JP3440688B2 - 2ピースシームレスアルミニウム容器とその製造方法 - Google Patents
2ピースシームレスアルミニウム容器とその製造方法Info
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Description
たような明るい外観を有する合成樹脂で被覆した2ピー
スシームレスアルミニウム缶とその製造方法に関する。
シームレスアルミニウム容器は絞り工程を2回行った
後、しごき工程を3回ウエット潤滑で行って胴壁部、胴
上部の平均薄肉化率約62%の容器とした。このような
方法では洗浄工程が必要となり廃水処理、スラッジの発
生等の問題があり、後工程で内面に塗料を塗装する必要
があった。得られる容器は金属光沢はあるが、明度が暗
く、彩度が濃いため印刷下地には適していない。合成樹
脂を被覆したアルミニウム板を用いて上記の従来方法で
成形すると被覆樹脂層が損傷し接着界面にかかる歪が増
加するため接着力が低下する欠点が生ずる。
樹脂被覆とアルミニウム表面の接着性を改善し、ネック
フランジ、巻締等の加工性を向上させるとともに外面を
パール顔料を施したような明度が明るく彩度の薄い、容
器を提供するものである。
した2ピースシームレス容器において、容器内面が、
底部の表面粗さRa(B)がRa(B)≦0.5μmで
あり、胴壁部の表面粗さRa(W)と胴上部の表面粗
さRa(F)がRa(W)<Ra(F)であり、表面
粗さのパターンを示す係数(Rz/Ra)について底部
(B)と上部(F)との間に(Rz/Ra)(F)≧
(Rz/Ra)(B)の関係を満していることを特徴と
する、合成樹脂を被覆した2ピースシームレスアルミニ
ウム容器。2 . 合成樹脂を被覆したアルミニウム板を用いて形成
した、容器の外面がL*a* b* 表色系色度で表わ
して、明度L* 値がL* >60であり、色度の
a* 値およびb* 値から次式を用いて計算される彩
度c* が c* =(a*2+b*2)1/2 <5 の関係を満す2ピースシームレス容器において、容器内
面が、底部の表面粗さRa(B)がRa(B)≦0.
5μmであり、胴壁部の表面粗さRa(W)と胴上部
の表面粗さRa(F)がRa(W)<Ra(F)であ
り、表面粗さのパターンを示す係数(Rz/Ra)に
ついて底部(B)と上部(F)との間に(Rz/Ra)
(F)≧(Rz/Ra)(B)の関係を満していること
を特徴とする合成樹脂を被覆した2ピースシームレスア
ルミニウム容器。3 . アルミニウム板を被覆する合成樹脂が熱可塑性樹
脂である、1項または2項に記載された2ピースシーム
レスアルミニウム容器。4 . 容器外面の明度と彩度の値が容器胴部外面の高さ
方向中央部で金属面を測定して得た値である、3項に記
載された2ピースシームレスアルミニウム容器。5 . L* 値、a* 値、b* 値が、正反射光除去
方式により測定した反射率からD65光源および2°視
野の条件により算出した値である、2項または4項に記
載された、2ピースシームレスアルミニウム容器。6 . 容器内面の表面粗さが、各部位の金属面を圧延目
に対して直角方向で測定した値である、1項または2項
に記載された2ピースシームレスアルミニウム容器。7 . 表面粗さのパターンを示す係数Rz/Raが基準
面よりの凹部5点の距離の平均値と凸部の5点の距離の
平均値の合計から求められる十点平均粗さRzと、基準
面からの凹部と凸部の面積から求められる中心線平均粗
さRaの比である、1項または2項に記載された2ピー
スシームレスアルミニウム容器。8 . 最終容器側壁部の平均の薄肉化率が20〜70%
である、1項ないし7項のいずれか1項に記載された2
ピースシームレスアルミニウム容器。 」に関する。
b* 表色系色度で表わした値である。通常アスタリス
(*)ついていないLabはハンターのLab表色系を
意味する。色は色相、明度、彩度の三属性によりなる
が、明度は明るさの度合を表わし、彩度はあざやかさの
度合を表わす。同じ色相であっても明度と彩度が異なれ
ば色感は異なる。図1により説明すると、L* .a*
.b*.は表示単位であって、明度はL* 、色相と
彩度を表わす色度はa* .b*.で示される。a*
.b*.aは夫々色の方向を示し、a* は赤−緑方
向を示し、b* は黄−青方向を示す。図2はL* .
a* .b*.表色系色度図であって、a* 値とb*
値が交差する点が色度となる。彩度c* はc* =
(a*2+b*2)1/2の式で求められる。明度が大
きいと明るくなり、彩度が小さいとあざやかさが小さく
なる。したがって印刷の下地としては明度が大きく彩度
の小さいことが好ましい。色度a* 値とb* 値は例
えばMINOLTA株式会社製CM−3700d(色彩
管理ソフトウエアーCM−S3W)の分光測色計で測定
して処理した値である。
あり、彩度c* 値がc* <5であるとパール顔料を
施したような乳白色面となり、容器に印刷する場合白色
の下塗りをしなくても色の表現に優れているため直接印
刷することができる効果がある。内面は、内容物と接す
るため、経時的耐腐食特性が要求される。このために
は、被覆している樹脂自身の特性も重要だがアルミ板材
と被覆する合成樹脂被覆の接着性の大きいことも、もっ
と必要である。一般に金属基材と合成樹脂被覆との接着
力は、容器の成形加工や、ネックフランジ加工、巻締加
工等に伴い低下する傾向にあり、その値は、初期接着力
や加工歪の程度、加工後の熱処理の有無、基材表面の粗
さと密接な関係がある。
定は、底部、胴部、とも圧延による条痕に対し直角の方
向に行い、胴部はその方向が容器の高さ方向となる位置
(90°)で測定した。(図参照)測定条件はカットオ
フ0.8mm、測定長さ2mm、各点とも5回測定して平均
する。
原板(底部)の粗さRa(B)の影響を受ける。底部の
表面粗さRa(B)が0.5以上であると薄肉化の際に
側壁部および上部の肌粗れが大きくなり、それを起点と
した破胴が生じるのでRa(B)≦0.5である必要が
ある。胴壁部および上部の表面粗さRa(W)、Ra
(F)については、一般に、絞り容器の表面粗さは加工
によるひずみが大きくなる上方ほど大きくなる。一方
で、しごきを加えると、絞りによる厚肉化が大きい上方
ほどしごきの率が高くなり平滑化する。上部(F)と胴
壁部(W)とで板厚減少率に差を付けた場合には、しご
きが強い胴壁部のほうが上部よりRaが小さくなる。上
部はネッククランジ加工のため厚く残す必要から、しご
き率小としており、壁部は軽量化のためより薄くする必
要がありしごき率が高くなっている。
a、Rzについて説明する。表面粗さはJIS規格によ
ると次の中心線平均粗さ(Ra)、最大高さ(Rma
x)および十点平均粗さ(Rz)の三つが規定されてい
る。 i) 中心線平均粗さ Ra これは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さlの
部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦
倍率の方向をy軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表わ
したとき、次の式によって求められる値をマイクロメー
トル(μm)で表わしたものである。
行線に平行な2直線で抜き取り部分を挾んだとき、この
2直線の間隔を断面曲線の縦倍率の方向に測定してこの
値をマイクロメートル(μm)で表わしたものである。 iii) 十点平均粗さ Rz これは、断面曲線から基準長さだけ抜き取った部分にお
いて、平均線に平行、かつ、断面曲線を横切らない直線
から縦倍率の方向に測定した最高から5番目までの山頂
の標高の平均値と最深から5番目までの谷底の標高の平
均値との差の値をマイクロメートル(μm)で表わした
ものである。本発明はこれ等の表面粗さの表示のうち、
中心線平均粗さRaと十点粗さRzを用いて表面粗さの
パターンの特徴を規定する。
態を意味し、大きいと山谷の大きいヶ所があり接着して
おいて投錨効果がある状態の意味を有する。表面粗さの
パターンを示す係数Rz/Raについては、粗さ曲線が
ある相似形のパターンにあるときの{Rz/Ra}はR
aによらず一定となり、また、均一であるほど小さい。
しごきによって原板(底部)のパターンのまま薄肉化を
達成した場合は、変化しないか小さくなる。Ra(粗さ
曲線の山谷の面積の合計を基準長さで割った値)が同じ
で、かつ、{Rz/Ra}が大きい値を示すパターンの
場合、この粗さ曲線には、接着に対し‘くさび効果’を
示すと考えられる大きな山谷部と同じRaでありなが
ら、{Rz/Ra}が小さい値を示すパターンのものよ
り、より平滑な他の部分とを含む。こうしたパターン
は、複数回の絞り(薄肉化深絞り)としごきとの同時加
工を受け、特にダイ肩半径部での薄肉化を伴う場合に現
れると考えられる。
面の粗さ曲線の山谷の面積の合計を測定長さで割った値
であり、Rzは粗さ曲線の5点の山谷の高さと深さ差の
値の合計である。内面の金属表面の粗さを本発明の範囲
とすることにより、絞りしごき加工後の後熱処理による
被膜接着力の回復効果を高め、さらにネックフランジ・
巻締等の2次加工の際の基材と被膜との界面に働くせん
断力を山谷部が支えることで、接着力の低下割合を抑制
できていると考えられる。その結果得られた最終容器
は、特に耐内容物性に優れる。
しては熱可塑性樹脂でなければならないが、具体的に
は、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−アクリルエステル共重合体、アイオノマー等のオレ
フィン系樹脂フイルム;ポリエチレンテレフタレート、
ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート
/イソフタレート共重合体等のポリエステル;ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等の
ポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン等を
挙げることができる。また、外観上の観点から、上記樹
脂に無機顔料を含有することもできる。上記樹脂で被覆
される原板は、缶成形後あるいはバルジ成形後の密着性
及び耐食性をより良好な状態に維持するために、表面に
化成処理層を有することが望ましい。化成処理皮膜とし
ては、加工性の他に、耐水性あるいは耐食性を有するこ
とが特に重要であり、例えば、従来より塗装下地用の化
成処理として利用されているりん酸クロメート、あるい
は、ジルコニウムやチタンの酸化物を主成分とする化成
皮膜、あるいはポリアクリル酸−ジルコニウム塩の複合
皮膜等がある。皮膜量としては、金属分としてTi、C
r、Zrを含む場合には当該金属量で、5〜300mg/
m2 程度が好ましい。被覆は、溶融させた樹脂の押出
しコートであっても、製膜後にフイルムとして熱接着を
行ったものでも良い。
容器は、両面を合成樹脂で被覆されたアルミニウム板を
しわ押え具で押えつつドライ潤滑によりポンチを前進さ
せて絞り加工コーナーで絞り加工を行うとともに、さら
にポンチを前進させて該加工コーナーの前端部に接続す
るしごき部と協働してしごき加工を行って、側壁部の板
厚が元板厚よりも薄い前工程カップを絞り加工としごき
加工を同時に行う同時絞りしごき加工で形成する第一工
程と、そのカップの底部の周縁部をしわ押え具で押えつ
つ、ドライ潤滑により再絞りポンチを前進させて、カッ
プの側面部をダイスの曲率半径の小さい絞り加工コーナ
ーに密接させて、再絞り加工を行いカップを縮径すると
ともに、ダイス絞り加工コーナー部で曲げ延伸を行って
側壁の板厚を減少し、さらにポンチを前進させて、該加
工コーナーの前端部に接続するしごき部と協働して絞り
加工を行って、側壁部の板厚を減少させて均一厚とする
同時薄肉化絞りしごき加工による再絞り工程を少なくと
も1回工程行うことにより製造することができる。
ーの大きさRdが元板厚さt0 との比で表わして 1.0<Rd/t0 <2.9 の範囲であると、再絞り加工中の材料が加工コーナー部
を通過する際に薄肉化を生じて容器全体としての薄肉化
度確保に寄与すると同時に、望ましい内面の表面粗さが
発現するという利点がある。
て、そのうちの再絞りしごき工程でのしごきによる薄肉
化が2〜30%であることが好ましいが一工程での薄肉
化率が5〜35%の範囲が最も好ましい。このような同
時絞りしごき加工及び同時薄肉化絞りしごき加工を複数
回行うことにより側壁部の薄肉化の破断限界が向上し、
薄肉の側壁部を形成することができ、さらに外面の明度
と彩度を調節し、内面の表面粗さを調節することができ
る。
の曲率半径が小さいので、加工コーナーでの曲げ延伸に
よって、金属カップの側壁部が薄肉化される。加工コー
ナーでの曲げ延伸後しごき加工を受けるが、曲げ延伸の
際に加わる力が側壁部の高さ方向であるのに対して、し
ごき加工の場合は板厚方向である。このように1ストロ
ークで絞りとしごきを行うことにより、絞り加工のバッ
クテンションをかけながらしごくことにより被覆の破壊
防ぐことができる。一般にしごき加工により破断限界は
向上するが、力の加わる方向が異なる曲げ延伸加工にし
ごき加工を加えることにより、さらに両者の相乗的な力
の相互作用から、大幅な薄肉化を実現することができ
る。従って比較的細長い、好ましくは高さ/直径の比が
1以上のシームレス缶を製造できる。またしごき加工の
際、側壁部は、ポンチとしごき部間の間隙部を通過して
しごかれて、間隙部の間隙幅に実質的に等しい厚さに薄
肉化されるので、しごき中の高さ方向の間隙幅を制御す
ることにより、側壁部の高さ方向肉厚を制御できる。ま
た間隙幅を周方向に一定にすることにより、側壁部の周
方向の厚さの均一化を実現できる。
向への一軸延伸により薄肉化されるが、しごき加工の際
に、厚さ方向の面圧力を受けながら薄肉化されるため、
再絞り加工のみの場合とは異なり、側壁部の厚さ分布が
均一になる。開口端部となるべき側壁部に少なくとも5
%の板厚減少率のしごき加工が加えられるので、開口端
部がネックイン加工やフランジ加工される際の局所的な
不均一変形が押さえられるためと考えられるが、ネック
イン部に有機被膜の白化等の劣化が起こり難くなる。ま
た有機被膜はしごき加工により平滑化するので、印刷適
性が向上する。また、本願によれば、特開平7−275
961では、利用が困難だった高異方性材、高強度材の
加工による肌粗れを生じやすい材料等でも容易に成形す
ることができる。
接触する部分の表面温度Td、しわ押え具のダイス平面
部と対向する部分の表面温度Ts、および抜け出し直後
のポンチ表面温度Tpを、合成樹脂被膜のガラス転移温
度Tg+50℃以下で、Tg+10℃以上の温度範囲内
の適宜温度になるようにすると、成形中ダイスおよびし
わ押え具と有機被膜間の滑り摩擦抵抗は比較的小さく、
従って滑り摩擦抵抗が大きいことに基づく破胴が起こり
難い。また成形後のポンチのシームレス缶からの抜けが
容易となる。表面温度Td、Ts、Tpがガラス転移温
度Tg+50℃より高いと、合成樹脂被膜が成形の際に
軟化して、しごき加工の際に、外面有機被膜が削り取ら
れたり、あるいはポンチをシームレス缶から抜け出す際
に、内面合成樹脂被膜がポンチに密着して内面合成樹脂
被膜が破壊される等のトラブルが起こり易い。表面温度
Td、Ts、TpがTg+10℃より低いと、しわ押さ
え面や加工コーナー等における滑り摩擦抵抗が大きくな
るので、破胴やポンチの抜け出し不良等が起こり易い。
成形作業前にダイス、しわ押え具およびポンチ内を加温
し、成形開始直前に加温を冷却に切り替え、成形中冷却
し続けることによって行われる。ダイス、しわ押え具お
よびポンチが室温(例えば真冬の場合約5℃)の工具に
金属カップを装入して、成形を始めると、合成樹脂被膜
の温度がTg+10℃より低く、動摩擦係数が高いた
め、破胴が発生したり、ポンチを成形されたシームレス
缶から抜け出すことができず、以後の成形作業が不可能
になる。しかしダイス、しわ押え具およびポンチ内を加
温して、表面温度Td、Ts、TpがTg+10℃以上
の、合成樹脂被膜の特性に応じた適当な温度にしておい
た状態で、成形開始直前に加温を冷却に切り替えて成形
を開始すると、開始の瞬間(最初の金属カップの成形を
行う時)は表面温度Td、Ts、TpがTg+10℃以
上の適当な温度であるため、トラブルなしに成形を開始
できる。成形加工の際、ダイスの被加工材料と接触する
部分、しわ押え具のダイス平面部と対向する部分および
ポンチの金属カップの側壁部と接触する部分に非常に大
きな力が加わり、これらの部分およびその近傍における
材料の加工熱と摩擦熱がダイス、しわ押え具、ポンチの
他の部分に熱伝達されて、成形回数の増加とともに、ダ
イス、しわ押え具、ポンチ全体の温度が次第に上昇す
る。しかし成形中冷却を続けることによって、表面温度
Td、Ts、Tpを合成樹脂被膜のガラス転移温度Tg
+50℃以下で、Tg+10℃以上の温度範囲内の適当
な温度になるようにすることができる。
イ潤滑により行うことができる。ドライ潤滑とは、公知
のDI缶製造において用いられるようなクーラント(ウ
エット潤滑)は用いず、片面約50mg/m2 程度の例
えばパラフィンワックスや白色ワセリン・パーム油を用
いる潤滑のことを言う。同時絞りしごき加工を複数工程
を繰り返すことにより、H/D(H:容器高さ、D:容
器径)が大きく(通常1.5以上)かつ、次式で示す薄
肉化率が、
率約50%の容器では、三工程が好ましい。一工程の板
厚減少率は5〜50%であって、そのうちしごきによる
薄肉化分が2〜30%が適している。しごきによる薄肉
化が2%以下では絞りによる肌粗さの増大と異方性によ
る形状不良が抑制できない。一工程での板厚減少率が5
0%以上では缶胴が形成力に耐えられず破胴が生ずる危
険がある。合成樹脂被覆は6〜30μmであり、加工後
3〜15μmであることが好ましい。
説明する。実施例および比較例に挙げる各容器は、表1
に示すように、それぞれのアルミニウム合金板の内外面
にポリエチレンテレフタレート88モル%・ポリエチレ
ンイソフタレート12モル%からなる厚み12μmの二
軸延伸された共重合PETフイルムを熱接着(接着時の
金属基材温度:237℃)により被覆した材料を用い、
表に示すそれぞれの製造方法にてそれぞれの側壁厚みお
よび最終平均薄肉化率になるよう成形を行った。成形の
際の潤滑については、‘ドライ’ではワックスを、ウエ
ットについてはDI缶成形用の公知の潤滑剤を用いた。
また、最終容器の内径および高さを同じにするために、
ブランクはそれぞれの最終平均薄肉化率に応じて以下の
径のものを用いた。 最終平均薄肉化率 ブランク径 62 % 140mm 容器内径 トリム前高さ 46〜48% 152mm 66mm 127mm 35 % 166mm 20 % 179mm
号は以下の通りで、略号下の数字は各工程における側壁
の平均薄肉化率の増分のうちしごきによる薄肉化率分を
示す。 D :絞り SD:薄肉化を伴う絞り(Rd/t0=1.0〜2.
9) I :しごき(I*3:しごき率の異なるしごきを3回
繰り返すの意) D +I:同時絞りしごき SD+I:同時薄肉化絞りしごき カップ状に成形された容器には、成形時に発生した被覆
樹脂の内部ひずみを緩和し金属基材との界面における接
着力を回復させるために、220℃にて30秒間の熱処
理が施され(例3を除く)、その後は常法に従い、開口
端部をトリミングした後に下塗り用白色塗料を施すこと
なく印刷および仕上げニス塗装(205℃−15秒焼付
け)を行い、さらに蓋を巻締めるためのネックイン加工
が施された。
て行った。結果を表2に示す。 〈成形性〉 5缶成形して、成否および被覆樹脂の白
化・削れ等の外観にて評価した。 〈外面色彩〉 成形可能であった条件の容器に対し、本
文中に記述の方法にて測定した。 〈印刷適性〉 3色のインキ(紅・黄金・浅葱)におい
て、印刷色見本との比較による外観目視にて色の再現性
の比較を行った。 ◎:ほとんど見分けがつかない。 ○:やや見劣りするが実用可能。 ×:明らかに色の再現性が悪い。(実用不可) 〈内面粗さ〉 成形可能であった条件の容器に対し、本
文中に記述の方法にて測定した。 〈耐食性〉 低酸性飲料を充填巻締めしたあと意図的
に胴壁部(ネックイン肩部直下)にデンティングを施
し、37℃の条件下で3ヶ月保存したあとの缶内面胴壁
部(デンティング部)および胴上部(ネックイン部)の
被覆層の損傷および金属基材の腐食状態を観察した。 ○:全く異常は認められない。 ×:腐食が認められる。(実用不可)
合金板の両面をPETフイルムで被覆した材料を用い、
第一工程で同時絞りしごき加工(しごきによる薄肉化
分:6%)を行い、第二および第三工程で同時薄肉化絞
りしごき加工(しごきによる薄肉化分:各15%)を施
して容器を製作した。その結果、外面が印刷適性に優
れ、パックしても内面に全く腐食の見られない容器が得
られた。
は実施例1と全く同じ材料構成および製造方法で容器を
形成した。5182材のような高強度材でも成形には問
題なく、印刷適性についても5000系アルミニウム特
有の若干の黒みを帯びてはいるが問題なかった。また、
パック評価を行っても腐食は見られず、所望の容器が得
られた。
は実施例1と全く同じ材料構成および製造方法で容器を
形成した。成形・印刷適性・パック評価ともに問題な
く、所望の容器が得られた。
合金板の内面側のみをPETフイルムで被覆した材料を
用い、第一工程で同時絞りしごき加工(しごきによる薄
肉化分:6%)を行い、第二および第三工程で同時薄肉
化絞りしごき加工(しごきによる薄肉化分:各15%)
を施して容器を製作しようとしたが、第三工程において
破胴して、所望の容器は得られなかった。
3004H39アルミニウム合金板を公知のDI缶製
造方法である通常の絞り、再絞り後、3段階のクリアラ
ンスでしごく方法により容器に成形した。その結果、正
反射光による金属光沢の強い外面にはなったが、印刷面
としての外観は非常に暗いものとなり、印刷適性に劣っ
ていた。
合金板の内外側をPETフイルムで被覆した材料を用
い、公知のDI缶製造方法である通常の絞り、再絞り
後、3段階のクリアランスでしごく方法により容器を製
作しようとした。しかし、一部で外面被覆の削れが発生
し、かつ、内面についても腐食が見られ、所望の容器と
はならなかった。
合金板の両面をPETフイルムで被覆した材料を用い、
第一工程で通常の絞り加工のみ・第二工程で薄肉化を伴
う再絞り加工・第三工程で同時薄肉化絞りしごき加工
(しごきによる薄肉化分:5%)を施して容器を製作し
ようとした。しかし、肌粗れが著しく、それを起点とし
た破胴が生じ、所望の容器は得られなかった。
ム容器は外面はパール顔料を施したような明るい外観を
有し、印刷適性が優れており、内面は耐腐蝕性が優れて
いる。そして本発明の製造方法によれば高異方性、高強
度材等の加工により肌粗れを生じ易い材料でも容易に成
形することができる。
ある。
る。
Claims (8)
- 【請求項1】 合成樹脂被覆したアルミニウム板を用い
て形成した2ピースシームレス容器において、容器内面
が、底部の表面粗さRa(B)がRa(B)≦0.5
μmであり、胴壁部の表面粗さRa(W)と胴上部の
表面粗さRa(F)がRa(W)<Ra(F)であり、
表面粗さのパターンを示す係数(Rz/Ra)につい
て底部(B)と上部(F)との間に(Rz/Ra)
(F)≧(Rz/Ra)(B)の関係を満していること
を特徴とする、合成樹脂を被覆した2ピースシームレス
アルミニウム容器。 - 【請求項2】 合成樹脂を被覆したアルミニウム板を用
いて形成した、容器の外面がL* a* b* 表色系
色度で表わして、明度L* 値がL*>60であり、
色度のa* 値およびb* 値から次式を用いて計算
される彩度c* が c* =(a*2+b*2)1/2 <5 の関係を満す2ピースシームレス容器において、容器内
面が、底部の表面粗さRa(B)がRa(B)≦0.
5μmであり、胴壁部の表面粗さRa(W)と胴上部
の表面粗さRa(F)がRa(W)<Ra(F)であ
り、表面粗さのパターンを示す係数(Rz/Ra)に
ついて底部(B)と上部(F)との間に(Rz/Ra)
(F)≧(Rz/Ra)(B)の関係を満していること
を特徴とする、合成樹脂を被覆した2ピースシームレス
アルミニウム容器。 - 【請求項3】 アルミニウム板を被覆する合成樹脂が熱
可塑性樹脂である、請求項1または2に記載された2ピ
ースシームレスアルミニウム容器。 - 【請求項4】 容器外面の明度と彩度の値が容器胴部外
面の高さ方向中央部で金属面を測定して得た値である、
請求項2に記載された2ピースシームレスアルミニウム
容器。 - 【請求項5】 L* 値、a* 値、b* 値が、正反
射光除去方式により測定した反射率からD65光源およ
び2°視野の条件により算出した値である、請求項2ま
たは4に記載された、2ピースシームレスアルミニウム
容器。 - 【請求項6】 容器内面の表面粗さが、各部位の金属面
を圧延目に対して直角方向で測定した値である、請求項
1または2に記載された2ピースシームレスアルミニウ
ム容器。 - 【請求項7】 表面粗さのパターンを示す係数Rz/R
aが基準面よりの凹部5点の距離の平均値と凸部の5点
の距離の平均値の合計から求められる十点平均粗さRz
と、基準面からの凹部と凸部の面積から求められる中心
線平均粗さRaの比である、請求項1または2に記載さ
れた2ピースシームレスアルミニウム容器。 - 【請求項8】 最終容器側壁部の平均の薄肉化率が20
〜70%である、請求項1ないし7のいずれか1項に記
載された2ピースシームレスアルミニウム容器。
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