JP3437129B2 - 卵黄リンタンパク質由来のミネラル結合ペプチド - Google Patents

卵黄リンタンパク質由来のミネラル結合ペプチド

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、卵黄リンタンパク
質由来のミネラル結合ペプチド及びそのミネラル結合ペ
プチドを有効成分とするミネラル剤に関する。また、本
発明は、卵黄リンタンパク質由来のミネラル結合ペプチ
ドを製造する方法に関する。本発明のミネラル結合ペプ
チドは、熱安定性が高く分散性に富んでいるので、特に
飲食品へのミネラル強化用素材として有用である。
【0002】
【従来の技術】近年、加工食品の普及や食生活の変化に
より、生体に必要なミネラル約20種類の中、カルシウ
ム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅等のミネラルが、日本
人には不足しがちであることが報告されている。そし
て、骨粗鬆症に代表される骨組織の脆弱化に対する懸念
から、カルシウム摂取に対する関心が高まっており、ま
た、生体のホメオスタシス(恒常性)を維持する等の理
由から、マグネシウムの栄養生理学的機能についても注
目されるようになり、さらには、カルシウムとマグネシ
ウムの摂取バランスについても重要視されるようになっ
てきた。最近では、カルシウムや鉄を強化した加工食品
が市場を賑わしているが、その他のミネラルを強化した
加工食品については、殆ど市場で見当たらない現状にあ
る。また、食品添加物として認可されているミネラル剤
の種類は限られており、それらのミネラル剤について
は、呈味性、溶解性、熱安定性等の点で食品加工適性が
劣るものが多いという問題もある。一方、ホスビチンに
代表される卵黄リンタンパク質は、その構成アミノ酸と
して、ホスホセリンを多く含有しており、このホスホセ
リンに結合するリン酸基が2価カチオンと結合するとい
う特性を有している。ところが、卵黄リンタンパク質
は、2価カチオンと結合した状態では不安定であり、沈
澱を形成することが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、ホス
ビチン等の卵黄リンタンパク質は、マグネシウム、カル
シウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の2価カチオンを結
合するという性質を有するタンパク質であるが、これら
のミネラルを結合した状態では熱安定性や分散性が悪
く、ミネラル強化を意図した飲食品等への利用にはあま
り適さないという問題があった。そこで、本発明者ら
は、このミネラルを結合した卵黄リンタンパク質をミネ
ラル強化用素材として、特に飲食品等へ有効利用を図る
べく鋭意研究を進めてきたところ、タンパク質分解酵素
等を作用させてペプチドとすることにより、熱安定性及
び分散性の良好なミネラル結合ペプチドを得ることがで
き、このミネラル結合ペプチドをミネラル剤として使用
することができることを見出し、本発明を完成するに至
った。したがって、本発明は、卵黄リンタンパク質由来
のミネラル結合ペプチド及びそのミネラル結合ペプチド
を有効成分とするミネラル剤を提供することを課題とす
る。また、本発明は、卵黄リンタンパク質由来のミネラ
ル結合ペプチドを製造する方法を提供することを課題と
する。さらに、本発明は、卵黄リンタンパク質を経済的
に製造する方法を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では、次のように
して、卵黄リンタンパク質由来のミネラル結合ペプチド
を製造する。すなわち、卵黄液や卵黄粉末等に含まれる
卵黄リンタンパク質をタンパク質分解酵素等で加水分解
した後、限外濾過膜等で処理して、卵黄リンタンパク質
分解物であるペプチドを回収する。そして、このペプチ
ドに、マグネシウム、カルシウム、鉄、銅、亜鉛、マン
ガン等の2価ミネラル塩類を作用させて2価カチオンを
結合させた後、透析膜、限外濾過膜、イオン交換樹脂等
で処理して過剰のミネラルを除去し、卵黄リンタンパク
質由来のミネラル結合ペプチドを得る。また、卵黄リン
タンパク質に、マグネシウム、カルシウム、鉄、銅、亜
鉛、マンガン等の2価ミネラル塩類を作用させて2価カ
チオンを結合させた後、生成したミネラル結合卵黄リン
タンパク質を沈澱として回収する。そして、このミネラ
ル結合卵黄リンタンパク質をタンパク質分解酵素等で加
水分解した後、限外濾過膜等で処理して、卵黄リンタン
パク質由来のミネラル結合ペプチドを得る。また、本発
明では、卵黄リンタンパク質として、卵黄又は卵黄タン
パク質を食塩水で懸濁することにより得られる抽出液、
あるいはこの抽出液に硫安を添加して撹拌することによ
って生成する沈澱を除去した溶液を使用するのが好適で
ある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明は、ホスビチン等の卵黄リ
ンタンパク質由来のペプチドに、マグネシウム、カルシ
ウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の2価ミネラル塩類を
作用させてミネラルを結合させたミネラル結合ペプチド
である。この卵黄リンタンパク質由来のミネラル結合ペ
プチドは、卵黄リンタンパク質を加水分解したペプチド
にミネラルを結合させるか、あるいは、卵黄リンタンパ
ク質にミネラルを結合させたミネラル結合卵黄リンタン
パク質を加水分解することにより得ることができる。な
お、本発明で、卵黄リンタンパク質やミネラル結合卵黄
リンタンパク質を加水分解する際に使用するタンパク質
分解酵素については、微生物起源の酵素や植物起源の酵
素等、特に制限は無いが、反応液のpH調整、中和、脱塩
等の処理を考えると、例えば、フレーバーザイム(ノボ
社製)やプロテアーゼA、プロテアーゼN(天野製薬社
製)等、市販されている中性プロテアーゼを使用するこ
とが望ましい。これらの酵素については、単独で使用し
ても良いし、あるいは、2種類以上の酵素を組み合わせ
て使用しても良い。また、卵黄リンタンパク質やミネラ
ル結合卵黄リンタンパク質に対して 0.1重量%以上とな
るよう酵素を添加して反応を行うことが望ましい。添加
する酵素量が 0.1重量%未満では、酵素反応が進行し難
くなるので、ペプチドの収量が低くなる。一方、添加す
る酵素量が多くなればなる程、酵素反応は進行するが、
経済性等を考慮すると、10重量%程度が限度である。そ
して、これらの酵素反応については、25〜70℃の温度範
囲で20〜48時間行うことが望ましい。
【0006】上記したような酵素反応により得られる卵
黄リンタンパク質由来のペプチドやミネラル結合ペプチ
ドについては、望ましくは分画分子量が10,000〜15,000
の限外濾過膜で処理して、透過液中に回収することがで
きる。また、硫安沈澱や酸沈澱等のタンパク沈澱法を利
用して、未反応の卵黄リンタンパク質や添加した酵素を
沈澱として除去し、上清中に卵黄リンタンパク質由来の
ペプチドやミネラル結合ペプチドを回収することもでき
る。このとき、タンパク沈澱法を利用した場合は、必要
に応じて中和や脱塩等の処理を行えば良い。また、本発
明で使用する卵黄リンタンパク質としては、市販されて
いるホスビチン等の卵黄リンタンパク質を使用すること
ができるが、経済性を考慮すると、卵黄や卵黄タンパク
質を食塩水で懸濁することにより得られる抽出液、ある
いはこの抽出液に硫安を添加して撹拌することにより生
成する沈澱を除去した溶液を使用することが望ましい。
なお、卵黄液や卵黄粉末等を溶媒で脱脂することにより
得られる卵黄タンパク質を使用することもできるが、ミ
ネラル結合ペプチドの収率は低くなる。
【0007】本発明で使用する2価ミネラル塩類として
は、塩化マグネシウムや硫酸マグネシウム等のマグネシ
ウム塩、塩化カルシウムや水酸化カルシウム等のカルシ
ウム塩類を挙げることができる。そして、終濃度が 0.1
〜1.0Mとなるよう2価ミネラル塩類を十分に撹拌しなが
ら卵黄リンタンパク質由来のペプチドや卵黄リンタンパ
ク質に添加してミネラルを結合させれば良い。このと
き、2価ミネラル塩類を選択することにより、2種類以
上のミネラルを結合した卵黄リンタンパク質由来のミネ
ラル結合ペプチドやミネラル結合卵黄リンタンパク質を
得ることができる。このようにして、例えば、塩化カル
シウムを使用すると、2〜10%のカルシウムを結合した
ペプチドを得ることができ、また、硫酸マグネシウムを
使用すると1〜10%のマグネシウムを結合したペプチド
を得ることができる。得られたミネラル結合ペプチドに
ついては、最終的に、透析膜、限外濾過膜、イオン交換
樹脂等で処理することにより、未反応のミネラルを除去
することが望ましい。なお、透析膜で処理する場合は、
望ましくは分画分子量 3,000以下の透析膜を使用して50
倍以上のイオン交換水に対して適宜イオン交換水を交換
しながら12時間以上の透析を行えば良い。このようにし
て、透析チューブ中にミネラル結合ペプチドを回収する
ことができる。また、限外濾過膜で処理する場合は、望
ましくは分画分子量 3,000以下の限外濾過膜を使用して
濃縮液中にミネラル結合ペプチドを回収することができ
る。さらに、イオン交換樹脂で処理する場合は、望まし
くは陰イオン及び陽イオン交換樹脂混合型の樹脂を使用
してミネラル結合ペプチドを回収することができる。
【0008】そして、このミネラル結合ペプチドについ
ては、ミネラル剤等として、濃縮等により液体の状態で
使用することもできるし、凍結乾燥や噴霧乾燥をして粉
末の状態で使用することもできる。また、例えば、この
ミネラル結合ペプチドを生乳に対して5重量%程度配合
して均質化し、加熱殺菌して、ミネラル強化乳を製造し
たり、あるいは、ミネラル結合ペプチドをヨーグルトミ
ックスに同程度配合して、乳酸菌醗酵を行い、ミネラル
強化ヨーグルトを製造したり、さらには、ミネラル結合
ペプチドを通常の飲料に配合して、ミネラル強化飲料を
製造したりすることにより、飲食品等にミネラルを強化
することができる。なお、本発明のミネラル結合ペプチ
ドの配合量は、使用目的に応じて決定すれば良いが、5
重量%前後の配合量が目安となる。次に実施例及び試験
例を示し、本発明をさらに詳しく説明する。
【0009】
【実施例1】卵黄リンタンパク質のホスビチン(シグマ
社製)15g を水 1 lに溶解し、中性プロテアーゼ(フレ
ーバーザイム;ノボ社製)150mg を添加して、50℃で20
時間反応させた後、加熱(100℃、5分間) して酵素反応
を停止した。次に、この反応液を限外濾過膜(マイクロ
ーザACP-0013;旭化成工業社製)で処理して生成したペ
プチドを含む透過液 880mlを回収した後、この透過液に
1.2M硫酸マグネシウム溶液 440mlを室温で撹拌しながら
添加し、1時間反応させた。そして、この反応液を分画
分子量 1,000の透析膜(Spectra/Pro;スペクトラム社
製)でイオン交換水に対して透析した後、透析膜中の溶
液を回収して凍結乾燥し、 卵黄リンタンパク質(ホスビ
チン)由来のマグネシウム結合ペプチド 6.75gを製造し
た。なお、透析は、1時間毎に3回イオン交換水を交換
し、 12時間行った。次に、この卵黄リンタンパク質(ホ
スビチン)由来のマグネシウム結合ペプチドについて、
諸性質を調べた結果を示す。 (1) 分子量 低分子用ゲル (High Density;ファルマシア社製) を用
いてSDS−PAGEゲル電気泳動を行った。なお、ゲ
ルの染色はステインズオール(シグマ社製)で行った。
これによると、このマグネシウム結合ペプチドの分子量
は3〜14kDa の範囲に分布していることが判った。 (2) リン酸量 Bartlett法に準じてリン酸量を定量した。すなわち、試
料 0.1mlと70%過塩素酸 0.4mlとを加えた試験管を 200
℃のアルミブロックヒーターで20分間加熱した後、室温
まで冷却し、モリブデン・アンモニウム溶液 2.4mlを加
えた。次に、還元液(1%亜硫酸水素ナトリウム− 0.2
%亜硫酸ナトリウム− 0.018%1−アミノ−2−ナフト
ール−4−スルホン酸溶液) 2.4mlを加えて 100℃の水
浴中で10分間加熱した後、室温まで冷却して、 835nmの
波長で吸光度を測定した。そして、0〜1mMの標準曲線
から試料中のリン酸量を算出したところ、このマグネシ
ウム結合ペプチドのリン酸量は 8.2%であることが判っ
た。 (3) マグネシウム量 原子吸光分光光度計(AA-680;島津製作所社製)を用い
てマグネシウム量を測定した。なお、測定用試料は、計
量してルツボに分取した試料を電気炉(550℃)内で白色
になるまで灰化したものを蒸留水で希釈して測定した。
これによると、このマグネシウム結合ペプチドのマグネ
シウム量は 2.7%であることが判った。
【0010】
【試験例1】本発明品として、実施例1で得られた卵黄
リンタンパク質(ホスビチン)由来のマグネシウム結合
ペプチドの溶解/分散性、熱安定性及び風味について評
価した。なお、対照品として、ホスビチン(シグマ社
製)に硫安を終濃度0.4Mとなるよう添加して回収したマ
グネシウム結合卵黄リンタンパク質(ホスビチン)につ
いても同様の評価を行った。その結果を表1に示す。な
お、溶解/分散性については、各試料を5重量%となる
よう水に溶解又は分散させた後、50ml容目盛付き遠心管
で遠心分離 (1,000 × g、10分間)し、生成した沈澱量
を測定した。また、熱安定性については、各試料を5重
量%となるよう水に溶解又は分散させた後、2mlずつガ
ラスアンプル管に封入し、 120℃の温度に保持したオイ
ルバス中に浸積して、凝固物が生成するに至るまでの時
間(熱凝固時間)を測定した。さらに、風味について
は、各試料を5重量%となるよう水に溶解又は分散させ
た後、熟練パネラーによる官能評価で行った。
【0011】
【表1】
【0012】これによると、対照品であるマグネシウム
結合卵黄リンタンパク質(ホスビチン)に比べ、本発明
品である卵黄リンタンパク質(ホスビチン)由来のマグ
ネシウム結合ペプチドは、溶解性の点で特に優れてお
り、熱安定性の点でも優れていることが判った。また、
風味の点でも特に問題が無いことが判った。
【0013】
【実施例2】卵黄液(メルク社製)100gに1.2M硫酸マグ
ネシウム溶液50mlを室温で撹拌しながら添加し、1時間
反応させた後、蒸留水 500mlを添加してさらに1時間撹
拌し、遠心分離して、マグネシウム結合卵黄リンタンパ
ク質を含む沈澱を回収した。次に、この沈澱を水 100ml
に分散させ、これにエチルエーテル 100mlを添加して室
温で一昼夜撹拌した後、マグネシウム結合卵黄リンタン
パク質を含む水層80mlを回収した。さらに、このマグネ
シウム結合卵黄リンタンパク質を含む液に中性プロテア
ーゼ(フレーバーザイム;ノボ社製)12mgを添加して、
50℃で20時間反応させた後、加熱(100℃、5分間) して
酵素反応を停止した。そして、この反応液を分画分子量
1,000の透析膜(Spectra/Pro;スペクトラム社製)でイ
オン交換水に対して透析した後、透析膜中の溶液を回収
して凍結乾燥し、 卵黄リンタンパク質由来のマグネシウ
ム結合ペプチド2.2gを製造した。なお、透析は、1時間
毎に3回イオン交換水を交換し、 12時間行った。
【0014】
【実施例3】卵黄液(メルク社製)100gにエーテル 100
mlを添加して室温で一昼夜撹拌した後、卵黄リンタンパ
ク質を含む水層80mlを回収した。この卵黄リンタンパク
質に1.2M硫酸マグネシウム溶液40mlを室温で撹拌しなが
ら添加し、1時間反応させた後、蒸留水 400mlを添加し
てさらに1時間撹拌し、遠心分離して、マグネシウム結
合卵黄リンタンパク質を含む沈澱を回収した。次に、こ
のマグネシウム結合卵黄リンタンパク質を含む沈澱を水
100mlに分散させた液に中性プロテアーゼ(フレーバー
ザイム;ノボ社製)15mgを添加して、50℃で20時間反応
させた後、加熱(100℃、5分間) して酵素反応を停止し
た。そして、この反応液を分画分子量 1,000の透析膜(S
pectra/Pro;スペクトラム社製)でイオン交換水に対し
て透析した後、透析膜中の溶液を回収して凍結乾燥し、
卵黄リンタンパク質由来のマグネシウム結合ペプチド1.
9gを製造した。なお、透析は、1時間毎に3回イオン交
換水を交換し、 12時間行った。
【0015】
【実施例4】卵黄タンパク質 (ヨークプロテイン;太陽
化学社製)100gに5%食塩水 9.9 lを添加して30分間撹
拌した後、吸引濾過して抽出液 9.8 lを回収し、この抽
出液を限外濾過膜(マイクローザACP-0013;旭化成工業
社製)で処理して 1 lになるまで濃縮し、卵黄リンタン
パク質を含む濃縮液を得た。この卵黄リンタンパク質を
含む濃縮液に中性プロテアーゼ(フレーバーザイム;ノ
ボ社製)150mg を添加して、50℃で20時間反応させた
後、加熱(100℃、5分間) して酵素反応を停止した。次
に、この反応液を限外濾過膜(マイクローザACP-0013;
旭化成工業社製)で処理して生成したペプチドを含む透
過液 880mlを回収した後、この透過液に1.2M硫酸マグネ
シウム溶液 440mlを室温で撹拌しながら添加し、1時間
反応させた。そして、この反応液を分画分子量 1,000の
透析膜(Spectra/Pro;スペクトラム社製)でイオン交換
水に対して透析した後、透析膜中の溶液を回収して凍結
乾燥し、 卵黄リンタンパク質(ホスビチン)由来のマグ
ネシウム結合ペプチド5.2gを製造した。
【0016】
【実施例5】卵黄タンパク質 (ヨークプロテイン;太陽
化学社製)100gに5%食塩水 9.9 lを添加して30分間撹
拌した後、吸引濾過して抽出液 9.8 lを回収し、この抽
出液を限外濾過膜(マイクローザACP-0013;旭化成工業
社製)で処理して 1 lになるまで濃縮して濃縮液を得
た。この濃縮液に硫安472gを添加し、一昼夜撹拌した
後、遠心分離して回収した上清をイオン交換水に対して
透析し、卵黄リンタンパク質を含む溶液を回収した。こ
の卵黄リンタンパク質を含む溶液に中性プロテアーゼ
(フレーバーザイム;ノボ社製)150mg を添加して、50
℃で20時間反応させた後、加熱(100℃、5分間) して酵
素反応を停止した。次に、この反応液を限外濾過膜(マ
イクローザACP-0013;旭化成工業社製)で処理して生成
したペプチドを含む透過液 880mlを回収した後、この透
過液に1.2M硫酸マグネシウム溶液 440mlを室温で撹拌し
ながら添加し、1時間反応させた。そして、この反応液
を分画分子量 1,000の透析膜(Spectra/Pro;スペクトラ
ム社製)でイオン交換水に対して透析した後、透析膜中
の溶液を回収して凍結乾燥し、 卵黄リンタンパク質(ホ
スビチン)由来のマグネシウム結合ペプチド5.8gを製造
した。
【0017】
【発明の効果】本発明の卵黄リンタンパク質由来のミネ
ラル結合ペプチドは、溶解/分散性の点で特に優れてお
り、熱安定性の点でも優れているという特徴を有してお
り、また、風味の点でも全く問題が無いので、特に飲食
品等に利用できるミネラル剤として有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板垣 康治 北海道札幌市中央区南11条西18丁目1− 27 (72)発明者 谷本 守正 埼玉県川越市笠幡107−28 (56)参考文献 特開 平9−173018(JP,A) 特開 平4−53471(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23J 3/04 A23J 3/34 A23L 1/304 - 1/305 C07K 1/12 C07K 14/465 BIOSIS(DIALOG)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 卵黄リンタンパク質をタンパク質分解酵
    素を使用して加水分解することにより得られるペプチド
    にミネラルが結合したことを特徴とする、分子量が3〜
    14kDaである卵黄リンタンパク質由来のミネラル結合
    ペプチド。
  2. 【請求項2】 卵黄リンタンパク質が、ホスビチンであ
    ることを特徴とする請求項1に記載のミネラル結合ペプ
    チド。
  3. 【請求項3】 ミネラルが、マグネシウムであることを
    特徴とする請求項1又は2に記載のミネラル結合ペプチ
    ド。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のミネラ
    ル結合ペプチドを有効成分とすることを特徴とするミネ
    ラル剤。
  5. 【請求項5】 卵黄リンタンパク質をタンパク質分解酵
    素を使用して加水分解することにより得られるペプチド
    に、2価ミネラル塩類を反応させてミネラルを結合させ
    ることを特徴とする分子量が3〜14kDaである卵黄リ
    ンタンパク質由来のミネラル結合ペプチドの製造方法。
  6. 【請求項6】 卵黄リンタンパク質に2価ミネラル塩類
    を反応させてミネラルを結合させることにより得られる
    ミネラル結合卵黄リンタンパク質を、タンパク質分解酵
    素を使用して加水分解することを特徴とする分子量が3
    〜14kDaである卵黄リンタンパク質由来のミネラル結
    合ペプチドの製造方法。
  7. 【請求項7】 卵黄リンタンパク質として、卵黄又は卵
    黄タンパク質を食塩水で懸濁することにより得られる抽
    出液、あるいはこの抽出液に硫安を添加して撹拌するこ
    とにより生成する沈澱を除去した溶液を使用する請求項
    5又は6記載のミネラル結合ペプチドの製造方法。
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