JP2007279498A - 防水構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】省スペースで効果的に防水できる防水構造を提供する。
【解決手段】電池蓋42と開口部44との間を密閉するパッキン70が、中空状に形成され、外周面上に内部の空洞部70Aに通じる連通部70Bが形成される。パッキン70は、電池蓋42を閉じると押しつぶされ、開くと弾性復帰する。電池蓋42を開く際、空洞部70Aが膨張し、パッキン周囲の水滴が連通部70Bから空洞部70Aに吸い込まれる。また、空洞部70Aに吸い込まれた水滴は、電池蓋42を閉めることにより、空洞部70Aが押しつぶされ、連通部70Bから外部に排出される。
【選択図】 図6

Description

本発明は防水構造に係り、特に蓋によって開閉される開口部をパッキンで防水する防水構造に関する。
電子機器であるデジタルカメラは、内部に水が浸入すると、故障の原因となる。このため、デジタルカメラは、電池蓋やメモリカードカバー、端子カバーなどの開閉部に防水処理が施される。
従来、この種の防水処理としては、一般に開閉部にゴムパッキンを取り付ける方法が知られている。
一方、特許文献1では、ゴムパッキンに代えて発泡材からなる防滴部材を取り付けるとともに、吸水性の高い発泡材又は吸水シートからなる吸水部材を取り付けることが提案されている。
特開平8−62692号公報
しかしながら、特許文献1のように、防滴部材に加えて吸水部材を取り付ける構成とすると、吸水部材を取り付けるためのスペースを別途用意しなければならず、カメラが大型化するという欠点がある。また、特許文献1の吸水部材は、吸収した水分が排出されずに保持されるため、一度水分を吸収してしまうと、まったく効果がなくなるという欠点もある。
本発明は、このような事情に鑑みて成されたもので、省スペースで効果的に防水できる防水構造を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、前記目的を達成するために、開口部の周囲を囲うようにパッキンが配置され、前記開口部を開閉する蓋で前記パッキンを押圧して、前記開口部と前記蓋との間を密封する防水構造であって、前記パッキンは、水不透過性を有する弾性材によって環状に形成され、内部に空洞部が形成されるとともに、該空洞部に通じる連通部が外周面上に形成され、前記蓋が開けられると、前記蓋による押圧が解除されて、前記空洞部の容積が膨張し、外界の水滴を前記連通部から前記空洞部内に吸収するとともに、前記蓋が閉められると、前記蓋に押圧されて、前記空洞部の容積が収縮し、前記空洞部内に吸収した水滴を前記連通部から外界に排出することを特徴とする防水構造を提供する。
請求項1に係る発明によれば、蓋が開けられると、パッキンが弾性復帰し、パッキン内部に形成された空洞部の容積が膨張する。これにより、たとえば、蓋の隙間に水滴が付着している場合、その水滴を連通部から空洞部内に吸い込むことができる。また、空洞部内に吸収した水滴は、蓋を閉めることにより、連通部から外界に排出することができる。
請求項2に係る発明は、前記目的を達成するために、前記連通部が、前記パッキンの断面において水が浸入してくる外界側に形成されることを特徴とする請求項1に記載の防水構造を提供する。
請求項2に係る発明によれば、連通部をパッキンの断面において水が浸入してくる外界側に形成することにより、連通部から効率よく水を吸収することができる。
請求項3に係る発明は、前記目的を達成するために、前記パッキンの空洞部に吸水性を有する吸水部材が充填されることを特徴とする請求項1又は2に記載の防水構造を提供する。
請求項3に係る発明によれば、パッキンの空洞部に吸水部材が充填される。これにより、より効果的に空洞部内に水滴を吸収することができる。また、吸水部材は、蓋を閉めることにより、パッキンと共に押しつぶされるので、水分を吸った場合であっても、その吸った水分を排出することができ、吸水効果を継続して維持することができる。さらに、吸水部材はパッキンの空洞部内に配置されるため、別途設置スペースを確保する必要がなく、省スペースな構成にすることができる。
本発明に係る防水構造によれば、省スペースで効果的に防水することができる。
以下、添付図面に従って本発明に係る防水構造を実施するための最良の形態について詳説する。
なお、本実施の形態では、本発明をデジタルカメラの電池蓋の防水構造に適用した場合を例に説明する。
図1〜図3は、それぞれ本発明が適用されたデジタルカメラの外観構成を示す正面斜視図、背面斜視図、底面斜視図である。
同図に示すように、本実施の形態のデジタルカメラ10のカメラボディ12は、薄い矩形の箱状に形成されている。このカメラボディ12の正面には、図1に示すように、撮影レンズ14、ストロボ16、ファインダ窓18等が設けられており、上面には、シャッタボタン20、電源スイッチ22等が設けられている。
撮影レンズ14は、沈胴式のズームレンズで構成されており、撮影時にカメラボディ12から繰り出される。
シャッタボタン20は、いわゆる「半押し」と「全押し」とからなる2段ストローク式のスイッチで構成されており、このシャッタボタン20の「半押し」によってAE(Automatic Exposure)、AF(Auto Focus)が行われ、「全押し」によって画像の記録が行われる。
カメラボディ12の背面には、図2に示すように、モニタ24、ファインダ接眼部26、モードスイッチ28、マクロボタン30、ズームレバー32、ストロボボタン34、フォトモードボタン36、MENU/OKボタン38、BACKボタン40等が設けられている。
モニタ24は、カラー表示が可能な液晶モニタで構成されている。このモニタ24は、撮影済み画像の表示画面として利用されるとともに、各種設定時にユーザインターフェースとして利用される。また、撮影時には、必要に応じてスルー画像が表示され、画角確認用の電子ファインダとして利用される。
モードスイッチ28は、モードの切り替えを指示するスイッチとして機能し、「再生位置」と「撮影位置」との間をスライド自在に設けられている。デジタルカメラ10は、このモードスイッチ28を「再生位置」に合わせることにより、「再生モード」に設定され、「撮影位置」に合わせることにより、「撮影モード」に設定される。そして、「再生モード」に設定することにより、撮影済み画像の再生が可能になり、「撮影モード」に設定することにより、画像の撮影が可能になる。
マクロボタン30は、撮影時にマクロ機能の切り替えを指示するボタンとして機能するとともに、再生時に画像のコマ戻しを指示するボタンとして機能する。また、メニュー画面等でカーソルの左方向の移動を指示するボタンとして機能する。
ズームレバー32は、上下方向に揺動自在に設けられており、撮影時にズーミングを指示するレバーとして機能するとともに、再生時に再生画像の拡大縮小を指示するレバーとして機能する。また、メニュー画面等でカーソルの上下方向の移動を指示するボタンとして機能する。
ストロボボタン34は、撮影時にストロボ機能の切り替えを指示するボタンとして機能するとともに、再生時に画像のコマ送りを指示するボタンとして機能する。また、メニュー画面等でカーソルの右方向の移動を指示するボタンとして機能する。
フォトモードボタン36は、撮影モード等の設定画面をモニタ24に呼び出すボタンとして機能し、このフォトモードボタン36を押してモニタ24に呼び出される画面で撮影画像の記録画素数の設定や感度の設定、色調や階調の設定、プリント予約の設定等が行われる。
MENU/OKボタン38は、メニュー画面の呼び出しを指示するボタンとして機能するとともに(MENUボタンの機能)、選択内容の確定、処理の実行等を指示するボタンとして機能する(OKボタンの機能)。
BACKボタン40は、入力操作のキャンセル等を指示するボタンとして機能するとともに、モニタ表示の切り替えを指示するボタンとして機能する。
カメラボディ12の底面には、図3に示すように、電池蓋42によって開閉される開口部44が設けられている。開口部44の内側には、電池を装填するための電池挿入部46と、メモリカードを装填するためのメモリカードスロット48が設けられている。
電池蓋42は、矩形の板状に形成されており、閉じられることにより、カメラボディ12と一体となって、カメラボディ12の底面の一部を構成する。この電池蓋42は、ヒンジ50によってカメラボディ12の底面に回動自在に支持されており、回動させることにより開口部44を開閉する。
電池蓋42の内側には、先端に凹部52Aを有するロック爪52が形成されている。一方、開口部44の内側には、このロック爪52が嵌入されるロック穴54が形成されている。
ロック穴54には、図4に示すように、横穴54Aが形成されており、横穴54Aからは、ロックピン56が出没自在に設けられている。このロックピン56は、スプリング58によって横穴54Aから突出する方向に付勢されており、電池蓋42が閉じられると、ロック穴54に嵌入されたロック爪52の凹部52Aに嵌入して、電池蓋42をロックする。
また、ロックピン56には、カメラボディ12の底面にスライド自在に設けられたロック解除レバー60が連結されている。ロックピン56によってロックされた電池蓋42は、このロック解除レバー60によってロックピン56をロック穴54から退避させることにより、ロックピン56とロック爪52との係合が解除され、ロックが解除される。
このように電池蓋42によって開閉される開口部44には防水処理が施されており、電池蓋42を閉じた際、開口部44が密閉されるように構成されている。
以下、この電池蓋42と開口部44との間に施された防水構造について説明する。
図3及び図4に示すように、開口部44の周囲には、開口部44を囲うようにしてパッキン収容溝62が形成されている。パッキン収容溝62は、矩形の枠状に形成されており、その内側にはパッキン70が嵌入されている。
図5は、パッキン70の外観構成を示す斜視図である。同図に示すように、パッキン70は、パッキン収容溝62の形状に合致した矩形の輪状に形成されている。このパッキン70は、中空状に形成されており、その断面は円環状に形成されている。また、このパッキン70の外周面には、内部の空洞部70Aに連通する円形状の連通部70Bが一定の間隔をもって多数形成されている。
このパッキン70は、水不透過性を有する弾性材(たとえば、ゴムなど)によって弾性変形可能に形成されており、押しつぶしても、その力を解除することにより、元の形に復帰するように形成されている。
なお、このパッキン70が収容されるパッキン収容溝62は、図4に示すように、その幅がパッキン70の直径とほぼ同じ、若しくは若干小さく形成されるとともに、その深さがパッキン70の直径よりも小さく形成される。これにより、パッキン70をパッキン収容溝62に収容した際、パッキン収容溝62の幅方向に隙間なく収容されるとともに、その一部が突出した状態でパッキン収容溝62に収容される。
また、パッキン収容溝62の外周側の縁部62Aは、円弧状に面取りされており、この面取りされた縁部62Aを臨むようにパッキン70の連通部70Bが配置されている。すなわち、水はパッキン収容溝62の外周側の縁部62Aから進入してくるので、この水が浸入してくる位置にパッキン70の連通部70Bが配置される。
このようにパッキン収容溝62に収容されたパッキン70は、電池蓋42を閉じると、その電池蓋42の内面に押しつぶされて、電池蓋42と開口部44との間を密閉する。また、電池蓋42を開けると、元の形に弾性復帰する。
以上のように構成された本実施の形態の防水構造の作用は次のとおりである。
図6(a)に示すように、電池蓋42を閉じると、パッキン収容溝62に収容されたパッキン70が、電池蓋42の内面に押圧されて、押しつぶされる。これにより、電池蓋42と開口部44との間が密閉される。また、押しつぶされたパッキン70は、図6(b)に示すように、電池蓋42を開けると、押圧力が解除され、元の形に弾性復帰する。
さて、上記のようにパッキン70は、電池蓋42を閉じると、その電池蓋42の内面に押圧されて、押しつぶされるが、これと同時に内部の空洞部70Aも押しつぶされる。押しつぶされた空洞部70Aは、電池蓋42を開けることにより、パッキン70の弾性復元力で膨張する。そして、このパッキン70の空洞部70Aが膨張することにより、パッキン70の空洞部70Aに吸引力が発生し、パッキン周囲の水滴を空洞部70Aに捕捉できるようになる。この結果、たとえば、電池蓋42の周囲に水滴が付着しているような場合であっても、電池蓋42を開ける際、連通部70Bを介してパッキン70の空洞部70Aに吸収でき、開口部44内に入り込むのを有効に防止することができる。
また、パッキン70の空洞部70Aに吸収された水滴は、電池蓋42が閉められて、パッキン70が押しつぶされることにより、連通部70Bを介して外部に排出される。この際、連通部70Bは、パッキン70の外側に形成されているので、開口部44内に入り込むことはなく、効率的に排出することができる。
このように本実施の形態の防水構造によれば、電池蓋42と開口部44とを密閉できることに加えて、電池蓋42の開閉に伴う水滴の進入を有効に防止することができる。
また、既存のパッキン収容溝を利用して構成することができるので、カメラが大型化することもなく、省スペースな構成とすることができる。
なお、本実施の形態では、パッキンの形状を矩形の輪状としているが、パッキンの形状はパッキン収容溝の形状に合わせて適宜変更することが好ましい。
また、本実施の形態では、パッキンの断面形状を円環状としているが、パッキンの断面形状は、これに限定されるものではなく、パッキン収容溝の形状に合わせて適宜変更することが好ましい。たとえば、本実施の形態のパッキン収容溝の場合、断面四角形状のパッキンを用いるようにしてもよい。
さらに、本実施の形態では、パッキンの全周にわたって空洞部を形成しているが、空洞部は部分的に形成するようにしてもよい。
また、内部の空洞部に通じる連通部は、円形状に限らず、図7に示すように、長穴形状の連通部70Bを形成するようにしてもよい。
また、連通部を形成する位置は、上記のように、水の浸入経路に合わせて設定することが好ましく、断面において水が浸入してくる外界側に形成することが好ましい。すなわち、電池蓋42の隙間に通じる位置に形成することが好ましい。これにより、隙間から進入してくる水滴を効率よく捕捉でき、また、効率よく排出することができる。
また、本実施の形態では、パッキンの内部を空洞としているが、図8に示すように、パッキン内部の空洞部70Aにモルトプレーンやスポンジ等の発泡材で構成された吸水部材80を充填するようにしてもよい。これにより、より効率的に水滴を吸収でき、更に防水性能を向上させることができる。
また、吸水部材80は、電池蓋42を閉めることにより、パッキン70と共に電池蓋42に押しつぶされるので、電池蓋42を開ける際に水分を吸収した場合であっても、電池蓋42を閉める動作によって外部に排出することができ、繰り返して使用することができる。これにより、継続的に防水効果を維持することができる。
なお、図8に示す例では、パッキン70の全周にわたってスリット状の連通部70Bを形成しているが、連通部70Bの形状は、これに限定されるものではなく、図5に示すように、円形状の連通部を形成してもよいし、図7に示すように、長穴状の連通部を形成するようにしてもよい。
また、吸水部材80は、吸水性を有し、押しつぶすことにより、吸収した水分を排出可能な構成のものであれよく、たとえば、上記の発泡材の他、いわゆる吸水タオル等に用いられているマイクロファイバ等の繊維で構成することもできる。
また、上記実施の形態では、カメラボディ側にパッキン収容溝を形成し、カメラボディ側にパッキンを取り付ける構成としているが、電池蓋側にパッキン収容溝を形成し、電池蓋側にパッキンを取り付ける構成としてもよい。
また、パッキンへの押圧力を高めるために、パッキン収容溝に嵌入される凸部を電池蓋の内面に形成し、この凸部でパッキンを押圧するようにしてもよい。
なお、上記実施の形態では、本発明をデジタルカメラの電池蓋の防水構造に適用した場合を例に説明したが、本発明の適用は、これに限定されるものではない。たとえば、この他、カメラ(カメラ付き携帯電話機やカメラ付きのPDA等を含む)であれば、メモリカードスロットを開閉する蓋や、電源端子、USB端子、A/V端子等の端子を開閉する蓋などにも適用できる。また、カメラ以外の機器であっても、蓋によって開閉される開口部全般に本発明を適用することができる。特に電気接点を有し、蓋によって開閉される開口部に有効に適用することができる。
本発明が適用されたデジタルカメラの外観構成を示す正面斜視図 本発明が適用されたデジタルカメラの外観構成を示す背面斜視図 本発明が適用されたデジタルカメラの外観構成を示す底面斜視図 防水構造の構成を示す断面図 パッキンの構成を示す斜視図 防水構造の作用の説明図 パッキンの他の実施の形態の構成を示す斜視図 パッキンの他の実施の形態の構成を示す斜視図
符号の説明
10…デジタルカメラ、12…カメラボディ、14…撮影レンズ、16…ストロボ、18…ファインダ窓、20…シャッタボタン、22…電源スイッチ、24…モニタ、26…ファインダ接眼部、28…モードスイッチ、30…マクロボタン、32…ズームレバー、34…ストロボボタン、36…フォトモードボタン、38…MENU/OKボタン、40…BACKボタン、42…電池蓋、44…開口部、46…電池挿入部、48…メモリカードスロット、50…ヒンジ、52…ロック爪、52A…凹部、54…ロック穴、54A…横穴、56…ロックピン、58…スプリング、60…ロック解除レバー、62…パッキン収容溝、70…パッキン、70A…空洞部、70B…連通部、80…吸水部材

Claims (3)

  1. 開口部の周囲を囲うようにパッキンが配置され、前記開口部を開閉する蓋で前記パッキンを押圧して、前記開口部と前記蓋との間を密封する防水構造であって、
    前記パッキンは、水不透過性を有する弾性材によって環状に形成され、内部に空洞部が形成されるとともに、該空洞部に通じる連通部が外周面上に形成され、前記蓋が開けられると、前記蓋による押圧が解除されて、前記空洞部の容積が膨張し、外界の水滴を前記連通部から前記空洞部内に吸収するとともに、前記蓋が閉められると、前記蓋に押圧されて、前記空洞部の容積が収縮し、前記空洞部内に吸収した水滴を前記連通部から外界に排出することを特徴とする防水構造。
  2. 前記連通部が、前記パッキンの断面において水が浸入してくる外界側に形成されることを特徴とする請求項1に記載の防水構造。
  3. 前記パッキンの空洞部に吸水性を有する吸水部材が充填されることを特徴とする請求項1又は2に記載の防水構造。
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