JP3440145B2 - 吸水性樹脂の造粒方法 - Google Patents

吸水性樹脂の造粒方法

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JP3440145B2 JP22907394A JP22907394A JP3440145B2 JP 3440145 B2 JP3440145 B2 JP 3440145B2 JP 22907394 A JP22907394 A JP 22907394A JP 22907394 A JP22907394 A JP 22907394A JP 3440145 B2 JP3440145 B2 JP 3440145B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性エチレン不飽和
モノマーを重合して得られる吸水性樹脂の造粒方法に関
するものである。本発明によって得られる吸水性樹脂
は、近年、生理用品、使い捨て紙オムツ、使い捨て雑巾
などの衛生関係、保水剤、土壌改良剤として農園芸関係
などに使われているほか、汚泥の凝固、結露防止や油類
の脱水などの種々の用途にもまた使用方法が開発されて
いる。特に、生理用品、使い捨て紙オムツ、などの衛生
用品に盛んに使用され、結露防止としては、建材、コン
テナー輸送、海上輸送などに使用されることで、社会生
活に大きく貢献している。
【0002】
【従来の技術】この種の水溶性エチレン性不飽和モノマ
ーを重合して得られる吸水性樹脂としては、アクリル酸
塩重合体架橋物、アクリル酸エステル−酢酸ビニル共重
合体架橋物のケン化物、澱粉−アクリル酸塩グラフト共
重合体架橋物、澱粉−アクリロニトリルグラフト共重合
体架橋物のケン化物、無水マレイン酸グラフトポリビニ
ルアルコール重合体架橋物、ポリエチレンオキシド架橋
物などが知られている。例えば、特公昭60−2504
5号、特開昭57−158210号、特開昭57−21
405号、特公昭53−46199号、特開昭58−7
1907号、特開昭55−84304号などにその詳細
が示されているが、代表的な製造例としては、次のよう
なものが挙げられる。
【0003】例−1 α、β−不飽和カルボン酸及びそ
のアルカリ金属塩水溶液を架橋剤の存在下、または不存
在下にショ糖脂肪酸エステルを含有する石油系炭化水素
溶媒中に懸濁させ、ラジカル重合開始剤の存在下に重合
せしめる方法。 例−2 アクルリ酸及びアクリル酸アルカリ塩水溶液を
HLB8〜12の界面活性剤を共有する脂環族または脂
肪族炭化水素溶媒中に懸濁させ、水溶性ラジカル重合開
始剤の存在下に重合せしめる方法。 例−3 澱粉及びセルロースのうち少なくとも1種
(A)と付加重合性二重結合を有する水溶性の、または
加水分解により、水溶性となる単量体の少なくとも1種
(B)を必須成分として重合し、必要により架橋剤
(C)を添加して重合したり、重合体を加水分解を行い
重合体を得る方法。 例−4 アクリル酸カリウムと水混和性ないし水溶性ジ
ビニル系化合物とを含有し、これら単量体の濃度が55
〜80重量%の範囲にある加温水溶液に重合反応開始剤
を添加して、外部加熱を行うことなく重合反応を行わせ
ると共に水分を気化させ吸水性樹脂を得る方法。 例−5 分子量750〜10,000のモノオレフィン
重合体に1〜20%のα、β−不飽和カルボン酸あるい
は、その無水物をグラフトした反応生成物、またはモノ
オレフィン重合体を最終的に酸価が10〜100になる
ように酸化して得られる生成物を保護コロイドに用い
て、単量体水溶液を重合不活性で疎水性の液体中に懸濁
させ、水溶性ラジカル重合開始剤の存在下に重合せしめ
る方法。 例−6 アクリル酸及びアクリル酸アルカリ塩と水混和
性ないし水溶性ジビニル系化合物とを含有し、これら単
量体の濃度が55〜80重量%の範囲にある加温水溶液
に、重合反応開始剤を添加、あるいは電子線照射によ
り、外部加熱を行うことなく重合を行わせる方法。
【0004】上記のように、吸水性樹脂は、一般に、逆
相懸濁重合、逆相乳化重合、水溶液重合、有機溶媒中で
の重合等の方法によって、重合体を合成して、製造され
ている。水溶液重合、および有機溶媒中での重合は塊状
状態であるので、重合物が非常に大きな粘性を示すため
に特殊な重合反応器を必要としたり、反応機内部に多量
な残留物を残したり、あるいはこの残留物を抑制するた
めに特殊な界面活性剤を添加したりする必要があった。
また、得られた重合物を粉体状の製品にするためには粉
砕機が必要となり、このために生じる微粉末等を造粒、
あるいは造粒後の再粉砕必要から、この重合法は必ずし
も経済的に優れたものとは言えなかった。
【0005】一方、逆相懸濁重合は、モノマー水溶液が
液滴状で溶剤中に分散した状態での重合で、汎用の槽型
反応器を使用することが出来、重合物が滴状になってい
るため、工業プロセスとしては取り扱い易く水溶液重合
等と比較して優位な重合方法ではあるが、重合で生成し
た1次粒子の大きさが若干小さいために用途が限定さ
れ、残念ながら十分に満足できるものとは言えなかっ
た。そこで、これらの吸水性樹脂の製造においては、粒
径問題を解決すれば工業的に極めて優れたプロセスとな
るため、対応策の1つとして、従来より造粒方法の検討
が行われてきた。
【0006】例えば、特開昭61−97333号公報お
よび特開昭61−101536号公報では吸水性樹脂と
無機粉末との混合物を特殊装置により混合し、この混合
物に水溶液を添加する方法があるが、水を添加するため
に乾燥に大きなエネルギーと時間を必要とすること、造
粒機として高速撹拌を有する特殊装置が必須であること
等に多くの問題を残している。この改良として、特開平
3−137129号公報では水溶液にオキシアルキレン
基含有ポリビニルアルコール系樹脂を用いることで液の
分散性を良くし、これにより特殊機器の必要性回避を試
み、また、特開平2−284927号公報では水の添加
と無機粉末を用いることで汎用性を追及しているが、水
の添加によるエネルギー問題は未解決になっている。特
開平2−308820号公報では、吸水性樹脂粉末と水
溶性高分子化合物粉末を混合し、水溶性高分子化合物が
溶解する温度以上で加熱乾燥する方法があるが、強度を
向上させる方法として水の添加を必要としており、実用
化に当っては、やはりエネルギー問題が残される。かか
る現状において、吸水性樹脂製造プロセスにおける低エ
ネルギーで、しかも汎用機器で実施出来る造粒方法が切
望されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、吸水性樹脂
製造に関し、上記の種々の問題点を解決して、吸水性樹
脂造粒物を安価に製造する方法を提供しようとするもの
である。本発明者らは、上記問題を克服すべく鋭意研究
を行った結果、特定の含水率以上の含水吸水性樹脂を親
水性溶媒に浸漬することで吸水性樹脂の造粒物が安定に
製造でき、かつ得られた造粒物の強度が大きいことを見
出して本発明を完成するに至った。
【0008】
【課題を解決する手段】本発明は、 「1.15重量%以上の水を含有する吸水性樹脂粉体
(含水吸水性樹脂)、含水吸水性樹脂の0.1〜30
重量倍の親水性溶媒に浸漬して造粒することを特徴とす
る吸水性樹脂の造粒方法。 2.15重量%以上の水を含有する吸水性樹脂粉末を親
水性溶媒に浸漬して含有する水を親水性溶媒に移行し、
粉末を凝集させて結合し造粒する、1項に記載された吸
水性樹脂の造粒方法。 3.少なくとも4ケの粉末粒子を各粒子が2mm以下の距
離以内で同時に親水性溶媒に浸漬させる、1項または2
項に記載された吸水性樹脂の造粒方法。 4.親水性溶媒が水との体積比が水/溶媒20/80〜
80/20において均一相を形成するものである、1項
ないし3項のいずれか1項に記載された吸水性樹脂の造
粒方法。 5.逆相懸濁重合により得た15重量%以上の水を含有
する吸水性樹脂(含水吸水性樹脂)と有機溶媒との高濃
度スラリーを、含水吸水性樹脂の0.1〜30重量倍の
親水性溶媒に浸漬して造粒することを特徴とする吸水性
樹脂の造粒方法。 6.逆相懸濁重合によって得たスラリーの有機溶媒が造
粒に用いる親水性溶媒と均一相を形成する場合、有機溶
媒/親水性溶媒=50/50以下である、項に記載さ
れた吸水性樹脂の造粒方法。」に関する。
【0009】
【作用】すなわち、本発明による吸水性樹脂の造粒方法
は、15重量%以上の水を含有する吸水性樹脂を親水性
溶媒に浸漬することで造粒させることを特徴とする。本
発明の効果発現の理由は明確にされていないが、得られ
た造粒体を走査型電子顕微鏡(scanning electron micr
oscope)で観察すると造粒結合部分に吸水性樹脂の一部
の重合体が存在しバインダーとして作用しているように
見受けられる。含水吸水性樹脂を親水溶媒に浸漬すると
含水されている水が親水性溶媒に移動するが、この時、
一部の重合体が水と一緒に移動し吸水性樹脂表面で溶媒
により固化し、バインダー的作用を引き起こしている推
定している。また、この重合体は未架橋重合物ではない
かと推定しているが詳細は不明である。
【0010】含水した吸水性樹脂を親水性溶媒に浸漬す
ると「ゲル相転位」と呼ばれる脱水現象が生じることは
マサチューセッツ工科大学の田中教授らによって明らか
になったが、現象解析に使用されていた吸水性樹脂は1
個の粒子であった。本発明者らは、「ゲル相転位」を工
業的に製造された多数の粒子で確認していたところ、こ
の凝集/造粒現象を見出し本発明に至った。
【0011】次に、本発明で使用する吸水樹脂、重合
開始剤、架橋剤、添加剤、造粒方法、親水性溶媒、含水
した吸水性樹脂について順次詳細に説明する。
【0012】1. 吸水性樹脂 本発明における水溶性エチレン性不飽和モノマーを重合
して得られる吸水性樹脂の例としては、(メタ)アクリ
ル酸塩重合体架橋物、(メタ)アクリル酸エステル−酢
酸ビニル共重合体ケン化物の架橋物、澱粉−アクリル酸
塩グラフト共重合体架橋物、澱粉−アクリルニトリルグ
ラフト共重合体ケン化物の架橋物、澱粉−(メタ)アク
リル酸エステルグラフト共重合体ケン化物の架橋物など
が挙げられる。また、これらの吸水性樹脂に良好な性能
を与えるモノマーであれば、これらと共重合させた共重
合体であっても差し支えない。そのような性能を与える
モノマーとしては、官能基としてカルボン酸または(及
び)その塩、リン酸または(及び)その塩、スルホン酸
または(及び)その塩から誘導される基を有する水溶性
エチレン性不飽和モノマーが挙げられる。具体的には、
マレイン酸あるいはその塩、イタコン酸あるいはその
塩、ビニルスルホン酸あるいはその塩、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸あるいはその塩、
2−アクリロイルエタンスルホン酸あるいはその塩、2
−アクリロイルプロパンスルホン酸あるいはその塩、2
−イタクロイルエタンスルホン酸あるいはその塩、ビニ
ルスルホン酸あるいはその塩等を例示でき、これらの1
種または2種以上を添加することが出来る。さらに本発
明においては、前記の、官能基としてカルボン酸または
(及び)その塩、リン酸または(及び)その塩、スルホ
ン酸または(及び)その塩から誘導される基を有するモ
ノマー以外にこれらと共重合可能な単量体、例えば(メ
タ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリルアミド、(ポリ)エチレングリコールモノ(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アク
リレート等も生成する吸水性樹脂の性能を低下させない
範囲の量で共重合させても差し支えない。また、本発明
における吸水性樹脂がカルボキシレート型、すなわち塩
型、の場合としては、ナトリウムや、カリウム等のアル
カリ金属塩のもの、マグネシウムやカルシウム等のアル
カリ土類金属塩等が挙げられるが、特に好ましいのはア
ルカリ金属塩型のものである。
【0013】(架橋剤及び添加剤)本発明において、吸
水性樹脂の性能向上のため架橋剤や添加剤を加えること
も可能である。架橋剤としては、前記モノマーと共重合
可能な、例えばN,N′−メチレンビス(メタ)アクリ
ルアミド、(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリ
レート類等のジビニル化合物、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、等のポリグリシジルエーテル、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール等のポリオール、及びエチレ
ンジアミン等のポリアミン、ハロエポキシ化合物、ポリ
アルデヒド類、などカルボン酸、リン酸、スルホン酸等
の官能基と反応しうる2個以上の官能基を有する水溶性
の化合物等が好適に使用しうる。添加剤としては、微粒
子状シリカ、二酸化チタン粉末、及びアルミナ粉末等の
不活性な無機質粉末、あるいは界面活性剤等があるが所
望の目的に応じて適時、適量添加される。
【0014】(水溶性重合開始剤)本発明の吸水性樹脂
の重合で用いられる重合開始剤は、水溶性で、かつ水溶
性エチレン性不飽和モノマーの水溶液に溶解しうるもの
であればよい。具体例を挙げると、(イ) 過酸化水
素、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム等の過硫酸塩、(ロ) t−ブチルハイドロパー
オキシドやクメンハイドロパーオキシド等のパーオキシ
ド類、(ハ) アゾイソブチロニトリル、2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のアゾ系開
始剤、が用いられる。これらの重合開始剤の中でも、特
に、過硫酸塩、ハイドロパーオキシド類等のような酸化
性を示す開始剤は、例えば亜硫酸水素ナトリウム、L−
アスコルビン酸、第一鉄塩等のような還元性物質あるい
はアミン類との組み合わせによるレドックス開始剤とし
て用いることが出来る。これらの開始剤の使用量は、一
般には水溶性エチレン性不飽和モノマーに対して0.0
1〜10重量%、好ましくは0.1〜2重量%である。
【0015】(逆相懸濁重合法での有機溶媒、及び分散
剤) 本発明の吸水性樹脂のうち、逆相懸濁重合で製造される
場合用いられる有機溶媒及び分散剤は、前記のようなエ
チレン性不飽和モノマー水溶液が架橋剤の存在下または
不存在下で、重合時に油中水滴型の分散液が安定良く形
成されるもので、重合に不活性なものであればいかなる
ものも1種以上使用できる。このような溶媒としては、
脂肪族炭化水素、脂環族炭化水素、または芳香族炭化水
素であり、脂肪族炭化水素としては、ノルマルペンタ
ン、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン等が、脂環族
炭化水素としては、シクロペンタン、メチルシクロペン
タン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等が、芳
香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン
等が適する。特に、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタ
ン、シクロヘキサンは工業的に品質が一定していて、入
手が容易であり、かつ安価なため好ましい。分散剤とし
ては、有機界面活性剤として、ポリオキシエチレン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビトール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルエーテル、
ソルビトール脂肪酸エステルエーテル、グリセリン脂肪
酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が使用できる。特
に、ソルビトールモノステアレート、ソルビトールモノ
ラウリレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタ
ンモノラウリレート、ショ糖ジステアレート、ショ糖モ
ノ・ジステアレート等が工業的使用においては一定品
質、かつ入手が容易で好ましい。界面活性機能を発現す
る無機粉体等も本発明下で使用でき、具体的には、アエ
ロジル、サイロイド等で、製品設計により適した物が選
択され使用出来る。これらは、必要応じ1種以上使用
出来る。
【0016】2. 造粒方法
【0017】(親水性溶媒)本発明における親水性溶媒
とは、水と溶媒との体積比が水/溶媒=20/80〜8
0/20において均一相を形成できるものであって、具
体的には、メタノール、エタノール、アセトン、アゼチ
ジン、アセトイン、アセトニトリル、2−アミノエタノ
ール、2−アミノ2メチル1プロパノール、アリルアル
コール、イソペンチルアミン、N−エチルアセトアミ
ド、エチルアミン、エチルヒドロキシアミン、エチレン
グリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモ
ノフェニルエーテル、エチレングリコールモノブチルエ
ーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、蟻酸、クスコヒ
グリン、グリセリン、2−クロロ−1,3−プロパンジ
オール、2−クロロ−1,2−プロパンジオール、2−
クロロプロピオン酸、2,2−ジフルオロエタノール、
N,N−ジメチルホルムアミド、1,2−ジメトキシエ
タン、1,2−ジメトキシ−2−プロパノール、トリエ
タノールアミン、トリエチルアミン、トリエチレングリ
コール、2−ニトロエタノール、ピロリジン、1,4−
ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、t−ブチル
アミン、s−ブチルアミン、γ−ブチルラクトン、フル
フリルアミン、フルフリルアルコール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1,2−プロパンジオール、
1,3−プロパンジオール、プロピオルアルデヒド、ア
クリル酸、プロピオン酸、プロピルアミン、2,5−ヘ
キサジオン、2,5−ヘキサンジオール、ベンジルヒド
ラジン、2−ペンタンアミン、t−ペンチルアミン、ホ
ルムアミド等である。これらのうち、工業的に容易に入
手出来たり、また、工業的プロセスに用いる場合、ほと
んどの場合に吸水性樹脂からこれら親水性溶媒を除去す
る必要から除去し易い、すなわち低沸点物が良いことか
ら、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリ
ル、エチルアミン、エチルヒドロキシアミン、1,2−
ジメトキシエタン、トリエチルアミン、ピロリジン、t
−ブチルアミン、s−ブチルアミン、2−プロパノー
ル、プロピオルアルデヒド、プロピルアミン、t−ペン
チルアミン等が、好ましいと言える。
【0018】上述の溶媒は、本発明において、一種、ま
たは2種以上の混合物で使用できるが、親水性溶媒の混
合物の場合は、水を含めた多成分系において均一相であ
ることが好ましい。水と溶媒との体積比が水/溶媒=2
0/80以下、及びあるいは、水/溶媒=80/20以
上においてのみ均一相を形成できるものは、本発明にお
ける親水性溶媒といわない。
【0019】親水性溶媒の量は、親水性溶媒種、含水吸
水性樹脂の含水率、及び混合/撹拌状態等によって最適
値は微妙に変化するが、一般に、含水吸水性樹脂の0.
1〜30重量倍、好ましくは0.2〜20重量倍であれ
ば良い。30重量倍より大きいと、本発明には特に影響
ないが工業的実施において経済的に優れたものと言えな
くなる。また、0.1重量倍より少ないと、一部重合体
の吸水性樹脂表面への移動が制限されるためか、造粒物
の強度が弱く、好ましくない。
【0020】(含水した吸水性樹脂)本目的の含水した
吸水性樹脂は、水分15重量%以上であれば良く、好ま
しくは水分30重量%以上であることが良い。水分が1
5重量%未満では、親水性溶媒に浸漬しても凝集しな
い。含水した吸水性樹脂は、乾燥した吸水性樹脂に所定
量加水して得たもの、あるいは、製造工程中の上記含水
率条件に見合った中間品など、特に制限はない。吸水性
樹脂の粒子形態は、逆相懸濁重合で得られる球形品、水
溶液重合、あるいは球形粒子を一次粒子破砕で得られる
不定形品など、いずれでも良く特に制約はない。
【0021】(含水した吸水性樹脂の親水性溶媒への供
給) 含水した吸水性樹脂は、少なくとも4ケの粒子を各粒子
が2mm以下の距離以内で同時に浸漬させることが好まし
い。混合状態にも因るが、各粒子間距離が2mmより大き
いと凝集しにくいためで、浸漬と同時に凝集作用を引き
起し一部重合体が粒子表面に移動してわずかな時間のみ
粘着性を有し結合するためであろうと推定している。ま
た、粒子数は得られる造粒体の強度を得るために必要
で、4ケ未満だと弱い造粒体となるため好ましくない。
粒子数が多いと、大きな粒径の凝集/造粒体が得られ
る。これは、必要に応じて解砕し、整粒すれば良い。
【0022】具体的な造粒方法例としては、 (1) 逆相懸濁重合後のスラリー(一般には含水率5
0重量%以上の吸水性樹脂である)を沈降分離し、上澄
みの有機溶を除去した高濃度スラリーを、含有する逆
相懸濁重合に用いられた有機溶媒(一般には疎水性溶
媒)と共に、所定のスラリー塊の大きさで撹拌下の親水
性溶媒に投入する。本方法では、含水吸水性樹脂と共に
供給される有機溶が、用いた親水性溶媒と均一相を形
成する場合は、有機溶媒/親水性溶媒の比が50/50
以下であることが必要で、有機溶媒/親水性溶媒の比が
50/50より大きいと凝集/造粒が発現し難い。有機
溶媒が、用いた親水性溶媒と不均一相を形成する(2相
分離する)場合は、量比の制約はない。 (2) 上記方法で、沈降分離の代わりに、濾過、ある
いは遠心分離を用いる。 (3) 逆相懸濁重合で得られた市販品の含水率7重量
%以下の吸水性樹脂を加水して本発明の所定含水率と
し、粉体塊を親水性溶媒中に投入する。 (4) 上記(3)の方法で、乾燥吸水性樹脂が水溶液
重合で得られた不定形品。 これらの対象物、あるいは方法に限定されないことは、
もちろんである。操作温度は、使用された親水性溶媒の
沸点、あるいは親水性溶媒と水との共沸温度のいずれか
低い温度以下で実施することが好ましい。温度による凝
集/造粒効果の向上は確認されなかったので、工業的に
は熱量を軽減して実施することが良い。操作圧力は、常
圧下が好ましい。圧力による凝集/造粒効果の向上もま
た、確認されなかったので、いずれの圧力でも良いが、
工業的に減圧下、あるいは加圧下で実施する必要がな
い。
【0023】(撹拌) 本発明では、親水性溶媒と含水した吸水性樹脂を混合す
る撹拌の形態は、特に制限されるものはなく工業的に
使用されているものは使用出来る。具体的には、汎用の
撹拌翼を用いる場合は、一般的な、パドル翼、傾斜パド
ル翼、アンカー翼、リボン翼、格子翼、特殊なものとし
てはマックスブレンダー翼(住友重機械株式会社製)、
フルゾーン翼(神鋼パンテック株式会社製)、等があ
り、これらの翼は、必要に応じて1段以上の多段に配置
されてもよい。一般に撹拌翼と組み合わされる邪魔板に
対し、本発明では、規制はない。設置する場合には、縦
型円筒状の重合槽の内周面上に軸方向に1個以上の邪魔
板を設置でき、いかなる形状でもよく、好ましくは、対
象位置に形状が単純なために安価である棒型、板型を設
置するのがよい。また、設置しなくても良い。本発明に
より得られた凝集/造粒体に、乾燥、粉砕、分級、表面
改質、各種助剤混合等の工程を施すことは、特に問題な
く、目的に応じた性能改良等を実施すれば良い。また、
本発明の造粒体の性能改良として、例えば、造粒体の強
度を更に向上させる、造粒体粒子径を制御する等のた
め、目的と系に適した助剤類を配合して本発明を行うこ
とは、もちろん可能である。具体的には、無機粉体とし
てアエロジル、サイロイド等、有機物としてポリビニル
アルコール、ポリエチレンワックス類、エチレン−(メ
タ)アクリル酸(エステル)共重合体、各種界面活性剤
等で、本発明を基盤として応用されうるものである。
【0024】
【実施例】以下製造例、実施例、比較例によって本発明
を具体的に説明するが、本発明がこれらに限定されな
ことはもとよりである。
【0025】製造例1 シクロヘキサン324重量部に、分散剤としてソルビタ
ンモノステアレート1.6重量部を添加し、溶解させた
後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を追い出した。(A
液) 100%アクリル酸104重量部と水85重量部を混合
し、冷却下で25%水酸化ナトリウム161重量部を徐
々に加えた。さらにN,N−メチレンビスアクリルアミ
ド0.77重量部、過硫酸カリウム0.24重量部を添
加し、溶解させた後、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を
追い出した。(B液) 撹拌翼、還流冷却器、温度計、棒バッフルおよび窒素ガ
ス導入管を付設した1リットル重合槽に、A液400g
とB液300g を添加し、撹拌して分散させ後、昇温し
た。重合は55℃で開始し、1時間継続、完了させた。
得られた重合後スラリー液をC液とする。C液からシク
ロヘキサン、含水されている水を取り除いて得られた吸
水性樹脂単粒子の平均粒径は185μmであった。
【0026】実施例1〜3 製造例1のC液を静置分離して、上澄みのシクロヘキサ
ンを取り除き、濃縮スラリーD液を得た。D液の組成
は、シクロヘキサン24重量%であった。撹拌翼として
フルゾーン翼(神鋼パンテック株式会社製)と、棒バッ
フルを付設した槽に、アセトンを表1に示す重量部で仕
込み、D液100重量部を約1ccの大きさで連続供給し
た。吸水性樹脂は、ただちに造粒体を形成した。アセト
ンを濾過で除去し、得られた造粒体を乾燥して表1の粒
径結果を得た。乾燥した造粒体を解砕し、20メッシュ
−80メッシュで整粒してみた。収率97重量%で平均
粒径380μmであった。
【0027】比較例1 実施例1〜3で、アセトンを1.5重量部にした以外は
同様の操作を行ったが、造粒しなかった。
【0028】実施例4〜6 実施例1〜3で、アセトンをメタノールに変更した以外
は同様の操作を行い、表2の結果を得た。
【0029】比較例2 実施例4〜6で、メタノールを1.0重量部にした以外
は同様の操作を行ったが、造粒しなかった。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】実施例7〜9 実施例1〜3のD液に、助剤として微粉末シリカ(商品
名サイリシア#770(富士シリシア化学株式会社
製))を添加/混合した以外は同様な実験を行い、表3
の結果を得た。
【0033】
【表3】
【0034】実施例10 市販の不定形吸水性樹脂(商品名アクアリックCA:株
式会社日本触媒製)を破砕し、平均粒径80μmとした
後、水を添加して含水率60重量%の含水吸水性樹脂を
調合した(E品)。実施例1〜3のD液の代わりに、E
品を用いた以外は同様な操作を実施し表4の結果を得
た。
【0035】実施例11 市販の真球状吸水性樹脂(商品名ダイヤウエットUS5
0:三菱油化株式会社製)を200メッシュの篩で分級
し、平均粒径60μmの微粒品を回収した後、これに水
を添加して含水率70重量%の含水吸水性樹脂を調合し
た(F品)。実施例1〜3のD液の代わりに、F品を用
いた以外は同様な操作を実施し表4の結果を得た。
【0036】
【表4】
【0037】
【発明の効果】本発明の方法を用いると、第一に、吸水
性樹脂の造粒物が簡単な操作で、しかも瞬時に得られ
る、第二に、特殊な設備が不要なこと、第三に、どんな
形態の吸水性樹脂にも適応出来ること、第四に、吸水性
樹脂の重合法によらず適応出来る等の優れた製造方法と
なり、工業的貢献度は極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 3/00 - 3/28

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 15重量%以上の水を含有する吸水性樹
    脂粉体(含水吸水性樹脂)、含水吸水性樹脂の0.1
    〜30重量倍の親水性溶媒に浸漬して造粒することを特
    徴とする吸水性樹脂の造粒方法。
  2. 【請求項2】 15重量%以上の水を含有する吸水性樹
    脂粉末を親水性溶媒に浸漬して含有する水を親水性溶媒
    に移行し、粉末を凝集させて結合し造粒する、請求項1
    に記載された吸水性樹脂の造粒方法。
  3. 【請求項3】 少なくとも4ケの粉末粒子を各粒子が2
    mm以下の距離以内で同時に親水性溶媒に浸漬させる、請
    求項1または2に記載された吸水性樹脂の造粒方法。
  4. 【請求項4】 親水性溶媒が水との体積比が水/溶媒2
    0/80〜80/20において均一相を形成するもので
    ある、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された吸
    水性樹脂の造粒方法。
  5. 【請求項5】 逆相懸濁重合により得た15重量%以上
    の水を含有する吸水性樹脂(含水吸水性樹脂)と有機溶
    媒との高濃度スラリーを、含水吸水性樹脂の0.1〜3
    0重量倍の親水性溶媒に浸漬して造粒することを特徴と
    する吸水性樹脂の造粒方法。
  6. 【請求項6】 逆相懸濁重合によって得たスラリーの有
    機溶媒が造粒に用いる親水性溶媒と均一相を形成する場
    合、有機溶媒/親水性溶媒=50/50以下である、請
    求項に記載された吸水性樹脂の造粒方法。
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