JP3439249B2 - 新規なピロール型化合物及び発毛・育毛促進剤 - Google Patents

新規なピロール型化合物及び発毛・育毛促進剤

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JP3439249B2
JP3439249B2 JP32569693A JP32569693A JP3439249B2 JP 3439249 B2 JP3439249 B2 JP 3439249B2 JP 32569693 A JP32569693 A JP 32569693A JP 32569693 A JP32569693 A JP 32569693A JP 3439249 B2 JP3439249 B2 JP 3439249B2
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光雄 村山
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【技術分野】本発明は、ピロール型化合物を有効成分と
して含有する発毛・育毛促進剤に関するものである。 【0002】すなわち、本発明は、一般式(I) 【化2】 【0003】〔式中、Rは、ホルミル、メチル、クロ
ルの置換基を有しまたは有しないベンゾイル、ニトロフ
ェニル、ニトロベンジル、1−カルボニル−3−エトキ
シカルボニルプロピル、または2−メトキシ−3−メト
キシカルボニル−2−プロペニルである。但し、 (1)Rがホルミルである場合は、Rは、 (i)3位にヒドロキシ、メルカプトもしくはクロルを
置換基として有し又は有しないプロピルであるか、又は (ii)メトキシ、エトキシカルボニルエチルもしくは
フェノキシを置換基として有するカルボニルであるか、
又は (iii)フェノキシカルボニルもしくはメトキシカル
ボニルを置換基として有するメチルであるか、又は (iv)2−メトキシ−3−メトキシカルボニル−2−
プロペニルであるか、又は (v)クロルを置換基として有し又は有しないベンゾイ
ルであるか、又は (vi)2−ブテニルであるか、又は (vii)3−カルボキシプロピルであるか、又は (viii)トシルであり、R及びRは、水素原子
であり、Rは、水素原子又はヒドロキシメチルであ
り、 【0004】(2)Rがメチルである場合は、R
は、水素原子であり、Rは、クロルを置換基として
有し又は有しないベンゾイル、フェノキシカルボニル又
は1−カルボニル−3−エトキシカルボニルプロピルで
あり、Rは、水素原子であるか、又はRと同じであ
りRは、メチルであり、 【0005】(3)Rがクロルの置換基を有し又は有
しないベンゾイル、ニトロベンジル、ニトロフェニル、
1−カルボニル−3−エトキシカルボニルプロピル又は
2−メトキシ−3−メトキシカルボニル−2−プロペニ
ルである場合は、R、RおよびRは、水素原子で
あり、Rは、水素原子であるか、又はRと同じであ
る。〕で表されるピロール型化学構造を有する化合物を
有効成分として含有する発毛・育毛促進剤に関するもの
である。 【0006】 【背景技術】脱毛症の原因としては、栄養摂取のアンバ
ランス、ふけの過剰発生による頭皮の生理機能の低下、
末梢血管の血流量の減少による毛乳頭部位への血液供給
不足による新陳代謝の低下、皮脂腺及び毛包、毛根部に
おける男性ホルモンの関与による毛包機能の低下、精神
的ストレス等が知られており、さまざまな薬剤が脱毛症
等の治療に用いられている。例えば、抗アンドロジェン
作用を示すエチニルエストラジオール、末梢の血管血流
促進作用を示すビタミンE、センブリエキス、ニンジン
エキス、セファランチン等、局所刺激作用を示すトウガ
ラシチンキ、ハッカ油、1−メントール等が挙げられる
が、いまだ満足すべきものがないのが現状である。 【0007】本発明者は、先に、トリカブトの根より得
られる非アコニチン型アルカロイド成分を含有する画分
に顕著な発毛・育毛促進作用のあることを見出した(特
願平4−103434号)。その後、トリカブトの根に
含有されている非アコニチン型アルカロイド成分より一
物質を単離し、その化学構造を決定した。さらに、その
化学構造に基づき種々誘導体を合成して検討を重ねた結
果、前記の一般式(I)で表わされるピロール型化学構
造を有する化合物が発毛・育毛作用を有することを見い
出した。本発明は、かかる知見に基づくものである。前
記 一般式(I)で表される化合物が、発毛・育毛促進
作用を有することは知られていない。したがって、本発
明は前記一般式(I)で表わされる化合物を含有する新
規な発毛・育毛促進剤を提供するものである。 【0008】 【発明の開示】前記一般式(I)で表される化合物は、
市販のピロール又はピロール型化合物を用いて、通常化
学反応で用いられるアルキル化反応、アリール化反応及
びアシル化反応を行うことにより得ることができる。 【0009】一般式(I)の式中、R、R、R
及びRで表わされる置換基が、種々の置換基を有
し又は有しない飽和又は不飽和のアルキルである化合物
は、ピロール型化合物を出発物質として、このものと通
常化学反応で用いられるアルキル化剤、例えば該当する
アルキルを有するハロゲン化アルキル等とを、適当なア
ルカリ、例えば炭酸カリウム、n−ブチルリチウムのヘ
キサン溶液等 を加え、必要に応じて、反応中に生じる
酸の吸収剤として例えばジメチルホルムアミド等を加
え、任意の適当な温度条件下にて撹拌することにより得
ることができる。 【0010】一般式(I)の式中、R、R、R
及びRで表わされる置換基が、種々の置換基を有
し又は有しない脂肪族又は芳香族のアシルである化合物
は、ピロール型化合物を出発物質として、このものを適
当な溶媒、例えばピリジン、塩化メチレン、テトラヒド
ロフラン等に溶解し、これにアシル化剤、例えば酸塩化
物、あるいは酸無水物等を加え、適当な溶媒、例えばピ
リジン、トリエチルアミン、n−ブチルリチウムのヘキ
サン溶液等の存在下で、任意の適当な温度条件下におい
て撹拌することにより得ることができる。又、上記の反
応を種々組合せて行うことにより、一般式(I)で表わ
される化合物を得ることができる。 【0011】又、前記一般式(I)で表される化合物
は、前述の有機合成による手法の他、トリカブト属植物
の塊根から分離・精製し、単離することができる。例え
ば、トリカブトの根又はそれを加熱処理して毒性を減ら
した製剤の加工ブシ末(三和生薬製)の50%エタノー
ルエキスを、ポリアミドカラム及びシリカゲルカラムを
用いて、分離・精製することにより、1−(3−カルボ
キシプロピル)−2−ホルミル−5−ヒドロキシメチル
−ピロールを得ることができる。さらに、この分離・精
製過程の分画エキスは、一般式(I)で表される化合物
を含むものである。 【0012】前記の式(I)で表されるピロール型化合
物は、本発明に係る発毛・育毛促進剤の有効成分とし
て、原体のまま、あるいは適当な基剤を使用して、その
基剤に対し希釈して使用することができる。又、トリカ
ブトの根から得られる画分で、上記式(I)の構造を有
する化合物を含むものを有効成分として用いることがで
きる。この発毛・育毛促進剤の基剤としては、化粧品、
医薬品等の業界で通常用いられる任意所要の担体、乳化
剤、懸濁化剤、芳香剤等の添加剤が用いられ、慣用の方
法で製剤化する。これらの材料の例としては、オレイン
酸、トリエタノールアミン、サラシミツロウ、セチルア
ルコール、ラウリル硫酸ナトリウム、グリセリン、アル
ギン酸ナトリウム、アラビアゴム、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイ
ト、ワセリン、流動パラフィン、アルコール及びそのエ
ステル、例えば、エタノール、プロピレングリコール、
セトステアリルアルコール、ソルビタンモノステアレー
ト等があげられ、剤形は、ヘヤートニック、ヘヤークリ
ーム、ヘヤーローション、ヘヤーシャンプー等、その他
種々の形で提供することができる。又、軟膏用組成物、
あるいは硬膏用組成物の形でも提供することができる。
これら各製剤は周知の製剤用担体、例えば、ワセリン、
パラフィン、加水ラノリン、プラスチベース、親水ワセ
リン、マクロゴール類、ロウ、樹脂、精製ラノリン、ゴ
ム等を含有していてもよい。これ等外用剤に含有させる
前記の式(I)の化合物の含量は約0.005〜1%、
好ましくは0.01〜0.5%である。 【0013】以下に、本発明に用いる前記の式(I)の
化合物の製造実施例、薬理作用試験、安全性試験及び処
方例について述べる。尚、以下の表中の化合物No.と
その化合物名の対照表を表1に示す。 【0014】 【実施例】 〔実施例1〕2−ホルミルピロール95mgにヨウ化メ
チル1.42g及び炭酸カリウム150mgを加え、4
時間加熱還流する。冷後、反応液をろ過した後、ろ液を
減圧下濃縮乾固し、残留物をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼン・
酢酸エチル=99:1)にて精製し、1−メチル−2−
ホルミルピロール4.2mg(無色針状晶)を得る。 【0015】〔実施例2〕2−ホルミルピロール109
mgにヨウ化n−プロピル4.25g及び炭酸カリウム
125mgを加え、6時間加熱還流する。冷後、反応液
をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固し、残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30
g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=99:1)にて精
製し、1−プロピル−2−ホルミルピロール13mg
(無色針状晶)を得る。 【0016】〔実施例3〕2−ホルミルピロール190
mgに3−ブロモ−1−プロパノール480mg及び炭
酸カリウム552mg及びジメチルホルムアミド(DM
F)1mlを加え、14時間加熱還流する。冷後、反応
液をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固し、残留物をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30
g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=9:1)にて精製
し、N−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ホルミルピ
ロール77mg(無色油状)を得る。 【0017】〔実施例4〕2−ホルミルピロール190
mgに3−クロロ−1−プロパンチオール1ml及び炭
酸カリウム552mgを加え、1.5時間加熱還流す
る。冷後、反応液をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固
し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル:30g,溶離液:ベンゼン)にて精製し、N
−(3−メルカプトプロピル)−2−ホルミルピロール
45mg(無色油状)を得る。 【0018】〔実施例5〕2−ホルミルピロール95m
gに1−ブロモ−3−クロロプロパン1.57g及び炭
酸カリウム276mgを加え、23時間加熱還流する。
冷後、反応液をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固し、
残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカ
ゲル:30g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=99:
1)にて精製し、N−(3−クロロプロピル)−2−ホ
ルミルピロール75mg(無色油状)を得る。 【0019】〔実施例6〕2−ホルミルピロール95m
gに臭化p−ニトロ−ベンジル650mg及び炭酸カリ
ウム276mg及びDMF1mlを加え、12時間加熱
還流する。冷後、反応液をろ過した後、ろ液を減圧下濃
縮乾固し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチ
ル=99:1)にて精製し、N−(p−ニトロ−ベンジ
ル)−2−ホルミルピロール105mg(淡黄色板状
晶)を得る。 【0020】〔実施例7〕2−ホルミルピロール285
mgにブロモ酢酸メチルエステル504mg及び炭酸カ
リウム750mgを加え、1時間加熱還流する。冷後、
反応液をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固し、残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:
75g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=96:4)に
て精製し、N−(メトキシカルボニルメチル)−2−ホ
ルミルピロール150mg(無色油状)を得る。 【0021】〔実施例8〕実施例7で得られるN−(メ
トキシカルボニルメチル)−2−ホルミルピロール11
0mgをジオキサン5mlに溶解し、10%炭酸水素カ
リウム5mlを加えた後、1時間加熱還流する。冷後、
反応液に水100mlを加え、酢酸エチル50mlにて
3回洗浄する。水層に85%リン酸を加えてpH3.5
に調製した後、酢酸エチル100mlにて2回抽出す
る。抽出液を合わせ、芒硝にて乾燥後、溶媒を留去し、
残留物を酢酸エチルにより再結晶し、N−(カルボキシ
メチル)−2−ホルミルピロール89mg(無色針状
晶)を得る。 【0022】〔実施例9〕フェノール515mgをエー
テル5mlに溶解し、室温にて撹拌しながら、1,2−
ジブロモ酢酸0.5mlを滴加した後、0℃の条件下に
て、ピリジン/エーテル混液(488mg/2ml)2
mlを滴加し、5分間撹拌する。反応終了後、エーテル
80mlを加え、水30mlにて3回洗浄する。エーテ
ル層を芒硝にて乾燥後、溶媒を留去する。残留物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30
g,溶離液:ベンゼン)にて精製し、2−ブロモ酢酸フ
ェニルエステル212mgを得る。これに、2−ホルミ
ルピロール100mg及び炭酸カリウム276mg及び
DMF2mlを加え、30分間加熱還流する。冷後、反
応液をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固し、残留物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:3
0g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=99:1)にて
精製し、N−(フェノキシカルボニルメチル)−2−ホ
ルミルピロール5mg(無色油状)を得る。 【0023】〔実施例10〕2−ホルミルピロール71
mgをテトラヒドロフラン(THF)2mlに溶解し、
0℃の条件下にて15%n−ブチルリチウム/ヘキサン
溶液345mgを加え、5分間撹拌した後、クロロギ酸
メチル0.5mlを加え5分間撹拌する。反応液をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30
g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=97:3)にて精
製し、N−(メトキシカルボニル)−2−ホルミルピロ
ール24mg(無色油状)を得る。 【0024】〔実施例11〕2−ホルミルピロール71
mgをTHF2mlに溶解し、0℃の条件下にて15%
n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液345mgを加え、
5分間撹拌した後、クロロギ酸フェニル0.5mlを加
え5分間撹拌する。反応液をシリカゲルカラムクロマト
グラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼン・
酢酸エチル=98:2)にて精製し、N−(フェノキシ
カルボニル)−2−ホルミルピロール29mg(無色油
状)を得る。 【0025】〔実施例12〕2−ホルミルピロール19
0mgをTHF5mlに溶解し、0℃の条件下にて15
%n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液926mgを加
え、30分間撹拌した後、臭化アセチル600mgを滴
加し、5分間撹拌する。反応液をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼ
ン・酢酸エチル=98:2)にて精製し、N−アセチル
−2−ホルミルピロール1mg(無色油状)を得る。 【0026】〔実施例13〕2−ホルミルピロール95
mgをTHF1mlに溶解し、0℃の条件下にて15%
n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液463mgを加え、
30分間撹拌した後、塩化ベンゾイル154mgを滴加
し、5分間撹拌する。反応液をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼン
・酢酸エチル=98:2)にて精製し、N−ベンゾイル
−2−ホルミルピロール63mg(無色針状晶)を得
る。 【0027】〔実施例14〕2−ホルミルピロール95
mgをTHF1mlに溶解し、0℃の条件下にて15%
n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液463mgを加え、
30分間撹拌した後、p−トルエンスルホン酸クロリド
210mgを加え、5分間撹拌する。反応液をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30g,溶
離液:ベンゼン・酢酸エチル=98:2)にて精製し、
N−トシル−2−ホルミルピロール83mg(淡褐色針
状晶)を得る。 【0028】〔実施例15〕2−ホルミルピロール95
mgに1−クロロ−2−ブテン1.211g及び炭酸カ
リウム276mgを加え、7時間加熱還流する。冷後、
反応液をろ過した後、ろ液を減圧下濃縮乾固し、残留物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:
30g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=99:1)に
て精製し、N−(2−ブテニル)−2−ホルミルピロー
ル14mg(無色油状)を得る。 【0029】〔実施例16〕2−ホルミルピロール95
mgをTHF1mlに溶解し、0℃の条件下にて15%
n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液463mgを加え、
30分間撹拌した後、塩化m−クロロベンゾイル184
mgを加え、5分間撹拌する。反応液をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:
ベンゼン・酢酸エチル=98:2)にて精製し、N−
(m−クロロベンゾイル)−2−ホルミルピロール26
mg(淡黄色針状晶)を得る。 【0030】〔実施例17〕2−ホルミルピロール10
0mgをDMF1mlに溶解し、p−ニトロブロモベン
ゼン233mg及び炭酸カリウム290mgを加え、1
5時間加熱還流する。冷後、反応液をろ過した後、ろ液
を減圧下濃縮乾固し、残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼン
・酢酸エチル=99:1)にて精製し、N−(p−ニト
ロフェニル)−2−ホルミルピロール69mg(淡褐色
針状晶)を得る。 【0031】〔実施例18〕2−ホルミルピロール10
3mgをTHF1mlに溶解し、−70℃の条件下にて
15%n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液510mgを
加え、5分間撹拌後、コハク酸モノエチルクロリド17
8mgを加え、−60℃にて1時間撹拌する。反応液を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:3
0g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=95:5)にて
精製し、N−(1−カルボニル−3−エトキシカルボニ
ルプロピル)−2−ホルミルピロール12mg(無色油
状)を得る。 【0032】〔実施例19〕2−ホルミルピロール95
mgに4−クロロ−3−メトキシ−2(E)−ブテン酸
メチル2.02g及び炭酸カリウム828mgを加え、
18時間加熱還流する。冷後、反応液をろ過した後、ろ
液を減圧下濃縮乾固し、残留物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼ
ン・酢酸エチル=97:3)にて精製し、N−(2−メ
トキシ−3−メトキシカルボニル−2−プロペニル)−
2−ホルミルピロール137mg(無色油状)を得る。 【0033】〔実施例20〕ピロール185mgに1−
クロロ−2−ブテン503mg及び炭酸カリウム691
mgを加え、室温にて15時間撹拌する。反応溶液をろ
過し、ろ液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル:30g,溶離液:n−ヘキサン・ベンゼン=
3:1)にて精製し、2−(2−ブテニル)−ピロール
17mg(無色針状晶)及び2,5−ジ−(2−ブテニ
ル)−ピロール30mg(無色油状)を得る。 【0034】〔実施例21〕ピロール278mgに4−
クロロ−3−メトキシ−2−ブテン酸メチル1025m
g及び炭酸カリウム2.2g及びDMF2mlを加え、
6時間加熱還流する。冷後、反応液をろ過し、ろ液をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30
g,溶離液:n−ヘキサン・ベンゼン=35:65)に
て精製し、2−(2−メトキシ−3−メトキシカルボニ
ル−2−プロペニル)−ピロール13mg(無色油状)
を得る。続いてベンゼンにて溶出し、2,5−ジ−(2
−メトキシ−3−メトキシカルボニル−2−プロペニ
ル)−ピロール33mg(淡黄色油状)を得る。 【0035】〔実施例22〕ピロール265mgに塩化
ベンジル1.145g及び炭酸カリウム1.2gを加
え、80℃にて1時間撹拌する。反応溶液をろ過し、ろ
液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲ
ル:30g,溶離液:n−ヘキサン・ベンゼン=6:
4)にて精製し、2−ベンジルピロール30mg(黄色
油状)を得る。 【0036】〔実施例23〕ピロール200mgにp−
ニトロ臭化ベンジル1296mg及び炭酸カリウム1.
3g及びDMF2mlを加え、時々撹拌しながら室温に
て168時間放置する。反応液をろ過し、ろ液をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30g,
溶離液:n−ヘキサン・ベンゼン=6:4→2:8)に
て精製し、2−(p−ニトロベンジル)−ピロール2m
g(淡黄色油状)及び2,5−ジ−(p−ニトロベンジ
ル)−ピロール25mg(黄褐色油状)を得る。 【0037】〔実施例24〕ピロール280mgに塩化
ベンゾイル580mgを加え、0℃にて撹拌しながらピ
リジン1mlを徐々に滴加する。滴加終了後、反応液を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:3
0g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=96:4→9
0:10)にて精製し、2−ベンゾイルピロール26m
g(無色針状晶)及び2,5−ジベンゾイルピロール7
8mg(黄赤褐色油状)を得る。 【0038】〔実施例25)ピロール294mgにm−
クロロ塩化ベンゾイル1050mgを加え、0℃にて撹
拌しながらピリジン1mlを徐々に滴加する。滴加終了
後、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(シ
リカゲル:30g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル=9
6:4→90:10)にて精製し、2−(m−クロロベ
ンゾイル)−ピロール24mg(無色針状晶)及び2,
5−ジ−(m−クロロベンゾイル)−ピロール80mg
(無色針状晶)を得る。 【0039】〔実施例26〕ピロール293mgにコハ
ク酸モノエチルクロリド1050mgを加え、0℃にて
撹拌しながらピリジン1mlを徐々に滴加する。滴加終
了後、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチル
=90:10→82:18)にて精製し、2−(1−カ
ルボニル−3−エトキシカルボニルプロピル)−ピロー
ル45mg(褐色油状)及び2,5−ジ−(1−カルボ
ニル−3−エトキシカルボニルプロピル)−ピロール1
38mg(褐色油状)を得る。 【0040】〔実施例27〕ピロール280mgにp−
ニトロブロモベンゼン1212mg及びDMF5ml及
び炭酸カリウム2.2gを加え、18時間加熱還流す
る。冷後、反応液をろ過し、ろ液をシリ カゲルカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:n
−ヘキサン・ベンゼン=7:3)にて精製し、2−(p
−ニトロフェニル)−ピロール13mg(淡黄色針状
晶)を得る。 【0041】〔実施例28〕ピロール285mgに2−
臭化酢酸886mg及びDMF3ml及び炭酸カリウム
2.2gを加え、18時間加熱還流する。冷後、反応液
をろ過し、ろ液をシリカゲルカラム クロマトグラフィ
ー(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼン・酢酸エチ
ル=96:4)にて精製し、2−カルボキシメチルピロ
ール2mg(淡黄色油状)を得る。 【0042】〔実施例29〕2,5−ジメチルピロール
380mgに塩化ベンゾイル842mgを加え、室温に
て撹拌しながらピリジン1mlを徐々に滴加する。滴加
終了後、反応液をろ過し、ろ液をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:ベンゼ
ン・酢酸エチル=96:4→94:6)にて精製し、3
−ベンゾイル−2,5−ジメチルピロール24mg(黄
色油状)及び3,4−ジベンゾイル−2,5−ジメチル
ピロール32mg(黄色油状)を得る。 【0043】〔実施例30〕2,5−ジメチルピロール
394mgにm−クロロ塩化ベンゾイル1087mgを
加え、室温にて撹拌しながらピリジン1mlを徐々に滴
加する。滴加終了後、反応液をろ過し、ろ液をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30g,溶
離液:ベンゼン・酢酸エチル=97:3→95:5)に
て精製し、3−m−クロロベンゾイル−2,5−ジメチ
ルピロール30mg(褐色油状)及び3,4−ジ−m−
クロロベンゾイル−2,5−ジメチルピロール87mg
(褐色粉末)を得る。 【0044】〔実施例31〕2,5−ジメチルピロール
369mgにコハク酸モノエチルクロリド908mgを
加え、室温にて撹拌しながらピリジン1mlを徐々に滴
加する。滴加終了後、反応液をろ過し、ろ液をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:30g,溶
離液:ベンゼン・酢酸エチル=93:7)にて精製し、
3,4−ジ−(1−カルボニル−3−エトキシカルボニ
ルプロピル)−2,5−ジメチルピロール23mg(褐
色油状)を得る。 【0045】〔実施例32〕2,5−ジメチルピロール
350mgにクロロギ酸フェニル864mgを加え、室
温にて撹拌しながらピリジン1mlを徐々に滴加する。
滴加終了後、反応液をろ過し、ろ液をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル:30g,溶離液:ベ
ンゼン・酢酸エチル=98:2 →97:3)にて精製
し、3−フェノキシカルボニル−2,5−ジメチルピロ
ール75mg(淡黄色針状晶)及び3,4−ジフェノキ
シカルボニル−2,5−ジメチルピロール25mg(褐
色針状晶)を得る。 【0046】〔実施例33〕2−ホルミルピロール10
3mgにピリジン2mlを加え溶解し、これに酸化クロ
ム125mgを加えた後、50℃にて2時間撹拌する。
冷後、反応液をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(シリカゲル:30g,洗浄液:クロロホルム→溶離
液:メタノール)にて精製し、2−カルボキシピロール
7mg(無色針状晶)を得る。 【0047】〔実施例34〕2−ホルミルピロール98
mgをイソプロパノール3mlに溶解し、水素化ホウ素
ナトリウム50mlを加えた後、室温にて30分間撹拌
する。反応液にアセトン3mlを加えた後、これを減圧
下濃縮乾固する。残留物をアルミナカラムクロマトグラ
フィー(アルミナ:30g,洗浄液:クロロホルム・メ
タノール=99:1→溶離液:クロロホルム・メタノー
ル=99:3)にて精製し、2−ヒドロキシメチルピロ
ール46mg(無色油状)を得る。 【0048】〔実施例35〕加工ブシ(三和生薬)70
gにメタノール700mlを加え、1時間加熱還流した
後、吸引ろ過する。ろ液を減圧下濃縮乾固する。残留物
に水50mlを加え懸濁し、水にて活性炭を充填した活
性炭カラム(50g)にこの懸濁液を付し、水500m
l及びメタノール500mlにて順次洗浄する。次に、
クロロホルム・メタノール(1:1)300mlにて溶
出し、溶出液を濃縮乾固する。残留物をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(シリカゲル:75g,溶離液:
クロロホルム・メタノール・水=60:35:3)にて
精製し、さらに分取用シリカゲル薄層クロマトグラフィ
ー(溶離液:クロロホルム・メタノール・水=30:1
0:1)にて精製し、N−(3−カルボキシプロピル)
−2−ホルミル−5−ヒドロキシメチルピロール15m
g(無色粉末)を得る。 【0049】〔実施例36〕D−グルコース1.8g及
び4−アミノ−n−酪酸(GABA)1.03gをpH
4.0のリン酸水溶液5mlに溶解し、2.5時間加熱
還流する。冷後、反応液に水100mlを加えた後、リ
ン酸にてpH3.5に調製する。このものを酢酸エチル
80mlにて4回抽出し、抽出液を合わせ、芒硝にて乾
燥後、濃縮乾固する。残留物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(シリカゲル:30g,洗浄液:クロロホ
ルム・メタノール・水=30:10:1→溶離液:クロ
ロホルム・メタノール・水=60:25:3)にて精製
し、N−(3−カルボキシプロピル)−2−ホルミル−
5−ヒドロキシメチルピロール70mg(無色粉末)を
得る。 【0050】 【0051】【0052】【0053】【0054】【0055】【0056】【0057】 【0058】【0059】【0060】【0061】 【実験例】 〔実験例1〕この実験においては、Std:ddY系雄
性マウス(体重30〜35g)を1群7匹として使用し
た。動物は室温24〜25℃,自由な摂水、摂食及び1
2時間周期の明暗条件下で飼育した。マウスは実験開始
前日に脱毛クリームにて背部を除毛して用いた。被検化
合物0.1gを、ジメチルスルホキシド100mlに溶
解し、試料溶液とした。試料溶液の約0.1mlを、毎
日朝夕の2回、除毛した背部に塗布し、ジメチルスルホ
キシドのみを試料として用いたものを陰性対照群とし
た。判定は肉眼的観察により行い、判定基準は下記の基
準に従った。 【0062】 結果を表2に示す。表2の結果から見られるように、本
発明の発毛・育毛促進剤で用いるピロール型化学構造を
有する化合物は、優れた発毛・育毛促進効果を示すこと
が認められた。又、実験経過中及び実験終了後におい
て、上記のピロール型化学構造を有する化合物の試料溶
液塗布群には皮膚刺激性、アレルギー性は全く認められ
なかった。 【0063】【0064】 【0065】〔実験例2〕この実験においては、St
d:ddY系雄性マウス(体重30〜35g)を1群7
匹として使用した。動物は室温24〜25℃,自由な摂
水、摂食及び12時間周期の明暗条件下で飼育した。マ
ウスは実験開始前日に脱毛クリームにて背部を除毛して
用いた。被検化合物の試料溶液は実験例1で使用したも
のと同じものを用いた。陰性対照群では、ジメチルスル
ホキシドのみを試料として用いた。試料溶液の約0.1
mlを、毎日朝夕の2回、除毛した箇所に塗布し、塗布
後21日及び 28日に除毛部位から発生した新生毛に
ついてサンプリングを行い、体毛長を測定した。体毛長
の測定は実体顕微鏡を用いて行い、サンプリングした任
意の20本の中から最も長いものを5本選び、その平均
値を求め、マウスの体毛長とした。群間比較による薬物
投与群の有意差検定は、ステューデントのt−検定によ
り行った。結果を表3に示す。表3に見られるように、
上記のピロール型化学構造を有する化合物は、陰性対照
群に対して、いずれもP<0.01の有意な毛成長促進
効果を示した。 【0066】【0067】【0068】〔実験例3〕(急性毒性) この実験においては、Std:ddY系雄性マウス(2
0〜25g)を使用した。被検化合物は表2で示したも
のを用いた。被検化合物は、0.9%生理食塩水を用い
て、さらにアラビアゴムを3%の濃度で添加し、100
mg/10mlの濃度になるよう懸濁し、試料溶液とし
て調製した。この懸濁液を100ml/kgの割合で皮
下投与し、投与後72時間の致死数を求めた。その結
果、いずれの化合物においても死亡例は見られず、低毒
性であることが認められた。 【0069】〔実験例4〕(安全性) 試験方法は24時間人体前腕クローズドバッチテストを
用いた。被試験者は成人男子3名、成人女子1名であ
る。判定基準は下記の基準に従った。試料は、実施例3
5で得られた化合物(44)を用い、処方例1に従って
調製したものを用いた。 ++:強紅斑 ± :微かな紅斑 + :紅斑 − :陰性 結果を表4に示す。表4に見られるように、本発明に係
る化合物からなるトニックでは、皮膚刺激性、アレルギ
ー性は全く認められず、皮膚に対する安全性は極めて高
いものであった。又、被検者において、試験中、副作用
は特に認められなかった。 【0070】 【0071】以下に本発明に係る発毛・育毛促進剤の処
方例を示す。【0072】 【0073】 【0074】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C07D 207/337 C07D 207/337 207/34 207/34 (56)参考文献 特開 平4−18068(JP,A) 特開 平3−75663(JP,A) 特開 平4−193862(JP,A) 特開 平5−310597(JP,A) 特開 昭54−81264(JP,A) 特開 昭57−165373(JP,A) 特開 昭60−222481(JP,A) 特開 昭56−87558(JP,A) 特公 昭47−49305(JP,B1) 米国特許3876660(US,A) 米国特許4122260(US,A) 欧州特許出願公開532126(EP,A 1) 英国特許1161638(GB,B) Chemical Abstract s,52:3765h(化合物V参照) Heterocycles, (1989),29(4),p783−794 Coll.Gen.Educ.,Na goya Univ.,Res.Bul l.,(1980),(24),p1−8 J.Org.Chem.,(1988), 53,p2245−2250 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 7/06 A61K 31/40 C07D 207/323 C07D 207/333 C07D 207/337 C07D 207/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】一般式(I) 【化1】 〔式中、Rは、ホルミル、メチル、クロルの置換基を
    有しまたは有しないベンゾイル、ニトロフェニル、ニト
    ロベンジル、1−カルボニル−3−エトキシカルボニル
    プロピル、または2−メトキシ−3−メトキシカルボニ
    ル−2−プロペニルである。但し、 (1)Rがホルミルである場合は、 Rは、 (i)3位にヒドロキシ、メルカプトもしくはクロルを
    置換基として有し又は有しないプロピルであるか、又は (ii)メトキシ、エトキシカルボニルエチルもしくは
    フェノキシを置換基として有するカルボニルであるか、
    又は (iii)フェノキシカルボニルもしくはメトキシカル
    ボニルを置換基として有するメチルであるか、又は (iv)2−メトキシ−3−メトキシカルボニル−2−
    プロペニルであるか、又は (v)クロルを置換基として有し又は有しないベンゾイ
    ルであるか、又は (vi)2−ブテニルであるか、又は (vii)3−カルボキシプロピルであるか、又は (viii)トシルであり、 R及びRは、水素原子であり、 Rは、水素原子又はヒドロキシメチルであり、 (2)Rがメチルである場合は、 Rは、水素原子であり、 Rは、クロルを置換基として有し又は有しないベンゾ
    イル、フェノキシカルボニル又は1−カルボニル−3−
    エトキシカルボニルプロピルであり、 Rは、水素原子であるか、又はRと同じでありR
    は、メチルであり、 (3)Rがクロルの置換基を有し又は有しないベンゾ
    イル、ニトロベンジル、ニトロフェニル、1−カルボニ
    ル−3−エトキシカルボニルプロピル又は2−メトキシ
    −3−メトキシカルボニル−2−プロペニルである場合
    は、 R、RおよびRは、水素原子であり、 Rは、水素原子であるか、又はRと同じである。〕
    で表されるピロール型化学構造を有する化合物を有効成
    分として含有する発毛・育毛促進剤。
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