
ラストマー材料は、半導体ダイ16における導電性コン
タクトポイント13が導電性で変形可能な材料に押し付
けられることを可能にすることにより、回路板10にお
ける導電性コンタクトパッド11と半導体ダイ16にお
ける導電性コンタクトポイント13との間の電気的的な
接続を行うことを容易にし、もって、半導体ダイ16に
おける導電性コンタクトポイント13は、回路板10に
おける導電性コンタクトパッド11と密接に接触するで
あろう。例えば、図2を参照するに、回路板10、半導
体ダイ16、及びそれらと結び付いている取付ハードウ
ェア300の分解断面図が示されている。回路板10
は、その上に形成されている導電性コンタクトパッド1
1を有しており(図を明瞭にするために、導電性トレー
ス14は示されていない)、そして、導電性コンタクト
パッド11の各々は、それへ直接的にグラフトされてい
る導電性エラストマー材料302を有している。半導体
ダイ16は、その裏面に形成されている導電性コンタク
トポイント13を有している。取付ハードウェア300
は、ヒートシンク304、バックアッププレート30
6、1対の取付ボルト308、及び対応する1対の取付
ナット310を備えている。取付ハードウェア300は
説明の目的のためにのみ示されているということと、そ
れに代えて他の多くの取付方法が利用され得るというこ
ととが、留意されるべきである。
【0015】取付ナット310が取付ボルト308上で
締め付けられると、ヒートシンク304は、半導体ダイ
16を回路板10に押し付ける。このため、半導体ダイ
16における導電性コンタクトポイント13は、回路板
10における導電性コンタクトパッド11へグラフトさ
れている導電性エラストマー材料302に押し付けられ
る。各導電性コンタクトパッド11へグラフトされてい
る導電性エラストマー材料302は、弾力があり、もっ
て、導電性エラストマー材料302は、半導体ダイ16
における対応する導電性コンタクトポイント13の形状
と、その導電性コンタクトポイントによって加えられる
圧力とに容易に適合し、これにより、半導体ダイ16に
おける導電性コンタクトポイント13の各々と、回路板
10における対応する導電性コンタクトパッド11へグ
ラフトされている導電性エラストマー材料302との間
の密接な接触が、保証される。導電性エラストマー材料
302は、それが半導体ダイ16における導電性コンタ
クトポイント13によって加えられる圧力の下で変形す
るという点で弾力があり、圧力が取り除かれると、その
元の形状に戻るであろう。
【0016】導電性エラストマー材料302は、弾性材
料と多量の導電性フレークと熱可塑性エラストマー材料
と導電性熱可塑性高分子材料と貴金属材料又は貴金属複
合材料との混合物で構成されている。弾性材料は、種々
の弾性材料のうちの1つ(例えばシリコーンゴム又はフ
ルオロシリコーンゴム)で有り得る。導電性フレーク
は、多くの異なったタイプの導電性材料又は半導電性材
料(例えば銀、ニッケル又は炭素)で作られ得る。ある
いは、導電性フレークは、多くの異なったタイプの導電
性材料、半導電性材料、又は絶縁材料であって他の導電
性材料若しくは半導電性材料(例えば銀、ニッケル若し
くは炭素)でコートされ若しくはこれらをそれらの中に
散在させられているもので作られ得る。導電性フレーク
のサイズは、要求されている導電性のレベルと、導電性
コンタクトパッド11のサイズとに依存して変化し得
る。
【0017】熱可塑性エラストマー材料は、種々の熱可
塑性エラストマーのうちの1つ(例えばVITO
TM)で有り得る。熱可塑性エラストマー材料は、弾
性材料と導電性熱可塑性高分子材料との間の架橋機能を
提供する。即ち、その詳細は後述するが、熱可塑性エラ
ストマー材料における重合体鎖は、導電性エラストマー
材料302が導電性コンタクトパッド11へグラフトさ
れる際に、弾性材料と導電性熱可塑性高分子材料とにお
ける重合体鎖へグラフトされる。
【0018】導電性熱可塑性高分子材料は、熱可塑性材
料鎖コアーを備えている導電性熱可塑性重合体鎖であ
り、その熱可塑性材料鎖コアーは、この熱可塑性材料鎖
コアーから延出している枝のうちの、全ての枝ではない
にしても、少なくとも幾つかの枝の端部に導電性材料を
有している。従って、熱可塑性材料鎖コアーは、導電性
ではないが、枝の端部によって画成されている鎖の外側
領域は、導電性である。熱可塑性材料鎖コアーは、熱可
塑性材料鎖コアーから延出している枝の端部における導
電性材料に凝集結合をもたらす。
【0019】導電性熱可塑性高分子材料は、熱可塑性エ
ラストマー材料と、貴金属材料又は貴金属複合材料との
間の架橋機能を提供する。即ち、その詳細は後述する
が、導電性熱可塑性高分子材料における重合体鎖は、導
電性エラストマー材料302が導電性コンタクトパッド
11へグラフトされる際に、導電性エラストマー材料と
貴金属材料又は貴金属複合材料とにおける重合体鎖へグ
ラフトされる。
【0020】鎖コアーを形成する熱可塑性材料は、種々
の熱可塑性材料のうちの1つ(例えばULTEMTM
から形成され得る。熱可塑性材料鎖コアーから延出して
いる枝の端部における導電性材料は、貴金属(例えば
銀)である。導電性材料はイオン状態にあるということ
が、留意されるべきである。
【0021】導電性コンタクトパッド11が金めっきさ
れた銅合金で作られているとしても、導電性エラストマ
ー材料における貴金属材料又は貴金属複合材料も、金め
っきされた銅合金である必要はない。即ち、導電性エラ
ストマー材料302における貴金属材料又は貴金属複合
材料は、種々の貴金属材料又は貴金属複合材料のうちの
1つ(例えば、銀でコートされた炭素繊維)で有り得
る。導電性エラストマー材料302が導電性コンタクト
パッド11へグラフトされる際に、導電性エラストマー
材料302と導電性コンタクトパッド11との間に強力
な化学結合が生ずることを確実にするには、導電性コン
タクトパッド11と導電性エラストマー材料302にお
ける貴金属材料又は貴金属複合材料とが、共に、貴金属
材料又は貴金属複合材料であれば十分である。即ち、そ
の詳細は後述するが、導電性エラストマー材料302の
貴金属材料又は貴金属複合材料における重合体鎖は、導
電性エラストマー材料302が導電性コンタクトパッド
11へグラフトされる際に、導電性コンタクトパッド1
1の貴金属材料又は貴金属複合材料における重合体鎖へ
グラフトされる。
【0022】導電性エラストマー材料302は、熱グラ
フト処理によって導電性コンタクトパッド11へグラフ
トされ、その熱グラフト処理は、通常、完全に硬化した
状態にある導電性コンタクトパッド11の貴金属材料又
は貴金属複合材料を用意することによって開始する。導
電性エラストマー材料302は、スプレー塗布、ローラ
ー塗布、転写パッド印刷、又は他の良く知られている種
々の方法により、未硬化の状態で導電性コンタクトパッ
ド11に塗布される。次いで、導電性コンタクトパッド
11と導電性エラストマー材料302とが、熱サイクル
にさらされ、これにより、導電性エラストマー材料30
2は、完全に硬化させられて導電性コンタクトパッド1
1へグラフトされる。この熱グラフト処理の間、導電性
エラストマー材料302における重合体鎖は、導電性コ
ンタクトパッド11の貴金属材料又は貴金属複合材料に
おける重合体鎖へグラフトされ、もって、強力な化学結
合が、導電性エラストマー材料302と導電性コンタク
トパッド11との間に形成される。未硬化状態におい
て、弾性材料と導電性フレークと熱可塑性エラストマー
材料と導電性熱可塑性高分子材料と貴金属又は貴金属複
合材料とは、通常、溶剤(例えばTOLUENETM
中に懸濁させられ、その溶剤は、熱サイクルの間に蒸発
する。導電性エラストマー材料302を完全に硬化させ
て導電性コンタクトパッド11へグラフトすべく、グラ
フト処理は、放射線照射結合又は圧縮結合を二者択一的
に含み得るということが、留意されるべきである。
【0023】導電性エラストマー材料302が伸張又は
圧縮によって変形させられている場合でも、導電性エラ
ストマー材料302における導電性フレークは、低抵抗
をもたらす。何故ならば、そのような変形が起こってい
るときでさえ、隣合っている導電性フレーク間での電気
的接触がなされるに十分な程、導電性フレークの表面積
が大きいからである。例えば、導電性エラストマー材料
302の長さ方向の伸張の間、導電性エラストマー材料
302の長さは増大する一方、導電性エラストマー材料
302の厚さは減少する。厚さにおける減少は、隣合っ
ている導電性フレークが互いに近づくことをもたらし、
これにより、隣合っている大きな表面積の導電性フレー
クが互いに他方と物理的に、従って、電気的に接触する
可能性が、増大する。長さにおける増大は、導電性フレ
ークの横方向の移動を結果的にもたらし、これにより、
隣合っている大きな表面積の導電性フレークは、互いに
他方と摩擦し即ちこすれ、もって、隣合っている導電性
フレーク間の物理的な、従って、電気的な接触が、維持
される。
【0024】導電性エラストマー材料302のジュロメ
ーターの等級は、通常、ショアーAスケールで40〜8
0の範囲内にある。そのようなジュロメーターの等級
は、導電性エラストマー材料302がその静止状態にお
ける形状の少なくとも33%まで伸張又は圧縮されるこ
とを許容する。そのような変形が起こると、導電性エラ
ストマー材料302中に散在させられている導電性フレ
ークは、上述のように相互作用し、もって、低抵抗が、
導電性エラストマー材料302のすみからすみまで維持
される。本発明に従って回路板における導電性コンタク
トパッドへグラフトされた導電性エラストマー材料は、
導電性エラストマー材料302を上述した限度内で変形
させつつ行った測定の間中、20〜30ミリオームの範
囲内の抵抗を維持することを示した。
【0025】ここで、導電性エラストマー材料302
は、回路板における導電性コンタクトパッドと半導体ダ
イにおける導電性コンタクトポイントとの間の電気的接
続を行いやすくすることにおいて有用であると先に示さ
れたが、導電性エラストマー材料302は、回路板にお
ける導電性コンタクトパッドとリード付き集積回路又は
リードレス集積回路における導電性端子との間の電気的
接続を行いやすくするためにも用いられ得るということ
が、留意されるべきである。更に、導電性エラストマー
材料302は、可撓性フィルム回路等において使用され
る可撓性金属材料へグラフトされ得る。
【0026】ここで、導電性エラストマー材料302
と、それと接触することになる導電性表面との間の電気
的接続を更に容易にすべく、更に別の材料を導電性エラ
ストマー材料混合物に加えることが可能であるというこ
とが、留意されるべきである。
【0027】図3を参照するに、貴金属材料基板又は貴
金属複合材料基板400の断面図が示されており、その
貴金属材料基板又は貴金属複合材料基板は、それへグラ
フトされている導電性エラストマー材料402を有して
いる。上述した本発明に従い、導電性エラストマー材料
402は、弾性材料と多量の導電性フレークと熱可塑性
エラストマー材料と導電性熱可塑性高分子材料と貴金属
材料又は貴金属複合材料との混合物で構成されている。
また、上述した本発明に従い、貴金属材料基板又は貴金
属複合材料基板400と導電性エラストマー材料402
における貴金属材料又は貴金属複合材料とが、共に、貴
金属材料又は貴金属複合材料であるので、導電性エラス
トマー材料402が貴金属材料基板又は貴金属複合材料
基板400へグラフトされる際に、強力な化学結合が、
導電性エラストマー材料402と貴金属材料基板又は貴
金属複合材料基板400との間に生ずるであろう。
【0028】導電性エラストマー材料402と、それと
接触することになる導電性表面との間の電気的な接続を
更に容易にすべく、導電性エラストマー材料402は、
導電性エラストマー材料402の表面内へ埋め込まれる
多量の導電性押込み粒子404を更に備え得る。導電性
押込み粒子404は、熱サイクルに先立ち、導電性エラ
ストマー材料402の表面へ好適に付着させられ、もっ
て、粒子404は、導電性エラストマー材料402に、
それが完全に硬化する際に固定される。導電性押込み粒
子404の押し込むという性質は、一の手段を提供し、
この一の手段により、導電性エラストマー材料402と
接触することになる導電性表面上に形成されているかも
知れないところの絶縁酸化物が、脇へ押され得、もっ
て、より良い電気的接続が、導電性表面と導電性エラス
トマー材料402との間に形成され得る。導電性押込み
粒子404は、他の汚染物(例えば、それらと接触する
ことになる導電性表面上に存在し得る繊維又は粒子)を
脇へ押し得るということが、留意されるべきである。
【0029】導電性押込み粒子404は、多くの異なっ
たタイプの導電性材料又は半導電性材料(例えば銀、ニ
ッケル又は炭素)で作られ得る。あるいは、導電性押込
み粒子404は、多くの異なったタイプの導電性材料、
半導電性材料、又は絶縁材料であって他の導電性材料若
しくは半導電性材料(例えば銀、ニッケル若しくは炭
素)でコートされ若しくはこれらをそれらの中に散在さ
せられているもので作られ得る。導電性押込み粒子40
4は、通常、50μmの平均粒度を有している。
【0030】図4を参照するに、貴金属材料基板又は貴
金属複合材料基板400の断面図が示されており、その
貴金属材料基板又は貴金属複合材料基板は、それへグラ
フトされている導電性エラストマー材料402を有して
いる。導電性エラストマー材料402と、それと接触す
ることになる導電性表面との間の電気的な接続を更に容
易にすべく、導電性エラストマー材料402は、導電性
エラストマー材料402の表面内へ埋め込まれる多量の
導電性孔明け粒子406を更に備え得る。導電性孔明け
粒子406は、熱サイクルに先立ち、導電性エラストマ
ー材料402の表面へ好適に付着させられ、もって、粒
子406は、導電性エラストマー材料402に、それが
完全に硬化する際に固定される。導電性孔明け粒子40
6の孔を明けるという性質は、一の手段を提供し、この
一の手段により、導電性エラストマー材料402と接触
することになる導電性表面上に形成されているかも知れ
ないところの絶縁酸化物が、孔を明けられ得、もって、
より良い電気的接続が、導電性表面と導電性エラストマ
ー材料402との間に形成され得る。導電性孔明け粒子
406は、他の汚染物(例えば、それらと接触すること
になる導電性表面上に存在し得る繊維又は粒子)に孔を
明け得るということが、留意されるべきである。
【0031】導電性孔明け粒子406は、多くの異なっ
たタイプの導電性材料又は半導電性材料(例えば銀、ニ
ッケル又は炭素)で作られ得る。あるいは、導電性孔明
け粒子406は、多くの異なったタイプの導電性材料、
半導電性材料、又は絶縁材料であって他の導電性材料若
しくは半導電性材料(例えば銀、ニッケル若しくは炭
素)でコートされ若しくはこれらをそれらの中に散在さ
せられているもので作られ得る。導電性孔明け粒子40
6は、通常、40μmの平均粒度を有している。
【0032】図5を参照するに、貴金属材料基板又は貴
金属複合材料基板400の断面図が示されており、その
貴金属材料基板又は貴金属複合材料基板は、それへグラ
フトされている導電性エラストマー材料410を有して
いる。この具体的な実施形態においては、導電性エラス
トマー材料410は、弾性材料と多量の導電性フレーク
と熱可塑性エラストマー材料と導電性熱可塑性高分子材
料と貴金属材料又は貴金属複合材料と多量の導電性押込
み粒子404との混合物(図を明瞭にするために押込み
粒子のみが示されている)で構成されている。即ち、導
電性押込み粒子404は、導電性エラストマー材料41
0における残りの材料と共に基板400上に付着させら
れている。
【0033】導電性エラストマー材料410内での導電
性押込み粒子404の分布は、導電性エラストマー材料
410の表面近傍であるとして示されている。何故なら
ば、導電性押込み粒子404は、導電性エラストマー材
料410の塗布の間に、基板400で跳ねるであろうか
らである。即ち、導電性エラストマー材料410がスプ
レー塗布によって基板400へ塗布される際に、導電性
押込み粒子404は、基板400で跳ねるであろう。勿
論、導電性押込み粒子404についてのこの位置は、そ
れらの機能(例えば、それらと接触することになる導電
性表面上の酸化物を脇へ押すこと)からして好ましい。
導電性エラストマー材料410における導電性押込み粒
子404の量は、それらの適切な機能を確実にするの
に、通常は公称で5重量%を必要とするだけである。
【0034】図6を参照するに、貴金属材料基板又は貴
金属複合材料基板400の断面図が示されており、その
貴金属材料基板又は貴金属複合材料基板は、それへグラ
フトされている導電性エラストマー材料420を有して
いる。この具体的な実施形態においては、導電性エラス
トマー材料420は、弾性材料と多量の導電性フレーク
と熱可塑性エラストマー材料と導電性熱可塑性高分子材
料と貴金属材料又は貴金属複合材料と多量の導電性孔明
け粒子406との混合物(図を明瞭にするために孔明け
粒子のみが示されている)で構成されている。即ち、導
電性孔明け粒子406は、導電性エラストマー材料42
0における残りの材料と共に基板400上に付着させら
れている。
【0035】導電性エラストマー材料420内での導電
性孔明け粒子406の分布は、導電性エラストマー材料
420の表面近傍であるとして示されている。何故なら
ば、導電性孔明け粒子406は、導電性エラストマー材
料420の塗布の間に、基板400で跳ねるであろうか
らである。即ち、導電性エラストマー材料420がスプ
レー塗布によって基板400へ塗布される際に、導電性
孔明け粒子406は、基板400で跳ねるであろう。勿
論、導電性孔明け粒子406についてのこの位置は、そ
れらの機能(例えば、それらと接触することになる導電
性表面上の酸化物に孔を明けること)からして好まし
い。導電性エラストマー材料420における導電性孔明
け粒子406の量は、それらの適切な機能を確実にする
のに、通常は公称で5重量%を必要とするだけである。
【0036】ここで、導電性孔明け粒子と導電性押込み
粒子とを有しているものを含む、上述した導電性エラス
トマー材料は、導電性表面、導電性トレース、導電性塗
膜、又は弾性を有する他の導電性要素が必要とされてい
るところの、多くの用途で利用され得るということが、
留意されるべきである。
【0037】本発明は、本明細書に記載されている特定
の実施形態によってその範囲が限定されるべきではな
い。実際、本明細書に記載されているものに加えて、上
述した記載及び添付図面からの本発明の種々の変更が、
当業者には明らかであろう。従って、そのような変更
は、特許請求の範囲内のものであるとして意図されてい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】複数の導電性コンタクトパッドを有している回
路板であって、それらの導電性コンタクトパッドは、半
導体ダイにおける導電性コンタクトポイントとの電気的
接続を行うための、そこへグラフトされている、本発明
に係る導電性エラストマー材料を有している、ものの部
分の斜視図である。
【図2】複数の導電性コンタクトパッドを有している回
路板であって、それらの導電性コンタクトパッドは、半
導体ダイにおける導電性コンタクトポイントとの電気的
接続を行うための、そこへグラフトされている、本発明
に係る導電性エラストマー材料を有している、ものの分
解断面図である。
【図3】貴金属材料基板又は貴金属複合材料基板であっ
て、そこへグラフトされている、本発明に係る、埋め込
まれた導電性押込み粒子を備えている導電性エラストマ
ー材料を有しているものの断面図である。
【図4】貴金属材料基板又は貴金属複合材料基板であっ
て、そこへグラフトされている、本発明に係る、埋め込
まれた導電性孔明け粒子を備えている導電性エラストマ
ー材料を有しているものの断面図である。
【図5】貴金属材料基板又は貴金属複合材料基板であっ
て、そこへグラフトされている、本発明に係る、導電性
押込み粒子を備えている導電性エラストマー材料を有し
ているものの断面図である。
【図6】貴金属材料基板又は貴金属複合材料基板であっ
て、そこへグラフトされている、本発明に係る、導電性
孔明け粒子を備えている導電性エラストマー材料を有し
ているものの断面図である。
【符号の説明】
300 取付ハードウェア 302 導電性エラストマー材料 400 貴金属材料基板又は貴金属複合材料基板 402 導電性エラストマー材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H05K 3/32 H05K 3/32 A (72)発明者 アーサー ジー.ミショード アメリカ合衆国,02740 マサチューセ ッツ,ニュー ベッドフォード,コリン ズ ストリート 13 (72)発明者 マーク ジー.ハンラーハン アメリカ合衆国,01460 マサチューセ ッツ,リトル コモン,アダムス スト リート 11ビー (72)発明者 ニール エヌ.シルヴァ アメリカ合衆国,02828 ロード アイ ランド,グリーンヴィル,スペンサー ロード 34 (56)参考文献 特開 平4−346848(JP,A) 特開 昭61−268732(JP,A) 特開 昭49−125885(JP,A) 特開 昭61−82609(JP,A) 特開 昭57−28175(JP,A) 特開 平9−53049(JP,A) 特開 昭62−280268(JP,A) 実開 昭57−102172(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 1/20 H01B 1/00 H01R 11/01 501 C09D 5/24 H05K 1/14 H05K 3/32

Claims (47)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気的相互接続体であって、 外面を有する基板であって、導電性金属材料で形成され
    ているものと、 前記基板の前記外面の少なくとも一部へグラフトされて
    いる導電性エラストマーであって、非導電性弾性材料と
    多量の導電性フレークと熱可塑性エラストマー材料と導
    電性熱可塑性高分子材料と導電性金属材料との混合物で
    形成されているものと、 を具備する電気的相互接続体。
  2. 【請求項2】 前記基板が、貴金属材料で形成されてい
    る請求項1に記載の電気的相互接続体。
  3. 【請求項3】 前記基板が、貴金属複合材料で形成され
    ている請求項1に記載の電気的相互接続体。
  4. 【請求項4】 前記導電性エラストマー中の前記導電性
    金属材料が、貴金属材料で形成されている請求項1に記
    載の電気的相互接続体。
  5. 【請求項5】 前記導電性エラストマー中の前記導電性
    金属材料が、貴金属複合材料で形成されている請求項1
    に記載の電気的相互接続体。
  6. 【請求項6】 前記導電性熱可塑性高分子材料が、熱可
    塑性材料鎖コアーを備えている導電性熱可塑性重合体鎖
    であり、前記熱可塑性材料鎖コアーは、この熱可塑性材
    料鎖コアーから延出している枝のうちの少なくとも幾つ
    かの枝の端部に導電性材料を有している請求項1に記載
    の電気的相互接続体。
  7. 【請求項7】 前記導電性エラストマーの前記基板への
    グラフトが、熱処理によって行われる請求項1に記載の
    電気的相互接続体。
  8. 【請求項8】 前記導電性エラストマーの前記基板への
    グラフトが、放射線照射によって行われる請求項1に記
    載の電気的相互接続体。
  9. 【請求項9】 前記導電性エラストマーの前記基板への
    グラフトが、圧縮によって行われる請求項1に記載の電
    気的相互接続体。
  10. 【請求項10】 前記導電性フレークが、固体導電性材
    料で形成されている請求項1に記載の電気的相互接続
    体。
  11. 【請求項11】 前記導電性フレークが、導電性材料で
    コートされている半導電性材料で形成されている請求項
    1に記載の電気的相互接続体。
  12. 【請求項12】 前記導電性フレークが、導電性材料で
    コートされている非導電性材料で形成されている請求項
    1に記載の電気的相互接続体。
  13. 【請求項13】 前記導電性エラストマーが、外面を有
    しており、且つ、前記導電性エラストマーが、更に、前
    記混合物中の多量の導電性粒子で、前記導電性粒子のう
    ちの少なくとも幾らかの導電性粒子が前記導電性エラス
    トマーの前記外面に沿って存在するようにして、形成さ
    れている請求項1に記載の電気的相互接続体。
  14. 【請求項14】 前記導電性粒子が、それらと接触する
    ことになる導電性表面上に形成されているかも知れない
    ところの酸化物又は他の汚染物を脇へ押すべく、丸みを
    付けられた外面を有している請求項13に記載の電気的
    相互接続体。
  15. 【請求項15】 前記導電性粒子が、通常、50μmの
    平均粒度を有している請求項14に記載の電気的相互接
    続体。
  16. 【請求項16】 前記導電性粒子が、それらと接触する
    ことになる導電性表面上に形成されているかも知れない
    ところの酸化物又は他の汚染物に孔を明けるべく、ぎざ
    ぎざを付けられた外面を有している請求項13に記載の
    電気的相互接続体。
  17. 【請求項17】 前記導電性粒子が、通常、40μmの
    平均粒度を有している請求項16に記載の電気的相互接
    続体。
  18. 【請求項18】 前記導電性粒子が、固体導電性材料で
    形成されている請求項13に記載の電気的相互接続体。
  19. 【請求項19】 前記導電性粒子が、導電性材料でコー
    トされている半導電性材料で形成されている請求項13
    に記載の電気的相互接続体。
  20. 【請求項20】 前記導電性粒子が、導電性材料でコー
    トされている非導電性材料で形成されている請求項13
    に記載の電気的相互接続体。
  21. 【請求項21】 前記導電性エラストマーが、外面を有
    しており、且つ、前記導電性エラストマーが、更に、前
    記導電性エラストマーの前記外面に埋め込まれている多
    量の導電性粒子で形成されている請求項1に記載の電気
    的相互接続体。
  22. 【請求項22】 前記導電性粒子が、それらと接触する
    ことになる導電性表面上に形成されているかも知れない
    ところの酸化物又は他の汚染物を脇へ押すべく、丸みを
    付けられた外面を有している請求項21に記載の電気的
    相互接続体。
  23. 【請求項23】 前記導電性粒子が、通常、50μmの
    平均粒度を有している請求項22に記載の電気的相互接
    続体。
  24. 【請求項24】 前記導電性粒子が、それらと接触する
    ことになる導電性表面上に形成されているかも知れない
    ところの酸化物又は他の汚染物に孔を明けるべく、ぎざ
    ぎざを付けられた外面を有している請求項21に記載の
    電気的相互接続体。
  25. 【請求項25】 前記導電性粒子が、通常、40μmの
    平均粒度を有している請求項24に記載の電気的相互接
    続体。
  26. 【請求項26】 前記導電性粒子が、固体導電性材料で
    形成されている請求項21に記載の電気的相互接続体。
  27. 【請求項27】 前記導電性粒子が、導電性材料でコー
    トされている半導電性材料で形成されている請求項21
    に記載の電気的相互接続体。
  28. 【請求項28】 前記導電性粒子が、導電性材料でコー
    トされている非導電性材料で形成されている請求項21
    に記載の電気的相互接続体。
  29. 【請求項29】 非導電性弾性材料と多量の導電性フレ
    ークと熱可塑性エラストマー材料と導電性熱可塑性高分
    子材料と導電性金属材料との混合物で形成されている導
    電性エラストマー。
  30. 【請求項30】 前記導電性金属材料が、貴金属材料で
    形成されている請求項29に記載の導電性エラストマ
    ー。
  31. 【請求項31】 前記導電性金属材料が、貴金属複合材
    料で形成されている請求項29に記載の導電性エラスト
    マー。
  32. 【請求項32】 前記導電性熱可塑性高分子材料が、熱
    可塑性材料鎖コアーを備えている導電性熱可塑性重合体
    鎖であり、前記熱可塑性材料鎖コアーは、この熱可塑性
    材料鎖コアーから延出している枝のうちの少なくとも幾
    つかの枝の端部に導電性材料を有している請求項29に
    記載の導電性エラストマー。
  33. 【請求項33】 前記非導電性弾性材料と前記多量の導
    電性フレークと前記熱可塑性エラストマー材料と前記導
    電性熱可塑性高分子材料と前記導電性材料とが、最初は
    溶剤中に懸濁させられている請求項29に記載の導電性
    エラストマー。
  34. 【請求項34】 前記導電性フレークが、固体導電性材
    料で形成されている請求項29に記載の導電性エラスト
    マー。
  35. 【請求項35】 前記導電性フレークが、導電性材料で
    コートされている半導電性材料で形成されている請求項
    29に記載の導電性エラストマー。
  36. 【請求項36】 前記導電性フレークが、導電性材料で
    コートされている非導電性材料で形成されている請求項
    29に記載の導電性エラストマー。
  37. 【請求項37】 前記混合物中に散在させられている多
    量の導電性粒子を更に具備する請求項29に記載の導電
    性エラストマー。
  38. 【請求項38】 前記導電性粒子が、それらと接触する
    ことになる導電性表面上に形成されているかも知れない
    ところの酸化物又は他の汚染物を脇へ押すべく、丸みを
    付けられた外面を有している請求項37に記載の導電性
    エラストマー。
  39. 【請求項39】 前記導電性粒子が、通常、50μmの
    平均粒度を有している請求項38に記載の導電性エラス
    トマー。
  40. 【請求項40】 前記導電性粒子が、それらと接触する
    ことになる導電性表面上に形成されているかも知れない
    ところの酸化物又は他の汚染物に孔を明けるべく、ぎざ
    ぎざを付けられた外面を有している請求項37に記載の
    導電性エラストマー。
  41. 【請求項41】 前記導電性粒子が、通常、40μmの
    平均粒度を有している請求項40に記載の導電性エラス
    トマー。
  42. 【請求項42】 前記導電性粒子が、固体導電性材料で
    形成されている請求項37に記載の導電性エラストマ
    ー。
  43. 【請求項43】 前記導電性粒子が、導電性材料でコー
    トされている半導電性材料で形成されている請求項37
    に記載の導電性エラストマー。
  44. 【請求項44】 前記導電性粒子が、導電性材料でコー
    トされている非導電性材料で形成されている請求項37
    に記載の導電性エラストマー。
  45. 【請求項45】 導電性エラストマーを金属基板へグラ
    フトする方法であって、 基板を用意するステップであって、前記基板は外面を有
    していると共に導電性貴金属材料で形成されている、も
    のと、 導電性エラストマーを前記基板の前記外面へ付着させる
    ステップであって、前記導電性エラストマーは非導電性
    弾性材料と多量の導電性フレークと熱可塑性エラストマ
    ー材料と導電性熱可塑性高分子材料と導電性金属材料と
    の混合物で形成されている、ものと、 前記基板と前記導電性エラストマーとを熱処理にさら
    し、もって、前記導電性エラストマーにおける重合体鎖
    が、前記基板における重合体鎖へグラフトされるステッ
    プと、 を具備する方法。
  46. 【請求項46】 前記導電性エラストマーが、更に、前
    記混合物中に散在させられている多量の導電性粒子で、
    前記基板と前記導電性エラストマーとを前記熱処理にさ
    らした後には前記導電性粒子のうちの少なくとも幾らか
    の導電性粒子が前記導電性エラストマーの外面に沿って
    存在するようにして、形成されている請求項45に記載
    の方法。
  47. 【請求項47】 前記基板と前記導電性エラストマーと
    を前記熱処理にさらす前に、多量の導電性粒子を前記導
    電性エラストマーの外面へ付着させ、もって、前記多量
    の導電性粒子が、前記導電性エラストマーの前記外面に
    埋め込まれるステップを更に具備する請求項45に記載
    の方法。
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