JP4051246B2 - シームレスアルミニウム容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パール顔料を施したような明るい外観を有する合成樹脂で被覆したシームレスアルミニウム缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特表平2−501638号公報
特許文献1には、金属シート又は両方の主要表面に非結晶性ポリエステルのフイルムを直接接着したことを特徴とする積層金属シートが記載されており、望ましい場合、ポリエステル層は例えばアンチブロック剤で着色することができ、その場合には、例えば二酸化チタンなどのピグメント又は合成シリカを使用して彩色状態又は白色の外観を与えるようにする、と記載されている。この文献に記載されたものは積層金属の外面のポリエステル層として、二酸化チタンなどの顔料をまぜたポリエステル層を用いることによって、容器の外観を白色にすることであって、外観の白色化には二酸化チタン等の顔料を使用するものである。白色顔料を用いないで金属表面をパール調の明るい外観とすることは全く記載されていない。
従来のアルミニウム板を用いた2ピースシームレスアルミニウム容器は絞り工程を2回行った後、しごき工程を3回ウエット潤滑で行って胴壁部、胴上部の平均薄肉化率約62%の容器とした。
このような方法では洗浄工程が必要となり廃水処理、スラッジの発生等の問題があり、後工程で内面に塗料を塗装する必要があった。
得られる容器は金属光沢はあるが、明度が暗く、彩度が濃いため印刷下地には適していない。
合成樹脂を被覆したアルミニウム板を用いて上記の従来方法で成形すると被覆樹脂層が損傷し接着界面にかかる歪が増加するため接着力が低下する欠点が生ずる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、内面の合成樹脂被覆とアルミニウム表面の接着性を改善し、ネックフランジ、巻締等の加工性を向上させるとともに外面をパール顔料を施したような明度が明るく彩度の薄い、容器を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、顔料を含まない熱可塑性樹脂で両面を被覆した樹脂被覆アルミニウム板を用いて絞り、しごき加工によりシームレス容器を形成し、該シームレス容器外面に印刷を行う印刷シームレスアルミニウム容器の製造方法であって、前記シームレス容器外面の高さ方向中央部における金属表面の、L * a * b * 表色系色度で表わした明度L * 値及び彩度c * が、
ア.明度L * 値が L * >60であり、
イ.色度のa * 値およびb * 値から次式を用いて計算される彩度c * が
c * =(a *2 +b *2 ) 1/2 <5
の関係を満し、且つ最終容器側壁部の平均薄肉化率が20〜70%となるように、前記絞り、しごき加工をドライ潤滑で行うと共に、下塗り塗料を施すことなく印刷を行うことを特徴とする印刷シーレスアルミニウム容器の製造方法が提供される。
本発明の印刷シームレスアルミニウム容器の製造方法においては、L*値、a*値、b*値が、正反射光除去方式により測定した反射率からD65光源及び2°視野の条件により算出した値である、ことが好適である。
また本発明によれば、上記製造方法により製造されて成る印刷シームレスアルミニウム容器が提供される。
【0005】
本発明における明度と彩度はL* a* b* 表色系色度で表わした値である。通常アスタリス(*)ついていないLabはハンターのLab表色系を意味する。
色は色相、明度、彩度の三属性によりなるが、明度は明るさの度合を表わし、彩度はあざやかさの度合を表わす。同じ色相であっても明度と彩度が異なれば色感は異なる。
図1により説明すると、L*. a*.b*.は表示単位であって、明度はL*、色相と彩度を表わす色度はa* .b* .で示される。a*.b*.は夫々色の方向を示し、a*.は赤−緑方向を示し、b* は黄−青方向を示す。
図2はL*. a*.b*.表色系色度図であって、a* 値とb* 値が交差する点が色度となる。彩度c* はc* =(a*2+b*2)1/2 の式で求められる。
明度が大きいと明るくなり、彩度が小さいとあざやかさが小さくなる。
したがって印刷の下地としては明度が大きく彩度の小さいことが好ましい。
色度a* 値とb* 値は例えばMINOLTA株式会社製CM−3700d(色彩管理ソフトウエアーCM−S3W)の分光測色計で測定して処理した値である。
【0006】
容器外面の明度L* 値がL* >60であり、彩度c* 値がc* <5であるとパール顔料を施したような乳白色面となり、容器に印刷する場合白色の下塗りをしなくても色の表現に優れているため直接印刷することができる効果がある。
内面は、内容物と接するため、経時的耐腐食特性が要求される。
このためには、被覆している樹脂自身の特性も重要だがアルミ板材と被覆する合成樹脂被覆の接着性の大きいことも、もっと必要である。
一般に金属基材と合成樹脂被覆との接着力は、容器の成形加工や、ネックフランジ加工、巻締加工等に伴い低下する傾向にあり、その値は、初期接着力や加工歪の程度、加工後の熱処理の有無、基材表面の粗さと密接な関係がある。
【0007】
容器内面のアルミニウム面の表面粗さの測定は、底部、胴部、とも圧延による条痕に対し直角の方向に行い、胴部はその方向が容器の高さ方向となる位置(90°)で測定した。(図参照)測定条件はカットオフ0.8mm、測定長さ2mm、各点とも5回測定して平均する。
【0008】
アルミニウム板に被覆する合成樹脂被覆としては熱可塑性樹脂でなければならないが、具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリルエステル共重合体、アイオノマー等のオレフィン系樹脂フイルム;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミド;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン等を挙げることができる。
上記樹脂で被覆される原板は、缶成形後あるいはバルジ成形後の密着性及び耐食性をより良好な状態に維持するために、表面に化成処理層を有することが望ましい。化成処理皮膜としては、加工性の他に、耐水性あるいは耐食性を有することが特に重要であり、例えば、従来より塗装下地用の化成処理として利用されているりん酸クロメート、あるいは、ジルコニウムやチタンの酸化物を主成分とする化成皮膜、あるいはポリアクリル酸−ジルコニウム塩の複合皮膜等がある。皮膜量としては、金属分としてTi、Cr、Zrを含む場合には当該金属量で、5〜300mg/m2 程度が好ましい。被覆は、溶融させた樹脂の押出しコートであっても、製膜後にフイルムとして熱接着を行ったものでも良い。
【0009】
本発明のシームレスアルミニウム容器は、両面を合成樹脂で被覆されたアルミニウム板をしわ押え具で押えつつドライ潤滑によりポンチを前進させて絞り加工コーナーで絞り加工を行うとともに、さらにポンチを前進させて該加工コーナーの前端部に接続するしごき部と協働してしごき加工を行って、側壁部の板厚が元板厚よりも薄い前工程カップを絞り加工としごき加工を同時に行う同時絞りしごき加工で形成する第一工程と、そのカップの底部の周縁部をしわ押え具で押えつつ、ドライ潤滑により再絞りポンチを前進させて、カップの側面部をダイスの曲率半径の小さい絞り加工コーナーに密接させて、再絞り加工を行いカップを縮径するとともに、ダイス絞り加工コーナー部で曲げ延伸を行って側壁の板厚を減少し、さらにポンチを前進させて、該加工コーナーの前端部に接続するしごき部と協働して絞り加工を行って、側壁部の板厚を減少させて均一厚とする同時薄肉化絞りしごき加工による再絞り工程を少なくとも1回工程行うことにより製造することができる。
【0010】
再絞り工程におけるダイス絞り加工コーナーの大きさRdが元板厚さt0 との比で表わして
1.0<Rd/t0 <2.9
の範囲であると、再絞り加工中の材料が加工コーナー部を通過する際に薄肉化を生じて容器全体としての薄肉化度確保に寄与すると同時に、望ましい内面の表面粗さが発現するという利点がある。
【0011】
一工程での薄肉化率が3〜50%であって、そのうちの再絞りしごき工程でのしごきによる薄肉化が2〜30%であることが好ましいが一工程での薄肉化率が5〜35%の範囲が最も好ましい。このような同時絞りしごき加工及び同時薄肉化絞りしごき加工を複数回行うことにより側壁部の薄肉化の破断限界が向上し、薄肉の側壁部を形成することができ、さらに外面の明度と彩度を調節し、内面の表面粗さを調節することができる。
【0012】
絞り加工において、ダイスの加工コーナーの曲率半径が小さいので、加工コーナーでの曲げ延伸によって、金属カップの側壁部が薄肉化される。加工コーナーでの曲げ延伸後しごき加工を受けるが、曲げ延伸の際に加わる力が側壁部の高さ方向であるのに対して、しごき加工の場合は板厚方向である。このように1ストロークで絞りとしごきを行うことにより、絞り加工のバックテンションをかけながらしごくことにより被覆の破壊防ぐことができる。一般にしごき加工により破断限界は向上するが、力の加わる方向が異なる曲げ延伸加工にしごき加工を加えることにより、さらに両者の相乗的な力の相互作用から、大幅な薄肉化を実現することができる。従って比較的細長い、好ましくは高さ/直径の比が1以上のシームレス缶を製造できる。またしごき加工の際、側壁部は、ポンチとしごき部間の間隙部を通過してしごかれて、間隙部の間隙幅に実質的に等しい厚さに薄肉化されるので、しごき中の高さ方向の間隙幅を制御することにより、側壁部の高さ方向肉厚を制御できる。また間隙幅を周方向に一定にすることにより、側壁部の周方向の厚さの均一化を実現できる。
【0013】
合成樹脂被膜は、再絞り加工により高さ方向への一軸延伸により薄肉化されるが、しごき加工の際に、厚さ方向の面圧力を受けながら薄肉化されるため、再絞り加工のみの場合とは異なり、側壁部の厚さ分布が均一になる。開口端部となるべき側壁部に少なくとも5%の板厚減少率のしごき加工が加えられるので、開口端部がネックイン加工やフランジ加工される際の局所的な不均一変形が押さえられるためと考えられるが、ネックイン部に有機被膜の白化等の劣化が起こり難くなる。また有機被膜はしごき加工により平滑化するので、印刷適性が向上する。また、本願によれば、特開平7−275961では、利用が困難だった高異方性材、高強度材の加工による肌粗れを生じやすい材料等でも容易に成形することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
成形時のダイスの、被加工材料と接触する部分の表面温度Td、しわ押え具のダイス平面部と対向する部分の表面温度Ts、および抜け出し直後のポンチ表面温度Tpを、合成樹脂被膜のガラス転移温度Tg+50℃以下で、Tg+10℃以上の温度範囲内の適宜温度になるようにすると、成形中ダイスおよびしわ押え具と有機被膜間の滑り摩擦抵抗は比較的小さく、従って滑り摩擦抵抗が大きいことに基づく破胴が起こり難い。また成形後のポンチのシームレス缶からの抜けが容易となる。表面温度Td、Ts、Tpがガラス転移温度Tg+50℃より高いと、合成樹脂被膜が成形の際に軟化して、しごき加工の際に、外面有機被膜が削り取られたり、あるいはポンチをシームレス缶から抜け出す際に、内面合成樹脂被膜がポンチに密着して内面合成樹脂被膜が破壊される等のトラブルが起こり易い。表面温度Td、Ts、TpがTg+10℃より低いと、しわ押さえ面や加工コーナー等における滑り摩擦抵抗が大きくなるので、破胴やポンチの抜け出し不良等が起こり易い。
【0015】
上記表面温度Td、Ts、Tpの制御は、成形作業前にダイス、しわ押え具およびポンチ内を加温し、成形開始直前に加温を冷却に切り替え、成形中冷却し続けることによって行われる。ダイス、しわ押え具およびポンチが室温(例えば真冬の場合約5℃)の工具に金属カップを装入して、成形を始めると、合成樹脂被膜の温度がTg+10℃より低く、動摩擦係数が高いため、破胴が発生したり、ポンチを成形されたシームレス缶から抜け出すことができず、以後の成形作業が不可能になる。しかしダイス、しわ押え具およびポンチ内を加温して、表面温度Td、Ts、TpがTg+10℃以上の、合成樹脂被膜の特性に応じた適当な温度にしておいた状態で、成形開始直前に加温を冷却に切り替えて成形を開始すると、開始の瞬間(最初の金属カップの成形を行う時)は表面温度Td、Ts、TpがTg+10℃以上の適当な温度であるため、トラブルなしに成形を開始できる。
成形加工の際、ダイスの被加工材料と接触する部分、しわ押え具のダイス平面部と対向する部分およびポンチの金属カップの側壁部と接触する部分に非常に大きな力が加わり、これらの部分およびその近傍における材料の加工熱と摩擦熱がダイス、しわ押え具、ポンチの他の部分に熱伝達されて、成形回数の増加とともに、ダイス、しわ押え具、ポンチ全体の温度が次第に上昇する。しかし成形中冷却を続けることによって、表面温度Td、Ts、Tpを合成樹脂被膜のガラス転移温度Tg+50℃以下で、Tg+10℃以上の温度範囲内の適当な温度になるようにすることができる。
【0016】
本発明における同時絞りしごき加工はドライ潤滑により行うことができる。ドライ潤滑とは、公知のDI缶製造において用いられるようなクーラント(ウエット潤滑)は用いず、片面約50mg/m2 程度の例えばパラフィンワックスや白色ワセリン・パーム油を用いる潤滑のこと
を言う。同時絞りしごき加工を複数工程を繰り返すことにより、H/D(H:容器高さ、D:容器径)が大きく(通常1.5以上)かつ、次式で示す薄肉化率が、
【0017】
【数1】
【0018】
t0 :元板厚
tw :平均側壁厚
が、20%〜70%、にもなる容器の成形ができる。
【0019】
内容量350ml、H/D約1.9、薄肉化率約50%の容器では、三工程が好ましい。一工程の板厚減少率は5〜50%であって、そのうちしごきによる薄肉化分が2〜30%が適している。しごきによる薄肉化が2%以下では絞りによる肌粗さの増大と異方性による形状不良が抑制できない。
一工程での板厚減少率が50%以上では缶胴が形成力に耐えられず破胴が生ずる危険がある。
合成樹脂被覆は6〜30μmであり、加工後3〜15μmであることが好ましい。
【0020】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
実施例および比較例に挙げる各容器は、表1に示すように、それぞれのアルミニウム合金板の内外面にポリエチレンテレフタレート88モル%・ポリエチレンイソフタレート12モル%からなる厚み12μmの二軸延伸された共重合PETフイルムを熱接着(接着時の金属基材温度:237℃)により被覆した材料を用い、表に示すそれぞれの製造方法にてそれぞれの側壁厚みおよび最終平均薄肉化率になるよう成形を行った。成形の際の潤滑については、‘ドライ’ではワックスを、ウエットについてはDI缶成形用の公知の潤滑剤を用いた。また、最終容器の内径および高さを同じにするために、ブランクはそれぞれの最終平均薄肉化率に応じて以下の径のものを用いた。
最終平均薄肉化率 ブランク径
62 % 140mm 容器内径 トリム前高さ
46〜48% 152mm 66mm 127mm
35 % 166mm
20 % 179mm
【0021】
また、表中の各工程における製造方法の略号は以下の通りで、略号下の数字は各工程における側壁の平均薄肉化率の増分のうちしごきによる薄肉化率分を示す。
D :絞り
SD:薄肉化を伴う絞り(Rd/t0=1.0〜2.9)
I :しごき(I*3:しごき率の異なるしごきを3回繰り返すの意)
D +I:同時絞りしごき
SD+I:同時薄肉化絞りしごき
カップ状に成形された容器には、成形時に発生した被覆樹脂の内部ひずみを緩和し金属基材との界面における接着力を回復させるために、220℃にて30秒間の熱処理が施され(例3を除く)、その後は常法に従い、開口端部をトリミングした後に下塗り用白色塗料を施すことなく印刷および仕上げニス塗装(205℃−15秒焼付け)を行い、さらに蓋を巻締めるためのネックイン加工が施された。
【0022】
なお、完成した容器の評価は以下の方法にて行った。結果を表2に示す。
〈成形性〉 5缶成形して、成否および被覆樹脂の白化・削れ等の外観にて評価した。
〈外面色彩〉 成形可能であった条件の容器に対し、本文中に記述の方法にて測定した。
〈印刷適性〉 3色のインキ(紅・黄金・浅葱)において、印刷色見本との比較による外観目視にて色の再現性の比較を行った。
◎:ほとんど見分けがつかない。
○:やや見劣りするが実用可能。
×:明らかに色の再現性が悪い。(実用不可)
〈内面粗さ〉 成形可能であった条件の容器に対し、本文中に記述の方法にて測定した。
〈耐食性〉 低酸性飲料を充填巻締めしたあと意図的に胴壁部(ネックイン肩部直下)にデンティングを施し、37℃の条件下で3ヶ月保存したあとの缶内
面胴壁部(デンティング部)および胴上部(ネックイン部)の被覆層の損傷および金属基材の腐食状態を観察した。
○:全く異常は認められない。
×:腐食が認められる。(実用不可)
【0023】
実施例1
厚み0.26mmのJIS 3004H39アルミニウム合金板の両面をPETフイルムで被覆した材料を用い、第一工程で同時絞りしごき加工(しごきによる薄肉化分:6%)を行い、第二および第三工程で同時薄肉化絞りしごき加工(しごきによる薄肉化分:各15%)を施して容器を製作した。その結果、外面が印刷適性に優れ、パックしても内面に全く腐食の見られない容器が得られた。
【0024】
実施例2
アルミニウム合金がJIS−5182H39である以外は実施例1と全く同じ材料構成および製造方法で容器を形成した。5182材のような高強度材でも成形には問題なく、印刷適性についても5000系アルミニウム特有の若干の黒みを帯びてはいるが問題なかった。また、パック評価を行っても腐食は見られず、所望の容器が得られた。
【0025】
実施例3
アルミニウム合金がJIS−1050H24である以外は実施例1と全く同じ材料構成および製造方法で容器を形成した。成形・印刷適性・パック評価ともに問題なく、所望の容器が得られた。
【0026】
比較例1
厚み0.26mmのJIS 3004H39アルミニウム合金板の内面側のみをPETフイルムで被覆した材料を用い、第一工程で同時絞りしごき加工(しごきによる薄肉化分:6%)を行い、第二および第三工程で同時薄肉化絞りしごき加工(しごきによる薄肉化分:各15%)を施して容器を製作しようとしたが、第三工程において破胴して、所望の容器は得られなかった。
【0027】
比較例2
樹脂による被覆を施していない厚み0.30mmのJIS 3004H39アルミニウム合金板を公知のDI缶製造方法である通常の絞り、再絞り後、3段階のクリアランスでしごく方法により容器に成形した。その結果、正反射光による金属光沢の強い外面にはなったが、印刷面としての外観は非常に暗いものとなり、印刷適性に劣っていた。
【0028】
比較例3
厚み0.30mmのJIS 3004H39アルミニウム合金板の内外側をPETフイルムで被覆した材料を用い、公知のDI缶製造方法である通常の絞り、再絞り後、3段階のクリアランスでしごく方法により容器を製作しようとした。しかし、一部で外面被覆の削れが発生し、かつ、内面についても腐食が見られ、所望の容器とはならなかった。
【0029】
比較例4
厚み0.26mmのJIS 3004H39アルミニウム合金板の両面をPETフイルムで被覆した材料を用い、第一工程で通常の絞り加工のみ・第二工程で薄肉化を伴う再絞り加工・第三工程で同時薄肉化絞りしごき加工(しごきによる薄肉化分:5%)を施して容器を製作しようとした。しかし、肌粗れが著しく、それを起点とした破胴が生じ、所望の容器は得られなかった。
表1と表2に実施例と比較例の容器と性能を示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】
本発明のシームレスアルミニウム容器は外面は平滑な金属光沢を有さず、パール顔料を施したような明るい外観を有し、印刷適性が優れており、内面は耐腐蝕性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】L* .a* .b* .表色系立体説明図である。
【図2】L* .a* .b* .表色系色度図である。
【符号の説明】
L* 明度
a* 赤−緑方向の色相と彩度
b* 青−黄方向の色相と彩度
Claims (3)
- 顔料を含まない熱可塑性樹脂で両面を被覆した樹脂被覆アルミニウム板を用いて絞り、しごき加工によりシームレス容器を形成し、該シームレス容器外面に印刷を行う印刷シームレスアルミニウム容器の製造方法であって、前記シームレス容器外面の高さ方向中央部における金属表面の、L * a * b * 表色系色度で表わした明度L * 値及び彩度c * が、
ア.明度L * 値が L * >60であり、
イ.色度のa * 値およびb * 値から次式を用いて計算される彩度c * が
c * =(a *2 +b *2 ) 1/2 <5
の関係を満し、且つ最終容器側壁部の平均薄肉化率が20〜70%となるように、前記絞り、しごき加工をドライ潤滑で行うと共に、下塗り塗料を施すことなく印刷を行うことを特徴とする印刷シームレスアルミニウム容器の製造方法。 - L*値、a*値、b*値が、正反射光除去方式により測定した反射率からD65光源及び2°視野の条件により算出した値である、請求項1記載の印刷シームレスアルミニウム容器の製造方法。
- 請求項1又は2記載の製造方法により製造されて成る印刷シームレスアルミニウム容器。
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