JP3438671B2 - 湿度調節装置 - Google Patents
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Description
り空気の湿度調節を行う湿度調節装置に関するものであ
る。
等を設け、この回転ロータの吸湿と放湿とを利用して空
気の加湿や除湿を行う湿度調節装置が知られている。例
えば、特開平8−128681号公報には、上記の湿度
調節装置と空調機とを組み合わせ、加湿機能付きの空気
調和機を構成したものが開示されている。
は、再生部(32)と除湿部(31)の両方に跨って配置さ
れている。この回転ロータ(22)は、その一部が再生部
(32)で再生側空気と接触し、残りの部分が除湿部(3
1)で除湿側空気と接触する。また、回転ロータ(22)
は、モータ等によって回転駆動されている。従って、回
転ロータ(22)の一部分は、再生部(32)と除湿部(3
1)の間を回転ロータ(22)の回転に伴って移動し、除
湿側空気と再生側空気とに交互に接触する。
湿によって除湿側空気から水分が奪われる。除湿側空気
から吸湿した回転ロータ(22)の一部分は、回転ロータ
(22)の回転に伴って再生部(32)に移動する。この再
生部(32)には、ヒータ等によって加熱され再生側空気
が送り込まれる。従って、再生部(32)において、ロー
タの当該一部分は、移動しながら再生側空気によって徐
々に加熱され、放湿する。回転ロータ(22)から放湿さ
れた水分は、再生側空気に付与される。再生部(32)で
再生された回転ロータ(22)の当該一部分は、その後に
再び除湿部(31)に移動し、除湿側空気から吸湿する。
そして、除湿部(31)において除湿された除湿側空気を
室内に送り込めば除湿が行われ、再生部(32)において
加湿された再生側空気を室内に送り込めば加湿が行われ
る。
湿度調節装置では、ほぼ均一に加熱された再生側空気を
再生部(32)に送っている。このため、再生部(32)に
供給する再生側空気を加熱する際には、再生側空気に対
して過剰な熱量を与えなければならないという問題があ
った。以下、この点について、図9を参照しながら説明
する。
転している場合を示している。この場合、回転ロータ
(22)は、再生部(32)において移動しながら再生側空
気によって加熱される。従って、再生部(32)において
は、時計方向に進むにつれて回転ロータ(22)の温度が
高くなる(図9(b)参照)。回転ロータ(22)の一部
分に着目すると、例えば、再生部(32)に移動してきた
直後の温度は30℃程度であるが、当該一部分は移動す
る間に加熱されて最終的には90℃程度にまで上昇す
る。即ち、再生部(32)では、回転ロータ(22)の周方
向に温度分布が形成される。
温度(例えば100℃)の再生側空気が送り込まれてい
る(図9(a)参照)。つまり、再生部(32)において
は回転ロータ(22)に温度分布がついているにも拘わら
ず、この回転ロータ(22)の温度分布とは無関係に、再
生部(32)の回転ロータ(22)に温度分布のない再生側
空気を送り込んでいた。従って、より温度の低い空気と
でも充分な熱交換が可能な回転ロータ(22)の部分、即
ち比較的低温の部分に対して、必要以上に高温の再生側
空気を供給することとなり、再生側空気に対する加熱量
が過剰となっていた。
であり、その目的とするところは、回転ロータ(22)に
加熱した空気を送って再生を行う湿度調節装置につい
て、再生用の空気に対する加熱量を最小限に抑制するこ
とにある。
における回転ロータ(22)の温度変化を考慮して、再生
部(32)に送る空気の温度を設定するようにしたもので
ある。
(31)及び再生部(32)に跨って配置されて回転する回
転ロータ(22)と、空気を加熱する加熱手段(26)とを
備え、除湿部(31)では空気から回転ロータ(22)が吸
湿し、再生部(32)では加熱手段(26)によって加熱さ
れた空気に対して回転ロータ(22)が放湿する湿度調節
装置を対象としている。そして、上記再生部(32)に
は、該再生部(32)における回転ロータ(22)の温度分
布に対応した所定の温度分布を有する空気が導入される
一方、上記再生部(32)で昇温した回転ロータ(22)の
熱を空気に回収して該空気を予熱する熱回収部(33)
と、上記熱回収部(33)で予熱された空気を加熱手段
(26)で加熱して再生部(32)に送り込む空気通路(4
2)とが設けられ、上記空気通路(42)は、熱回収部(3
3)で予熱された空気を、熱回収部(33)において形成
された温度分布が維持された状態で再生部(32)に送り
込むものである。
1の解決手段において、上記再生部(32)に導入される
空気は、再生部(32)における回転ロータ(22)の回転
方向の始端側の方が終端側よりも温度が低くなるような
温度分布を有しているものである。
(31)及び再生部(32)に跨って配置されて回転する回
転ロータ(22)と、空気を加熱する加熱手段(26)とを
備え、除湿部(31)では空気から回転ロータ(22)が吸
湿し、該再生部(32)では加熱手段(26)によって加熱
された空気に対して回転ロータ(22)が放湿する湿度調
節装置を対象としている。そして、上記回転ロータ(2
2)は、再生部(32)で回転移動するに従って、より高
温の空気と接触する一方、上記再生部(32)で昇温した
回転ロータ(22)の熱を空気に回収して該空気を予熱す
る熱回収部(33)と、上記熱回収部(33)で予熱された
空気を加熱手段(26)で加熱して再生部(32)に送り込
む空気通路(42)が設けられ、上記空気通路(42)は、
熱回収部(33)で予熱された空気を、熱回収部(33)に
おいて形成された温度分布が維持された状態で再生部
(32)に送り込むものである。
1,第2又は第3の解決手段において、空気通路(42)
における空気の流れが層流とされているものである。
1,第2又は第3の解決手段において、空気通路(42)
は、空気の温度分布が維持されるように該空気通路(4
2)を区画するガイド部材(45)を備えるものである。
1〜第5の何れか1の解決手段において、再生部(32)
から流出した空気を室内に供給して加湿動作を行うもの
である。
(31)と再生部(32)の両方に跨って配置される。ま
た、回転ロータ(22)は、その中心軸周りに回転駆動さ
れている。除湿部(31)では、第1の空気が回転ロータ
(22)と接触し、回転ロータ(22)が空気から吸湿す
る。再生部(32)では、加熱手段(26)によって加熱さ
れた第2の空気が回転ロータ(22)と接触する。従っ
て、再生部(32)では、加熱手段(26)からの空気によ
って回転ロータ(22)が加熱され、回転ロータ(22)が
空気に対して放湿する。即ち、回転ロータ(22)は、回
転移動しながら、その一部が除湿部(31)で空気と接触
して吸湿し、残りの部分が再生部(32)で空気と接触し
て放湿する。また、回転ロータ(22)の一部分に着目す
ると、当該一部分は、除湿部(31)で吸湿した後に再生
部(32)に移動し、再生部(32)で放湿して再生された
後に再び除湿部(31)へ移動して吸湿を行う。
転移動しつつ加熱された空気と接触する。このため、再
生部(32)に位置している時間、即ち加熱された空気と
の接触時間が長い箇所ほど回転ロータ(22)の温度が高
温となっており、回転ロータ(22)に温度分布が形成さ
れる。一方、再生部(32)には、回転ロータ(22)の温
度分布に対応した温度の空気が導入される。つまり、回
転ロータ(22)の温度分布に合わせて空気に予め温度分
布がつけられ、このような温度分布を有する空気が再生
部(32)に導入されて回転ロータ(22)と接触する。従
って、回転ロータ(22)のうち相対的に高温の部分に相
対的に高温の空気を送り、相対的に低温の部分に相対的
に低温の空気を送ると、回転ロータ(22)とこれに接触
する空気との温度差の均一化が図られる。
導入される空気に所定の温度分布がつけられる。具体的
に、再生部(32)における回転ロータ(22)の回転方向
の始端側、即ち、回転ロータ(22)のうち再生部(32)
に移動して間もない温度の低い部分が存在する場所に
は、相対的に低温の空気が供給される。一方、再生部
(32)における回転ロータ(22)の回転方向の終端側、
即ち、回転ロータ(22)のうち再生部(32)に移動して
ある程度時間が経過した温度の高い部分が存在する場所
には、相対的に高温の空気が供給される。
(22)の温度変化に対応した温度分布をもつ空気が導入
され、回転ロータ(22)とこれに接触する空気との温度
差の均一化が図られる。尚、空気の温度分布は、温度が
連続的に変化するものだけでなく、段階的に変化するも
のであってもよい。
2)が回転移動しつつ除湿部(31)での吸湿と再生部(3
2)での放湿とを行い、空気の除湿又は加湿が継続して
連続的に行われる。この動作は、上記第1の解決手段と
同様である。
転移動しつつ加熱された空気と接触する。このため、再
生部(32)に位置している時間、即ち加熱された空気と
の接触時間が長い箇所ほど回転ロータ(22)の温度が高
温となっており、回転ロータ(22)に温度分布が形成さ
れる。一方、回転ロータ(22)は、再生部(32)で移動
するにつれて、より高温の空気と接触する。即ち、回転
ロータ(22)のうち、再生部(32)における加熱された
空気との接触時間が長い箇所ほど、より温度の高い空気
と接触する。従って、再生部(32)では、回転ロータ
(22)に温度分布が形成されていても、回転ロータ(2
2)と該回転ロータ(22)に接触する空気との温度差
が、一定に維持される。
熱回収部(33)において、回転ロータ(22)によって空
気を予熱する。つまり、再生部(32)で回転ロータ(2
2)が加熱されると、回転ロータ(22)に与えられた熱
量の一部は放湿を行うために用いられるものの、残りの
熱量は回転ロータ(22)自身の温度上昇に用いられる。
そして、熱回収部(33)では、再生部(32)で加熱され
て昇温した回転ロータ(22)と空気とを熱交換させるこ
とによって、回転ロータ(22)自身の温度上昇に用いら
れた熱量を空気に回収する。熱回収部(33)で予熱され
た空気は、空気通路(42)によって再生部(32)に送ら
れる。また、空気通路(42)を流れる間に、空気が加熱
手段(26)によって加熱される。つまり、再生部(32)
には、熱回収部(33)で予熱され更に加熱手段(26)で
加熱された空気が送り込まれる。
熱回収部(33)において、回転ロータ(22)は空気と接
触しつつ回転する。この回転ロータ(22)の一部分に着
目すると、当該一部分は、熱回収部(33)において回転
ロータ(22)の回転に伴って移動する。従って、上記回
転ロータ(22)の一部分は、熱回収部(33)で移動する
に従って空気との接触時間が長くなり、その温度が次第
に低下する。即ち、熱回収部(33)における回転ロータ
(22)には、その回転方向に温度分布が形成される。
温度分布があるため、熱回収部(33)で回転ロータ(2
2)と熱交換した空気は、均一には加熱されずに温度分
布がつく。具体的に、熱回収部(33)における回転ロー
タ(22)の回転方向の始端側、即ち、回転ロータ(22)
のうち熱回収部(33)に移動して間もない温度の高い部
分が存在する場所からは、相対的に高温の空気が流出す
る。一方、熱回収部(33)における回転ロータ(22)の
回転方向の終端側、即ち、回転ロータ(22)のうち熱回
収部(33)に移動してある程度時間が経過した温度の低
い部分が存在する場所からは、相対的に低温の空気が流
出する。
通路(42)を流れ、加熱手段(26)において加熱された
後に再生部(32)に導入される。その際、熱回収部(3
3)から流出した空気は、その温度分布が維持された状
態で再生部(32)に導入される。即ち、熱回収部(33)
から流出した直後において相対的に高温の空気は、加熱
手段(26)で加熱された後においても、相対的に高温の
状態で再生部(32)に導入される。同様に熱回収部(3
3)から流出した直後において相対的に低温の空気は、
加熱手段(26)で加熱された後においても、相対的に低
温の状態で再生部(32)に導入される。
における空気の流れが層流とされている。ここで、空気
通路(42)での空気の流れが乱流の場合には、空気通路
(42)の断面方向で空気の混合が生じるため空気の温度
分布は維持されない。これに対し、空気通路(42)での
空気の流れが層流の場合には、上述のような空気通路
(42)の断面方向における空気の混合が生じない。従っ
て、予熱回収部(33)から流出した空気は、その温度分
布が維持されたままで空気通路(42)を流れ、再生部
(32)に導入される。
に、ガイド部材(45)が設けられている。このガイド部
材(45)は、空気通路(42)を区画し、この空気通路
(42)を流れる空気の温度分布を維持する。
ら流出した空気を利用して、室内の加湿が行われる。つ
まり、再生部(32)において回転ロータ(22)が放湿し
た水分を付与された高湿度の空気を室内に供給し、室内
の加湿を行う。
において、回転ロータ(22)に温度分布があるにも拘わ
らず、回転ロータ(22)と該回転ロータ(22)に接触す
る空気との温度差の均一化を図ることができる。つま
り、再生部(32)における回転ロータ(22)の相対的に
高温な部分には高温の空気を送り、相対的に低温な部分
には低温の空気を送ることが可能である。従って、従来
のように、回転ロータ(22)における高温の部分に対応
した高温の空気を一律に供給する場合に比べ、再生部
(32)における温度効率を向上させることができ、再生
部(32)に送る空気の加熱に要する熱量を削減できる。
このため、再生部(32)において回転ロータ(22)を充
分に加熱しつつ、加熱手段(26)における空気の加熱量
を最小限に抑制することが可能となる。この結果、運転
に要するエネルギを削減でき、ランニングコストを低減
することができる。
(32)で回転ロータ(22)に与えられた熱量のうち放湿
のために利用されなかった分の熱量を、熱回収部(33)
における空気の予熱に利用することができる。このた
め、加熱手段(26)における空気に対する加熱量を削減
することができる。この結果、運転に要するエネルギを
削減でき、ランニングコストの更なる低減が図られる。
特に、これらの解決手段によれば、熱回収部(33)にお
いて空気に温度分布が形成されることを利用し、温度分
布のある空気を再生部(32)に供給して再生部(32)で
の回転ロータ(22)と空気の温度差を一定とすることが
できる。
部(31)で回転ロータ(22)が空気から吸湿した水分を
利用して室内の加湿を行うことが可能となる。即ち、外
部から水道水等を供給する必要がなくなり、いわゆる無
給水加湿を実現することができる。
基づいて詳細に説明する。尚、従来と同様の箇所には、
同じ符号を付して説明する。
にについて説明する。
度調節装置は、空調機と一体に構成されて加湿を行うよ
うに構成されている。
5)とによって構成されている。室内機(10)は、室内
熱交換器(11)と室内ファン(12)を備え、室内の壁面
に取り付けられている。室外機(15)は、室外に設置さ
れている。この室外機(15)には、図示しないが、圧縮
機、膨張機構、室外熱交換器、室外ファン等の構成機器
が収納されている。室内機(10)と室外機(15)とは、
一対の連絡配管(16)によって接続されている。
構及び室外熱交換器が連絡配管(16)等によって接続さ
れて、冷媒回路が構成されている。この冷媒回路は、図
外の四路切換弁を備え、冷媒の循環方向を反転可能に構
成されている。そして、冷媒回路では、冷媒が循環して
冷凍サイクル動作とヒートポンプ動作とが切り換えて行
われる。
成するものであって、室外機(15)と一体に形成されて
いる。この加湿ユニット(20)には、空気ダクト(21)
の一端が接続されている。また、空気ダクト(21)の他
端は、室内機(10)に接続されている。尚、空気ダクト
(21)の他端は、室内機(10)の内部における室内熱交
換器(11)の上流に開口している。
は、除湿側通路(23)と再生側通路(25)とが区画形成
されている。また、加湿ユニット(20)には、除湿側通
路(23)と再生側通路(25)の両方を横断する姿勢で回
転ロータ(22)が設置されている。この回転ロータ(2
2)については、後述する。
2)の下流には、除湿側ファン(24)が設けられてい
る。更に、除湿側通路(23)において回転ロータ(22)
の位置する部分は、除湿部(31)に構成されている。こ
の除湿側ファン(24)を運転すると、除湿側通路(23)
に室外空気が取り込まれる。除湿側通路(23)に取り込
まれた室外空気は、回転ロータ(22)を通過した後に室
外へ排出される。
生側ファン(27)とが設けられている。更に、再生側通
路(25)において回転ロータ(22)の位置する部分は、
再生部(32)に構成されている。また、再生側通路(2
5)の終端には、上記空気ダクト(21)の一端が接続さ
れている。
上流に配置され、再生部(32)に送られる空気を加熱す
る加熱手段を構成している。このヒータ(26)は、再生
側通路(25)に取り込まれた空気を均一に加熱するので
はなく、加熱後の空気に所定の温度分布が形成されるよ
うに、空気の加熱を行う。
(22)の下流に配置されている。この再生側ファン(2
7)を運転すると、再生側通路(25)に室外空気が取り
込まれる。再生側通路(25)に取り込まれた室外空気
は、ヒータ(26)と回転ロータ(22)とを順に通過し、
その後に空気ダクト(21)に導入される。
れている。また、回転ロータ(22)は、ハニカム状に形
成された基材の表面に吸着剤を担持させて構成されてい
る。即ち、回転ロータ(22)は、その厚さ方向に空気を
通過させることができ、通過する空気と吸着剤とを接触
させるように構成されている。そして、回転ロータ(2
2)は、吸着剤が水分を吸着することによって吸湿を行
う一方、吸着剤から水分が脱着することによって放湿を
行う。
ラミック紙、ガラス繊維、セルロースを主成分とした有
機化合物(例えば、紙)、金属、樹脂等の材料が好適に
用いられる。この種の材料は、比熱の小さいものであ
り、このような材料で回転ロータ(22)を形成すると回
転ロータ(22)の熱容量が小さくなる。
側通路(23)と再生側通路(25)の両方を横断する姿勢
で配置されている。具体的に、回転ロータ(22)のうち
扇形状の一部分が、再生側通路(25)を横切る姿勢で再
生部(32)に設けられている。従って、再生側通路(2
5)を流れる空気は、再生部(32)を通過する際に回転
ロータ(22)と接触する。また、回転ロータ(22)の残
りの部分は、除湿側通路(23)を横切る姿勢で除湿部
(31)に設けられている。従って、除湿側通路(23)を
流れる空気は、除湿部(31)を通過する際に上記回転ロ
ータ(22)と接触する。
ータによって駆動されて中心軸周りに回転し、除湿部
(31)と再生部(32)の間を移動する。即ち、除湿部
(31)において除湿側通路(23)を流れる空気と接触し
た回転ロータ(22)の部分は、回転ロータ(22)の回転
に伴って再生側通路(25)の再生部(32)に移動する。
一方、再生部(32)において再生側通路(25)を流れる
空気と接触した回転ロータ(22)の部分は、回転ロータ
(22)の回転に伴って除湿側通路(23)の除湿部(31)
に再び移動する。
用いられている。この疎水性ゼオライトとしては、SiO2
(シリカ)のモル分率が Al2O3(アルミナ)のモル分率
よりも大きい組成のゼオライトを採用している。疎水性
ゼオライトの組成としては、モル分率でシリカ/アルミ
ナの割合が80%/20%から90%/10%の範囲が
望ましい。更に望ましくは、シリカ/アルミナの割合が
85%/15%程度であるのがよい。
空気からも水分を吸着するための吸着性能と、吸着剤か
ら水分を脱着させるエネルギを低くするための脱着性能
という、相反する性能が求められる。そこで、上記湿度
調節装置では、上記の相反する性能を満たすべく、従来
より吸着剤として一般的に用いられるシリカゲルや親水
性ゼオライトに代えて、上記の組成の疎水性ゼオライト
を吸着剤として採用している。
おいては、室内機(10)における室内空気の加熱と、加
湿ユニット(20)からの空気の供給との両方が行われ
る。尚、以下に示す数値は、全て例示である。
ートポンプ動作が行われる。即ち、室内熱交換器(11)
には、圧縮機から吐出された高温高圧のガス冷媒が送り
込まれる。また、室内ファン(12)を運転すると、室内
機(10)の内部に室内空気が取り込まれる。取り込まれ
た室内空気は、室内熱交換器(11)を通過する際にガス
冷媒と熱交換を行う。この熱交換によって、室内空気が
加熱され、ガス冷媒が凝縮する。
(24)及び再生側ファン(27)が運転され、ヒータ(2
6)に通電される。また、回転ロータ(22)が、図外の
モータで駆動されて、1時間あたり30回転で所定の方
向(図2及び図3における時計方向)に回転する。
まれる。室外空気の状態は、温度7℃、相対湿度87%
となっている。また、除湿側通路(23)における風量
は、4.0 m3/min. に設定されている。除湿側通路(2
3)に取り込まれた室外空気は、除湿部(31)に導入さ
れる。
転しつつ導入された室外空気と接触する。室外空気と回
転ロータ(22)とが接触すると、室外空気に含まれる水
分が回転ロータ(22)の吸着剤に吸着される。従って、
除湿部(31)では、回転ロータ(22)が回転するに従っ
て吸着剤に水分が蓄積され、やがて吸着剤が飽和する。
その後、回転ロータ(22)は、除湿部(31)から再生部
(32)に移動する。一方、除湿部(31)において水分を
奪われた室外空気は、除湿側ファン(24)に吸引されて
室外へ排出される。
まれる。再生側通路(25)における風量は、0.25 m
3/min. に設定されている。再生側通路(25)に取り込
まれた室外空気は、ヒータ(26)によって加熱される。
その際、加熱後の空気に所定の温度分布が形成されるよ
うに、空気の加熱が行われる。
(a)に示すように、回転ロータ(22)の回転方向へ進
むに従って温度が高くなるような温度分布が形成され
る。そして、このような温度分布が形成された空気が再
生部(32)に送り込まれる。具体的に、再生部(32)に
おける回転ロータ(22)の回転方向の始端付近には80
℃程度の空気が送られる一方、回転方向の終端付近には
100℃程度の空気が送られる。尚、加熱後の空気の温
度分布は、温度が連続的に変化するものだけでなく、温
度が段階的に変化するものであってもよい。
ータ(26)により加熱された空気と接触する。回転ロー
タ(22)は、回転移動しつつ空気と接触して加熱され
る。このため、回転ロータ(22)の温度は、空気と接触
する時間が長い部分ほど高くなる。従って、回転ロータ
(22)には、図3(b)に示すように、回転ロータ(2
2)の回転方向に進むに従って温度が高くなるような温
度分布が形成される。具体的に、回転ロータ(22)の温
度は、除湿部(31)から再生部(32)に移動してきた直
後の部分では30℃程度だが、再生部(32)から除湿部
(31)に移動してゆく直前の部分では90℃程度に上昇
している。
ータ(22)の相対的に低温の部分が相対的に低温の空気
と接触し、相対的に高温の部分が相対的に高温の空気と
接触する。このため、再生部(32)において、回転ロー
タ(22)とこれに接触する空気の温度差の均一化が図ら
れる。
加熱されると、回転ロータ(22)の吸着剤から水分が脱
着する。これによって、回転ロータ(22)の吸着剤が再
生される。吸着剤から脱着した水分は、回転ロータ(2
2)を通過した空気と共に空気ダクト(21)へ送られ
る。即ち、多量に水分を含む高湿度の空気が、空気ダク
ト(21)に導入される。この高湿度の空気は、空気ダク
ト(21)を通じて室内機(10)に導かれ、室内熱交換器
(11)を通過した後に室内に送り出される。
回転ロータ(22)は、再び除湿部(31)に移動する。即
ち、回転ロータ(22)は、除湿部(31)と再生部(32)
との間を回転移動することによって、除湿部(31)にお
ける水分の吸着と、再生部(32)における水分の脱着と
を交互に繰り返す。
る。冷房運転においては、室内機(10)における室内空
気の冷却のみが行われ、加湿ユニット(20)の運転は行
われない。
凍サイクル動作が行われる。即ち、圧縮機から吐出され
て室外熱交換器で凝縮した冷媒は、膨張機構で減圧され
た後に、室内熱交換器(11)へ送り込まれる。また、室
内ファン(12)を運転すると、室内機(10)の内部に室
内空気が取り込まれる。室内機(10)に取り込まれた室
内空気は、室内熱交換器(11)を通過する際に冷媒と熱
交換を行う。この熱交換によって、室内空気が冷却さ
れ、冷媒が蒸発する。
本発明の実施形態に係る調湿装置について説明する。
湿度調節装置において、再生側通路(25)の構成を変更
し、熱回収部(33)を付加するものである。以下、図4
〜図6を適宜参照しながら、上記前提技術に係る湿度調
節装置と異なる構成について説明する。
回収部(33)は、回転ロータ(22)の回転方向(図4及
び図5における時計方向)における再生部(32)の出口
側に隣接して設けられている。この熱回収部(33)は、
再生側通路(25)に接続されている。熱回収部(33)
は、再生側通路(25)を流れる空気と再生部(32)で昇
温した回転ロータ(22)とを接触させ、両者の間で熱交
換を行わせるように構成されている。即ち、熱回収部
(33)では、回転ロータ(22)との熱交換によって、空
気の予熱が行われる。
路(41)、第2通路(42)、第3通路(43)、熱回収部
(33)及び再生部(32)によって構成されている。
し、他端が熱回収部(33)に接続されている。この第1
通路(41)は、室外空気を取り込んで熱回収部(33)に
送り込む。
(33)に接続され、他端が再生部(32)に接続されてい
る。この第2通路(42)は、熱回収部(33)で予熱され
た空気を再生部(32)に送り込む空気通路を構成してい
る。その際、第2通路(42)においては、空気の流れが
層流となるようにされている。即ち、第2通路(42)に
おける空気の流速は、流れが層流となるように設定され
ている。また、第2通路(42)には、空気を加熱するヒ
ータ(26)が設けられている。従って、熱回収部(33)
で予熱された空気は、ヒータ(26)で更に加熱されてか
ら再生部(32)に送られる。尚、図5(a)では、ヒー
タ(26)の図示を省略している。
2)に接続され、他端が空気ダクトに接続されている。
この第3通路(43)は、再生部(32)から流出した高湿
度の空気を空気ダクトに送り込む。また、第3通路(4
3)には、再生側ファン(27)が設けられている。
説明する。その他の動作は、上記前提技術に係る湿度調
節装置と同様である。尚、以下に示す数値は、全て例示
である。
(24)及び再生側ファン(27)が運転され、ヒータ(2
6)に通電される。また、回転ロータ(22)が、図外の
モータで駆動されて、所定の方向(図4及び図5におけ
る時計方向)に回転する。
おける動作は、上記前提技術に係る湿度調節装置と同様
である。即ち、除湿側通路(23)に取り込まれた室外空
気が除湿部(31)に導入されて回転ロータ(22)と接触
する。そして、除湿部(31)では回転ロータ(22)が空
気から吸湿を行い、除湿された空気は室外に排出され
る。
まれる。取り込まれた空気は、第1通路(41)を通じて
熱回収部(33)に送られる。熱回収部(33)には、回転
ロータ(22)が再生部(32)から移動してくる。再生部
(32)から移動してきた回転ロータ(22)は、再生部
(32)における加熱によって温度の高い状態(例えば9
0℃程度)となっている。熱回収部(33)では、第1通
路(41)から送られた室外空気と、再生部(32)から移
動してきた高温の回転ロータ(22)とが熱交換を行う。
この熱交換によって空気が予熱され、7℃程度の室外空
気が30〜40℃程度まで温度上昇する。
(22)が回転移動しつつ空気と接触して熱交換を行う。
このため、回転ロータ(22)の温度は、空気と接触する
時間が長い部分ほど低くなる。従って、回転ロータ(2
2)には、図5(b)に示すように、回転ロータ(22)
の回転方向に進むに従って温度が低くなるような温度分
布が形成される。具体的に、回転ロータ(22)の温度
は、再生部(32)から熱回収部(33)に移動してきた直
後の部分では90℃程度だが、熱回収部(33)から除湿
部(31)に移動してゆく直前の部分では40℃程度に低
下している。
回転ロータ(22)に温度分布が形成される。従って、熱
回収部(33)で予熱された空気には、回転ロータ(22)
の温度分布に対応した温度分布がついている。つまり、
回転ロータ(22)のうち相対的に高温の部分と接触した
空気は相対的に高温となり、相対的に低温の部分と接触
した空気は相対的に低温となっている。
流れが層流とされている。このため、図6に示すよう
に、熱回収部(33)で予熱された空気は、第2通路(4
2)の断面方向に混合されることなく、その温度分布を
維持したまま再生部(32)へと送られる。また、予熱さ
れた空気は、第2通路(42)を流れる間にヒータ(26)
によって加熱される。このヒータ(26)は、第2通路
(42)を流れる空気を平均的に加熱する。従って、ヒー
タ(26)で加熱された後においても、第2通路(42)を
流れる空気の温度分布は維持される。
対的に高温であった空気は、ヒータ(26)で加熱後も相
対的に高温の状態に維持される。同様に、熱回収部(3
3)から流出直後に相対的に低温であった空気は、ヒー
タ(26)で加熱後も相対的に低温の状態に維持される。
そして、再生部(32)の回転ロータ(22)には、回転ロ
ータ(22)のうち相対的に高温の部分に相対的に高温の
空気が送られ、相対的に低温の部分に相対的に低温の空
気が送られる。
転ロータ(22)は、その後に再び除湿部(31)に移動す
る。つまり、除湿部(31)で吸湿した回転ロータ(22)
は、再生部(32)で加熱されて放湿し、更に熱回収部
(33)で空気に対して放熱した後に、再び再生部(32)
に移動して吸湿を行う。
(22)のうち相対的に低温の部分を相対的に低温の空気
と接触させ、相対的に高温の部分を相対的に高温の空気
と接触させている。このため、再生部(32)では、回転
ロータ(22)に温度分布があるにも拘わらず、回転ロー
タ(22)と該回転ロータ(22)に接触する空気との温度
差の均一化を図ることが可能である(図3参照)。
一な温度の空気を導入しており、回転ロータ(22)が次
第に温度変化するにも拘わらず、回転ロータ(22)には
同じ温度の空気が接触していた(図9参照)。このた
め、空気と回転ロータ(22)との熱交換は、直交流のよ
うな態様で行われ、さほど高い温度効率を望めなかっ
た。
2)において移動するに従って温度上昇する回転ロータ
(22)に対し、その温度上昇に合わせて次第に温度の高
い空気を接触させることができる。このため、空気と回
転ロータ(22)との熱交換を、擬似的な対向流のような
態様で行うことが可能となり、高い温度効率を実現する
ことができる。従って、ヒータ(26)によって空気に与
えた熱量を無駄なく回転ロータ(22)の加熱に利用する
ことができ、ヒータ(26)における加熱量を削減でき
る。この結果、ヒータ(26)の消費電力を削減でき、ラ
ンニングコストを低減することができる。
において室外空気から奪った水分を利用して室内の加湿
を行うことが可能となる。即ち、加湿のために外部から
水道水等を供給する必要がなくなり、いわゆる無給水加
湿を実現することができる。
に熱回収部(33)を設け、再生部(32)から移動してき
た回転ロータ(22)が保有する熱量を利用して空気の予
熱を行っている。このため、再生部(32)で回転ロータ
(22)に与えられた熱量のうち放湿のために利用されな
かった分の熱量を、熱回収部(33)において空気に回収
することが可能となる。従って、ヒータ(26)による空
気の加熱量を削減でき、ヒータ(26)の消費電力を削減
してランニングコストの更なる低減を図ることができ
る。
おいて空気に形成された温度分布を維持したまま、第2
通路(42)を通じて予熱後の空気を再生部(32)に送っ
ている。従って、新たな構成を何ら付加することなく、
所定の温度分布のついた空気を回転ロータ(22)の温度
分布に対応して再生部(32)に導入することができる。
このため、構成を簡素に維持しつつ、再生部(32)にお
ける空気と回転ロータ(22)の温度差の均一化を図り、
温度効率を向上させることができる。
の第2通路(42)における除湿側通路に近接した部分、
つまり図6における第2通路(42)の外縁部付近には、
比較的低温の空気が流通することとなる。従って、第2
通路(42)を流れる加熱後の空気と、除湿側通路を流れ
る空気との温度差を縮小することができ、両空気間での
熱交換による放熱ロスを低減することができる。
を層流として温度分布を維持しているが、図7に示すよ
うに、第2通路(42)を複数の流路(46)に区画するガ
イド板(45)を設けるようにしてもよい。即ち、このガ
イド板(45)は、空気の温度分布が維持されるように第
2通路(42)を区画するガイド部材を構成している。
ると、第2通路(42)における空気の流れが乱流となっ
た場合であっても、空気の温度分布が維持される。つま
り、ガイド板(45)で仕切られた各流路(46)内ではそ
の断面方向で空気の混合が行われるものの、この空気の
混合がガイド板(45)を超えて生じることはない。従っ
て、熱回収部(33)から流出直後に相対的に高温であっ
た空気は、相対的に高温に維持されたまま再生部(32)
に導入される。同様に、熱回収部(33)から流出直後に
相対的に低温であった空気は、相対的に低温に維持され
たまま再生部(32)に導入される。
の屈曲部分のみにガイド板(45)を設けるようにしても
よい。この場合、第2通路(42)において空気の流れが
曲げられて断面方向の混合が生じやすい部分がガイド板
(45)で複数の流路(46)に区画される。従って、第2
通路(42)における断面方向の空気の混合が抑制され、
空気の温度分布が維持される。
構成図である。
る。
される空気の温度分布、及び再生部での回転ロータの温
度分布を示す説明図である。
る。
び再生部と熱回収部における回転ロータの温度分布を示
す説明図である。
る空気の温度分布、及び再生部での回転ロータの温度分
布を示す説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 除湿部(31)及び再生部(32)に跨って
配置されて回転する回転ロータ(22)と、空気を加熱す
る加熱手段(26)とを備え、除湿部(31)では空気から
回転ロータ(22)が吸湿し、再生部(32)では加熱手段
(26)によって加熱された空気に対して回転ロータ(2
2)が放湿する湿度調節装置であって、上記再生部(3
2)には、該再生部(32)における回転ロータ(22)の
温度分布に対応した所定の温度分布を有する空気が導入
される一方、 上記 再生部(32)で昇温した回転ロータ(22)の熱を空
気に回収して該空気を予熱する熱回収部(33)と、上記
熱回収部(33)で予熱された空気を加熱手段(26)で加
熱して再生部(32)に送り込む空気通路(42)とが設け
られ、 上記 空気通路(42)は、熱回収部(33)で予熱された空
気を、熱回収部(33)において形成された温度分布が維
持された状態で再生部(32)に送り込む湿度調節装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の湿度調節装置において、 再生部(32)に導入される空気は、再生部(32)におけ
る回転ロータ(22)の回転方向の始端側の方が終端側よ
りも温度が低くなるような温度分布を有している湿度調
節装置。 - 【請求項3】 除湿部(31)及び再生部(32)に跨って
配置されて回転する回転ロータ(22)と、空気を加熱す
る加熱手段(26)とを備え、除湿部(31)では空気から
回転ロータ(22)が吸湿し、該再生部(32)では加熱手
段(26)によって加熱された空気に対して回転ロータ
(22)が放湿する湿度調節装置であって、 上記回転ロータ(22)は、再生部(32)で回転移動する
に従って、より高温の空気と接触する一方、 上記 再生部(32)で昇温した回転ロータ(22)の熱を空
気に回収して該空気を予熱する熱回収部(33)と、上記
熱回収部(33)で予熱された空気を加熱手段(26)で加
熱して再生部(32)に送り込む空気通路(42)が設けら
れ、 上記 空気通路(42)は、熱回収部(33)で予熱された空
気を、熱回収部(33)において形成された温度分布が維
持された状態で再生部(32)に送り込む湿度調節装置。 - 【請求項4】 請求項1,2又は3記載の湿度調節装置
において、 空気通路(42)における空気の流れが層流とされている
湿度調節装置。 - 【請求項5】 請求項1,2又は3記載の湿度調節装置
において、 空気通路(42)は、空気の温度分布が維持されるように
該空気通路(42)を区画するガイド部材(45)を備えて
いる湿度調節装置。 - 【請求項6】 請求項1乃至5の何れか1記載の湿度調
節装置において、 再生部(32)から流出した空気を室内に供給して加湿動
作を行う湿度調節装置。
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