JP3441476B2 - 撮影装置用の防水型パック - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラ等の撮影
装置を収納して雨天時、降雪時又は水中撮影するための
撮影装置用の防水型パックに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の撮影装置用の防水型パックとし
ては、同一出願人に係る特開平４−５２６３０号明細書
及び図面に開示された構成のものが従来例として周知で
ある。この従来例の撮影装置用の防水型パックは、その
本体を長手方向に沿って縦割りにして、左右両側の一対
のハーフキャビネットを形成し、そのハーフキャビネッ
トの下部にヒンジ部を設けて開閉自在に連結し、上部に
バックルを取り付けて両者の合体を維持させる構成にな
っている。

【０００３】そして、図５及び図６に示したように、ハ
ーフキャビネットａ，ｂの突き合わせ端部に沿って防水
用のパッキンｃを介在させ、該防水用のパッキンｃを締
め付けることにより防水を図っている。この突き合わせ
端部の構成は、一方のハーフキャビネットｂにおいて
は、その断面を略コ字状に形成し、該コ字状内に防水用
のパッキンｃが収納され、他方のハーフキャビネットａ
の端部においては、その断面Ｌ字状に形成し、該Ｌ字状
の凹部が前記防水用のパッキンｃを押し潰して防水が図
れるようになっている。

【０００４】また、撮影装置用の防水型パックには、ビ
デオカメラ等の撮影装置が収納され、防水型パックの外
部からビデオカメラが操作できるようにするために、防
水型パックの外面に配設されている操作ボタンに接続し
た複数本のケーブルが装備されており、そのケーブルの
端部にビデオカメラとの接続用のプラグが取り付けられ
ている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来例において
は、図５に示した状態がハーフキャビネットの適正な合
体状態であり、防水用のパッキンｃが適正に押し潰され
水漏れが防止されている。ところが、ハーフキャビネッ
トの合体が少しでもずれて、或はハーフキャビネットに
少しでも歪みが生ずると、全体的に又は一部においてハ
ーフキャビネットの合体が適正な状態にならず、図６に
示したように、防水用のパッキンが適正に押し潰されな
くなる部分が生じたりして、部分的に水漏れ現象が生ず
ると云う問題点を有している。

【０００６】また、ビデオカメラ用の防水型パック内に
複数本のケーブルが取り付けられている場合には、その
自由端部、特にプラグ部分がフリーの状態にあるので、
防水型パックを持ち運ぶ際にパック内部で踊り、パック
内部またはガラスにぶつかって損傷させるばかりでな
く、防水型パックの開閉時にハーフキャビネットからは
み出すことが多く、それに気が付かないで閉めたりする
と、突き合わせ端部を変形させたり、或は防水用のパッ
キンを傷めたりする。

【０００７】従って、従来例においては、ハーフキャビ
ネットの突き合わせ端部の合体の不整及び防水用のパッ
キンの変形による水漏れ防止と、内部に装備したケーブ
ルの始末とに解決しなければならない課題を有してい
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前記従来例の課題を解決
する具体的手段として本発明は、撮影装置を撮影可能に
キャビネット内に収納し、該キャビネット外面に設けら
れた操作ボタンにより前記撮影装置を操作するように構
成し、前記キャビネットは２分割して開閉自在とし、且
つ合体の端部にパッキンを配設した撮影装置用の防水型
パックであって、該パッキンが配設される端部におい
て、一方を断面略コ字状に形成して前記パッキンを収納
し、他方を断面略Ｌ字状に形成し且つ内側寄りに前記パ
ッキンが内側にずれるのを防止する連続又は不連続のリ
ブを突出形成すると共に、上記キャビネット内には、上
記操作ボタンの操作信号を内部の撮影装置に電気的に接
続するためのケーブルの端部を収納支持する収納部を設
けたことを特徴とする撮影装置用の防水型パックを提供
するものであり、また、上記収納部は、防水型パックの
構成部材と一体的に又は防水型パック内に配設される他
の部材に形成されることを付加的な要件とするものであ
る。

【０００９】

【作用】防水用のパッキンが配設される端部構成におい
て、断面略Ｌ字状の凹部の内側寄りにリブを突出形成し
たことにより、パッキンのずれ又は逃げを防止し、合体
の端部でパッキンに適正な押し潰し圧が掛かるようにな
る。また、防水型パック内に配設されたビデオカメラと
の接続用ケーブルは、その自由端部の接続用のプラグが
収納部に収納支持されるので防水型パック内で踊ること
がない。

【００１０】

【実施例】次に、本発明を図示の実施例により更に詳し
く説明すると、図１及び図２は撮 影装置用の防水型パッ
ク１の全体を示すものであり、該撮影装置用の防水型パ
ック１は長さ方向に沿って縦方向に２分割された一方の
ハーフキャビネット２と、他方のハーフキャビネット３
とで構成され、底部において適宜の蝶番又はヒンジによ
り開閉自在に連結されている。

【００１１】一方のハーフキャビネット２には、その前
後端部に、内部に収納した撮影装置であるビデオカメラ
のレンズ部が臨む透明ガラス窓部４と、ビューファイン
ダーが臨むアイカップ５とが設けられ、上面には複数の
バックルの係止部６とライト取付部７とが設けられてい
る。

【００１２】他方のハーフキャビネット３には、その上
面に前記係止部６に係合する開閉自在な複数のバックル
８と、ズームボタン９と、マイクロホン１０とが設けら
れると共に、側面にスタンバイスイッチ１１、スタート
／ストップボタン１２及びグリップベルト１３が取り付
けられ、更に背面側にショルダーベルト取付部１４が設
けられている。

【００１３】このハーフキャビネット３の内側には、図
３に示したように、前記各スイッチ又はボタンを操作し
て駆動される回路基板の基板カバー１５が取り付けら
れ、該基板カバー１５からリモコンケーブル１６が取り
出されると共に、前記マイクロホン１０に接続したマイ
クケーブル１７が取り出されている。

【００１４】これら各ケーブル１６、１７の自由端部に
は夫々プラグ１６ａ、１７ａが取り付けてあり、収納さ
れるビデオカメラの所定位置に挿着して電気的に接続さ
れるようになっている。

【００１５】前記基板カバー１５には、その所定の側面
に前記プラブ１６ａ、１７ａが収納又は保持されるプラ
グ収納部１８が設けられている。このプラブ収納部１８
は、例えば、一対の角状に突出形成した突起間にプラグ
先端を挿着するように構成しても良く、また板状部を突
出形成し、その板状部に単に複数の孔をあけて、その孔
にプラグ先端を挿着させる構成にしても良い。要は、プ
ラグ先端が支持される構成であれば良いのである。

【００１６】このようにプラグ収納部１８を設けること
によって、ビデオカメラが収納されない時に、各ケーブ
ル１６，１７のプラグ１６ａ，１７ａが夫々収納部１８
に収納支持されてブラブラせず、パックを開閉する際に
両ハーフキャビネット２，３間に挟み込むことがない。

【００１７】また、前記ハーフキャビネット３は、その
底部内側にビデオカメラの台座が取り付けられるための
取付部１９が張り出した状態で形成されると共に、底部
外側には前記一方のハーフキャビネット２と連結させる
ための蝶番又はヒンジ２０が形成され、且つこの蝶番又
はヒンジを囲うようにして脚部２１が一体に形成されて
いる。

【００１８】これらハーフキャビネット２，３における
合体の端部において、図４に示したように、パッキン２
２が介在して防水又は止水を行うものである。このパッ
キン２２が収納配設される他方のハーフキャビネット３
側において、合体の端部に断面略コ字状の収納部２３が
形成され、一方のハーフキャビネット２側において、基
本的には断面Ｌ字状の当接部２４が形成されている。

【００１９】前記他方のキャビネット３における断面コ
字状の収納部２３は、外側張出部２３ａと内側張出部２
３ｂとを有し、内側張出部２３ｂが稍々長く突出して形
成されている。また前記一方のハーフキャビネット２に
おける断面Ｌ状の当接部２４は、外側張出部２４ａが形
成され、内側には僅かに突出させたリブ２５が連続又は
不連続に形成されている。

【００２０】このようにリブ２５を設けることにより、
ハーフキャビネット２，３を合体させた際に、パッキン
２２の押し潰される状態が、一方においては収納部２３
内で適正に行われ、他方においては外側張出部２４ａと
リブ２５との間で適正に行われるようになる。

【００２１】そして、仮に合体端部が多少変形しても、
リブ２５が内側張出部２３ｂの内側に位置してパッキン
２２がずれないように支持するので、パッキン２２の押
し潰しが不十分であっても、止水及び防水機能が発揮さ
れ水漏れの心配がほとんどないのである。尚、図中符号
２６は水漏れ検出部である。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように本発明に係る撮影装
置用の防水型パックは、撮影装置を撮影可能にキャビネ
ット内に収納し、該キャビネット外面に設けられた操作
ボタンにより前記撮影装置を操作するように構成し、前
記キャビネットは２分割して開閉自在とし、且つ合体の
端部にパッキンを配設した撮影装置用の防水型パックで
あって、該パッキンが配設される端部において、一方を
断面略コ字状に形成して前記パッキンを収納し、他方を
断面略Ｌ字状に形成し且つ内側寄りに前記パッキンが内
側にずれるのを防止する連続又は不連続のリブを突出形
成すると共に、上記キャビネット内には、上記操作ボタ
ンの操作信号を内部の撮影装置に電気的に接続するため
のケーブルの端部を収納支持する収納部を設けた構成と
することにより、仮に合体の端部が変形したりパッキン
がずれたりしても、そのパッキンを一方においてはコ字
状の内面で、他方においてはＬ字状の内側とリブとによ
って適正な状態に修正して押し潰すようになり、パック
としての水漏れが防止できると云う優れた効果を奏す
る。

【００２３】また、防水型パック内に配設した各種ケー
ブルの端部、即ちプラグを収納支持する収納部を設けた
構成としたことにより、プラグが防水型パック内で踊ら
なくなり、防水型パック内部又はガラス窓のガラスを傷
つけたりしないばかりでなく、防水型パックの開閉時に
ケーブル又はプラグを挟み付けることがなくなるので、
従来生じていたケーブル又はプラグの挟み付けによる合
体端部の変形又はパッキンの変形の虞が解消し、それに
よっても防水型パックの防水が効果的に行われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る撮影装置用の防水型パックの正面
側斜視図である。

【図２】同撮影装置用の防水型パックの背面側斜視図で
ある。

【図３】同撮影装置用の防水型パックの分割された一方
のハーフキャビネットの内側を示す側面図である。

【図４】同撮影装置用の防水型パックの合体端部を拡大
して示した断面図である。

【図５】従来例に係る撮影装置用の防水型パックの合体
端部を拡大して示した断面図である。

【図６】同合体端部の不整合状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 撮影装置用の防水型パック ２，３ ハーフキャビネット ４ フロントガラス ５ アイカップ ６ 係止部 ７ ライト取付部 ８ バックル ９ ズームボタン １０ マイクロホン １１ スタンバイスイッチ １２ スタート／ストップボタン １３ グリップベルト １４ ショルダーベルト取付部 １５ 基板カバー １６ リモコンケーブル １６ａ，１７ａ プラグ １７ マイクケーブル １８ プラグ収納部 １９ 台座の取付部 ２０ 蝶番又はヒンジ ２１ 脚部 ２２ 防水用のパッキン ２３ 断面略コ字状の収納部 ２３ａ，２４ａ 外側張出部 ２３ｂ 内側張出部 ２４ 断面略Ｌ字状の当接部 ２５ リブ ２６ 水漏れ検出部

フロントページの続き (72)発明者 青山 静雄 東京都葛飾区金町２ー16ー12 株式会社 アサヒ内 (56)参考文献 特開 平４−52630（ＪＰ，Ａ) 実開 昭61−126968（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−83278（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04N 5/225 G11B 33/02 306 G03B 17/08

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 撮影装置を撮影可能にキャビネット内に
   収納し、該キャビネット外面に設けられた操作ボタンに
   より前記撮影装置を操作するように構成し、前記キャビ
   ネットは２分割して開閉自在とし、且つ合体の端部にパ
   ッキンを配設した撮影装置用の防水型パックであって、 該パッキンが配設される端部において、一方を断面略コ
   字状に形成して前記パッキンを収納し、他方を断面略Ｌ
   字状に形成し且つ内側寄りに前記パッキンが内側にずれ
   るのを防止する連続又は不連続のリブを突出形成すると
   共に、上記キャビネット内には、上記操作ボタンの操作信号を
   内部の撮影装置に電気的に接続するためのケーブルの端
   部を収納支持する収納部を設けたこと を特徴とする撮影
   装置用の防水型パック。
2. 【請求項２】 上記収納部は、防水型パックの構成部材
   と一体的に又は防水型パック内に配設される他の部材に
   形成されることを特徴とする請求項１に記載の撮影装置
   用の防水型パック。