JP3431707B2 - 写真プリントの作成方法およびこれに用いるプリンター - Google Patents

写真プリントの作成方法およびこれに用いるプリンター

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JP3431707B2 JP33487394A JP33487394A JP3431707B2 JP 3431707 B2 JP3431707 B2 JP 3431707B2 JP 33487394 A JP33487394 A JP 33487394A JP 33487394 A JP33487394 A JP 33487394A JP 3431707 B2 JP3431707 B2 JP 3431707B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は写真プリントの作成方法
に係り、特にネガフィルムが有する画像データを用いて
感熱昇華転写方式により画像を形成する写真プリントの
作成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】スチルカメラで撮影され現像された写真
フィルムまたはプリントから取り込んだ画像データを用
いて、カラーあるいはモノクロの写真プリントを感熱昇
華転写方式によって作成する技術が、特開昭62−29
3882号等に開示され知られている。
【0003】さらに、近年これに関連する応用技術とし
て、ネガフィルムに記録された画像を一覧できるように
画像を配置したインデックスプリントの作成が提案され
ている(特開平6−250345号)。すなわち、スチ
ルカメラで撮影された写真フィルムは、店頭等の写真ラ
ボシステムにおいて現像され、焼き付けられた写真プリ
ントととともにネガフィルムとして利用者の手に渡る
が、利用者は写真プリントの焼き増しが必要な場合、該
当する写真プリントに対応した画像コマを上記のネガフ
ィルムの中から見つけ出して画像コマの番号を特定する
必要があり、また、写真プリントをアルバム等に整理し
てネガフィルム単独で保管してある場合、ネガフィルム
に撮影されている内容を確認するには直接ネガフィルム
を見なければならない煩雑さを解消するために、上記の
インデックスプリントが開発されたものである。そし
て、このインデックスプリントは、従来の写真ラボシス
テムと並行して作成されるものであり、利用者は1枚の
インデックスプリントを見ることにより、ネガフィルム
に撮影されている内容を容易に判断することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
62−293882号等に開示されている写真プリント
の作成方法では、画像形成速度が遅く、処理能力的に問
題があった。また、従来の銀塩方式による写真プリント
に比べ、耐久性が劣っているという問題もあった。
【0005】また、特にインデックスプリントの作成
は、上述のように写真ラボシステムと並行して行われる
ので、写真ラボシステムの高速化に対応してインデック
スプリントの作成時間も短縮する必要があるが、インデ
ックスプリントの作成の高速化は未だ十分なものではな
い。さらに、インデックスプリントの作成コストの低減
要請もあり、感熱昇華転写方式によるインデックスプリ
ントの作成に要する熱転写シートの効率的な利用が求め
られている。
【0006】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、現像済写真フィルムまたはプリントから
取り込んだ画像データに基づいた感熱昇華転写による画
像形成が迅速で形成時間の短縮が可能な写真プリントの
作成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の写真プリントの作成方法は、現像済
写真フィルムまたはプリントから取り込んだ画像データ
を用いて、感熱昇華転写方式によって画像を形成する写
真プリントの作成方法において、少なくとも基材シート
と該基材シートの一方の面に設けられた染料受容層とを
備える長尺状の受像シートの搬送経路に、サーマルヘッ
ドと所定色の熱転写シートとを備えた2以上の画像形成
部を前記染料受容層と対向するように配設し、前記画像
形成部の搬送経路下流側に搬送路長を変えることができ
る貯留部を配設し、該貯留部の搬送経路下流側に保護層
形成部を配設し、搬送される前記受像シートの前記染料
受容層の所定領域に、現像済写真フィルムまたはプリン
トから取り込んだ画像データに基づいて前記画像形成部
の少なくとも1つにおいて所定色の画像を形成し、その
後、前記貯留部に受像シートを貯め、前記保護層形成部
にて受像シートの染料受容層上にヒートローラによって
保護層転写シートを熱圧着して保護層を転写形成するよ
うな構成とした。
【0008】また、本発明の写真プリントの作成方法
は、保護層形成後に前記受像シートを所定の長さに切断
するものである。
【0009】また、本発明の写真プリントの作成方法
は、1本の現像済写真フィルムに記録された画像を一覧
できるように複数の画像を配置することにより、インデ
ックスプリントとしての写真プリントを作成するもので
ある。
【0010】本発明のプリンターは、現像済写真フィル
ムまたはプリントから取り込んだ画像データを用いて、
感熱昇華転写方式によって画像を形成するプリンターに
おいて、少なくとも基材シートと該基材シートの一方の
面に設けられた染料受容層とを備える長尺状の受像シー
トの搬送経路に、前記染料受容層と対向するように配設
された2以上の画像形成部と、貯留部および保護層形成
部とを備え、前記画像形成部はサーマルヘッドと所定色
の熱転写シートとを備え、前記貯留部は搬送路長を変え
るための可動リールを備え、前記保護層形成部は前記受
像シートを介して相対向するヒートローラとニップロー
ラ、および、該ヒートローラを通過する搬送経路をもつ
保護層転写シートを備えるような構成とした。
【0011】
【作用】搬送される受像シートは、その染料受容層に2
以上配設された画像形成部の少なくとも1つにおいて所
定の色の画像が順次出力されて画像が形成され、この画
像形成は現像済写真フィルムまたはプリントから取り込
んだ画像データに基づいて感熱昇華転写方式の熱転写シ
ートを用いて行われるので、上記受像シートは現像済写
真フィルムまたはプリントが有する画像データを鮮明な
画像として保持する写真プリントとなり、かつ、この写
真プリントへの画像の形成時間は、受像シートの搬送
(給排紙)動作が簡略化されるため、従来の感熱昇華転
写方式による写真プリントの作成方法に比べて短いもの
であり、さらに、染料受容層上に保護層を形成した場
合、写真プリントの耐久性がより向上して長期保存に適
したものとなり、また、長尺体の受像シートを使用して
画像形成後に受像シートを所定の長さに切断して1枚の
写真プリントとすることができ、この受像シートの切断
を画像形成後であって保護層形成前に行うことによって
画像形成速度と保護層形成速度が異なる場合でも効率的
に写真プリントの作成が行える。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について、写真プリン
トとしてインデックスプリントを作成する場合を例にと
り図面を参照しながら説明する。
【0013】図1は本発明の写真プリントの作成方法を
説明するためのプリンター構成図である。図1に示され
るプリンター1において、ロール状態から引き出された
長尺状の受像シート2は、プラテンローラ3a,3b,
3cを経る搬送経路に送られる。この受像シート2は基
材シートの一方の面に染料受容層を形成した長尺シート
であり、基材シート側をプラテンローラ3a,3b,3
cに接触させるようにして搬送される。
【0014】この搬送経路では、受像シート2を介して
各プラテンロールに対向するように画像形成部4Y,4
M,4Cが設けられており、各画像形成部はそれぞれサ
ーマルヘッド5と感熱昇華転写方式の熱転写シート6
Y,6M,6Cを備えている。図示例では、熱転写シー
ト6Y,6M,6Cは、それぞれイエローの染料層、マ
ゼンタの染料層、シアンの染料層を備えたモノカラーの
熱転写シートである。そして、各画像形成部4Y,4
M,4Cでは、サーマルヘッド5が熱転写シート6Y,
6M,6Cを介して受像シート2の染料受容層に対向し
ており、各サーマルヘッド5は、それぞれ熱転写シート
6Y,6M,6Cを加熱して昇華転写による画像形成を
受像シート2の染料受容層に行えるように構成されてい
る。
【0015】上記のように画像形成部4Y,4M,4C
が設けられている搬送経路を通過した受像シート2は、
次に、切断部7に搬送されて所定の長さに切断され、そ
の後、枚葉状態となった受像シート2は保護層形成部8
に送られる。この保護層形成部8は、相対向するヒート
ローラ9aとニップローラ9b、および、ヒートローラ
9aを通過する搬送経路をもつ保護層転写シート10を
備えている。
【0016】上述のプリンター1では、ロール状態から
引き出された受像シート2に対して、まず、画像形成部
4Yにおいて熱転写シート6Yを用いた感熱昇華転写に
よるイエローの画像形成が行われる。ついで、画像形成
部4Mにおいて熱転写シート6Mを用いたマゼンタの画
像形成、さらに、画像形成部4Cにおいて熱転写シート
6Cを用いたシアンの画像形成が行われる。ここで、画
像形成部4Y,4M,4Cに配設されているサーマルヘ
ッド5は、ネガフィルムが有する画像データを処理した
昇華転写用データに基づいて熱転写シート6Y,6M,
6Cを加熱して昇華転写による画像形成を受像シート2
の染料受容層に行えるように構成されている。上記の昇
華転写用データは、ネガフィルムに記録されている画像
をCCDセンサー等の画像デバイスを用いて電気信号に
変換し、さらに、アナログ/デジタル変換した後、この
画像データに対して階調補正、色補正、拡大/縮小等の
必要な画像処理を行い昇華転写記録用のデータとしたも
のである。したがって、ネガフィルムが有する画像デー
タを色分解し、各色ごとの画像を画像形成部4Y,4
M,4Cにおいてそれぞれ受像シート2上に形成するこ
とにより、フルカラーの画像が形成される。そして、こ
のカラー画像は、1本のネガフィルムが有する画像デー
タを所望の配列ですべて画像化したものである。
【0017】このようにカラー画像が形成された受像シ
ート2を切断部7で所定の長さに切断し、その後、保護
層形成部8において相対向するヒートローラ9aとニッ
プローラ9b間に受像シート2と保護層転写シート10
を重ねた状態で送り込むことにより、受像シート2の染
料受容層上に保護層が転写形成されて写真プリントとし
てのインデックスプリント11が作成される。このイン
デックスプリント11は、上記のように1本のネガフィ
ルムが有する画像データをカラー画像として保持するも
のであり、利用者は1枚のインデックスプリントを見る
ことにより、ネガフィルムに撮影されている全コマの画
像を容易に視認することができる。
【0018】上述の本発明の写真プリントの作成方法に
よるインデックスプリントの作成では、搬送される受像
シート2は、その搬送経路において染料受容層に各画像
形成部4Y,4M,4Cで所定の色の画像が順次重ねて
出力されてカラー画像が形成されるため、受像シート2
の搬送(給排紙)動作の簡略化ができる。したがって、
従来のイエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層が順
次繰り返し形成された熱転写シートを使用して1つの画
像形成部にて画像を形成する場合に比べて、画像形成時
間の大幅な短縮が可能となる。さらに、従来のインデッ
クスプリント作成における熱転写シートでは、その流れ
方向に所定の長さで各色の染料層が順次繰り返し形成さ
れているため、例えば、シアンの画像の形成に要するシ
アン染料層の使用面積がシアン染料層の流れ方向の半分
で済む場合でも、所定長すべてのシアン染料層が1回の
画像形成で使用されることになり、熱転写シートの使用
効率に限界があった。しかし、本発明では、熱転写シー
ト6Y,6M,6Cはそれぞれ画像形成に必要な長さだ
け使用することができ熱転写シートの使用効率の向上が
可能となる。さらに、上述の実施例のように長尺体の受
像シートを用いた場合、枚葉の受像シートに必要な搬送
用のグリップエリアが不要となり、受像シートの利用効
率が高いものとなる。また、受像シート2の切断部7を
図示例のように画像形成部6Cと保護層形成部8との間
に配置することにより、画像形成速度と保護層形成速度
が異なる場合(通常、保護層形成速度が画像形成速度よ
りも大きい)でも、画像形成と保護層形成を同時並列的
に行うことができるため、効率的にインデックスプリン
ト11の作成が行える。
【0019】尚、上述のインデックスプリント作成の実
施例では、イエロー、マゼンタ、シアンの3か所の画像
形成部が設けられているが、画像形成部の配列順序、配
列数、使用する熱転写シートの色は特に制限があるもの
ではない。例えば、画像形成部4Y,4M,4Cに加え
て黒色画像形成用の画像形成部4Bを設けて、イエロ
ー、マゼンタ、シアン、スミの4色からなるカラー画像
形成としてもよく、また、画像形成部4Bによるモノク
ロ画像の形成を行えるようにしてもよい。
【0020】また、本発明の写真プリントの作成方法に
よるインデックスプリントの作成は、図2に示されるよ
うに切断部7を保護層形成部8の下流側に配置してもよ
く、さらに、この場合、図3に示されるように画像形成
部6Cと保護層形成部8との間に貯留部Dを設けてもよ
い。図3の貯留部Dは、可動リールd,dが矢印方向に
移動することによって搬送路長を変えることができ、こ
れによって画像形成速度と保護層形成速度との違いを貯
留部Dで吸収するものである。すなわち、画像形成され
た受像シート2を貯留部Dに一旦貯め、所定長の受像シ
ート2が貯められた後に保護層形成部8へ受像シート2
を送り保護層が形成される。また、保護層形成をヒート
ローラ9aとニップローラ9bを用いて行うのではな
く、図4に示されるように、サーマルヘッド5とプラテ
ンローラ3dを用いた保護層形成部8によって行うよう
にしてもよい。尚、この場合にも、切断部7を画像形成
部4Cと保護層形成部8の間に配設してもよい。
【0021】ここで、本発明の写真プリントの作成方法
において使用する熱転写シートは、基材フィルム上に所
定色の染料層を形成したものであり、特に制限があるも
のではない。熱転写シートを構成する基材フィルムとし
ては、従来の熱転写シートに使用されている基材フィル
ム、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリプロピレ
ン、セロハン、ポリカーボネート、酢酸セルロース、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロ
ン、ポリイミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コール、フッ素樹脂、塩化ゴム、アイオノマー等のプラ
スチックフィルム、グラシン紙、コンデンサー紙、パラ
フィン紙等の紙類、不織布等を使用することができる。
染料層は、染料をバインダーで担持した層であり、染料
としては、従来の熱転写シートに使用されている染料、
例えば、MS Red G、Macrolex Red Violet R 、Ceres Re
d HBSL、Resolin Red F3BS等の赤色染料、ホロンブリリ
アントイエロー6GL 、PTY-52、マクロレックスイエロー
6G等の黄色染料、カヤセットブルー714、 ワクソリンブ
ルーAP-FW、 ホロンブリリアントブルーS-R、 MSブルー
100 等の青色染料を用いることができる。また、上記の
染料を担持するためのバインダーとしては、例えば、エ
チルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セル
ロース、酢酪酸セルロース等のセルロース系樹脂、ポリ
ビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、
ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリエステル等
を挙げることができ、これらの中では、耐熱性、染料移
行性等の点からセルロース系、ポリビニルアセタール系
およびポリエステル系が好ましく使用することができ
る。尚、染料層には上記の染料、バインダーの他に必要
に応じて従来公知の種々の添加剤を含めることができ
る。
【0022】また、上述した本発明の写真プリントの作
成方法によるインデックスプリント作成の実施例では、
保護層を染料受容層上に形成しているが、使用する受像
シートおよび熱転写シートを考慮したうえで保護層形成
を不要とすることもできる。さらに、切断部7および保
護層形成部8を設けず、画像形成された受像シート2を
別工程で切断してインデックスプリントとしてもよい。
また、ネガフィルムが有する画像データをインデックス
プリントに画像化して保持する場合の配置、画像データ
に対応する番号等の付与の有無等は任意に設定すること
ができ、なんら制限はない。
【0023】本発明の写真プリントの作成方法では、上
述の各実施例の他に、図5に示されるように各画像形成
部24Y,24M,24Cおよび保護層形成部28を同
一ライン上に配列し、熱転写シートとしてモノカラーの
熱転写シート6Y,6M,6Cの代わりに、イエロー、
マゼンタ、シアンの各色の染料層および保護層が順次繰
り返し形成されたフルカラーの熱転写シート26を使用
して画像形成と保護層形成を行うようにしてもよい。そ
して、画像形成および保護層形成時は、サーマルヘッド
25を固定し、受像シート2、熱転写シート26および
プラテン23a,23b,23c,23dを移動させて
画像形成および保護層形成を行うこともできる。この場
合、プラテン23a,23b,23c,23dの移動
は、例えば、ボールスクリュー29をモータ等で回転さ
せることによって同速度で行うことができる。また、逆
に、サーマルヘッド25が移動し、受像シート2、熱転
写シート26およびプラテン23a,23b,23c,
23dは固定状態(この場合、図5に示されるボールス
クリュー29はなくてよい)とすることができる。
【0024】上記のようの画像形成および保護層形成が
終了した受像シート2は、その後、切断部27において
切断されてインデックスプリント11とされる。図5に
示される例では、プラテン23a,23b,23cおよ
び23dは平板状のものを使用しているが、ローラ状の
プラテンを使用することも可能である。
【0025】次に、上述のような本発明の写真プリント
の作成方法により作成された写真プリントについて説明
する。図6は本発明により作成された写真プリントの一
例を示す概略断面図であり、写真プリント11は、基材
シート12と、この基材シート12の一方の面に設けら
れた染料受容層13と、染料受容層13上に形成された
保護層14とを備える。そして、染料受容層13は、上
述のような本発明の写真プリント作成方法によって現像
済写真フィルム(例えば、ネガフィルム)やプリントが
有する画像データを画像として形成して保持している。
【0026】写真プリント11を構成する基材シート1
2に使用できる材料は、紙類では、各種紙単体もしくは
加工紙等いずれも使用可能で、例えば、上質紙、アート
紙、コート紙、キャストコート紙、板紙、壁紙、裏打用
紙等の他、樹脂エマルジョンや合成ゴムラテックス等の
含浸紙、合成樹脂内添紙等が挙げられ、更に、これらと
各種プラスチックフィルムの積層体も使用できる。
【0027】また、合成紙では、ポリスチレン系合成紙
やポリオレフィン系合成紙等が良好に使用でき、プラス
チックフィルムでは、ポリオレフィン系樹脂フィルム、
ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステル系樹脂フィル
ム、ポリスチレンフィルム、ポリメタクリレートフィル
ム、ポリカーボネートフィルム、ポリアクリロニトリル
フィルム等が使用できる。これらのプラスチックフィル
ムでは、透明なフィルムだけではなく、白色顔料や充填
剤等を添加して成膜した白色不透明のフィルム、あるい
は発泡させたフィルムも使用でき、特に限定されない。
【0028】尚、プラスチックフィルムを使用する場合
には、フィルムの剛性を調節するために必要に応じて可
塑剤等を添加してもよい。
【0029】上記の基材シート用12の材料は、それぞ
れ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層
体として使用してもよい。
【0030】このような基材シート12の厚さは、要求
される強度等により適宜決定することができ、例えば、
10〜400μm程度、さらには100〜300μm程
度とすることができる。尚、特にOHP用等の透光性画
像が要求される用途においては、50〜200μm程度
の厚さの透明ポリエチレンテレフタレートシートが適し
ている。
【0031】また、写真プリント11を構成する染料受
容層13は、熱転写シートから移行してくる昇華性染料
を受容し、形成された画像を維持するためのものであ
る。
【0032】染料受容層13を形成するための樹脂とし
ては、公知のものが使用でき、特に限定はされないが、
例えば、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹
脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチ
レンアクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹
脂等のエステル結合を有する樹脂、ポリウレタン樹脂等
のウレタン結合を有する樹脂、ポリアミド樹脂等のアミ
ド結合を有する樹脂、尿素樹脂等の尿素結合を有する樹
脂、あるいは、ポリカプロラクトン樹脂、スチレン−無
水マレイン酸樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリト
ニトリル樹脂等の極性の高い結合を有する樹脂等が挙げ
られる。さらに、上記の樹脂の混合物あるいは共重合体
等も使用することができる。通常、染料受容層13の厚
みは0.5〜10μm程度とすることができる。
【0033】尚、染料受容層13は、昇華転写の際に、
熱転写シートと合わせてサーマルヘッド等により加熱圧
着されるため、熱転写シート面と粘着し易く、通常、上
記のような樹脂に染料透過性の離型剤を含有させて形成
されている。このような離型剤としては、固形ワックス
類、フッ素系あるいはリン酸エステル系の界面活性剤、
シリコーンオイル類等が用いられる。特に、シリコーン
オイル類では油状のものも用いることができるが、反応
硬化型のものが好ましく、例えば、アミノ変性シリコー
ンとエポキシ変性シリコーンの組み合わせ等が好まし
い。
【0034】また、染料受容層13には帯電防止剤を添
加してもよい。使用する帯電防止剤は、公知の帯電防止
剤、例えば第4級アンモニウム塩、ポリアミン誘導体等
のカチオン系帯電防止剤、アルキルホスフェート等のア
ニオン系帯電防止剤、脂肪酸エステル等のノニオン系帯
電防止剤等が挙げられる。
【0035】さらに、本発明のインデックスプリント1
1を構成する保護層14は、ヒートローラ、サーマルヘ
ッド、ラインヒータ等を用いて形成することができ、そ
の厚みは0.1〜20μm程度とすることができる。保
護層形成に使用する保護層転写シートは、従来公知のも
のがいずれも使用できるが、ポリエステル樹脂等からな
る基材シート上に剥離層と保護層とをこの順に形成した
保護層転写シートを好ましく使用することができる。ま
た、上記の保護層用の材料からなる塗布液を公知の塗布
方法により染料受容層13上に塗布、乾燥して保護層1
4を形成してもよい。また、保護層14中には、従来公
知の紫外線吸収剤を添加してもよい。さらに、紫外線吸
収能を有する樹脂層を別層として積層してもよい。
【0036】本発明により作成された写真プリント11
は、基材シート12と染料受容層13との間に中間層を
形成したものであってもよい。このような中間層は基材
シート12と染料受容層13との接着性を良好にするた
めのものであり、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポ
リエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂等
により形成することができ、厚さは0.1〜25μm程
度が好ましい。
【0037】また、基材シート12と上記のような中間
層との間に、気泡含有層を設けてもよい。この気泡含有
層は発泡剤を用いて形成することができ、使用する発泡
剤は熱で分解して酸素、炭酸ガス、窒素等のガスを発生
するジニトロペンタメチレンテトラミン、ジアゾアミノ
ベンゼン、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボ
アミド等の分解型発泡剤、ブタン、ペンタン等の低沸点
液体をポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル等の
樹脂でマイクロカプセル化したマイクロバルーン等を挙
げることができる。
【0038】尚、実施例では、一例としてインデックス
プリントの作成について示したが、本発明の写真プリン
トの作成方法は、インデックスプリントの作成に限定さ
れるものではないことは勿論である。
【0039】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば受
像シートの搬送経路において、受像シートの染料受容層
に、現像済写真フィルムまたはプリントが有する画像デ
ータに基づいて1以上の画像形成部でサーマルヘッドと
感熱昇華転写方式の熱転写シートを用い所定の色の画像
を出力することにより画像が形成されるので、画像形成
の時間短縮と画像形成に要する熱転写シートの使用効率
向上が可能となり、得られる写真プリントは、現像済写
真フィルムまたはプリントが有する画像データを鮮明な
画像として保持するものであり、染料受容層上に保護層
を形成するので、写真プリントの耐久性がより向上し、
長期保存に適したものとなり、さらに、画像形成部と保
護層形成部との間に貯留部を備えるので、画像形成速度
と保護層形成速度が異なる場合でも写真プリント作成の
効率を高めることができる。また、保護層形成後に長尺
状の受像シートを所定位置で切断して1枚の写真プリン
トとした場合、受像シートの有効利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真プリントの作成方法を説明するた
めのプリンター構成図である。
【図2】本発明の写真プリントの作成方法の他の実施例
を説明するためのプリンター構成図である。
【図3】本発明の写真プリントの作成方法の他の実施例
を説明するためのプリンター構成図である。
【図4】本発明の写真プリントの作成方法の他の実施例
を説明するためのプリンター構成図である。
【図5】本発明の写真プリントの作成方法の他の実施例
を説明するためのプリンター構成図である。
【図6】本発明の写真プリントの作成方法により作成さ
れた写真プリントの一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1,21プリンター 2…受像シート 3a,3b,3c,3d…プラテンローラ 4Y,4M,4C,24Y,24M,24C…画像形成
部 5,25…サーマルヘッド 6Y,6M,6C,26…熱転写シート 7,27…切断部 8,28…保護層形成部 9a…ヒートローラ 9b…ニップローラ 10…保護層転写シート 11…写真プリント 12…基材シート 13…染料受容層 14…保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−293882(JP,A) 特開 平6−305198(JP,A) 特開 昭57−169370(JP,A) 特開 平1−122485(JP,A) 特開 平5−293981(JP,A) 特開 平5−8482(JP,A) 特開 昭61−154972(JP,A) 特開 昭58−171979(JP,A) 特開 平6−8493(JP,A) 特開 昭64−90772(JP,A) 特開 昭58−11180(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/32 - 2/325 B41J 29/00 B41M 5/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像済写真フィルムまたはプリントから
    取り込んだ画像データを用いて、感熱昇華転写方式によ
    って画像を形成する写真プリントの作成方法において、 少なくとも基材シートと該基材シートの一方の面に設け
    られた染料受容層とを備える長尺状の受像シートの搬送
    経路に、サーマルヘッドと所定色の熱転写シートとを備
    えた2以上の画像形成部を前記染料受容層と対向するよ
    うに配設し、前記画像形成部の搬送経路下流側に搬送路
    長を変えることができる貯留部を配設し、該貯留部の搬
    送経路下流側に保護層形成部を配設し、搬送される前記
    受像シートの前記染料受容層の所定領域に、現像済写真
    フィルムまたはプリントから取り込んだ画像データに基
    づいて前記画像形成部の少なくとも1つにおいて所定色
    の画像を形成し、その後、前記貯留部に受像シートを貯
    め、前記保護層形成部にて受像シートの染料受容層上に
    ヒートローラによって保護層転写シートを熱圧着して保
    護層を転写形成することを特徴とする写真プリントの作
    成方法。
  2. 【請求項2】 保護層形成後に前記受像シートを所定の
    長さに切断することを特徴とする請求項1に記載の写真
    プリントの作成方法
  3. 【請求項3】 前記写真プリントは、1本の現像済写真
    フィルムに記録された画像を一覧できるように複数の画
    像を配置したインデックスプリントであることを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の写真プリントの作
    成方法。
  4. 【請求項4】 現像済写真フィルムまたはプリントから
    取り込んだ画像データを用いて、感熱昇華転写方式によ
    って画像を形成するプリンターにおいて、 少なくとも基材シートと該基材シートの一方の面に設け
    られた染料受容層とを備える長尺状の受像シートの搬送
    経路に、前記染料受容層と対向するように配設された2
    以上の画像形成部と、貯留部および保護層形成部とを備
    え、 前記画像形成部はサーマルヘッドと所定色の熱転写シー
    トとを備え、 前記貯留部は搬送路長を変えるための可動リールを備
    え、 前記保護層形成部は前記受像シートを介して相対向する
    ヒートローラとニップローラ、および、該ヒートローラ
    を通過する搬送経路をもつ保護層転写シートを 備えるこ
    とを特徴とするプリンター。
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