JP3434608B2 - ポリアスパラギン酸類の製造方法及び回収方法 - Google Patents

ポリアスパラギン酸類の製造方法及び回収方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、簡易にポリアスパラギ
ン酸およびポリアスパラギン酸塩(以下、「ポリアスパ
ラギン酸類」という。)を得ることができる、アスパラ
ギン酸類の製造方法及び回収方法に関する。本発明に係
る方法によれば、従来技術と比較して、工程が大幅に簡
略化されており、相対的に低いコストで、高純度のポリ
アスパラギン酸類を生産することができる。本発明に係
るポリアスパラギン酸類の製造方法において、アルカリ
加水分解に使用する塩基として、塩基性アミノ酸又はそ
の塩を採用すると、温和なpH環境で反応をすることが
でき、過激なpH変動に起因する分子量低下を回避する
ことができる。本発明に係る方法により得られるポリア
スパラギン酸類は、低刺激性・低アレルギー性であり、
安全性と分解性に優れ、生体や環境にやさしい特徴を有
する界面活性剤や化粧料等として有用である。本発明に
係るポリアスパラギン酸類の製造方法及び回収方法によ
れば、酸性での透析操作が不要であるので、アルカリ加
水分解反応した反応液や、該反応液を酸で中和反応した
反応液を、特別のpH調整をすることなく、また、過激
なpH変動に起因する分子量低下を招来することなく、
極めて短時間で目的物を回収することができ、副生物の
塩も容易に回収できる。したがって、本発明に係る方法
は、従来技術によれば不可避であった、ポリアスパラギ
ン酸類が存在する系のpH管理や極めて煩雑で高コスト
の透析操作を省略できるため、工業的にも極めて有利で
ある。
【0002】
【従来の技術】ポリアスパラギン酸の製造方法について
は、古くから研究開発が行なわれてきた。ジャーナル・
オブ・アメリカン・ケミカル・ソサイテイー(J.Am
er.Chem.Soc.、80巻、3361頁(19
58年))には、アスパラギン酸を加熱縮合して合成し
たポリこはく酸イミドを、水酸化ナトリウム水溶液中
で、100℃、15分間、加熱することにより、ポリア
スパラギン酸ナトリウム塩を得る技術が開示されてい
る。ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー
(J.Org.Chem.、26巻、1084頁(19
61年))には、ポリこはく酸イミドを、水酸化ナトリ
ウム水溶液中でアルカリ加水分解することにより、イミ
ド環をアミド酸ナトリウムに転化して、ポリアスパラギ
ン酸ナトリウムを得る技術が開示されている。しかしな
がら、これらには、ポリアスパラギン酸ナトリウム塩を
回収する技術については、何ら開示がない。また、アル
カリ加水分解の際に強アルカリを使用する場合には、p
Hの調整が必要であり、操作が煩雑であり問題であっ
た。
【0003】日本化学雑誌(81巻、4号、102頁
(1960年))には、ポリこはく酸イミドを、アルカ
リ水溶液中でアルカリ加水分解することにより、イミド
環をアミド酸塩に転化して、ポリアスパラギン酸塩を生
成し、その後、酸性条件で透析することにより、ポリア
スパラギン酸塩をポリアスパラギン酸に転換すると同時
に、生成する塩を除去する技術が開示されている。しか
しながら、透析技術には、高価な透析膜や装置を必要と
し、操作に多くの人手と長時間を要し、大量の純水を必
要とし、さらに、ポリアスパラギン酸水溶液から水を除
去する濃縮操作が必要な点で煩雑であり、問題があっ
た。
【0004】ポリマーレポート(Polymer Re
ports、23巻、1237頁(1982年))に
は、ポリこはく酸イミドを、アルカリ加水分解すること
により、イミド環をアミド酸塩に転化して、ポリアスパ
ラギン酸塩を生成し、その後、酸性条件で透析すること
により、ポリアスパラギン酸塩をポリアスパラギン酸に
転換すると同時に、生成する塩を除去して、ポリアスパ
ラギン酸水溶液を得て、該水溶液を大過剰のジオキサン
と混合することにより、ポリアスパラギン酸を沈澱させ
て回収する技術が開示されている。しかしながら、透析
技術は、上記のように煩雑であり、さらには、該技術に
おいては、大量の有機溶剤が必要な点で問題があった。
【0005】以上のように、ポリこはく酸イミドをアル
カリ加水分解して、イミド環をアミド酸塩に転化して、
ポリアスパラギン酸塩を得て、さらに該ポリアスパラギ
ン酸塩を酸で中和して、ポリアスパラギン酸に転換する
という従来技術において、中和により副生する塩を除去
して、ポリアスパラギン酸を得るためには、煩雑で高コ
ストな透析技術に依存せざるを得なかった。また、ポリ
ア・スパラギン酸類の製造方法に関しては、従来技術に
おいては、アルカリ加水分解の際に強アルカリを使用す
る場合には、pHの調整が必要であり、操作が煩雑であ
り問題であったが、本発明においては、アルカリ加水分
解に際し弱塩基である塩基性アミノ酸又はその塩基を採
用することが可能であり、煩雑なpH制御が不要とな
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、煩雑
で高コストな透析技術に依存せず、簡易な工程により低
コストで、ポリアスパラギン酸類を生産し、回収するこ
とができる技術を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、以下の(1)〜(3)
構成により、透析技術によることなく、ポリアスパラギ
ン酸を容易に回収することできることを見出し、本発
明を完成するに至った。 (1) 工程1(アルカリ加水分解反応工程);重合度
10乃至2,000のポリこはく酸イミドを塩基と反応
させて、イミド環をアミド酸塩に転化し、ポリアスパラ
ギン酸塩を生成する工程。 (2) 工程2(中和反応工程);工程1で生成したポ
リアスパラギン酸塩と酸を反応させて、アミド酸塩をア
ミド酸に転化し、ポリアスパラギン酸と塩を生成する工
程。 (3) 工程3(回収工程);工程2で生成したポリア
スパラギン酸と塩の混合物に、実質的に均一な混合溶媒
系を形成する条件で水と有機溶媒を加えて、該混合溶媒
系の親水性/疎水性バランスを制御することにより、
が実質的に完全に混合溶媒に溶解したままポリアスパラ
ギン酸を実質的に完全に沈殿させ、ポリアスパラギン酸
を塩から分離回収する工程。本発明において、上記
(2)をスキップして、(3)に移行すれば、ポリアス
パラギン酸塩を容易に回収することができる。
【0008】本出願明細書において用いる「誘導体」な
る語の概念は、アスパラギン酸残基の水素原子が、他の
原子あるいは原子団Rによって置換されたものを包含す
る。ここでRは、少なくとも1個の炭素原子を含む1価
の炭化水素基であり、より具体的には、脂肪族、芳香
族、脂環族、これらを組み合わせた基、又はこれらが水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、窒素、硫黄けい素、
りんなどで結合されるような2価の残基であってもよ
い。Rは、上記のものに、例えば、水酸基、アルキル
基、シクロアルキル基、アリル基、アルコキシル基、シ
クロアルコキシル基、アリルオキシル基、ハロゲン
(F、Cl、Br等)基等が置換した基であってもよ
い。これらの置換基を適宜選択することにより、ポリマ
ーの物性を制御することができる。
【0009】以下に、本発明に係るポリアスパラギン酸
の製造方法について、具体的に説明する。なお、以下の
ポリアスパラギン酸の製造方法について、工程2(中和
反応工程)をスキップして、工程3(回収工程)に移行
すれば、ポリアスパラギン酸塩を容易に回収することが
できる。
【0010】1.工程1(アルカリ加水分解反応工程) 工程1(アルカリ加水分解反応工程)は、重合度10乃
至2,000のポリこはく酸イミドを塩基と反応させ
て、イミド環をアミド酸塩に転化し、ポリアスパラギン
酸塩を生成する工程である。本発明において使用するポ
リこはく酸イミドは、実質的に、重合度が10乃至2,
000であれば、その製造方法は特に限定されない。ポ
リこはく酸イミドは、一般的には、りん酸等の触媒存在
下で、または、触媒不存在下で、アスパラギン酸を加熱
縮合することにより製造される。このようにして得られ
るポリこはく酸イミドの重量平均分子量は、通常、50
0〜300,000である。
【0011】工程1において、ポリこはく酸イミドの開
環反応で用いる塩基は、実質的に、塩基としての化学特
性を有する化合物であれば、特に制限されない。
【0012】塩基の具体例としては、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチ
ルアミン、トリペンチルアミン、トリエタノールアミ
ン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの脂肪族
第三級アミン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリンな
どの芳香族第三級アミン、L−アルギニン、L−リジ
ン、L−オルニチン、L−ヒスチジン等の塩基性アミノ
酸又はこれらの混合物が挙げられ、これらの中では、ト
リエチルアミン、トリエタノールアミン、L−リジンが
好ましく使用することができる。工程1において使用す
る塩基は、一種類でも、二種類以上の組み合わせでも、
使用することができる。
【0013】本発明のポリアスパラギン酸類の製造に係
る方法において、工程1(アルカリ加水分解反応工程)
は、ポリこはく酸イミドが塩基と反応して、実施的に、
イミド環がアミド酸塩に転化すれば、その方法は特に限
定されない。本発明のポリアスパラギン酸類の製造に係
る方法において、工程1(アルカリ加水分解反応工程)
の好ましい態様では、ポリこはく酸イミド分子内のイミ
ド環1当量に対して、塩基を1当量用いて反応させて、
ポリアスパラギン酸塩を生成する。例えば、水にポリこ
はく酸イミドを分散させた後、トリエチルアミン等を添
加して開環反応させることができる。また、例えば、水
にL−リジン塩酸塩を溶解させた後、トリエチルアミン
で塩酸塩を中和し、次にポリこはく酸イミドを加えて、
開環反応させることができる。
【0014】ポリこはく酸イミドと塩基との反応温度
は、実質的に、分解反応等の好ましくない副反応が生じ
なければ特に限定されないが、一般的には、10〜80
℃であり、加熱を必要としない20〜40℃が好まし
い。ポリこはく酸イミドと塩基との反応時間は、実質的
に、反応が進行し完了すれば特に限定されないが、一般
的には、1〜6時間程度である。通常、反応開始時に
は、ポリこはく酸イミドは水中分散状態であるが、開環
反応が進行するに従い、反応生成物たるポリアスパラギ
ン酸塩は溶解していく。一般的には、2〜4時間程度の
反応時間で反応は完了する。
【0015】本発明に係る方法により得られるポリアス
パラギン酸類は、その分子中のアスパラギン酸残基単位
は、D体、L体、DL体のいずれでもかまわない。ま
た、アスパラギン酸残基単位間の結合は、アスパラギン
酸のα−カルボキシル基によるアミド結合(α型)で
も、β−カルボキシル基によるアミド結合(β型)でも
かまわず、α型/β型の割合も特に制限されない。α型
/β型の配列の様式は、ランダム共重合体、交替共重合
体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれで
もよい。本発明に係る方法により生成するポリアスパラ
ギン酸類の重合度は、10乃至2,000の範囲である
が、重量平均分子量に関しては、500〜300,00
0が好ましく、1,000〜200,000がさらに好
ましい。
【0016】2.工程2(中和反応工程) 工程2(中和反応工程)は、工程1で生成したポリアス
パラギン酸塩と酸を反応させて、アミド酸塩をアミド酸
に転化し、ポリアスパラギン酸と塩を生成する工程であ
る。工程2をスキップして、工程3に移行すれば、高純
度のポリアスパラギン酸塩を容易に回収することができ
る。工程2において、中和反応に使用する酸は、実質的
に、酸としての化学特性を有する化合物であれば、特に
制限されない。工程2において、中和反応に使用する酸
の具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸、りん酸などの鉱
酸又はこれらの混合物が挙げられ、これらの中では、塩
酸や硫酸が好ましく用いられる。工程2において、中和
反応に使用する酸は、一種類でも、二種類以上の組み合
わせでも、使用することができる。本発明のポリアスパ
ラギン酸類の製造に係る方法において、工程2(中和反
応工程)は、ポリアスパラギン酸塩と酸が反応して、実
質的に、アミド酸塩がアミド酸に転化すれば、その方法
は特に限定されない。本発明のポリアスパラギン酸類の
製造に係る方法において、工程2(中和反応工程)の好
ましい態様では、工程1で使用した塩基の使用量に対し
て、同じ当量使用する。
【0017】3.工程3(回収工程) 工程3(回収工程)は、工程2で生成したポリアスパラ
ギン酸と塩の混合物に、実質的に均一な混合溶媒系を形
成する条件で水と有機溶媒を加えて、該混合溶媒系の親
水性/疎水性バランスを制御することにより、塩が実質
的に完全に混合溶媒に溶解したままポリアスパラギン酸
を実質的に完全に沈殿させ、ポリアスパラギン酸を塩か
ら分離回収する工程である。
【0018】工程3において、回収に使用する有機溶媒
は、実質的に、水と混合したときに、均一な混合溶媒系
を形成すれば、特に制限されない。工程3において使用
する混合溶媒の水と有機溶媒との比率は、実質的に、均
一な混合溶媒系を形成すれば、特に制限されない。工程
3において使用する混合溶媒の水と有機溶媒との比率
は、実質的に、均一な混合溶媒系を形成する条件下で適
宜選択することにより、混合溶媒系の親水性/疎水性バ
ランスを調整することができる。工程3において用いる
有機溶媒は、一種類でも、二種類以上の組み合わせで
も、使用することができる。工程3において用いる混合
溶媒の使用量は、実質的に、ポリアスパラギン酸類と塩
とが分離できれば特に制限されないが、一般的には、反
応液に対して3〜8重量部用いる。工程3において用い
る混合溶媒の使用量は、工業的見地からは、ポリアスパ
ラギン酸類の純度の達成度と、容積効率や溶媒回収等を
勘案して設定する。
【0019】工程3において用いる有機溶媒の具体例と
しては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコ
ール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、ジオ
キサン、テトラヒドロフラン、メチルセロソルブ等のエ
ーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン
類、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、
N−メチル−2−ピロリドン等の窒素化合物等やこれら
の混合物等が挙げられ、これらの中では、メタノール、
エタノール、イソプロピルアルコールが好ましく用いら
れる。
【0020】4.本発明に係るポリアスパラギン酸製造
方法の一態様 本発明に係るポリアスパラギン酸製造方法の一態様を、
以下に述べる。 (1) 工程1(アルカリ加水分解反応工程);水にポ
リこはく酸イミドを分散させた後、25〜30℃でトリ
エチルアミンを添加し、アルカリ加水分解反応させて、
イミド環をアミド酸塩に転化し、ポリアスパラギン酸塩
を得る。 (2) 工程2(中和反応工程);該ポリアスパラギン
酸塩を、塩酸で中和し、遊離のポリアスパラギン酸を得
る。 (3) 工程3(回収工程);反応液をアルコールと混
合し、ポリアスパラギン酸の結晶を析出させることによ
り、ポリアスパラギン酸を回収する。
【0021】5.本発明に係るポリアスパラギン酸塩製
造方法の一態様 本発明に係るポリアスパラギン酸製造方法の一態様を、
以下に述べる。 (1) 工程1(アルカリ加水分解反応工程);水にポ
リこはく酸イミドを、分散させた後、25〜30℃でト
リエチルアミンを添加し、アルカリ加水分解反応させ
る。 (2) 工程2(回収反応工程);反応液をエチルアル
コールと混合し、ポリアスパラギン酸塩の結晶を析出さ
せることにより、ポリアスパラギン酸塩を回収する。 以下に、実施例・製造例をあげて本発明を詳述する。な
お、本出願明細書において、実施例・製造例・実施態様
は、本発明の理解を助けるための説明であって、その記
載によって、本発明がなんら限定されるものではない。
【0022】
【実施例】
実施例1 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 撹拌装置を備えた容器に、重量平均分子量120,00
0のポリこはく酸イミド(以下、PSIと略す。)2
9.1g(0.3モル)及び水233g(PSI重量に
対し、8倍量)を装入した後、25〜30℃で、トリエ
タノールアミン44.8g(0.3モル)及び水44.
8gの混合水溶液を、1時間にわたって滴下装入し、該
滴下装入が完了した時点で、反応系のpHは、9.2で
あった。さらに、同じ温度に維持しつつ、6時間にわた
り反応させて、ポリアスパラギン酸塩を生成させたとこ
ろ、反応終了時のpHは、8.3であった。反応終了
後、得られたポリアスパラギン酸・トリエタノールアミ
ン塩の溶液の1/4量を、以下の操作に供した。 (2)工程2(中和反応工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液88.5g
(ポリアスパラギン酸塩・0.075モルに相当)に、
25〜30℃で、35%塩酸7.8g(0.075モ
ル)を1時間にわたって滴下装入した。 (3)工程3(回収工程) 中和反応終了後、反応液を、25〜30℃で、メタノー
ル400gと混合して、析出したポリアスパラギン酸の
結晶を濾過、洗浄、乾燥した。 (4)分析 回収した高純度ポリアスパラギン酸を分析に供した。収
量は17.7g、収率は99.4%、重量平均分子量は
80,000であった。回収した高純度ポリアスパラギ
ン酸の元素分析結果は、下記の通りであった。 元素分析値(%) (C45NO3として計算した) C H N 計算値 41.75 4.38 12.17 分析値 41.71 4.44 12.13 (5)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約10時間であった。
【0023】実施例2 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 実施例1の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)
と同様に、PSIをトリエタノールアミンでアルカリ加
水分解し、ポリアスパラギン酸塩溶液を得た。実施例1
の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)と同様
に、ポリアスパラギン酸・トリエタノールアミン塩の溶
液の1/4量を、以下の操作に供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液88.5g
(ポリアスパラギン酸塩・0.075モルに相当)を、
25〜30℃で、メタノール400gと混合して、析出
したポリアスパラギン酸塩の結晶を濾過、洗浄、乾燥し
た。 (3)分析 回収した高純度ポリアスパラギン酸・トリエタノールア
ミン塩を分析に供した。収量は19.4g、収率は9
7.9%、重量平均分子量は80,000であった。回
収したポリアスパラギン酸・トリエタノールアミン塩の
元素分析結果は、下記の通りであった。 元素分析値(%) (C102026として計算した) C H N 計算値 45.45 7.63 10.60 分析値 45.44 7.60 10.61 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約8.5時間であった。
【0024】実施例3 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 実施例1の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)
と同様に、PSIをトリエタノールアミンでアルカリ加
水分解し、ポリアスパラギン酸塩溶液を得た。実施例1
の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)と同様
に、ポリアスパラギン酸・トリエタノールアミン塩の溶
液の1/4量を、以下の操作に供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液88.5g
(ポリアスパラギン酸塩・0.075モルに相当)を、
25〜30℃で、エタノール400gと混合して、析出
したポリアスパラギン酸塩の結晶を濾過、洗浄、乾燥し
た。 (3)分析 回収したポリアスパラギン酸・トリエタノールアミン塩
を分析に供した。収量は19.5g、収率は98.4%
であった。 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約8.5時間であった。
【0025】実施例4 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 実施例1の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)
と同様に、PSIをトリエタノールアミンでアルカリ加
水分解し、ポリアスパラギン酸塩溶液を得た。実施例1
の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)と同様
に、ポリアスパラギン酸・トリエタノールアミン塩の溶
液の1/4量を、以下の操作に供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液88.5g
(ポリアスパラギン酸塩・0.075モルに相当)を、
25〜30℃で、イソプロピルアルコール400gと混
合して、析出したポリアスパラギン酸塩の結晶を濾過、
洗浄、乾燥した。 (3)分析 回収したポリアスパラギン酸・トリエタノールアミン塩
を分析に供した。収量は19.7g、収率は99.5%
であった。 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約8.5時間であった。
【0026】実施例5 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 撹拌装置を備えた容器に、重量平均分子量120,00
0のポリこはく酸イミド(以下、PSIと略す。)2
9.1g(0.3モル)及び水175g(PSI重量に
対し、6倍量)を装入した後、25〜30℃で、トリエ
チルアミン30.4g(0.3モル)を、2時間にわた
って滴下装入した。さらに、同じ温度に維持しつつ、2
時間にわたり反応させて、ポリアスパラギン酸塩を生成
させたところ、反応終了時のpHは、10.4であっ
た。反応終了後、得られたポリアスパラギン酸・トリエ
チルアミン塩の溶液の1/2量を、以下の操作に供し
た。 (2)工程2(中和反応工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液175g
(ポリアスパラギン酸塩・0.15モルに相当)に、2
5〜25℃で、35%塩酸15.6g(0.15モル)
を1時間にわたって滴下装入した。 (3)工程3(回収工程) 中和反応終了後、反応液を、25〜30℃で、メタノー
ル800gと混合して、析出したポリアスパラギン酸の
結晶を濾過、洗浄、乾燥した。 (4)分析 回収したポリアスパラギン酸を分析に供した。収量は1
7.7g、収率は99.4%であった。回収したポリア
スパラギン酸の元素分析結果は、下記の通りであった。 元素分析値(%) (C45NO3として計算した) C H N 計算値 41.75 4.38 12.17 分析値 41.73 4.45 12.15 (5)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約7時間であった。
【0027】実施例6 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 実施例5の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)
と同様に、PSIをトリエチルアミンでアルカリ加水分
解し、ポリアスパラギン酸塩溶液を得た。実施例5の
(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)と同様に、
ポリアスパラギン酸・トリエチルアミン塩の溶液の1/
2量を、以下の操作に供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液177g
(ポリアスパラギン酸塩・0.15モルに相当)を、2
5〜30℃で、メタノール800gと混合して、析出し
たポリアスパラギン酸塩の結晶を濾過、洗浄、乾燥し
た。 (3)分析 回収したポリアスパラギン酸・トリエチルアミン塩を分
析に供した。収量は31.8g、収率は97.9%であ
った。回収したポリアスパラギン酸・トリエチルアミン
塩の元素分析結果は、下記の通りであった。 元素分析値(%) (C102023として計算した) C H N 計算値 55.53 9.32 12.95 分析値 55.50 9.33 12.57 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約5.5時間であった。
【0028】実施例7 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 重量平均分子量80,000のPSIを、実施例1の
(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)と同様に、
トリエタノールアミンでアルカリ加水分解し、ポリアス
パラギン酸塩溶液を得た。得られたポリアスパラギン酸
・トリエタノールアミン塩の溶液の1/4量を、以下の
操作に供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液88.5g
(ポリアスパラギン酸塩・0.075モルに相当)を、
25〜30℃で、メタノール400gと混合して、析出
したポリアスパラギン酸塩の結晶を濾過、洗浄、乾燥し
た。 (3)分析 回収したポリアスパラギン酸・トリエタノールアミン塩
を分析に供した。収量は19.7g、収率は99.4
%、重量平均分子量は50,000であった。 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約5.5時間であった。
【0029】実施例8 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 実施例7の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)
と同様に、PSIをトリエチルアミンでアルカリ加水分
解し、ポリアスパラギン酸塩溶液を得た。実施例7の
(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)と同様に、
ポリアスパラギン酸・トリエチルアミン塩の溶液の1/
4量を、以下の操作に供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液88.5g
(ポリアスパラギン酸塩・0.075モルに相当)を、
25〜30℃で、エタノール800gと混合して、析出
したポリアスパラギン酸塩の結晶を濾過、洗浄、乾燥し
た。 (3)分析 回収した高純度ポリアスパラギン酸・トリエチルアミン
塩を分析に供した。収量は19.8g、収率は99.9
%であった。 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約5.5時間であった。
【0030】実施例9 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 実施例7の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)
と同様に、PSIをトリエチルアミンでアルカリ加水分
解し、ポリアスパラギン酸塩溶液を得た。実施例7の
(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)と同様に、
ポリアスパラギン酸・トリエチルアミン塩の溶液の1/
4量を、以下の操作に供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液88.5g
(ポリアスパラギン酸塩・0.075モルに相当)を、
25〜30℃で、アセトニトリル400gと混合して、
析出したポリアスパラギン酸塩の結晶を濾過、洗浄、乾
燥した。 (3)分析 回収したポリアスパラギン酸・トリエチルアミン塩を分
析に供した。収量は19.0g、収率は95.9%であ
った。 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約5.5時間であった。
【0031】実施例10 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 実施例7の(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)
と同様に、PSIをトリエチルアミンでアルカリ加水分
解し、ポリアスパラギン酸塩溶液を得た。実施例7の
(1)工程1(アルカリ加水分解反応工程)と同様に、
ポリアスパラギン酸・トリエチルアミン塩の溶液の1/
4量を、以下の操作に供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸塩溶液88.5g
(ポリアスパラギン酸塩・0.075モルに相当)を、
25〜30℃で、N,N−ジメチルホルムアミド400
gと混合して、析出したポリアスパラギン酸塩の結晶を
濾過、洗浄、乾燥した。 (3)分析 回収した高純度ポリアスパラギン酸・トリエチルアミン
塩を分析に供した。収量は19.3g、収率は97.4
%であった。 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約5.5時間であった。
【0032】実施例11 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 撹拌装置を備えた容器に、L−リジン塩酸塩36.5g
(L−リジン塩酸塩・0.2モル)及び水110g(リ
ジン塩酸塩重量に対し、3倍量)を装入し、30℃で炭
酸水素ナトリウム17.6g(0.21モル)を加え
た。その後、重量平均分子量150,000のPSIを
19.4g(0.2モル)を装入したところ、pHは、
10.7であった。その後、直ちに、25〜30℃に維
持しつつ、3時間にわたり反応させたところ、反応終了
時のpHは、9.25であった。反応終了後、得られた
ポリアスパラギン酸・リジン塩の溶液を、以下の操作に
供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸・リジン塩の溶液
を、濾過して微量の不溶物を除去し、濾液185gを、
メタノール1110g(6倍量)と混合して、析出した
ポリアスパラギン酸塩の結晶を濾過、メタノール洗浄、
乾燥した。 (3)分析 回収したポリアスパラギン酸塩を分析に供した。収量は
47.7g、収率は97.9%であった。回収したポリ
アスパラギン酸塩の元素分析結果は、下記の通りであっ
た。 元素分析値(%) (C101935として計算した) C H N 計算値 45.97 7.33 16.08 分析値 45.54 7.31 16.05 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約6時間であった。
【0033】実施例12 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 撹拌装置を備えた容器に、50重量%リジン溶液58.
5g(リジン・0.2モル)及び水87.0g(リジン
重量に対し、3倍量)を装入したところ、pHは、1
0.7であった。さらに、重量平均分子量150,00
0のPSIを19.4g(0.2モル)を装入したとこ
ろ、pHは、10.7であった。その後、直ちに、25
〜30℃に維持しつつ、3時間にわたり反応させたとこ
ろ、反応終了時のpHは、9.25であった。反応終了
後、得られたポリアスパラギン酸・リジン塩の溶液を、
以下の操作に供した。 (2)工程2(回収工程) 工程1で得られたポリアスパラギン酸・リジン塩の溶液
を、濾過して微量の不溶物を除去し、濾液185gを、
メタノール1110g(6倍量)と混合して、析出した
ポリアスパラギン酸塩の結晶を濾過、メタノール洗浄、
乾燥した。 (3)分析 回収したポリアスパラギン酸塩を分析に供した。収量は
47.7g、収率は97.9%であった。回収したポリ
アスパラギン酸塩の元素分析結果は、下記の通りであっ
た。 元素分析値(%) (C101935として計算した) C H N 計算値 45.97 7.33 16.08 分析値 45.54 7.31 16.05 (4)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約6時間であった。
【0034】比較例1 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 撹拌装置を備えた容器に、重量平均分子量120,00
0のPSI3.0g(0.030モル)をとり、1N水
酸化ナトリウム30g(0.030モル)を装入して攪
拌溶解し、室温で、一夜放置して、アルカリ加水分解反
応を行ない、ポリアスパラギン酸ナトリウム塩溶液を得
た。 (2)工程2(中和反応工程) 工程1で得られた溶液に、1N塩酸を滴下して、pH1
に調整し、セロファン膜で2日間透析することにより、
ポリアスパラギン酸ナトリウム塩をポリアスパラギン酸
に転換するとともに、副生する塩化ナトリウムを除去し
た。 (3)工程3(回収工程) 透析を終了し、塩類を除去したポリアスパラギン酸・1
N塩酸水溶液を逆浸透膜により減圧濃縮した。濃縮した
ポリアスパラギン酸・1N塩酸水溶液を大過剰のメタノ
ールと混合して、析出したポリアスパラギン酸の結晶を
濾過、エーテル洗浄、乾燥した。 (4)分析 回収したポリアスパラギン酸を分析に供した。収量は
1.46g、収率は42.3%、重量平均分子量は5
0,000であった。回収したポリアスパラギン酸の元
素分析結果は、下記の通りであった。 元素分析値(%) (C45NO3として計算した) C H N 計算値 41.75 4.38 12.17 分析値 41.73 4.42 12.10 (5)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約4日であった。
【0035】比較例2 (1)工程1(アルカリ加水分解反応工程) 撹拌装置を備えた容器に、水1.5リットル及びポリこ
はく酸イミド9.7g(0.1モル)を装入して攪拌溶
解した後、室温で、0.1N水酸化ナトリウムを滴下し
ながら、1時間にわたり撹拌して、アルカリ加水分解反
応を行ない、ポリアスパラギン酸ナトリウム塩溶液を得
た。 (2)工程2(中和反応工程) 工程1で得られた溶液に、0.1N塩酸を滴下して中和
することにより、ポリアスパラギン酸ナトリウム塩をポ
リアスパラギン酸に転換した。 (3)工程3(回収/ポリアスパラギン酸塩銅生成工
程) 工程2で得られた溶液に、20%酢酸溶液を滴下してp
H5.5に調整し、さらに、40〜50℃に維持しなが
ら酢酸銅を滴下して、ポリアスパラギン酸の銅塩として
析出させ回収した。 (4)分析 回収したポリアスパラギン酸を分析に供した。収量は
6.3g、収率は54.8%、重量平均分子量は60,
000であった。回収したポリアスパラギン酸の元素分
析結果は、下記の通りであった。 元素分析値(%) (C45NO3 して計算した) C H N 計算値 41.75 4.38 12.17 分析値 41.70 4.40 12.13 (5)全操作に要した時間 反応開始から、回収が終了するまでの全操作に所要した
時間は、約5時間であった。
【0036】以上の実施例1〜12と比較例1及び2の
比較対照から明らかなように、本発明に係るアスパラギ
ン酸類の製造方法及び回収方法によれば、従来技術と比
較して、工程が大幅に簡略化され、しかも、分子量の低
下を招来することなく目的物を得ることが可能であるの
で、簡易・低コスト・短時間で、高純度のポリアスパラ
ギン酸類を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】本発明に係るアスパラギン酸類の製造方
法及び回収方法によれば、従来技術と比較して、工程が
大幅に簡略化され、しかも、分子量の低下を招来するこ
となく目的物を得ることが可能であるので、簡易・低コ
スト・短時間で、高純度のポリアスパラギン酸類を得る
ことができる。本発明に係るポリアスパラギン酸類の製
造方法において、アルカリ加水分解に使用する塩基とし
て、塩基性アミノ酸を採用すると、温和なpH環境で反
応を進行することができ、過激なpH変動に起因する分
子量低下を回避することができる。
【0038】本発明に係る方法により得られるポリアス
パラギン酸類は、低刺激性・低アレルギー性であり、安
全性と分解性に優れ、生体や環境にやさしい特徴を有す
る界面活性剤、化粧料(乳液、クリーム、クレンジング
クリーム、おしろい、口紅、化粧水、ぬれティッシュ
ー、マニキュア、ペディキュア、保湿料等)、香粧料
(整髪料、香水、コーデコロン、オードトアレ、フレグ
ランス等)、入浴剤、食品添加物(増粘剤、安定剤、保
湿剤、麺質改良剤、凝着剤等)等に有用である。ここ
で、化粧料及び香粧料の具体例としては、例えば、「第
26回新入社員化粧品技術講習会テキスト」(東京化粧
品工業会・東京化粧品技術者会共同主催、財団法人日本
粧業会共催、平成6年6月、朝日生命ホール)第34頁
及び第35頁記載の「表−化粧品の種類と効能の範囲」
記載の種別及び品目を包含する。その記載は、参照によ
り、本出願明細書に記載した事項又は開示からみて、当
業者が直接的かつ一義的に導き出せる事項又は開示とす
る。
【0039】本発明に係るポリアスパラギン酸類の製造
方法及び回収方法によれば、従来技術によれば不可避で
あった酸性での透析操作が不要であるので、アルカリ加
水分解反応が完了した反応液や、該反応液を酸で中和反
応した反応液を、特別なpH調整をすることなく、ま
た、過激なpH変動に起因する分子量低下を招来するこ
となく、極めて短時間で目的物を回収することができ、
副生物の塩も容易に回収できる。したがって、本発明に
係る方法は、従来技術によれば不可避であった、ポリア
スパラギン酸類が存在する系のpH管理や、極めて煩雑
で高コストの透析操作を省略できるため、工業的にも極
めて有利である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−298930(JP,A) 特開 平8−59821(JP,A) 特開 昭48−85687(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 69/08 - 69/10 C08G 69/46 - 69/48 C08G 73/06 - 73/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工程1(アルカリ加水分解反応工程);
    重合度10乃至2,000のポリこはく酸イミドを塩基
    と反応させて、イミド環をアミド酸塩に転化し、ポリア
    スパラギン酸塩を生成する工程、 工程2(中和反応工程);工程1で生成したポリアスパ
    ラギン酸塩と酸を反応させて、アミド酸塩をアミド酸に
    転化し、ポリアスパラギン酸と塩を生成する工程、及び 工程3(回収工程);工程2で生成したポリアスパラギ
    ン酸と塩の混合物に、実質的に均一な混合溶媒系を形成
    する条件で水と有機溶媒を加えて、該混合溶媒系の親水
    性/疎水性バランスを制御することにより、塩が実質的
    に完全に混合溶媒に溶解したままポリアスパラギン酸を
    実質的に完全に沈殿させ、ポリアスパラギン酸を塩から
    分離回収する工程、とを含んで構成されることを特徴と
    するポリアスパラギン酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 工程1(アルカリ加水分解反応工程);
    重合度10乃至2,000のポリこはく酸イミドを塩基
    と反応させて、イミド環をアミド酸塩に転化し、ポリア
    スパラギン酸塩を生成する工程、及び 工程2(回収工程);工程1で生成したポリアスパラギ
    ン酸塩と塩基の混合物に、実質的に均一な混合溶媒系を
    形成する条件で水と有機溶媒を加えて、該混合溶媒系の
    親水性/疎水性バランスを制御することにより、塩基が
    実質的に完全に混合溶媒に溶解したままポリアスパラギ
    ン酸塩を実質的に完全に沈殿させ、ポリアスパラギン酸
    塩を塩基から分離回収する工程、とを含んで構成される
    ことを特徴とするポリアスパラギン酸塩の製造方法。
  3. 【請求項3】 ポリアスパラギン酸又はその誘導体と塩
    の混合物に、実質的に均一な混合溶媒系を形成する条件
    で水と有機溶媒を加えて、該混合溶媒系の親水性/疎水
    性バランスを制御することにより、塩が実質的に完全に
    混合溶媒に溶解したままポリアスパラギン酸を実質的に
    完全に沈殿させ、ポリアスパラギン酸又はその誘導体を
    塩等から分離回収することを特徴とするポリアスパラギ
    ン酸の回収方法。
  4. 【請求項4】 ポリアスパラギン酸塩と塩基の混合物
    に、実質的に均一な混合溶媒系を形成する条件で水と有
    機溶媒を加えて、該混合溶媒系の親水性/疎水性バラン
    スを制御することにより、塩基が実質的に完全に混合溶
    媒に溶解したままポリアスパラギン酸塩を実質的に完全
    に沈殿させ、ポリアスパラギン酸塩を塩基等から分離回
    収することを特徴とするポリアスパラギン酸塩の回収方
    法。
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