JP3440004B2 - 自動車のフラット化シート構造 - Google Patents

自動車のフラット化シート構造

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JP3440004B2
JP3440004B2 JP30893498A JP30893498A JP3440004B2 JP 3440004 B2 JP3440004 B2 JP 3440004B2 JP 30893498 A JP30893498 A JP 30893498A JP 30893498 A JP30893498 A JP 30893498A JP 3440004 B2 JP3440004 B2 JP 3440004B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車のフラッ
ト化シート構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用のシートには、休憩や
安眠のため、或いは車室内を広く利用するために、シー
トクッションとシートバックとを略同一高さで水平にで
きるフラット構造になっているものがある。
【0003】この種のフラット構造としては、例えば、
実公平7−27239号公報にて知られているように、
シートクッションが前端支点を中心に前側へ回動して水
平な反転状態になり、また、シートバックが下端支点を
中心に前側へ回動して水平な前倒し状態となることで、
シートクッションの裏面と、シートバックの背面とが、
略同一高さのフラット面になるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、シートクッションをその前
端支点を中心にして前方へ反転させる構造になっている
ため、フラット化されたシートは、このシートクッショ
ンの全長分だけ前方へ突出することになる。従って、こ
の従来構造はシートの前方に前記全長分のスペースのな
い自動車には適用困難である。
【0005】また、シートクッションの場合は、元々水
平に近い状態になっているものを反転して表裏逆にする
だけなので、シートクッション自体が安定した状態にあ
り、ロック機構の操作が容易であるが、シートバックの
場合は、立った状態のものを前に倒したり、元の状態に
引き起こしたりするため、特にシートバックを引き起こ
す場合には、引き起こした状態のシートバックを保持し
たまま、ロック機構を操作する必要があり、シートバッ
ク側でのロック機構の操作性が良くない。
【0006】この発明は、このような従来の技術に着目
してなされたものであり、シートの前方にスペースがな
くてもフラット化することができ、且つシートバック側
のロック機構の操作が容易な自動車のフラット化シート
構造を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
シートクッションの前側に車幅方向外側へ突出する前側
ローラを設けると共に、シートバックの下端に車幅方向
外側へ突出する下端ローラを設け、これら両ローラをフ
ロアに固定されたスライドレールに対して前後スライド
自在に係合させると共に、シートクッション及びシート
バックの着座状態を維持するロック機構をそれぞれ設
け、シートクッションの前側ローラよりも後方の中間支
点と、スライドレールの途中部位又は周辺部材とを、ク
ッションリンクで連結し、且つシートバックの下端ロー
ラよりも上方の中間支点と、スライドレールの途中部位
又はその周辺部材とを、バックリンクで連結し、前記各
ロック機構を解除して、前側ローラ及び下端ローラを後
方へスライドさせ、シートクッションが前側へ回動して
水平な反転状態となり、シートバックが前側へ回動して
水平な前倒し状態となることで、シートクッションの裏
面と、シートバックの背面とが、略同一高さになる自動
車のフラット化シート構造であって、前記シートバック
側のロック機構は、前側のヒンジピンを中心に持ち上げ
自在に軸支されたラッチプレートを、着座状態における
シートバックの下端ローラに対応する位置に備えてお
り、該ラッチプレートの下部にシートバックの下端ロー
ラの軸部と係合するポケット部を形成すると共に、後端
に軸部と当接してラッチプレートを持ち上げ状態にする
傾斜部を形成し、且つラッチプレートを下向きに付勢す
る付勢手段を組み合わせた。
【0008】請求項1記載の発明によれば、シートクッ
ション及びシートバックを前側へ回動させる際に、それ
ぞれの全体的な前方移動はクッションリンク及びバック
リンクにより拘束されているため、シートクッション及
びシートバックは前側ローラ及び下端ローラをスライド
レールに沿って後方へスライドさせながら、その場で回
動して、反転・前倒し状態となる。従って、シートの前
方にスペースのない自動車にも適用可能となる。また、
シートクッション及びシートバックのフラット化状態で
は、それらの前後移動が、クッションリンク及びバック
リンクにより規制されるため、各ロック機構が解除され
ていても問題ない。
【0009】更に、前倒し状態のシートバックを起こし
て元の着座状態に戻す場合、スライドレールに沿って前
方移動する下端ローラの軸部が、ラッチプレートの後端
の傾斜部に当接して、ラッチプレートを持ち上げ、ラッ
チプレートのポケット部と自動的に係合状態となるた
め、ロック機構の操作が容易になる。
【0010】請求項2記載の発明は、ラッチプレートの
上部に、ラッチプレートを持ち上げ操作するためのスト
ラップを取付けたものである。
【0011】請求項2記載の発明によれば、ラッチプレ
ートの上部にストラップが取付けられているため、ラッ
チプレートの持ち上げ操作が容易である。
【0012】請求項3記載の発明は、ラッチプレートの
前方に前側のヒンジピンを中心に押し下げ自在に軸支さ
れたホルダプレートを備えており、該ホルダプレートに
係合部を形成すると共に、ラッチプレートに非押し下げ
状態のホルダプレートの係合部と係合して該ラッチプレ
ートの持ち上げ状態を維持する被係合部を形成してな
る。
【0013】請求項3記載の発明によれば、ラッチプレ
ートを持ち上げると、ラッチプレートの被係合部がホル
ダプレートの係合部と係合して該ラッチプレートの持ち
上げ状態を維持するため、操作者はラッチプレートから
手を離すことができ、下端ローラを後方に外して、シー
トバックを前倒しさせる操作が容易である。尚、ホルダ
プレートを押し下げれば、ラッチプレートの持ち上げ状
態が解除されて元の状態に戻る。
【0014】請求項4記載の発明は、ホルダプレートに
ラッチプレートの前部下縁に沿って当接する係合部とし
ての爪部を形成すると共に、ラッチプレートの前部下縁
に前記爪部に係合する被係合部としての段部を形成し、
且つホルダプレートを上向きに付勢する付勢手段を組み
合わせた。
【0015】請求項4記載の発明によれば、ホルダプレ
ートの爪部が付勢手段によりラッチプレートの前部下縁
に沿って当接するため、ラッチプレートを持ち上げれ
ば、ラッチプレートの段部が前記爪部に係合して、該ラ
ッチプレートの持ち上げ状態が維持される。そして、ホ
ルダプレートを押し下げれば、爪部と段部との係合が解
除され、ラッチプレートは付勢手段により下向きに回動
し、元の状態に戻る。
【0016】請求項5記載の発明は、ラッチプレートと
ホルダプレートの下端部同士を、引っ張りスプリングに
て連結し、該スプリングにより両者の付勢手段を形成し
てなる。
【0017】請求項5記載の発明によれば、ラッチプレ
ートとホルダプレートの下端部同士を引っ張りスプリン
グにて連結してなるため、1つのスプリングで、双方の
付勢手段を形成でき、部品点数の低減を図ることができ
る。
【0018】請求項6記載の発明は、ホルダプレートか
ら後端部がラッチプレートよりも後方に位置するアーム
を延長形成し、該アームの後端部にラッチプレートから
外れて後方移動する下端ローラの軸部と当接してホルダ
プレートを押し下げ状態にする傾斜部を形成してなる。
【0019】請求項6記載の発明によれば、ラッチプレ
ートの被係合部をホルダプレートの係合部に係合させ
て、ラッチプレートの持ち上げ状態を維持し、下端ロー
ラの軸部をラッチプレートから外して後方移動させる
と、該軸部がアームの傾斜部に当接してホルダプレート
を押し下げるため、ラッチプレートが自動的に元の状態
に戻る。
【0020】請求項7記載の発明は、アームの後端部
に、ラッチプレートと係合すべく前方移動する下端ロー
ラの軸部と当接してホルダプレートを押し下げ状態にす
る傾斜部を形成してなる。
【0021】請求項7記載の発明によれば、前方移動す
る下端ローラの軸部が傾斜部と当接してホルダプレート
を押し下げるため、ラッチプレートと下端ローラとの間
にアームの後端部が位置していても邪魔にならない。
【0022】請求項8記載の発明は、スライドレールの
途中部位付近に周辺部材としてのブラケットを立設し、
該ブラケットにラッチプレート及びホルダプレートをそ
れぞれヒンジピンにより軸支してなる。
【0023】請求項8記載の発明によれば、スライドレ
ールの途中部位付近に立設してなるブラケットに、ラッ
チプレート及びホルダプレートを軸支してなるため、ス
ライドレールにそれらを軸支するための加工を施す必要
がなく、スライドレールの製造が容易になると共に、ス
ライドレールの剛性低下を防止することができる。
【0024】請求項9記載の発明は、ブラケットの上部
をスライドレールに連結してなる。
【0025】請求項9記載の発明によれば、スライドレ
ールの途中部位をブラケットにより下側から支えること
ができるため、スライドレールの剛性が向上し、スライ
ドレールの途中部位の変形が防止される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を図1〜図14に基づいて説明する。尚、図中におい
て、図14だけ、構造を明瞭に見せるため右側部分を示
しており、その他の構造は、左側部分を示している。
【0027】この実施形態は、ワゴン車における3列目
のサードシート1に係るフラット化構造を示すものであ
る。従って、このサードシート1の前方には、図示せぬ
セカンドシートが設けられている。符号2は、スライド
レールで、前後の脚部によりフロアに固定されている。
このスライドレール2は、左右に一対備えられており、
それぞれが内側面に長手方向に沿う開口を有する断面C
形状をしている。このスライドレール2は、車室内から
後方のラゲッジルーム側にかけて設けられている。
【0028】スライドレール2における中間部よりも若
干前側寄りの途中部位付近には、「周辺部材」としての
ブラケット3が立設されている。このブラケット3は、
側面視で概略四角形状をしており、その上部は、図6に
示すように、スライドレール2の内側にから上面にかけ
て接合されている。従って、このブラケット3により支
えられて、スライドレール2の途中部位の下側への変形
が防止されている。また、このブラケット3の前方には
U形のストライカ4が固定されている。
【0029】更に、ブラケット3の後方には、ロック機
構5が設けられている。このロック機構5は、ラッチプ
レート6、ホルダプレート7、スプリング8とから構成
されている。ラッチプレート6は、前側のヒンジピン9
を中心に持ち上げ自在に軸支されており、下部には、ポ
ケット部10が形成されている。上部11は、スライド
レール2の上面に当接するように曲折されており、該上
部11に持ち上げ操作用のストラップ12が取付けられ
ている。ラッチプレート6の後端には、後側が高く前側
が低い傾斜部13が形成されている。この傾斜部13
は、前記上部11がスライドレール2の上面と当接する
ことにより、該スライドレール2のC形断面の開口と高
さが一致するようになっている。ラッチプレート6のヒ
ンジピン9周辺の前部は、円弧形状となっており、その
一部には、「被係合部」としての段部14が形成されて
おり、下端部15は、下方へ延びて形成されている。
尚、ラッチプレート6のヒンジピン9は、図12及び図
13に示すように、ブラケット3及びスライドレール2
を貫通した状態になっており、ヒンジピン9が貫通した
スライドレール2内には、前記ポケット部10に隣接す
る断面半円状の弾性部材(ゴム)16が設けられてい
る。
【0030】ホルダプレート7は、ラッチプレート6よ
りも前側のヒンジピン17を中心に押し下げ自在に軸支
されている。ホルダプレート7の一部には、ラッチプレ
ート6側へ切り起こした「係合部」としての爪部18が
形成されている。また、このホルダプレート7には、後
端部がラッチプレート6よりも後方に位置するアーム1
9が、後向きに形成されている。このアーム19の後端
部には、前後に2つの傾斜部20、21が山形状になる
ように形成されている。そして、このホルダプレート7
の下端部22も下方へ延びて形成されており、この下端
部22と、前記ラッチプレート6の下端部16とは、
「付勢手段」としての、引っ張りスプリング8にて連結
されている。従って、このスプリング8により、ラッチ
プレート6は下向きに付勢され、ホルダプレート7の上
向きに付勢される。1つのスプリング8で、ラッチプレ
ート6とホルダプレート7の両方の付勢手段を形成でき
るため、部品点数の低減になる。
【0031】ブラケット3の下方部位には、更に、水平
な上面部を有する断面L形のストッパ部24が取付けら
れている(図7参照)。このストッパ部24の側縁に
は、リブ25が形成され、全体の剛性を高めている。ス
トッパ部24の上面部には、弾性部材(ゴム)26が設
けられている。このストッパ部24は、ブラケット3の
下方部位に取付けたコンパクトなものなので、スペース
的に有利である。
【0032】サードシート1は、シートクッション27
及びシートバック28とから形成されている。シートク
ッション27の側面には、前側寄りに固定リンク29が
取付けられており、該固定リンク29の前端に車幅方向
外側へ突出する前側ローラ30が設けられており、該前
側ローラ30がスライドレール2に対して前後スライド
自在に係合されている。固定リンク29の後端には、中
間支点S1が設定されており、該中間支点S1と前記ブ
ラケット3とが、クッションリンク31にて連結されて
いる。シートクッション27の側面に取付けた固定リン
ク29の両端に前側ローラ30と中間支点S1を設定し
ているため、両者の設定が容易であると共に、両者間の
間隔が一定になる。また、このクッションリンク31の
シートクッション27側の端部には、シートクッション
27の着座状態及び反転状態において、スライドレール
2の上面に係合するストッパ部32が一体的に曲折形成
されている。このストッパ部32は、弾性部材(ゴム)
33により包まれており、スライドレール2と金属接触
しないようになっている。このストッパ部32は、クッ
ションリンク31に形成してなるものなので、コンパク
トで、スペースをとらない。
【0033】シートクッション27の側面の後端には、
ロック機構34としての固定プレート35及びロックプ
レート36が設けられている(図14参照)。ロックプ
レート36は、前記ストライカ4に係合可能な形状をし
ている。固定プレート35の下縁中央には、湾曲部37
が形成されている。この固定プレート35とロックプレ
ート36との間にも、引っ張りスプリング38が設けら
れている。
【0034】シートバック28の下端には支持プレート
39を介して車幅方向外側へ突出する下端ローラ40が
設けられており、該下端ローラ40がスライドレール2
に対して前後スライド自在に係合されている。また、こ
の下端ローラ40は、前記ラッチプレート6のポケット
部10に係合可能な軸部41を一体的に備えている(図
8参照)。シートバック28の中間部には、中間支点S
2が設定されており、該中間支点S2と前記ブラケット
3とが、バックリンク42にて連結されている。バック
リンク42には、若干の角度で下向きに形成された屈曲
部43が設けられている。この実施形態では、このよう
に、バックリンク42及びクッションリンク31の端部
をブラケット3に軸支しているため、スライドレール2
にそれらを軸支するための加工を施す必要がなく、スラ
イドレール2の製造が容易になると共に、スライドレー
ル2の剛性低下を防止することができる。
【0035】サードシート1の着座状態においては、図
1に示すように、シートクッション27側のロック機構
34におけるロックプレート36がストライカ4に係合
し、シートバック28側のロック機構5におけるラッチ
プレート6のポケット部10がシートバック28におけ
る下端ローラ40の軸部41と係合することにより、着
座状態が維持されている。着座状態で、乗員の背中から
シートバック28の上端に加わる荷重は、中間支点S2
を中心にして、下端ローラ40側では前向きに作用す
る。しかし、この下端ローラ40は、スライドレール2
内の弾性部材16(図12及び図13参照)に当接する
ため、このような下端ローラ40の荷重を確実に受け止
めることができる。
【0036】着座状態でのシートクッション27は、ク
ッションリンク31の端部に一体形成したストッパ部3
2がスライドレール2の上面に係合しているため、この
ストッパ部32とスライドレール2との係合により、シ
ートクッション27の中間支点S1がスライドレール2
により下側から支えられ、上からの荷重に対するシート
クッション27の支持性能が向上する。また、ストッパ
部32が弾性部材33により包まれているため、スライ
ドレール2がストッパ部32との係合により傷付けられ
ることがないし、ストッパ部32とスライドレール2と
の係合により異音が発生することもない。
【0037】更に、着座状態のシートバック28におけ
るバックリンク42は、屈曲部43付近がシートバック
28側に寄った状態となり、バックリンク42が乗員と
干渉しにくくなる。このシートクッション27及びシー
トバック28は、このような着座状態から、後述するよ
うに、シートクッション27を反転させ、シートバック
28を前倒しすることにより、フラット化状態にするこ
ともできる。
【0038】次に、このサードシート1をフラット化さ
せる操作方法を説明する。サードシート1をフラット化
させる場合は、まず、シートクッション27を前側へ回
動させて反転させる。着座状態では、ストライカ4が固
定プレート35の湾曲部37内に入り込んだ状態で、ロ
ックプレート36がストライカ4に係合しているため、
そのロックプレート36を解除方向へ回動させて、ロッ
クプレート36とストライカ4との係合を解除する。こ
のロックプレート36の持ち上げは直接行っても良い
し、ロックプレート36に上向きのストラップを設け、
このストラップを介して持ち上げても良い。
【0039】次に、シートクッション27の後端部を持
ち上げて、いったん立てた状態にした後(図2参照)、
前側へ回動させてシートクッション27を反転状態にす
る(図3参照)。シートクッション27を前側へ回動さ
せる際には、シートクッション27の前方移動がクッシ
ョンリンク31により規制されているため、シートクッ
ション27は、前側ローラ30を後方へスライドさせな
がら、その場で反転する。従って、図示せぬ前席(セカ
ンドシート)とのスペースがなくても、シートクッショ
ン27の反転には支障はない。そして、シートクッショ
ン27の水平な反転状態は、クッションリンク31の端
部に形成されたストッパ部32が、スライドレール2の
上面に係合することに維持される。従って、反転状態の
場合も、前記着座状態の場合と同様に、ストッパ部32
とスライドレール2との係合により、シートクッション
27の中間支点S1がスライドレールにより下側から支
えられ、上からの荷重に対するシートクッション27の
支持性能が向上する。
【0040】次に、シートバック28を前倒しして水平
状態にする。まず、ラッチプレート6の上部11に取付
けられているストラップ12を持って、ラッチプレート
6を上側に回動させる。すると、図10に示すように、
ラッチプレート6の段部14がホルダプレート7の爪部
18に係合して、ラッチプレート6の持ち上げ状態が維
持される。これは、ホルダプレート7の爪部18が、ラ
ッチプレート6の円弧状の前部下縁に対して、スプリン
グ8の付勢力で当接しているため、ラッチプレート6を
持ち上げることによって、爪部18が前部下縁に沿って
移動し、段部14を越すことにより、この段部14との
係合で、ラッチプレート6が元に戻れなくなるのを利用
している。このように、ラッチプレート6の持ち上げ状
態が維持されるため、操作者はラッチプレート6から手
を離すことができ、その後の操作が容易である。
【0041】ラッチプレート6との係合を解除するため
に、下端ローラ40を後方へ移動させると、下端ローラ
40の軸部41がアーム19の後端部の傾斜部20に当
接し、アーム19(ホルダプレート7)を押し下げる。
ホルダプレート7が押し下げられると、前記の爪部18
と段部14との係合が解除され、スプリング8の付勢力
によりラッチプレート6が下側に回動し、元の状態に戻
る。
【0042】下端ローラ40は、アーム19を押し下げ
た後、そのままスライドレール2内を後方へ向けて移動
することができる。下端ローラ40を後側へ移動させる
に伴って、シートバック28は水平な前倒し状態とな
る。シートバック28を前倒し状態にすると、バックリ
ンク42の屈曲部43が、ブラケット3に固定されたス
トッパ部24の弾性部材26に当接する。そして、この
ストッパ部24とバックリンク42との係合により、バ
ックリンク42を介して、シートバック28の中間支点
S2が下側から支えられるため、上からの荷重に対する
シートバック28の支持性能も向上する。シートバック
28の前倒し状態では、バックリンク42の屈曲部43
の位置が下がるため、ストッパ部24を設ける位置も低
くなる。従って、ストッパ部24を形成するためのスペ
ースを、他の機構(ロック機構5等)で混雑したスライ
ドレール2付近を避けて設定することができる。
【0043】水平状態にされたシートバック28の背面
は、前記シートクッション27の裏面と同じ高さにな
り、これらの背面と裏面とでフラットな連続した面が形
成される。このようなシートクッション27及びシート
バック28のフラット化状態では、それらの前後移動
が、クッションリンク31及びバックリンク42により
規制されるため、各ロック機構5、34が解除されてい
ても問題ない。
【0044】次に、前倒し状態のシートバック28を、
元の着座状態に戻す場合の作用を、図9〜図10を利用
して説明する。シートバック28を着座状態にするため
引き起こすと、下端ローラ40は、スライドレール2を
前方へ移動する。前方移動する下端ローラ40の軸部4
1は、アーム19の後端部の傾斜部21に当接し、アー
ム19を押し下げながら乗り越える。次に、下端ローラ
40の軸部41は、ラッチプレート6の後端の傾斜部1
3に当接する。そして、ラッチプレート6を持ち上げて
ポケット部10と係合状態になる。ラッチプレート6は
軸部41との当接により若干持ち上がるが、この程度の
持ち上がりでは、段部14と爪部18とは係合しない。
軸部41がラッチプレート6のポケット部10内に係合
することにより、シートバック28の元の着座状態にな
る。このように、シートバック28を引き上げる際に、
下端ローラ40の軸部41が、ラッチプレート6のポケ
ット部10に自動的に係合するため、シートバック28
側におけるロック機構5の操作が容易である。尚、シー
トクッション27を着座状態に戻す場合には、反転させ
た操作と逆を行えば良い。
【0045】この実施形態によれば、シートクッション
27及びシートバック28が、前側ローラ30及び下端
ローラ40をスライドレール2に沿って後方へスライド
させならが、その場で回動して、反転・前倒し状態とな
るため、前方の図示せぬセカンドシート1とのスペース
のない自動車にも適用可能となる。
【0046】尚、以上の説明では、シートクッション2
7の側面に固定リンク29を設け、この固定リンク29
に前側ローラ30と中間支点S1を設定したが、シート
クッション27も、シートバック28と同様に、シート
クッション27の側面に前側ローラ30と中間支点S1
とを独立して設けても良い。
【0047】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、シートク
ッション及びシートバックを前側へ回動させる際に、そ
れぞれの全体的な前方移動はクッションリンク及びバッ
クリンクにより拘束されているため、シートクッション
及びシートバックは前側ローラ及び下端ローラをスライ
ドレールに沿って後方へスライドさせながら、その場で
回動して、反転・前倒し状態となる。従って、シートの
前方にスペースのない自動車にも適用可能となる。ま
た、シートクッション及びシートバックのフラット化状
態では、それらの前後移動が、クッションリンク及びバ
ックリンクにより規制されるため、各ロック機構が解除
されていても問題ない。
【0048】更に、前倒し状態のシートバックを起こし
て元の着座状態に戻す場合、スライドレールに沿って前
方移動する下端ローラの軸部が、ラッチプレートの後端
の傾斜部に当接して、ラッチプレートを持ち上げ、ラッ
チプレートのポケット部と自動的に係合状態となるた
め、ロック機構の操作が容易になる。
【0049】請求項2記載の発明によれば、ラッチプレ
ートの上部にストラップが取付けられているため、ラッ
チプレートの持ち上げ操作が容易である。
【0050】請求項3記載の発明によれば、ラッチプレ
ートを持ち上げると、ラッチプレートの被係合部がホル
ダプレートの係合部と係合して該ラッチプレートの持ち
上げ状態を維持するため、操作者はラッチプレートから
手を離すことができ、下端ローラを後方に外して、シー
トバックを前倒しさせる操作が容易である。尚、ホルダ
プレートを押し下げれば、ラッチプレートの持ち上げ状
態が解除されて元の状態に戻る。
【0051】請求項4記載の発明によれば、ホルダプレ
ートの爪部が付勢手段によりラッチプレートの前部下縁
に沿って当接するため、ラッチプレートを持ち上げれ
ば、ラッチプレートの段部が前記爪部に係合して、該ラ
ッチプレートの持ち上げ状態が維持される。そして、ホ
ルダプレートを押し下げれば、爪部と段部との係合が解
除され、ラッチプレートは付勢手段により下向きに回動
し、元の状態に戻る。
【0052】請求項5記載の発明によれば、ラッチプレ
ートとホルダプレートの下端部同士を引っ張りスプリン
グにて連結したため、1つのスプリングで、双方の付勢
手段を形成でき、部品点数の低減を図ることができる。
【0053】請求項6記載の発明によれば、ラッチプレ
ートの被係合部をホルダプレートの係合部に係合させ
て、ラッチプレートの持ち上げ状態を維持し、下端ロー
ラの軸部をラッチプレートから外して後方移動させる
と、該軸部がアームの傾斜部に当接してホルダプレート
を押し下げるため、ラッチプレートが自動的に元の状態
に戻る。
【0054】請求項7記載の発明によれば、前方移動す
る下端ローラの軸部が傾斜部と当接してホルダプレート
を押し下げるため、ラッチプレートと下端ローラとの間
にアームの後端部が位置していても邪魔にならない。
【0055】請求項8記載の発明によれば、スライドレ
ールの途中部位付近に立設したブラケットに、ラッチプ
レート及びホルダプレートを軸支したため、スライドレ
ールにそれらを軸支するための加工を施す必要がなく、
スライドレールの製造が容易になると共に、スライドレ
ールの剛性低下を防止することができる。
【0056】請求項9記載の発明によれば、スライドレ
ールの途中部位をブラケットにより下側から支えること
ができるため、スライドレールの剛性が向上し、スライ
ドレールの途中部位の変形が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係るサードシートの着
座状態を示す側面図。
【図2】図1のシートをフラット化する途中状態を示す
側面図。
【図3】図1のシートをフラット化した状態を示す側面
図。
【図4】図1のスライドレールの右側の内側部分を示す
斜視図。
【図5】図1中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図6】図1中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【図7】図1中矢示SC−SC線に沿う断面図。
【図8】図1中矢示SD−SD線に沿う断面図。
【図9】図1のシートバック側のロック機構を示す側面
図。
【図10】ラッチプレートが持ち上げられた状態を示す
図9相当の側面図。
【図11】ホルダプレートが押し下げられた状態を示す
図9相当の側面図。
【図12】図9中矢示SE−SE線に沿う断面図。
【図13】図12中矢示SF−SF線に沿う断面図。
【図14】図1のシートクッション側のロック機構を示
す側面図。
【符号の説明】
2 スライドレール 3 ブラケット(周辺部材) 5 ロック機構(シートバックの) 6 ラッチプレート 7 ホルダプレート 8 スプリング(付勢手段) 9 ヒンジピン(ラッチプレートの) 10 ポケット部 12 ストラップ 13 傾斜部(ラッチプレートの) 14 段部(被係合部) 17 ヒンジピン(ホルダプレートの) 18 爪部(係合部) 19 アーム 20、21 傾斜部(アームの) 24 ストッパ部(シートバックの) 26 弾性部材 27 シートクッション 28 シートバック 29 固定リンク 30 前側ローラ 31 クッションリンク 32 ストッパ部 33 弾性部材 34 ロック機構(シートクッションの) 40 下端ローラ 41 軸部 42 バックリンク 43 屈曲部 S1、S2 中間支点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/34 B60N 2/36

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートクッションの前側に車幅方向外側
    へ突出する前側ローラを設けると共に、シートバックの
    下端に車幅方向外側へ突出する下端ローラを設け、これ
    ら両ローラをフロアに固定されたスライドレールに対し
    て前後スライド自在に係合させると共に、シートクッシ
    ョン及びシートバックの着座状態を維持するロック機構
    をそれぞれ設け、 シートクッションの前側ローラよりも後方の中間支点
    と、スライドレールの途中部位又は周辺部材とを、クッ
    ションリンクで連結し、且つシートバックの下端ローラ
    よりも上方の中間支点と、スライドレールの途中部位又
    はその周辺部材とを、バックリンクで連結し、 前記各ロック機構を解除して、前側ローラ及び下端ロー
    ラを後方へスライドさせ、シートクッションが前側へ回
    動して水平な反転状態となり、シートバックが前側へ回
    動して水平な前倒し状態となることで、シートクッショ
    ンの裏面と、シートバックの背面とが、略同一高さにな
    る自動車のフラット化シート構造であって、 前記シートバック側のロック機構は、前側のヒンジピン
    を中心に持ち上げ自在に軸支されたラッチプレートを、
    着座状態におけるシートバックの下端ローラに対応する
    位置に備えており、該ラッチプレートの下部にシートバ
    ックの下端ローラの軸部と係合するポケット部を形成す
    ると共に、後端に軸部と当接してラッチプレートを持ち
    上げ状態にする傾斜部を形成し、且つラッチプレートを
    下向きに付勢する付勢手段を組み合わせたことを特徴と
    する自動車のフラット化シート構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動車のフラット化シー
    ト構造であって、 ラッチプレートの上部に、ラッチプレートを持ち上げ操
    作するためのストラップを取付けてなることを特徴とす
    る自動車のフラット化シート構造。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の自動車のフ
    ラット化シート構造であって、 ラッチプレートの前方に前側のヒンジピンを中心に押し
    下げ自在に軸支されたホルダプレートを備えており、該
    ホルダプレートに係合部を形成すると共に、ラッチプレ
    ートに非押し下げ状態のホルダプレートの係合部と係合
    して該ラッチプレートの持ち上げ状態を維持する被係合
    部を形成してなることを特徴とする自動車のフラット化
    シート構造。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の自動車のフラット化シー
    ト構造であって、 ホルダプレートにラッチプレートの前部下縁に沿って当
    接する係合部としての爪部を形成すると共に、ラッチプ
    レートの前部下縁に前記爪部に係合する被係合部として
    の段部を形成し、且つホルダプレートを上向きに付勢す
    る付勢手段を組み合わせたことを特徴とする自動車のフ
    ラット化シート構造。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の自動車のフラット化シー
    ト構造であって、 ラッチプレートとホルダプレートの下端部同士を、引っ
    張りスプリングにて連結し、該スプリングにより両者の
    付勢手段を形成してなることを特徴とする自動車のフラ
    ット化シート構造。
  6. 【請求項6】 請求項4又は請求項5記載の自動車のフ
    ラット化シート構造であって、 ホルダプレートから後端部がラッチプレートよりも後方
    に位置するアームを延長形成し、該アームの後端部にラ
    ッチプレートから外れて後方移動する下端ローラの軸部
    と当接してホルダプレートを押し下げ状態にする傾斜部
    を形成してなることを特徴とする自動車のフラット化シ
    ート構造。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の自動車のフラット化シー
    ト構造であって、 アームの後端部に、ラッチプレートと係合すべく前方移
    動する下端ローラの軸部と当接してホルダプレートを押
    し下げ状態にする傾斜部を形成してなることを特徴とす
    る自動車のフラット化シート構造。
  8. 【請求項8】 請求項3〜7のいずれか1項に記載の自
    動車のフラット化シート構造であって、 スライドレールの途中部位付近には、周辺部材としての
    ブラケットを立設し、該ブラケットには、ラッチプレー
    ト及びホルダプレートをそれぞれヒンジピンにより軸支
    してなることを特徴とする自動車のフラット化シート構
    造。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の自動車のフラット化シー
    ト構造であって、 ブラケットの上部をスライドレールに連結してなること
    を特徴とする自動車のフラット化シート構造。
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